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私は認めたい。

Arima10_2 by Ruby
有馬記念2010-観戦記-
スタート良く飛び出したトーセンジョーダンが、三浦皇成騎手に追っつけられるようにして先頭に立った。逃げ馬不在の中、大方の予想どおり、前半1200mが75秒3 後半1200mが70秒4という超がつくスローペースでレースは流れた。奇しくも、ブエナビスタの父スペシャルウィークがハナ差で敗れた有馬記念も、前半が77秒7、後半が72秒4という超スローであった。前目のポジションを確保できた馬にとって、圧倒的に有利なレースとなった。

勝ったヴィクトワールピサは、デムーロ騎手による最高の騎乗で、ハナ差だけ女王ブエナビスタを退けた。距離に若干の不安を抱えていたが、ピッタリ2500mを回ってきたことで、この馬の力を最大限に発揮した。道中で一旦先頭に立つ形にはなったが、あれは引っ掛かったのではなく、馬が行く気になっていたからであろう。あそこで無理をして引っ張らなかったことも、最後のハナ差につながった。これだけの大舞台で、しかもテン乗りで、馬の力を100%出し切り、しかも自身の持てる技術をプラスアルファしてしまうのだから恐ろしい。もうここまでくると、ジョッキーに日本人も外国人もないのではないか、という気さえする。あるのは勝てる騎手か勝てない騎手か、ただそれだけ。

騎手の話が先になってしまったが、ヴィクトワールピサはこの中間も熱心に乗り込まれていて、最高の仕上がりにあった。フランスより帰国してからの馬体を見ると、海外遠征が良い休養になったのではないかと思わせられるほど、ふっくらとして成長している。ディープインパクトの時もそうであったが、シャンティでは体が立派になりすぎて、凱旋門賞は凡走してしまったということである。ジャパンカップをひと叩きされて、今回はさらに上向きで臨んできたということになる。ネオユニヴァース産駒だけに、多少なりとも上がりが掛かる馬場やコースも合っていた。フットワークの素晴らしい馬であり、強い今年の3歳世代でもナンバーワンの実力があることを証明した。

競馬ファンの期待を背に走ったブエナビスタだが、惜しくもハナ差の2着に敗れてしまった。明らかに展開に恵まれず、道中も馬群に押し込められる形で、他の14頭から厳しいマークに遭っていた。レースは生きものであり、人智を超えた力が働く。秋3戦目ではあったが、季節的にも冬毛が出始めて、楽勝した天皇賞秋の時と比べると、目に見えない程度であるが、体調が僅かに下降線を辿っていたことは否めない。あえて言うならば、直線に向いた時のスピード感ともうひと伸びが足りなかった。それでも、天皇賞秋を勝ち、ジャパンカップは実質の1着、そして有馬記念でハナ差の2着だから、秋の3戦を走れなかった(走らなかった)ウオッカやダイワスカーレットよりもサラブレッドとしての強さは上であろう。そして、父スペシャルウィークに並んだと共に、エアグルーヴを超える名牝として私は認めたい。

練習の効果もあり、3歳馬ペルーサはスタート良く飛び出し、今度こそ納得のいく競馬をしてみせた。それで負けたのだから、現時点では力が足りないということである。この秋は、後ろから行って楽をする競馬を覚えてしまっていたが、今回の競馬で刺激を受け、馬の気持ちが前向きに変わってくるようだと、来年は大きいところを勝てる馬になるだろう。

昨年の勝ち馬ドリームジャーニーは見た目には仕上がっていたが、中間の追い切り本数も少なかったように、中身が出来ていなかった。ダービー馬エイシンフラッシュは、まだ本来の体調に戻っていない。ダービーを勝つことによってもたらされる肉体的、精神的疲労は、私たちの想像を絶するものがある。一か八かの先行策に出たオーケンブルースリは、急かされる競馬に嫌気を差して、4コーナー手前で走る気を失ってしまっていた。ルーラーシップは出負けしてしまい、思い通りのポジションを取れなかったのが痛い。ルメール騎手本来のスッと前につける騎乗を見られないまま、今年は終わってしまった。


関連リンク
「ガラスの競馬場」:デムーロ、卓越した騎乗技術

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Comments

治郎丸さんこんばんは。有馬記念、熱いレースになりましたね。

まず、ブエナビスタの強さには恐れ入ったというほかありません。いつもより遅めのように感じましたが、最後に先頭まで届いた瞬間は衝撃が走りました。来年はドバイWCに挑戦するらしいので、是非成し遂げてほしいと思います。

私個人はヴィクトワールピサが好きで、今回の優勝は非常に嬉しいです。というのも実は、初めて単勝馬券を買って応援していました。これまで複勝ばかり買っていたのですが、今回は彼とデムーロ騎手を信じ、勇気を出して買いました。ギャンブルだけれどもそれだけではない、競馬の楽しさをやっと経験できたような気がします。

今年の有馬はブエナの強さを再認識できたと共に、3歳馬世代の今後を期待させる素晴らしいレースだったと思います。来年の古馬戦線も、とても楽しみです。

Posted by: クロサキ | December 27, 2010 at 01:05 AM

まずは治郎丸さん今年一年間お疲れ様でしたp(^^)q

ブエナビスタは惜しくも負けはしましたがあの位置あの展開からあそこまでの強襲する姿にディープを見たような気がします(^^;)あんな小さな体だけど心肺機能と脚のバネの次元の桁が違うんでしようね(^o^)/~~あの小さな体のブエナビスタだから出来る芸当であり曲芸のようなレースだったと思いますね。走るとゆうより飛んでるといった感じでディープと同じだと思いましたね。だからこれからも無事に頑張って欲しいです(^_^)治郎丸さん今年一年間いろんな意味でほんとうにありがとうございました。こんな変わり者ですがこれに懲りず来年もよろしくお願いしますm(__)m

Posted by: ユビキタス | December 27, 2010 at 05:32 AM

クロサキさん

おめでとうございます!

単勝馬券での的中はギャンブルを超えた何かがありますよね。

私は今回はヴィクトワールピサを買っていませんでしたが、もし買っていたらと想像するだけでドキドキしますよ(笑)

何とか凌いだ瞬間はもう心臓が飛び出しそうだったのではないでしょうか。

ブエナビスタも強いレースをしました。

マークが厳しかったことに加え、勝負所での反応がこの2戦とは少し違いましたね。

それが最後のハナ差につながった気がします。

でも、最強馬であることに変わりはないので、来年も無事に走ってほしいですね。

Posted by: 治郎丸敬之 | December 27, 2010 at 02:12 PM

ユビキタスさん

こんにちは。

ブエナビスタはまさにディープインパクトと同じ、サラブレッドの中でも脚が速い馬ですね。

おっしゃるとおり、心肺機能と身体のバネが他馬とは桁違いなのだと思います。

そんな馬でも、あらゆる要素が重なると負けてしまうのも競馬で、だからこそ面白い。

それにしても、ブエナビスタの強襲をなんとか凌いだデムーロ騎手は円熟の域に入っていますね。

こちらこそ、今年は色々とありがとうございました。

来年もどうぞよろしくお願いいたします。

Posted by: 治郎丸敬之 | December 27, 2010 at 02:15 PM

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