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共同幻想

Sprinterss2010 by ede
スプリンターズS2010-観戦記-
抜群のスタートで飛び出したウルトラファンタジーがそのまま行き切るかと思いきや、外からローレルゲレイロが先頭を奪い返そうとしたものの、4コーナー手前では再びウルトラファンタジーが先頭に立つ、という出入りの激しい競馬となった。その割には、前半3ハロンが33秒3、後半3ハロンが34秒1という、スプリントG1としてはスローペースでレースは流れた。そのため、後ろから行った馬、外を回されてしまった馬にとっては苦しいレースとなった。

逃げ切った香港馬のウルトラファンタジーは、とにかく自分のペースを貫いたことが勝利につながった。道中で無理をしなかったからこそ、上がり34秒1でまとめて、他馬の追撃を凌ぎ切ることができた。今回は他にも行きたかった面々がいたが、それらの馬たちよりも内の枠を引いていたことも有利に働いた。それにしても、これだけ緩いペースで逃がしてくれるとは、想像すらしなかったはずである。同じ香港馬のグリーンバーディーが人気になっていて、その一方でこの馬はジョッキーたちにとっても盲点となっていたようだ。

惜しくも勝利を逃し、かつ降着となってしまったダッシャーゴーゴーだが、最後はよくぞ勝ち馬を追い詰めていた。スローペースの中、内々で脚を溜められたことが大きい。未完成の馬体でここまで走るのだから、この馬の天性のバネの強さは本物である。スプリンターにしては精神的にもドッシリしているので、この先、馬体が成長してくれば、スプリントのG1タイトルを取れる器である。香港馬に負けたこの借りを、この馬に世界のどこかで返して欲しい。川田雅将騎手は勝ち気がはやったのだろうか。ほんの一瞬でも、後ろの馬の状況を確認してから追い出せていれば、このような結末にはならなかった。

繰り上がりの2着となったキンシャサノキセキは、持てる力を最大限に発揮した。もともとG1級の資質を持っていた馬が、今年に入ってから肉体と精神が一致し、安定して走られるようになってきている。今回は休み明けではあったが、前哨戦のセントウルSを疝痛で回避したことがかえってプラスに出たようだ。力を出し尽くした高松宮記念から間隔を開けて、回復を図ることができていたように、仕上がりは悪くなかった。馬群の外を回されたロスがなければ、もう少し勝負は際どかったはずである。

サンカルロは千載一遇のチャンスを逸してしまった。レース前の調整からレースの流れまで、何もかも上手く運んでいたが、最後の直線に向いた途端に、勝利への扉が閉じてしまった。競馬にタラレバは禁物だが、もしあそこでスムーズに馬群を抜けられていれば、勝っていたのではないだろうか。それぐらい、致命的な不利であった。あえて言うならば、ダッシャーゴーゴーがいたポジション、つまりひとつ前のそれを取れていれば、結果は違ったのではないか。

サマースプリントチャンピオンのワンカラットは、あきらめずに伸びていたが、最後は力尽きてしまった。夏場を仕上げて使ってきた疲れが噴出してしまった形で、この馬本来の出来にはなかった。サマースプリントチャンピオンとスプリンターズSが両立しないのは、サラブレッドのピークがそれほど長くないからである。スプリントチャンピオンを取るかG1を取るかで、ワンカラットの陣営は前者を選択したのだから、この結果は仕方ないと納得できるはずである。スプリント能力が高く、パワーもある馬だけに、来年はぜひG1タイトルを目指してほしい。

最後に、香港馬グリーンバーディーは、最後伸びてきたものの届かず7着と人気を裏切ってしまった。道中のペースがこの馬向きではなかったこと、最後の直線で抜け出すスペースがなかったことなど、あらゆる悪条件が重なってしまったことは確かだが、何よりもこの馬自身の体調が、前走に比べてわずかに下降線を辿っていたことが最大の敗因だろう。前哨戦で意外にも仕上がっていたということである。

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