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100%信じることで

Jiromaru

今年の天皇賞秋の週、ある女性からメールを頂戴しました。「ウオッカの勝つ姿が見たいのですが、最終追い切りで舌を出していたのが気掛かりです。あれ、良くないのですよね?また何かにやられますかね?ウオッカを信じたいのですが、どうお考えですか?」とのこと。私はライブの直前だったこともあり、単刀直入に彼女に伝えました。

「ウオッカの追い切りですよね…。正直、あまり良くない傾向だなと思いました。実戦であれ、調教であれ、舌がハミを越していることにプラスはありません。もしかすると、また前走のように掛かってしまうかもしれませんね。それでも、もしウオッカの勝つ姿を見たいのであれば、ウオッカを心から信じるべきでしょう。どのような結果であれ、100%信じることで学ぶことは多いと思います。かつて私もヒシアマゾンという馬で競馬の喜怒哀楽を味わいました。その経験や思い出は今でも宝物です。後から思うと、共に競馬を味わえる馬は片手で数えるほどなんですよね。明後日の天皇賞秋、楽しみです。」

今からちょうど14年前、府中競馬場のスタンドに立っていました。始発の電車に乗って府中競馬場に乗り込み、スタンド前の席を確保し、それからメインレースとなるジャパンカップまで他のレースは一切買わずに、ただひたすらヒシアマゾンの勝利だけを心待ちにしていました。秋初戦となる京都大賞典で牡馬を相手に楽勝したヒシアマゾンは、ジャパンカップに向けて最高の仕上がりにありました。どれだけ寒風が吹きすさぼうが、私の心には燃え滾るものがあって、5時間後の未来を想うと、身体の芯からマグマのような熱い液体がドクドクと溢れ出しそうでした。ヒシアマゾンが世界の頂点に立つ瞬間が、もうすぐそこまで来ていたのです。

しかし、最後方からレースを進めたヒシアマゾンが、大外から豪快なフットワークで、脚を伸ばせども伸ばせども、ドイツからの刺客ランドとの差は縮まりませんでした。あの時ほど、ジョッキーと一緒の気持ちになって直線で馬を追ったことはないかもしれません。ヒシアマゾンは惜しくも2着に敗れてしまいました。それでも、その日の全財産を失った私の心には、清々しいばかりの爽快感があったことをはっきりと覚えています。負けてはしまったものの、ヒシアマゾンを100%信じることが出来た自分と、今持てる力を出し切ったヒシアマゾンが誇らしかったのだと思います。

さて、今年のジャパンカップにはウオッカが出走します。ヒシアマゾンが灯していたたいまつの火が、ウオッカに乗り移っているように私には思えて仕方ありません。昨年は天皇賞秋がピークでしたが、秋2戦を叩かれて、今年はジャパンカップに向けて究極の仕上がりにありますね。さすが角居調教師、どこを捨ててどこを取るか、したたかな計算があると思います。

とはいえ、ウオッカは2歳の頃から最高レベルの競走を走り続けてきて、もう5歳の秋です。「使える脚が短くなってきている」と武豊騎手が語ったらしいのですが、本当のことでしょう。それは肉体的に衰えたということではなく、集中力が続かなくなったということです。競馬に飽きているとも言えます。今回の追い切りでも舌を出していました。だからこそ、陣営もジョッキーを替えて刺激を与えようと工夫したのでしょう。もちろん、ある程度の効果はあると思いますが、そんなに簡単なものではないことも確かです。

幸いなことに内枠を引きましたので、とにかく折り合いをつけながら、脚をためることに専念することが出来ます。前に行かせながら脚を溜めることに関しては、世界屈指の腕を誇るルメール騎手のことです。前走で武豊騎手が折り合いを矯正してくれていますので、中団より前でレースの流れにすんなりと乗れるはずです。ルメール騎手は、直線に向いて、ウオッカが本気になるその一瞬を逃すことなく、先頭に立たせなければなりません。そこから先、ゴールまで辿り着けるかどうかは神のみぞ知るところでしょう。

エアシェイディは高齢になっても元気一杯です。カンパニーと同じ8歳馬ですから、この世代は本当にレベルが高かったのだと思います。前走は大外枠から差を詰めて、1秒差ならば上々ではないでしょうか。ひと叩きされて、絶好の状態で臨めます。一転して内枠を引きましたので、今回は終始内々で脚を溜めることが出来るので、無欲で内をスパッと突けば面白いでしょう。同じことはアサクサキングスにも当てはまり、内々の前で立ち回ることが出来れば、あわやというシーンは作れるのではないでしょうか。

BCターフの覇者コンデュイットは素晴らしい馬ですね。強行軍を嫌って、あまり注目していませんでしたが、日本での追い切りの動きを見て感心しました。とても素直な馬であることが伝わってきましたし、手脚の軽いフットワークは日本の芝にも適しています。追い出されてから最後まで、しっかりと伸びてくるのではないでしょうか。馬体を併せてしまうと、ウオッカにとっては最大の強敵になると思います。

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Comments

治郎丸さんの競馬への情熱には頭が下がります。
私も治郎丸さんに色々と競馬の楽しみ方を教えてもらいましたが、15年も経てば、
あの頃の燃えたぎるような競馬への気持ちが消えてしまっているように思います。。。

さて、今では単なる穴馬券オヤジと化してしまった私ですが(笑)
ジャパンカップはエイシンデピュティの一発に期待しつつ、
またあの頃のような、夢や希望が持てる社会になることを祈っています。

Posted by: 冷や飯 | November 29, 2009 at 10:13 AM

治郎丸さん、おはようございます。

◎は迷いましたが、ウオッカにします。内枠もルメールジョッキーへの
スイッチもいい流れに繋がっいると信じて…。
府中の女王の集大成が見られることを期待します。

以下、スクリーンヒーロー、オウケンブルースリ、リーチザクラウン、
エアシェイディ、マーシュサイドまで押さえます。

では、固唾を呑んで見守りましょう。

Posted by: onion | November 29, 2009 at 10:42 AM

治郎丸さん。こんにちわ。

もしかしてランドのJCの時は近い距離で観戦していたのかもしれませんね(^^ゞ

競馬暦を重ねることで色々なことが見えてきて純粋に信じ抜くということが出来なくなってしまっているような気がします。

現役馬で一番好きな馬が出ている今回のJCはその馬を信じ抜こう、そう思いました。

ありがとうございました。

Posted by: kazuking1031 | November 29, 2009 at 12:00 PM

こんにちは。
今日のJCも非常に悩みますね~…
遅れましたが先週はマイネルファルケお見事でした!
そしてJC。本命はオウケンブルースリにします。
去年は5着、前走の天皇賞は前が詰まり気味で
最後少し競馬をした程度で4着でした。
この馬は元々腰が甘いような感じでしたが、この秋を見ていると問題ない気がしました。
それだけに斤量が減るのもプラスですので、この馬を本命にします。
○はレッドディザイア。秋華賞が一杯だっただけに状態が気になりますが、
わざわざエリ女を回避してまでここに来たということで勝負度を買います。
▲エイシンデピュティ
△エアシェィディ
 マーシュサイド 
 リーチザクラウン
☆ジャストアズウェル
 ウオッカ
で行きます。
治郎丸さんのおっしゃる通り信じることは大切ですね。
しかしウオッカの陣営は本当に100%信じているのでしょうか?
なぜか以前ダービーに出走した時と意気込みが…
とにかくいいレースを期待します。

Posted by: keigo | November 29, 2009 at 02:48 PM

冷や飯さん

こんばんは。

私もこうして変わらぬ情熱を持ち続けていられていることに自分でも驚いています。

もちろん、あの頃のような無我夢中さはなくなってしまいましたが…

まあ無我夢中なオヤジよりはヨシとしましょう(笑)

ウオッカの素晴らしい走りが観れて、美しい1日でした。

競馬に乾杯です。

Posted by: 治郎丸敬之 | November 29, 2009 at 11:27 PM

onionさん

こんばんは。

的中おめでとうございます!

直線半ばで勝利を確信されたのではないでしょうか。

それにしても、ウオッカによる美しいレースでしたね。

5着が一番上に灯った時には思わず涙してしまいました。

このドラマがあるからこそ競馬は面白いですね。

ウオッカに感謝です。

Posted by: 治郎丸敬之 | November 29, 2009 at 11:30 PM

kazuking1031さん

こんばんは。

あの年のジャパンカップは競馬場におられたのですね。

たぶん目と鼻の先で応援していたと思います(笑)。

レッドディザイア、最後まであきらめずに走りましたね。

3歳馬とは思えない、来年につながる強い内容でした。

>競馬暦を重ねることで色々なことが見えてきて純粋に信じ抜くということが出来なくなってしまっているような気がします。

その気持ちよく分かりますよ。

でも競馬が面白いのは、本当はそこからなのかなと最近思います。

お互いに頑張りましょうね。

Posted by: 治郎丸敬之 | November 29, 2009 at 11:35 PM

keigoさん

またもや的中おめでとうございます!

オウケンブルースリは外から凄い脚を使いましたね。

私は冷や汗をかきましたが…

腰が強くなってきて、末脚の強さが増していますね。

今回のような競馬も合うのでしょう。

ウオッカも一滴残らず力を出し切って、最高のレースを見せてくれました。

私は毎日王冠、天皇賞秋後の陣営のコメントは半分はフェイクだったと思っています。

Posted by: 治郎丸敬之 | November 29, 2009 at 11:38 PM

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