« 産経大阪杯を当てるために知っておくべき3つのこと | Main | パワーが漲っているペルーサ:5つ☆ »

もうこれ以上は走れないだろう


高松宮記念2011―観戦記―
ヘッドライナーが押して先頭に立ち、ダッシャーゴーゴーが外から被せるような形で強引に番手を取りに行った。前半の600mが33秒6、後半が34秒3だから、このクラスとしてはほぼ平均ペース。3コーナー手前でゴチャつく場面はあったが、ダッシャーゴーゴーが早めに動いたことにより、最後は力と力がぶつかり合う、実力が素直に反映されたレースとなった。

勝ったキンシャサノキセキは正攻法の競馬をして、成長著しい4歳馬をねじ伏せた。8歳という年齢が心配されはしたが、このメンバーでは一枚力が上だったということだ。昨年の高松宮記念後は疲れが出て、立て直しに時間が掛かったが、前走をひと叩きされ、当日の馬体重がマイナス10kgと、今回のレースに賭ける陣営の想いが伝わってくるような究極の仕上げであった。およそ6年間にわたって激戦を走り抜いてきたキンシャサノキセキに敬意を表すると共に、もうこれ以上は走れないだろうという思いもあり、最高のタイミングでの引退だったと思う。

キンシャサノキセキを勝利に導いたウンベルト・リスポリ騎手は、震災後も日本に残り、騎乗し続けたことの正しさを、自らの手綱で証明してみせた。若干22歳にして、この冷静かつ緻密な手綱捌きを見るにつけ、デットーリ騎手、デムーロ騎手に続き、またしてもイタリアから超のつく新星が現れたことを確信した。今回のレースで言うと、ゴチャついた場面において、狭いところを引っ張らずに前に出た一瞬の判断が素晴らしかった。あらゆる面において、パーフェクトな騎乗をしてくれるので、ウンベルト・リスポリ騎手の馬券を持っていると安心できる。

サンカルロは決してスムーズなレースとは言えなかったが、最後まで脚を伸ばし続けた。直線で外に出すことができず、馬群を縫って追い込んできたように、周りにいる馬を気にしない強いメンタルの持ち主である。その激しさは、脆さと表裏一体ではあるが、今回は良い方向に出た。この馬の持てる力を出し切った。

アーバニティもレースの流れに乗り、力を出し切った。最もスムーズに気持ちよく走られる1200m戦が、この馬には合っているのだろう。また、この馬のリズムを優先して走らせた四位騎手の好騎乗でもある。綺麗に馬に負担を掛けずに乗るのは本当に上手い。

1番人気に押されたジョーカプチーノは、行き脚がつかず行き場を失い、なおかつ差して切れる脚があるわけでもなく、結果的には中途半端なレースとなってしまった。前走は展開がハマった感があり、たとえ1200m戦が4戦4勝であったとしても、決してスプリンターではないはず。この馬の平均的なスピードが活かせるのはマイルの舞台である。

ダッシャーゴーゴーは、スプリンターズSに続く降着で11着となった。切れる馬ではないので、早めに動いて粘り込もうという作戦だったのだろうが、川田将雅騎手は勝ちたいという思いが強すぎて、全体が見えていなかった。積極的に勝ちに行くことでキャリアを切り拓いてきたジョッキーではあるが、さすがに今回の騎乗は目も当てられない。ジョッキーは最後のバトンを受けて、無事にゴールまで運ぶ役割があることを忘れてはいけない。ダッシャーゴーゴー自身は、昨年に比べ、幼さが抜けて、逞しい馬体に成長してきている。もともと素質は高かったが、さらに力をつけてきていることは確実で、キンシャサノキセキが引退した後のスプリント界を背負うのはこの馬であろう。

現在のランキング順位はこちら

|

Comments

Post a comment