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連勝が止まった馬の次走

Perusa連勝につぐ連勝を重ねてきた馬が、突如としてあっけなく負けてしまうことがある。その理由は、「連勝している馬ほど危険」にも書いたように2つあって、ひとつは連勝していくうちに相手が強くなってくるから、もうひとつは体調を維持することが難しいからである。そんな中でも、4連勝、5連勝できる稀な馬もいる。高い能力を秘めていることの証明であり、真似しようと思ってもできない芸当だろう。こうして何連勝もできる馬は間違いなく強い。

しかし、そんな強い馬でも、一度連勝が途切れてしまうと、その後が続かないことが案外多い。それまでの連勝がまるでウソのように、勝てなくなってしまったり、再び力を発揮できるようになるまで多大な時間が掛かったりする。

このことを初めて思い知らされたのは、今から20年前に遡る、1990年の天皇賞秋のことである。実は私が競馬を始めた年でもあり、初めて競馬場に足を運んだ日であった。この年の天皇賞秋にはあのオグリキャップが出走していて、どのスポーツ新聞を見ても「オグリキャップ!」の文字が躍っていた。宝塚記念以来のぶっつけで臨んできたオグリキャップが、どのように劇的に復活するのか、そこに競馬ファンとマスコミの焦点は集まっていた。そんな逆らいがたい雰囲気に流されつつも、私には1頭だけどうしても気になる馬がいた。

マキバサイクロンという馬である。父オランテ、母の父テューダーペリオットという地味な血統(当時はそんなこと知る由もないが)ながらも、天皇賞秋の前哨戦である毎日王冠まで4連勝してきた馬であった。900万下条件を2度勝ち、安達太良Sを勝ち、返す刀で関屋記念を制した。4連勝の勢いで臨んだ毎日王冠は負けてしまったものの、勝ち馬とは僅差の2着。この強さは本物で、天皇賞秋でも勝つチャンスは十分にあると思えた。何よりも、競馬を始めたばかりの私にとって、競馬新聞の馬柱がほとんど1着で埋め尽くされていることと、竜巻という雄々しい名の響きに魅力を感じてしまったのだ。

ところが、私の期待に反して、マキバサイクロンは13着に大敗してしまった。オグリキャップが負けたことで騒然とする競馬場で、ただひとり、私は競馬新聞の馬柱をもう一度見直していた。なぜあれほど強かったマキバサイクロンが、こうもあっさりと惨敗してしまったのだろう。マキバサイクロンから、連勝していたときの輝きがなぜ失せてしまっていたのだろう。考えてみたものの、当然のことながら、その当時は答えに至ることはなかった。マキバサイクロンは、その後、1勝もすることなくターフを去った。マキバサイクロンの謎は謎のまま私に残った。

今ならば分かる。連勝が止まった馬がその次のレースでもまた負けてしまうのは、肉体的にも精神的にも切れてしまうからだ。これは連勝している馬があっけなく負けてしまう2つの理由と密接に関係している。連勝している馬には陣営の負けたくないという気持ちが伝わって、常に100%に仕上げられるため、連勝が途切れた途端に調子は下降線を辿ってしまうことになる。また、クラスの壁にぶち当たって連勝が止まった馬にとって、どれだけ一生懸命走って力を出し切っても、これまでのように他馬に勝つことができなくなってしまう。これらの理由が重なると、2度と立ち直れなくなってしまうことも多い。つまり、連勝している馬ほど危険であるとともに、連勝が途切れてしまった馬の次走もまた危険なのである。

今年の毎日王冠にはデビュー以来、負け知らずの4連勝でダービーに臨んだペルーサが出走してくる。残念ながら、ダービーは出遅れがポジション取りに影響し、超スローペースのレースで外々を回されて力を出し切れずに敗れてしまった。あれが力負けだとは決して思わない。それでも、連勝が止まったことは確かで、どこまで肉体的にも精神的にも回復しているのか心配である。それとも、ダービーが終わった後、タイミング良く休養を入れたことが吉と出るのか。連勝が止まったペルーサの走りに注目して見守りたい。

phpto by H.M

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Comments

気性の荒い馬、というのは勝つときの強さも
際立っていますが、負けて気持ちが切れたときの
反動も大きい印象です。
最近ではウォータクティクスの連勝が止まってからの
失速ぶりがその好例になりそうですね。

逆に有馬記念で負けたディープインパクトは
そのあともやはり強かった、という例もあるわけで
ペルーサがどちらの道に進むのか注目したい
ところです。

強いレースをしてくれると次が盛り上がりますよね。
休み明けのブエナビスタと・・・うーん、想像するだけで
わくわくしてきます(^^)


Posted by: けん♂ | October 10, 2010 at 12:40 AM

どんなものにおいても勢いと流れとゆうものはときにとんでもないものですら意図も容易く超えてしまいますがこの逆もまたしかりですよね。


ゆわば勢いと流れとゆうものは諸刃の剣ですよね。

Posted by: ユビキタス | October 10, 2010 at 12:49 PM

けん♂さん

こんばんは。

ペルーサ残念でしたね。

懸念どおり、出遅れて凡走という最悪のパターンでした。

この馬にも頑張ってもらわないと、秋のG1シリーズが盛り上がらないですからね。

でも、これで良いガス抜きになったと思いますし、この馬の強さが復活する日も近いでしょう。

それにしても、アリゼオもエイシンも強かったですね。

今年の3歳馬はやはりレベルが高いのでしょうか。

Posted by: 治郎丸敬之 | October 11, 2010 at 02:01 AM

ユビキタスさん

こんばんは。

競馬はバイオリズムだと思っていますが、
1頭のサラブレッドが周りの人間たちとかかわって、
大きな流れを作り出していくのです。

その流れを見極めることが馬券を当てる上でも大切なのですが、
なかなか目の前の勢いに目を奪われてしまい上手く行かないのですよねえ(笑)

Posted by: 治郎丸敬之 | October 11, 2010 at 02:04 AM

こんばんは。いつも勉強させてもらってます。
去年の秋は凄まじい強さでそれまでも負けて強しの競馬をしてきたブエナビスタについてなんですが…今年に入ってのドバイワールドカップで初めての大敗をしました。今までは無理やろ〜と思うような位置からでも素晴らしい勝負根性で常に追い込んできてたあの強いブエナビスタがあっさりと負けてしまった事が日本馬のワンツーを決めた事よりもショックでした。最後の直線も前で粘る2頭よりも画面左からブエナビスタが追い込んでくるのを待っていてアレゴールって感じでした。。
AWが会わなかったとかスローだったとかは問題ではなく、初めて大敗したブエナビスタの気持ちが凄く気になります。

ヴィクトリアマイルに出走するブエナビスタを考える時にガラスの競馬場の文を思い出しました。

圧勝したはずのJCでは表彰されず、絶望的な位置から力の限りに追い込んだ有馬記念ではハナ差届かず…もしかしたらブエナビスタは走る気力を無くしたんではないかと思わせるような大敗だと思ってしまいます。

去年は遠征帰りの急仕上げでヒカルアマランサス相手にギリギリでしたが、今年は三冠牝馬が相手です。ブエナビスタのローテーション的に1年の中で1番キツイのはここだと思います。そして大敗の後…ブエナビスタは大好きなので強い競馬を期待しますが、牝馬限定戦でまさかの結果が起こる可能性もあると思います。

長々とコメントさせてもらいすいません。。ガラスの競馬場と出会ってこんな事も考えるようになりました。馬の気持ち…ブエナビスタの気力が尽きていない事を願いながらもアパパネ→ブエナビスタの馬単で勝負してみたいです。。。

Posted by: シン | May 09, 2011 at 11:17 PM

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