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すべてはまぼろし

府中本町駅で電車を降りたあたりから、いつもとは違う雰囲気が漂っていて、何かが起こるような気がしてなりませんでした。大きな期待と小さな不安を胸に、私は競馬場へ急ぎました。入場門をくぐると、そこにはまるで20年前にタイムスリップしたような熱気に溢れ、久しぶりに競馬が祝祭であることを思い出しました。パドックに寄り添ってみると、隣にいたおじいさんは「ジャカンパックは…、ジャカンパック…」と連呼していて、覚え間違えているのか、それとも入れ歯の調子が悪いのか。そんな中でも、小鹿のようなブエナビスタは悠然とパドックを歩いていました。祭りは残酷な結末を迎えましたが、今こうして文章を書いていると、昨日のことは夢だったのではないかとさえ思えます。

ブエナビスタの幻のウイニングランです。
Mさん、とても良い席を取っておいてくれて、ありがとうございました!
2軒目は競馬カフェ&居酒屋でお願いしますね(笑)。

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申し込みを締め切りました。

「プロフェッショナル馬券戦術ライブ」CDの申し込みを締め切りました。お申込み頂きました皆さま、ありがとうございました。順次、発送させていただきます。このライブでお話している内容が、何らかの刺激やヒントになれば幸いです。まずは楽しんで聴いてみてくださいね。また、質問メールも受け付けておりますので、ライブCDを聴いて頂いて、分からなかったこと、もっと知りたいこと等、私宛のメールにて遠慮なくドシドシ質問してください。喜んでお答えいたします。皆さまからのご感想もお待ちしております。

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スミヨンに教えられた「競馬人の教育」

来日しているクリストフ・スミヨンと初めて会ったのは、1999年10月、場所はフランス・シャンティー調教場だった。

そのとき、私はエルコンドルパサーが参戦する凱旋門賞に合わせて、NHK衛星放送の「世界・わが心の旅」の収録をするため、フランスへ行っていた。彼と会ったのもドキュメンタリーのためだった。番組をご覧になった方ならアッと思うかもしれないが、あのとき、私と話していた見習い騎手こそ、スミヨンなのである。

フランスの若手ナンバーワンであるというご推奨をいただいて会ったのだが、なるほど、当時からスミヨンは自分の将来のビジョンをしっかりと持っていた。

私が「オリビエ・ペリエは日本に来て活躍している」と話すと、「ぜひ、そのような騎手になりたい」と答えていたのを、つい先日のように思い出す。

しかも、彼はそのときから、日本での騎乗を熱望していたのである。いま、その希望が現実となり、彼が日本の競馬場で活躍している姿を見ると、感慨にふけってしまう。

1年半ほど前のスミヨンと、小倉で騎乗しているいまの彼をオーバーラップさせると、2年も経たないうちにこうも進歩できるものなのか、と驚いてしまう。

当時、彼が馬に乗っている姿を見て、長身のジョッキーにありがちな、馬から体が少しはみ出る欠点が目に付き、見習い騎手ではナンバーワンというが、即、トップジョッキーになれるかどうか、と思っていた。

私の予想は見事に覆された。彼は短期間のうちに素晴らしいジョッキーに成長したのだ。一見して「これは!」と感嘆させるものこそないのだが、追ってからの鋭さと激しさには「おお、すごい騎手だな」と感心させられるジョッキーへと変貌を遂げた。

それにしても、デビューして間もない騎手が、どうしてあそこまできちっとまとまった騎乗ができるのだろう。

日本人とは闘争本能が違うのだろうか、あれがヨーロッパのナイトの精神(騎士道)なのか。

あれこれ考えてみたところ、私が最終的にたどりついた結論は、教育の違いだった。純粋な騎手養成所ではないフランスの競馬学校は、ただうまく騎乗するための技術を教えるだけではなく、競馬のあり方、見方、考え方、騎手とはどうあるべきか、競馬人とはどうあるべきか、というところまで含めて教育しているのだと思う。

学校内にとどまらず、さまざまな視線が欧州の競馬人を教育しているのである。

欧州の競馬関係者の目は厳しい。オーナーや調教師は当然のこと、ファンやマスコミの目もシビアで、ミスをした騎手が、新聞に名指しで非難されるのは日常茶飯事。騎手たちはシビアな目によって、よりうまい騎手へと鍛え上げられているのだろう。

賞金が高く、JRAの保護下で大目に見られている日本の騎手とはわけが違う。

突き詰めると、欧州の騎手が持っているのは、いまの日本の騎手が忘れてしまったマイナー精神である。ただ技術を教えるだけが、学校や厩舎の仕事ではない。競馬にとっていい時代が過ぎたいまこそ、お客さんに見(魅)せることの意味をもっと深く考えなくてはならない。教育の場にそれが出てこなかったら、進歩もない。
(「口笛吹きながら」)

Nohirayuuji

競馬はスポーツであり、騎手はスターである。だからこそ、ただ馬に跨って勝つだけではなく、競馬ファンを凄いと思わせる、魅せる騎乗をしなければならない。そして、当然のことながら、その言動は周知にされる以上、マスコミやファンを含む、競馬関係者の厳しい批判にも耐えなければならないこともあるだろう。だからこそ、競馬のあり方、見方、考え方、騎手とはどうあるべきか、競馬人とはどうあるべきかを常に意識して生きなければならない。危険な職業だから高額の報酬を手にしているわけではなく、その影響が多くの人々に及ぶからこそである。

クリストフ・スミヨン騎手は、あらゆる意味においてスターなのだと思う。言動が行き過ぎて、関係者の怒りを買ってしまうのはたまにキズだが、それでも競馬ファンをレースで魅せ、馬から下りても楽しませようという気持ちに満ち溢れている。厳格なフランス競馬の中でヒールを演じられるのは、彼がベルギー人であることにも由来するのかもしれない。ライバル関係にあるルメール騎手とは対極の、そう、あのデットーリ騎手のような天真爛漫さで私たちを魅了するのである。本人もそれを意識してやっているのだから素晴らしい。

スミヨン騎手の魅力を物語るエピソードをひとつ。2009年にアガ・カーン4世の契約を解除され、さらにその後のレース中に落馬して後続の馬に蹴られ、肘を骨折してしまった。まさに踏んだり蹴ったりの状況の中で、ある競馬番組に登場した時のこと。療養中だった彼はゲストとして番組に招かれていたのだが、突如、ファンの前で腕にはめていたギブスを外し、そのままジョッキールームに行き、勝負服に着替え始めたのだ。

驚くファンを横目に、スミヨンはその日の午後のG2レースで見事な勝利を収めた。そして、翌日のG1マルセルブサック賞では、アガ・カーン殿下のロザナラで勝って、殿下に恩返し(見返し?)をしただけではなく、自らの復帰戦を飾ってみせたのだ。予想以上に怪我の回復が早く、ギブスをしていたのはパフォーマンスのひとつであったのだが、絶対的な騎乗技術と競馬ファンに対するサービス精神がなければ、こんな芸当はできないだろう。さすがにここまでしろとは言わないが、スミヨン騎手は競馬界のスターとしてのあり方を知っているのである。

難しいことは言わない。日本の競馬人の教育をする前に、まずはジョッキーのインタビューの受け方の教育を行ってはどうだろうか。競馬を始めた頃から、私がずっと違和感を抱いていたのは、勝利ジョッキーインタビューにおける受け答えである。無表情、朴訥ではなくぶっきらぼう、インタビュアーの目を見ない、時にはインタビュアーやファンに食って掛かったりする。興奮冷めやらぬ中、インタビュアーの質問があまりにもつまらなかったり、競馬ファンの態度がなっていなかったり、ということもあるだろう。

それでも、その言葉や態度は、メディアを通してたちまち不特定多数の人々に届けられる。競馬ファンではない人々も目にして、競馬のイメージが形成されてしまう可能性だってある。自分たちが身に余る報酬を手にしているのは、その影響力の大きさだと知ってほしい。そこがしっかりと教育されているジョッキーとそうでないジョッキーの違いは果てしなく大きい。ヒーローになってくれなくてもいい。私たち競馬ファンに冷や汗をかかせたり、テレビの前で赤面させないでほしいのだ。

祐ちゃん先生がスミヨンを見初めてから10年の時が流れ、彼は再び日本にやってきた。スミヨン騎手は日本が誇る看板馬であるブエナビスタに跨り、今までの勝ちきれなさがウソのような勝ち方で伝統ある天皇賞秋を制した。勝利ジョッキーインタビューでは、日本語で「ありがとうございます」と感謝を伝え、日本のG1レースを勝てた喜びを全身で表してみせた。また、勝利騎手会見では、落馬してブエナビスタに乗れなかった横山典弘騎手に対する気遣いもみせたという。ブエナビスタの乗り味は、彼のベストパートナーであったザルカヴァと似ているとも言ってくれた。日本の競馬ファンである私は誇らしい。

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「プロフェッショナル馬券戦術ライブ」CDを発売します。

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こちらは1年半ぶりになりますが、「プロフェショナル馬券戦術」ライブCDを発売します。「ガラスの競馬場」を立ち上げた時から、いつかはやりたいと思い続けてきた、競馬における具体的な馬券技術についてのライブです。前作の「21世紀の馬券戦略」が競馬の大枠を捉えた馬券の賭け方、考え方の戦略だとすると、「プロフェッショナル馬券戦術」ライブは、その名のとおり、より実践的な馬券戦術です。

今から振り返ってみると、かなりマニアックな内容まで話しているというのが正直な感想です。実践的なノウハウから、知っておかねばならない細かな知識まで、特に「ラップ」、「馬場」、「コース」、「馬の適性」に焦点を当てて話しています。競馬予想における断片をよくぞここまで拾い集めたと自分でも感心してしまいます。基本的なところから応用編まで、私の知っている限りのことをお話していますので、競馬中級者の方から上級者まで、楽しみつつ学んでいただけるような内容になっています。

以下は、ライブ参加者の方々から頂いた感想になります。 *○○のところは隠そうとしているわけではなく、これからCD等を聴いていただく方の楽しみを奪わないようにとの配慮からです。

レベルを測るものさしとして優れているかもしれません
レース○○○でラップを比較する視点。前後半3ハロンの合計タイムから馬の実力を測る視点で見ていましたが、レースレベルの比較というのも面白いですね。緩みのないラップよりも、○○○のラップ差の方がレベルを測るものさしとして優れているかもしれません。
S.A様

これが最善の方法ではないかなと思いました。
ラップ分析で全体を○○○に○○○考えるのは理にかなった方法であって、現在のレースラップしか公表されない状況ではこれが最善の方法ではないかなと思いました。また機会があれば参加したいです。
Mr.Honma様

別の視点から予想法を聞くことができて面白かった
ラップの基本的な考え方を学ぶことができました。走法の考え方や概念が参考になりました(○○○○○○○○○がピッチ走法だとは知りませんでした)。長距離でも走れるのですね。別の視点から予想法を聞くことができて面白かったです。
M.N様

ラップの原則を参考に予想に取り入れたい
ラップは先行馬のもので参考にしづらいと思っていました。今回のラップの原則を参考に予想に取り入れたいと思います。次回も参加したいです。今後もよろしくお願いいたします。
萩本様

新しい発見もあり、ためになりました
自分の競馬歴の中で既に知っている内容も多かったのですが(いつもブログを拝見させていただいていますので)、調教の15-15の意味や重馬場でのプラス能力、パワー、瞬発力、手軽さの微妙な違いなど、新しい発見もあり、ためになりました。
中島様

今迄はレース全体のラップは気にしていなかった
ラップからのレースレベルの判断は参考になりました。今迄はレース全体のラップは気にしていなかったので、使ってみたいと思っています。
H.T様

レースのレベルをつかむために活用していきたい
今まではラップタイムをどのように活用すればいいのか分からず新聞に出ている上がり3ハロンタイムをチラッと見る程度でした。レースのレベルをつかむために活用していきたいです。生でいろいろな話を伺えて楽しかったです。また機会があれば参加させていただきたいと思います。
S.S様

自分なりに取り込んでいきたい
ラップの○○○○の考え方、見方は参考になりました。自分もラップを意識し始めた時期なので、本日の話は自分なりに取り込んでいきたいと思います。今日も参考になる話ありがとうございました。血統面でのアプローチについて何かお話しをいただければありがたいです。
黒木様

ラップの新たな読み方が分かり試してみたい
レースへの適性を見極めるの部では、予想をする事よりも、レースを楽しく見れるポイントを教えていただいたと思っています。ラップからレースレベルを判断するの部では、ラップの新たな読み方が分かり試してみたいなと思います。今回も楽しかったです。オフシーズンにでも時間を増やしたライブをしていただけたら嬉しいです。
T.M様

明日の予想がとても楽しみになりました
嶋田功、ダービーの話は知らず、明日の予想がとても楽しみになりました。他にも開幕内枠=買いのように方程式として最近考えていたことを論理的に話されていたので、とてもためになりました。とてもよかったです。またキカイがあれば参加したいです。
T・H様

おもしろくなりそうな考え方が思い浮かんだ
ラップを一杯見ていて、おもしろくなりそうな考え方が思い浮かんだのでちょっと調べてみたいと思います。あとそれに関係して、瞬発力と持続力の定義で新しい考え方が浮かんだので、また言える時がくればいいんですが…。まとまるかどうか。基本的なところが大変参考になり、改めて気付く事が多かったです。ありがとうございました。
M様

ラップに関する考え方が変わった
ラップに関する考え方が変わり、レースレベルの判断基準がわかりました。枠順の有利不利が細かくわかりやすく今まで以上に馬券購入の検討に組み込みたいと思います。とても参考になりました。これからも続けてください。
K・M様

今まで私にない知識だった
○○○のラップによるレースレベルの分析が非常に勉強になりました。今まで私にない知識だったので参考にしたいです。とても楽しい時間を過ごさせていただきありがとうございました。
H・I様

レースレベルを判断するは少し難しかった
ラップからレースレベルを判断するは少し難しかった。メンバーにもよるので、いちがいに言えることではありませんが、注意してレースを観たいと思います。
K・K様

見る時のツボやコツが分かってきました
昔、なんとなくみていたレースも、新たなる知識を加えて見直すと非常に新鮮でした。また、ラップの見方もこれまで何となく数字を眺めているだけでしたが、見る時のツボやコツが分かってきました。ただ基準のタイムが頭に入っていないと瞬時に判断することが難しい。まだまだ奥深いと感じました。
T・S様

遠方から来た甲斐がありました!
コーナーでの遠心力の話が初めて聞く話だったので、とても参考になりました。とても楽しかったです。遠方から来た甲斐がありました!これからも頑張ってください。
K・S様

走法のところが面白かった
ラップという言葉はブログでも良く目にすることばですが、どうしたものだかさっぱり?でした。1回聞いただけではすべてわかる訳ではないですが、なんとなく初歩的、基礎的なことは理解できたような気がします。第2部は文化系の人間でもわかる内容で、今まで何となく知っていたことがよくまとめられていて理解を深めることができました。走法のところが面白かった。
K・H様

幅を広げて楽しみたい
まだ一部の馬券の買い方しか分からず、初心者なのに、3連単ねらいばかりで、当たる時はそこそこですが確率が低い状態です。もう少し幅を広げて楽しみたいと思います。
K様

3時間半があっという間
遅くまでお疲れ様でした。そして、ありがとうございました3時間半があっという間に過ぎてしまいました。ラップタイムの話しは興味深く聴かせていただき、大変為になりました。勝負に負けても、ラップ○○○○のタイムにより次のレースで勝てる可能性があることが分かった。大変参考になりました。今後もライブがあれば参加したいと思います。
T・H様

ビックリした
○○○○ラップによる考え方は初めて知った。ビックリした。勉強してみたい。あっという間に時間が過ぎてしまった。22時までというので長すぎると思っていたが、全然違った。ビデオの活用とかも良かった。来て良かった。
Y.H様

ジグソーパズルの大変重要な1ピースになりました
まず、私に1番役にたったのはラップのところです。実は、去年の今頃から興味をもちだしまして、分析していました。そのころは上がり3ハロン重視で特に最後の1ハロンを重視していました。たいがい、最後の1ハロンは減速するものですがたまに加速したり、最後の2ハロンと同じだったり、減速値が少ないレースがあるのに気がつきました。今はそこから自分なりのアレンジを加えてようやく自分なりの形がみえてきました。そこに治郎丸さんのラップの解説が自分とってタイムリーでした。「○○の○○○○○○が○○○に倍になって返ってくる」この言葉は、私にとって競馬いうジグソーパズルの大変重要な1ピースになりました。話はここでコスモバルクばりにによれるのですがJCのアルカセットの解説がすばらしかったです。今年のJCを見るうえでもちょっとだけプロっぽく見れました。デットーリポジションっていい言葉ですね。東京D2100には横山典ポジションもありますよね。彼は東京D2100に乗せれば世界1うまい騎手です。JCDは阪神にいっちゃいましたが・・・○○ポジションて使えますよね。例えば秋天のスペシャルウィークポジションとか。少し生意気いいますと今後、治郎丸さんが言った言葉を世間の人が使うようになればいいなと思います。ぜひそういう言葉をつくって下さい。
I様

■ライブ隠し撮り動画(柴田政人騎手の対角線理論について話しています)

「プロフェッショナル馬券戦術ライブ」CDの内容は以下の通りです。

Disc1 ラップからレースレベルを判断する(55分)
■ラップの原則
■理想的なペース配分とは?
■武豊騎手の「1馬身下げると2馬身前へ」
■ダイワスカーレットの秋華賞
■ラスト3ハロン、中盤などを切り取ってしまうことの怖さ
■柴田政人騎手の対角線理論
■キングカメハメハVSディープインパクト(ラップ編)

Disc2 ラップからレースレベルを判断する~レースへの適性を見極める(48分)
■サイレンススズカとディープインパクトはどっちが強かった?
■今だからできる、サイレンススズカの天皇賞秋の結末予想
■サラブレッドの能力を形成する4大条件とは?
■瞬発力型、持続力型なんて本当にある?
■メジロマックイーンのジャパンカップ
■テイエムオペラオー、アドマイヤベガ、ナリタトップロードをグラフにしてみると…
■グラスワンダーはどんなコースを得意としたか?

Disc3 レースへの適性を見極める(37分)
■ハーツクライが逃げられるようになった理由
■差し馬が有利なコースなどない!?
■首の使い方のうまい馬、下手な馬
■かき込みの強い馬はどんなコース、馬場で力を発揮するのか?
■一本の線の上を走る馬ベガ
■遠心加速度は2倍3倍ではなく2乗3乗
■出走表でまずどこを見るか?
■ローカル競馬場には勝ちパターンがある
■嶋田功騎手とデットーリ騎手

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Sityou(MP3形式、3分40秒)

ライブCDの内容は、CD3枚(合計140分)と当日使用したレジュメと「G1レース攻略&競馬場データ集」(104ページ)になります。かなりの量の内容になりますので、ゆっくりと時間を掛けてお楽しみください。

私個人の時間的な都合で大変申し訳ないのですが、今回も30部限定とさせてください。料金は通常5000円のところ、今回は特別に3980円(税込み・送料、代引き手数料無料)でお分けいたします。お支払い方法は代金引換になります。これだけの内容量なのに安くて心配と思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、情報商材ではありませんので、ひとりでも多くの皆さまに聴いていただきたいという思いを込めています。早めになくなってしまうことが予想されますので、ご希望の方は今すぐお申し込みください。

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プライバシーポリシー特定商取引に基づく表記もご覧ください。

お申し込み方法
Step1_2メールフォームにてお申し込みをしてください。
*SSLに対応しておりますので、個人情報の保護も万全です
*個人情報を第三者に開示をすることは決してありません。

Step2_2お申し込み確認メールが届きます。

Step3_2お届け先住所にライブCDが届きます。
*代金引換ですので、ライブCDをお受け取りの際に料金はお支払いください。

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追伸
これは何度も申し上げてきていることですが、このライブで私がお話ししているのは、決して必勝法ではありません。こうすれば絶対に当たるという方法などないのです。しかし、ひとつひとつの馬券技術や知識が全く役に立たないかというと、そうではありません。今までに知らなかった技術や知識を得ることで、それだけ決断をする根拠や裏づけが増えるということであり、また当然のことながら、予想をする際の精度や深み、そして楽しみが変わってきます。たとえ基本的なことであっても、意外と知らないで予想をしていることは多いものです。 今回は1年に1度のチャンスですので、ぜひライブCDを聴いてみてください。

また、質問メールも受け付け致します。このライブCDを聴いて頂いて、分からなかったこと、もっと知りたいこと等、もしありましたら私宛のメールにてドシドシ質問してください。喜んでお答えいたします。皆さまからのご感想もお待ちしております。(glassracetrack@ymail.plala.or.jpまで)

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こんな男を待っていた。

Milecs10 by JRA
マイルCS2010―観戦記―
滑り込みで出走が叶ったジョーカプチーノが楽々とハナを奪い、前半45秒3、後半46秒5というハイペースを作り出した。3ハロン目にも10秒台のラップが刻まれたのは、過去10年で今年のみ。前半からかなり厳しい流れでレースが進んだことになる。よって、先行馬にとっては苦しいレースとなり、後方で脚を溜めることのできた差し馬がゴール前で台頭した。

勝ったエーシンフォワードは、岩田康誠騎手の手綱によってゴールまで完璧に導かれた。好スタートを切って中団につけると、進路を内に取り、4コーナーでも外を回す素振りひとつ見せず、ゴールまで最短距離で駆け抜けた。距離が1ハロン長いこと、外を回して勝つだけの力差がないことを意識していたからこそ、ひたすらに内を狙ったのだろう。岩田康誠騎手の真骨頂を見た気がした。もう一度同じレースを、と言われても、おそらく出来ないだろう。それぐらいに勇気に満ちた、針の穴を通すような騎乗であった。先週のエリザベス女王杯で指摘した直後だけに、こうした騎乗を日本人ジョッキーがG1レースで見せてくれたことが素直に嬉しい。こんなハングリーな男を待っていた。

エーシンフォワード自身も前走のスワンSを叩かれて、体調が大幅にアップしていた。馬体には活力が漲り、この馬の力を出しきれる準備は整っていたといえる。そもそも、今年の春シーズン最後の惨敗は、昨年の冬から使い詰めできた疲れが出ていたもので、決してこの馬の力ではなかった。それでも大きく負けていなかったところに、この馬の渋太さがある。今回は何もかもが上手くいっての勝利だけに、ベストマイラーとは言いがたいが、それでもG1レースを勝つだけの力があることを証明した。

1番人気に推されたダノンヨーヨーは、道中でモタれる仕草を見せて、追走に苦しんでいた。もう少し前のポジションに付けられるようになれば、グッと勝利に近づくのだが、このメンバーではちょっとした隙が敗北につながってしまう。スミヨン騎手の叱咤激励に応えて、最後はよく追い込んできたが、わずかに届かなかった。スミヨン騎手も4コーナーを落ち着いて回って、最後の直線に賭けていた。スミヨン騎手だからこそ、2着に持ってこられたといえる。

ゴールスキーは3連勝の勢いを生かして、最後まで良く伸びていた。平坦コースのマイル戦という舞台が最も合うのだろう。3歳馬で56kgを背負ってのものだけに、大健闘といえる。絶好調の福永祐一騎手も見事な騎乗を見せて、外国人ジョッキーの間に割って入った。道中の馬の進め方、そして追ってからのブレがないため、馬に掛かっている負荷が少ない。リーディングジョッキーの座はもうすぐ手が届くところにある。ぜひともこのチャンスを生かして欲しい。

サプレザはダノンヨーヨー同様によく追い込んできているが、スタートでの立ち遅れが致命的であった。追走で手一杯になり、道中で馬を縮めて、脚を溜める時間を取れなかっただけに、追い出してから思ったように馬が伸びなかった。ああゆう形で立ち遅れてしまうということは、勝ったエーシンフォワードとは対照的に、どこか苦しいところがあったのかもしれない。昨年よりも順調に来ているように見えただけに、外国馬の調整は難しいとともに、馬券を買うことも難しいと感じた。

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東京芝2400m

Tokyo2400t

スタンド前からの発走で、スタート地点から第1コーナーまでの距離は349mと平均的な長さ。第1コーナーまでの距離が十分にあるため、無理な先行争いはあまりなく、1コーナーまでには大方の位置取りは決する。コース幅も広く、コーナーも複合カーブであり、直線も長いという全くごまかしの利かないタフなコース設定となっているため、力がなければ勝ち切ることはできない。

直線が長いという意識が各騎手に働くため、どの馬も道中無理をせず折り合いに専念する。そのため、スローペースになり、最後の直線での瞬発力勝負になりやすい。瞬発力に欠ける馬では苦しく、末脚に自信のある差し馬にとっては十分に能力が発揮される舞台である。

以上のことから、東京の2400mを勝つためには、「折り合いがつくこと」「瞬発力があること」「スタミナがあること」という3つの条件を満たしていることが望ましい。まさに、2400mがチャンピオンディスタンスと呼ばれるゆえんを体現しているコースと言えるだろう。

枠順に関して、内と外でそれほど差はない。ただし1コーナーでゴチャつくことがあるので、内枠の馬は不利を受けることがたまにある。そういった面では、内より多少なりとも外の方がレースはしやすい。たとえ大外枠であっても全く問題はない。かえって他馬の動きを見て行けるためレースはしやすいかもしれない。

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ジャパンカップを当てるために知っておくべき3つのこと

Japancup

■1■日本馬のレベルアップ
ジャパンカップで最も大きな問題となってくるのが、外国馬と日本馬の比較である。近年は完全な日本馬の優勢であり、日本馬が1~3着だけでなく、掲示板を独占することがあっても驚かなくなってきた。ここ十数年で、生産、調教の技術が飛躍的に向上したことによって、日本の競走馬のレベルそのものは、海外のそれと比較しても同等かそれ以上のところまで上がってきている。

日本国内における一流馬であれば、海外に出ていっても十分通用することは、古くはジャックルマロワ賞のタイキシャトル、凱旋門賞のエルコンドルパサーから、インターナショナルSのゼンノロブロイ、アメリカンオークスのシーザリオ、メルボルンCのデルタブルース、そしてハーツクライ、ディープインパクト、そして最近でいうとナカヤマフェスタまで多くのG1ホースらが示してくれた。もちろん自分の土俵(日本の競馬)で戦うのであれば、堂々と胸を貸すぐらいの気持ちで立ち向かうことができるはずだ。

外国馬に関する情報は極めて少なく、日本の馬場で一度も走ったことがない馬の実力を推し量ることは、はっきり言って非常に難しい。それでも、ひとつだけ大きなものさしを示すとすれば、「力をつけた日本馬に地の利がある以上、外国馬は余程の実力、実績を持った馬でないとジャパンカップで勝ち負けにはならない」ということになる。日本の軽い馬場が合いそうだとか、招待されたからなどというレベルの外国馬では勝負にならないところまで日本馬のレベルは上がってきている。

ちなみに、外国馬に関して述べると、海外遠征未経験馬は疑ってかかるべきである。今回のジャパンカップ挑戦が初めての遠征になるような馬では、よほど能力が抜けていないと極東の地での激しい戦いを勝つことは出来ない。ヨーロッパの馬でヨーロッパの外に遠征した経験がない馬も同じである。

■2■凱旋門賞、ブリーダーズC馬は消し
ジャパンカップの前にはヨーロッパで凱旋門賞、アメリカでブリーダーズカップとG1レースの中のG1レースが行われている。海外の馬は当然そちらを目標に出走するため、ジャパンカップにはピークを過ぎた状態で出走してくることが多い。

特に、凱旋門賞、ブリーダーズCを勝った馬は、ほぼ間違いなく調子落ちでの出走となるはず。ピークの仕上げで臨まなければ、凱旋門賞やブリーダーズCといった大レースは勝てないため、勝った勢いでジャパンカップに挑戦してきても、結局、状態は下降線を辿ることになるのだ。ブリーダーズカップを勝ったコタシャーン、凱旋門賞を勝ったエリシオ、モンジューなどがあっさりと敗れてしまったのは、明らかにピークを過ぎた状態で出走してきたからである。また、凱旋門賞を勝つ馬は、深い芝で走れるだけのパワーとスタミナが勝っている馬である。軽い芝でスピードと瞬発力を要求される日本の競馬には合わないことが多いだろう。また、ブリーダーズCを勝った馬は、今年で言えば中2週のローテーションが厳しい。死力を尽くして大レースを勝った後に、遠征を含めて、もうひとつG1レースで勝つことは難しい。

逆に言うと、凱旋門賞、ブリーダーズCで負けてしまった馬の巻き返しは期待できるということだ。

■3■迎え撃つのは4歳馬
過去10年の勝ち馬は、4歳馬が6勝、続いて5歳馬が2勝、3歳馬はわずかに1勝、6歳以上の馬も1勝となっている。ジャパンカップのレベルが上がったことにより、肉体的に最も充実する4歳馬が圧倒的に有利なレースとなった。百戦錬磨の外国馬を迎え撃つのは日本の4歳馬という図式が成り立つだろう。

また、ジャパンカップを勝ち切るためには高い壁があって、日本馬、外国馬に関わらず、連対率が50%を切るような馬では厳しい。高い競走能力と、どのような状況や環境にも対応できる資質の持ち主であることが問われるのだ。

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デムーロ、卓越した騎乗技術

2月3~4日に、イタリアから来日中のミルコ・デムーロが、小倉競馬場で2日間で8勝の固め打ちを演じた。土曜日の1日5勝は、オリビエ・ペリエの4勝を抜く、外国人騎手の新記録だという。

デムーロの騎乗を見ていちばん驚くのは、彼が22歳という若さでヨーロッパのスタイルを完璧に身につけているところである。ムチの使い方、体や腕のしなり方、騎座から連携している動きが、一貫した流れの中で実にスムーズに行われているのだ。

初来日のときの騎乗を見て、騎座がきっちりとしており、馬をいつも楽に走らせている姿に目を見張ったものだ。デムーロがどこにいようが、彼がどの馬に乗っているかがすぐにわかる。追ってからも下半身がブレることなく、しっかり馬を動かせている技術も卓越していると感心した。

武豊がそうであるように、デムーロも、みんなにわかるようなことをしてみせて、それでしっかり勝たせてしまのだ。

いい馬ばかりに乗っているから、という陰口も出てくるだろうがそればかりではない。ほかの日本人騎手が、同じ馬を同じ位置どりで競馬をさせてみても、おそらくデムーロや武豊騎手(ここにペリエを加えてもいい)のように勝たせることは難しいだろう。

あの若さで、こうしたことを平気でやってのけてしまうことには驚くばかりだ。現状でこれほど素晴らしいのだから、将来はどうなってしまうのだろう、という末恐ろしさを感じてしまう。どういう形で成熟していくか興味深い。

デムーロで受けた驚きは、1981年の第1回ジャパンカップでキャッシュ・アスムッセンから受けた衝撃と似ている。

メアジードーツを駆って日本で初の国際招待レースを制したとき、アスムッセンは、その2年前にデビューしたばかりの19歳だったのだ。

競馬は見るスポーツであり、騎手はスターでもある。土壇場の勝負になったとき、苦し紛れにリズムを崩したり、追うアクションに乱れがあっては見苦しい。

あのときのアスムッセンは、切羽詰まっていたはずにもかかわらず、それを表に出さずにリズムを持続させ、乱れのないフォームで追い続けたのだ。なぜ19歳の若者が、こんなにも華やかで、ときには優雅とさえ感じられる騎乗ができるものかと驚き、ため息をついたものだ。

あれと同じような驚嘆をいま、22歳のイタリア人騎手に覚えている。

そんな折も折、今度はベルギー出身のフランス人騎手、クリストフ・スミヨンが来日して騎乗するようになった。彼も19歳という若さながら、ちゃんとした騎乗をしているのだ。

欧州から参戦してきた彼ら2人を見ていると、彼らと日本人騎手との違いは何だろう、どこにあるのだろうと考え込んでしまう。これは教育の違いではなかろうか、という思いが、私のなかで日増しに強くなっている。
(「口笛吹きながら」より)

Nohirayuuji

いつの間にかやって来て、気が付くと勝っている。もはや風物詩ともなってしまったミルコ・デムーロ騎手の来日だが、今年もまたやってくれた。初日の土曜日のいきなり1レースから、挨拶代わりに3番人気の馬を勝利に導き、さらにその日のメインレースとなる京王杯2歳Sで7番人気のグランプリボスで重賞を制してしまった。ムチ1本を携えて、国境を越えやって来るイタリア人騎手を、卓越した騎乗技術を持ったアスリートとして認めない競馬関係者はもはやいない。

祐ちゃん先生がこのコラムを書いたのは2001年のことだから、今から9年前のことである。当時、若くしてすでにイタリアのリーディングジョッキーであったミルコ・デムーロ騎手だが、彼の騎乗を良く言う日本の競馬関係者は少なかった。どちらかと言うと、騎乗が乱暴、狭いところに入ってきて危険、目先の勝利のことしか考えていない等の批判の声の方が多く聞こえてきた。それでも、見るべき人が見れば分かったのだろう。いや、澄んだ心の目で見れば、彼の騎乗技術の高さは一目瞭然だったのである。

総合的な技術が高いからこそ、馬を我が思うがままにコントロールできる。距離ロスを避けようと、隣の馬との間隔を異常なまでに詰めるのも当然のこと。わずかでも隙間があれば、瞬時に移動して、ひとつでも良いポジションを確保する。彼を危ないと感じるのは、大袈裟に言うと、一般道でF1レーサーが運転しているようなものだからだ。まるで自分の体の一部のように車を操ることができるレーサーと一般のドライバーとでは、距離(幅)感覚も全く違う。危ないと思っている側の方が実は危険だったりもする。ミルコ・デムーロ騎手は見切っているのである。そして、馬を追い出してからは、下半身が全くブレることなく、馬に掛ける負担も少なく、最後まで真っ直ぐに走らせることができる。

これらはごく当たり前のことだが、当たり前のことをいつも当たり前にできる騎手は数少ない。野球のイチローは、「僕は天才ではない。なぜなら自分がヒットを打ったときなぜ打てたのかを説明できるからだ」と言っているが、そういう意味においては、ミルコ・デムーロ騎手も天才ではない。彼の飄々とした性格やパフォーマンスに惑わされてはいけない。彼ばかりが良い馬に乗っているわけでもない。彼の騎乗技術は、全てにおいて説明可能なものなのだ。他のジョッキーが見れば、こうしたから勝てたということが分かる。でも、分かっていても真似できないジョッキーの方が多いのだから、彼が嫉妬されるのは当たり前なのである。

ミルコ・デムーロ騎手から受けた衝撃を、祐ちゃん先生はキャッシュ・アスムッセン騎手のそれと重ね合わせている。第1回ジャパンカップにおいて、外国馬に上位を独占されたとき、日本の競馬関係者はこぞって肩を落とし絶望した。ところが、幾人かの日本人ジョッキーだけは違った。メアジードーツに跨って勝利したキャッシュ・アスムッセン騎手を見て、岡部幸雄、柴田政人、的場均、加藤和宏らは、強烈な対抗心を燃やし始めたのだ。彼らはそこから生まれ変わり、スターダムへとのし上がった。デムーロがアスムッセンだとすれば、今の日本のジョッキーたちにとってはまたとないチャンスである。同じレースに乗ることで多くの学びがあるだろう。嫉妬している場合ではない。強烈な対抗心を燃やせばいいのだ。

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京都1600m(外回り)

Kyoto1600t1

向こう正面の直線を2コーナー側に延長したポケットからのスタート。第1コーナーとなる3コーナーまでの距離は711mと長く、逃げ馬が気分よく行ってしまうとオーバーペースになりやすい。しかし、3コーナー過ぎてからは下り坂となるため、多少のハイペースで行ったとしても、前もなかなか止まらない。結果として、平均ペースのレースになりがちで、実力どおりの決着となることが多い。力さえあれば、展開にはあまり左右されることのないコースといえる。

京都の1600mコースには内回りと外回りがあり、G1であるマイルチャンピオンシップは外回りを使って行われる。外回りコースは、4コーナーで内回りコースと合流するため、内にポッカリとスペースが開きやすい。そのため、直線で前が詰まる心配がほとんどなく、差し馬にとっては安心して乗れるコースである。

第1コーナーまでの距離が長いため、枠順による有利・不利はほとんどない。あるとすれば、最初の直線において、ポケットの直線から本線に入る際、わずかに内の馬が窮屈になることぐらいか。とはいえ、1番枠でない限り、ほとんど気にする必要はないだろう。

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日本競馬人の怠慢

Elizabeth10 by M.H
エリザベス女王杯2010-観戦記-
テイエムプリキュアの大逃げに見えたが、実は前半1000mが60秒1、後半1000mが60秒3というごく平均的なペース。ということは、後続は遅いペースで追走していたことになる。4コーナーではどの馬にも手応えが残っていて、馬群が一気に縮まり、横に膨れたことで、内外のコース取りの差が勝敗を大きく左右したレースとなった。

勝ったライアン・ムーア騎手は、アパパネをマークする形で道中は進み、狙いすましたように4コーナーでポッカリと開いた内を突き、一気にセーフティーリードを取った。まるで凱旋門賞のリプレイを観ているようであった。それにしても、日本のジョッキーは外を回しすぎである。蛯名正義騎手にしても池添謙一騎手にしても、4コーナーで10馬身以上ついたと思われる差をどう考えているのか。内と外にパックリと開いたあの大きな溝は、海外のトップジョッキーと日本のジョッキーとの間にある超えがたい差を象徴しているのではないだろうか。

そういえば、私の知る限り、凱旋門賞における蛯名正義騎手の乗り方について言及したメディアはなかった。蛯名正義騎手が「馬の力は出せた。勝ちたかったが、良い競馬はできた」とコメントしたから、もうそれ以上突っ込むことができなかったのだろうか。それとも、あの騎乗でよしと本気で考えてしまっているのだろうか。いずれにしても、そこが競馬メディアの堕落であり、その上にあぐらをかく日本のジョッキーを筆頭とした、私たち競馬ファンを含む日本競馬人の怠慢なのである。これ以上ないと思ってしまえば、もうそこで終わりなのである。

勝ったスノーフェアリーはライアン・ムーア騎手に導かれ、あっという間に内ラチ沿いに突き抜け、英オークスで見せた末脚がダテではなかったことを証明してみせた。中間は初めての環境に戸惑う仕草を見せていたが、そんな心配を吹き飛ばすような快勝であった。いかにも3歳馬らしく、幼さと素直さが同居していて、とてもイギリスとアイルランドのオークスを勝ち、日本に遠征してエリザベス女王杯まで勝ってしまう馬には到底見えない。ラスト3ハロンを34秒台で上がったように、日本の軽い馬場にも適応してみせたのだから凄い。

メイショウベルーガは惜しくも2着と、池添謙一騎手は父親の馬に乗ってG1を制するという夢を果たすことができなかった。スタートから追っつけて出して行き、道中は中団につけて、最後の末脚の確かさを最大限に生かす競馬を心がけていた。あえて苦言を呈するとすれば、もう少し早く動いておくか、仕掛けを遅らせるならば、もっと4コーナーでは待つべきであった。日本の馬と日本のジョッキーだけのレースであれば届いたが、国際レースでこういう乗り方をされてしまうと足元をすくわれてしまう。

アパパネは最後まであきらめずに伸びていた。3冠を制したことによる疲れが出ていた中、今回、古馬を相手にこれだけの競馬ができたことで、アパパネの強さが改めて浮き彫りになった。強い今年の3歳世代の中でも抜けて強いということである。スピード、パワー、そしてスタミナと3拍子が揃って、3冠馬の名に相応しい。この後はゆっくりと休養をして、充電することで、来年のさらなる飛躍につなげて欲しい。

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マイルCSを当てるために知っておくべき3つのこと

Milecs

■1■マイルの連対率は重要な目安
マイルのチャンピオン決定戦である以上、1600mのレースにおける連対率が50%を割っているような馬はチャンピオンとして相応しくない。1600m戦での連対率は、その馬のマイル戦に対する適性を顕著に表すからだ。

大荒れとなった平成7年は、出走馬18頭中、1600mのレースにおける連対率が50%を超えている馬がわずか2頭しかいないというレベルの低いレースであった。その2頭が、安田記念も勝ったトロットサンダーと、なんと大穴のメイショウテゾロである。このことからも、マイルチャンピオンシップにおいて、マイルの連対率がどれだけ重要なデータとなるかが分かる。マイルの連対率が50%を切っている馬は軽視すべきである。

■2■勝つためにはスタミナが必要
京都1600m外回りコースで行われるため、スピードだけでは押し切れないレースである。前4走ともに1600m未満の距離を使っていたスプリンタータイプの馬では、最後の直線でスタミナ切れすることになる。スプリンタータイプの馬では勝ち切ることは難しい。勝つためには、中距離を走り切れるだけのスタミナが必要とされる。1600m以上の中距離レースでの実績は必要。 

■3■サンデーサイレンスの血を引く馬?
過去10年のレースラップ(下参照)を見ても、昔は前半から飛ばす馬がいてハイペースになることが多かったが、ここ最近は、さすがにスローにはならなくても、全体的にフラットな落ち着いた流れになる傾向が強い。1分32秒台後半から33秒前半という全体時計は変わらないということは、前半が厳しい流れになる昔のレースの方がレベルは高かったということになる。

そのため、ズブズブのスタミナ勝負になることは少なく、スッと先行して4コーナーを持ったまま先頭で押し切れるぐらいスピードに富んだ馬、もしくは瞬発力勝負に長けた馬にとっては競馬がしやすいレースになる。デュランダル、ハットトリック、ダイワメジャーと、サンデーサイレンス産駒が5年連続でこのレースを勝ったのも、そういう特性(軽さと瞬発力)こそが問われるからである。もし血統的に狙いを絞るとすれば、サンデーサイレンスの血を引く馬ということになるか。

12.1-10.6-11.3-11.3-11.6-11.8-12.2-11.7(45.3-47.3)H
1:32.6 アグネスデジタル
12.5-11.0-11.9-11.9-11.5-11.6-11.4-11.4(47.3-45.9)S
1:33.2 ゼンノエルシド
12.3-10.6-11.3-11.8-11.8-11.6-11.5-11.9(46.0-46.8)M
1:32.8 トウカイポイント
12.4-10.7-11.3-11.6-11.6-11.2-12.1-12.4(46.0-47.3)H
1:33.3 デュランダル
12.1-11.2-11.6-11.7-11.8-11.7-11.5-11.4(46.6-46.4)M
1:33.0 デュランダル
12.2-10.6-11.4-11.5-11.4-11.5-11.3-12.2(45.7-46.4)M
1:32.1 ハットトリック
12.3-10.6-11.1-12.0-11.5-11.6-11.2-12.4(46.0-46.7)M
1:32.7 ダイワメジャー
12.6-10.6-11.2-12.0-11.6-11.5-11.3-11.9(46.4-46.3)M
1:32.7 ダイワメジャー
12.5-10.6-11.3-11.9-11.6-11.4-11.6-11.7(46.3-46.3)M
1.32.6 ブルーメンブラッド
12.1-10.9-11.8-12.4-11.5-11.4-11.2-11.9(47.2-46.0)S
1.33.2 カンパニー

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重めから脱したメイショウベルーガ:5つ☆

アパパネ →調教の動きを見る
CW 良 攻手 78.8-64.4-51.2-38.2-13.1 強め
秋華賞は1週間前がビッシリで、最終追い切りが軽めという緩急を付けていた。
今回はどちらも軽めと、さすがに前走からの上積みは感じられず、良くて平行線だろう。
03star

スノーフェアリー →調教の動きを見る
終始軽めに乗られているため、この馬の真骨頂は見えてこない。
普段はやや入れ込み気味で、初めての環境に馬が戸惑っている感もある。
02star

サンテミリオン →調教の動きを見る
南W 良 助手 67.7-52.6-38.9-13.0
外ゲイルスパーキー仕掛を5Fで0秒6追走1F併せで併入馬なり
追い切りは前走とほぼ同じ動きだが、ひと叩きされた分、気合は乗ってきた。
前走はオークスの反動が癒えていなかったのだろうか、今回は力を出せる体調は整った。
03star

メイショウベルーガ →調教の動きを見る
栗坂 良 池添 52.8-38.6-25.0-12.3 一杯
先週は重苦しい動きだったが、日曜日にも坂路で追い切り重めから脱した。
今週は坂路で鋭い動きに変わり、末脚を発揮できるべく、ほぼ完璧に仕上がった。
05star

ヒカルアマランサス →調教の動きを見る
DP 良 助手 78.8-64.0-50.3-36.8-11.4 一杯
外バーディバーディ仕掛を6Fで0秒4追走5F併せでクビ差先着
バーディバーディと併せられ、時計を含め抜群の動きを披露した。
最終追い切りでビッシリと追われて、力を出せる出来には仕上がった。
04star

プロヴィナージュ
栗坂 良 佐藤哲 51.7-37.3-24.4-12.5 一杯
1週間前が坂路で51秒台、最終追い切りも51秒と攻めに攻めた。
出走取り消し(左前挫跖のため)となったが、勝ちを意識した追い切りだった。
05star

アニメイトバイオ →調教の動きを見る
CW 良 後藤 83.5-66.8-52.3-38.2-12.5 馬也
最終追い切りは馬の気配を確認する程度なので、馬なりで負荷を掛けない。
やや首が高い走り方だが、重心がブレずに、この秋の好調を維持している。
03star

アーヴェイ →調教の動きを見る
京芝 良 カステ 82.7-66.1-50.5-35.6-11.9 馬也
長距離輸送の心配どころか、首をグッと下げて、気合乗りが素晴らしい。
追い切りでは鞍上の指示に応えながらも、リラックスした走りを見せている。
04star

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たった1枚の馬券

Jiromaru

たった1枚の馬券が人生を救うことだってあります。大袈裟かもしれませんが、スイープトウショウがエリザベス女王杯を勝ってくれたおかげで、私は救われました。別に大きな借金をしていたとか、そういう話ではなく、彼女の豪快な末脚が私を勇気づけてくれたのでした。

当時、私は広島という土地に移り住んだばかりでした。小さい頃から父の仕事の関係で転勤を繰り返したこともあって、新しい環境に置かれるのには慣れていた私ですが、何もかもが分からないことだらけ、知らない人だらけ。新しい仕事場を改革すべく乗り込んだはずが、既得権を守ろうとする人々に足を引っ張られ、自分の無力さを恥じ、正直に言って、疲弊していました。

そんな中、私にとって唯一の息抜きは競馬でした。広島にウインズがあることを知った時は、砂漠で泉を見つけたラクダのように喜び、週末になると足繁くウインズに通いました。仕事のことは一切忘れ、鬼気迫るまでに競馬にのめり込みました。しかし、馬券はまるで当たりませんでした。何をやってもダメなときはダメだなあと、横川行きの路面電車に乗ってトボトボと帰りました。私はほとんどあきらめかけていました。

仕事もうまく行かず、馬券も当たらない。せめてどちらかだけでもと願ったのですが、仕事では空回りばかり、馬券では単勝を買えば2着続き。馬券が当たらなかった週の仕事は憂鬱でしたね。息抜きであったはずの競馬が、ますます私を苦しめるようになったのでした。何をやっても上手くいかないように思え、どの馬に賭けても負けそうな気がしていました。

そんな状況ですから、スイープトウショウの単勝を買った時も全く自信がありませんでした。1レースに3万円も賭けていた私が、1万円しか賭けなかったのですから、どれだけ弱気になっていたか分かります。その年の宝塚記念で牡馬をナデ斬りにしたレース振りから、牝馬だけのレースで負ける由がなかったのですが、でも俺が賭けたらどうせ負けるんだろ、そんな風に自嘲的に思っていました。後ろから行く追い込み馬のスイープトウショウが、脚を余らせて負けるシーンが浮かんでは消えたのです。

スタートが切られ、オースミハルカが大逃げを打ち、4コーナーを回った時には、後続からはとても届きそうにないリードをつけていました。「やっぱり…」私は心の中でつぶやきました。騎乗していたジョッキーたちだけではなく、私を含む、多くの競馬ファンもあきらめかけたその時、池添謙一騎手に導かれたスイープトウショウは、あっという間に馬群の中から飛び出してきたのでした。1頭だけ次元の違う末脚でした。違う生き物のよう。

そのあまりにも豪快で爽快な勝ち方が、全てを吹き飛ばしてくれたのです。まるで魔法が解けたかのように、私は正気に戻りました。人生うまく行かないこともあれば、良いこともある。負けが続くこともあるし、たまにはこうして最高の勝ち方をすることもあるさ。目の前の細事にばかりこだわって自信を失っている私のなんと小さなことか。そう考えると、肩からスッと力が抜けていきました。今振り返ると、この1枚の当たり馬券によって、私の1年間にわたる広島での生活は救われたのでした。

今年のエリザベス女王杯に出走する、池添謙一騎手とメイショウベルーガのコンビを見ていると、なぜかスイープトウショウが勝ったあの年のレースを思い出してしまいました。ジョッキーが同じ、男勝りの末脚を武器にするところも同じ、そしてよくよく見ていくと、血統的にも深いつながりがあるのですね。

2頭に共通するのは、凱旋門賞で驚異の追い込みを決めたダンシングブレーヴの血です。スイープトウショウの母父がダンシングブレーヴなら、メイショウベルーガの曾祖母であるオルメカから一代経てダンシングブレーヴが生まれたように、どちらの母系にもダンシングブレーヴの血が色濃く流れています。

あの時、スイープトウショウが私の不安を吹き飛ばしてくれたように、今年もメイショウベルーガの末脚が、ダンシングブレーヴの豪脚が、誰かの人生を救うのでしょうか。

Wtelizabeth05

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京都2200m(外回り)

Kyoto2200t1

スタンド前からの発走となり、最初のコーナーまでの距離は397mと短くも長くもない。1コーナーまでには各馬の位置取りがスムーズに決まることが多く、コーナーを2つ回って、向こう正面にかけて比較的穏やかにレースが進む。かと思えば、前半から飛ばす馬がいて意外に前半のペースが速くなったりするため、折り合いの難しい馬や器用に立ち回ることの出来ない馬にとっては、勝ち切ることが難しいコースである。

道中がスローの団子状態で流れた場合、外々を回されてしまうと、かなりの距離ロスになってしまう。外を回されやすい外枠よりも、経済コースを進むことができる内枠を引いた馬の方が有利になる。

外回りコースでは、4コーナーの出口で内回りコースと合流するため内柵がなくなり、内にポッカリとスペースができる。そのため、内埒沿いを走っていても前が詰まることが少なく、脚さえ残っていれば確実に馬群を割ることができる。よって、脚を余して負けるということが極めて少ない、実力が正直に反映されるコース設定となっている。

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エリザベス女王杯を当てるために知っておくべき3つのこと

Elizabeth

■1■秋華賞→エリザベス女王杯の連勝は難しい
秋華賞→エリザベス女王杯という路線が3歳の有力馬にとって自然な選択となってきているが、秋華賞→エリザベス女王杯という連勝は難しい。秋華賞馬はエリザベス女王杯でもほぼ1番人気になるが、人気に応えられているとは言い難い。

平成13年 テイエムオーシャン(1番人気)→5着
平成14年 ファインモーション(1番人気)→1着
平成15年 スティルインラブ(1番人気)→2着
平成16年 スイープトウショウ(1番人気)→5着
平成17年 エアメサイア(1番人気)→5着
平成18年 カワカミプリンセス(1番人気)→12着(1位降着)
平成19年 ダイワスカーレット(1番人気)→1着
平成20年 レッドディザイア(不出走)

秋華賞とエリザベス女王杯の連勝が難しい理由としては、やはり秋華賞とエリザベス女王杯が違った性格のレースになるからだろう。秋華賞は京都2000m小回りコースで行われ、スピードの持続が求められるレースになりやすい。それに対し、エリザベス女王杯は京都2200m外回りコースで行われるため、折り合いとスタミナが要求される緩急のついたレースになりやすい。

また、小回りコースの高低差が3.1mに対し、外回りコースは4.3mと、外回りコースは丘をひとつ越えていかなければならない。そのため、秋華賞とエリザベス女王杯では、200mの距離以上に要求されるスタミナの量が異なってくるのである。

■2■スピードと器用さが求められる
エリザベス女王杯が行われる時期の京都競馬場の芝は、野芝の成長は止まるものの、状態が良いため、軽さは十分に維持されている。そのため、スッと先手を取ることの出来るスピードのある馬にとっては有利に進められるレースとなる。また、道中は各馬が距離を意識してスローに流れることが多いが、前半から飛ばす馬がいて意外にペースが速くなったりすることもあり、折り合いがキチンと付いて、器用に立ち回ることが出来るかも問われる。もちろん、こういうレースでは、馬をコントロールする騎手の技術、判断力も結果を大きく左右することになる。

■3■牡馬と勝負になっていた馬でないと×
牝馬の中でチャンピオンを決める戦いではあるが、牝馬限定戦でずっと戦ってきたような馬では、このレースは勝てない。牡馬との厳しいレースで揉まれ、牡馬を相手に好勝負になっていた馬を狙うべきである。もちろん3歳馬については、牡馬混合戦に出る機会もなかっただろうから、この条件は当てはまらない。

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最後のワンピース

Zenyatta_2

彼女の名はゼニヤッタ。19戦19勝。史上初の牝馬によるブリーダーズカップクラシック制覇を含む、G1レース13勝。おとぎ話でもなければ、過去の名馬の戦績でもない。現代競馬において、1頭の牝馬が一線級で走って積み上げた数字である。いつも最後方から追走し、最後の直線だけで他馬をごぼう抜きにする感情の振れ幅の大きい走りで、私たちを常に魅了してきた。

走り続けることだけでも難しい競馬の世界で、消長の激しい牝馬が1度たりとも負けないことの難しさは、筆舌に尽くしがたい。それは最大のライバルと目されながら、最後まで直接対決が実現することのなかったレイチェルアレクサンドラの末路を見れば分かる。強い馬にもいずれ勝てなくなる日がやってくる。勝ち続けるためには、強いだけではなく、ずっと強くなければならないのだ。

ゼニヤッタは全世界的な牝馬優勢の流れの旗手でもある。先述した85年ぶりにプリ-クネスSを勝利したレイチェルアレクサンドラ、ヨーロッパに目を移せば、凱旋門賞を制したザルカヴァ、ブリーダーズカップマイルの3連覇に挑むゴルディコヴァ、そして私たちの国では、ウオッカ、ダイワスカーレット、先週の天皇賞秋を制したブエナビスタと、牝馬の一線級における活躍が目立つ。その国の競馬で最も強い馬が牝馬という事実が厳としてある。

なぜこれほどまでに牝馬が強くなったのだろうか。個体としての能力において、牝馬が牡馬を上回ったということではない。依然として、肉体的な走る能力(スピードやパワー、スタミナ)という点では、総じて牡馬の方が牝馬よりも高いことは明らかである。だからこそ、-あくまでも経験的に決めた平均的な能力差ではあるが-、日本では斤量2kg差というセックスアローワンスが認められている。しかし、初期育成・調教の技術が進んだことにより、強い負荷に耐えられるようになったことや、能力を最大限に引き出せるようになったことで、セックスアローワンスを凌駕してしまう牝馬が出てきたということなのである。

さらに言うと、そうした初期育成・調教の技術の進歩と共に、世界のホースマンたちの意識が変わってきたということが大きい。脳のリミッターが外れたというべきだろうか。たとえば、ウオッカがダービーに挑戦した時、誰もが多少なりとも違和感を抱いたはずである。いくら強いとはいえ、牝馬が牡馬相手にチャンピオンディスタンスで勝負になるのかよと。ほとんどの競馬関係者もそう思っていた。しかし、ウオッカは見事な勝利を収め、私たちのリミッターは外された。その後、ダイワスカーレットは有馬記念で牡馬を従えて勝利を収め、ブエナビスタは天皇賞秋を持ったままで圧勝した。同じことが世界中で起こっている。これだけ世界が小さくなった今、他の国の誰かのもしくはどの馬かの行動が、私たちの意識を一瞬にして変えるのである。牝馬でも牡馬に勝てると。

明日の早朝(日本時間の7時45分)、アメリカ東海岸のチャーチルダウンズ競馬場、世界最高峰の馬たちが集うブリーダーズカップクラシックを最後の舞台として、ゼニヤッタは現役生活に幕を閉じる。しかし、昨年とは打って変わって、今年はゼニヤッタの得意とするオールウェザートラックではなく、スピードと先行力を問われるダートトラックで行われる。アメリカのスポーツの世界では、引退する馬にお膳立てしたりはしないようだ。それとも、追い込みの利きづらい馬場だからゼニヤッタが勝つのは難しいと考えることさえも、私たちの思い込みにすぎないのだろうか。ゼニヤッタがもしここも勝つようなことがあれば、20戦無敗というパーフェクトな大記録が成し遂げられることになる。競馬史上最強馬というジグソーパズルの最後のワンピースが、今まさにはめられようとしている。


関連リンク
「ガラスの競馬場」:Keiba is beautiful.

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画を捨てよ、競馬場へ出でよ。

Doga_2
「Rennpferde in Longchamp」Edgar Degas

競馬場を描いた画家として、真っ先に思い浮かぶのはエドガー・ドガである。1834年、パリに生まれたドガは、古典主義から出発し、印象派として緻密な構成の中に瞬間的な動きを表現することで名を成した。ほとんどの印象派の画家は屋外で風景を描いたが、ドガは自分のアトリエ内で都会生活の室内風景を描いた。特にバレエの踊り子と浴女を題材とした作品が多い。網膜の病気を患っていたとも言われているが、今でいう引きこもりの画家であった。

そんなドガが唯一、太陽の下に出て、野外の作品を描いたのが競馬場であった。1857年、ロンシャン競馬場がオープンして、パリの社交場となり、ドガはサラブレッドの美しさと競馬場の華やかさの虜となった。それだけではなく、私が思うに、ドガは競馬場独特の緊張感にも魅了されたに違いない。彼が馬券をどれだけ買ったかは知らないが、彼の描いた競馬場の風景を観ると、ジョッキーの息遣いが聞こえてくるようでもあり、それはまさにドガ自身の胸の高鳴りでもある。「画を捨てよ、競馬場へ出でよ」とドガが語っているように聴こえるのは、私だけだろうか。


■ドガ展
Dogaten_2
12月31日まで横浜美術館でドガ展が開催されています。ドガの最高傑作として名高い「エトワール」が初来日しています。お近くにお住まいの方は、ぜひウインズ横浜の帰り道にでも脚を運んでみてくださいな。

関連リンク
「ガラスの競馬場」:エプソム、ダービーの行進

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お申し込み受付を終了しました。

「21世紀の馬券戦略ライブ」CDのお申し込み受付を終了させていただきます。今回は30部と少なかったため、“残り僅か”の告知も出来ず申し訳ございません。お申し込みいただきました方々、誠にありがとうございました。これからのG1シリーズに向けて、楽しんで聴いて、ぜひとも実践してみてくださいね。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

軽妙な語り口で読者を魅了する「あの仔に夢中」のエノさんも、自身の馬券のスタイルを確立される際に、この「21世紀の馬券戦略ライブ」CDを聞いたことが役に立ったと言ってくれました。あの時は嬉しかったなあ。ウオッカの単勝を握り締めて応援したことが、エノさんにどれだけの幸福をもたらしたかしれません(金銭的以外にも)。そんなエノさんが、馬券について語ってくれていますので紹介させていただきます。**の答えはVOL.2で明かされます。

「あの仔に夢中」:**は嘘をつかない・・・vol.1
「あの仔に夢中」:**は嘘をつかない・・・vol.2

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どこにでもいそうな牝馬のどこにこれだけの

Tennosyoaki2010 by Scrap
天皇賞秋2010-観戦記-
先行馬が揃ったメンバーの中、シルポートが果敢に逃げて、前半後半共に59秒1という平均ペースでレースは流れた。2番手につけたキャプテントゥーレも追いかける素振りを見せず、馬群は固まり、勝負は直線に向いてからの瞬発力勝負へ。前に行っていた馬はもちろんだが、それ以上に、末脚が切れる馬にとって有利な展開となった。その中でも、勝ったブエナビスタと2着に追い上げたペルーサの末脚の破壊力は凄まじい。

ブエナビスタは飛んでいるというより、まるで泳いでいるような走りで、馬群の中からすり抜けだし、あっという間に先頭に立つと、後はほとんど馬なりでゴールまで駆け抜けた。ドバイから帰国緒戦のヴィクトリアマイルを激走し、その反動からガタガタの状態であった宝塚記念後、ひと息入れて、厩舎に置かれてゆっくりと調整されたことで、ほぼ完調と言えるまでに仕上がっていた。普通の体調で走ればこれだけ強いということを、古馬の一線級を相手にきっちりと証明してみせた。

それにしても、パドックから返し馬においても全く入れ込むことなく、あれだけの走りをしたレース後もケロッとしている姿を見ると、このどこにでもいそうな牝馬のどこにこれだけの力が眠っているのか、生命の神秘にさえ想いを馳せてしまう。前々から繰り返し言ってきたことだが、ブエナビスタは足が速い馬である。速く走るために生まれてきたサラブレッドの中でも、足が速い馬がいる。私の知る限りにおいて、あのディープインパクトとブエナビスタの2頭だけ。ブエナビスタはこの後、父スペシャルウィークが歩んだジャパンカップ→有馬記念という道を辿ることになるだろう。長距離輸送を含め、あと2度の厳しく激しいレースを、彼女が走り切ることが出来るかどうか。ブエナビスタが切り拓く未来と歴史を、この秋はとくと堪能したい。

ペルーサはわずかに出遅れたものの、安藤勝己騎手が慌てることなく馬群の後方に付け、自慢の末脚を生かすべく腹を括った。直線に向いても、ひたすら馬群が開くタイミングを待って、最後の最後まで脚を溜めていた。これぞ安藤勝己流の2着確保の術である。決して悪い意味ではなく、他馬との力関係や手応えの違いをいち早く察し、無理に勝ちに行って着順を落とすのではなく、負けてもひとつでも上の着順に持ってこようという円熟さの極みである。それに応えたペルーサの力も大したもので、カッカしてしまう精神面での若さが解消してくれば、恐ろしい馬になりそうだ。今年の強い3歳馬の代表として、これからの活躍に期待したい。

アーネストリーはパワータイプの馬だけに、馬場の重い宝塚記念や札幌記念での好走が、スピードレースの天皇賞秋にそのまま直結はしなかった。仕上がりもパーフェクトであったし、道中のレース運びも理想的で、この馬としては精一杯の力を出し切っている。G1クラスのメンバーの中で、ラストの瞬発力勝負になってしまうと、わずかに力不足だったということだ。天皇賞秋を目標にして完璧に仕上げてきただけに、G1レースを勝てるだけの力はついているが、この後のレースまで体調を維持できるかどうか心配である。

シンゲンは勝ち馬をマークする形で進み、直線に向いてから追い出されて、最後までよく伸びている。長期休養明けを勝った前走の反動もなく、この馬の力は出し切っている。ただ、敢えてひとつだけ挙げるとすれば、瞬発力ではブエナビスタに勝てないのだから、もう少し前のポジションを取るべきであった。

ジャガーメイル陣営にとっては、悔やんでも悔やみ切れないレースとなった。抜群の手応えで直線に向いて、エイシンアポロンの進路をカットする形で内に切れ込み、さらに今度は前にいたシルポートに進路を塞がれ、万事休す。手応えの良さゆえに勝ちを焦ったのか、名手ホワイト騎手にあるまじき拙騎乗であった。落ち着いて乗っていれば2着はあったのではないだろうか。

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