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サンデーサイレンス恐るべし

Kikka2010 by jra
菊花賞2010-観戦記-
生まれてから1度もハナを譲ったことのないコスモラピュタが先頭に立ち、前半1000mが61秒0、中盤1000mが64秒5、後半1000mが60秒6という典型的な中緩みのラップを刻んだ。それでも、中盤においてコスモラピュタと後続の差は大きく開いていたわけだから、どうれだけ道中がゆっくりと流れていたか分かる。断然の人気を背負ったローズキングダムが後方で動けなかった(動かなかった)ことで、他の有力馬たちも金縛りにあってしまっていた。

勝ったビッグウィークは、集団の先頭を走ることで、まんまと逃げたと同じ形となり、レースがしやすかった。前走の神戸新聞杯ではスローペースで切れ負けしてしまったが、今回は後続が追い上げてくる前に自分から積極的に動き、その反省を生かすことができた。川田将雅騎手の冷静かつ絶妙なエスコートであった。父のバゴにとっては初年度産駒となり、桜花賞を2着したオウケンサクラを含め、幸先の良いスタートとなった。

ローズキングダムは、最後は差してきたものの、惜しくも届かなかった。それでも、2歳の朝日杯フューチュリティSを勝った上に、菊花賞でも2着したのだから、この馬の潜在能力の高さが分かる。前走から馬体重もさらに増やして、馬肥ゆる秋となった。武豊騎手はわずかにローズキングダムのスタミナに不安があったのだろう。道中は折り合いをつけることに専念して、我慢に我慢を重ね、ギリギリまで脚を溜めていた。ローズキングダムの切れ味を存分に発揮させた、最高の騎乗であった。あれ以上巧く乗れと言われても乗れない。

勝ったビッグウィークとローズキングダムは、母父にサンデーサイレンスを備えている点で共通している。そうした馬たちが上位に来られたのは、3000mを走りながらも、ラストの3ハロンで11秒台のスピードを求められたレースの構造による。完全なスタミナ勝負になってしまうとさすがに苦しいが、道中が緩んで脚を温存できると、最後の爆発力につながるのである。今年の天皇賞春も同じようなレースになり、母父にサンデーサイレンスを持つジャガーメイルが勝った。父からスタミナと我慢強さを受け継ぎながらも、父に足りないスピードを補っているのである。サンデーサイレンス恐るべし。

ビートブラックの好走には驚かされたと同時に嬉しくなった。前半から積極的にレースを進め、最後までバテることなく、見せ場を作った。前々のポジションでレースを運んだことが好走の理由だが、それでもここまで踏ん張ったのは血の成せる業であろう。父のミスキャストは私が最強のマイラーの1頭と信じるノースフライトとサンデーサイレンスの間に出来た超良血馬である。競走馬としては活躍できなかったが、種牡馬として生きていること、そしてその産駒がこうして走っていることが喜ばしい。

トウカイメロディは、持ち前のスタミナを生かせるレースにならなかったのが痛い。洋芝の方が合っているのか、それとも長距離輸送がこたえたのか、道中からついていくのがやっとで、ペースが上がった時にはすでに勝つチャンスはなくなっていた。G1クラスの壁に当たったような走りでもあった。長距離適性はあるので、今後はどのようにしてスピード不足を補っていくかだろう。

ヒルノダムールは内枠が災いした。道中は折り合って伸び伸びと走っていたが、勝負どころで前が壁になり、ポジションを上げることができなかった。最後は切れているだけに、レーヴドリアンが走ったポジションが取れていれば、と思わせられる。これが菊花賞の内枠の怖さである。

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