« 朝日杯FSを当てるために知っておくべき3つのこと | Main | 中山芝1600m »

時代は動いた。

Hansinjf10 by M.H
阪神ジュベナイルF2010-観戦記-
ポンと飛び出したフォエバーマークを交わし、押し出されるようにピュアオパールがハナに立ち、それをマルモセーラがマークする形でレースは進んだ。前半800mが48秒5、後半が47秒2という、大方の予想どおりのスローペースで、道中ではゴチャつく場面も随所に見られた。揉まれず、引っ掛からず、スムーズに走ることのできた馬が好走したように、いかにも3歳牝馬戦らしいレースであった。馬場が柔らかく、タイム的には見るべきところはなかったが、クラシックホースを毎年送り出しているレースだけに、上位に入った馬たちの将来には当然期待したい。

勝ったレーヴディソールは、僅差ながらも、現時点での完成度の差を見せつけた。今回はスタートを普通に出て、道中は少し引っ掛かるぐらいの行きっぷりの良さ。途中、外からダンスファンタジアに被せられるシーンがありヒヤッとさせられたが、それ以外は安心して観ていられる横綱相撲であった。この馬の良さは前脚の軽さで、ほぼ水平にまで脚を高く伸ばして走ることができるように、脚捌きがとにかく美しい。天性のバネの強さを、しなやかなフットワークが支えている。父がアグネスタキオンだけに、距離はマイルから2000mぐらいがベストではないだろうか。ブエナビスタほどの大物感はないが、このまま順調に行けば、来年のクラシックはこの馬を中心に回ることは間違いない。非業の死を遂げた兄姉たちの分まで、何よりも無事に走ってほしい。

福永祐一騎手は、圧倒的な人気のプレッシャーを全く感じさせない、冷静な騎乗を見せた。今年初めてのG1勝利を挙げたと共に、関西リーディングの座をほぼ手中に収めたと言っても良いだろう。今年の後半戦の活躍は目覚しく、勝率・連対率の上昇が示すとおり、リーディングジョッキーに相応しい手綱捌きをコンスタントに魅せてくれた。デビューした頃から知る身にとっては感慨深く、ジョッキーとしても人間としても大きく化けた福永祐一騎手を誇りに思う。武豊世代に代わって、これからは日本の競馬を背負っていく番である。時代は動いたのだ。

惜しくも2着に敗れたホエールキャプチャは、馬群の中でジックリと脚を溜め、最後の直線で爆発させた。スムーズに走れてはいたが、キャリア4戦の牝馬にして、馬群の中であれだけ我慢できたことが好走につながった。母父サンデーサイレンスからは気持ちの強さを、父クロフネからは筋肉の柔軟性を受け継いでいるのだろう。これは4着までの馬たちにも当てはまることだが、牡馬を相手に好走した経験が、牝馬同士のレースで生きている。

ライステラスは4コーナーに向いて、あわやというシーンを作り出した。最後は力負けしてしまったが、勝ちにいく積極的な競馬で地力を示した。父ソングオブウインド、母の父がスピードワールド、母母父がミスターシービーという、懐かしい匂いのする血統構成であり、こういう馬もぜひ大舞台で活躍してほしいと切に思う。大外枠は明らかに不利であったが、ロスなく回して力を温存していたデムーロ騎手のコーナリングには、いつもシビれさせられる。

アヴェンチュラはスタートからポジションを落としてしまったことが致命的であった。トモに弱さを残している馬だけに、どうしてもスピードに乗るのに時間が掛かってしまう。今回は時計の本数も少なかったように、中間が決して順調ではなかった。トモがパンとしてくるまで、ジックリ待って成長を促すことができれば、将来が楽しみな1頭である。ツルマルワンピースは、安藤勝己騎手がスローペースに上手く乗せて、見事に力を出し切った。良血ダンスファンタジアは、道中で引っ掛かってしまい、最後の直線ではバテてしまった。母ダンスインザムードよりも馬体に伸びがなく、初めての長距離輸送の影響か、やや気負っている面も覗かせていた。素質が高いのは確かなのだから、あえてクラシックを目標にすることなく、この馬の気持ちに沿って育てていってほしい。


関連リンク
「ガラスの競馬場」:祐一よ、リーディングを目指せ!
「ガラスの競馬場」:福永祐一騎手を応援しないわけにはいかない。

現在のランキング順位はこちら

|

Comments

Post a comment