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1日でも長く乗っていてほしい。


桜花賞2011―観戦記―
フォーエバーマークが押してハナを切り、前半46秒7―後半47秒2という、ごくごく平均的なペースでレースは流れた。長い直線を考えると、各馬の実力が素直に反映しやすい、展開による有利不利のほとんどないレース。最後は末脚の有無が勝負を分け、上がり3ハロンを34秒台前半でまとめた上位3頭の強さが目立った。

勝ったマルセリーナは、ディープインパクト産駒として、初のG1制覇となった。クラスが上がってから勝ち切れない点を指摘されつつあったが、いきなりG1レースを制して私たちに衝撃を与えてくれた。やはり、こうでないとディープインパクトらしくない。マルセリーナ自身は、コンパクトにまとまった馬体から、父譲りの圧倒的な末脚を繰り出して、ゴールまで真一文字に伸びた。レベルの高かったエルフィンSを楽勝しただけのことはある。トライアルレースを使わず、慌てず焦らずじっくりと仕上げられたことで、馬体も充実していた。今回は折り合いも教えながらの勝利だっただけに、オークスに向けて期待は大きい。

安藤勝己騎手は、さすが大一番に強いところを見せてくれた。クラシックの大舞台で2番人気の馬に騎乗して、馬群の中であそこまで待てたことに驚かされる。よほどマルセリーナの末脚に自信があったのだろうか、それともギリギリまで末脚を溜めてこそ勝利することができると知っていたのだろうか。いずれにしても、肝の据わった、達観した騎乗からは、他のどのジョッキーにも踏み入ることのできない領域に彼がいることを伺い知ることができる。道中で揉まれて難しいところを出しかけていたが、なんとかなだめすかせてみせたように、ひとつ操作を間違っていれば凡走もあり得た。いつも言っていることだが、安藤勝己騎手には1日でも長く私たちの前で乗っていてほしい。

1番人気に推されたホエールキャプチャは、惜しくも勝利を逃した。外を回したことよりも、馬体を併せると伸びるタイプの馬だけに、勝ったマルセリーナに一気に突き抜けられてしまったこと、真ん中と外で離れてしまい馬体が併せられなかったことが敗因である。2ヶ月ぶりの実戦にもかかわらず、マイナス6kgと仕上がりは非常に良かった。この仕上がりでも勝てなかったのだから、距離延長は問題ないにしても、次のオークスでの逆転は望みにくいだろう。

トレンドハンターは最後方から外を回って、最後まで脚を伸ばした。マイル以上の距離を中心に使われてきた馬だけに、阪神のマイル戦にもスムーズに対応していた。大本命であったレーヴディソールの戦線離脱はあったが、勝ったマルセリーナと同じくこの馬も松田博資厩舎の管理馬であり、この厩舎の牝馬勢の層の厚さには目を見張る。また、松田博資厩舎流のCWコースを長めから追い切る調教法が、この阪神1600mで行われる桜花賞のリズムに合っているともいえるだろう。

ダンスファンタジアは好位の内を進んだが、最後の直線でスタミナ切れを起こしてしまった。長距離輸送を考えて、中間もそれほど厳しい調教を課せなかったように、関東所属の繊細な牝馬にとって、桜花賞は難しいレースである。フレンチカクタスは一瞬の脚に欠ける弱点が露呈してしまった。平均的な流れになり、末脚勝負になった時点で分が悪かった。外からホエールキャプチャに一気に進路を塞がれてしまい万事休す。道中で馬群が固まった外を回り、マイル以上の距離を走らされてしまったことも痛かった。

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Comments

治郎丸さん、ご無沙汰しています。

マルセリーナ、強かったですね!
アンカツジョッキーもさすがの手綱さばき。
「なるようになる」の無心の騎乗は相変わらず健在でしたね。

それにしてもマルセリーナの落ち着きには驚きました。エルフィンSから久々でGⅠの大舞台でもパドックから堂々としたものでした。まるで同厩の偉大な先輩、ブエナビスタのようでしたね。残念ながら出走できなかった同僚のレーヴディソールもパドックでいつも落ち着いていましたが、松田博厩舎のすごいところはこういう精神的に落ち着いた馬を育てられるところなのかもしれませんね。(強い馬には落ち着いている馬が多いというだけかもしれませんが…)

3着トレンドハンターといい、松田厩舎の底力を見せつけられた桜花賞でしたね!

Posted by: onion | April 12, 2011 at 07:21 AM

治郎丸さんこんにちは。
桜花賞はとても見ごたえのあるレースになりました。
応援していたのはホエールキャプチャだったのでかなり悔しい思いもしましたが、マルセリーナの最後の末脚には目を見張るものがありました。あれこそまさに、ディープインパクトの仔であるという証明ですね!彼女は早いうちから重賞で牡馬と戦って好走していましたし、少ないキャリアでも焦らず調整されたことが大きな実を結びましたね。
また、窮屈なところを一瞬の隙をついて抜け出してきた安藤騎手には驚かされました。あんな内にいたのに、気づいたらもう抜け出していて、最初は唖然としました…。インタビューでは「馬に助けられた」とおっしゃっていましたが、あの状況で馬の力を引き出せる場所まで導いた安藤騎手の腕も、本当に凄いです。私も、一日も長く安藤騎手の騎乗を見て、応援していきたいです。

実はディープインパクトに関しては、初年度のクラシックはどうだろう…?と思っていた部分もあったので、やられたなぁという思いです(苦笑)。どんなに色々囁かれても、大舞台でスパッと決めるところが流石ですね!この調子でいけば、牡馬でも大きな結果が出るのはそう遠い未来ではないように思いました。

Posted by: クロサキ | April 12, 2011 at 11:18 AM

onionさん

お久しぶりです。

マルセリーナの切れ味は凄かったですね。

内でギリギリまで脚がたまった分、弾けたのでしょうが、それにしても一戦ごとに進化している感じです。

実はエルフィンSをルドルフおやじさんと観戦した時、稀に見るレベルの高いレースだと確信して、マルセリーナは桜花賞馬でノーブルジュエリーがNHKマイルC、そしてグルヴェイグはオークス馬と予言したのでした(笑)

マルセリーナは落ち着きもありましたね。

松田調教師の調教法が馬の気持ちを強くする部分ももしかしたらあるのかもしれません。

さて、今週はマイルC、そして来週は皐月賞ですね。

「ROUNDERS」もあと少しで完成する予定ですので、今年の春は楽しみにしていてください!

Posted by: 治郎丸敬之 | April 12, 2011 at 04:10 PM

クロサキさん

こんにちは。

ホエールキャプチャは惜しい悔しいレースでしたね。

もう少し枠順が内でマルセリーナの近くで競馬ができていれば、もしかしたらチャンスはあったかもしれません。

今回は仕上がりも万全でしたし、決して力負けではありませんでした。

安藤勝己騎手の腹を括った騎乗に軍配が上がったということでしょう。

あと何年現役を続けてくれるか分かりませんが、1つ1つのレースを大切に見守りたいと思います。

ディープインパクトについては、初年度でクラシック馬を誕生させるのは、一流種牡馬への王道ですので、いきなり桜花賞でこのような結果となり驚かされました。

これからのクラシックでも要注意ですね。

Posted by: 治郎丸敬之 | April 12, 2011 at 04:14 PM

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