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信じた者と、信じられなかった者と。

Derby2011 by Photo Stable
ダービー2011―観戦記―
梅雨が例年よりも早めに訪れたおかげで、オークスに続き、日本ダービーもが雨の降りしきる中、道悪馬場で行われた。オールアズワンが内枠と馬場を利そうと先頭に立ち、比較的緩やかなペースでレースを引っ張った。展開的には決して後ろから行った馬に有利ではなかったが、前に行ったことで馬が折り合いを欠き、スタミナをロスしてしまった馬たちが直線でバテる中、余計な動きをせず、最後の直線に賭けた馬たちが上位を占めたレースとなった。

これで皐月賞に次ぐ2冠となったオルフェーヴルは、力の違いをまざまざと見せ付けた。最後の直線での力強い脚取りを見ても、他馬がもがく中で道悪を苦にすることもなく、どちらかというとゴールに近づくにつれて差を拡げていった。スプリングSと皐月賞でも見せていたが、今回のレースでも最後は耳を立ててゴールする余裕の勝利であった。馬体重こそ減ってはいたが、この中間は馬体もグッと逞しくなり、その筋肉量は兄を彷彿させるほど急激に成長していた。この極悪馬場を伸び切ったのだから、2400m以上のスタミナを有していることは間違いない。菊花賞で3冠を制すにあたって、なんら距離の心配はなく、またもし凱旋門賞を勝てるとすれば、この馬なのではないかという期待さえ抱いてしまう。

池添謙一騎手はオルフェーヴルを最後まで信じて騎乗していた。急かせてしまうと、自身のリズムを崩し、折り合いを欠いてしまうタイプだけに、スタートから馬任せで道中を進めていた。こういう馬場だと少しでも前に行きたいと思うのは自然であり、しかも1番人気に推されていれば、その気持ちに拍車がかかり、手綱を通して馬に伝わってしまうものだ。しかし、お互いを信頼し合った池添謙一騎手とオルフェーヴルのコンビは見事に折り合っていた。デビュー戦での大暴走や京王杯2歳Sで折り合いを欠いて大敗した痛い経験が、折り合いに専念するという形で本番につながった。また、ひとつ間違えば、競走馬として大成することがなかったであろう、気性の難しさを秘めたオルフェーヴルを信じ、一つ一つ教え込み、ここまでの馬に成さしめた陣営にも最大級の賛辞を送りたい。

ウインバリアシオンは安藤勝己騎手の一発勝負が決まった形で2着に追い上げた。前半は勝負を捨てて、4コーナー手前から一気に仕掛けるという捨て身の騎乗であった。他の馬たちは前々を攻めて勝手にバテることも読んだ上での作戦だが、これを日本ダービーの舞台でやってしまうところが安藤勝己騎手の安藤勝己騎手たるゆえんだろう。あわやという場面も作ったが、最後はさすがに相手が強かった。ウインバリアシオン自身、まだ体が出来上がっていない現状を考えると、この馬場でよく走っている。父ハーツクライのように、古馬になって馬体が完成されてくれば、大きなところを勝てるだけの馬になるはずである。

ベルシャザールはジリジリとしか伸びない分、こうした馬場状態がプラスに働いた。前向きな気性を生かしながら、内に進路を取って、最後までバテさせなかった後藤浩輝騎手の手腕も冴えた。ナカヤマナイトは一瞬素晴らしい伸びを見せたが、最後は止まってしまった。力をつけている途上ではあるが、厩舎の先輩であるナカヤマフェスタにも負けずと劣らない素質を持っていることを証明してみせた。普段は冷静な柴田善臣騎手が、オルフェーヴルを前に出すまいと、右ムチを連打して勝ちに行った姿に、どの騎手でも胸に秘めているダービーへの熱い想いを垣間見た。

2番人気ながらも見せ場なく敗れてしまったサダムパテックにとっては、2400mの距離に加え、スタミナを奪われる馬場となってしまったことが最大の敗因だろう。岩田康誠騎手も第1コーナーまでは上手く運べていたが、馬場の良いところを選んだのか、道中から外に出してしまったばかりに馬が引っ掛かってしまい、4コーナーでも外に振られてしまった。あそこはサダムパテックを信じて、内を回ってくるべきであった。馬を信じられなければダービーは勝てない。

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安田記念を当てるために知っておくべき3つのこと

Yasuda

■1■外国調教馬の活躍
平成5年から国際競走として行われ、当初は欧州調教馬が大勢を占めていたが、ここに来て香港調教馬の活躍・台頭が目立つ。過去10年で外国調教馬の成績は【1・1・2・20】。香港から1頭の勝ち馬が出ている。もちろん、勝負になると思うからこそ遠征してくるわけで、たとえ人気がなくとも要注意である。

香港競馬はオセアニア産のスピード馬を輸入しながら、全体のレベルも年々上がっている。短距離路線に関して言えば、日本よりは層が厚く、スプリント戦ではすでに歯が立たないというのが現状だろう。マイル戦では、贔屓目に見てほぼ互角といったところだろうか。府中のマイル戦はスタミナも必要とされるため、サイレントウィットネスやグッドババのような小回りが得意なスプリンターではなく、少し長めの距離を得意とするブリッシュラックのようなマイラーを狙うべきである。

■2■高松宮記念勝ち馬の不振

平成12年 キングヘイロー    3着(3番人気)
平成13年 トロットスター    14着(4番人気)
平成15年 ビリーヴ       12着(9番人気)
平成17年 アドマイヤマックス 12着(4番人気)
平成18年 オレハマッテルゼ  10着(1番人気)
平成19年 スズカフェニックス  5着(1番人気)
平成20年 ローレルゲレイロ  15着(6番人気)

高松宮記念が3月に施行されるようになった平成12年以降、高松宮記念勝ち馬が安田記念に出走してきた際の成績は上の通り。キングヘイローの3着が最高着順であり、スズカフェニックスそれ以外の馬は二桁着順に惨敗している。高松宮記念勝ち馬もしくは好走した馬が安田記念で活躍できない理由としては、以下の2つが考えられる。

1、高松宮記念勝ち馬は本質的にはスプリンターである
当たり前のことだが、高松宮記念を勝つような馬は本質的にはスプリンターである。安田記念が行われる府中の1600m戦はマイル以上のスタミナを要求されるため、スプリンターはガス欠を起こしてしまう。また、中京競馬場1200mコース(小回り)と東京競馬場1600m(大回り)では、道中の流れが全く違うため、前走で高松宮記念を勝つようなリズムで走った馬は、安田記念ではリズムの違いに戸惑い、凡走してしまうのである。

2、高松宮記念を目標に仕上げられているため余力が残っていない
高松宮記念はレースを使い込んで仕上げてきた馬が勝つ傾向がある。そのため、2ヶ月後の安田記念までに余力が残っておらず、体調が下降線を辿ってしまう馬が多い。

■3■馬場の内外でのトラックバイアスに注目
安田記念は、馬場が傷んできた時期に行われるため、馬場の内外によって有利不利が出てきてしまう傾向がある。たとえば、ブラックホークが大外から差し切った平成13年、アドマイヤコジーンが復活した平成14年は、馬場の内側の傷んだ場所を通らねばならなかった馬が直線で失速し、馬場の外を回ることができた馬にとって有利になった。対照的に、アグネスデジタルがレコードで勝利した平成15年は、仮柵が移動されたため、今度は内側の馬場の良い部分を通った馬が有利になった。このように、枠順や通った場所によって勝敗が分かれてしまうことが多く、馬場の内外での差(トラックバイアス)に注目するべきレースである。

しかし、今年はダービーウィークに引き続き、安田記念もCコースで行われるため、馬場の内外の差(トラックバイアス)はほとんどないと考えてよいだろう。

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仕上がり万全サダムパテック:5つ☆

ウインバリアシオン →馬体を見る
未完成の馬体だが、ここに来て筋肉のメリハリも出てきて成長している。
穏やかな表情や胴部の長さを考えても、2400mはまさに適距離。
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オルフェーヴル →馬体を見る
良く見せないタイプだったが、今回は馬体がガッと張って非常に大きく見せる。
筋肉量も十分で、特に前駆の力強さはもはや古馬のよう。
Pad4star

クレスコグランド →馬体を見る
血統的な影響もあるのだろうが、どうしても線が細く映ってしまう馬体で頼りない。
重い馬場であることを考えると、体が未完成のこの馬にとって条件は厳しい。
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コティリオン →馬体を見る
中2週になるが、馬体に傷んだところはなく、どちらかというと成長している。
前走時よりも馬体を長く見せているので、距離延長も全く問題ないだろう。
Pad4star

サダムパテック →馬体を見る
前走時は弥生賞を太めで快勝した反動が少なからず馬体からも感じられた。
今回はこの馬なりにフックラと力強く見せており仕上がり万全、かつ胴部はゆったりとしている。
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ショウナンパルフェ →馬体を見る
突っ立ち気味の立ち姿や顔つきからは、全体的に力みが感じられる。
毛艶は素晴らしく、本番に向けて、この馬なりにキッチリ仕上がった。
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デボネア →馬体を見る
アグネスタキオン産駒とは思えないほど四肢がパワフルで、重馬場は歓迎か。
欲を言えば、もう少し筋肉のメリハリがついてくれば、さらに良くなるだろう。
Pad3star

トーセンラー →馬体を見る
休み明けの前走時がきっちり仕上がっていただけに、上積みは感じられない。
ただ、全体的なバランスは非常に良く、この馬の力を出し切ることができれば。
Pad3star

トーセンレーヴ →馬体を見る
前走で連闘して権利を取ったにもかかわらず、馬体はふっくらとして順調に来ている。
前後駆に筋肉がしっかりついているため、馬場が悪くなっても苦にしないはず。
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ナカヤマナイト →馬体を見る
共同通信杯時の出来が1番良かったが、それに近い出来にまで持ってこられた。
前走に比べると大きく前進しており、前走以上の走りを見せてくれるはず。
Pad4star


Derby2011wt

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『走れドトウ』の復刻にあたって

『走れドトウ』という30年以上も前に書かれた競馬小説と、「ROUNDERS」という新しい競馬の雑誌が出会ったのは、たったひとつのコラムがきっかけです。

新しい競馬の雑誌を創るにあたって、小説を載せたいという企画が出始めていた頃、gachalingoさんが「長岡一也アナウンサーがnetkeiba.comのコラムで絶賛されていた『走れドトウ』という小説が面白そうです」と教えてくれました。実際に読んでみたところ、もはや余計な感想を言い合う必要もありませんでした。お互いに、これで間違いなしと確信したのでした。

こんな素晴らしい小説と出会えたことが幸運でしたし、今から思うと、すんなりと入手できたこともついていました。今風に言うならば、もっているということになるのでしょうか。というのも実は、『走れドトウ』はすでに絶版となっており、あと少し遅ければ、読むことすらままならなかったかもしれないからです。

しかし、『走れドトウ』を復刻連載しようと決まってからが大変でした。著者の橋田俊三氏はすでにお亡くなりになっており、ご子息であられる橋田満調教師にお願いをしに行くことになったのです。なんとか連絡を取ることができ、何度かご自宅にまで足を運び、私たちの意気込みを伝え、お父さまの作品を必ずやきちんとした形で世に出すことを約束したのでした。

その過程において、競馬についてたくさんのことを教えていただきました。ちょうどダービーの前日ということもあるので、そのうちのひとつを紹介させてください。「(ホースマンとして)ダービーを勝つための1番簡単な方法は?」という質問から、橋田満先生の話は始まりました。超良血の馬を買うこと、社台ファームやノーザンファームの馬を買い占めることなど、様々な答えが私の頭の中を駆け巡りましたが、結局、「ダービーで1番人気の馬を買い取ること」と私は答えました。「その通り」と橋田満先生に言われて、私はホッと胸を撫で下ろしました。

「だけどね、それでダービーを勝てる確率は上がるかもしれないけど、もし勝ったとしても、そこに喜びはあるかな?」と再び問われました。「ないかもしれません」と私。「そうだよね、サラブレッドを生産して、育成して、調教を施してという、最も確率の低いところから手がけるからこそ、ダービーを勝った時の喜びは大きいんだ」という橋田先生の言葉に、私は深く頷きました。成功する確率を上げることだけを追って、汲々としている今の世の中において、このような世界観は新鮮でした。今年でいえば、7458頭のうち1頭しかダービー馬にはなれないのです。これが競馬はロマンであり、ダービーが全てのホースマンの夢であるゆえんなのです。

小説『走れドトウ』の中にも、夢に立ち向かう馬たちや人々の姿が描かれています。その夢が壮大であるからこそ、夢を掴んだ者と敗れ去った者の明暗は壮絶に際立つのですが…。

『走れドトウ』は、競馬ファンであれば、絶対に読んでほしい小説です。

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「ROUNDERS」は、「競馬は文化であり、スポーツである」をモットーに、世代を超えて読み継がれていくような、普遍的な内容やストーリーを扱った、読み物を中心とした新しい競馬の雑誌です。

創刊号の特集は「調教 馬と話す男たち」。サラブレッドの「調教」について、あらゆる視点から語っています。「調教」について詳しく知りたいという方にとっては、教科書代わりに使っていただけます。また、真剣に競馬について考える方にとっては、新たな気づきもあるでしょうし、サラブレッドがもっと愛おしいと思えるかもしれません。あなたにとって、「ROUNDERS」が新しい競馬の世界観への第一歩となることを願います。

特集ページの無料サンプルはこちらからご覧ください↓
*表示に時間が掛かる場合があります。

目次
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特集第1部 「馬は人のために走る」 治郎丸敬之
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特集第2部 「馬はどんな夢を見ているのだろう」 橋田俊三
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特集第3部 「馬を再生させ、成長させる」 木村忠之の仕事
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特集第4部 「栗東トレセン極道」 久保和功に訊く
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特集第5部 「調教のすべて」 治郎丸敬之
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「ROUNDERS」(全156ページ)を1,995円(税込み、送料無料)でお分けいたします。
*大変申し訳ありませんが、振込み手数料は各自でご負担いただきますのでご理解ください。

プライバシーポリシー特定商取引に基づく表記もご覧ください。

*おかげさまで完売いたしました。

ご注文方法
Step1メールフォームにてご注文をしてください。
*SSLに対応しておりますので、個人情報の保護も万全です
*個人情報を第三者に開示をすることは決してありません。
Step2ご注文確認メールが届きます。
Step3お届け先住所に「ROUNDERS」が届きます。
*振込み用紙を同封しますので、商品到着から5日以内に指定の銀行口座にお振込みください。
*振込み手数料は各自でご負担いただきます。

*おかげさまで完売いたしました。

まだ第1歩を踏み出したばかりの雑誌ですが、より良い競馬の世界を目指して、これからも創り続けていきますので、応援してください。お読みいただいたご感想やご意見など、教えてくださると嬉しいです。(glassracetrack@ymail.plala.or.jpまで)

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ダービー馬はダービー馬から?

Jiromaru

「ダービー馬はダービー馬から」という格言が競馬の世界にはあります。ということは、かなりの確率でダービー馬を父に持つ馬がダービーを勝っているのかと思いきや、実はそうでもありません。過去77回のダービーを調べてみると、父子でダービーを制したのは、たったの5組。カブトヤマ(第2回優勝馬)とマツミドリ(第14回)、ミナミホマレ(第11回)とゴールデンウエーブ(第21回)、同じくミナミホマレ(第11回)とダイゴホマレ(第25回)、シンボリルドルフ(第51回)とトウカイテイオー(第58回)、タニノギムレット(第69回)とウオッカ(第74回)、そしてネオユニヴァース(第70回)とロジユニヴァース(第76回)になります。

ミナミホマレからシンボリルドルフまでの間に40年もの空白があるのは、それだけ日本の競馬が海外から輸入された血に頼っていたことを意味します。いわゆる父内国産の血統では、日本ダービーを勝つことは難しかったのです。その流れに一矢を報いたのがシンボリルドルフとトウカイテイオーの親子でした。20世紀の日本最強馬から血がつながり、ようやく日本馬の時代が来たかと思いました。ところが、その後、あっという間にサンデーサイレンスの血に席巻されてしまいます。初年度産駒のタヤスツヨシを皮切りに、スペシャルウィーク→アドマイヤベガ→アグネスフライトと3年連続でサンデーサイレンスの産駒が日本ダービーを勝ったこともありました。

その勢いを断ち切ったのがジャングルポケットでした。父にトニービンを持つ同馬は、皐月賞を3着してダービーに臨みました。実はこの世代にはアグネスタキオンという恐ろしく強いサンデーサイレンス産駒がいたのですが、皐月賞後に屈腱炎を発症し、ダービー直前にリタイアしてしまいました。アグネスタキオンがいない以上、それまでの実績と経験が買われ、ジャングルポケットがダービーで2.3倍の1番人気に。雨の中、レースは行われ、ジャングルポケットは重馬場を苦にすることもなく、ファンの期待に応えて快勝したのでした。この時のジャングルポケットのウイニングランがとても印象的でした。レースで極限の力を出し切ったジャングルポケットは、首を高く上げ、上下に小刻みに動かす仕草を繰り返したのでした。まるで「俺様はダービーを勝ったぞ!」と天に向かって雄叫びをあげているようでした。

Junglepocket

それから6年が経ち、ジャングルポケットの仔であるフサイチホウオーが日本ダービーに出走することになりました。フサイチホウオーはデビューから4連勝して皐月賞に臨みますが、前残りの展開を追い込み切れず、3着と敗退。しかし、レース内容から、直線が長い府中競馬場で行われる日本ダービーではと考える人が多く(私はアドマイヤオーラ本命でしたが…)、フサイチホウオーは1.6倍の1番人気に支持されました。

この年、私は競馬場で日本ダービーを観戦していたのですが、出走馬が本馬場に入場する際、フサイチホウオーが父ジャングルポケットと全く同じ仕草を繰り返しているのを見て、「ダービー馬はダービー馬から」という格言を思い出したのでした。首を高く上げ、上下に小刻みに動かしているフサイチホウオーを見て、本命を打たなかった自分を呪いました。ところが、ふたを開けてみると、フサイチホウオーは見せ場なく7着に敗れてしまいました。一気に馬群から突き抜けたウオッカの強さに感心しつつ、よく考えてみると、たとえ同じ仕草であっても、レース後のウイニングランでそれを見せたジャングルポケットと、レースの前に見せたフサイチホウオーの差は天と地ほど大きかったのです。前者のそれは王者の雄叫びであり、後者のそれは極端な入れ込みだったということです。

父と子であってもやはり別の馬、「ダービー馬はダービー馬から」というのは競馬ファンの希望なのだなと思うに至ったのでした。でも、そういえば、勝ったウオッカの父タニノギムレットはダービー馬なのですね。うーむ、「ダービーはダービー馬から」はウソかマコトか。果たして、今年の日本ダービーは、父がダービー馬でない馬たちが上位人気に推されそうですが、「ダービー馬はダービー馬から」となるのでしょうか。

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眠れぬ最高の夜を

Keibagakuhenosyoutai

ダービーの前夜はなかなか寝付けない。仕事で疲れ果てていたとしても、ダービーのことを考えてしまうと夜も眠れないのだ。もしかしたらあの馬が勝つのではないか、などと想像を膨らませているうちに、心臓はドクドクと脈打ち、遠足前の小学生のように居ても立ってもいられなくなる。馬券を買うだけの私でさえそうであるから、ダービーを前にした、もしかしたら自分にも勝てるチャンスがあるのではないかと思っている騎手は、どんな心境でいるのだろうといつも思う。

ダービーを前にしていつも思い出すのは、この本のあるくだりである。騎手にとってダービーを勝つことは、宇宙飛行士が月面を歩くことと、どこか似た内的体験をするのではないかという一節である。この本の中で私が最高に好きな部分なので、長くなるが引用したい。

「宇宙飛行士の中でも月に行った経験を持つ24人と、他の宇宙飛行士とでは、受けたインパクトがまるで違う。さらに、月に行ったといっても、月に到着して、月面を歩いた人間とそうでない人間とでは、また違う。宇宙船の内部しか経験できなかった人と、地球とは別の天体を歩いた経験を持つ人とでは違うのだ。宇宙船の中は無重力状態だが、月の上は六分の一のGの世界で立って歩くことができる。この立って歩くことができるという状態が、意識を働かす上で決定的に違う影響を与えるような気がする。月を歩くというのは、人間として全く別の次元を体験するに等しい。」

上になぞらえて、山本一生はこう言い換える。

「騎手であることと、ダービーに出走経験のある騎手になることでは、受けたインパクトはまるで違うだろうし、さらにダービーに出走することと、ダービーの優勝ジョッキーになることでは決定的に違っていて、「全く別の次元を体験するに等しい」のである。」

騎手にとって、ダービーを勝つことがどれだけの意味を持つかを、これだけ上手く説明した喩えを私は他に知らない。騎手はダービーを勝つことによって、全く別の次元に昇華する。もしかすると、ダービーを勝つことによって得られる内的体験を求めて、人は騎手になるのかもしれない。

今年のダービーの主役を務める池添謙一騎手は、どんな心境で日曜日の朝を迎えるのだろうか。岩田康誠、安藤勝己、小牧太ら、地方競馬からやってきて、中央のダービーを勝つチャンスを胸に秘めた騎手たちは、果たして今夜は眠れるのだろうか。異国の地からやってきて自らの手綱捌きに計り知れない期待を背負うデットーリ騎手は、どのような思いで今夜を過ごすのだろう。騎手だけではない。有力馬を出走させる調教師、厩務員、馬主、牧場関係者もまた、ダービー前夜は眠れないだろう。そしてあなたも、ダービー前夜は眠れぬ最高の夜を過ごすに違いない。

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何が起こるかわからない、競馬も、人生も。


オークス2011―観戦記―
レース直前の叩きつけるような雨により、追い込みの利きづらい、力が要る馬場状態へと一変した。ピュアブリーゼが刻んだ前半72秒9-後半72秒8という流れは、数字だけを見ると平均ペースだが、中盤が緩んだことで、前に行った馬にとって有利な展開となった。後ろから進んだ人気2頭、マルセリーナとホエールキャプチャにとっては、身上とする切れ味を殺され、しかも展開にも恵まれないという二重苦を味わったレースとなった。ほんの1時間前に降り始めた雨によって、結果がここまで左右されてしまうところに、競馬の不確実さがある。

勝ったエリンコートは中団でピタリと折り合い、4コーナーでは先行集団を射程圏に入れると、馬場を苦にすることなくしっかりと伸びた。最後はスタンドからの照明を気にしてヨレてしまったが、ラストまで抜かせなかった根性は素晴らしい。血統的には説明がつきにくいが、力の要る馬場と2400mの距離に対応したのだから、この馬自身、道悪を苦にせず、距離が延びて良いタイプなのだろう。デュランダル産駒にしては柔らかい筋肉と、まだ緩さの残る未完成の馬体だからこそ克服できたとも考えられる。審議については、進路妨害をした後、後藤浩輝騎手はムチを左手に持ち替えて、馬を立て直して追っており、決して悪質ではなかったからこそ、セーフと判断されたのだろう。

父モンズンという典型的な欧州血統が流れているピュアブリーゼは、力の要る馬場に滅法強いことを証明してみせた。切れ味勝負になると分が悪いが、しぶとさを生かせる馬場は合っている。もちろん、単騎ですんなり逃げられたことも功を奏したように、あらゆる条件が追い風となり、能力を発揮することができた。主に繁殖を見据えて購入したであろう馬がこれだけ走るのだから、サラブレッドは分からない。また、これは何度も見る光景だが、柴田善臣騎手はこういう形で逃げさせると、スローダウンするのが非常に上手い。

ホエールキャプチャはギリギリに仕上げられていたことに加え、降りつける雨に嫌気を差したのか、ゲート内でイライラして立ち上がった瞬間にスタートを切られてしまった。あっという間に進路を塞がれ、後方からの競馬を余儀なくされた。追い込みが利きづらい馬場を考えても、前で競馬をしたかっただけに、一瞬のミスが致命傷となった。それでも、池添謙一騎手は進路を内に取り、コーナーリングでも距離ロスを避け、最善を尽くしたが、最後は同じ脚色になってしまった。今回はあらゆる要素がこの馬にとって向かなかった中で、よくぞ走っている。

1番人気に推されたマルセリーナは、持ち前の切れ味を馬場に完全に殺されてしまった。展開も不向きであり、さすがにあそこのポジションからでは追い込めない。前走の桜花賞でやや掛かったことを考慮して、安藤勝己騎手は積極的に出して行かなかったのだろう。まだ本当の強さがなかったということではあるが、もし1時間前の良馬場で行われていたら、最後まで伸び切っていたはず。馬体重こそ変わらないが、しっかりと筋肉がつき、馬体の成長は著しい。このまま順調に行けば、秋が楽しみな馬の1頭である。

良血グルヴェイグにとっては、あらゆる条件が厳しすぎた。跳びが大きく綺麗な馬だけに、今回のような馬場は合わないし、あれだけ外を回されてしまっては苦しい。将来性は随一の素質馬だけに、限界を超えて走ってしまうよりも、ダメージを残さない負け方ができて、かえって良かったのではないだろうか。

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「優駿」6月号に「ROUNDERS」が

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「優駿」の6月号で「ROUNDERS」について取り上げていただきました。インフォメーションのコーナーのちょっとした記事ですが、創刊したばかりの、まさにどこの馬の骨か分からない雑誌を紹介していただいたことに感謝します。ひとりでも多くのコアな競馬ファンに、「ROUNDERS」のことを知ってもらいたいと願います。そしていつの日か、同志と呼んでもらえるよう、「優駿」と肩を並べるような雑誌になりたい、とここに宣言しておきます。

ちなみに、「優駿」の6月号では、巻頭の6ページのカラーを太田宏昭さんの写真が飾っています。競馬の世界以外にバックグラウンドを持つ異能のフォトグラファーであり、だからこそなのか、競馬の写真をずっと見続けてきた私にとっては、いつもどこか新鮮な感覚を与えてくれます。どの写真にも、世界を切り取ろうという情熱や迫力と、同時に、その世界を俯瞰しているような、達観しているような視線を感じるのです。特に最後の2ページのばんえい競馬の写真は圧巻です。

その他、日本ダービー特集など、良記事ばかりですので、「優駿」の6月号も買って読んでみてくださいね。

関連エントリ
「ガラスの競馬場」:もうひとつの時間

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日本ダービーを当てるために知っておくべき3つのこと

Derby

■1■乗り替わりは大きなデメリット
「すべての牡馬は生まれた直後から、ダービーを獲るという目標に向かって育てられる」と言っても過言ではない。すべての馴致、育成、調教という点は、ダービーに向かって線でつながっているのである。その線上において、騎手が実戦のレースにおいて競馬を教えていくという役割は大きい。道中を走るリズム、息を入れるタイミングを教え、馬群の中で走ること、馬群を割ることに対する恐怖を取り除くなど、レースをうまく運ぶためのコツを教えていくのは騎手の役割である。

それゆえだろうか、ダービーで乗り替わりがあった馬は、これまでに勝ったことがない。過去14年間で【0・6・3・70】という散々たる結果である。このデータだけを取っても、デビューから競馬を教えてきた騎手が、本番であるダービーで乗り替わることに、どれだけのデメリットがあるかが分かるはずである。

また、連対に絡んだ6頭の内訳は、平成13年のダンツフレーム、平成14年のシンボリクリスエス、平成16年のハーツクライ、平成18年のアドマイヤメイン、平成19年のアサクサキングス、平成22年のローズキングダムとなる。アドマイヤメインとアサクサキングスを除いて、乗り替わり前の騎手が騎乗する馬に、乗り替わられた馬が先着していないということは面白い事実である。

たとえば、平成14年のシンボリクリスエスは武豊騎手から岡部騎手に乗り替わったが、武豊騎手はタニノギムレットでダービーを制した。また、平成16年のハーツクライは安藤勝己騎手から横山典騎手に乗り替わったが、安藤騎手はキングカメハメハでダービーを勝った。このように、ある騎手が乗り替わる前の馬に、乗り替わった後の馬が先着したことはない。つまり、ダービーを勝つような馬は、どんなことがあってもジョッキーが手放すことはない、もしくは手を離れることはないということである。注)平成13年のダンツフレームの藤田騎手はダービーに騎乗していない。

■2■経験を積んだベテランジョッキー
過去の勝利騎手のほとんどは、経験を積んだベテランジョッキーである。あの武豊騎手でさえ12年もかかったように、ダービーを勝つことは他のG1レースとは比べものにならないほど難しいことなのである。円熟した騎手が活躍している理由として、

1、ダービーという異様な雰囲気の中で、平常心で騎乗できる精神力が求められる
2、ダービーを勝つためには騎手としてのあらゆる経験を生かさなければならない

ということが考えられる。 それ以前に、ダービーを獲れるだけの器の馬を依頼されなければならないし、多数を依頼された場合には、その中からダービーを勝てそうな馬を選択していかなければならない。つまり、ジョッキーとしてのあらゆる技術や経験が求められることになるのである。だからこそ、ダービーというレースは一朝一夕で勝てるはずはなく、騎手にとっても憧れのレースとなり得るのである。

■3■皐月賞からの直行組
ダービーでは皐月賞からの直行組が好走することが多い。直行組以外としては、以下の2つのパターンが考えられる。

1)皐月賞のあとにトライアルレースをはさんだ馬
2)別路線組

最近の傾向として、1)の皐月賞からダービーの間にレースをはさむ馬は少なくなってきている。ほとんどの有力馬がダービーに直行し余力を残している中で、トライアルを使うということは、それだけで十分なディスアドバンテージになるからである。それでも敢えてトライアルを使うとすれば、本番のダービーでは勝負にならないことを見越した上でのことであり、メンバーが落ちるトライアルで賞金を確実に稼ごうという意図が読み取れる。実力的にも足りず、余力も残っていない馬が、本番であるダービーで好走することが難しいことは想像に難くない。

2)の別路線組では、最近ではNHKマイルカップか青葉賞を勝ってきた馬の活躍が目立つ。NHKマイルカップからはキングカメハメハとディープスカイという大物が出ているように、決して相性の悪いレースではない。府中のマイル戦を勝ち切れるスタミナがあれば、2400mもこなせるということである。今後も注目のステップレースとなるには違いないが、中2週というローテーションを考えると、皐月賞からの直行組に軍配が上がるだろう。また、青葉賞からは古いところではエアダブリンが、最近ではシンボリクリスエス、ゼンノロブロイ、アドマイヤメインが本番でも好走している。同条件を勝ってきた馬なので当然といえば当然なのだが、完成度がやっと追いついてきたという素質馬が多い。しかし、まだダービーの勝ち馬が出ていないのも事実である。

結論としては、1)のパターンは本番のダービーでは勝負にならず、狙うとすれば2)のパターンということになる。ただし、勝ち馬に限って言えば、皐月賞からの直行組を狙うのが定石だろう。

■参考データとして
1、前走G1レース(皐月賞かNHKマイルカップ)以外で負けている馬は×
2、2000m以上未経験の馬は×
3、前2走で連対なしの馬は×

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甲乙つけ難いがホエールキャプチャ:5つ☆

アカンサス →馬体を見る
フジキセキ産駒にしては、手脚が長く、馬体的には距離伸びて良いタイプ。
線の細さはあるが、全体のバランスが良く、筋肉のメリハリあって仕上がりは良好。
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エリンコート →馬体を見る
柔らか味がある立ち姿に、幼さと将来性の高さが同居している。
表情も穏やかで、気性的には距離が伸びてもマイナスはなさそう。
Pad3star_3

グルヴェイグ →馬体を見る
皮膚は柔らかいが、兄弟に比べると、筋肉の付き方などに物足りなさは残る。
走らせてみると良いタイプで、馬体には無駄がなく、全体のバランスは良い。
Pad3star_3

ハブルバブル →馬体を見る
ディープインパクト産駒の牝馬らしからぬ、ガチっとした筋肉質の体型を誇る。
体型的には、あまり距離が伸びて良くはないだろうが、素質の高さでどこまで。
Pad3star_3

バウンシーチューン →馬体を見る
小柄な牝馬だが、馬体は研ぎ澄まされていて、いかにも切れ味が鋭そう。
毛艶も良く、筋肉のメリハリも十分で、前走を快勝して、万全の状態で本番へ向かってくる。
Pad3star_3

ホエールキャプチャ →馬体を見る
2歳時に比べ、筋肉の付き方が変わってきおり、しっかり立っている。
前走に比べると、全体のバランスがさらに良くなり、力みのない素晴らしいシルエット。
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マイネイサベル →馬体を見る
腰高の馬体が目立つように、距離が延びてプラス材料はない。
表情からは気性もきつそうで、マイル戦で切れ味を生かすタイプだろう。
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マイネルソルシエール →馬体を見る
取り立てて強調材料のない馬体で、可もなく不可もないといったところか。
前後駆には実が入っており、全体のバランスからも、大きく崩れることはなさそう。
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マルセリーナ →馬体を見る
桜花賞時よりもさらにパワーアップした馬体を誇り、力強さが漲っている。
ひと叩きされて、精神的にも落ち着いたのか、どっしりと構えていて良い雰囲気。
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メデタシ →馬体を見る
幼さは残すが、毛艶も良く、皮膚も柔らかく、仕上がりは完璧といってよい。
あえて言えば、後駆の筋肉の実の入りが乏しいため、パワー勝負になるとどうだろう。
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雑誌「ROUNDERS」創刊にあたって

私が「ガラスの競馬場」を始めたのは、今からちょうど10年前のことでした。競馬にたずさわる仕事がしたくて、初めて務めた会社を辞めたものの何のあてもなく、まさにわらをも掴むような気持ちで、競馬について書き始めた時期でした。ホームページを作り、初めてのエントリー(2001年スプリンターズSの観戦記)をアップした夜、空を見上げてみると、大きな満月がはっきり見えたことを覚えています。あの時、何かが始まった気がしたのは、おそらく世界で私だけだったでしょう。

最初は自分のために書きました。競馬について書きたいという抗しがたい情熱を、ただひたすらキーボードに乗せていったのでした。最初の3年間は誰も読んでいないと思っていました。アクセス解析など簡単にはできない時代でした。まさに自分に向かって書いていたことになります。だから、これは自信を持って言えるのですが、もし誰も「ガラスの競馬場」を見てくれなくなったとしても、私は競馬について書き続けると思います。それでもリンゴの木を植えるっていうやつですね。

次第に読者の存在に気づかされ始めます。ポツポツと応援のメールを頂戴するようになり、最も反響が大きかったのは、Photostudとコラボレートしたディープインパクトの壁紙無料プレゼント企画でした。あの時、競馬を取り巻く全てが異常なまでの盛り上がりを見せていて、いざディープインパクトが菊花賞で3冠を達成したときには、想像を超える応募者が殺到しました。その壁紙のやり取りの中で、自分のブログが見られていたことに私は気づいたのでした。読者とのメールでの競馬談義は、それは楽しいものでした。

それからというもの、私はパソコンの向こうにいる競馬が大好きな人々を意識し、時には信じ、そして感謝するようになったのです。1次元から2次元の世界に変化したような気分でした。ライブを行ったり、100日連続のメールマガジンを刊行したり、競馬場に行こうツアーと称して競馬場で皆と叫んだこともありました。東京競馬場で開催された「プレミアムギャラリー」に、エッセイ担当として参加させていただいたこともありました。それぞれは点であったとしても、今から思うと、全ては線としてつながっていたのです。「ガラスの競馬場」を立ち上げた、あの満月の夜から。

「ガラスの競馬場」が10周年を迎えた今年、「馬券のヒント」の書籍化を手伝ってくれたgachalingoさんと意気投合し、お互いの生きてきた線を重ねるようにして、新しい競馬の雑誌「ROUNDERS」を創刊することになったのです。構想から製作まで、およそ2年の年月をかけましたが、その過程は苦しくも楽しいものでした。喜びの連続と表現したほうが良いかもしれません。たったひとり、ただ自分に向けて競馬を語っていた私が、新しい競馬の雑誌を創ることを通して、素晴らしい方々と知り合うことができ、たくさんの善意に囲まれ、こんな素敵な雑誌を創れたのですから、まるで夢のようです。そう、私にとっては、夢の雑誌なのです。

夢の雑誌だからこそ、こだわりを持って創りました。いずれ読み捨てられるのではなく、何度も繰り返し読まれ、競馬について真剣に考えるときに参照されるような、いつまでも持っていたいと読者に思ってもらえる雑誌を目指しました。そのため、その号ごとに特集のテーマが決まっていて、雑誌全体の内容を貫いています。雑誌の内容やどんな知識が得られるのかが明白です。競馬にまつわる情報の鮮度よりも、情報の深さ、濃密さに重点を置いています。また、雑誌と銘打っていますが、バリエーションに富んだ書き手の協同作品という雑誌の形を取りながら、旬の話題だけを追うのではなく、普遍性を持った情報を提供する書籍としての役割も果たします。つまり、雑誌でもなく、書籍でもない、新しい競馬の雑誌ということです。

「ROUNDERS」は競馬を表現する情熱を持った新しい作り手たち(ライター、カメラマン、画家、デザイナー等)が、ひとつの作品を一緒に創る場として機能させたいと考えています。「ROUNDERS」を登竜門として、新しい思想、新しい作品、そして、新しい才能が次々と誕生するはずです。

最後に、雑誌は世の中を変える力を持たなければなりません。最低でも1万人のコアな競馬ファンに伝わらなければムーブメントは起こせません。より良い競馬の世界を目指して、ひとりでも多くの競馬ファンに雑誌を届けたいという想いです。

創刊にあたって(gachalingoさんより)もお読みください↓
Hanjyukutamago
書籍作りのプロフェッショナルである彼の手によって、
「ROUNDERS」は芸術の形をもって世の中に現れました。

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特集ページの無料サンプルはこちらからご覧ください↓
*表示に時間が掛かる場合があります。

目次
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特集第1部 「馬は人のために走る」 治郎丸敬之
P009010
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特集第2部 「馬はどんな夢を見ているのだろう」 橋田俊三
P018019
Samplebutton_6

特集第3部 「馬を再生させ、成長させる」 木村忠之の仕事
P022023
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特集第4部 「栗東トレセン極道」 久保和功に訊く
P030031
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特集第5部 「調教のすべて」 治郎丸敬之
P1181231
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「ROUNDERS」(全156ページ)を1,995円(税込み、送料無料)でお分けいたします。
*大変申し訳ありませんが、振込み手数料は各自でご負担いただきますのでご理解ください。

プライバシーポリシー特定商取引に基づく表記もご覧ください。

*おかげさまで完売いたしました。

ご注文方法
Step1メールフォームにてご注文をしてください。
*SSLに対応しておりますので、個人情報の保護も万全です
*個人情報を第三者に開示をすることは決してありません。
Step2ご注文確認メールが届きます。
Step3お届け先住所に「ROUNDERS」が届きます。
*振込み用紙を同封しますので、商品到着から5日以内に指定の銀行口座にお振込みください。
*振込み手数料は各自でご負担いただきます。

*おかげさまで完売いたしました。

まだ第1歩を踏み出したばかりの雑誌ですが、より良い競馬の世界を目指して、これからも創り続けていきますので、応援してください。お読みいただいたご感想やご意見など、教えてくださると嬉しいです。(glassracetrack@ymail.plala.or.jpまで)

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メジロ牧場よ永遠なれ。

Jiromaru

メジロマックイーンが菊花賞を勝った年に競馬を始めた私にとって、メジロ牧場の倒産は衝撃的なニュースでした。その菊花賞では、ホワイトストーンという芦毛馬を応援していたので、1番人気のメジロライアンに負けなければと思っていたら、なんと同じ勝負服で黒い帽子を被ったメジロマックイーンが豪快な足取りで抜け出した記憶が蘇ってきます。メジロマックイーンは翌年の天皇賞春も快勝し、次走の宝塚記念でも圧倒的な1番人気に推されました。「今度こそ、メジロライアンが勝つ」と友人らに吹聴して回ったのですが、誰一人として相手にしてくれず、でもメジロライアンが勝ってくれて、私は鼻高々だった思い出もあります。私と同じ世代に競馬を始めた人たちにとって、メジロは強さの象徴だったのです。

競馬を始めてしばらくして6年目、メジロドーベルという牝馬が私の目の前に現れました。データを紐解いてみて、阪神3歳牝馬S(現・阪神ジュベナイルF)は関東馬が勝つのが極めて難しいレースだと知っていたので、メジロドーベルという関東馬がこのレースを勝ったことは、当時の私にとって驚きでした。この馬は強いと入れ込んだ私は、翌年の桜花賞でメジロドーベルが負けるわけがないと、これまた友人らに言って回りました。ご存知のとおり、結果はキョウエイマーチの2着。友人らから大ブーイングを受けたことはもちろん、私自身が自分を信じられなくなってしまいました。あのメジロドーベルが、あれだけぶっち切られるなんて…。

私の中での結論は、キョウエイマーチが恐ろしく強いというものでした。メジロドーベルを千切ったのだから、オークスでも負けるはずがないと確信したのでした。距離適性を論じる声もありましたが、何を言ってる、父ダンシングブレーヴは凱旋門賞馬ではないかと、私は簡単にメジロドーベルからキョウエイマーチに鞍替えしたのでした。

オークスは新宿のアルタビジョンで観ました。オークスには珍しく、かなり速いペースで流れました。キョウエイマーチがまた圧勝することを期待していたのですが、4コーナーでまさかの逆噴射したのを観て、私は腰が抜けそうになりました。立っているのが精一杯の私の目に、大外から、桜花賞での悔しさを爆発させるように、豪脚を繰り出したメジロドーベルの姿が映りました。泥にまみれたゴーグルをした吉田豊騎手のド派手なガッツポーズが、私の胸に突き刺さったのでした。

メジロドーベルは私に競馬の難しさを教えてくれた馬でした。○か×かという正解主義の教育を受けてきた私にとっては、6年間も競馬の勉強をしても正解を選ぶことが出来ないことが驚きであり、また新鮮でもありました。いや、本当は競馬には正解などないのですが、そのことを知ったのはもう少しのちのことになります。何もかも知っていると勘違いしていた競馬6年目の私の鼻は、ポキっと軽く折られてしまったのでした。ひとつだけ間違っていなかったのは、メジロドーベルが強い馬だったということ。もしかすると、それを信じられるかどうかを、メジロドーベルは私に問うていたのかもしれません。メジロドーベルよありがとう。メジロマックイーン、メジロライアン、メジロパーマー、メジロブライトよありがとう。そして、メジロ牧場よ永遠なれ。

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女シンザンと呼ぶに相応しい。

Victoriamile11 by Ruby
ヴィクトリアマイル2011―観戦記―
牝馬限定のG1レースにもかかわらず、目移りするようなメンバーが集い、それに相応しい激しいレースとなった。逃げたオウケンサクラが前半4ハロンを44秒6のハイラップで飛ばし、レース全体の流れを引き締めた。北村宏司騎手はヴィクトリアマイルにありがちな超スローではオウケンサクラの持ち味が殺されてしまうと考え、自ら厳しいレースを作る作戦に出たのだろう。たった一人の騎手の思惑がきっかけとなり、レース自体の性質が変化してしまうのが、競馬の面白さであり怖さでもある。伏兵の付け入る隙はなくなり、最後の直線では3強、そしてゴール前は女王2頭の一騎打ちとなった。

アパパネは力と力の勝負を見事に制してみせた。ゴールに向けて、歯を食いしばって走る姿は観ているだけで胸を打つ。決して体調が良かったわけではなく、完調に一歩手前という状態であったからこそ、今回の勝利の価値は高い。牝馬3冠(実質は4冠)を取った後、あらゆる疲労の蓄積があった中、わずか半年でここまで立ち直ったのだ。健康な肉体と常に前向きな気持ちが、この馬の存在を際立たせている。最後の最後に抜け出す勝負強さは、女シンザンと呼ぶに相応しい。次走は安田記念になるが、体調はさらに上向くだけに、牡馬の一線級を相手に不足はない。

蛯名正義騎手も全体の流れを考えると、最高のポジションでレースを運んでいた。通ってきたコース、そしてブエナビスタを待たずして追い出したタイミングも完璧であった。まさに前の馬も後ろの馬も受けて立った競馬であった。スパッと切れるが、突然止まってしまう牝馬が多い中、アパパネのように渋太く最後まで伸びるタイプは、ジョッキーとしても安心して乗れるはずである。かつてテイエムオペラオーに乗っていた時の和田竜二騎手が1番上手かったように、アパパネに乗っている時の蛯名正義騎手が1番上手い。

ブエナビスタは最後までアパパネを追い詰めたが、あと一完歩届かなかった。ジリジリとしか伸びなかったところを見ると、やはり昨年秋の3連戦の疲労がまだ残っているのだろう。ドバイへの遠征を挟んでいるのだから、当然といえば当然である。昨年に比べると仕上がりは良かったと言えば誤解を招くかもしれないが、あらゆる面で順調に来ていたことも確かである。それでも、こうして勝ち切れなかったのは、マイルへの適性でなく、ブエナビスタの気持ちの問題である。精神的な疲労が残っていることは、レースでの前進意欲の少なさを見れば分かる。サラブレッドの一生の中で極限を超えて踏ん張ることのできるレースは限られているのだ。岩田康誠騎手の乗り方にミスはなかった。

レディアルバローザはこのハイペースを内から先行して、勝ったかと思わせる場面を作ったように、ここに来て大きく成長していることを証明してみせた。馬体はひと回り大きくなり、以前の線の細さは微塵も感じさせない。父キングカメハメハはもとより、3年連続でカナダの古馬牝馬チャンピオンになった母から流れる晩成の血がようやく開花した。惜しむらくは、福永祐一騎手の読みに反して、レース全体のペースが速くなってしまったこと。ペースが落ち着いていれば、あのポジションで大正解であり、アパパネとブエナビスタにひと泡吹かすシーンが作れたはずである。

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東京芝2400m

Tokyo2400t

スタンド前からの発走で、スタート地点から第1コーナーまでの距離は349mと平均的な長さ。第1コーナーまでの距離が十分にあるため、無理な先行争いはあまりなく、1コーナーまでには大方の位置取りは決する。コース幅も広く、コーナーも複合カーブであり、直線も長いという全くごまかしの利かないタフなコース設定となっているため、力がなければ勝ち切ることはできない。

直線が長いという意識が各騎手に働くため、どの馬も道中無理をせず折り合いに専念する。そのため、スローペースになり、最後の直線での瞬発力勝負になりやすい。瞬発力に欠ける馬では苦しく、末脚に自信のある差し馬にとっては十分に能力が発揮される舞台である。

以上のことから、東京の2400mを勝つためには、「折り合いがつくこと」「瞬発力があること」「スタミナがあること」という3つの条件を満たしていることが望ましい。まさに、2400mがチャンピオンディスタンスと呼ばれるゆえんを体現しているコースと言えるだろう。

枠順に関しては、前半経済コースを進んで脚を溜められる分、内枠が有利になる。ただし、1コーナーでゴチャつくことがあるので、内枠の馬は不利を受けることがたまにある。

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オークスを当てるために知っておくべき3つのこと

Oaks

■1■オークスを勝つための条件
牝馬クラシックにおける、桜花賞1600m→オークス2400m→秋華賞2000mという距離の伸縮には少なからず問題点があるだろうが、実際のところ、オークスは2400m戦のレースであっても、内容(実質)的には1600m~2000m程度のものになってしまうことが多い。なぜなら、どの馬にとっても2400mは未知の距離となるため、各騎手に前半大事に乗ろうという気持ちが働き、ペースが遅くなるケースが多いからである。道中はゆっくりと行って、ラストの瞬発力勝負というレースになりがちで、そのため、オークスを勝つために条件となるのは、「スローペースに折り合える」、「瞬発力がある」という2点となる。
■2■桜花賞組が有利
また、桜花賞からの直行組の活躍が顕著なのは、桜花賞組の完成度が高いからである。スローペースに折り合うことができれば、たとえマイラーでもオークスの2400mは十分にこなせてしまう。最終的に問われるのは「絶対能力」であり、桜花賞で勝負になるだけのスピード(瞬発力を含む)、スタミナがあれば、それがそのままオークスでも十分通用してしまう。よって、別路線組よりも完成度(現時点での「絶対能力」)がはるかに高い、桜花賞組が有利になるのである。

■3■桜花賞→オークスの連覇が少なかった理由
なぜ桜花賞→オークスという連覇が少なかったかというと、 1、桜花賞馬はスピードが勝っている傾向があった 2、桜花賞で力を出し尽くしている という2点が考えられる。
1については、阪神競馬場が改修される以前の桜花賞を勝つような馬は、全体的なバランスとしてスピードが勝っている傾向が強かったので、「スローペースに折り合える」「瞬発力がある」のどちらかを満たしていないことが多かった。もちろん完成度が高いため好走はするのだが、それだけではオークスを勝ち切ることは難しい。

2については、桜花賞を勝つために力を出し切ってしまった馬が多く、1ヶ月半後のオークスまで体調を維持することができないことが多い。この時期の牝馬の体調は変わりやすいのである。つまり、余力を残して桜花賞を勝つか、余程能力が他馬と比べて抜けているかでないと、桜花賞→オークスという連覇は難しい。
阪神競馬場が大幅に改修されて以降の桜花賞馬の次走を見てみると、

2007年 ダイワスカーレット→ローズS1着
2008年 レジネッタ→オークス3着
2009年 ブエナビスタ→オークス1着
2010年 アパパネ→オークス1着

と桜花賞馬とオークスが直結していることが分かる。

阪神競馬場の改修を境として、桜花賞を勝つために求められる条件が一変した。つまり、仕上がりが早く、スピードの勝った馬が有利だったが、今やスローペースにしっかりと折り合えて、瞬発力に秀でていて、クラシックを目の前にしてグンと成長してくる馬が有利になったのだ。しかも、マイル以上の距離を走ることのできるスタミナの裏づけが必要になってくる。これらの条件を満たして桜花賞を勝利した馬は、よほど体調を崩してしまわない限り、距離が延びても同じ適性が問われるオークスで凡走することは考えにくいということになる。

■参考として
1)1600m以上のレースで連対したことのない馬は×
2)たとえ桜花賞であろうとも、前走が着外であった馬は×
3)重賞未経験の馬は×
4)連対率が50%以下の馬は×
5)桜花賞のあとレースを使った馬は×

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目移りするが決め手に欠ける:5つ☆なし

アニメイトバイオ →馬体を見る
休養を挟んで、柔らかい筋肉が付き、瞬く間にパワーアップした
表情もリラックスしており、休み明けとしては絶好の仕上がりにある。
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アパパネ →馬体を見る
ひと叩きされたが、絶好調時ほどには毛艶が冴えず、少し上向いたという印象。
完調までは至らないが、気持ちで走る馬なので、好走を期待。
Pad4star

アプリコットフィズ →馬体を見る
線の細さばかりが目立っていたが、今回はふっくらとして良い仕上がり。
毛艶も素晴らしく、全体のラインもまずまずで、この馬なりに絶好調の出来にある。
Pad4star

アンジェルブルー →馬体を見る
毛艶は良好かつ前後駆にしっかりと実が入って、いかにも力強い。
表情からも素直な気性が伝わってくるようで、騎手も操縦がしやすそう。
Pad4star

オウケンサクラ →馬体を見る
この馬にしては細く映るくらいで、やや本来の力強さに欠ける。
血統的には長距離向きでも、腰高の馬体を見ると、マイルあたりが適距離だろう。
Pad3star

コスモネモシン →馬体を見る
力強い立ち姿だが、牝馬らしく、まだ全体的(特に首周り)の線が細い。
毛艶も良く、筋肉のメリハリも十分なので、仕上がり自体は問題なし。
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ショウリュウムーン →馬体を見る
3歳時に比べて、見違えるほどに全身に筋肉がつき、パワーアップしてきた。
もう少しリラックスして立てるといいが、気性は穏やかそうな顔つきをしている。
Pad4star

スプリングサンダー →馬体を見る
このメンバーに入ってしまうと、全体の筋肉量が足りず、どうしても華奢に映ってしまう。
手脚や胴部の長さなど、バランスは良いので、もう少し成長を待ちたい。
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ブエナビスタ →馬体を見る
暮れの有馬記念時に比べ、明らかに毛艶は良く、調子は上向き。
ただ、馬体が長方形に見えることを、力強さと解釈するか、ふっくら感がないと解釈するか。
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ブロードストリート →馬体を見る
牝馬らしく線の細さはあるが、この厩舎の特徴でもあり、馬を良く見せている。
馬体における欠点はないので、あとはパワー不足をどう補うことができるかどうか。
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レディアルバローザ →馬体を見る
ここに来てグンとたくましくなり、筋肉量の豊富さが明らかに見てとれる。
馬体が詰まってきているので、距離短縮もプラスに働きそう。
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「ROUNDERS」(ラウンダーズ)を創刊します。

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新しい競馬の雑誌「ROUNDERS」(ラウンダーズ)を創刊します。本日、5月13日(金)より発売を開始します。

「ROUNDERS」は、「競馬は文化であり、スポーツである」をモットーに、世代を超えて読み継がれていくような、普遍的な内容やストーリーを扱った、読み物を中心とした新しい競馬の雑誌です。

創刊号の特集は「調教 馬と話す男たち」。サラブレッドの「調教」について、あらゆる視点から語っています。「調教」について詳しく知りたいという方にとっては、教科書代わりに使っていただけます。また、真剣に競馬について考える方にとっては、新たな気づきもあるでしょうし、サラブレッドがもっと愛おしいと思えるかもしれません。あなたにとって、「ROUNDERS」が新しい競馬の世界観への第一歩となることを願います。

各特集記事や連載記事については、これから少しずつ詳しく語っていくつもりですが、まずは「ROUNDERS」を手に取って、読んでみてください。一緒に雑誌を創ってくれたgachalingoさんによると、「手に取ってみると、その重さが分かります」とのこと。あっ、お分かりかと思いますが、雑誌自体の重さの問題ではなく、中身が詰まっているということですよ。なにせ実質1年半をかけて創ったのですから、重くないはずがありません。

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目次
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特集第1部 「馬は人のために走る」 治郎丸敬之
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特集第2部 「馬はどんな夢を見ているのだろう」 橋田俊三
P018019
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特集第3部 「馬を再生させ、成長させる」 木村忠之の仕事
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特集第4部 「栗東トレセン極道」 久保和功に訊く
P030031
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特集第5部 「調教のすべて」 治郎丸敬之
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「ROUNDERS」(全156ページ)を1,995円(税込み、送料無料)でお分けいたします。
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3強というよりも、好きな馬3頭。

Jiromaru

新しい競馬の雑誌「ROUNDERS」をご予約いただき、ありがとうございます。たくさんのメッセージもいただいて、たいへん勇気づけられました。正式には明日13日(金)に発売となり、来週の月曜日から順次、皆さまの元へ郵送させていただく予定です。もちろん、「ROUNDERS」も楽しみにしていただきたいのですが、今週のヴィクトリアマイルも楽しみですね。私にとっては夢のようなメンバーが揃いました。ブエナビスタとアパパネ、そしてレディアルバローザです。3強だと思うのですが、私にとっては好きな馬3頭ということになります。

まずは、昨年秋の3連戦の走りで、最強牝馬の座を確固たるものにしたブエナビスタについて。以前にも書いたことがあるのですが、私はブエナビスタの母ビワハイジとちょっとした因縁があります。因縁と言ってよいものか、因縁と言えるほどのことか分かりませんが、実は誕生日が同じなのです。ビワハイジが阪神3歳牝馬S(現・阪神ジュベナイルフィリーズ)に出走した時、私は彼女の単勝を買いました。いわゆる誕生日馬券というやつです。結果、あのエアグルーヴを振り切って逃げ切ってくれました。あの時は嬉しかったですし、ただ誕生日が同じ馬が勝ってくれたというだけで、なんだか馬券を超えたつながりを感じたりしたものです。まさかあの小鹿のようなビワハイジから、ブエナビスタのような名牝が生まれるとは。

何度も言いますが、ブエナビスタは脚の速い馬です。鍛えて速く走れるようになったのではなく、生まれつき他の馬よりも脚が速い馬。ディープインパクトがそうであったように、そういう馬は滅多なことでは凡走しません。そのブエナビスタが前走のドバイワールドカップで初めて凡走しました(8着)。うーん、もちろんメンバーが強かったということや展開が向かなかったということもあると思いますが、最大の敗因は昨年秋の3戦の疲労が癒えていなかったからでしょう。秋の王道のG1レースを3連戦して、しかも1着→3着(実質1着)→2着とコンスタントに力を出し切ったのですから、普通の馬であれば、牡馬であっても、特に精神的な面で、もう走れないぐらい疲れが出るはずです。そこからさらにドバイに向けて調整をして、3月に出走させるのですから、酷な話です。さすがのブエナビスタでも苦しかったのではないでしょうか。さあ、そこからどれだけ回復してヴィクトリアマイルに出走できるでしょうか。昨年もかなり状態の悪い中で出走し、なんとか勝ちましたが、今年は相手も揃いました。それでも牝馬同士では負けてほしくないという想いと、まずは無事に走ってきてほしいという想いが交錯します。

アパパネは今年応援すると年頭に決めた馬です。私の大好きだったブラックホークという馬と同じ国枝厩舎ですから、いわばブラックホークの後輩ということですね。この2頭に共通しているのは、走りたいという強い気持ちです。走ることが好きで、どんな状況であっても前へ前へと進みます。ほとんどの馬は速いスピードで走ると苦しいので嫌いますが、ブラックホークやアパパネはそんな顔ひとつ見せず喜んで走るのです。これは私の経験上ですが、こういう馬は人智を超えて走ることがあります。だって、スプリンターズSを勝って、短距離により適性があると思われていたブラックホークが、7歳の晩年に高松宮記念(1200m)と京王杯スプリングC(1400m)を負けて、まさかマイルに距離が延びた安田記念を大外一気の末脚で勝つとは、誰もが思いもよりませんでした。あれこそ、常に全力を出して走る馬が人智を超越したレースだと思います。そういう心を動かされる瞬間があるのではないかと期待して、アパパネを応援したいと思います。叩き良化型の馬だけに、前走の敗戦(4着)は仕方ないとして、そこから上向いているかどうかです。この馬もブエナビスタと同じく、昨年は牝馬3冠という偉業をやってのけて、その疲労は計り知れないはずです。力を出せる体調にあるのか、体調が優れなくても走る気力でどこまでカバーしてしまうのか、アパパネの喜びに溢れた走りを見守りたいと思います。

最後にレディアルバローザですが、この馬は元から素質を高く買っていました。父キングカメハメハは私にとっては非常に思い入れのある馬で、もしかするとディープインパクトよりも強かったのではないかと思っているぐらいなのですが、種牡馬としてもその潜在能力をいかんなく発揮してくれています。キングカメハメハの産駒は総じて渋太さを受け継いでいます。バテそうでバテない。競って根負けしない、気持ちの強さがあるということです。しかも、このレディアルバローザの母のワンフォーローズは、3年連続でカナダの古馬牝馬チャンピオンになった馬です。3歳時は線の細さが目立ちましたが、ここにきて馬体がしっかりしてきましたね。笹田厩舎に転厩したからということもありますが、晩成の血統がようやく花開いてきたということでしょう。その成長を期待していた馬だけに、ここでどんな走りを見せてくれるのか楽しみです。

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戦いはまだ始まったばかり


NHKマイルC2011―観戦記―
フォーエバーマークがハナを主張して、それにクリアンサスとエイシンオスマン、リキサンマックスが続く形で、半マイルが45秒7、そして後半が46秒5だから、このメンバーにしては決して速くはないが、淀みない流れでレースは進んだ。結果的に、先行争いを演じた逃げ・先行馬たちは最後の直線で力尽き、後方やや外にポジションした差し馬が上位に台頭した。道中でのポジションが勝敗を分けたレースであった。

勝ったグランプリボスは、マイル戦の淀みないペースに折り合いが付き、脚をためることができたことで、最後の直線で末脚を爆発させることができた。スプリングS、そしてニュージーランドTでは折り合いを欠く姿が目立っただけに、外枠からスムーズに流れに乗れたことも吉と出て、ようやくこの馬の力を発揮することができた。最後の直線では舌を出していたように、騎手にとっては操縦の難しい馬だろう。テン乗りのウィリアムズ騎手もきっちりとコントロールして巧く乗っていたが、そういう意味でも、マイル以下の距離でこその馬である。

グランプリボスの父は先日他界したばかりのサクラバクシンオー。最後までこうしてG1ホースを誕生させるところに、サクラバクシンオーの種牡馬としての偉大さがある。もちろん、母の父に入ったサンデーサイレンスの血が、サクラバクシンオーの後押しをしていることも忘れてはならない。この後は、英国のセントジェームズパレスSに挑戦して、あのフランケルと対戦するとのこと。サクラユタカオーから脈々と流れる内国産の血を、どこまで途絶えることなく伝えてゆくことができるのか。グランプリボスの戦いはまだ始まったばかりなのかもしれない。

コティリオンはスタートから行き脚がつかず、最後方からのレースを強いられた。そのため、かえって折り合いがついて良かった面もあるのだろうが、最後は届かない位置から2着まで追い込んだので精一杯だった。まだ馬体が出来上がっていない状態でこれだけ走るのだから、将来性は非常に高い。また、ディープインパクト産駒の成長力にも驚かされる。桜花賞を勝ったマルセリーナもそうだったように、春のクラシックが始まるのに合わせて、グッと良くなってくる馬が多い。これはかつてのアグネスタキオンがそうだったが、つまりクラシック血統ということである。

同じくディープインパクト産駒のリアルインパクトは、内田博幸騎手が最高のレースをしたが、最後の直線でブレーキを踏む形になってしまい、外からスムーズにレースを運べた馬たちに先着されてしまった。フットワークの大きい馬だけに、中団より外の枠を引けていれば、2頭の間に割って入れたかもしれない。

3番人気に推されたエーシンジャッカルは、内枠が災いしてしまい、まともなレースをさせてもらえなかった。岩田康誠騎手のことだけに、リアルインパクトが走った前々のポジションを狙っていたはずだが、スタート後に寄られて、それから後手後手に回ってしまった。今年絶好調の岩田康誠騎手だが、ジョッキーはいつも上手く乗れるわけではない。

エイシンオスマンは最後まで良く粘っている。皐月賞からの中1週という間隔も全く問題なかったし、距離の短縮もこの馬にとってはプラスであった。実は4着に粘ったプレイとエイシンオスマンは同じロックオブジブラルタル産駒であり、マイル前後の平均ペースで力を発揮するのだろう。へニーハウンドは道中でやや行きたがっていたように、1200m戦から府中のマイル戦という変化に戸惑っていた。キャリアが浅い馬だけに仕方ない部分もある。

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ヴィクトリアマイルを当てるために知っておくべき3つのこと

Victoriamile


■1■短距離馬がもってしまう
府中のマイル戦といえば、字ズラ以上にスタミナが要求されるレースなのだが、ことヴィクトリアマイルに関していえば、そうとは言い切れない結果が出ている。過去5年間で2頭のフジキセキ産駒が勝利しているように、一昨年、昨年のウオッカ、ブエナビスタは別として、どちらかというとマイル以下を得意とする馬が勝ち切っているのだ。その理由はレース自体のペースにある。

12.6-11.2-11.6-12.1-12.2-11.4-11.3-11.6(47.5-46.5)S
1:34.0 ダンスインザムード
12.3-10.8-11.7-11.8-11.6-11.2-11.2-11.9(46.6-45.9)M
1:32.5 コイウタ
12.4-11.3-12.0-12.2-12.1-11.2-11.0-11.5(47.9-45.8)S
1.33.7 エイジアンウインズ
12.2-10.8-11.7-12.0-11.9-11.2-10.8-11.8(46.7-45.7)S
1:32.4 ウオッカ
12.2-10.6-11.0-11.7-12.0-11.6-11.3-12.0(45.5-46.9)H
1:32.4 ブエナビスタ

昨年を除く、いずれのレースも前半が極端に遅くて、後半が速いという、G1レースのマイル戦では珍しい後傾ラップであることが分かる。道中で引っ掛かることや東京競馬場の長い最後のストレッチを心配して、牝馬同士であることを含め、あまりガンガンやり合うような競馬にならないからである。たとえ府中のマイル戦であっても、これだけ前半がゆったりと流れると、ラスト800mぐらいのスピード勝負になってしまう。

よって、マイル以下に適性があるような短距離馬でも、なんとかもってしまうというレースになりやすいということだ。逆に言うと、こういう流れでは、マイル以上に適性のある中距離馬にとっては、出し抜けを食らいやすいレースとなる。

■2■内枠を引いた先行馬
スローペースになりやすい以上、やはり前に行ける馬にとって有利なレースになりやすい。さらに、スローペースでは馬群が縦長にならず、道中が団子状態で進むことになるので、馬群の外を回されないで済む内枠を引いた馬がレースをしやすい。もうひとつ付け加えるとすると、最後の直線に向いてのヨーイドンの勝負になりやすいので、瞬発力に長けた馬に向いたレースとなる。つまり、先行できて瞬発力勝負に強い馬が内枠を引いたら、たとえ人気薄であっても警戒した方がよいだろう。

■3■近走で牡馬を相手に好勝負出来ていた馬
エイジアンウインズ以外の過去の勝ち馬に共通する条件は、「近走で牡馬を相手に勝ち負けできていた」ということである。第1回の勝ち馬ダンスインザムードは、天皇賞秋3着、マイルCS4着、マイラーズC2着と、牡馬を相手に近走で互角に走っていた。第2回の勝ち馬コイウタも前走はダービー卿チャレンジで2着に入っていた。さらに言えば、ダンスインザムードの2着したエアメサイアも、前々走の中山記念で牡馬の3着と好走していた。ウオッカやブエナビスタは言わずもがなである。牝馬同士のG1レースであるがゆえ、牡馬と好勝負出来ているということの意味は大きい。

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筋肉がついてきたエーシンジャッカル:5つ☆

エイシンオスマン →馬体を見る
皐月賞から間隔が短いが、レースの疲れはまったく感じさせない。
やや腰高でスピードの勝ったタイプだけに、距離短縮はプラスに働くはず。
Pad3star

エーシンジャッカル →馬体を見る
デビュー時(2歳時)に比べ、明らかに馬体全体のバランスが良くなってきた。
しっかり調教が出来るようになり、毛艶も良く、つくべきところに筋肉がついてきた印象。
Pad5star

キョウエイバサラ →馬体を見る
いかにもパワーがありそうな、筋肉量の多い馬体だけに、スタミナに不安も。
前後駆の肉付きのバランスは良いだけに、あとは気性的にも落ち着いて走れるかどうか。
Pad3star

クリアンサス →馬体を見る
馬体にはまだ幼さが残っているが、気性が勝っていて気持ちで走るタイプ。
血統的にはマイルは疑問も、すんなりと逃げられれば粘れるかも。
Pad2star

グランプリボス →馬体を見る
朝日杯フューチュリティSの時もそうだったが、あまり良く見せない馬で判断が難しい。
休み明けを2戦使って、体は引き締まってきているので、仕上がりは良好。
Pad3star

コティリオン →馬体を見る
小柄でインパクトの少ない馬体だが、さすがディープ産駒だけあって走る。
あばらが浮いているように、毎日杯以来ではあっても、絶好調を保っている。
Pad3star

ダンスファンタジア →馬体を見る
この馬はいつもパワフルに良く見せる馬だけに、前走から大幅な良化はないと見る。
中1週続きだが、表情を見る限りにおいては、馬にダメージはなさそう。
Pad3star

フォーエバーマーク →馬体を見る
馬の成長に合わせて作っているのか、今回もG1だというのに無理のない仕上げ。
牝馬らしく、馬体がゆっくりふっくらとしており、好印象を受ける。
Pad3star

プレイ →馬体を見る
皐月賞時の立ち姿の方が良く映ったように、巻き返しの可能性は低い。
距離短縮はプラスに働きそうだが、切れる脚がないだけにマイル戦はどうか。
Pad3star

へニーハウンド →馬体を見る
バリバリのアメリカ血統だが、幼い分もあってか、ゴツゴツした感じはない。
その分、距離は十分にこなせそうで、毛艶も良く、現時点では最高の仕上がりにある。
Pad3star

リアルインパクト →馬体を見る
やや胴部が長く映るため、エンジンの掛かりがどうしても遅くなりそう。
直線の長い府中に変わるのはプラスに働くし、今回の仕上がりは素晴らしい。
Pad4star

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「ROUNDERS」(ラウンダーズ)の予約を受け付けます。

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大変お待たせしました!新しい競馬の雑誌「ROUNDERS」(ラウンダーズ)を創刊します。5月13日(金)の発売に先行して、予約受付を開始します。

「ROUNDERS」は、「競馬は文化であり、スポーツである」をモットーに、世代を超えて読み継がれていくような、普遍的な内容やストーリーを扱った、読み物を中心とした新しい競馬の雑誌です。

創刊号の特集は「調教 馬と話す男たち」。サラブレッドの「調教」について、あらゆる視点から語っています。「調教」について詳しく知りたいという方にとっては、教科書代わりに使っていただけます。また、真剣に競馬について考える方にとっては、新たな気づきもあるでしょうし、サラブレッドがもっと愛おしいと思えるかもしれません。あなたにとって、「ROUNDERS」が新しい競馬の世界観への第一歩となることを願います。

各特集記事や連載記事については、これから少しずつ詳しく語っていくつもりですが、まずは「ROUNDERS」を手に取って、読んでみてください。一緒に雑誌を創ってくれたgachalingoさんによると、「手に取ってみると、その重さが分かります」とのこと。あっ、お分かりかと思いますが、雑誌自体の重さの問題ではなく、中身が詰まっているということですよ。なにせ実質1年半をかけて創ったのですから、重くないはずがありません。

特集ページの無料サンプルはこちらからご覧ください↓
*表示に時間が掛かる場合があります。

目次
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特集第1部 「馬は人のために走る」 治郎丸敬之
P009010
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特集第2部 「馬はどんな夢を見ているのだろう」 橋田俊三
P018019
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特集第3部 「馬を再生させ、成長させる」 木村忠之の仕事
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特集第4部 「栗東トレセン極道」 久保和功に訊く
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特集第5部 「調教のすべて」 治郎丸敬之
P1181231
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「ROUNDERS」(全156ページ)を1,995円(税込み、送料無料)でお分けいたします。
*大変申し訳ありませんが、振込み手数料は各自でご負担いただきますのでご理解ください。

今回、ご予約いただきました方には、発売開始後すぐの5月16日(月)には郵送しますので、誰よりも早く、確実にお読みいただくことができます。

プライバシーポリシー特定商取引に基づく表記もご覧ください。

*おかげさまで完売いたしました。

ご予約方法
Step1メールフォームにてご予約をしてください。
*SSLに対応しておりますので、個人情報の保護も万全です
*個人情報を第三者に開示をすることは決してありません。
Step2ご予約確認メールが届きます。
Step35月16日(月)以降にお届け先住所に「ROUNDERS」が届きます。
*振込み用紙を同封しますので、商品到着から5日以内に指定の銀行口座にお振込みください。
*振込み手数料は各自でご負担いただきます。

*おかげさまで完売いたしました。

まだ第1歩を踏み出したばかりの雑誌ですが、より良い競馬の世界を目指して、これからも創り続けていきますので、応援してください。お読みいただいたご感想やご意見など、教えてくださると嬉しいです。(glassracetrack@ymail.plala.or.jpまで)

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東京芝1600m

Tokyo1600t

向こう正面の直線入り口からのスタートで、第1コーナーとなる3コーナーまでの距離は566mとかなり長い。スタートしてから緩い下りが続くことも加わって、前半から速いラップが刻まれることになる。“向こう正面でスピードが出てしまうこと”、“「直線が長く坂があること”の2つの理由によって、連対馬中の逃げ馬の比率が約12%という、「日本で最も差し馬が有利なコース」である。 コーナーの数が2つしかないことと、複合カーブであることによって、同じ1600mでも、中山競馬場のそれと比べるとごまかしが利かないコース設定になっている。マイル以上の「スタミナ」が要求され、スピードだけで押し切るのは難しいコースである。

スタート地点がバンク状になっているため、外枠の馬は内の馬の出方を見ながらレースを進めやすい。そういった意味では外枠が有利であるが、2002~3年の改修によって3~4コーナーのカーブが全体的に緩くなり、4コーナーでは内が開きにくくなった。そのため、後から行った馬は前が壁になるか、もしくは外を回さざるを得ない。内を通った先行馬に有利となるコースである。

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血は恐ろしい

Tennosyoharu11 by M-style
天皇賞春2011―観戦記―
逃げる意志を見せる馬がおらず、好スタートを切ったゲシュタルトやペルーサ、ビートブラックという面々が押し出されるように先行した。隊列が決まったかと思いきや、スタンド前でコスモヘレノスが一気にハナを奪い、さらに1番人気に推されたトゥザグローリーが抑え切れずに先頭に立つ。それだけでは終わらず、スタートで立ち遅れたナムラクレセントが向こう正面でまくりをかけ、なんと3度にわたって先頭のポジションが変わるという珍レースとなった。

馬場状態を考慮に入れても、前半1000mの64秒2は過去10年で最も遅く、中盤1200mの76秒5も超スローに流れた昨年とタイで最も遅い。この極限までに遅い流れの中で、折り合いを欠く馬が目立ち、それを抑え切れない騎手も多かった。それにさらに輪をかけたのがやや重馬場であり、3200mを走った各馬から容赦なくスタミナを奪い去っていった。まるでヨーロッパ競馬のようであり、どこまで「ジッと我慢できるかという精神力」と「スタミナ」、まさにステイヤーとしての資質が問われる苛酷なレースであった。

勝ったヒルノダムールは、一流のステイヤーとして世代の頂点に立った。他馬が折り合いを欠いて汲々とする中、ただ1頭だけ、何ごともなかったかのようにスムーズに走れていた。父は菊花賞と天皇賞春を制したマンハッタンカフェ、母の父は無敗のまま凱旋門賞を制したラムタラである。デットーリ騎手が「ライオンの心臓を持つ」と賞賛し、44億円という莫大な日本マネーをつぎ込んで輸入した神の子が、母の父という形で名ステイヤーを出そうとは。日高の関係者の心情を思うとなんとも言いがたいが、こういう馬をこそ、ぜひ凱旋門賞で走らせてほしい。

藤田伸二騎手も実に冷静に騎乗していた。ヒルノダムールの折り合いを欠かない長所と2番枠という枠順を最大限に生かし、理想的なポジションで道中は進み、追い出しから直線に立つタイミングまで完璧であった。ステイヤーのヒルノダムールが2000mの前走(産経大阪杯)で勝ったのだから、レース前から自信はあったに違いない。今年は乗り鞍も減り、忸怩たる思いもあるだろうし、ドバイワールドカップでは惜しくも2着に敗れて悔しい思いもしただろうが、そういう全てを胸に秘めて、大舞台で最高の仕事をやってのけた。このジョッキーもライオンのハートを持っている。

惜しくも2着に敗れてしまったエイシンフラッシュは、ダービーからおよそ1年の時をかけて、ようやく復調してきた。藤原英昭調教師の手腕によって、ほぼ完調に近いところまで馬体は立て直された。レースに行っても、これだけ遅いペースにもなんとか折り合いがついていたし、追い出されてからグッとハミを噛んで伸びていた。最後にもうひと踏ん張りできなかったのは、気持ちの面でまだ完全にダービーの疲れが癒えていないのだろう。馬の一生のうちで、精神が肉体の限界を超えて走られるレースは極めて少ない。それにしても、この馬のステイヤーとしての資質は高い。さすが最強世代のダービー馬である。

ナムラクレセントは立ち遅れてしまったことにより、自らの型に持ち込むことができなかった。それでも、結果的に3着に粘りこんでいることを考えると、すんなりハナに立てていれば、もっと際どい勝負になったのではと思わせる。スタミナが問われる馬場も苦にしなかったように、この馬も生粋のステイヤーである。

ステイヤーのマイネルキッツにとってはお膳立てが整ったようなレースであったが、松岡正海騎手がスタートから出して勝ちに行った分、馬がその気になって掛かってしまっていた。人間の勝ちたいという気持ちが馬に伝わり、今回に限っては裏目に出てしまった。

1番人気に推されたトゥザグローリーは、道中の超スローペースと入れ替わりの激しい展開とスタミナを要する馬場という3重苦に負けてしまった。前に馬を置くことができず、四位騎手もとにかく行きたがって仕方ないトゥザグローリーを抑えるのに苦労していた。向こう正面ではあきらめて先頭に立たせたが、また外から来られ、あの時点でトゥザグローリーのレースはすでに終わっていた。G1レースともなると、陣営も極限の仕上げをしてくるので、そういった時にこそ、まさに血が騒ぐのである。トゥザグローリーの場合は、母や母の父から引いた(長距離戦においては)前向きすぎる気性が表出してしまったということだ。母の父にサンデーサイレンスを持つローズキングダムにも、全く同じことが当てはまる。血は恐ろしい。

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NHKマイルCを当てるために知っておくべき3つのこと

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■1■マイル以上のスタミナと完成度の高さが求められる
過去15年の優勝馬の前走距離と着順を見てみたい。

タイキフォーチュン→ 毎日杯(2000m)1着 
シーキングザパール→ ニュージーランドトロフィー(1400m)1着
エルコンドルパサー→ ニュージーランドトロフィー(1400m)1着
シンボリインディ→ マーガレットS(1600m)1着
イーグルカフェ→ ニュージーランドトロフィー(1600m)7着
クロフネ→ 毎日杯(2000m)1着
テレグノシス→ スプリングS(1800m)2着
ウインクリューガー→ 毎日杯(2000m)8着
キングカメハメハ→ 毎日杯(2000m)1着
ラインクラフト→ 桜花賞(1600m)1着
ロジック→ニュージーランドトロフィー(1600m)3着
ピンクカメオ→桜花賞(1600m)14着
ディープスカイ→毎日杯(1800m)1着
ジョーカプチーノ→ニュージーランドトロフィー(1600m)3着
ダノンシャンティ→毎日杯(1800m)1着

シーキングザパールとエルコンドルパサー以外の馬は、前走で1600m以上のレースをステップにしている。そして、半数以上の馬は前走でも勝っているということが分かる。

最初に、ほとんどの勝ち馬が前走で1600m以上のレースをステップにしているのは、東京競馬場のマイル戦では、スピードだけではなくスタミナがないと勝ち切ることはできないからである。特にNHKマイルカップはハイペースになることが多く、最後のひと伸びができるスタミナや底力が問われることになる。

つまり、マイル戦がギリギリといったスピードタイプの馬ではなく、中距離を走り切ることのできるスタミナを兼ね備えていなくては、NHKマイルカップを制することは出来ない。例外的存在であるシーキングザパールにしてもエルコンドルパサーにしても、1600m以上の距離をこなせる十分なスタミナを兼備していた。このレースに出走してくる以上、どの馬も豊富なスピードを有しているのは当然と言えば当然で、最後に勝敗を分けるのはスタミナの有無なのである。

ほとんどの勝ち馬が前走でも勝っているのは、この時点での完成度の高さが勝ち馬に求められるからである。ポロポロと取りこぼしていたり、アッサリと負けてしまっていたりする馬では勝負にならない。G1レースである皐月賞、桜花賞組は別として、前走をキッチリと勝って臨んで来られないようでは、非常に高いレベルの要求されるこのレースでの好走は厳しい。

■2■ニュージーランドT組で展開が向かなかった馬が狙い
中山のマイル戦に条件変更されて以来、ニュージーランドトロフィーでの着順が、そのまま本番へと結びつかなくなっている。中山のマイル戦と府中のマイル戦ではあまりにも条件が違いすぎて、ニュージーランドトロフィーでの成績をそのまま信用することができないということである。これまでのパターンから述べると、イーグルカフェ、ロジックのようにコース適性の差で追い込み切れず負けてしまった馬、またジョーカプチーノのように前潰れのハイペースに巻き込まれた馬など、極端な展開が向かなかった馬に限っては、本番で巻き返せる可能性があると考えてよい。

■3■1200m戦→マイルのG1は×
東京競馬場の1600mという距離で行われるG1レース(NHKマイルカップ、安田記念、フェブラリーS)を考える上で、前走で1200mのレースを使っていた馬について触れなければならないだろう。たとえば、NHKマイルカップにおいては、前走がファルコンS(中京1200m)という馬が出走してくる。安田記念だと高松宮記念(中京1200m)がよくあるケースだ。このように1200m戦→マイルのG1というローテーションを踏んできた馬は、たとえ前走で好走していたとしても、本番においてはほぼ間違いなく凡走してしまう。

理由としては以下の2つが考えられる。
1)求められるスタミナの違い
2)道中の体感ペースの違い

つまり、1200mのレースとマイルのG1レースとでは、勝ち馬に求められるスタミナとレースでのペースが絶対的に異なる。

1)G1のようなレベルの高いレースを勝ち切るには、スピードだけではなく、最後のひと伸びができるスタミナや底力が問われることになる。1600mのG1レースを勝つには、1600m以上の距離を走り切ることができるだけのスタミナが必要とされるのである。そのため、1200m→1600mという距離にしてみればたった400mの違いであるが、その数字以上に、勝つために要求されるスタミナに開きがあるのである。

2)道中におけるペースが明らかに異なるため、体感ペース(ラップ)が違ってくる。1200mのレースでは、スタートしてから一息でスピードに任せて一気に走り切ってしまえばいいが、1600mのレース、特に東京のマイルでは、道中でタメの利いた走りをしなければ最後の坂で脚が上がってしまう。1200m戦を使った馬は、一気に走り切ろうとするラップを体が記憶してしまい、次のレースでもそういった走りをしてしまうのである。馬の感覚としては、1200m戦のつもりで思いきって飛ばしていると、実は1200m地点でゴールではなく、あと400mの直線が目の前に広がっていたというイメージが分かりやすいだろう。いくら騎手に叱咤激励されても、そこからラストスパートするだけのスタミナや気力はすでに残っていないのである。

このように、1200m戦→1600mのG1(特に東京競馬場でのマイルG1)というローテーションは、あまりにもレースの質や条件が違うために、馬が戸惑い、その力を発揮することなく凡走してしまうことになる。

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「ROUNDERS」の発売日が決定しました。

新しい競馬の雑誌「ROUNDERS」の発売日が5月13日(金)に決定しました。長らくお待たせしてしまった上に、ゴールデンウィーク中にお手元に届けることもできませんでしたが、ようやく完成して印刷に出すことができました。1日も早く皆さまに届けるために、今週から予約を受け付ける予定です。詳しい雑誌の内容は、その時までお楽しみにということで。

その代わりと言ってはなんですが、明日の夜からまたTwitter上にて、「競馬をもっと好きになるための7つの道」を少しずつ書き始めたいと思います。「好きな馬はいますか?」がそろそろ終わりそうな予感。Twitterのアカウントをお持ちの方はぜひフォローしてください。また、お持ちでない方は、「ガラスの競馬場」のサイドバーに更新されていきますので、ゆっくり読んでいただければ幸いです。こちらもお楽しみに!


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