« ◎ビービーガルダン | Main | 集中連載:「パドックの見方を極める」第2回 »

10年に1度の

Sprinterss09 by Deliberation
スプリンターズS2009-観戦記-
外枠からダッシュ良く飛び出したローレルゲレイロがハナを奪い、前半3ハロンが32秒9、後半が34秒6という、いかにもスプリンターズSらしいペースを作り出した。後ろから行った差し馬に有利な流れではあったが、3~4コーナーでゴチャついてしまった分、差して来る馬がいなかった。そのため、良馬場のスプリンターズSでは珍しい、逃げ切りとなった。

それにしても、この激流を自ら作り出し、最後まで逃げ切ったローレルゲレイロの心臓の強さには脱帽する。並みの馬であれば大バテしてもおかしくないレースを、最後の坂で止まりそうになりながら盛り返すのだから、まさに驚異的な粘り腰である。さすが昆貢調教師が「10年に1度の馬」と言うだけのことはある。休み明けの前走を大敗して、体調を心配されていたにもかかわらず、大一番で見事に復活した。これで春秋スプリントG1制覇であり、次は香港でも逃げ切って、名実ともに10年に1度のスプリンターとなって欲しいものだ。

ローレルゲレイロの復活に花を添えた藤田伸二騎手もさすがである。決めなければならないスタートを決め、迷うことなくハナを奪い、直線では渾身の力を込めて愛馬を叱咤激励した。わずかでも迷いがあれば、ハナ差の勝利はハナ差の敗北に変わっていたことだろう。ターフの外ではヤンチャな言動で知られるが、ターフの上では意外や誠実で真摯な仕事をする。好き嫌いは別として、馬券を買っている側からすれば、安心して見てられる数少ないジョッキーの一人である。そんな仕事人・藤田伸二のしたたかさが垣間見えた騎乗であった。

ビービーガルダンはあと一歩のところで勝利を逃してしまった。この馬としては理想的な位置取りで、最後までジワジワと伸びて、力は出し切っている。持ち時計がないことを心配されていたが、1分7秒5で走っているのだから、上出来の内容だろう。今回は勝った馬の驚異的な粘りに屈してしまった。もし悔いが残るとすれば、後ろから来る馬に意識が行った分、結果的にゴーサインが少しだけ遅くなったことだろうか。ローレルゲレイロが相手だと知っていれば、もう少し早めに捕まえに行ったはずである。僅かな差で負けてしまったものの、この馬自身も今年に入って力を付けている。安藤勝己騎手にとっては、ビリーヴに続く、悔しいハナ差でのスプリンターズSとなった。

サマースプリントチャンピオンのカノヤザクラは、末脚勝負に徹したことが功を奏した。中団以降がゴチャつく中、直線の競馬だけで他馬をごぼう抜きにした。もう少し前に行っていればという考えもあるかもしれないが、思い切った戦法を取ったからこその3着だったと私は思う。ローレルゲレイロが同厩舎のディープスカイの分も頑張ったように、カノヤザクラもスリープレスナイトの分まで走った。競馬はどこかで繋がっている。

1番人気に推されたアルティマトゥーレは、自分の型に持ち込めず、本来のスピードを生かし切れなかった。内枠からの発走のため、外から被せられて苦しいところに入ってしまったように、外目の枠を引けていれば3着はあったかもしれない。それでも抜け出してくる脚がなかったことは確かで、前走のセントウルS時がピークであった体調が下降線を辿りつつあったのだろう。パドックで歩く姿を見ても、ハミをしっかり噛んでいなかったように、最高潮だった前走に比べて闘争心が不足していた感は否めない。天性のスプリント資質がある馬だけに、この後は一旦休養を入れて、来年に備えて大事に使って欲しい。

その他、4着に入ったアイルラヴァゲインは体調が良かったことが好走の原因だろう。中間から馬が唸っているほど調子が良かった。本調子にあれば、これぐらいは走ってもおかしくない馬である。アーバニティは休み明けで馬が気負ったのか、前半で前に行ってしまい、末脚を生かす本来の競馬が出来なかった。外国馬シーニックブラストは、道中で躓いてしまい万事休す。パドックを見る限り、馬体も落ち着きも素晴らしく、ひょっとして勝たれたかと思っただけに、残念なアクシデントとなった。こういったことも含め、初めての競馬場に遠征して、いきなり勝つことは本当に難しい。

現在のランキング順位はこちら

|

Comments

随分コメントが遅くなりましたが。。。

アルティマトゥーレは直線入口で見事に
横山、安藤ベテランにしてやられましたね。

松岡騎手ゆえ。やられたのかな?と思っちゃいます。

完全に蓋してましたもんね。
「蓋しろー」って思ったら、見事に被せにいったんで
流石やな。と思いました。

ま、肝心なローレルゲレイロ買ってなかったけど。
(笑)

Posted by: はやひで | October 12, 2009 at 11:23 PM

はやひでさん

こんばんは。

そうですね、アルティマトゥーレは速い脚のある馬ではないので、ああゆう形になってしまうと苦しいですね。

まあ、内枠を引いた時点で厳しいと思っていましたが。

前走に比べて、体調が下降線を辿っていた気もします。

ま、私も肝心なローレルゲレイロ買っていなかったんですけど(笑)

Posted by: 治郎丸敬之 | October 13, 2009 at 12:52 AM

Post a comment