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闘争心が伝わってくるシンゲン:5つ☆

アサクサキングス →馬体を見る
いつも良く見せる馬だが、今回も休み明けを感じさせない毛艶の良さ。
頭がやや高いことを除けば、筋肉のメリハリや馬体の伸びなど文句なし。
Pad4star

ウオッカ →馬体を見る
ひと叩きされて、馬体自体は力強さを取り戻している。
ただ、昨年時(天皇賞秋)に比べると、毛艶が物足りなく映る。
Pad4star

オウケンブルースリ →馬体を見る
休み明けを激走した反動は、馬体からはおよそ感じられない。
腰高に映る馬体からも、距離短縮は問題ないだろう。
Pad4star

カンパニー →馬体を見る
年齢を重ねることによって、良い意味で馬体が枯れてきている。
ただ前走に比べると、馬体が少し萎み、立ち姿から力強さが失われている。
Pad3star

キャプテントゥーレ →馬体を見る
芦毛の馬だけに、毛艶や筋肉の張りはぼやけて映るのは仕方ない。
3歳時に比べると、全体の前後のバランスが取れてきている。
Pad3star

サクラメガワンダー →馬体を見る
立ち姿から覇気が感じられず、トモの肉付きもまだ薄い。
表情からも、宝塚記念までの激走の反動を引きずっているように映る。
Pad2star

シンゲン →馬体を見る
とにかく毛艶が良く、表情からも闘争心が伝わってくる。
筋肉のメリハリだけではなく、全体のバランスも素晴らしい。
Pad5star

スクリーンヒーロー →馬体を見る
あまり良く見せない馬はあるが、休み明けにしては悪くない仕上がり。
筋肉量が多くなってきているように、2000m前後はベストではないか。
Pad3star

ドリームジャーニー →馬体を見る
休み明けを一度叩かれたが、全体的にはまだ余裕が見られる。
研ぎ澄まされていた宝塚記念時よりも、筋肉のメリハリが物足りない。
Pad3star

マツリダゴッホ →馬体を見る
6歳になっても、馬体自体は安定して大きな変化はない。
伸びがあって距離延長にも対応できるが、気性的にはこのぐらいが合っている。
Pad3star

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何度めぐり合えるのだろう

Jiromaru

あの日から、もう19年が経ってしまいました。私が生まれて初めて競馬場に行った日。その日に行われる天皇賞秋には怪物オグリキャップが出走するということで、私を含むたくさんの競馬ファンが詰め掛けていました。生まれて初めて競馬場に足を踏み入れた私は、競馬場の空の大きさに心を奪われただけではなく、観衆の多さに度肝を抜かれてしまいました。

その当時の競馬場やウインズにおける人の多さは尋常ではなく、まさに立錐の余地もありませんでした。今みたいにPATがなかったこともありますが、純粋に競馬場に来てその場の雰囲気を楽しむという競馬ファンの数が圧倒的に多かったのだと思います。熱狂という言葉がピッタリと来る、そんな時代でした。

ファンファーレ後の手拍子やゴール前のどよめきや絶叫に私は圧倒されました。あまりの競馬ファンの多さに、背伸びをしてみても、オーロラビジョンさえ見ることができず、初めての競馬場で私はサラブレッドの走る姿を生で観戦することが結局出来ませんでした。周りが口々に放つ「オグリが負けた…」「青い帽子2頭だ」という言葉から、レースの結末をあれやこれやと想像しました。私の手にはオグリキャップから数点流した馬券が握られていました。オグリキャップが負けたこともショックでしたが、このような熱狂がこの世にあったことを知った私は、その場に立ち尽くし、世界観が変わりました。

人間には日常と祝祭が必要といいますが、競馬場での熱狂はそれまでに味わったことのない祝祭でした。小学校の運動会よりも、中学の野球部の県大会よりも、高校の学園祭よりも、有名ロックグループのコンサートよりも。今となっては良かったのか悪かったのか分かりませんが、その日から私は競馬場に魅せられました。祝祭という非日常を求め、19年間、暇さえあれば競馬場に足を運び続けてきました。

そういえば、オグリキャップが敗れたこの年の天皇賞秋は、4-4というゾロ目で決まったのでした。ゾロ目って分かりますか?馬連や馬単が主流になった今では死語ですが、当時のように枠連しか馬券がなかった時代は、同じ枠に入った馬がどちらも連対することをゾロ目と言いました。ヤエノムテキ(1着)とメジロアルダン(2着)はどちらも4枠の馬でした。同じ枠を買うなんていう買い方があることを私が知ったのが、この天皇賞秋になります。「府中の2000mには魔物が住んでいる」と言われ始めたのも、オグリが負けたこのレース頃だったかなあ。

競馬場にかつてほど人が集まらなくなり、ゾロ目という言葉も聞こえなくなり、やはり長い年月が経ったのだと実感します。私自身はあの頃と変わらないつもりですが、競馬をやっていると、月日が経つのはあっという間で、世の中は大きく変わりました。

私の大好きな冒険家であり写真家である、星野道夫さんの言葉が浮かんできます。

無窮の彼方へ流れゆく時を、めぐる季節で確かに感じることができる。 自然とは、何と粋な計らいをするのだろうと思う。 1年に1度、名残惜しく過ぎてゆくものに、この世で何度めぐり合えるのか。 その回数を数えるほど、人の一生の短さを知ることはないのかもしれない。 「CARIBOU-極北の旅人」より

昨年の伝説の天皇賞秋は、久しぶりに熱いものがこみ上げてきたレースでした。1年に1度の天皇賞秋というレース。この世で何度めぐり合えるのでしょうか。その回数を数えるほど、人の一生の短さを知ることはないのかもしれませんね。

ふと、あの時代の熱狂を忘れたくないなと思います。



私が初めて生で観た天皇賞秋。立っているのがやっとという競馬ファンの多さでした。

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東京2000m

Tokyo2000t1

改修前の東京2000mのコースは、スタート地点から最初のコーナーまでの距離が極端に短く、急激に左に曲がることから、外枠に入った先行馬は非常に不利であった。コーナーを回りながらのポジション取りになるため、先へ行こうと思うと遠心力で外へ外へと振られてしまい、1番と10番に入った馬とでは約1秒のタイム差があると言われていたぐらいである。

しかし、平成14年の改修によって、東京競馬場の2000mコースは生まれ変わった。スタートから最初のコーナーまでの距離が23m延長されたことにより、スタートしてから各馬がスムーズに最初のコーナーに入って行けるようになったのだ。このことにより、各馬(騎手)が力を出し切れるコースへと一変した。さらにゲートを外目に置くようになったため、外枠の馬も最初のコーナーへゆったりとロスなく入れるようになり、内外の有利不利はほとんどないと考えてよい。

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血の凄さをまざまざと

Kikkasyou09 by @84image
菊花賞2009-観戦記-
武豊リーチザクラウンが刻んだラップタイムは、前半1000mが59秒9、中盤が63秒2、後半が60秒4。僅かに前半が速いながらも、後ろから差してくる馬にとっては苦しい流れとなった。とはいえ、馬群の隊列に目を移してみると極端な縦長の形になっており、中盤で脚を溜めることのできなかった逃げ馬リーチクラウンにとっても、非常に厳しいペースであった。

1番人気に推されたリーチザクラウンは、前走とは打って変わって、道中からゴールまで力んで走っていた。1周目に大観衆のスタンド前を通るため、そこで馬がエキサイトしてしまったのだろう。向こう正面でペースダウンをして、後続を引き付けたかったところだが、最後まで息を入れることができなかった。机上の計算では逃げ切りが可能なラップではあるが、道中の馬とジョッキーの呼吸が合っていなければ、スタミナのロスは数字以上に大きい。

勝ったスリーロールスは父ダンスインザダーク、母父がブライアンズタイムという典型的なステイヤーであり、その資質を菊花賞の舞台で見事に生かし切ってみせた。内枠を利して、スタートから終始攻めに徹した浜中俊騎手の手綱捌きも光った。最後はスルスルと馬群を縫って出てきて、直線ではターフビジョンに物見をしてヒヤリとさせられたが、後ろから来られるとまた伸びた。道中は決してスムーズだったわけではなく、多少のことには動じない精神力と鞍上の指示に従える素直な気性、そしてこのメンバーでは一枚上のスタミナを有している。

2着に突っ込んできたのは、勝ち馬と同じくダンスインザダーク産駒のフォゲッタブル。こちらは母がエアグルーヴだから、まさに菊花賞の舞台で良血開花といえる。惜しむらくは、前が詰まるところもあって、道中のポジションが少し後ろになってしまったことだろう。このペースを考えると、スムーズに前に付けられていればと思わせられる。それにしても、長い距離で持続力を問われるレースにおける、ダンスインザダークの血の凄さをまざまざと見せつけられた。

セイウンワンダーは完璧に乗られて、完全に力を出し切っている。朝日杯フューチュリティSを勝っているように、決して菊の舞台に対する適性が高いとは言えないのだが、それでもこの馬の持つ生命力の高さで3着に粘り込んだ。体調が上向いているだけではなく、春に比べても馬体がドッシリとしてきたように、ここに来てさらに成長している。自分の得意な条件に戻れば、G1レースで再び好勝負する下地は整った。

イコピコが1頭だけ違う脚で追い上げてきた時には、既に勝敗は決してしまっていた。もう少し前に行っていればと思われるかもしれないが、そうすればこれだけの脚は使えなかっただろう。こういうタイプの馬は馬群の中で脚を溜めるよりも、周りに馬がいない状態の方が最後の瞬発力が生かしやすい。前走の神戸新聞杯の走りを見る限り、中距離で切れ味を生かす競馬が合っているようだ。マイラーであった祖母のカッティングエッジの血が出てきているのだろう。

関東馬ナカヤマフェスタは、道中押しても前に進んで行かない様子で、勝負どころで前走のような捲くりを打つことができなかった。元々、気性の難しい馬だけに、輸送等の影響もあってか体調が優れなかったのだろうか。アドマイヤメジャーもスタミナ不足を露呈してしまった。ステイヤーの資質が問われるレースでは、アグネスタキオンの血では太刀打ちできなかった。同じことはアンライバルドにも当てはまり、菊花賞の舞台とこの馬の資質が、精神的にも肉体的にも全く逆のベクトルにあった。

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天皇賞秋を当てるために知っておくべき3つのこと

Akiten

■1■前に行けて瞬発力に長けた馬
平成14年の改修によって、東京競馬場の2000mコースは生まれ変わった。スタートから最初のコーナーまでの距離が23m延長されたことにより、スタートしてから各馬が比較的スムーズに最初のコーナーに入って行けるようになったのだ。さらにゲートを外目に置くようになったため、最初のコーナーに各馬が殺到して、馬群が詰まってしまうということが緩和された。

最初のコーナーへの先行争いが緩和されたことにより、ハイペースが常であった天皇賞秋が平均ペースになりやすくなった。サンデーサイレンス産駒のワンツーフィニッシュ(平成16年、17年においてはサンデーサイレンス産駒のワンツースリー)が目立つように、「瞬発力」が求められるレースに様変わりしたということである。牝馬の活躍が目立つようになったのもここに理由がある。馬場がまだ軽さを保っている時期ということも含め、前に行ける馬は圧倒的に有利である。

■2■穴は夏競馬を使ってきた馬から
かつては天皇賞秋→ジャパンカップ→有馬記念が古馬の王道であったが、最近は3戦全てに全力投球する馬は珍しくなった。ひとつのG1レースを勝つことによる消耗が激しくなったことに加え、良い意味でも悪い意味でも各路線が分業化されたことにより、それぞれの有力馬がどこかのレースに照準を絞るようになった。

そのため、実績馬であっても天皇賞秋にはビッシリ仕上げてこない馬もいるため、ここがピークになるように夏競馬を使われてきた伏兵馬が台頭することもありうる。たとえば、2005年を制したヘヴンリーロマンスなどはその典型で、2006年のスウィフトカレント、そして一昨年のアグネスアーク、カンパニーなどが激走して穴を開けた。特に札幌記念はG1の登竜門でもあり、ここを好走してきた馬には注目しておきたい。

■3■宝塚記念とは直結しない
同じ中距離で行われる春と秋のG1レースである宝塚記念と天皇賞秋であるが、意外なことに勝ち馬が直結しない。過去10年でこの2つのレースを連勝した馬はテイエムオペラオーのみである。その理由としては、以下の2つが考えられる。

ひとつは2つのレースで勝ち馬に求められる資質が違うということ。6月の阪神競馬場で行われる宝塚記念は、ほぼ洋芝100%に近い力の要るオーバーシード芝で行われるため、勝利を手にするには何よりもパワーが求められる。それに対し、10月の東京競馬場で行われる天皇賞秋は、ほぼ野芝100%に近い極めて軽い馬場で行われるため、勝ち馬には何よりも軽いスピードが要求される。全く反対のベクトルを持つ資質が問われるだけに、宝塚記念と天皇賞秋を2つとも勝つのは至難の業である。

ふたつ目は、宝塚記念と天皇賞秋との間がわずか4ヶ月しかないということ。シーズンオフに近い宝塚記念を勝つということは、一滴も残らず春シーズンの力を使い果たしてしまったということを意味する。そこからわずか4ヶ月の間で、疲労を回復して、秋のG1シリーズ初戦である天皇賞秋に万全の体調で臨むことはなかなか難しい。見た目は出来ていても、目に見えない疲れが残っていたり、精神的な消耗が回復していなかったりすることは案外多い。

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◎リーチザクラウン

Jiromaru

前回の手紙では逃げ馬の話をしましたが、実は京都3000m外回りコースは、1986年から1996年の11年間でたったの1度も逃げ切りがなかったコースです。この事実だけで、この京都3000m外回りコースがどれだけ逃げ切り至難であったかが分かると思います。ミホノブルボンもキョウエイボーガンも、菊花賞で逃げ馬受難の時代の逃げ馬だったといえます。

ところが、1997年に南井克己騎手を背にしたビッグシンボルが、このコースで行われた万葉Sを逃げ切るというエポックメーキングな出来事が起こりました。偶然によるものか、それとも計算された逃げ切りか分かりませんが、とにかく京都の3000mコースを11年ぶりに逃げ切った馬が現れたのでした。逃げ切り不可能と思われていた京都3000mコースに、実はひとつだけ逃げ切りの方法が見つかったのです。それが伏線となり、1998年の菊花賞における、横山典弘騎手とセイウンスカイの逃げ切りにつながります。

菊花賞を逃げ切ったセイウンスカイのラップは以下のとおりです。

13.3-11.5-11.7-11.7-11.4-12.1-13.1-13.5-12.7-12.9-12.3-11.9-11.6-11.5-12
(59.6-64.3-59.3)M 3:03.2 

カッコ内の数字は3000mを3分割した1000mごとのタイムです。前半の1000mが59秒6、中盤が64秒3、後半が59秒3。前半が速く、中盤が遅く、後半が速い、急緩急のラップですね。

長距離になればなるほど、どんな馬でもスタミナ切れを意識するので、どうしても前半は出来る限りゆっくり走りたいと考えます。しかし、あまりにゆっくりと行き過ぎてしまうと、自身のスタミナは消費しない代わりに、後続にもスタミナが十分に残っているということになります。その状態でラスト1000mからヨーイドンになると、末脚のある(切れる)差し馬にとって有利な展開となってしまうのです。特に京都競馬場は直線が平坦ですので、より切れ味が生きてしまい、逃げ馬はスタミナが残っていても後ろから差し切られてしまうことになります。

横山典弘騎手とセイウンスカイはその逆を行ったのでした。京都は3コーナーから坂の下りになるため、それまでは「坂はゆっくり下れ」というのが定石でしたが、1周目の坂も、最後の坂も、ペースを落とすことなく、逆にそこからスパートを掛けたのです。そうすることで、後続の脚をなし崩し的に奪い、瞬発力勝負になることを防いだのです。逃げ馬があえて前半を速めに流すことはとても勇気の要ることです。それを成し遂げたことによって、圧倒的な人気の差し馬スペシャルウィークを退けたのでした。

競馬は不思議なものですね。今年はそのスペシャルウィーク産駒のリーチザクラウンが、菊花賞で逃げ切りを狙おうとしています。逃げ切りの方法が見つかったことは確かですが、それでもこのコースを逃げ切ることが困難であることには違いありません。

しかし、前走の神戸新聞杯のラップを見てみると、リーチザクラウンにとっての光明が見えます。

12.6-10.8-12.1-12.5-12.3-12.2-12.7-12.4-12.1-11.3-11.5-11.7
(60.3-24.9-59.0)

前半1000mが60秒3、後半1000mが59秒0です。2400m戦全体の流れからするとスローの瞬発力勝負になってしまい、逃げ馬であるリーチザクラウンにとっては苦しいレースになってしまいました。が、今回は道中の距離が600m延びますので、その分、上がりの1000mは60秒前後に落ちるはずです。つまり、前走と同じくらいのリズムでリーチザクラウンが逃げれば、自然と逃げ・先行馬にとって有利な急緩急のラップタイムが生じるということです。勝つためには、距離が延びるからといって、下手に折り合いをつけようとしないことですね。この馬の逃げ切りに賭けます。

そうなってくると、ある程度前に行けて、ジワジワと伸びることのできる持続力のある馬が狙い目ですね。ナカヤマフェスタの前走はなかなか強いレースでした。外々を捲くった走りは、菊花賞で生きてくると感じさせました。それに、あれだけ馬場の悪かったダービーを後方から行って、たとえ不良馬場に適性があったとしても、4着に追い込んだのですから能力の高い馬であることは間違いありません。内枠を引いてしまえば、この馬の悪い部分が出たり、勝負どころで前が詰まったりという可能性もありましたので、外枠を引けたことは好都合です。道中は折り合いに専念して、坂の下りで思い切って動いていければ、この馬にも勝機は訪れるのではないでしょうか。

イコピコは菊花賞でと狙っていた馬だけに、前走を勝ってしまったことは想定外でした。しかも、上がり3ハロンが33秒台という強烈な瞬発力でした。血統的にも良い脚が長く使える馬と考えていたので、勝ったことだけでなく、勝ち方も意外でした。もしかすると祖母のカッティングエッジの血が出てきているのかなと思うと、持続力が問われる流れになりそうな今回は少し割引が必要でしょう。もちろん、折り合いがつき、レースがしやすい馬だけに、好勝負は必至です。

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京都3000m

Kyoto3000t1

京都競馬場の3000mを完走するには、3コーナーの丘を2度越えなければならない。3~4コーナーの中間点にかけて急激な丘の下り坂になっているため、スピードが乗りやすく、馬が行く気になってしまわないようにゆっくりと坂を下るのが、このコースの最初のポイントとなる。

その後、スタンド前を走ることになるため、ここでも馬がエキサイトして引っ掛かってしまうことがある。馬の行く気を削ぎ、スタンドの大歓声から馬を守るためには、他馬を前か横に置くことができれば理想的である。3コーナーからの勝負所でバテて下がってくる馬がいるため、内を進んだ馬が不利をこうむることがあることにも注意。道中は馬群が縦長になって進むことが多いため、基本的には内枠・外枠の差はほとんどないと考えてよい。

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研ぎ澄まされてきたリーチザクラウン:5つ☆

アンライバルド →馬体を見る
しっかりとした馬体の造りで、決して長距離向きのそれではない。
ひと叩きされた割には、馬体のメリハリに欠け、表情からやる気が伝わって来ない。
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イコピコ →馬体を見る
首がスラっとして、頭部が軽い分、スタミナのロスは少なそう。
馬体には特筆するものはないが、安定した力を発揮できるだろう。
Pad3star

シェーンバルト →馬体を見る
2歳時から大きな成長はなく、距離延長は決して歓迎とはいえない。
毛艶が良く、体調は上向いているので、どこまで勝負できるか。
Pad3star

セイウンワンダー →馬体を見る
ひと夏越して、春当時より馬体に伸びが出てきて成長が窺える。
ステイヤーではないが、乗り方次第で距離はこなせそうな印象。
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セイクリッドバレー →馬体を見る
いかにもタニノギムレット産駒らしい、筋骨隆々のパワー溢れる馬体を誇る。
馬体のメリハリも素晴らしいが、果たして3000mが合うかどうか。
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トライアンフマーチ →馬体を見る
春当時から大きく成長はなく、馬体に幼さを残している現状。
その分、距離はこなせるだろうが、勝ち切るまでのパワーは感じられない。
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ナカヤマフェスタ →馬体を見る
ひと夏を越して、少しずつ馬体のバランスが整ってきている。
長距離向きの馬体ではないが、成長と体調の良さを生かしてどこまで。
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フォゲッタブル →馬体を見る
各パーツに伸びやかさがある馬体からも、距離延長は大歓迎だろう。
まだ立ち姿に幼さを感じるので、現時点での完成度でどこまで通用するか。
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ブレイクランアウト →馬体を見る
ギュッと筋肉が詰まった馬体は、2歳時から際立っていた。
血統イメージよりも、馬体全体に伸びがあるので距離はこなせるはず。
Pad4star

リーチザクラウン →馬体を見る
これまではどこかモサッとしていたが、ようやく研ぎ澄まされた馬体になってきた。
少し細く見えるが、各パーツは伸びが十分にあり、毛艶も表情も良い。
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逃げ馬は1頭しかいない

Jiromaru

先週の秋華賞は壮絶なレースでしたね。春はブエナビスタの強靭な末脚の前に屈してきたレッドディザイアが、力を振り絞ってようやく最後の1冠を手にしました。松永幹夫調教師にとっては、これが初のG1タイトルになりました。ミッキーと呼ばれた青年ジョッキーが、調教師になってG1レースを勝つとは、時代の移ろいを感じざるをえません。

ミッキーこと松永幹夫で思い出したのですが、ミホノブルボンの3冠を阻んだキョウエイボーガンという馬がいました。3冠を阻んだと言っても、実際に菊花賞を勝ったのはライスシャワーであり、キョウエイボーガンはミホノブルボンのハナを叩いて玉砕しただけです。それでも私がキョウエイボーガンのことを覚えているのですから、いかにこの馬がこの年の菊花賞の鍵を握っていたかということが分かると思います。

ミホノブルボンは圧倒的な強さで皐月賞とダービーを制し、夏の休養に入りました。対するキョウエイボーガンは、皐月賞にもダービーにも出走せず、ひたすら裏街道を歩みながら力をつけ、中日スポーツ賞4歳S(G3)と神戸新聞杯(G2)を連勝しました。2頭が初めて激突したのは、菊花賞の前哨戦にあたる京都新聞杯(G2)でした。

ミホノブルボンとキョウエイボーガンには「逃げ馬」という共通点がありました。

京都新聞杯を逃げたのはミホノブルボン。圧倒的な地脚の強さでハナに立つと、そのまま春の強さを再現するようにゴール板を走り抜けました。キョウエイボーガンは逃げることができず、2番手に抑える競馬をしたものの、本来の力を出し切ることなく、9着という思わぬ惨敗を喫してしまいました。逃げ馬が逃げられなかった時点で終わりという典型的なレースでした。

ミホノブルボンのあまりの強さに、競馬ファンの間では、シンボリルドルフ以来の無敗の3冠馬の誕生はほぼ確定ムードになっていました。春は血統的に距離延長が不安視されていたミホノブルボンが、菊花賞当日1.5倍の1番人気に推されたことからも、その熱狂ぶりがお分かりいただけると思います。ミホノブルボンが無敗の3冠に輝いた時、競馬場のターフビジョンに映し出すために、詩人の志摩直人さんはこんな詩を用意していたそうです。

その道に皐月花咲き
その道に青葉かぎろい
その道に菊花の飾り
ただひたすらにおのが道
速いことは美しい
そんな美学に酔いしれた
不敗の三冠、京の秋
ミホノブルボンの眩しさよ

ミホノブルボンの鍛え上げられた栗毛の馬体に、京都競馬場独特の夕陽が反射しながら、このような美しい詩が奏でられるはずだったのです。誰もがそんな結末を期待していました。

しかし、キョウエイボーガンと松永幹夫騎手が逃げたのでした。強い覚悟を持って、ミホノブルボンから先頭を逃げ馬の座を奪ったのでした。2周目の3コーナーまで先頭に立っていましたが、そこで失速し、そのまま後退して16着。ミホノブルボンはいつも通りの逃げが打てず、終始、折り合いを欠き、最後の直線半ばでライスシャワーに抵抗することなく交わされ、惜しくも3冠なりませんでした。たった1頭の逃げ馬が歴史を変えたのでした。その後、キョウエイボーガンは脚部不安でターフを去り、種牡馬にはなれずに廃用になる予定であったところをファンの女性に引き取られ、今は群馬県の乗馬クラブで余生を送っているそうです。

キョウエイボーガン陣営は、菊花賞で逃げるかどうか、ギリギリまで頭を悩ませていたそうです。キョウエイボーガンの気性から、逃げなければまず勝てないが、逃げてもバテてしまうだろう。もしレースを壊してまで逃げて、自分の敗北だけならまだしも、ミホノブルボンの3冠をも台無しにすることがあれば、批判は避けられない。自分の馬が勝つためだけのわずかな可能性に賭けるべきなのか、それとも競馬全体の空気を読むべきなのか。今考えてみても、どちらが正しい決断だったかは正直私にも分かりません。ただひとつ、「逃げ馬」はひとつのレースにたった1頭しかいないという悲しい宿命を、キョウエイボーガンは私たちに教えてくれたのでした。今年の菊花賞は、果たしてどの馬が逃げるのでしょうか。


今ではなかなか見られなくなった玉砕的な逃げをご覧ください。

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情熱の勝利

Syukasyo09 by @84 image
秋華賞2009-観戦記-
ヴィーヴァヴォドカが飛ばし、それにワイドサファイアが張り付くようにして作られた淀みない流れは、前半1000mが58秒0というハイペース。これだけ厳しい流れになると、力のない馬は早々に手応えを失ってしまい、実力がそのまま反映されてしまう。小回りコースでゴチャついた分、ブロードストリートは致命的な不利を受けてしまったが、上位に入った馬たちはおよそ力通りの順当な結果となった。

レッドディザイアは太目で臨んだ前走のローズを叩かれ、マイナス14kgの馬体重が示すように、明らかに仕上がりが一変していた。馬が唸っているとは、まさにこういうことを言うのだろう。パドックでも気合が漲り、レースでは抑え切れないほどの行きっぷり。究極の出来にあったといえる。牝馬らしからぬ筋肉量の多さと胴詰まりの馬体だけに、2000mという距離もこの馬にとっては最適であった。ハイペースを積極的に追走し、早目に抜け出して後続を凌ぎ切ったのだから強い。次走のエリザベス女王杯でも古馬相手でも好勝負になるだろうが、今回で究極の仕上げを施されている以上、反動が出ることも心配される。

四位洋文騎手はよほど自信があったのだろう。後ろで構える2冠馬ブエナビスタや前走で敗れたブロードストリートをほとんど意識することなく、自分の競馬に徹していた。前走のローズSは外々を回してしまい不覚をとったが、今回は経済コースをピッタリと完璧に回ってきた。勝負どころの行くところ行くところ、前がスッと開いたことも大きかっただろう。レッドディザイアの地脚の強さを見事に生かしきった、非の打ち所のない騎乗であった。四位騎手を始め、レッドディザイア陣営からの勝ちたいという情熱がヒシヒシと伝わってくるような、待ちに待ったG1勝利であった。

3冠が懸かっていたブエナビスタは、ハナ差で優勝を逃がしたばかりか、降着という最悪の結末を迎えてしまった。札幌記念にせよ今回のレースにせよ、素質だけで最後は来ているが、本来のブエナビスタに比べるとエンジンの掛かりがワンテンポ遅い。連戦連勝で臨んだ春のオークスがハードなレースになっただけに、その反動もいまだ尾を引いている印象を受ける。蹄鉄の問題はその一環だろう。3つの異なった条件を全て勝ち切って3冠を制するには、相当な能力とタフさが求められる。メジロラモーヌとスティルインラブという偉大な先輩には追いつけなかったが、これからのブエナビスタに改めて期待したい。

安藤勝己騎手はこれで秋のG1レースを連続ハナ差で敗れてしまったことになる。2着が多いのは騎手の調子が悪いということでもあり、ここからどのように立て直して来るのか、それともこのまま衰えて行ってしまうのだろうか。降着の件に関しては、フルゲートの京都2000mの内回りコースでは十分に起こりえる状況であって、決してラフプレーではない。あくまでもレースの流れに沿った自然な形であって、たまたま同じ馬に2度被害を与えてしまったので印象が悪かったのだろう。いずれにせよ、加害馬も被害馬もお互いに力を発揮できない後味の悪い競馬であった。

ブロードストリートはあれだけの不利を受けても、最後まで伸びてきたように、夏を越して力を付けている。突き抜けたとまで言わないが、まともに走っていれば勝ち馬と際どい勝負は必至であった。藤田伸二騎手も悔しさと共に、不利を避けられなかった不甲斐なさを感じているはずである。繰り返し言うが、フルゲートの京都2000mの内回りコースでは十分に起こりえる状況であり、そのリスクを承知の上で内の経済コースを取ったのだから、誰が誰に文句を言っても埒は開かない。まだまだ成長の余地を残した馬体だけに、来年が楽しみな馬である。

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菊花賞を当てるために知っておくべき3つのこと

Kikka

■1■再びスタミナの裏づけが必要に
京都競馬場3000mで行われる菊花賞は、前半折り合いをつけながらゆっくりと行き、残り4ハロンからの瞬発力勝負になるレースがほとんどであった。つまり、折り合いさえついてしまえば、瞬発力のある中距離馬でも十分に対応できるレースであった。しかし、ここ最近は、その傾向に少しずつ変化が生じてきている。

過去12年間の菊花賞における、上がり3ハロンのタイムを比較してみたい。
平成8年  34秒4
平成9年  34秒4
平成10年 35秒1
平成11年 34秒2
平成12年 36秒1
平成13年 35秒3
平成14年 35秒4
平成15年 35秒8
平成16年 35秒8
平成17年 35秒7
平成18年 35秒6
平成19年 36秒2
平成20年 35秒3

平成11年までの上がりタイムを見ると、とても3000mのレースとは思えない典型的なヨーイドンの競馬であることが分かる。菊花賞を3000mで行う意義が問われ始めたのが、ちょうどこの頃である。しかし、時代の流れとは不思議なもので、平成12年に開催が2週間早まったのを境として、最近は35秒台後半の上がりで決着することが常になってきている。

理由としては、道中のペースがそれほど緩まなくなってきているということ以上に、各馬の仕掛けが早くなってきていることが挙げられる。瞬発力勝負では劣るが、スタミナには自信のある遅咲きの馬たちが、春の実績馬を負かすために、一斉に仕掛け出すタイミングが早くなってきているということである。

このことによって、スタミナに不安のある馬たちの台頭は難しくなった。もちろん、この時期の京都競馬場の高速馬場や直線が平坦であることを考えると、ある程度の速い脚は要求されるだろう。しかし、実質3000mを走る上に、ペースが上がるタイミングが早くなってきている以上、スタミナの裏づけがない馬の末脚は不発に終わる可能性が高い。

■2■神戸新聞杯で切れ負けした馬
開催が2週間早まり、スタミナの裏づけが要求されるようになってからの過去8年間で、3着以内に入った馬24頭のうち15頭は神戸新聞杯組である。最大のステップレースであり、勝ち馬も5頭出ているが、なぜか神戸新聞杯→菊花賞と連勝した馬はディープインパクトただ1頭である。

これは神戸新聞杯が中距離での資質を問われるのに対し、菊花賞が長距離でのそれを問われたゆえである。つまり、神戸新聞杯で中距離に対する適性を見せて快勝したような馬は菊花賞で苦戦を強いられるということになっていた。むしろ神戸新聞杯でスピード、切れ負けしたような馬を菊花賞では狙うべきであった。

昨年から神戸新聞杯は距離が400m延長されたが、その傾向は変わらないだろう。おそらく神戸新聞杯は前半1000mと後半1000mの間の400mが緩むレースになり、最後の瞬発力が問われるレースになる。だからこそ、スピードを持続させるスタミナが問われる菊花賞では、むしろ神戸新聞杯でスピード、切れ負けしたような馬を狙うべきである。

■3■内枠はリスクあり
京都競馬場の3000mを完走するには、3コーナーの丘を2度越えなければならない。3~4コーナーの中間点にかけて急激な丘の下り坂になっているため、スピードが乗りやすく、馬が行く気になってしまわないようにゆっくりと坂を下るのが、このコースの最初のポイントとなる。その後、スタンド前を走ることになるため、ここでも馬がエキサイトして引っ掛かってしまうことがある。馬の行く気を削ぎ、スタンドの大歓声から馬を守るためには、他馬を前か横に置くことができれば理想的である。そういった意味では、内枠が有利ではある。

しかし、内を進む馬には大きなリスクもある。まだ競走馬として完成していない3歳馬同士のレースであることや、クラシック最後の一戦であることも手伝って、3000mの距離を最後まで完走できない馬が出てくる。その勝負にならなかった馬たちが、急激にペースが上がる2度目の坂越えの時点でバテて下がってくるのである。ズルズルと下がってくる馬たちを上手く捌ければ問題ないのだが、もし上がって行かなければならないタイミングで前が壁になってしまうような事態に陥れば致命傷となるのだ。

過去にもゼンノロブロイやロックドゥカンブといった人気馬たちが、バテて下がってくる馬を捌き切れずに、スパートのタイミングを逸して負けてしまったことは記憶に新しい。ペリエ騎手は菊花賞であれほどバテた馬が下がってくることを知らず、あの位置にいたことを相当に悔いたらしい。柴山騎手はスタートで出負けして後方のインに閉じ込められ、簡単にG1レースを勝たせてはもらえないことを身を持って実感したはずである。つまり、ジョッキーとしては2周目の3コーナー手前までには外に出しておきたいレースなのである。

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◎ジェルミナル

Jiromaru

ブエナビスタの参戦によって、今年の秋華賞は非常に高いレベルでの争いになりそうです。春の実績馬が順調に夏を越してきた以上、上がり馬の出る幕はないのではないでしょうか。牝馬は完成するのが早いため、よほど理由があって遅れてきた大物が現れない限り、春のクラシックの時点での力関係はそう簡単には覆りません。特に今年は、桜花賞、オークスと1~3着馬が同じで、さらにオークスで4着したブロードストリートが前哨戦のローズSを制しているのですから、ほとんど勢力図は変わっていないと判断してもよいでしょう。

そうなってくると、やはりブエナビスタを外しての馬券は考えられないということになります。桜花賞にしてもオークスにしても、見た目以上の力差で勝利してきています。特にオークスは、内々の経済コースを完璧に乗ったレッドディザイアに対し、ブエナビスタは大外を回しただけに、ハナ差以上の力差を感じさせました。脚の速い馬と言い続けてきていますが、このメンバーに入っても脚の速さが違いすぎます。まともに走れば、まず負けようがありません。

とはいえ、ブエナビスタにも2つ心配材料があります。ひとつはオークスを勝った目に見えない疲れが残っているのではないかということ。最後はかなり速い脚(33秒6)を使っていたので、反動は少なからずあるのではないかと思っていました。前走の札幌記念は、悪い予感が的中したのか、スタートして前半部分から馬が苦しがって行きたがって仕方ありませんでした。ブエナビスタの場合、休み明けだからではなく、どこかに苦しいところがあったのでああゆう走りになったのでしょう。それでも、最後は差してきただけに、この馬の潜在能力の高さが分かりますね。

もうひとつは、内枠を引いたことです。秋華賞が行われる京都競馬場の2000m(内回り)コースは、3~4コーナーの勝負どころで馬群がゴチャつく傾向があります。フルゲートともなればなおさらです。1番人気の馬には乗りたくないとジョッキーが思うのも当然で、抜群の手応えで回ってきて、さあゴーサインを出そうかと思っていたところで、いきなり前をカットされたり、詰まったりということが十分に起こり得るからです。小回りを意識した各ジョッキーが早めに動こうとすれば、その傾向は顕著で、馬群の内にいる馬にとってはアクシデントに巻き込まれやすいということです。百戦錬磨の安藤勝己騎手だけに、そのあたりは細心の注意を払って乗るはずですが、避けられない不利もあるかと思います。

これはレッドディザイアにも言えることですね。この馬こそ、なにもかも上手く行きすぎていて、かえってこういう不利に巻き込まれてしまうのかもしれません。前走のローズSは最高の仕上がりにあったオークス時と比べて、明らかに太目残りの仕上げでした。それでいて、自身は外を回して2着ですから、最高の叩き台になったのだと思います。ひと叩きされて、馬体は締まってきていますし、寸詰まりで筋骨隆々の馬体からも、オークスの2400mよりも秋華賞の2000mの方が条件は合います。ここまでわずか5戦しか使われていませんので、他馬よりも上積みもあるはずです。こうなってくるとブエナビスタの逆転はこの馬となるのが自然ですが、上手く行きすぎているのですよねえ。私の杞憂に終われば良いのですが、こういう時に限って、前をスパーンとカットされて思わぬ敗戦というケースを何度も見てきました。ですから、もし印を打つとしたら▲ということなのでしょう。

本命はオークス3着馬の◎ジェルミナルに打ちます。ブエナビスタやレッドディザイアと比べると、力は一枚下であることは否めませんが、こと秋華賞に関しては、出し抜けを食らわせるチャンスがあると思います。前走のローズSは思わぬ大敗を喫してしまいましたが、トモを引っ掛けられるアクシデントもあったそうですし、最後は福永騎手も追っていないので仕方ありませんね。ひと叩きされて、体調は間違いなく上向いています。おそらく福永祐一騎手も私と同じことを考えていると思うのですが、ジェルミナルのスタートと他馬の出方を見て、そのまま前にポジショニングするか、もしくは下げて差しに徹するかを決めるはずです。スローに流れそうであれば、3~4コーナーで他馬を内側に押し込めながら早めに先頭に立って押し切る競馬を、流れが速くなりそうであれば、後方に控えて直線で一気に先頭に立つ競馬をイメージしているはずです。いずれもブエナビスタとレッドディザイアがミスをしてくれるのを待つ他力本願ですが、勝つにはそれしかありません。そういった意味では、14番枠はレースがしやすいはずです。

最近の福永祐一騎手を見ていると、円熟してきたなあと感じることがあります。デビューからもう13年も経つのですから、当たり前といえば当たり前なのでしょうか。私にとって、福永洋一の息子でとして福永祐一がデビューしたのが、まるで昨日のように思えるだけなのでしょうね。通算983勝という父親の記録に並んだ時、「父の背中を追いかけてきたが、近づくにつれいろいろと見えてきて、最初よりも遠ざかったようにも思えた」という言葉は、彼の本音だと思います。偉大すぎる父の存在だけではなく、デビューした時には既に武豊という大きな壁が立ちはだかり、さらに下の世代からの突き上げも激しい中で、一歩ずつ日本一を目指す福永祐一騎手にエールを送らないわけにはいきません。

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「馬券のヒント」Q&Aトークライブの内容が決まってきました。

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「ガラスの競馬場」の8周年を記念して、10月31日(土)に開催される「馬券のヒント」Q&Aトークライブでお話しする予定の内容がおよそ決まってきました。参加申込者の方々から事前にメールで質問を頂戴する形で進めていますが、おひとり一人にとって、あらゆる疑問・質問があることに驚いています。私が想像していたよりも、もっとカオスというか何が出るか分からない面白さのあるライブになりそうで、今からワクワクしています。

「馬券のヒント」Q&Aトークライブでお話しする予定の内容は、現時点では以下のとおりです。

■新馬戦で強い馬を見極めるポイント(レースを見ただけで強い馬が分かる?)
■追える騎手、追えない騎手とは?
■各ジョッキーの特徴(長所、短所)、馬との相性について
■安藤勝己騎手の「勝つためには勝つ気で乗らないこと」
■道悪ではどんな馬を狙うべきか?(リーチザクラウン編)
■揉まれ弱い馬の激走のタイミング
■一生競馬を楽しんでいく上で大切なこと(私の競馬観について)
■ロジユニヴァースの皐月賞での敗因、そしてダービーでの勝因
■“頭”ではなく“心臓”で予想せよ―新・21世紀の馬券戦略―
■スタミナのある馬、持続力型の馬をどうやって見極めるか?
■現代競馬における展開とポジションについて

定員まであと少し余裕があります。今年のライブはQ&A形式にしたため、少しハードルが高いとお感じになられている方もいらっしゃると思いますが、ぜひ勇気を出してご参加&ご質問ください。皆さまからのご質問が、「馬券のヒント」Q&Aトークライブを創り出します。

トークライブは約2時間半を予定しています。トークライブが終了後、天皇賞秋のG1予想検討ライブも行います。出走参考レースを観ながら解説をしていきますので、最終決断の場としても使ってください。またぜひ皆さんの予想もお聞かせくださいね。

「馬券のヒント」Q&Aトークライブの開催日時、場所、参加費等
■日時: 平成21年10月31日(土) 18:30~21:30
*18:30には集合の上、ご着席ください(18:20より受付を開始いたします)。
■場所: 渋谷フラッグ 7F
アクセス詳細はこちらから
■参加費: 3500円(税込み)
■定員: 15名(定員まであと少し余裕があります。)

参加費につきましては、安くて心配と思われるかも知れませんが、皆様に来ていただきやすいようにという思いを込めました。また、書籍「馬券のヒント」をお持ちでない方には事前に送らせていただきますので、メールフォームの備考欄にてご連絡ください(例:馬券のヒントを持っていません)。

参加いただく方々からの質問にお答えするという時間の関係上、定員は先着15名様に変更させていただきます。もっと多くの方々にお越しいただきたいのですが、運営の都合上、少数限定とさせていただきますことをご了承ください。残り僅かですので、ご参加希望の方はお早めにお申し込みください。

お申し込みはこちらから
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お申し込み方法
Step1メールフォームにてお申し込み
*SSLに対応しておりますので、個人情報の保護も万全です(個人情報を第三者に開示をすることは決してありません)。
Step2参加費のお振込み
*追って指定の銀行口座をメールにてお伝え致しますので、5日以内に参加費のお振込みを完了させてください。
Step3お振込みの確認後、チケットが届く
*チケットをご自宅に届けて欲しくない方がいらっしゃいましたら、メールフォームの備考欄にその旨ご記入くだされば、こちらで柔軟に対応させていただきます。
Step4当日、チケットをご持参の上、セミナー会場へ直接お越しください。

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キャンセルについて
どうしてもご参加いただけなくなった際は、メールにてキャンセルの旨、ご連絡ください。
キャンセルの場合の振込済参加費の返金について
セミナー開催10日前まで:50%返金
セミナー開催5日前まで:25%返金
セミナー開催5日前以降:返金不可
※振込手数料(500円)を差引いた金額をご指定の銀行口座へ振込にて返金致します。

Upper photo by Photo Stable

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京都2000m(内回り)

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スタンド前の直線の半ばからスタートして、1コーナーまでの距離が最長のAコースでも308.7mとなる。スタートしてから1コーナー、そして1コーナーから2コーナーまでの距離が短いことによって、フルゲートにもなると先行ポジション争いは自然と激しくなる。

しかし、京都2000m内回りコースは「先行ポジション争い激化」という定説がすでに浸透してしまっている今、それゆえの盲点もまたある。つまり、これだけ「先行争い激化」のイメージが先行してしまうと、もちろんジョッキーたちもそれを意識するわけで、1コーナーまでのポジション争いには巻き込まれたくないという意識(または無意識)が働く。その結果、1コーナーから2コーナーにかけて、ゆっくりと安全に回ろうという騎手の総意が“お見合い”を生み、かえってスローペースを形成してしまうこともあるということだ。

また、3コーナーから下りが続くこと、直線が平坦なことによって、ラスト800mの時計は驚くほど速く、前に行っている馬は簡単には止まらない。そして、直線が短いことを含めて、騎手に先行馬有利という意識が強く働くため、3コーナーからすでに各馬の動きが激しくなり、展開を大きく左右することになる。後続の仕掛けどころが遅れると前がそのまま残り、後続が早く仕掛けすぎると前崩れが起きるという現象が起こる。

このように、「1コーナーまでの先行争い」、そして「3コーナーからの仕掛けどころ」という2点において、レース自体の展開におけるアップダウン(緩急)が非常に激しくなってしまうのだ。そして、そのアップダウンが逃げ馬・先行馬に有利になるのか、それとも差し・追い込み馬にとって有利になるのかは、実際のところ走ってみないと分からない。各馬のほんのわずかな動きがペースを大きく左右する、極めて敏感なコースなのである。これが京都2000m内回りコースの真実だろう。

さらに、勝負所である3コーナー入口と4コーナーが狭くなっているため、馬が密集しやすいという特徴もある。この地点でゴチャついて不利を被ってしまった馬は、直線の短さを考えると、余程力が抜けていない限り挽回することは難しい。外枠から、外々を回った馬が意外と好走しやすいのも、ここに理由がある。

だからこそ、強い馬が力を発揮することなくレースが終わってしまうような展開になることも少なくない。騎手の間では、「1番人気の馬に乗っては臨みたくないコース」とされている。レースに行ってからの各馬の出方が展開に大きな影響を与えるため、レース前にどのような展開になるのかも予測しづらいのだ。そのレースごとに極端なハイペースになったり、極端なスローペースになったりするのである。騎乗するジョッキーだけではなく、予想をする私たちにとっても、非常に難解なコースと言える。

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藤原勢では1番のジェルミナル:5つ☆

クーデグレイス →馬体を見る
ゆとりのある馬体や血統からも、距離延長はプラスに働くはず。
ただ、馬体や表情には幼さを残し、まだ芯が入っていない印象を受ける。
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ジェルミナル →馬体を見る
ひと叩きされ、落ち着きを取り戻してきていることが表情から分かる。
力強さには欠けるが、馬体全体の柔らか味やバランスは藤原勢では1番。
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ダイアナバローズ →馬体を見る
骨量が豊かで、時計の掛かる馬場で本領発揮しそう。
ただ、このレベルの争いになると、スケールの小ささは否めない。
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デリキットピース →馬体を見る
首から肩周辺にかけて、かなり鍛え上げられた上半身を誇る。
それに比べて後肢が弱い感もあり、ワンペースで行ってどこまで粘れるか。
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ブエナビスタ →馬体を見る
頭が小さく、首もスッと長く、馬体の伸びも文句なし。
これで天性のバネを内臓しているのだから、敵は己自身のみか。
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ブロードストリート →馬体を見る
マイナス材料も上積みもなく、よくも悪くも、大きな変化はない。
まだひ弱さを残す馬体であり、G1レースを勝ち切れるかどうかは疑問。
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ミクロコスモス →馬体を見る
ボリューム感のあった春に比べ、馬体から漲る(みなぎる)ものがない。
胴部が詰まった体型でもあり、距離延長はプラスには働かない。
Pad3star

モルガナイト →馬体を見る
小粒な印象を受けるが、全体のバランスは良い。
もうひと皮むけてくれば、G1レベルのレースでも勝負になるだろう。
Pad3star

レッドディザイア →馬体を見る
オークス時が最高だったが、明らかに前走よりも走れる体つきになっている。
胴部が詰まって、筋肉量が多い馬体は典型的なマイラー。
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ワイドサファイア →馬体を見る
スッとした立ち姿にはいつも好感が持てる。
同厩舎の2頭と比べると、マイラー体型であり、今回の距離は不安あり。
Pad3star

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あの頃に戻れないからこそ

Jiromaru

今年の凱旋門賞は凄いレースでした。もちろん、昨年のザルカヴァの追い込みにも衝撃を受けましたが、シーザスターズには感銘を受けました。強いという言葉だけでは表現しえない、畏怖のようなもの。これまで私が凱旋門賞を見てきた中で、最も偉大な勝ち馬と言っても大げさではありません。あのレースにブエナビスタは参戦しようとしていたのですね。札幌記念を惜敗して、遠征を潔く取りやめた陣営の判断は正しかったと思います。本当に強い馬が本気で勝ちに行かなければ、凱旋門賞は勝てませんね。

もちろんブエナビスタが弱いということではありません。まだ本当に強い馬にまで成長していないだけで、前々から言ってきていますが、脚の速い馬であることは確かです。そもそも、オークスを勝ってわずか3ヵ月後のレースで本調子になっているはずがありません。3歳春のサラブレッドにとって、府中競馬場のチャンピオンディスタンスで激しい戦いを制することが、どれだけ苛酷なことか。ダービー後に不振を極めるダービー馬が多いのは、そういうことです。ディープスカイはついに完調に戻る前にターフを去ってしまいました。牝馬であればなおさらです。疲れが抜け切っていない状態で、古馬牡馬相手にあれだけの走りを見せるのですから、ブエナビスタは強い馬です。

記憶に残っている方も多いと思いますが、ブエナビスタの母ビワハイジもG1を制した強い馬でした。阪神3歳牝馬S(現在の阪神ジュべナイルF)では、あのエアグルーヴを負かしています。実はこのレースで、私はビワハイジの単勝を持っていました。なぜかというと、今ではそんな買い方は滅多にしないのですが、ビワハイジは私と同じ誕生日だったからです。あまり期待はしていなかったので、エアグルーヴの追撃を封じて逃げ切った時には、思わず言葉を失ってしまいました。そういえば、エアグルーヴに騎乗していたのはシーザスターズ鞍上のマイケル・キネーン騎手でしたね。キネーン騎手はエアグルーヴで逃げ切られた、あの線の細い牝馬のことを覚えているのでしょうか。

その後、3歳になったビワハイジは桜花賞で負けると、なぜかオークスをパスしてダービーへと駒を進めました。この世代の牝馬はレベルが高かったので、ダービーの方に勝ち目があると思ったのでしょうか。それとも、当時イケイケだった早田牧場の意向だったのでしょうか。真偽のほどは分かりませんが、いずれにせよ、ビワハイジはダービーを大敗してしまいます。それでも、私はこの挑戦があったからこそ、ブエナビスタという名牝が誕生したのだと思っています。ビワハイジがダービーに挑戦した時には、批判こそあれ、当然のことながら後にブエナビスタが生まれるとは思いもよりませんでした。後から振り返ってみると、ひとつひとつの点は未来へと繋がっているのです。

また、この世代はカーリアン産駒が大活躍しました。ダービーを勝ったフサイチコンコルドもそうですし、イブキパーシブ、ダイワカーリアン、クロカミなど、欧州の中長距離血統であるカーリアンを父に持つ馬たちが、日本の軽くて速い馬場に対応したのです。その勢いはカーリアンの死によって失われてしまいますが、またここに来て母の父として表舞台に立とうとしています。オークスでブエナビスタを苦しめたレッドディザイアの母父がカーリアンであることも、決して偶然ではありません。父こそ違え、スペシャルウィークとマンハッタンカフェという同じサンデーサイレンス系であり、母父カーリアンの繁殖牝馬とのニックスの良さは抜群です。

あの可愛らしかったビワハイジから、強靭な破壊力を持つブエナビスタが生まれたことが、未だに私は信じられません。私たちが思っていた以上のポテンシャルを、ビワハイジは秘めていたのですね。そう考えると、阪神阪神3歳牝馬Sの逃げ切りや、ダービーへの参戦や、引退レースとなった京都牝馬特別の記憶が蘇ってきて、ますます愛おしくなります。もう私たちがあの頃に戻れないように、あの頃のビワハイジをもう一度応援することは出来ません。その分、娘のブエナビスタの走りを見守りたいと思います。そんな応援の仕方が出来るのも、競馬ならではですね。


私の誕生日馬券が当たった思い出のレースです。

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秋華賞を当てるために知っておくべき3つのこと

Syuka

■1■ジョッキーの腕が大きく結果を左右する
京都の芝2000m(内回り)に変更された年以降の、前半5Fと後半5Fのラップを比較してみたい。前傾ペースとは前半のラップの方が速く、後傾ペースとは後半のラップの方が速いレースのことを示す。

平成8年  58.7-59.4 →前傾ペース
平成9年  59.2-60.9 →前傾ペース
平成10年 61.9-60.5 →後傾ペース
平成11年 58.4-60.9 →前傾ペース
平成12年 60.8-59.1 →後傾ペース
平成13年 58.4-60.1 →前傾ペース
平成14年 59.0-59.1 →平均ペース
平成15年 59.8-59.3 →平均ペース
平成16年 59.9-58.5 →後傾ペース
平成17年 60.1-59.1 →後傾ペース
平成18年 58.4-59.8 →前傾ペース
平成19年 59.2-59.9 →平均ペース
平成20年 58.6-59.8 →前傾ペース

このように、平成14年と15年、19年は前後半が均一な平均ペースであるが、それ以外の年は、前傾ペースと後傾ペースがランダムに繰り返されていることが分かる。開幕2週目の絶好の馬場と短い直線を考慮に入れると、基本的には先行馬にとっては非常に有利に働くコースである。しかし、逆にそのことを意識しすぎると、各馬の仕掛けが早くなり、極端なハイペースが創出されることになる。

また、道中のペースの緩急も激しく移り変わる。たとえば昨年の秋華賞では、道中(6ハロン目)でなんと13秒台のラップが刻まれた。スタートから2ハロン目は過去5年間で最速なだけに、ペースが速いと思わせておいて、急激に遅くなるというアップダウンの激しいレースであった。

平成19年 ダイワスカーレット
12.3 - 10.4 - 11.5 - 12.2 - 12.8 - 13.6 - 12.4 -11.3 - 11.1 - 11.5

わずかな展開の綾によって、ペースの緩急が激しく移り変わり、前に行った馬に有利な流れになったり、一転して差し脚が生きる展開になったりする。こういうレースでは、馬をコントロールする技術やペース判断に長けたジョッキーの腕が大きく結果を左右することになる。レースの位置取りや道中での駆け引きなどを含め、騎手が占めるウエイトは大きいのだ。

■2■スピードの持続が求められる
この秋華賞でサンデーサイレンス産駒が苦戦を強いられたのは有名な話である。過去12回行われた秋華賞に60頭のサンデーサイレンス産駒が出走して、平成15年のワンツーフィニッシュと平成17年にエアメサイアの勝利があるが、ほとんどの馬は4着以下に沈んでいる。1番人気に推されたトゥザビクトリーやダンスインザムードというビッグネームすらも惨敗しているのが、この秋華賞である。一昨年も1番人気に推されたアドマイヤキッスが4着と凡走した。

【2・2・1・55】 連対率6%

この数字は、サンデーサイレンス産駒の秋華賞における成績である。サンデーサイレンス産駒の秋華賞での連対率は6%という極めて低い数値を示す。他のG1レースと比較してみても、10%を切るのはNHKマイルカップぐらいで、それ以外のG1レースではほとんど20%以上の連対率となる。たとえば、同じ牝馬限定G1レースであるエリザベス女王杯の31%と比べると、サンデーサイレンス産駒の秋華賞での不振は明らかになる。

サンデーサイレンス産駒がこのレースを苦手とした理由はただひとつ。小回りのゴチャつきやすいコースで、スピードの持続が極限まで求められるレースになりやすいからである。サンデーサイレンス産駒は、ゆっくり行って終いを伸ばすレースには滅法強いのだが、スタートからゴールまで速いラップを刻み続けなければならないレースを苦手としたからだ。つまり、秋華賞は瞬発力ではなく、地脚の強さで勝負する馬にとって有利なレースである。

■3■強い馬が勝つとは限らないレース
過去12年の秋華賞は全てフルゲートで行われたが、内外に分けた枠順別の勝率、連対率は次頁のとおり。
1~4枠 【3・3・7・84】 勝率3% 連対率6%
5~8枠 【9・9・5・95】 勝率8% 連対率16%

コーナーを4つ回るコースにもかかわらず、外枠の勝率、連対率が内枠を圧倒している。外枠から、外々を回った馬が意外と好走しやすいのは2つの理由が考えられる。ひとつは、道中が厳しいペースになりやすいため、馬群が縦長になりやすく、外枠を引いた馬も外々を回されることが少ないということ。

もうひとつは、勝負所である3コーナー入口と4コーナーが狭くなっているため、馬が密集しやすく、内枠を引いた馬は窮屈なレースを強いられることが多いということ。力のある馬であれば外を回した方が、内でゴチャついたり、前が閉まってしまったりというアクシデントが少ない。4つコーナーの小回りコースである以上、内枠有利が基本ではあるのだが、総じて外枠の方がレースを進めやすいということである。

京都の芝2000m(内回り)というコース設定で行われることを抜きにして、秋華賞は語れないのだろう。このコースは極端な展開になりやすく、全ての馬が実力を発揮することが難しい。だからこそ、騎手の間では、1番人気の馬に乗っては臨みたくないコースとされている。つまり、秋華賞は必ずしも強い馬が勝つとは限らないレースなのである。

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昨年の覇者は買い?それとも消し?

Sakunennohasya02私たちが馬券の検討をする際に、昨年の覇者をどう扱うかという問題に直面することがあるだろう。昨年そのレースを勝った馬が今年も再び出走してくることができる重賞レースでは、そういった問題が起こりやすい。特に夏競馬や隙間の重賞で、その傾向は顕著である。G1レースに比べて、ある特定の条件のレースにある特定の馬が目標を定めて、何度も出走してくることが多いからである。

昨年の覇者を考えると、2面性が浮かび上がってくる。プラス面でいうと、昨年の覇者はそのレースにおける適性が高い。その馬の特性(個性)が、その特定のレースで要求されているスピードやスタミナ、脚質や器用さ等と合致したからこそ、昨年は勝てたのである。マイナス面でいえば、昨年の覇者はひとつ歳を取っているということである。高齢まで活躍できる馬もいることは確かだが、1年という年月の経過によって、基本的には昨年に比べると力が衰えているケースが多いだろう。また、昨年の覇者ということでマークされる立場に回ることにもなる。

結論から述べると、昨年の覇者をもう一度狙うかどうかの基準は人気である。昨年よりも人気になっていれば消し、人気になっていなければ買いということだ。なぜ人気を基準にするかというと、あくまでも妙味の問題である。つまり昨年の覇者には、そのレースに対する適性は高いという好材料と力が衰えている上にマークされるというリスクが同居している以上、人気になっている馬を買うのは美味しくなく、人気が下がっている馬は狙いどきということである。

たとえば、マツリダゴッホがオールカマーを3連覇したことは記憶に新しい。どのレースも、他の馬たちには手も脚も出させない完勝であった。マツリダゴッホのオールカマーにおける人気(単勝オッズ)は以下のとおり。

2007年 2.3倍(1番人気)
2008年 1.4倍(1番人気) 消し!
2009年 4.6倍(3番人気) 買い!

オールカマーにおけるマツリダゴッホの場合、2008年は昨年よりも人気になっているので消し、今年2009年は昨年よりも人気になっていないので買いということだ。そうすると、昨年は外れてしまうことになるが、それは仕方ないことだろう。1.4倍の馬券を買わずに外れても、今年の4.6倍の単勝を当てる方が良い。つまり、結果的に見ると、マツリダゴッホの力は衰えていなかったわけだが、そのリスクを考慮に入れると2008年は買うべきではない馬券であり、逆にオールカマーというレース(特に中山2200m)に対する適性を考えると、人気が落ちた今年は絶好の買い時だったといえる。

もう1頭、今年もサマースプリントチャンピオンに輝いたカノヤザクラを例に取り上げたい。カノヤザクラが連覇を狙った、アイビスサマーダッシュとセントウルSにおける人気と着順は以下のとおりである。

アイビスサマーダッシュ
2008年 5.4倍(2番人気) 1着
2009年 7.5倍(3番人気) 1着 買い!

セントウルS
2008年 7.6倍(3番人気) 1着
2009年 3.4倍(2番人気) 4着 消し!

アイビスサマーダッシュは昨年あれだけの強さを見せつけたにもかかわらず、臨戦態勢等が不安視されたのか、7.5倍の3番人気にとどまった。スタートからゴールまで折り合いを気にすることなく一気に走り切る、新潟の直線競馬に対するカノヤザクラの適性の高さを考慮すると、この7.5倍は非常に美味しい馬券だったといえるのではないか。対照的に、セントウルSでは昨年と打って変わって3.4倍の2番人気に支持されてしまい、牝馬の5歳であることを考えると、昨年ほどの勢いを期待するのは酷だったということになる。

あくまでも私が述べているのは妙味の話である。もちろん、昨年の覇者といっても各馬それぞれの状況があるが、もし買いか消しかで迷ったら、昨年よりも人気になっていれば消し、人気になっていなければ買いという基準で判断してみて欲しい。そして、もう勘の良い方ならばお気づきになったと思うが、昨年の覇者は昨年よりも人気になりやすいので基本的には消しになることが多い。今年の京都大賞典には、昨年の覇者トーホウアランが出走してくる。昨年は9.1倍の4番人気で見事勝利したが、今年はおそらくそれよりも人気になりそうな雰囲気である。よって、今年は買うつもりがないのだが、果たして結果はいかに。

Sakunennohasya

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「馬券のヒント」Q&Aトークライブを開催します。

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「ガラスの競馬場」の8周年を記念しまして、「馬券のヒント」Q&Aトークライブを開催します。

「馬券のヒント」Q&Aトークライブでは、今春にお分けしました書籍「馬券のヒント」をさらに深く掘り下げてゆくことによって、すぐ明日からでも馬券検討に使っていけるノウハウをお伝えしたいと思っています。ひとつひとつのヒントは短く簡潔ですが、その行間には私の失敗から生まれた圧倒的な量のノウハウが詰まっています。当たり前に読み流していたヒントの中にも、たくさんの新しい気づきが隠れていたことに驚かれるはずです。

今回、Q&Aという形にさせていただいたのは、100あるヒントの中でも、参加していただく皆さまが最も聞いてみたい内容を中心に話したいからです。事前にメール等で質問をお受けして、当日お答えしていく形になります。具体的な質問をいただければ具体的にお答えできますし、抽象的な質問にも私の知っている限り詳しくお答えします。もちろん、「馬券のヒント」に書いていない内容の質問でも大歓迎ですよ。

たとえば、以下のような質問でもOKです。

Finger新馬戦でどのようにして強い馬を見つけられますか?
Finger展開はどのように予想するのですか?
Finger馬体重の読み方について教えてください。
Fingerパドックや返し馬の見方について詳しく教えてください。
Finger調教でどこを重視するべきか知りたいです。

ということで、お話しをする内容については、当日になってみて初めて分かるというドキドキのトークライブになります。あなたの知りたいノウハウについて、ピンポイントで答えられる絶好の機会になると思います。どんな名馬やジョッキーの物語が登場するのかも楽しみにしていてくださいね。

トークライブは約2時間半を予定しています。トークライブが終了後、天皇賞秋のG1予想検討ライブも行います。出走参考レースを観ながら解説をしていきますので、迷える皆さまの最終決断の場としても使ってください。またぜひ皆さんの予想もお聞かせくださいね。

「馬券のヒント」Q&Aトークライブの開催日時、場所、参加費等
■日時: 平成21年10月31日(土) 18:30~21:30
*18:30には集合の上、ご着席ください(18:20より受付を開始いたします)。
■場所: 渋谷フラッグ 7F
アクセス詳細はこちらから
■参加費: 3500円(税込み)
■定員: 20名

参加費につきましては、安くて心配と思われるかも知れませんが、皆様に来ていただきやすいようにという思いを込めました。また、書籍「馬券のヒント」をお持ちでない方には事前に送らせていただきますので、メールフォームの備考欄にてご連絡ください。

定員は先着20名様に限定させていただきます。もっと多くの方々にお越しいただきたいのですが、運営の都合上、少数限定とさせていただきますことをご了承ください。早めに定員が一杯になることが予想されますので、ご参加希望の方は今すぐお申し込みください。

お申し込みはこちらから
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お申し込み方法
Step1メールフォームにてお申し込み
*SSLに対応しておりますので、個人情報の保護も万全です(個人情報を第三者に開示をすることは決してありません)。
Step2参加費のお振込み
*追って指定の銀行口座をメールにてお伝え致しますので、5日以内に参加費のお振込みを完了させてください。
Step3お振込みの確認後、チケットが届く
*チケットをご自宅に届けて欲しくない方がいらっしゃいましたら、メールフォームの備考欄にその旨ご記入くだされば、こちらで柔軟に対応させていただきます。
Step4当日、チケットをご持参の上、セミナー会場へ直接お越しください。

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キャンセルについて
どうしてもご参加いただけなくなった際は、メールにてキャンセルの旨、ご連絡ください。
キャンセルの場合の振込済参加費の返金について
セミナー開催10日前まで:50%返金
セミナー開催5日前まで:25%返金
セミナー開催5日前以降:返金不可
※振込手数料(500円)を差引いた金額をご指定の銀行口座へ振込にて返金致します。

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毎日王冠を当てるために知っておくべき3つのこと

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■1■とにかく逃げ・先行有利
府中の1800展開いらず、どんな展開になっても強い馬が勝つという意味の格言だが、開幕週に限っては当てはまらない。この時期の東京競馬場は、夏の間に十分根を張った軽いオーバーシード芝となる。洋芝はまだ芽が出かけた程度で、ほぼ野芝100%の極めて軽い馬場であるため、前に行った馬が簡単には止まらない。たとえかなりのハイペースになったとしても、とにかく逃げ・先行馬に有利なレースとなる。

■2■前走がG1、もしくは重賞勝利馬
過去10年間の、前走をクラス別で分けると以下のとおり。
G1    【6・5・2・30】
G2    【0・2・1・13】
G3    【3・2・6・39】
OP以下【1・1・1・8】

過去10年の連対馬中で、11頭が休み明けの前走G1組、その他7頭はG2、G3をステップとしている。休み明けにもかかわらず、前走G1組が勝利しているように、この時期になると夏を使ってきた馬よりも実績のある実力馬にとって有利なレースとなる。前走がG1組であれば着順は関係ないが、G2、G3もしくはOP以下のレースをステップとしてきた馬は、前走勝って臨んできている上り馬であることが必須条件となる。

■3■5歳馬中心
世代別の成績は以下の通り。
3歳馬【0・0・0・8】 連対率0%
4歳馬【2・2・2・29】 連対率10%
5歳馬【5・6・1・32】 連対率20%
6歳馬【2・2・4・12】 連対率20%
7歳馬【1・0・2・11】 連対率7%

勝ち馬、連対馬共に、夏を越して本格化した5歳馬の活躍が目立つ。秋の中距離G1シリーズに向けてキーとなるステップレースである以上、ひと夏を越しての成長が見込まれる馬を探すべきレースである。

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集中連載:「パドックの見方を極める」第2回

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■私のパドック遍歴
パドックの見方について話を進める前に、私のパドック遍歴について書いておくべきだろう。おそらくほとんどの競馬ファンがそうするように、パドックを見ることを馬券の中心に据えていた時期が私にもある。最初の頃はウインズのモニター中心であったが、競馬を始めて3、4年経った頃だろうか、実際のサラブレッドが見て予想がしたくなり、競馬場のパドックに足繁く通い始めた。主戦場は中央ではなく地方競馬場のパドックであった。

地方競馬(私の場合は南関東)はいつもどこかで開催されているため、毎日でもパドックに立つことができる。前日に全レースを予想し、その中でも自信のある馬を、当日パドックで実際に見てから買うのだ。出走馬をまんべんなく見わたすのではなく、自分の買いたいと思っている馬だけをじっくり見た。地方のジョッキーが毎日実戦で乗ることによって上手くなるように、私も大井、川崎、船橋、浦和競馬場と南関東を転戦し、ほぼ毎日のようにパドックを見て、勝負し続けた。私のパドックの原点は地方競馬にある。

しかし、その頃の成績は良くも悪くもなかった。いや、あれだけ真剣に見たにもかかわらず、負けて帰る方が多かったように思う。良く見えた馬が凡走して、それほど良くは見せなかった馬が好走したりした。不思議に思った私は、数々の馬券本を読み漁り、パドックでの馬の見方の知識を貪欲に吸収した。そして、馬の歩様、踏み込みの深さ、蹄の形、肩の出、トモの張りなど、あらゆる細部にも目を配らせてみたが、やはり結果は同じであった。偉そうに専門用語を並べることは出来るようにはなったが(笑)、馬が本当に見えているのかというと自信がなかった。もっと正直に言うと、馬の歩様、踏み込みの深さ、蹄の形、肩の出、トモの張りなど、見ても全くもって分からなかった。私には馬を見るセンスがないのかと悔しく思ったものだ。

そんな私にとってのブレイクスルーとなったのは、1年間に及ぶアメリカへの留学である。詳細はここでは書かないが(極めて個人的なことなので)、私は競馬歴が6年目となる時期に、アメリカのサンフランシスコに渡るという幸運を得た。サンフランシスコでの生活に慣れるや、私はベイメドウズという競馬場に通い始めた。当時はシガーという馬が圧倒的な強さで大レースを勝ち続け、アメリカ競馬の話題の中心となっていた。

最初はアメリカ競馬の何から何までが新鮮で楽しかった。アメリカの競馬ファンは、レースがスタートするとすぐに盛り上がり始める。「Go、Go!」と道中ずっと声援を送るのである。直線になってようやく声が出始める日本とは大違いである。これはアメリカと日本のレースの質の違いを表していると思った。スタートしてから息をつく暇もなくガンガン飛ばしていくアメリカ競馬と、道中は折り合いを付けることに専念して、直線でヨーイドンになりやすい日本競馬の違いである。

楽しくて仕方なかったアメリカ競馬だが、馬券の方はヒドイ有り様であった。ただでさえ日本に比べると情報が少ない中で、英語の専門用語で書かれた競馬新聞を読んでみても、さっぱり分からない。前走の着順ぐらいしか、予想するための材料はないように思えた。必然的に、私の足はパドックへと向かった。

しかし、ベイメドウズ競馬場のパドックは、私が考えていたパドックとは違った。馬の装鞍所と一緒になっているようで、次走に出走するにもかかわらず、まだ鞍さえ付けていない馬もいる。出走時間が近づいてくると、おもむろに厩務員らしき人が馬を引き始めたと思いきや、1、2周しただけで、あっという間に本馬場へ向けて私たちの前から去って行ってしまう。馬券を買っている競馬ファンに馬を見せようという意識などひとかけらもない。だからか、パドックを熱心に見ようという馬券おやじもチラホラとしか見かけなかった。大勢の人々に囲まれたパドックを、レース前に10分以上にわたって延々と回らされる日本とは大きな違いである。まあ、良く言えば、馬優先主義ということなのだろう。

これではパドックも予想の材料にはならないな、とあきらめようかと思っていた矢先、ひょんなことがきっかけで私はビリーという男に出会った。

(第3回へ続く→)

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10年に1度の

Sprinterss09 by Deliberation
スプリンターズS2009-観戦記-
外枠からダッシュ良く飛び出したローレルゲレイロがハナを奪い、前半3ハロンが32秒9、後半が34秒6という、いかにもスプリンターズSらしいペースを作り出した。後ろから行った差し馬に有利な流れではあったが、3~4コーナーでゴチャついてしまった分、差して来る馬がいなかった。そのため、良馬場のスプリンターズSでは珍しい、逃げ切りとなった。

それにしても、この激流を自ら作り出し、最後まで逃げ切ったローレルゲレイロの心臓の強さには脱帽する。並みの馬であれば大バテしてもおかしくないレースを、最後の坂で止まりそうになりながら盛り返すのだから、まさに驚異的な粘り腰である。さすが昆貢調教師が「10年に1度の馬」と言うだけのことはある。休み明けの前走を大敗して、体調を心配されていたにもかかわらず、大一番で見事に復活した。これで春秋スプリントG1制覇であり、次は香港でも逃げ切って、名実ともに10年に1度のスプリンターとなって欲しいものだ。

ローレルゲレイロの復活に花を添えた藤田伸二騎手もさすがである。決めなければならないスタートを決め、迷うことなくハナを奪い、直線では渾身の力を込めて愛馬を叱咤激励した。わずかでも迷いがあれば、ハナ差の勝利はハナ差の敗北に変わっていたことだろう。ターフの外ではヤンチャな言動で知られるが、ターフの上では意外や誠実で真摯な仕事をする。好き嫌いは別として、馬券を買っている側からすれば、安心して見てられる数少ないジョッキーの一人である。そんな仕事人・藤田伸二のしたたかさが垣間見えた騎乗であった。

ビービーガルダンはあと一歩のところで勝利を逃してしまった。この馬としては理想的な位置取りで、最後までジワジワと伸びて、力は出し切っている。持ち時計がないことを心配されていたが、1分7秒5で走っているのだから、上出来の内容だろう。今回は勝った馬の驚異的な粘りに屈してしまった。もし悔いが残るとすれば、後ろから来る馬に意識が行った分、結果的にゴーサインが少しだけ遅くなったことだろうか。ローレルゲレイロが相手だと知っていれば、もう少し早めに捕まえに行ったはずである。僅かな差で負けてしまったものの、この馬自身も今年に入って力を付けている。安藤勝己騎手にとっては、ビリーヴに続く、悔しいハナ差でのスプリンターズSとなった。

サマースプリントチャンピオンのカノヤザクラは、末脚勝負に徹したことが功を奏した。中団以降がゴチャつく中、直線の競馬だけで他馬をごぼう抜きにした。もう少し前に行っていればという考えもあるかもしれないが、思い切った戦法を取ったからこその3着だったと私は思う。ローレルゲレイロが同厩舎のディープスカイの分も頑張ったように、カノヤザクラもスリープレスナイトの分まで走った。競馬はどこかで繋がっている。

1番人気に推されたアルティマトゥーレは、自分の型に持ち込めず、本来のスピードを生かし切れなかった。内枠からの発走のため、外から被せられて苦しいところに入ってしまったように、外目の枠を引けていれば3着はあったかもしれない。それでも抜け出してくる脚がなかったことは確かで、前走のセントウルS時がピークであった体調が下降線を辿りつつあったのだろう。パドックで歩く姿を見ても、ハミをしっかり噛んでいなかったように、最高潮だった前走に比べて闘争心が不足していた感は否めない。天性のスプリント資質がある馬だけに、この後は一旦休養を入れて、来年に備えて大事に使って欲しい。

その他、4着に入ったアイルラヴァゲインは体調が良かったことが好走の原因だろう。中間から馬が唸っているほど調子が良かった。本調子にあれば、これぐらいは走ってもおかしくない馬である。アーバニティは休み明けで馬が気負ったのか、前半で前に行ってしまい、末脚を生かす本来の競馬が出来なかった。外国馬シーニックブラストは、道中で躓いてしまい万事休す。パドックを見る限り、馬体も落ち着きも素晴らしく、ひょっとして勝たれたかと思っただけに、残念なアクシデントとなった。こういったことも含め、初めての競馬場に遠征して、いきなり勝つことは本当に難しい。

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◎ビービーガルダン

Jiromaru

スリープレスナイトが引退したことで、一変して混戦ムードが漂う中、アルティマトゥーレが1番人気に推されています。持ち前のスピードで押し切った前走のセントウルSは圧巻でした。兄キャプテントゥーレが朝日チャレンジCを勝利した翌日だっただけに、そういった目に見えない後押しもあったような気がしますが、この馬自身、力をつけていますね。牝馬とは思えない立派な馬体とは裏腹に、体質の弱かった馬だけに、大事に使われてきたことが良かったのでしょう。母父トニービンや伸びのある好馬体を見ても、十分なスタミナにも裏付けられています。「自信がある」と松岡騎手が語るのも頷けますね。

敢えて不安点を挙げるとすれば、前走の最後の直線で舌がハミを越していたことでしょうか。セントウルSのゴール前写真をご覧になった方はお気づきでしょうが、舌がハミを越えて外に出てしまっています。最後の直線で追われて苦しかったのでしょうね。この馬の癖かもしれませんが、それでも決して良い材料とはいえません。なぜかというと、舌がハミを越してしまうと、ジョッキーからの指示が伝わりにくくなり、また追っても伸びなかったりするからです。

ジョッキーは主にハミと手綱を通して馬の余力や精神状態を汲み取ります。逆に競走馬もハミを通してジョッキーの意思を感じます。だからこそ、舌がハミを越してしまっている馬には、ジョッキーの意思が伝わりにくいのです。動けと指示した時には即座に動けず、動いてはいけないという時に動いてしまう。折り合いがそれほど重視されない短距離戦だけに、致命的ではありませんが、コントロールしにくい状況が生まれることもあり得ます。

それから、何といっても、舌がハミを越してしまっている馬は追ってから伸びない、ということがあります。競走馬が速く走ろうとすると、ハミをぐっと噛んで、重心を下げて、一完歩を拡げていきます。ハミをしっかりと噛めない馬は、手応えの割に伸びないことが多いのです。スプリンターズSは厳しい流れになるため、前走のように行ったっきりで勝てるほど甘くありません。後ろから伸びてくる馬が必ずいるはずですね。そうなった際に、思ったほど伸びず、誰か他の馬に差し切られてしまうということも起こりうるのではないでしょうか。

本命は◎ビービーガルダンに打ちます。前走の勝ちっぷりからも、まさに充実一途です。チーフベアハート産駒らしく、ジワジワと力をつけてきた感がありますね。スッと先行できて、追い出されてからゴールまでしっかりと伸び切ることが出来るようになりました。キーンランドCを使って、その後、ここ1本に絞って狙ってきたローテーションにも好感が持てます。速い持ち時計がないことについては、それほど心配は要りません。重い馬場から軽い馬場への対応は、その逆に比べてスムーズですから。そもそも、まだ完成されていなかった昨年でも、このレースは3着に粘った馬です。安藤勝己騎手は内のアルティマトゥーレを前に見る形で進め、ペースに応じて道中の位置取りを変えてくるはずです。あとは仕掛けのタイミングだけですね。直線では後続を突き放すパワーを見せ付けて欲しいものです。

外国馬シーニックブラストは、グローバルスプリントチェレンジでG1レースを2つ、しかも2つの国で勝っているように能力の高さは明らかですが、未知の部分が多すぎます。かつてスプリンターズSを勝った外国馬(サイレントウィットネス、テイクオーバーターゲット)は、本番前に日本で走った経験があったので安心して見ていられました。ところが、シーニックブラストに関しては、特に高速馬場や小回りコースに対する適性など、走ってみなければ分からないのが本音です。ついでに言うと、ジョッキーも日本の競馬は初めてですよね。前走後、英国で鍛え直されての参戦だけに、あっさりもあると思いますが、それでもこの馬に賭けるのは怖いですね。

アーバニティも面白い存在です。高松宮記念は体調が下降線を辿っていたところに加え、道中もゴチャついて惨敗してしまいましたが、あれがこの馬の力ではありません。今回は外枠を引いたので、この馬のリズムでレースが出来るはずです。オーシャンSを勝ったように、中山1200mがドンピシャですね。溜めていけば直線で弾ける末脚を持っています。さすがに高松宮記念以来というローテーションはマイナス材料ですが、馬体を見る限り仕上がりは良さそうですので、一発を期待したいところです。この馬も大事に使われてきましたし、今年絶好調のマンハッタンカフェ産駒であり、夏を越しての成長力に期待します。横山典弘騎手の手綱捌きにも注目です。

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一発まで期待できそうなアーバニティ:5つ☆

アルティマトゥーレ →馬体を見る
素晴らしくバランスの取れた馬体からは、一介のスピード馬ではないことが窺える。
表情がわずかに優れない分、最高潮だった前走を100点満点とすると、今回は95点くらいか。
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アーバニティ →馬体を見る
いつも良く見せる馬だが、久々にしては仕上がりが良さそう。
表情や立ち姿にも力みがなく、一発まで期待できる雰囲気を醸し出している。
Pad5star

カノヤザクラ →馬体を見る
最高潮だった昨年に比べて、今年は夏場もあまり良くは見せなかった。
ここに来てさらに毛艶がくすんでいるように、絶好とは言いがたい。
Pad3star

キンシャサノキセキ →馬体を見る
年齢を重ねるにつれ、短距離馬の体型に変化している。
折り合いがカギではあるが、ラストの坂を登り切れるかどうか。
Pad3star

グランプリエンゼル →馬体を見る
いかにも3歳牝馬らしい、幼さを残した未完成の馬体。
表情からも、気持ちの強さだけで走ってきたことが窺える。
Pad2star

ビービーガルダン →馬体を見る
全体のバランスは一流馬のそれではないが、パワーに溢れている。
尾離れが良いように、特に後肢の筋肉の付き方は素晴らしい。
Pad4star

プレミアムボックス →馬体を見る
少し太目に映るが、筋肉の張りや毛艶は良好。
気性が激しそうなタイプだけに、スムーズにいければという条件がつく。
Pad3star

マルカフェニックス →馬体を見る
馬体のバランスから言うと、前が強く後ろが弱い。
雰囲気はゆったりとしていて、体調自体は悪くない。
Pad3star

ローレルゲレイロ →馬体を見る
腰高の馬体は相変わらずだが、夏を越して馬体を柔らかく見せている。
ただ、筋肉量が豊富だった時に結果を出していた馬だけにどうか。
Pad3star

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中山1200m

Nakayama1200t

スタート時点から、第1コーナーである3コーナーまでは275m、そこからもさらに100mほど直線が続く。3~4コーナーにかけて、きついカーブになっているように見えるが、中間に直線が入っているため、実はスピードをほとんど落とすことなく回ることができる、全競馬場の中で屈指の高速コーナーである。またスタート時点が坂の頂上にあるため、ゴール前の残り200mの時点までは緩やかに下りながらレースが進むことになる。そのためペースは速くなりがちで、馬場さえ良ければ、かなりの速いタイムが出ることになる。

ゴール前の直線は310mと短いが、高低差2.3mの急坂が待っているため、ハイペースで飛ばした先行馬が末脚をなくし、後方待機の差し馬に一気に交わされるという逆転劇が往々にして起こり得る。特にG1レースにおいては、道中が速く厳しいペースになりやすいので、前に行って粘り込むためには、相当な実力が必要とされる。
スタートからコーナーまでの直線距離が長く、コーナーも比較的緩やかであるため、内外の枠順で基本的には差はない。しかし、あまりにも内枠すぎると、インぴったりに閉じ込められ、かえってスピードに乗れないこともある。多少の距離損があったとしても、中~外枠の方がレースはしやすい。

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