« 「優駿」6月号に「ROUNDERS」が | Main | 眠れぬ最高の夜を »

何が起こるかわからない、競馬も、人生も。


オークス2011―観戦記―
レース直前の叩きつけるような雨により、追い込みの利きづらい、力が要る馬場状態へと一変した。ピュアブリーゼが刻んだ前半72秒9-後半72秒8という流れは、数字だけを見ると平均ペースだが、中盤が緩んだことで、前に行った馬にとって有利な展開となった。後ろから進んだ人気2頭、マルセリーナとホエールキャプチャにとっては、身上とする切れ味を殺され、しかも展開にも恵まれないという二重苦を味わったレースとなった。ほんの1時間前に降り始めた雨によって、結果がここまで左右されてしまうところに、競馬の不確実さがある。

勝ったエリンコートは中団でピタリと折り合い、4コーナーでは先行集団を射程圏に入れると、馬場を苦にすることなくしっかりと伸びた。最後はスタンドからの照明を気にしてヨレてしまったが、ラストまで抜かせなかった根性は素晴らしい。血統的には説明がつきにくいが、力の要る馬場と2400mの距離に対応したのだから、この馬自身、道悪を苦にせず、距離が延びて良いタイプなのだろう。デュランダル産駒にしては柔らかい筋肉と、まだ緩さの残る未完成の馬体だからこそ克服できたとも考えられる。審議については、進路妨害をした後、後藤浩輝騎手はムチを左手に持ち替えて、馬を立て直して追っており、決して悪質ではなかったからこそ、セーフと判断されたのだろう。

父モンズンという典型的な欧州血統が流れているピュアブリーゼは、力の要る馬場に滅法強いことを証明してみせた。切れ味勝負になると分が悪いが、しぶとさを生かせる馬場は合っている。もちろん、単騎ですんなり逃げられたことも功を奏したように、あらゆる条件が追い風となり、能力を発揮することができた。主に繁殖を見据えて購入したであろう馬がこれだけ走るのだから、サラブレッドは分からない。また、これは何度も見る光景だが、柴田善臣騎手はこういう形で逃げさせると、スローダウンするのが非常に上手い。

ホエールキャプチャはギリギリに仕上げられていたことに加え、降りつける雨に嫌気を差したのか、ゲート内でイライラして立ち上がった瞬間にスタートを切られてしまった。あっという間に進路を塞がれ、後方からの競馬を余儀なくされた。追い込みが利きづらい馬場を考えても、前で競馬をしたかっただけに、一瞬のミスが致命傷となった。それでも、池添謙一騎手は進路を内に取り、コーナーリングでも距離ロスを避け、最善を尽くしたが、最後は同じ脚色になってしまった。今回はあらゆる要素がこの馬にとって向かなかった中で、よくぞ走っている。

1番人気に推されたマルセリーナは、持ち前の切れ味を馬場に完全に殺されてしまった。展開も不向きであり、さすがにあそこのポジションからでは追い込めない。前走の桜花賞でやや掛かったことを考慮して、安藤勝己騎手は積極的に出して行かなかったのだろう。まだ本当の強さがなかったということではあるが、もし1時間前の良馬場で行われていたら、最後まで伸び切っていたはず。馬体重こそ変わらないが、しっかりと筋肉がつき、馬体の成長は著しい。このまま順調に行けば、秋が楽しみな馬の1頭である。

良血グルヴェイグにとっては、あらゆる条件が厳しすぎた。跳びが大きく綺麗な馬だけに、今回のような馬場は合わないし、あれだけ外を回されてしまっては苦しい。将来性は随一の素質馬だけに、限界を超えて走ってしまうよりも、ダメージを残さない負け方ができて、かえって良かったのではないだろうか。

現在のランキング順位はこちら

|

Comments

治郎丸さん いつもどうもです(^-^)

何がおこるかわからない…ほんとにつくづくそう思いますね。


形は違えど競馬も人生もある領域を超えたとこは似たようなものだと思いますね。


形あるものいつかは変わりゆくでもその儚さが一度きりの生を際立たせるのかもしれませんね。


競馬にしても人生にしてもある意味では同じことがゆえるような気がします。


少しズレましたがいろんなことが起きるのが生きてるとゆう証なのかもしれませんね(~o~)

Posted by: ユビキタス | May 25, 2011 at 10:33 PM

ユビキタスさん

そうですよね。

私は競馬を通して、何度も何度も、
何が起こるかわからないことを教えてもらいました。

どれだけ競馬や人生が複雑で偶然的な出来事に支配されているのか、それが分かっただけでも幸せです。

今年のダービーもどんなドラマが待っているのか、楽しみで仕方ありません。

Posted by: 治郎丸敬之 | May 26, 2011 at 12:41 PM

Post a comment