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集中連載:「パドックの見方を極める」第16回

Paddock15

■馬の感情も尻尾の動きに表れる
昨年末、我が家に犬がやってきた。トイプードルである。名前はチョコちゃんと子供が付けた。私自身、カメ以外の動物を飼うのが初めてなので、いささか緊張していたが、チョコちゃんは何とか私になついてくれたようである。今では、私が家に帰ると、皆はすでに寝ていて、迎えてくれるのはチョコちゃんだけという始末に(笑)。私が玄関のドアを開けると、尻尾を振って、飛びついてこようとするのだから可愛らしいことこの上ない。遊んでもらえる相手が帰ってきて嬉しいのだろう。

犬がそうであるように、馬の感情も尻尾の動きに表れる。とはいえ、馬が尻尾を振っているからといって、決して喜んでいるわけではない。むしろ、何か気になることがあるからこそ、尻尾を振っていることが多い。体調が良くなかったり、脚元に不安があったり、精神的に燃え尽きていたりと様々な理由が考えられるが、パドックを歩いている馬の尻尾が左右に何度も振られている場合、その馬はこれから行われるレースに対して集中できていないと解釈することができる。感情の乱れが、尻尾を繰り返し振るという行為として体現されてしまうということだ。

このように、尻尾を振る動き自体はマイナスにしか考えられないが、ひとつだけ例外もある。夏の競馬場のパドックで、馬が尻尾を振っている動きは問題とはならない。なぜかというと、ハエやアブを追い払っているからである。

またこれとは別に、牝馬がフケ(発情)になっている場合も尻尾を振る仕草が目立つようになる。それが何か気になるところがあるからなのか、それともフケなのか、見分けがつきにくいのは確かだが、牝馬がパドックで尻尾を頻繁に振っているようであれば、いずれにせよレースに行っての好走はあまり望めないということだ。

たとえば、昨年の秋華賞のパドックで、サンテミリオンの歩く姿が気になった方はいるだろうか。落ち着き払って歩くアパパネと比べ、サンテミリオンはしきりに尻尾を振って歩いていた。サンテミリオンに本命を打っていた私は、京都競馬場のパドックでひとり冷や汗を流していた。ブッツケの出走だけに仕上がっていなかったのだろうか、それとも初めての輸送が応えたのか。もしかすると、フケが出ているのかもしれない。フケは春に出やすいが、1年中出る牝馬もいるし、定期的に出てしまう牝馬もいる。あらゆるマイナス要素が頭に浮かんできて、私は絶望的な気持ちになったのだ。

レースでは大きく出遅れ、他の馬の走るペースに全く付いていくことができず、最後の直線に向いて巻き返すどころか、ズルズルと後退して行ってしまった。自分が本命を打った馬が、これだけ大きく凡走をするのは久し振りのことであった。もはやサンテミリオンは競走する状況にはなかったということである。オークスで激走した反動で体調が悪かったこと、初めての長距離輸送が応えたこと、もしかするとフケも出ていたのかしれない、ありとあらゆる全ての理由が絡み合っての凡走であった。そうでなければ、あそこまで大きく負けたりはしないだろう。

馬の感情は尻尾にも表れる。気持ちが安定している時は、尻尾の動きにも無駄がない。左右に大きく振り回されたり、変な動きをしたりもしない。もし尻尾を必要以上に動かしている馬を見つけたら、体調が良くないか、どこか痛いところがあるか、レースに集中できない(走りたくない)か、いずれかの理由があってものもかもしれない。尻尾を振ることによって、それを表現しているのだ。つまり、馬の精神面を読み解くためには、私たちは尻尾の動きにも注目するべきなのである。

(最終回に続く→)

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パワー溢れる馬体を誇るダノンカモン:5つ☆

■京都牝馬S
アグネスワルツ →馬体を見る
3歳時からの成長が感じられず、相変わらず線の細さを残している。
トモの筋肉量も物足りなく、毛艶もくすんで映るように、完調には遠い。
Pad2star

アプリコットフィズ →馬体を見る
休み明けは走るタイプだが、クイーンS時に比べると物足りない。
時期的に毛艶が冴えないのは仕方ないとして、線が細くて成長を感じられない。
Pad3star

コスモネモシン →馬体を見る
この時期にしては毛艶も良く、皮膚の張りがあるように、体調は良好。
馬体全体もゆったりした造りで、フックラ感があって好感触。
Pad4star

ヒカルアマランサス →馬体を見る
馬体全体はバランス良く、距離適性の守備範囲は広そう。
素直そうな表情は好感を持てるが、冬毛が生えていて、完調まであと一歩か。
Pad3star

ブロードストリート →馬体を見る
この馬も相変わらずの線の細い馬体で、パワー不足を感じざるを得ない。
筋肉のメリハリに乏しく、毛艶も冴えず、本調子には至っていない。
Pad3star

プリンセスメモリー →馬体を見る
いかにも牝馬らしいスリムな馬体だが、トモにはシッカリ実が入ってきた。
毛艶も悪くなく、この馬なりに筋肉のメリハリもあって、均整が取れている
Pad3star

■根岸S
ケイアイガーベラ →馬体を見る
線が細く、トモの肉付きも物足りなく、ダートであれだけのスピードを見せる馬とは思えない。
時期的に毛艶も悪く、正直なところ、馬体からは走る気持ちが伝わってこない。
Pad3star

サクセスブロッケン →馬体を見る
さすがG1馬というべきか、各パーツに伸びがあり、馬体のスケールが大きい。
休み明けにしてはスッキリしているし、毛艶もこの時期にしては悪くない。
Pad4star

スターボード →馬体を見る
ダートで強さを見せるが、筋肉が付くべきところに付き切っていない印象を受ける。
その分、成長が見込めるのは確かだが、現時点ではパンチ不足か。
Pad3star

セイクリムゾン →馬体を見る
やや姿勢は高いが、黒光りした馬体からは調子の良さが伝わってくる。
尾離れが良いのは、後駆に力強い筋肉がしっかりと付いている証拠である。
Pad4star

ダノンカモン →馬体を見る
重心が低く、いかにもダートの短距離馬らしいパワー溢れる馬体を誇る。
皮膚の張りも十分で、レースの間隔が詰まっていることを微塵も感じさせない。
Pad5star

ティアップワイルド →馬体を見る
やや腰高の馬体やトモの良さからも、短距離がベストの馬であることが分かる。
胴部が短いマッチョな体型を見ると、距離延長はプラスには働かない。
Pad3star


Negisis2011wt

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チー坊と菊

Tiboutokiku

1月17日付けで、9名の調教師の開業がJRAから発表された。その中には、角田晃一調教師を筆頭として、名の知れたジョッキー出身の新規調教師がいる。特に、菊沢隆徳調教師と千田輝彦調教師は、知る人ぞ知る職人ジョッキーであった。かつて週刊「Gallop」誌上で行われた横山典弘騎手と武豊騎手との対談の中で、彼らが2人について言及したことがある。

横山典弘(敬称略)
「中には職人みたいなオレらより馬を知っているジョッキーはいる。そういう騎手が調教にまたがって「この馬は走る」って言うと、ほとんど走る。菊(菊沢隆徳騎手)なんかそうだし、関西でもチー坊(千田輝彦騎手)とか」

武豊
「彼らの言うことは本当に信頼できる」

横山典弘
「ホントかよ、こんな血統でか?なんて馬が実際に走るんだから。だから、競馬で勝っている人間が素晴らしいジョッキーと思われているかもしれないけど、それは違う。そういう表に出ないけど、素晴らしいジョッキーはたくさんいるよ」

ここで名前が挙がった菊沢隆徳騎手と千田輝彦騎手の2人。実は競馬学校を同じ時期に卒業している。同期の仲間には、岸滋彦騎手、内田浩騎手、そして故岡潤一郎騎手などもいた。運命に翻弄された世代ともいえるかもしれない。菊沢隆徳騎手や千田輝彦騎手だけではなく、岸滋彦騎手や内田浩騎手も素晴らしいジョッキーであった。ほんの僅かな展開の綾や手綱捌きの違いで、もしかしたらトップジョッキーに上り詰めていた可能性を秘めていた男たち。

その中でも、平成5年の落馬事故で命を落とした故岡潤一郎騎手と千田輝彦騎手はとても仲が良かった。家族ぐるみの付き合いをして、お互いのことを認め合い、励まし合っていた。故岡潤一郎騎手にとって最後となったレースに、千田輝彦騎手は乗っている。千田輝彦騎手のマックスディガーが故岡潤一郎騎手の跨るオギジーニアスに並びかけた時、千田輝彦騎手が岡潤一郎騎手に向かって声を掛けた。「お先に」。これが最後の会話になってしまった。なんという残酷な会話であろう。このレース以降、千田輝彦騎手は競馬をどう解釈して生きてきたのだろう。

勝っているジョッキーはもちろん素晴らしいが、それだけではない。表に出なくても素晴らしいジョッキーがたくさんいることを、私たちは忘れてはならない。素晴らしいホースマンと言うべきだろうか。ひとたび舞台が変われば、彼らは輝き出すのである。日本のトップジョッキーたちが一目置く、菊沢隆徳調教師と千田輝彦調教師が、満を持して調教師としての道を歩み始める。最近は、馬づくりよりも厩舎経営に重きを置く調教師が多い中、誰よりも馬を知る2人が果たしてどんな馬をつくるのか、興味は尽きない。

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根岸Sを当てるために知っておくべき3つのこと

Negisis

■1■差し馬有利
過去のレースを観ると、差し馬―差し馬の決着が目立つ。サウスヴィグラスとメイショウボーラーが押し切ったレースでさえ、2着には差し馬が突っ込んできている。ただ単にこの2頭は圧倒的に力が抜けていたということで、基本的には差し馬が有利な展開になりやすい。そのことは、過去9年(中山で行われた2003年は除く)のレースラップを見てみれば明らかである。

2001年 ノボトゥルー
12.5-10.7-11.2-11.8-12.2-12.1-11.6(34.4-35.9)
2002年 サウスヴィグラス
12.5-10.7-11.2-11.8-11.9-12.1-12.6(34.4-36.6)
2004年 シャドウスケイプ
12.3-10.9-11.6-12.1-12.3-12.1-12.7(34.8-37.1)
2005年 メイショウボーラー
12.5-10.9-11.6-12.3-11.9-11.7-12.1(35.0-35.7)
2006年 リミットレスビッド
12.2-10.8-11.6-12.1-12.3-12.2-12.5(34.6-37.0)
2007年 ビッググラス
12.5-10.8-10.9-11.7-12.0-12.7-12.9(34.2-37.6)
2008年 ワイルドワンダー
12.2-10.7-11.4-12.0-11.9-12.0-12.5(34.3-36.4)
2009年 フェラーリピサ
12.2-10.6-11.3-12.1-12.1-11.6-12.2(34.1-35.9)
2010年 グロリアスノア
12.4-11.5-11.7-11.8-11.8-12.0-12.5(35.6-36.3)

スプリント的な要素が問われると後述するが、展開という面においては、スプリント戦であるカペラSとは性格がわずかに異なる。カペラSは前半3ハロンが32秒台後半から33秒台で流れ、後半3ハロンがガタっと37秒台に落ちる、前後半の落差の平均が4.5秒という「上がり不問」のレースである。それに対し、根岸Sは前半3ハロンは34秒台から35秒台で流れ、後半3ハロンは37秒あたりに落ちるが、前後半の落差の平均は約2秒という、「普通のハイペース」である。

カペラSのような「上がり不問」のレースでは、直線に向いた時には全ての馬がバテてしまっているような状態なので、前に行った馬がそのまま残りやすい。しかし、根岸Sのような「普通のハイペース」では、後ろからレースを進めた馬は脚が十分に溜まっているので、ハイペースで前が潰れた時に一気に襲い掛かることが出来るということだ。

■2■キャリアを積んだ高齢馬が有利
ほとんどの重賞においては、サラブレッドとして最も充実する4歳馬が力を発揮することが多いのだが、根岸Sに関しては5、6歳馬が圧倒的に優勢となっている。過去9年間の連対率は以下のお通り。

4歳→   7%  
5歳→  27%
6歳→  16%
7歳以上→5%

つい1ヶ月前までは3歳であった4歳馬が、キャリアを積んだ歴戦のダート馬にわずか1kgの斤量差で挑むのは、まだこの時期では苦しいと解釈するべきであろう。メイショウボーラーが勝利したように、4歳馬に勝ち目がないというわけではないが、苦戦を強いられることは間違いない。逆に考えると、ここで連対を果たせるような4歳馬は成長が見込める本番フェブラリーSでも好勝負になるということだ。

■3■前走ダート1200m組
過去9年の勝ち馬のうち、ビッググラス、ワイルドワンダー、フェラーリピサ以外の勝ち馬は全て前走ダート1200m戦組であった。【5・4・3・33】で勝率9%、連対率20%と圧倒的な数字を残している。スプリントとマイルの中間的な距離だが、根岸Sに関して言えば、勝つためにはスプリント的な要素がまず問われるということである。

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騎手を間違えた事件

かなり昔のネタになってしまったが、最近見つけて、思わず笑ってしまったので紹介したい。2009年のホープフルSの勝利ジョッキーインタビューにて、ルメール騎手がデムーロ騎手と間違えられてしまったという事件である。インタビュアーの赤見千尋さんの気持ちも良く分かるし、ルメール騎手の落ち着いた切り返しも、さすが世界のトップジョッキーだと感じられる。これが日本のジョッキーであったら、ここまでジェントルで懐の広い対応が出来たかどうか。もしあの騎手があの騎手と間違えられたら…。私の妄想は果てしなく膨らんでゆく。

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シルクロードSを当てるために知っておくべき3つのこと

Silkroads

■1■差し追い込み馬を狙え
開催時期が2月下旬に変更になって以降、過去10年間のラップタイムは以下のとおり。

12.1-10.9-10.9-10.9-11.8-12.1 (33.9-34.8)M
12.3-10.7-10.9-11.2-11.6-12.0 (33.9-34.8)M
12.6-10.9-10.8-11.2-11.1-12.0 (34.3-34.3)M
12.5-10.8-11.1-11.1-11.2-11.9 (34.4-34.2)M
12.3-10.7-10.9-11.2-11.3-11.7 (33.9-34.2)M
12.2-11.1-11.1-11.0-11.5-12.0 (34.4-34.5)M
12.0-10.7-10.8-10.7-11.2-12.4 (33.5-34.3)M
12.3-10.6-10.8-11.2-11.9-12.3 (33.7-35.4)H
11.9-10.8-10.9-11.0-11.7-12.2(33.6-34.9)H
12.2-11.1-11.1-11.2-11.0-11.5(34.4-33.7)M

スプリント戦にしては意外にもハイペースになっておらず、どの年も前半と後半がほとんどイーブンなペースで流れていることが分かる。京都の1200mコースは、スタートから最初のコーナーまでの距離が316mと長くも短くもない。3コーナーの丘を越えると、あとはゴールまで下り坂が続く。

一見、先行馬に有利な短距離戦に思えるが、実はそうでもない。前半が遅く見えるのは、スタートしてから第1コーナーまでが登り坂になっているから。ここで少しでもオーバーペースで行ってしまった先行馬は、最後の直線で脚が止まるのだ。2010年は前半よりも後半の方が速い、スローに極めて近いペースになったため、先行馬が押し切ってしまったが、基本的には中団よりやや後方で脚を溜める馬が有利になる。

■2■休み明けの馬は割引
厳寒期の始動戦という意味合いもあって、休み明けの一流馬たちは無理をして仕上げてはこない。その上、重いハンデを課せられるので、苦戦を強いられることになる。対して、2ヶ月以内にレースを使っている馬たちは、コンディションを維持しており、ハンデもそれほど重くはないはずで、一流馬相手にも好走が可能となる。ちなみに、開催時期が2月下旬に変更になって以来、過去10年の連対馬でアルティマトゥーレ以外の全馬ともに、前走で昨年の12月以降のレースに使われていた。前走からの間隔が開きすぎている馬は割り引いて考えた方が賢明か。

■3■淀短距離S組は負けた馬に妙味あり
番組のローテーション上、淀短距離Sが最も有力なステップレースとなる。ところが、淀短距離S→シルクロードSという連勝は、昨年のファイングレイン以外にはない(それまでは2着が最高)。それは淀短距離Sが別定戦で、シルクロードSがハンデ戦であることと関係があるだろう。淀短距離Sで負けて、ハンデが軽くなったシルクロードSで勝つというパターンはこれからも続くだろうし、その逆もまた然りである。

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再掲「武豊論」:日本一“押せる”ジョッキー

Ikkannpo by M.H

サラブレッドのスピードは、「一完歩の長さ(ストライド)×頻度(ピッチ)」で決まる。もちろん、疲労してバタバタになった馬は脚が伸びないように、同じ馬でも状況によって一完歩の長さは変わるが、走る頻度(ピッチ)が同じであれば、当然、一完歩(ストライド)を長く走った馬の方が先にゴール出来る。

一完歩の長さ(ストライド)は馬の持って生まれた肉体的特徴によるところが大きいのだが、数センチ位の長さであれば、実は騎手の技量によって補うことが出来るのだ。ゴール前1ハロンの完歩数は平均27完歩であり、もし一完歩が10cm長くなったとすると、27完歩×10cm=270cmで2.7m。つまり、ゴール前1ハロンだけで、なんと1馬身の差が生じることになる。このことからも、一完歩を少しでも長く走らせることが、一流騎手の仕事だといっても過言ではないだろう。

日本のジョッキーでは、やはり武豊騎手が、この一完歩を少しでも長く走らせる技術に長けている。たとえば、ロジックを勝利に導いた2006年のNHKマイルCのラスト1ハロンには、武豊騎手の馬を伸ばす技術が凝縮されているといってよい。あれだけの接戦の中で、ほとんど鞭を使うことなく、馬の走るリズムに合わせて、ストライドを少しでも長く走らせることに集中している。そのストライドのわずかな差が、ゴール前のクビの差に結果的につながっているのである。もし他の騎手であったら、負けていても不思議ではなかったレースである。

日本では馬を“追う”というが、海外では“押す(PUSH)”という。馬を“追う”とは、ムチでビシバシ馬を叩くことではなく、手綱を通して馬を“押す”ことである。もう少し具体的に描写すると、馬が着地する時に、もう何センチか先につかせることによって、一完歩を長く走らせるのである。そのためには、馬の走りのリズムに合わせて手綱を引きつけ、タイミング良く解き放つことによって、馬体を最大限に収縮させなければならない。馬のリズムを崩さないように、少しずつ重心を下げて、ストライドを長く伸ばして走らせるのである。武豊騎手は追えないという筋違いの評価があるが、全くの誤解である。あえて言うならば、武豊騎手は“押せる”騎手なのである。


追伸
このCMを観て「ガラスの競馬場」を思い出してくれたという方からメールをいただき、武優騎手に対する応援歌という意味でも再掲させていただきました。全力で追っていないため、馬を「押す(PUSH)」感覚は伝わってこないと思うが、武豊騎手の長身を馬の背に折畳んだ美しいフォームや、華麗な鞭捌きを堪能してください。メイキングの随所から、武豊騎手が日本の競馬のためにどれほどに力を尽くしてきたかが伝わってきます。だからこそ、武豊騎手は日本一の騎手なのだと思います。小田和正の歌声も最高!

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グッと馬体が張ってきたコスモファントム:5つ☆

■AJCC
コスモファントム →馬体を見る
前走は細身に映ったが、使われつつグッと馬体が張ってきた。
レース間隔は詰まっているが、逆に前走よりも調子が上がっている。
Pad5star

サンライズベガ →馬体を見る
この時期にしては毛艶が良く、休み明けの割には筋肉のメリハリもある。
ただ、立ち姿にどうしても力みがあって、筋肉に伸びがない。
Pad3star

ダンスインザモア →馬体を見る
ゆったりとしていて、全体のバランスが良く、欠点らしき欠点はない。
欲を言えば力強さが欲しいが、9歳馬とは思えない若々しい馬体を誇る。
Pad4star

トーセンジョーダン →馬体を見る
柔らかい筋肉に覆われていて、いかにもパワーがありそう。
わずかに斑点が出ているように毛艶も良く、昨年の好調を維持している。
Pad4star

ネヴァブション →馬体を見る
絶好調時の迫力は薄れ、さすがに冬毛が生えて毛艶も悪くなってきている。
今の時期の馬場は得意とするところだが、昨年秋ほどの出来にはない。
Pad3star

ミヤビランベリ →馬体を見る
やや太く見せるが、前走を叩かれて、筋肉のメリハリが戻ってきた。
特に前駆部分が力強く、冬枯れのする馬場は合っているはず。
Pad4star

■平安S
インバルコ →馬体を見る
ダート馬にしては馬体が薄く、筋肉量も少なく、体が出来上がっていない。
表情を見ても、幼さを残しているように、スムーズにレースが運べるかどうか。
Pad3star

サクラロミオ →馬体を見る
首が細く、ひ弱さは隠せないが、それでも走っているのはダート適性の高さか。
筋肉のメリハリは十分なように、この馬なりに仕上がりは万全。
Pad3star

ダイシンオレンジ →馬体を見る
ふっくらしていて、筋肉のメリハリに乏しいが、余裕残しの馬体は好感が持てる。
最終追い切りで、もうひと絞りできれば、昨年同様に力を出せるはず。
Pad4star

ピイラニハイウェイ →馬体を見る
ダート馬とは思えない線の細さで、このメンバーに入ると寂しく映る。
顔つきからは気性の素直さが見て取れ、レースでは力を出し切れそう。
Pad2star

ピースキーパー →馬体を見る
使われつつ、研ぎ澄まされた馬体は、このメンバーに入っても引けを取らない。
気の強そうな馬だけに、この馬のリズムでスムーズに走れるかが鍵となる。
Pad4star

マチカネニホンバレ →馬体を見る
重心が低く、前駆の筋肉量も素晴らしく、いかにもパワー型のダート馬である。
もう少し筋肉のメリハリは欲しいが、前々で攻める競馬ができれば勝負になる。
Pad3star


Ajcc2011wt

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ブエナビスタの壁紙を無料でプレゼントします!

Buenavista

ブエナビスタが最強の牝馬であることを「認めたい」、と私は観戦記に書いた。そんなこと最初から分かっていたよ、と言う方もいるかもしれないが、私は秋3戦での走りを見てから評価したかったのだ。松田博資調教師が天皇賞秋→ジャパンカップ→有馬記念という秋のローテーションを発表した時、ついに来るべき時が来たと感じた。なぜかというと、私にとってはエアグルーヴこそが最強の牝馬であって、その根拠は、天皇賞秋→ジャパンカップ→有馬記念という王道を走り抜いたという1点にあったからである。

過去に最強と謳われた牝馬でも、天皇賞秋→ジャパンカップ→有馬記念という3戦を走って、キッチリと結果を出した馬はエアグルーヴ以外にいない。サラブレッドの強さには2種類あって、ひとつはただ単純に他馬よりもどれだけ速く走ることができるか。もうひとつは、どれだけコンスタントにその力を出せるか。現在の競馬の体系の中で、私たちはどうしてもひとつめの強さに目を奪われがちだが、サラブレッドのとしての真価は、実はもうひとつの強さ、どれだけコンスタントに力を発揮できるかにこそある。

競馬発祥の地イギリスでは、18世紀まではヒートレースという形態で競馬が行われていた。ヒートレースとは、同じメンバーが複数回走って、同じ馬が2回もしくは3回勝利するまで勝負を続けるというものだ。1回のレースを1ヒートと呼び、短くとも2マイル(約3200m)のレースを何度も走って、勝敗が決するまで果てしなく走り続けた。あまりにも苛酷すぎて、動物愛護の観点から廃止に追いやられてしまったが、競馬の源流がここにあったのは間違いない。たった1度きりのレースでは本当の強さは証明できない。速いだけではなく、タフでなければ本当に強いとは言えない。そういう思想が基になっていたのである。

ブエナビスタは見事に天皇賞秋→ジャパンカップ→有馬記念の3戦を走り抜いた。天皇賞秋で圧倒的な速さを見せて勝利したのを皮切りに、ジャパンカップでは大外から世界レベルの馬たちをねじ伏せた。そして、最後の有馬記念では、苦しいポジションからも、3歳世代トップの実力を持つヴィクトワールピサを直線だけでハナ差まで追い詰めた。残念ながらジャパンカップは降着となったが、ブエナビスタの強さが色褪せることは全くなかった。むしろブエナビスタが魅せてくれた速さとタフさ、つまり本当の強さを際立たせる頂点のレースであったと思う。

近年では牡馬を凌ぐ牝馬が多く誕生したが、エアグルーヴやブエナビスタと比べると、本当の強さという点では物足りない。たとえば、あのウオッカでさえも、4歳時に天皇賞秋を勝ったが、続くジャパンカップは3着、有馬記念には出走しなかった。5歳時には、天皇賞秋を3着に敗れ、ジャパンカップで巻き返して勝利したものの、有馬記念の出走は鼻出血で叶わなかった。あのダイワスカーレットにしても、ラストランの有馬記念では最高のパフォーマンスを見せてくれたが、天皇賞秋はウオッカの2着、ジャパンカップには出走しなかった。両馬ともに、本当の強さを試す(試される)ことすらなかったということだ。

さらに言うと、エアグルーヴの天皇賞秋1着→ジャパンカップ2着→有馬記念3着に対し、ブエナビスタは天皇賞秋1着→ジャパンカップ1着(繰り下がりで2着)→有馬記念2着だから、もはやブエナビスタはエアグルーヴを超えたと言っても過言ではないだろう。強い3歳世代の牡馬を相手にがっぷり四つで戦ったのだから、決して相手が弱かったということはない。エアグルーヴが牡馬顔負けのベンツのように重厚な馬体を誇っていたのに対し、ブエナビスタは走るためだけに研ぎ澄まされたスポーツカーのような肉体を有している。タイプこそ大きく違え、同じ物差しで計ってみると、ブエナビスタが本当に強い馬という存在であることに異論はなくなる。

その本当の意味での強さは未来にも受け継がれるだろう。男馬の肉体になってしまったから良い仔は出せないだろうと言われたエアグルーヴから、アドマイヤグルーヴ、ポルトフィーノ、フォゲッタブル、ルーラーシップ、そしてグルヴェイグらが生まれた。ブエナビスタも父スペシャルウィーク、母ビワハイジから受け継いだ速さとタフさを、その仔たちへと伝えていくことだろう。本当の強さは、血を通して、恐ろしいほどに遺伝してゆき、名牝系として後世に語り継がれるに違いない。そうして、ブエナビスタとエアグルーヴの美しきヒートレースは永遠に続いていくのだ。


お知らせ
2010年の年度代表馬であるブエナビスタの壁紙を無料でプレゼントします。今回の壁紙も 、あのPhotostudとのコラボレーションになります。Photostudは2006年、2008のJRA大賞パンフレットの表紙を飾った競馬デザインユニットです。昨年度は雑誌「優駿」の表紙も飾り、毎月の連載もハイクオリティな作品ばかりですよね。

壁紙は2サイズ(「1280*800通常版」と「1366*768ワイド版」)で用意しております。ご希望の方にはどちらのパターンも差し上げますので、お気軽にお申し出ください。

壁紙をプレゼントさせていただくにあたって、アンケートにお答えいただけると嬉しいです。今回のアンケートは、「ブエナビスタに対するメッセージ」です。頂戴したメッセージは、ブエナビスタが引退するその日が来た時に、「ガラスの競馬場」に掲載させていただきます。また、掲載させていただく際のハンドルネームも教えてください。

■応募方法は以下の通りです
件名を「ブエナビスタ壁紙無料プレゼント企画」とする。
本文に、
①ご希望のサイズ「1280*800」か「「1366*768」を必ずご記入ください。
②簡単なアンケートに答えください。
「ブエナビスタに対するメッセージ」
③「ガラスの競馬場」に対するご意見やご感想も教えてください。
④掲載させていただく際のハンドルネームを教えてください。

内容が確認でき次第、壁紙画像(JPG)を添付して返信いたします。

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・応募期間は設けませんので、希望の方はその時に応募ください。
・メールアドレス(個人情報)を第三者に開示をすることは決してありません。
・画像の著作権はPhotostudが所有します。また、商用目的の無断複製、転載を禁止します。

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AJCCを当てるために知っておくべき3つのこと

Ajcc

■1■やっぱり前に行ける馬が有利
12.7-11.3-11.9-11.6-11.7-11.9-11.8-12.1-12.0-12.2-12.2(59.2-60.3)H
13.0-11.6-12.5-12.0-12.2-12.0-11.9-12.1-12.0-11.6-12.3(61.3-59.9)S
13.0-11.3-12.3-11.9-11.7-11.7-11.8-12.1-12.0-12.0-13.0(60.2-60.9)M
12.7-11.3-12.7-12.3-12.2-12.1-12.1-12.2-11.8-11.9-12.3(61.2-60.3)S
12.3-11.8-12.5-12.2-12.7-12.4-12.0-12.1-11.6-11.7-12.6(61.5-60.0)S
12.3-11.3-12.7-12.2-12.0-12.4-12.4-12.2-11.9-11.2-12.0(60.5-59.7)M

前半が上りで、後半が下りというアップダウンの影響も大きいのだが、過去6年間のラップタイムを見るだけで、スローペースになりやすいことが分かる。同じ条件で行われるオールカマーほど極端ではないが、それでもやっぱり前に行ける馬が有利になる。

■2■長くいい脚を使えるタイプ
中山2200mコースの特性として、第2コーナーから最終コーナーにかけて、フォルスストレート(偽直線)を約500m下って最後の直線に向かうことになる。ラスト1000mのラップが速いのはそういうことでもあり、良い脚を長く使えるタイプの馬に適した舞台である。過去の勝ち馬を見てみると、マツリダゴッホしかり、ネヴァブションしかり、瞬発力勝負では分が悪いが、スピードを持続させる力に富んだ馬が強い。

■3■イマイチくんを狙え
古くはマチカネタンホイザやマチカネキンノホシから、最近ではエアシェイディなど、大レースではあと少しパンチ力が足りない馬たちが、AJCCでは見事に勝ち切ったケースが多い。時期的にG1級の馬が出走してこないことで出番が回ってくること、そして、現代の主流の瞬発力とスピードではなく、スタミナとパワーという反対のベクトルを問われるレースになりやすいことが理由として挙げられる。他のレースではなかなか勝ち切れなかったイマイチくんをここで狙ってみるのも面白い。

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集中連載:「パドックの見方を極める」第15回

Paddock14_2■「鼻鳴らし」と「いななき」
音を発することは、言葉のない馬同士の交信には欠かせない行為であり、馬が発する音にはたくさんの種類がある。ただし、競馬場のパドックで読み取ることのできる音に限定すると、「鼻鳴らし」と「いななき」の2種類ではないだろうか。

まず、「鼻鳴らし」は危険を伝えるために使われる。口は閉じたままで、鼻に思い切りブワっと空気を送り込むことによって、鼻孔が振動してブルブルという音が0.8秒~0.9秒ほど持続する。「鼻鳴らし」をする馬は、好奇心と恐怖心の葛藤状態にある馬である。これから行動を起こす準備として自分の気管をすっきりさせると共に、群れの仲間に危険があるかもしれないという警告を発するのだ。また、雄馬が他の雄馬に挑戦するときにも鼻鳴らしは行われる。つまり、パドックで「鼻鳴らし」をしている馬を見たら、これから行われるレースに対して、興奮と恐怖を感じていると考えてよい。

もうひとつの「いななき」も、防御的な合図である。新馬戦のパドックでいなないている若駒をよく見かけるが、あれは初めての場所に連れてこられて、不安で仕方ないからである。不安な気持ちが昂ぶって、「誰か~!」と叫び出したくなった経験は私たちにもあるのではないか。また、相手に対して、やめないと報復を受けることになるぞ、というほのめかしにもなる。いななきが高く、しかも大きくなるにつれ、「やめろ!」という攻撃的な意味が強くなる。

マイルCS、安田記念、スプリンターズSなどG1レースを5勝し、20世紀最強のマイラーとの誉れ高いタイキシャトルは、パドックでいななく癖があった。パドックに現れた瞬間に、高く大きくいななき、それから周回を始めるのだ。ライオンのような風貌でもあり、あれだけの圧倒的な強さを誇っていた馬だから、まるで百獣の王がレース前に「オレが王様だ!」と一喝しているようであった。フランスのジャック・ルマロワ賞では、直前で蹄鉄が外れるというアクシデントで人間がパニックになっていたところ、タイキシャトルがいつもどおりパドックの入り口でいなないてくれたことで、陣営は我に返ることができたという逸話もあるほどだ。

ただし、タイキシャトルのように他馬を威圧するいななきを発する馬は稀である。ほとんどの馬は極度の興奮や不安を抑え切れずにいなないてしまう。「鼻鳴らし」と同じことだが、その馬の精神的な弱さや若さが、音を発するという形で現れてしまうということである。だからこそ、私は鼻鳴らしをする馬やいななく馬の馬券を買うことはまずない。

(第16回に続く→)

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平安Sを当てるために知っておくべき3つのこと

Heians

■1■ペースにかかわらず先行馬有利
1分50秒を切ることもあるように、スピード決着になりやすい。ラップ構成は、以下のとおり、スロー~ハイペースまでランダムだが、どのようなペースになっても前に行った馬にとっては有利な展開になりやすい。昨年は極端なスローになり、瞬発力に優るメイショウトウコンとサンライズバッカスが差し込んだが、基本的には前々で攻められる馬を狙うべき。

12.2-11.5-12.3-12.0-12.2-12.2-12.0-12.3-13.0(48.0-49.5)H
12.4-11.7-12.7-12.3-12.6-12.3-12.4-12.4-12.5(49.1-49.6)M
12.2-10.7-12.8-12.4-12.8-12.7-12.1-12.2-12.4(48.1-49.4)H
12.2-11.2-13.0-12.8-12.8-12.7-12.0-11.5-12.0(49.2-48.2)S
12.3-11.5-13.4-12.9-12.1-12.2-11.8-12.3-12.5(50.1-48.8)S
11.9-11.2-12.4-12.5-13.1-12.6-12.0-12.6-12.8(48.0-50.0)H

また、京都1800mは第1コーナーまでの距離が286mと短い。そのため、馬群が十分に固まらないうちに1コーナーに突入し、外枠の馬は外を回されてしまう確率が高い。スローに流れやすい展開やフルゲートになりやすいことも考えると、経済コースを回って競馬ができる内枠の馬が有利になることは間違いない。

■2■粘り込めるミスタープロスペクター系、ロベルト系が強い
平成14、15年と逃げ切ったスマートボーイはトップサイダー系アサティスの産駒だが、過去12年間、それ以外のレースの勝ち馬はミスタープロスペクター系(5頭)もしくはロベルト系(5頭)から出ている。スピード決着になりやすく、先行して粘りこむ競馬になりやすいことが大きな理由である。ただし、京都1800mはごまかしの利かないコースなので、スタミナに不安のある馬では厳しい。そういった意味では、もちろんダート1800mでの実績も必要である。

■3■実績馬に有利なレース
グレード別定戦であるため、それほど重い斤量を課せられない実績馬にとって有利なレースになる。とはいえ、58kg、59kgを背負って馬券圏内に入った馬はいないように、あまり重い斤量を背負う馬は苦しくなくなる。

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お馬さんがいっぱい

もし上手く絵が描けたならば、私は競馬の絵を描いていただろう。日常の中で行われる非日常な世界を、美しく切り取って描きたいと思ったに違いない。小さな頃はマンガ家になりたいと思ったこともあったけど、いつのまにか世間に絡め取られて、絵を描くことなどしなくなってしまった。

自分の子供を見て、人は字を書いたり読んだりするよりも先に、まず絵を描くということを知った。自分に見えている世界を自分の手で再生する行為は、誰にとっても自然であって、誰しもが本来は持っている能力なのであろう。だからこそ、いつの間にかその能力を失ってしまった私は、絵を描くことのできる人に対して、羨望や尊敬の念を抱いてしまう。

どんな場面でも 僕の絵には必ず君が描かれていて
目を閉じたまま深呼吸してみれば分かる
君はいつも 僕のノートに
「Drawing」 詞:Kazutoshi Sakurai

「お馬さんがいっぱい」のもんぺさんは、お馬さんを心の拠りどころにして、中央、地方競馬を問わず、馬のイラストを描いている。もんぺさんに描かれるお馬さんたちは、コミカルで表情豊かで、つい微笑んでしまいたくなるほど個性豊か。そして、何よりも素敵だなと思わせられるのは、勝った馬やジョッキーだけではなく、負けてしまったその他大勢の馬たちも、きちんと描いてあげていること。負けた馬には負けた馬のドラマがあるのだ。そして、安藤勝己騎手とキングカメハメハ産駒を応援していることにもシンパシーを感じざるを得ない。だって、私もそうだから。

■「お馬さんがいっぱい」はこちら
Oumasangaippai
ご覧になってホッコリしてみてください。

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幼さが抜けてきたルーラーシップ:5つ☆

■日経新春杯
ビートブラック →馬体を見る
付くべきところに筋肉がつき、馬体全体のバランスも良くなってきている。
菊花賞でも好走したが、胴部がそれほど長いわけではないので今回は適距離か。
Pad4star

ゲシュタルト →馬体を見る
力強さという点では物足りないが、一時期の不調から立ち直ってきている。
表情にも覇気が戻ってきていて、現時点でのこの馬の力は出せそうな仕上がり。
Pad3star

コスモヘレノス →馬体を見る
腹袋の大きい体型だが、馬体に力みがなく距離延長にも対応している。
穏やかな表情がいかにもステイヤーで、光る毛艶は調子の良さを物語っている。
Pad4star

ナムラクレセント →馬体を見る
筋肉のメリハリも良く、毛艶もこの時期を考えると良好で、調子自体は良さそう。
あとは顔つきからも分かる気性の難しさがレースに行ってでなければ。
Pad3star

ルーラーシップ →馬体を見る
前走時に比べても、さらに絞り込まれて、馬体から少しずつ幼さが抜けてきた。
毛艶も抜群で、叩き3戦目でようやく完全に仕上がった。
Pad5star

ローズキングダム →馬体を見る
取り消しをした前走が抜群の毛艶の良さだっただけに、今回はややトーンが落ちる。
パワーアップは確かだが、昨秋からレースを使われてきており、さすがに上積みはない。
Pad3star

ヒルノダムール →馬体を見る
絞り切れないのか、古馬になって馬体が大きくなったのか、いつもより大きく見せる。
さすがに時期的に毛艶はくすんできたが、調子落ちはなさそう。
Pad3star

■京成杯
ヌーベルバーグ →馬体を見る
いかにも牝馬らしい、ディープインパクトの仔らしい、線の細い繊細な馬体。
今の時期の馬場に必要なパワーは感じないが、素直そうな表情には好感を持てる。
Pad3star

コウヨウレジェンド →馬体を見る
前駆の勝ったタイプで、体型的にも距離は2000mぐらいがベストか。
気の強そうな表情で、すんなりと先行できればチャンスはありそう。
Pad3star

ショウナンパルフェ →馬体を見る
アグネスタキオン産駒らしい、ごく平均的な馬体で強調材料はない。
闘争心が強そうで、馬体に欠点がないことがこの馬の美点である。
Pad3star

ユウセン →馬体を見る
線の細さを感じさせる馬体は、いかにも成長途上であることを示している。
距離が伸びて良さそうだし、現時点でどこまでやれるかで将来も楽しみになる。
Pad3star


Nikkeisinshunhai11wt

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京成杯を当てるために知っておくべき3つのこと

Keisseihai

仕上がりが遅くて重賞路線に乗り切れなかった馬や、あと一歩のところで賞金を加算できなかった馬たちが出走してくるレース。勝ち馬エイシンフラッシュはダービー馬となったが、時期が時期だけに、今後のローテーションを考えて止む得なく出走してきた馬がほとんどで、基本的にはクラシックにはつながりにくい。

■1■先行馬にとって有利なレース
12.9-11.8-13.8-12.7-13.0-12.8-12.8-12.5-12.2-12.9(64.2-63.2)S
12.6-11.1-13.1-13.0-13.0-12.2-12.5-11.9-11.4-12.4(62.8-60.4)S
12.6-11.6-13.4-12.2-12.5-12.1-12.2-11.4-11.4-12.2(62.3-59.3)S
12.5-10.7-12.6-12.0-13.0-12.6-12.9-12.0-12.4-12.2(60.8-62.1)H
12.1-11.5-12.6-12.6-13.2-12.6-12.6-11.7-11.6-12.2(62.0-60.7)S
12.5-11.1-13.6-12.7-13.3-12.6-12.6-12.4-11.4-11.4(63.2-60.4)S

過去10年のラップを見てみると、13秒台のラップが続出しており、一様に中盤が緩んでいることが分かる。4つコーナーを回る中山2000m戦のコースの形態上、仕方のないことではあるが、これだけ緩むと前に行った馬にとっては明らかに有利なレースになる。スッと先行できない、器用さに欠ける馬にとっては厳しいレースとなる。

■2■パワー優先
上がり時計も掛かっていることからも分かるように、この時期の中山競馬場の馬場は、通常に比べて重く、力を要する状態になる。そのため、当然のことながら、2000mという字ズラ以上のスタミナも問われる。アドマイヤベガ、マーベラスサンデー、ステイゴールド、ブライアンズタイム、マヤノトップガンなど、ダートや長距離戦にも実績のある種牡馬の産駒が、このレースで活躍しているのも頷ける話である。つまり、スピードや瞬発力という要素ではなく、パワーとスタミナを有しているタイプの馬を狙うべきである。

■3■意外や外枠有利
道中が緩む小回りコースにもかかわらず、真ん中よりも外から発走し、馬群の外を回った馬に軍配が上がっている。これは時期的に馬場の内側が傷んで(荒れて)きているということだけではなく、まだキャリアの浅い馬たちが大勢を占めているため、外枠から外を回ってスムーズに走られた方が力を出し切りやすいということを意味している。ダービーを豪快に差し切ったエイシンフラッシュでさえも、このレースでは2、3番手の外に付けて、スッと抜け出す競馬をしていたことを忘れてはいけない。

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真の競馬人とは

いまの調教師にとって必要なのは、JRAの管理を甘んじて受け入れているだけでいいのか、という気構えである。

勝つためには、高額の良血馬を預かることも必要だが、そうした馬たちをJRAから貸し付けられた馬房に入れ、数多く出走させるために管理馬の入退厩を繰り返して、競馬に出走させるだけが調教師の仕事であっていいのだろうか。

小さな牧場から生まれた、地味な種牡馬の産駒を、自分の足と目で探し出し、G1馬に作り上げることに、調教師としての生きがいや醍醐味を感じてほしい。

サンデーサイレンスのような人気種牡馬を否定するつもりはないが、サンデーサイレンスの仔であっても、「実はこうだったんだよ」というエピソードを披露できるような、手作りの馬なのだと堂々と言えるような馬に育ててほしいのだ。

こうした意識の強い人たちに、これからどんどん出てきてほしい、と願わずにはいられない。競馬をマネーゲームだと思っている人たちに、自分はホースマンだと簡単に言ってほしくない。

日本の伝統を担い、なおかつ日本の競馬をよくしていこう、という気概を強く持った人こそ、競馬人と呼ぶにふさわしいと私は思っている。そうした競馬人がたくさん集まって、これからの日本の競馬はどうあるべきかを考え、将来の展望が開けるような会があったらいいな、と夢想してしまう。

そうした会に集うのは、調教師だけでなくてもいい。生産者も、馬主も、騎手も、厩務員も、マスコミや文化人も、ファンだっていい。

競馬を愛し、どうすれば日本の競馬がよくなるのかを、真剣に考えている人なら、だれでもいいのである。そういう人を競馬人と呼ぶのである。

そうした会がすぐにできるとは思っていない。これはもちろん夢想である。しかし、私のことを言わせてもらえば、自宅を訪れた新聞記者や、作家の人たちを、私はだれひとりとして拒否せずに受け入れ、競馬の話をして、彼らに競馬を愛してもらえるように頑張ってきた。

作家の人たちが、競馬とは縁のない雑誌などで、競馬の話題を書いてくれるようになったときは、本当にうれしかった。

いま、競馬人としての誇りを、みんなで話し合えるような会を作っていけたら、こんな素晴らしいことはない。
(「口笛吹きながら」)

Nohirayuuji


佑ちゃん先生は大切なことしか言わなかったが、大切なことは何度でも言った。競馬は文化であり、スポーツである。単なるギャンブルではない。ギャンブルだけでは競馬は滅びてしまう。競馬をマネーゲームにしてはならない。祐ちゃん先生はそう語り続けた。ギャンブル一辺倒からの脱却の実現のために、またマネーゲームに陥りがちな日本の競馬に警鐘を鳴らすために、人生の大半を捧げてきた祐ちゃん先生にとって、果たして真の競馬人とはどういう人を指すのだろうか。

その答えがここにある。日本の伝統を担い、なおかつ日本の競馬をよくしていこう、という気概を強く持った人こそ、競馬人と呼ぶにふさわしいと。どんな形でも、誰であってもよい。馬券だって、必勝法だって、サンデーサイレンスへの傾倒だって、どれもが日本の競馬の文化であり伝統である限り、否定することは全くないし、それらがなければ日本の競馬がここまで発展することなく、滅びてしまっていたかもしれない。むしろ肯定すべきなのである。

たとえば、サンデーサイレンスが日本馬を国際レベルに押し上げ、外国産馬の流入を防いだことは事実である。サンデーサイレンスの革命的な血がなければ、私たちは海外への挑戦から目を逸らし、もっと閉鎖的な競馬を粛々と営んでいた可能性だってある。そうこうしているうちに、内国産馬は強い外国産馬に駆逐され、現在の香港のように、自国でサラブレッドを生産することすらなくなっていたかもしれない。

一方で、サンデーサイレンスは持てる者と持たざる者との間に大きな溝を生み出した。G1レースの顔ぶれを見れば分かるように、今の日本の競馬で夢を見ることができるのは、ごく一握りの人たちだけなのである。あまりにもハンデ差が大きい市場において、競争原理を求めることは難しい。サンデーサイレンス亡き今でも、その後継種牡馬たちやサンデーを母父に持つ馬たちが大手を振って活躍する状況は変わらない。

つまりはバランスの問題なのである。どちらかに傾きすぎると、競馬が本来持っている美しい形が壊れてしまう。ともすると、私たちは分かりやすいマネーゲームやギャンブルに加担してしまう傾向がある。だからこそ、数字や記号だけに目を奪われていないか常に意識しておくべきだし、誰かが声を上げて、マネーゲームやギャンブルではない方向に揺り戻しをかけるべきなのだ。祐ちゃん先生が「競馬は文化でありスポーツである」と語り続けたのは、流されやすい人間の性質をよく知っていたからであろう。

それは真の競馬人に対する激励でもあった。祐ちゃん先生は、中山競馬場近くの自宅にあらゆる人々を招きいれ、多くの競馬人を輩出し、競馬人の輪を大きく広げた。祐ちゃん先生の日本の競馬に対する功績は果てしなく大きい。現に私も祐ちゃん先生に育てられたひとりである。私の競馬観のほとんどの部分は野平祐二によって形づくられた。調教師や生産者、馬主、騎手、厩務員、マスコミ、文化人、そして競馬ファン。競馬を愛し、どうすれば日本の競馬がよくなるのかを、真剣に考えている人たちが集い、祐ちゃん先生に教えてもらった競馬人としての誇りを、みんなで語り合えるような場があればと心から思う。そんな場を私も夢想している。


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「半熟卵の冒険」:ギャンブルとしての競馬を肯定するには

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日経新春杯を当てるために知っておくべき3つのこと

Nikkeisinsyunhai

京都の2400mはスローの瞬発力勝負になりやすい典型的なコースである。スタートしてから最初のコーナーまでが597mとかなり長いため、無理な先行争いもまずなく、1コーナーに入るとひと息入る。最後の直線が長いことを考えると、向う正面で自ら動く馬もさほどおらず、通常、各馬が動き始めるのは丘の坂下から。そこからラスト4ハロンの上がり勝負になる。

実際に過去10年間の日経新春杯のラップタイムを見てみると、その傾向がよく分かる。

2001年 ステイゴールド
12.4-11.3-11.8-13.1-13.2-12.6-12.4-12.4-12.0-11.7-10.8-12.1(74.4-71.4)S
48.6-50.6-46.6
2002年 トップコマンダー
13.1-11.9-11.8-13.0-12.5-12.4-12.4-12.6-11.8-11.6-11.5-11.8(74.7-71.7)S 
49.8-49.9-46.7
2003年 バンブーユベントス 
12.6-11.6-11.7-13.0-12.8-12.4-12.4-12.2-11.9-12.0-11.0-12.2(74.1-71.7)S 
48.9-49.8-47.1
2004年 シルクフェイマス
12.8-11.2-11.4-12.3-12.1-12.3-12.7-12.5-12.1-11.6-11.8-11.7(72.1-72.4)M 
47.7-49.6-47.2
2005年 サクラセンチュリー 
13.0-12.2-12.2-13.8-12.9-12.9-13.2-12.9-11.8-11.5-10.8-11.8(77.0-72.0)S
51.2-51.9-45.9
2006年 アドマイヤフジ
12.6-10.9-11.3-12.7-12.4-12.5-12.7-12.7-12.2-11.7-12.0-12.6(72.4-73.9)H
47.5-50.3-48.5
2007年 トウカイワイルド
12.5-11.2-11.0-13.0-12.8-13.0-13.8-12.8-11.7-11.7-11.6-12.3(73.5-73.9)M
47.7-52.4-47.3
2008年 アドマイヤモナーク
12.5-11.4-11.3-12.7-12.8-12.6-12.5-12.3-11.9-12.2-12.2-13.0(73.3-74.1)M
47.9-50.2-49.3
2009年 テイエムプリキュア
12.7-11.3-11.7-12.7-12.7-12.6-12.6-12.1-11.6-11.9-11.9-12.8(73.7-72.9)M
48.4-50.0-48.2
2010年 メイショウベルーガ
12.7-10.3-11.0-12.4-12.5-12.4-12.3-12.9-12.1-11.9-12.1-11.8(71.3-73.1)H
46.4-50.1-47.9

前後半1200mのラップタイムから判断すると、ハイペースとなったのは2006年と2010年だけで、それ以外の年は、ミドル~スローペースとなっている。何よりも注目すべきは、前半中盤後半に分けた800mずつのラップタイムである。京都2400m外回りで行われる日経新春杯の特徴的な流れとして、「緩緩速」というリズムのレースが多く目立つことが分かる。全体的に緩みのなかった2000年や、「速緩速」の中緩みの2004年、2007年、重馬場で行われた一昨年以外は、前半も中盤も遅くて後半だけが速いという、典型的な上がり4ハロンの競馬になっている。

以上のことから、3つのポイントが導き出される。

①内枠有利
②上がりの競馬に強い馬
③サンデーサイレンス直仔の産駒

①の内枠有利は言うまでもない。道中がこれだけスローに流れやすい以上、4つのコーナーで外々を回されてしまう外枠を引いた馬はロスが大きいということである。すんなり前に位置できる脚質の馬であれば大した問題ではないが、ギリギリまで脚を溜めて瞬発力勝負に賭けたい差し馬にとっては、内枠は願ったり叶ったりの枠になる。

3コーナーの丘の坂下から一気に動き始めるレースになりやすい以上、追っつけて伸びるような馬ではなく、一気にトップギアに入り、②上がりの競馬(ラスト4ハロンのスピード勝負)に強い馬にとって有利になる。スタミナよりも、折り合いさえつけばスピードの爆発力の方が問われるということである。

そういった意味において、③のサンデーサイレンス産駒が得意とする舞台であることが分かる。昨年以降のサンプルは少ないが、その前の4年間では勝率15%、連対率26%という圧倒的な数字を残していた。また、一昨年はアドマイヤベガ産駒から勝ち馬が出たように、瞬発力に富んだサンデーサイレンス直仔の産駒にも期待が出来るだろう。

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さあ、祭りが始まる。

Deepimpact2011_3 by Scrap

ディープインパクトは新種牡馬として記録づくめのデビューを飾った。10月1週からなんと11週連続で新馬戦からの勝ち馬が生まれ、2歳種牡馬としての「勝ち馬頭数」は26頭、「勝利数」は31勝、獲得賞金は4億円を超えた。あの大種牡馬サンデーサイレンスを超え、アグネスタキオンを抑え、そして、昨年のリーディングサイヤーであるキングカメハメハを抜き去ったことになる。これだけの数字を見せられては、ディープインパクトが種牡馬としても超一流の道を歩み始めたことに、異論を挟む余地はない。

いや、それだけではない。新種牡馬として最高のスタートにしか見えていないとしたら、それは大きな勘違いであろう。その兆候はすでに昨年末に現れ始めた。ディープインパクト産駒は2勝目がなかなか出来ない、重賞に手が届かないと言われた時期もあったが、朝日杯フューチュリティS(G1)では産駒が2着、3着に入り、翌週のラジオNIKKEI賞(G3)ではダノンバラードが産駒として初めての重賞を制覇した。少し時間は掛かったが、産駒には成長力と底力が備わっていることを示してみせたのである。

それもそのはず。ディープインパクトの母系に流れる血脈を見ると、明らかに底力と成長力に優れた、しかもステイヤーのそれである。6代母のフェオラの孫から、ラウンドテーブル、オリオールという2頭の歴史的名馬が誕生し、種牡馬としても今日のサラブレッドに大きな影響を与えている。また、5代母であるハイペリカムは英1000ギニーを勝ち、曾祖母にあたるハイクレアも英1000ギニーと仏オークスを制した。このハイクレアの系統からナシュワン(英ダービー)やネイエフ、そしてディープインパクトの母であるウインドインハーヘア(英オークス2着)などの一流馬が続出した。

さらに言うと、ディープインパクト自身が、最後の引退レースで最高の走りをしたように、成長力に富んだステイヤーであった。最後の有馬記念の4コーナーで披露してくれた次元の違う加速力を、今でも思い出すことができる。クラシックを制したレースでも、古馬になってからのレースでも、十分すぎるほどに強かったが、最後の有馬記念であれだけ強かったことが何よりも驚きである。もし翌年も現役を続けていたとしたら、世界の競馬史を塗り替えていたのではないか。

ディープインパクトの種牡馬としての成功を信じていた者も、またそうではなかった者も、結局のところ、聞こえていた太鼓の音の強弱の問題でしかなかった。近づいてくる太鼓の音がはっきり聞こえていたのか、それとも微かにしか聞こえていなかったのか。ディープインパクトから成長力とスタミナを受け継いだ産駒たちが、クラシックに向けて急激に力を付け、距離延長を味方にして台頭してくるはず。その勢いは誰にも止められない。かつてのサンデーサイレンスがそうであったように、ディープインパクトの仔たちが次々と主要な重賞レースを独占する日は近い。競馬ファンが口々に、「またディープインパクト産駒か!」という囃(はや)す声が聞こえるようだ。さあ、祭りが始まる。


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フェアリーSを当てるために知っておくべき3つのこと

Farys

■1■内枠から前に行ける馬が有利
昨年の1~3着馬を見てみると、全て内枠の馬であることが分かる。中山マイル戦は外枠不利という定説があるように、スタートしてからすぐに右へ急激にコーナーを曲がるコース形態のため、外であればあるほど距離ロス(スタミナロス)は大きい。力の付き切っていない3歳牝馬だけに、ちょっとしたロスがゴール前でこたえる可能性は高い。また、一昨年の3着に10番人気のグッデーコパが粘ったように、直線が短いコース形態を考えると、やはり前に行ける馬が有利である。内枠から前に行ける馬を狙いたい。

■2■1600m以上の経験馬(スタミナも問われる)
これも昨年の1~3着馬を見てみると、前走は1600m以上のレースを走っていることが分かる。フェアリーSが1600mに変更されて、クラシック(桜花賞やオークス)を睨む素質馬が出走してくる以上、スピードタイプの牝馬は苦戦を強いられることになる。ごまかしの利きやすいコースではあるが、スピードだけで押し切ることは難しい。急坂を登って、最後に問われるのはスタミナと底力というレースになるだろう。

■3■牡馬を相手に勝ち上がってきた馬
同じ新馬戦を勝つにしても、牝馬同士ではなく、牡馬を相手に勝ち上がってきた馬の方が強いのは当然である。牡馬と戦うことには、時計やラップには表れない厳しさがある。クラシックを見据えての厳しいレースとなる以上、牝馬同士の新馬戦を選んで勝ち上がってきた馬よりも、牡馬を相手に勝ちあがってきた、もしくは好レースをしてきた馬を狙いたい。

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シンザン記念を当てるために知っておくべき3つのこと

Sinzankinen

■1■朝日杯フューチュリティS好走組優位
この時期に行われる3歳重賞ということもあって、朝日杯フューチュリティSで結果を出せなかった居残り組みと、これから上を目指す素質馬のぶつかり合いという図式となる。過去10年の戦績から見ると、完成度が高い朝日杯フューチュリティS組が5勝と有利で、特に朝日杯フューチュリティSで好勝負していた馬が順調に出走してくれば、ほぼ間違いなく勝ち負けになる。

■2■前々で競馬が出来る瞬発力に富んだ馬
同じ時期の同条件で行われる京都金杯と比べ、頭数が少なくなることもあって、ペースはスローに落ちることが多い。開幕2週目で前が止まりにくい馬場であることも含め、前々で競馬が出来る瞬発力に富んだ馬にとってはレースがしやすい。

また、この時期の3歳馬にとって、京都の外回りマイル戦は厳しいレースである。よって、1600mの距離を走ったことのない馬にとっては苦しいレースとなることは避けられない。ちなみに、連対馬20頭中19頭に1600m以上の出走経験があった。

■3■素質馬が集まるジョッキーに変化あり
武豊騎手が過去12年で5勝と圧倒的な勝率を誇っている。平成19年も武豊騎手から岩田騎手に乗り替わったもののアドマイヤオーラが勝ったように、武豊騎手にこの時期の素質馬が集まりやすいことが考えられる。ただし、岩田康誠騎手と安藤勝己騎手のワンツーが連続したように、その流れも4年前あたりから少しずつ変わってきている。もう少し生々しく言うと、各陣営の武豊離れが進んできている(武豊騎手一辺倒ではなくなってきているということ)。ここ最近で勢いのあるジョッキーに乗ってみるのもひとつの手かもしれない。

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シッカリと筋肉が詰まったサンディエゴシチー

アクシオン →馬体を見る
明けて8歳馬とは思えない、若々しく、バランスの取れた馬体を誇る。
昨年の金杯ほどの迫力はないが、毛艶も良く、力は出せる出来にある。
Pad4star

コスモファントム →馬体を見る
馬体に伸びがあって、外国産馬にありがちなマッチョさはない。
いかにも素直そうな表情からも、大崩れはなく、距離は2000がベストか。
Pad3star

セイクリッドバレー →馬体を見る
使い詰めで来ているが、昨年秋から冬に比べて、馬体に張りが戻ってきた。
この時期にしては毛艶も良好で、もうひと絞りできれば完璧に仕上がる。
Pad3star

ナリタクリスタル →馬体を見る
新潟記念以来とは思えないほど、太め感もなく、きっちり仕上がっている。
毛艶も良く、素軽さも出てきたので、小回りコースも対応できそう。
Pad5star

マッハヴェロシティ →馬体を見る
前後駆のバランスは取れているが、首さしが細く、パワー不足は否めない。
顔つきからも気性は素直そうなので、思い切って逃げたら面白そうではある。
Pad3star

ミステリアスライト →馬体を見る
陽に当たって輝いて見えるが、この時期の栗毛にしては毛艶は普通だろう。
もう少し筋肉のメリハリが欲しいところで、このメンバーではワンパンチ足りない。
Pad2star

ガルボ →馬体を見る
昨年、シンザン記念を勝った時と比べても、大きな肉体的成長は感じられない。
気性は素直そうで力は出し切れるだろうが、首さしの細さが物足りない。
Pad3star

サンディエゴシチー →馬体を見る
前走でようやく復活したが、今回も非常にリラックスして立って、バランスが良い。
胴部の長さは平均的だが、シッカリと筋肉が詰まった馬体はマイル戦向きである。
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ショウリュウムーン →馬体を見る
時期的なものはあるが、毛艶は冴えず、肉体面でも大きな成長は感じられない。
筋肉のメリハリも少なく、ここはあくまでも叩き台か。
Pad2star

ライブコンサート →馬体を見る
昨年の覇者であり、やや胴の詰まった体型からもマイル戦が最も合っているはず。
もうひと絞りできそうな馬体だが、毛艶も良く、筋肉量も多く、充実している。
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リクエストソング →馬体を見る
力強い立ち姿で、前走を叩かれて、さらに良化していることが分かる。
いかにもパワータイプだけに、スピード勝負になった時が課題だろう。
Pad4star

リーチザクラウン →馬体を見る
手脚が長く、馬体だけを見ると、もっと長い距離でこそ力が発揮できそう。
ただ、気性的に燃えやすいタイプだけに、レースでどれだけスムーズに走られるかがカギ。
Pad3star


Kyotokinpaiwt2011_2

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走る女アパパネ

Hasiruonna

走ることが好きだ。足が速いとか遅いとかではなく、とにかく走ることが好きだ。走り出した時のあの身体に力が漲る感じが好きだし、苦しくなって、もうダメだと思って、それでもまだまだと自分を奮い立たせる感じも好きだ。滅多に味わうことができないランナーズハイも好きだ。そして何よりも、走っている時のひとりぼっちで考える時間が好きだ。そう、走ることで私は自由になれるのだ。

昔と比べると、まとめて走ることはなくなってしまったが、走ることが好きという気持ちは今でも変わらない。自宅から駅まで、駅から職場まで、乗り継ぎがあればそのエスカレーターや階段も走る走る。時間に追われてということがほとんどだが、そうでなくても走る。まるで遺伝子に組み込まれているかのように走る。とある宴会が終わった途端、走って帰ったら、「治郎丸くん、あれはまずいよ。まるで一刻もその場から立ち去りたかったみたいじゃないか」と翌日、上司に怒られたこともあった。もちろん、駅から競馬場まで、競馬場のゲートからパドックまで、パドックから返し馬まで。ひとりで競馬をするときは走る。競馬場で走っている男をみかけたら、それは私だろう。

サラブレッドは走るために生まれてくる。私と違って、速く走るために。ただ、必ずしもサラブレッドは走ることが好きだとは限らない。どちらかというと、走ることが好きではない馬の方が多いのではないか。自分の好きなときに、自分の走りたいペースやフォームで走るのは嫌いではないが、重たい人間に乗られ、手綱で自由を奪われ、ときにはムチで尻を叩かれて走ることが好きなはずはない。だから、角馬場に入るのを渋ったり、調教が終わると一目散に馬房に戻ろうとする馬もいる。レースに行っても、楽をしようと手を抜いて走ったり、途中で走ることを止めてしまう馬もいる。サラブレッドにとっても、走ることは苦しいのである。

「この馬は走ることを嫌がりませんね。喜んで走っている感じなんですよ」という、アパパネに対する国枝栄調教師の賛辞を聞いて、嬉しさがこみ上げてきた。いたいた、久しぶりに、自らの意思で喜んで走る馬が。しかも、クラシックの最前線で3冠を賭けて戦っていた牝馬であり、日々の鍛錬はアスリートとしては極限に達していたにもかかわらず。あの不良馬場で行われたオークスをデッドヒートで制し、燃え尽きてしまった感のあるサンテミリオンに対し、何ごともなかったかのように回復してきたアパパネの秘密はここにあったのだ。本能的に走ることが好きな馬は、精神的に燃え尽きない。そして、私たちの想像を遥かに超える走りを見せてくれる。

このことは私の大好きな馬、ブラックホークに教えてもらった。奇しくも、同じ国枝栄厩舎であり、アパパネの先輩にあたる。幾度の骨折や怪我を乗り越え、ブラックホークは4年半以上に及んだ競走生活を常に全力で走り抜けた。普通の馬なら終わってしまっているはずの状況の中、1年以上の休み明けで関屋記念に向けて調整していたブラックホークの走る姿を見て、国枝栄調教師は目を疑った。「あのクソ暑い中で調教しても元気いっぱいだった。他の牡馬は暑さにフーフーいってるのに、1頭だけうなりを上げていた。34秒台を連発して、とにかく元気がよかったよな。大した馬だなと思ったね」その後、ブラックホークはスプリンターズSを制し、安田記念でまさかの復活劇を演じ、自らの走る人生に幕を閉じた。

あの安田記念における、常識を覆された興奮と感動をもう一度味わいたい。今年、走る年男である私は、走る女アパパネを全力で応援することをここに誓いたい。


追記
2011年新春企画として、アパパネの壁紙を無料でプレゼントします。今回の壁紙も 、あのPhotostudとのコラボレーションになります。Photostudは2006年、2008のJRA大賞パンフレットの表紙を飾った競馬デザインユニットです。昨年度は雑誌「優駿」の表紙も飾り、毎月の連載もハイクオリティな作品ばかりですよね。

Apapaneimg
アパパネの可愛らしさと走ることの厳しさが同居している瞬間です。
後ろの「秋華賞」という文字が、この作品の貴重さを物語っています。

壁紙は2サイズ(「1280*800通常版」と「1366*768ワイド版」)で用意しております。ご希望の方にはどちらのパターンも差し上げますので、お気軽にお申し出ください。

壁紙をプレゼントさせていただくにあたって、アンケートにお答えいただけると嬉しいです。今回のアンケートは、「今年、あなたの応援したい馬は?」です。頂戴したメッセージは、ウオッカが引退するその日が来た時に、「ガラスの競馬場」に掲載させていただきます。また、掲載させていただく際のハンドルネームも教えてください。

■応募方法は以下の通りです
件名を「3冠牝馬アパパネ壁紙無料プレゼント企画」とする。
本文に、
①ご希望のサイズ「1280*800」か「「1366*768」を必ずご記入ください。
②簡単なアンケートに答えください。
「今年、あなたの応援したい馬は?」
③「ガラスの競馬場」に対するご意見やご感想も教えてください。
④掲載させていただく際のハンドルネームを教えてください。

内容が確認でき次第、壁紙画像(JPG)を添付して返信いたします。

→ご応募はこちらから

・応募期間は1月16日(日)までとさせていただきます。
・メールアドレス(個人情報)を第三者に開示をすることは決してありません。
・画像の著作権はPhotostudが所有します。また、商用目的の無断複製、転載を禁止します。

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10年目、そして365日

2001年10月に始まった「ガラスの競馬場」が、今年でようやく10年目を迎えます。競馬に関わる仕事がしたくて、初めて勤めた会社を退社したにもかかわらず、何もすることができない閉塞感の中で、苦し紛れにホームページを始めました。初めての観戦記をアップした夜、空を見上げると満月が浮かんでいて、あの時の希望に満ちた気分を今でも昨日のことのように思い出します。自分のために自分に向かって書き始めたブログですが、たくさんの方々に励まされながら、ここまで続けることができました。ありがとうございます。

今年は10周年記念ということで、新しい競馬の雑誌「ROUNDERS」を創刊します。いつまでも手元に残しておきたいと思える雑誌を、たくさんの人々と共に創って、たくさんの人々に届けたいと思います。個人的には、全国各地でライブを開催したり、Twitterも始めたいなあと思っています。そうして今年も、毎日、365日、皆さまと一緒に競馬を楽しめたらいいですね。

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