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集中連載:「パドックの見方を極める」第4回

Paddock04

■馬の精神状態を見極める
ビリーがパドックで「Good」や「Great!」と評した馬は、人気の有無にかかわらず好走した。人気薄の馬を指名したかと思うと、次のレースでは人気馬を推したりした。人気馬はブッチぎり勝ち、人気薄の馬は大穴を開けることが多かった。まさに変幻自在で、この人は本当に馬が見えるのだろうなと思わされた。ビリーは競馬新聞こそ手に持っていたが、パドックに馬が歩いている時は、ほとんどパドックしか見ていなかった。

驚かされたのは、脚を引きずるように歩いていた馬や明らかに太目残りに映る馬を指名して、それらの馬があっさりと勝ってしまったことだ。競馬本で馬体の見方について学んだ私にとっては、到底走るとは思えない馬たちであった。最初の頃は、どういう基準で選んでいるのか、私にはさっぱり分からなかった。もちろん、ビリーの評価した馬でも負けることもあった。しかし、明らかに好走する確率が高く、時には大穴が来たりするので、それほど大金を賭けていたわけではないようだったが、かなりの儲けが出ていたことだけは分かった。

私はプライドをかなぐり捨てて、ビリーに尋ねた。

「どうやって馬を見ているのですか?」
「Takaは馬の身体を見ているようだけど、私は馬の身体はほとんど見ていないよ」
「え??じゃあどこを見ているのですか?」

ビリーが何度も繰り返し私に教えたのは、「パドックでは馬の身体ではなく心を見よ」ということであった。大切なのはこれだけと言っても過言ではなかった。少しかじっただけの知識を以って、私が馬の身体についての質問をすると、「Taka、身体を見ても分からないよ。心を見なさい」と優しく説いてくれた。その時は、ビリーの言葉の真意があまり理解できなかったが、今となってはハッキリと分かる。ビリーが伝えたかったことは、パドックという場所で私たちに分かることは、その馬の競馬(レース)に向かうにあたっての精神状態だということである。

馬の仕上がり状態やレースにおける肉体的な適性を把握することは困難である。一旦動き出すと、馬を見ることは難しくなる。静的システムが動的システムに変わった途端、極端に複雑になることに似ている。動いている(歩いたり、走ったりしている)馬を見ることは、私たちにとって至難のワザなのである。毎日馬と接している専門家にとってもそうなのだから、競馬ファンにとってはなおさらだろう。

それでは、どうするかというと、私たちはパドックを歩く馬が発する心のメッセージを読み取らなければならない。人間と同様に、いやそれ以上に、サラブレッドの身体と心はつながっている。体調や仕上がりが良ければ、馬は落ち着いて集中した精神状態になる。その逆もまた然り。馬の精神状態を見極めることが、実は体調や仕上がりを知ることにもなるのだ。「この馬は今どういう精神状態にあるのだろう」と考えることが、パドックの正しい見方なのである。

(第5回に続く→)

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Comments

謹賀新年あけましておめでとうごさいます。

旧年中はいろいろ教えて頂きほんとうにありがとうございましたm(__)m

本年も旧年と変わらずよろしくお願い致します。

馬…サラブレッドだから故に他のどんな動物よりも繊細な心をもってるんですよね。

確かにビリーさんのゆうとおりだと思います。

でも心を読み今の精神状態を読みとるのは至難の業ですね(^_^;)

でもこれから自分ももっとそうゆう観点からも考慮しながらパドックを見て見ますね(^_^)

治郎丸さんにとって今年1年が良い年になりますように(人μωμ`)

Posted by: ユビキタス | January 04, 2010 at 08:55 PM

ユビキタスさん

あけましておめでとうございます。

こちらこそ、今年もよろしくお願いいたします。

サラブレッドの心と身体はつながっていますので、
心を見ようとすると身体も分かるのだと思います。

見えないものをどのようにして見るのか、
私もまだ試行錯誤中ですが、少しでも分かり易く説明できればと思います。

またご感想等教えていただけると幸いです。

ユビキタスさんにとっても、
今年が素晴らしい1年になることを願います。

Posted by: 治郎丸敬之 | January 05, 2010 at 01:13 AM

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