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CSG(Classic Supporters Game)について

思い返してみると、昨年からもうPOGには参加していない。それまでは何度か、JRA-VANや雑誌「優駿」や週刊「Gallop」主催のPOGに参加したことはあったのだが、心から面白いとは思えなかった。理由はたくさん思いつく。その中でも最大のものは、自分の指名馬が活躍しないということだろう。それはお前が下手くそだからと言われてしまえばそれまでだが、年間で7000頭以上のサラブレッドが生産されている中、まだレースで走ってもいない段階で数頭を指名し、その馬たちがクラシック戦線に乗ってくることは極めて稀であるはずだ。

POGが広まりつつあった当初は、そういう主旨のゲームだと思っていた。つまり、海のものとも山のものともつかぬ数頭のサラブレッドを馬主になった気持ちで所有し、たった1勝を挙げることがどれだけ難しいかを知る。そうすることで、我が所有馬が未勝利を脱出した時の感動や重賞に出走する前夜のドキドキを、誰でも、僅かでも体験できるはずであった。

しかし、そうではなかったらしい。POGは情報戦のゲームであったのだ。どの牧場にいるどの馬がどれだけ確実にデビューできて賞金を稼げそうか。そういう類の情報を誰よりも多く早く集められるか、また誰も知らない極秘情報らしきものをどうやって集められるか。最近のPOG本やPOGの取り上げられ方を見ていると、どうやら株をやるのと同じような偏向にあるのではないか、という気がしてならない。これで本当に競馬ファンの心は躍るのだろうかと。

別にPOG自体を否定しているわけではなく、個人的には一口馬主になることが、今のPOGのほとんど全てを代用してくれると思っている。本当の意味でサラブレッドを所有することはできないが、ある程度のリスクを取って競走馬を走らせることで、競馬の世界がより魅力的に移り変るのではないだろうか。ただ、リスクを取れないという方もいるはずで、そういった方のためには、もう少し現実的なルールで行われた方がより面白いはず。

最近、そんなことを考えていたところ、「馬流天星」のスカイポットさんが主催、勝ち組の勝利指針の川島さんがスポンサーの「CSG(Classic Supporters Game)」が始まった。クラシック・サポーターズ・ゲーム。名前を聞くだけで、このゲームがどういう主旨かなんとなく分かる。私もこの方向に基本的には賛成である。敢えて個人的な意見を言わせてもらえば、日本ダービーまでではなく菊花賞までであれば良かったのにと思う。古い時代の人間なので、菊花賞を勝つような馬もけっこう好きなのだ。

■「CSG(Classic Supporters Game)」の詳しい説明はこちら
Wakaken
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新潟2歳Sを当てるために知っておくべき3つのこと

Niigata2sais

■1■早熟のマイラーを狙え
マイル戦で行われるようになった過去8年の勝ち馬をみると、朝日杯フューチュリティSの勝ち馬が2頭(マイネルレコルト、セイウンワンダー)出ていることが分かる。G1馬を2頭も出しているのだから、新潟2歳Sも十分な出世レースといえるのだが、どうにもスケールの小ささは否めない。ジャングルポケット、アドマイヤムーン、ロジユニヴァースを出した札幌2歳Sと比べ、わずか200mの距離の違いにもかかわらず、この隔たりはなんだろうか。

気候などの環境が良い札幌には、素質馬やトップジョッキーが集まりやすいという事情はさておき、新潟2歳Sに出走する馬はマイルがドンピシャであることが多い。野芝がびっしりと生え揃った新潟の馬場は、札幌競馬場の洋芝に比べると、圧倒的に軽くて走りやすい。驚くべき好タイムが出るのはそれゆえである。同じ距離を走ったとしても、野芝と洋芝の馬場では要求されるスタミナが違ってくるのだ。

そうは言っても、新潟競馬場の1600mコースは外回りで最後の直線が659mと長く、単なるスピード馬では乗り切れない。ゴールまでスピードを持続させるスタミナが必要とされるのだ。さらに、この時期の完成度も高くなければならない。つまり、簡単に言うと、新潟2歳Sは早熟のマイラーを狙えということである。

■2■牡馬と牝馬は互角
前述したとおり、新潟競馬場1600mコースは外回りで最後の直線が長く、ごまかしの利かないフェアなコースである。コーナーリングの器用さや一瞬の脚だけでは勝ち切れない。最後は激しい叩き合いと追い比べになることだろう。そういった意味でも、牝馬よりも牡馬にやや分があると言ってよいが、過去9年の勝ち馬を見てみても、牡馬の5勝に対し牝馬は4勝と、案外、牝馬も牡馬と互角に戦っている。タフなレースにはなるが、直線が平坦であることからも、非力な牝馬でもパワー不足に泣くことはない。

■3■直線は外に出す
スタートから最初のコーナーまでの距離が長く、コーナーも2つしかないコース形態のため、枠順による有利不利はほとんどないと考えてよい。コーナーの回りがきついことを考慮すると、外枠で外を回されるよりも内の方が良いことは確かだが絶対条件でもない。ジョッキーの腕でいくらでもカバーできる部分である。

しかし、直線では外に出した馬の方が伸びる。いくら絶好の野芝とはいえ、最終週であることは確かなので、使い込まれて傷んだ内よりも外の方が走りやすい。また、直線を走る距離が長いので、その分、良いところを走られる馬とそうでない馬との差が出てしまうのである。まとめると、道中は内を走りながら、直線では外に出して走られる馬が狙い目である。

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スッキリと映るパドトロワ:5つ☆

■新潟記念
オペラブラーボ →馬体を見る
ギスギスしたところのないフックラとした馬体は、現在の好調を物語る。
もうひと絞りできれば文句なしだが、年齢的にはこれで問題なし。
Pad3star

サンライズベガ →馬体を見る
手脚が長く、小回りよりも、広々としたコースでこそ本領を発揮できる。
筋肉のメリハリに物足りなさを感じるが、及第点の仕上がりにある。
Pad3star

セイクリッドバレー →馬体を見る
皮膚が乾いて毛艶がイマイチだが、前走の体調はなんとか維持している。
力を出せる仕上がりにはあるので、あとは展開に恵まれるかどうかがカギ。
Pad3star

タッチミーノット →馬体を見る
脚と胴部が長く、いかにも長い距離でこそ力を発揮できるタイプ。
広々としたコースは向いているので、体調も良く、展開次第では勝ち負けになる。
Pad4star

ナリタクリスタル →馬体を見る
馬体を絞るのに苦労する馬だが、今回は夏場ということもあり、絶好の仕上がり。
太く見えるのは体型的なものであり、穏やかな表情からも条件さえ合えば堅実に走る。
Pad4star

ヤマニンキングリー →馬体を見る
良く見せる馬だが、今回もまたバランスの良い立派な馬体を誇示するように立っている。
毛艶も良く、夏負けしているようにも映らないので、乗り方次第では上位も可能。
Pad3star

■キーンランドC
アンシェルブルー →馬体を見る
牝馬らしくフックラとしており、前後駆にシッカリと実が入っている。
もうひと絞りできそうな体つきだが、顔つきを見ても調子の良さは間違いない。
Pad3star

カレンチャン →馬体を見る
それほど良く見せる馬ではないが、前走よりもやや力強さが増している。
まだ首周りは細さが残るが、前後駆のバランスが良く、特にトモは力強い。
Pad4star

ジョーカプチーノ →馬体を見る
この馬も良く見せるタイプではないが、それにしても筋肉のメリハリが不足している。
芦毛だけに分かりにくい部分を差し引いても、完調にはあと一息か。
Pad3star

パドトロワ →馬体を見る
前駆の盛り上がりが特に凄く、いかにもパワー溢れる短距離馬といった馬体。
前々走よりもスッキリと映り、毛艶も良く、これ以上の仕上がりは要求できない。
Pad5star

ビービーガルダン →馬体を見る
7歳馬とは思えない、筋肉の鎧に包まれた立派な馬体を誇っている。
首が高い立ち姿はやや気になるが、筋肉のメリハリがあり、仕上がりは良い。
Pad3star

レジェトウショウ →馬体を見る
牝馬らしい幼さを残しているものの、トモの盛り上がりは抜群で力強い。
顔つきからも気の強さが窺われ、一瞬の速い脚を武器にできそう。
Pad3star

Keenlandc2011wt

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競馬の起源を知っているかどうかだ

今年で70周年を迎える雑誌『優駿』。特別企画として、「『優駿』が見た日本競馬70年 あの歴史的瞬間をもう1度!」を行っていて、これが何とも素晴らしい。9月号は1941年から1979年までの前編となる。史上初の3冠馬セントライトから流星の貴公子と呼ばれたテンポイントまで、寺山修司や虫明亜呂無、山野浩一らの名文と共に、日本競馬の歴史的瞬間が蘇っている。

年表をよく見てみると、いかに様々な変遷の結果として今の競馬があるかが分かる。戦前から戦中、そして戦後の激動期はもちろんのこと、競馬法改正案が公布されて控除率が37%から25%に引き下げられたこと、ハクチカラと保田隆芳騎手によるアメリカ遠征、インフルエンザ騒動、ハイセイコーの登場からテンポイントの死など、私にとっては単なる過去であった競馬が、歴史として目の前に現れて来る。実に分かりやすいのである。

かつて私は、競馬の師にこんな質問をしたことがある(不遜にも)。

「本物の予想家とそうでない予想家の違いは?」

師はためらうことなくこう答えた。

「起源(origin)を知っているかどうかだ。」

当時は全く意味が理解できなかったが、今は少しだけ分かるような気がする。私の周りを見渡してみると、競馬だけに限らず、その道に通じている人は必ずその道の起源を詳しく知っている。その道が好きだからこそ、その道がどこから来て、どこへ向かっているのかを知りたいのは当然のことだ。起源を知ることが馬券の当たり外れにどう関わるのかは未だに分からないが、起源を知りたいという知的探究心が本物の予想家とそうでない予想家を隔てるのだろう。

競馬の起源を知りたいと思う方は、ぜひ今月号の優駿を読んでみてほしい。

Yusyun9gatu

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キーンランドCを当てるために知っておくべき3つのこと

Keenland

■1■牝馬の活躍
第1回、2回では牝馬が上位(ワンツー)を独占した。牡馬の【2・3・2・45】連対率10%に対し、牝馬は【3・2・3・16】連対率21%と、およそ10%の差が生じている。函館競馬場の改修工事のため11週目の開催となった昨年は例外として、この時期の札幌競馬場の芝は、洋芝とはいえ、まだそれほど重くなっていないため、函館で活躍できたパワータイプの牡馬にとっては厳しいレースとなる。また、ゴール前直線が平坦で266mと短く、平坦なコースであるため、一瞬の脚を要求される軽いレースになり、牝馬にとっては有利なレースになる。

■2■外枠が有利
札幌競馬場の1200m戦は、向こう正面を延長したポケットからのスタート。最初のコーナー(3コーナー)までの距離は406mと長く、オープン以上のクラスであればペースは速くなりがち。そして、3~4コーナーは緩やかなスパイラルコースであるため、ここで差を詰めるのは難しく、勝つためには4コーナーである程度の位置にいなければならない。この時期は馬場の内外で大きな差はなく、内外のトラックバイアスはないが、スムーズにレースが運べる分、若干外枠が有利か。

■ある程度前に行くことのできる差し馬
重賞に格上げされてからの5年のラップタイムは以下のとおり。

12.1-10.4-11.0-11.5-11.6-11.8(33.5-34.9)H
12.0-10.7-11.2-11.3-11.4-12.0(33.9-34.7)M
12.1-10.6-11.2-11.3-11.0-11.7(33.9-34.0)M
12.1-10.5-11.2-11.6-11.4-11.6(33.8-34.6)M
12.0-10.6-11.1-11.4-11.6-11.7(33.7-34.7)H

格上げ以前は、逃げ・先行抜け出しが決まり手のほとんどであったが、クラスが上がるやいなや、多頭数になったことで道中のペースが上がり、ようやく差しが決まった。しかし、その後の3年間はミドルペースに終わっているように、3~4コーナーで動きづらいこともあって、本質的には逃げ、先行馬に有利なコースである。一瞬の脚が問われることも含め、このレースに関してはある程度前に行くことの出来る差し馬を狙ってみるのも面白い。

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最後にどれだけ踏ん張れるか

G1raceexperience by mkoichi

G1レースのような大きな競走を経験したことにより、その後、見違えるほどに強くなる馬がいる。ここで言う大きな競走とは、タイムが速かったり、ペースが速かったり、ラップが厳しかったり、ということではなく、ただ単純に、格が高いレースという意味である。たとえG1であっても、タイムが遅く、スローペースで、ラップ的にも見るべきものがないレースだってあるだろう。それでも、強いメンバーが揃う、格の高いレースで走った馬が、突然に覚醒して、まるで別馬のように走り出すのはなぜだろうか。

最大の理由を挙げると、強い馬が集まるレースでは、最後の直線における各馬の踏ん張りが違うということに行き着く。踏ん張りとは、もはや走る余力などこれっぽっちも残っておらず、一杯いっぱいになってしまった極限状態でも、そこから我慢して、さらにもうひと伸びしようとするということである。速く走るために生まれてきたサラブレッドである以上、どの馬も潜在的なスピードやスタミナは持っているのだが、それでも強い馬と弱い馬がいるのは、最後の踏ん張りが違うからである。最後にどれだけ踏ん張れるかが、ほとんどの大レースにおいては勝者と敗者を隔てているのである。

それまでは能力だけでトントンと勝ち進んできた馬が、初めてG1レースに挑戦して、あっさり負けてしまうのもそういうわけである。ゴール前で極限を超えてまで踏ん張るという経験をしたことがないだけに、能力的にはゆうにG1級であったとしても、あと一歩及ばずという結果になってしまうことがある。

たとえば、昨年の宝塚記念でG1レースに初めて挑戦したアーネストリーがそうである。絶好のポジションを手応え良く追走し、自分の勝ちパターンに持ち込めたように見えたにもかかわらず、ブエナビスタには差し返されたばかりか、外からナカヤマフェスタの強襲に会い、0.2秒差の惜しい3着に敗れてしまった。レース後の佐藤哲三騎手の「最後のところで、もう少しガムシャラさがあれば」というコメントが印象的であった。2頭に先着を許してしまったのは、能力でも展開でも体調でもなく、最後の直線の攻防におけるガムシャラさだというのだ。

昨年の宝塚記念のレース映像をつぶさに観てみると、佐藤哲三騎手の伝えたいことが良く分かる。ブエナビスタやナカヤマフェスタと叩き合いをしている最中にもかかわらず、アーネストリーの耳はわずかに浮いている(立とうとしている)。決して余裕があったわけではないので、どこか集中力に欠けた部分がアーネストリーにあったことは否めない。極限の争いの中で、ブエナビスタやナカヤマフェスタの耳がグッと絞られて、最後までガムシャラに踏ん張ろうとしている姿とは対照的である。おそらく、アーネストリーはこれほどまでにラストで踏ん張る馬たちの中で競馬をしたことがなかったのだろう。これこそが、G1レースに初挑戦する馬が、いきなり勝利することの難しさのひとつである。

こうした敗戦を経験することで、その馬自身も大きく成長する。同じことは地方競馬の馬が中央のレースに参戦する際にも、また日本馬が海外に遠征する際にも言えるだろう。岡部幸雄元騎手が、「ヨーロッパの馬はバテたと思ったら、そこからひと踏ん張り、そしてもうひと踏ん張りする。だから強い」と言っていた。そんな馬たちの中で、これまで味わったことのない厳しいレースを走ることによって、走る能力が上がるのではなく、最後の踏ん張りが違ってくるということだ。それまで調教ではもちろん、実戦の中でも体感したことのなかった厳しさの中で、強い馬たちと鎬を削ることによって、もう一段上の領域にまで引き上げてもらうのだ。

アーネストリーは翌年、宝塚記念をレコードタイムで快勝してみせた。体質が強くなり、満足のいく調教ができるようになったことや、十分な休養を挟んだことで体調が良かったことも勝因のひとつではあるが、何よりもアーネストリー自身がG1レースのような大きな競走を経験していたことが大きい。それは今年の宝塚記念のゴール前において、最後まで気を抜くことなく、耳をグッと絞って、ガムシャラに踏ん張ろうとしているアーネストリーの姿を観れば分かる。結果的には1馬身半の差を付けたが、もし少しでも気を抜いてしまっていたら、後続の餌食になっていたはずである。G1レースのような大きな競走に初挑戦して、ゴール前の厳しさを知った馬の次走以降を狙いたい。

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新潟記念を当てるために知っておくべき3つのこと

Niigatakinen

■1■血統の偏りが見られるレース
過去10年間の新潟記念の勝ち馬の父もしくは母父は以上のとおり。

サンプレイス(父トニービン)
トーワトレジャー(父トニービン)
ダービーレグノ(父トニービン)
スーパージーン(父サッカーボーイ)
ヤマニンアラバスタ(父ゴールデンフェザント)
トップガンジョー(父マヤノトップガン、母父ゴールデンフェザント)
ユメノシルシ(母父トニービン)
アルコセニョーラ(父ステイゴールド)
ホッコーパドゥシャ(父マヤノトップガン)
ナリタクリスタル(父スペシャルウィーク)

驚くべきことに、トニービンを父もしくは母父に持つ馬が4頭も勝利している。また、トニービンと同じグレイソブリン系のゴールデンフェザントを父もしくは母父に持つ2頭もいる。さらに、実はサッカーボーイとステイゴールドは近親にあたる。そして、マヤノトップガンの産駒が2勝している。これだけ血統の偏りが見られるレースも珍しく、新潟記念が行われる舞台(コース、馬場、距離)があらゆる意味で最適であるということに他ならない。

■2■トップハンデ馬は疑ってかかれ
新潟競馬場が新装となった2001年以来、トップハンデ馬は【0・0・2・10】と勝ち星どころか連対すらない。速いタイムの出る軽い馬場だけに、斤量がこたえているということではないだろう。ただ単に、トップハンデを振られた馬たちが、それに相応しい走りが出来ていないだけのことである。

なぜかというと、トップハンデ馬が好走した近走と今回の新潟記念では、全く条件が違うからである。パワーや瞬間的な脚が要求された七夕賞や小倉記念などで好走してきた馬が、重いハンデを強いられ、スピードの持続力を問われる新潟記念で凡走してしまうのは当然といえば当然だろう。全てのトップハンデ馬が適性を欠くということではないが、まずは疑ってかかった方が得策か。

■3■スピードを持続させるスタミナが問われる
過去10年間のレースラップは以下のとおり。

13.0-11.2-11.1-11.3-12.2-11.8-11.8-11.6-10.9-12.1(58.8-58.2)M
12.8-11.1-11.6-11.9-12.4-12.0-11.6-11.7-11.1-11.8(59.8-58.2)S
12.7-11.1-11.7-12.0-12.4-12.2-11.8-11.5-10.8-12.5(59.9-58.8)S
12.9-10.8-11.3-11.6-12.5-12.6-11.8-11.7-10.4-12.1(59.1-58.6)M
13.2-11.8-12.2-12.2-12.8-12.5-11.4-11.3-10.4-12.3(62.2-57.9)S
12.6-10.9-11.5-11.5-11.8-12.3-11.9-11.7-10.6-12.4(58.3-58.9)M
12.8-11.2-11.1-11.1-11.9-12.3-11.9-11.8-10.9-12.8(58.1-59.7)H
13.0-11.1-11.6-11.1-12.0-12.4-12.0-11.6-10.8-11.9(58.8-58.7)M
13.1-11.4-12.1-12.2-13.0-12.6-11.7-10.9-10.4-12.2(61.8-57.8)S
12.9-11.4-11.9-12.0-12.4-12.1-11.4-11.1-11.0-12.2(60.6-57.6)S

最後の直線が659mと長いため、異常なほどに速い上がり3~4ハロンのタイムが計時される。このようなレースでは、スピードを持続させるスタミナが問われることになる。

新潟競馬場は押し潰された長円形の形状で、JRAの競馬場では最もコーナーの曲がりのきついコースである。スタート後の長い直線で勢いがついたままコーナーに突っ込んでいくため、なかなかスピードが落ちず、コーナーが曲がりにくい。そのため、減速することなく内ラチに沿ってコーナーを回るのは難しい。外から切れ込むようにしてコーナーを回り、直線では再び外に出す(アウトインアウト)のコース取りが出来る外枠の馬を狙いたい。

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父ディープインパクトとは似ても似つかないボレアス:5つ☆

■札幌記念
アクシオン →馬体を見る
8歳馬にして、相変わらずの理想的な馬体のバランスを誇る。
顔つきも凛々しいが、絶好調時に比べて、やや馬体が薄く見えるのが気がかり。
Pad4star

カリバーン →馬体を見る
毛艶も良く、3連勝中の勢いをそのまま維持しているようで、体調は問題なし。
ただ、馬体や表情に幼さが残っているだけに、このメンバーで通用するか不安は残る。
Pad3star

キングトップガン →馬体を見る
前駆には力強さが漲っているが、その分、後駆がやや物足りない。
もうひと絞りできそうな体つきだが、連勝中の集中力は維持している。
Pad3star

トーセンジョーダン →馬体を見る
相変わらず筋肉の絶対量が多い、パワーに溢れた好馬体を誇っている。
今回はやや太め残りで、完調とまでは言えないが、力は出せる出来にある。
Pad4star

マイネルスターリー →馬体を見る
前駆に実が入り、尾が離れているように、後駆の筋肉も盛り上がっている。
顔つきから、気性の激しさが伺われるので、あとはスムーズに走れるかどうか。
Pad3star

レッドディザイア →馬体を見る
好調時に比べると、馬体が薄く映るように、この馬本来の出来には遠い。
はちきれんばかりに筋肉が漲ってくるには、もう少し時間が掛かるかも。
Pad3star

■レパードS
カラフルデイズ →馬体を見る
とても430kg台の馬とは思えない、全体のバランスと力強さを誇る。
ただ、今回はやや間隔が開いたこともあり、筋肉のメリハリが物足りない。
Pad3star

コスタパルメーラ →馬体を見る
胴部の割に脚が長く、やや芝向きのスピードタイプという印象を受ける。
毛艶は良く、立ち姿も凛としていて、好調は間違いない。
Pad3star

タガノロックオン →馬体を見る
松田博資厩舎特有のダート馬の造りではあるが、筋肉のメリハリが少ない。
強い筋肉がないので、持久力勝負には強いが、パワー勝負になったときにどうか。
Pad3star

ボレアス →馬体を見る
父ディープインパクトとは似ても似つかない、筋肉質のマッチョな馬体を誇る。
連戦の疲れが出ていないか心配だが、馬体面や顔つきからは以前好調を維持している。
Pad5star

Leopards2011wt_2

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セイウンスカイのような馬の出現を

Jiromaru

セイウンスカイにはたくさんのことを教えてもらいました。ジョッキーが名馬から多くを学ぶように、競馬を予想する私たちも名馬から学ぶところは多いのです。同時代を生きて、馬券を買うことで、極めて主体的に競馬そのものを学ぶことができるからです。私が最も馬券にのめり込んだ時代の、おそらく最強と称される世代の1頭であったセイウンスカイは、私にとっては良き師匠であり、ものさしであり、見本でもありました。

セイウンスカイ自身が頭角を現した時、父シェリフズスターはすでに廃用となっていたように、セイウンスカイはお世辞にも良血とはいえない馬でした。血統に無知であった私にも、その血統が地味であることは明白でした。ライバルと目されたスペシャルウィークやキングヘイローらとは違い、関係者以外の誰からも注目されることなく、この世に生を受けた競走馬でした。しかし、セイウンスカイが競馬ファンの話題に登場するようになるまでに、それほど時間はかかりませんでした。

その軽やかなスピードと、私たち競馬ファンに幻想を抱かせてやまない芦毛色のセイウンスカイは、新馬戦と2戦目のオープン(ジュニアC)で後続を突き放して連勝しました。そして、続く3戦目の弥生賞で、その年のダービーを勝つことになるスペシャルウィークと激突することになったのです。結果、あわや逃げ切りかというシーンを作ったのですが、最後はスペシャルウィークの強烈な末脚に屈してしまいました。しかし、実はこのレース、セイウンスカイにはソエが出ていたのです。

当時の私はソエが何であるのか知りませんでした。当時はインターネット検索がそれほど普及していませんでしたので、あちこちの本をめくって調べてみた記憶があります。なるほど、ソエというのは若駒によくある症状で、成長途上の馬の管骨に過度な負担が掛かると発症するのか。昔はソエが出たら赤飯を炊いていたのか。新馬戦よりもレースを使って2、3戦目に出やすいのか、おっ、セイウンスカイもそうだなあ、などなど。ここからさらに発展して、「競走馬がレースの苦しさを知るのは2、3戦目」というヒントを作ったのでした。

皐月賞では、最終追い切りでビッシリと追われたのを確認して、セイウンスカイがに本命◎を打っていたので、最高に嬉しかったですね。馬券を買う明確な理由がありつつ、馬券も少しずつ当たるようになってきた、そんな良き時代でした。そう、菊花賞の逃げ切り方を教えてくれたのもセイウンスカイでした。

まあ、そうはいっても、セイウンスカイとは馬券の相性は良くありませんでしたね。そもそも、私自身が馬券は下手くそなので、相性の良い馬などあまりいないのですが(笑)。日経賞でのあまりの強さに興奮して、単勝に大きく賭けた天皇賞春は3着。札幌記念で鮮やかな差し脚を披露したレースを見て、確勝を期して賭けた天皇賞秋は5着。強い勝ち方をした後は、その反動というか、あっさり負けてしまう、そんな馬でした。おそらく気持ちで走る馬だったのでしょうね。

今週はセイウンスカイが中団からレースを運んで快勝した札幌記念が行われます。セイウンスカイの仔が出走していないのが寂しいですね。同期の1頭であるグラスワンダーの産駒であるアーネストリーも回避してしまいました。せめてセイウンスカイのように、サンデーサイレンス系に真正面から立ち向かっていけるような馬の出現を求めるのは、私だけでしょうか。

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競馬が100倍面白くなる!

Keiba100bai

著者の大瀬良海図氏とは10年来の付き合いになる。といっても、面識があるわけではなく、10年にわたってずっと競馬について書き続けてきた仲間ということだ。私が「ガラスの競馬場」をブログに移行したのは、今から7、8年前のこと。まるで昨日のことのような気がするが、その時、すでに大瀬良海図ことガトーさんは「競馬ブログ オケラセラ」を始めておられた。その圧倒的な情報収集能力に感心し、競馬界を鋭く切り取る筆致に嫉妬したこともある。偉大な先輩に追いつかんと書き続けてきた結果、今の「ガラスの競馬場」がある。そして、ガトーさんは1冊の単行本を上梓された。

「競馬が100倍面白くなる!」は、本当に競馬が100倍面白くなる本だと思う。何倍かは個人差があるので、少なくとも数倍はとしておくが、この本を読んで競馬が面白くならないはずがない。競馬をひとつの小説やドラマととらえるならば、そこに登場する騎手や馬主や調教師は登場人物であり、個性溢れる彼ら彼女らは時に主役となり脇役となり、縦横無尽にストーリーを盛り上げる。たとえ馬が主役だとしても、私たちが競馬を楽しむためには、登場人物の背景を知らなければならない。脇役を知らずして、小説やドラマが面白いはずもない。

舌鋒鋭く、読んでいるこちらがヒヤヒヤしてしまう部分もあるが、読み終えた後には、彼らが愛おしくなってしまうから不思議だ。もし不快に思う登場人物がいるとすれば、よほど懐が狭いか、日本語が分からない人だろう。それぞれに愛情を込めて描いているからこそ嫌味がない。どんな人間にもマイナスとプラスがあって、それらが絶妙なバランスを保ちながら、ひとりのかけがえのない人物として存在する。そんな当たり前のことが、ガトーさん、いや大瀬良海図さんの筆にかかると浮き彫りになる。

個人的には、オレハマッテルゼの名づけ親である小田切有一氏の所有馬「オダギラー」の話に笑わせてもらい、G1出走を巡ってネットが炎上した小島茂之調教師のドラマにこころ躍り、裁決制度の崩壊については考えさせられた。全編にわたって、軽く読めてしまうのに、内容は深い。久しぶりに最後まで読み通せた競馬の良書であった。

■「競馬ブログ オケラセラ」はこちら
Okerasera

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札幌記念を当てるために知っておくべき3つのこと

Sapporo

■1■G1馬もしくはG1級の馬
過去の勝ち馬を見ると、2つのタイプがいることが分かる。エアグルーヴ、セイウンスカイ、テイエムオーシャン、ファインモーション、フサイチパンドラなど既にG1を勝っていた馬と、ヘヴンリーロマンス、アドマイヤムーン、アーネストリーなど札幌記念を勝利した後にG1を勝った馬である。つまり、札幌記念はG1級の力がないと勝つのが難しいレースである。

札幌競馬場はヨーロッパの馬場に近いタフな馬場であり、本当に能力がないと勝てない。さらに札幌記念には古馬の一戦級が集まってくるため、このレースを勝つことはG1レースを勝つだけの能力が優にあることの証明でもある。札幌記念はG2レースではあるが、G1馬もしくはG1級の能力がある馬を狙ってみたい。

■2■牝馬
牡馬(セン馬含む)【6・8・9・93】 連対率12%
牝馬         【4・2・1・8】  連対率41%

過去10年間で牝馬が4勝しているだけでなく、連対率も41%と驚異的な数字を残している。平坦コースが牝馬にとってプラスに働くということに加え、前述のようにG1級の能力がなければ勝てないレースに出てくるということは、それだけ体調が良いということである。古馬の一戦級を相手に回して、勝負になる手応えがあるからこそ出走してくる牝馬には要注意。

■3■一瞬の切れを持った差し馬
スタートから第1コーナーまで400mほどの距離があるため、内枠外枠での有利不利はほとんどない。それでも、4つコーナーを回る小回りの競馬場である以上、第1コーナーまでに内のポジションを取れないと、終始外々を回らされる羽目になる。特に外枠を引いた馬は苦しいレースを強いられるだろう。

また、G1級のメンバーが揃うこともあって、道中のペースは速くなることが多い。逃げ・先行馬よりも差し馬を狙いたいのだが、いかんせん最後の直線が短い。よって、最後の短い直線だけで差し切ることのできる、一瞬の切れを持った差し馬が狙いか。

このように、あらゆる意味で札幌競馬場は騎手の技術が問われるレースであり、過去10年で武豊騎手が3勝、横山典弘騎手、藤田伸二、蛯名正義、佐藤哲三騎手がそれぞれ1勝しているように、ジョッキーの腕も問われることになる。

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牡馬と見間違うほどのエーシンリジル:5つ☆

■クイーンS
アニメイトバイオ →馬体を見る
休養明けが最も立派な馬体をしていたが、良くも悪くも馬体が細く映る。
パワー不足は否めず、スムーズに先行できなければ、巻き返しは厳しいか。
Pad2star

アプリコットフィズ →馬体を見る
勝った昨年に比べると、筋肉のメリハリに乏しく、立ち姿のバランスも今一歩。
毛艶は良く、体調自体は良さそうだが、普通に力を出しただけでは厳しそう。
Pad3star

アヴェンチュラ →馬体を見る
前走時のプラス28kgを感じさせない、引き締まった馬体を誇示している。
特に前駆に力強さがあるが、欲を言えば、皮膚がまだ一枚厚い気がする。
Pad4star

カウアイレーン →馬体を見る
毛艶は悪くないが、馬体全体にメリハリが少なく、線の細さは否めない。
先行できる馬ではないので、後駆の肉付きが物足りない以上、好勝負はまだ先か。
Pad2star

サンテミリオン →馬体を見る
復帰戦となるが、馬体に斑点が出ているように、体調自体は良さそう。
ただ、好調時と比べて物足りなさは残り、あともう少し筋肉のメリハリが出てくるとベスト。
Pad3star

ショウリュウムーン →馬体を見る
いつも線の細さが目立つ馬だが、リラックスしているのか、フックラとして好感。
馬もレースに気持ちが向いてきているようで、今回の仕上がりが合えば好走を期待できる。
Pad4star

ブロードストリート →馬体を見る
安定して良く見せる馬だが、今回もしっかり立てていて悪くはない。
反面、馬体に大幅な成長がないのも事実で、相変わらずの線の細さ。
Pad3star

レディアルバローザ →馬体を見る
さすがキングカメハメハの産駒ということで、前後駆共に素晴らしい肉付き。
現時点ではやや余裕があることを含め、当日、どこまで走れる体つきに仕上げられるか。
Pad3star

■北九州記念
エーシンリジル →馬体を見る
牡馬と見間違うほどに、ガッシリとして、筋肉とパワーに溢れる好馬体を誇る。
毛艶も良く、馬の表情からも闘争心が溢れていて、夏場も合うのだろう。
Pad5star

エーシンヴァーゴウ →馬体を見る
前走の方が力感に溢れる立ち姿であったが、今回も馬体だけを見ると大きな差はない。
胴部が長いので、距離の延長は全く心配なく、あとは揉まれた時の精神面のみ。
Pad3star

シゲルキョクチョウ →馬体を見る
いかにも3歳馬らしく、まだ付くべきところに筋肉が付いていない。
ただその状態でも走ってきているのだから、天性のバネと素質があるのだろう。
Pad3star

スカイノダン →馬体を見る
毛艶は良く、表情も落ち着いていて、夏場に強いことがうかがい知れる。
ただ、昨年の同時期に比べると、どうしても筋肉のメリハリが乏しく、あと一歩の仕上がり。
Pad2star

スズカコーズウェイ →馬体を見る
7歳馬とは思えない立派な馬体を誇り、年齢を経るにつけ短距離馬らしい馬体に。
腹回りは若干余裕があるが、前後駆にシッカリと筋肉が付き、抜群の仕上がり。
Pad4star

テイエムオオタカ →馬体を見る
筋肉のメリハリという点では物足りないが、前後のバランスはさすが重賞2着馬といえる。
今回もスムーズに逃げられれば、この馬の持つスピードを十全に発揮できるはず。
Pad3star

ヘッドライナー →馬体を見る
前2走に比べて、随分と馬体に厚みが増して、本来の馬体に力強さが加わってきた。
あえてそうしているのか、それとも太め残りなのか微妙だが、前走から一変も考えられる。
Pad3star


Kitakyusyukinen2011wt

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ブックフェアに行ってきました。

Jnbookfare01

現在開催中のブックフェア「文化、スポーツとしての競馬を深く知るための30冊」を観るために、ジュンク堂書店難波店に行ってきました。実家の岡山に帰省する途中で新幹線を新大阪で降り、地下鉄・御堂筋線に乗ってなんば駅まで1本。28番出口から地上に出ると、そびえ立つ巨大なビルにジュンク堂書店の案内が。さっそくエスカレーターで3階まで上がると、東京ドーム1個分ほどありそうな(大袈裟)敷地に書棚がずらりと並んでいました。

少し歩くと、ありました、美しい競馬本の棚が。競馬をギャンブルとしてだけではなく、文化、スポーツとしても知ってほしいという私たちの想いが、この書棚には凝縮されています。こうして1冊1冊を眺めてみると、まるで20年前にタイムスリップしたよう。あの時の風景や気持ちが蘇ってくるようでした。

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「ROUNDERS」の躍進のきっかけに力を貸してくださり、このブックフェアの開催にもご尽力いただいた書店員のMさんとも話すことができたのですが、「売れなくなったから出版されなくなったのか、出版されないから売れないのか分かりませんが、こうした文化的な競馬本が消えてゆくのは寂しいですね」とおっしゃっていました。確かに、今となっては、こんな競馬本の棚はありえませんが、8月末までジュンク堂書店難波店に存在しますので、ぜひ行って本を手に取って読んでみてください。私も3冊購入して帰りました。

その後、梅田に戻り、かねてより予定していた「世界報道写真展2011」を観に行ってきました。「世界報道写真展2011」とは、世界報道写真コンテストの受賞作を、45カ国、100都市で展示する写真展です。全部で64の作品が展示してあったのですが、最初の女性の写真を目の前にして、足が動かなくなってしまいました。暴力をふるう夫の家から逃げ出した罰として、両耳と鼻を削ぎ落とされたアイシャを撮影した写真。彼女の目は私の心を見透かしているようで、思わず目を背けてしまいたくなります。

逃げ出したくなる気持ちを鼓舞しながらも、次の写真へ、そしてまた次の写真へと体を運びました。場内にはたくさんの人々が来ていましたが、皆、写真に釘付けになり、息を呑むように、物音ひとつしない張り詰めた空気が流れていました。モンスーンの豪雨がもたらしたパキスタン史上最大の洪水被害。メキシコ北部の麻薬密輸ルートでの殺人事件の犠牲者。地震直後のハイチの様子。枯葉剤の後遺症と思われる障害を患っているベトナムの少女など。これらの写真を前にして、誰もが自分に問うていたのです。この写真の中にいる誰かは自分であったかもしれない。でも、今、私はここにいる。なぜだろう、と。

そんな中、私にとって最も印象に残っている写真があります。それはインド西部マハラシュトラ州で移動映画館の夜間上映を楽しむ人たちの写真です。この写真は、インドの子供から若者そして老人までが映画を楽しんでいる表情をとらえたものですが、なんとも言えない良い顔をしているんです。世界では悲惨なことや恐ろしいことが絶えず起こっていたとしても、私たちはやはり楽しむために生きているのだと語っているようでした。

夏の陽射しを受け、汗を流しながらの1日でしたが、今日は2つの素晴らしい展示を観ることができ、大阪で途中下車した甲斐がありました。今日感じたことを忘れないよう、「ROUNDERS2」に向けて始動していきます。

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クイーンSを当てるために知っておくべき3つのこと

Queens

■1■スロー必至で先行馬有利
過去10回の脚質別の成績は以下のとおり。
逃げ【6・0・0・5】 連対率55%
先行【3・4・5・29】 連対率17%
差し【1・5・5・45】 連対率11%
追い込み【0・0・2・31】 連対率0%

逃げ馬の連対率が(勝率も)55%という驚異的な数字だけではなく、一昨年を除くと、逃げ、先行馬以外から勝ち馬が出ていない。とにかく前に行けなければ勝負にならない。

これだけ先行した馬に有利になる理由として、札幌1800mのコース形状が挙げられる。スタートしてから1コーナーまでの距離が185mと短すぎて、かえってポジション争いがなく、スローペースになる。そして、コーナーが4つもあるため、後続がなかなか差を詰めることが出来ないまま3コーナーに突入してしまう。さらに、ゴール前直線も266mしかなく、平坦であることも手伝って、前が止まらない。よほどジョッキーたちが意識して早めに動かない限り、前残りのペースになることは避けられないだろう。

また、札幌競馬場は洋芝100%の芝コースであって、パワーだけではなく底力とスタミナが必要とされる。しかし、このレースに限って言えば、開幕週ということもあって馬場がほとんど傷んでおらず、まず何よりも勝つためには先行できる軽快なスピードが要求される。

■2■4歳馬有利
3歳馬  【2・3・3・21】 連対率17%
4歳馬  【6・2・2・33】 連対率19%
5歳馬  【2・6・5・30】 連対率19%
6歳以上 【1・0・1・14】 連対率6%

連対率こそ違いはないが、4歳馬から勝ち馬が最多の6頭出ている。競走馬としてのピークが短い牝馬の別定戦である以上、最も充実するはずの4歳馬の活躍が目立つのは当然のこと。未完成の3歳馬にとっては、この時期に古馬と3kg差で戦うのはなかなか厳しい。だからこそ、逆に、この時期に古馬相手に好走した3歳馬は高く評価してよい。

また、自身のピークが過ぎてしまっている5歳以上の馬は軽視しても構わないだろう。ただ最近は、調教技術が進歩して、高齢でも力が衰えていない馬もいるので要注意。もちろん個体差はあるが、この傾向はクイーンSがこの時期に行われる限り続いていくはず。

■3■内枠有利
前述のとおり、道中がスローで流れる可能性が高いのであれば、当然のことながら内枠が有利になる。スタートしてから1コーナーまでの距離が185mと極端に短く、1コーナーまでの位置取りは枠順によって決まることが多いので、逃げ・先行馬は是が非でも内枠を引きたい。ロスなく好位を確保できた馬にこそ、勝つチャンスが訪れる。

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突然逃げる馬、突然逃げた馬

Totuzennigeruuma

逃げ切るための条件のひとつとして、「突然逃げる」が挙げられる。逃げるはずではなかった馬が逃げたり、これまで逃げたことのなかった馬が逃げたりした時ほど、逃げ残る確率が高いということだ。なぜ突然逃げると逃げ切りやすいかというと、想定外の馬が逃げた場合、その馬をマークするかどうかという騎手の共通意識が働きにくいからだ。各ジョッキーが他の騎手の動きをうかがっている内に、あれよあれよと逃げ切ってしまうのである。

これは人間側の理由であるが、もうひとつ、サラブレッド側の理由もある。それは、馬も突然逃げることになって、レースに集中するからである。先頭をスイスイ行くと馬は気持ち良く、精神的なストレスがないから、突然逃げた馬は好走する、と思われるかもしれないが、全くの逆である。馬にとって、馬群の先頭を走ることほど不安でストレスの溜まることはない。先頭に立たないと力を出し切れないという馬もいるにはいるが、それはまた別の理由(馬を怖がる等)である。本来、サラブレッドは集団性の草食動物だけに、馬群の中にいる方が安心して走られる。また、野生の群れであれば、真っ先に敵の餌食になるのは先頭を走っている馬であり、本能的に先頭を走ることを嫌がる馬の方が多い。馬にとって、突然逃げることは、突然恐怖に陥れられることに近い。

私の記憶に鮮明に残っているのは、当時デビュー3年目であった福永祐一騎手が、1998年の日本ダービーで2番人気のキングヘイローに乗って逃げた時のことである。キングヘイローはデビューから東京スポーツ3歳Sまでの3連勝を、好位抜け出し、追い込み、中団からの差しと変幻自在のレースで飾った。暮れのラジオたんぱ杯3歳Sを2着と破れてしまったが、好位で流れに乗る競馬が板に付き、年明けの弥生賞を3着、皐月賞で2着と着順を上げてきたところであった。そして迎えた日本ダービーであったが、こともあろうに福永祐一騎手は突然逃げてしまったのである。

勝ったのは1番人気に推されたスペシャルウィークで、キングヘイローはなんと14着に沈んでしまった。スペシャルウィークに乗った武豊騎手にとっては、これが日本ダービー初制覇となった。武豊騎手の満面の笑みとは対照的に、引き揚げてくる福永祐一騎手の顔面は蒼白であった。デビュー3年目にして日本ダービーで2番人気の馬に乗って、逃げてしまい馬群に飲み込まれたのだから無理もない。「初めて逃げることになって、馬が気負ってしまい…」とだけコメントを残した。この時、私はサラブレッドという動物の繊細さと共に、逃げることの難しさも知った。

キングヘイローのように気負ってしまっては、その馬本来の走りは到底望めない。だが、その一歩手前の緊張状態、つまり、とにかく速く走って獲物から逃げ切ることに集中している状態であれば、ゴールまで全速力で駆け抜けるに違いない。これが突然逃げることによる、馬への効果である。昔は福永洋一騎手がいきなり逃げて勝ったり、最近では横山典弘騎手がここぞというタイミングで逃げて勝利してみたりしているが、別に奇をてらっているわけではなく、こうしたメカニズムを作用させているのである。もちろん、先頭に立ったら気負ってしまうタイプの馬には、そういう作戦は採らないだろう。

ただ、この突然逃げるという話には続きがあって、突然逃げるのはワンチャンスしかないということである。つまり、突然というのは1回もしくはたまにだからこそ突然なのであって、毎回逃げてしまっていたら、それは突然ではない。だからこそ、いつ突然逃げるのか、そして突然逃げた後のレースはどうなるのか、という2点が大事となってくるのだ。

まず、いつ突然に逃げるのか、はっきり言ってしまうと、これは予測がなかなか難しい。いつも逃げている馬が逃げるか(逃げられるか)どうかは、ある程度の予測がつくだろう。同じような脚質の馬がいないかどうか、いるとすれば、どちらが内側の枠を引いているのか、もしくはどちらのダッシュ力が高いのか、目と頭を使えば答えはおのずと明らかになる(ことが多い)。そうではなく、これまで逃げたことのない(もしくは近走で逃げていない)馬が突然逃げるかどうかは、もはや想像の域を出ない。これといった逃げ馬の不在、枠順、ジョッキーの気質、コースの形状、馬場、もしくは押し出されたり引っ掛かったりする形で。あらゆる理由は思いつくが、ゲートが開く前の段階で突然逃げる馬を見極めるのは困難を極める。それでも、敢えて言うとすれば、基本のキに戻るのだが、出走表を片手にスタートから第1コーナーまでの各馬の動きをイメージすることだ。ジョッキーたちが皆そうするように、レースの前日に。それしかインスピレーションを得られる方法はないだろう。

次に突然逃げた後のレースはどうなるのか、これは簡単である。突然逃げた馬は、その次のレースでは凡走するのだ。突然逃げた前走で好走したので、その次も人気になることが多いが、今度は逃げられず、もしくは逃げられても、驚くほど簡単に凡走してしまうのである。なぜかというと、突然逃げるという行為が、馬に適度の緊張感を強いて、レースに集中させることで好走させる効果を持つのだから、同じことは2回も続きづらいのである。それは、ブリンカーなどの馬具を着けた時の効果に近い。初めて装着した時が最も効果が高く、常に着けていると効果は薄れていく。つまり、突然逃げることも馬具を装着することも、ここぞという場面でこそ使わなければならない戦略なのだ。こう考えていくと、いつ突然逃げるのかという難問に対するヒントが少し得られた気がするのは私だけだろうか。


Photo by Hidehiko Sugawara

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北九州記念を当てるために知っておくべき3つのこと

Kitakyuusyuukinen

■1■軽ハンデ馬
北九州記念は2006年より距離が1200mに短縮され、ハンデ戦となった。過去5年間を振り返ってみると、一昨年のスリープレスナイト以外の勝ち馬が背負った斤量はいずれも52kg~54kgである。2着や3着にも50kg前半の軽ハンデ馬が突っ込んだように、軽ハンデ馬の活躍が目立つ。

軽ハンデ馬が台頭する理由は、ひとえに北九州記念が行われる時期の馬場状態の悪さにある。Aコース使用10日目(今年は6日目)であり、いくら夏の野芝とはいえ、芝の傷み方は相当なものである。「馬場が重ければ重いほど、斤量増はこたえる」という斤量の考え方があり、これだけ馬場が荒れていると負担重量の重い馬はこたえるのである。重賞で実績のない馬、近走で惨敗している馬を狙うのは気が引けるが、それでも軽ハンデ馬を狙い打ちたい。

■2■外を回す差し馬
11.9-10.1-10.9-11.3-11.5-12.3(32.9-35.1)H
11.5-10.0-10.6-11.4-11.6-12.6(32.1-35.6)H
11.8-10.3-10.9-11.4-11.4-11.7(33.0-34.5)H
11.8-10.3-10.6-11.3-11.4-12.1(32.7-34.8)H
11.6-10.0-10.5-11.2-11.5-12.3(32.1-35.0)H

上は過去5年間のラップタイムである。およそ前半が32秒台で後半が35秒台という、前後半の落差が大きい、いかにも短距離戦らしいハイペースになる。小倉競馬場の直線が短いとはいえ、前に行く馬には厳しい、差し馬に向きの展開になる。

芝の傷み方が相当なものだと書いたが、特に内ラチ沿いの馬場は、走ると土煙が上がるほど極端に悪い。当然のことながら、内側を通らざるを得ない馬よりも、比較的馬場の悪くない外に進路を取れる馬に有利なレースになる。外枠を引いて、外にポジションを取れる馬から狙ってみたい。

*例外として、開催中に雨が降り続いたりして、馬場全体が荒れてしまっているような場合は、外を回す差し馬は届かないため、少しでも前に行くことのできる逃げ先行馬を狙いたい。

■3■サクラバクシンオー産駒の活躍
小倉1200mに強い種牡馬といえば、タイキシャトルとサクラバクシンオーの2頭が思い浮かぶ。どちらの産駒も、軽い、前へ前へとスピードが要求される馬場に強く、平坦コースをそのまま粘り込んでしまうようなレースを得意とする。甲乙付けがたい適性を誇る両馬だが、強いて言えば、7月はタイキシャトルの方が強く、8月はサクラバクシンオーの方が強い。なぜかというと、サクラバクシンオーの方が、8月になって馬場が少し荒れてきて、力を要するレースになってより力を発揮するからである。つまり、北九州記念ではサクラバクシンオー産駒を狙えということである。

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アドマイヤムーン似のファインチョイス:5つ☆

■関屋記念
エアラフォン →馬体を見る
まだ幼さは残すが、全体のバランスは良く、大崩がなさそうな好馬体。
ここまで3連勝で来ているが、馬体からは体調の変動はないように映る。
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スズジュピター →馬体を見る
馬体に斑点が出来ているように、毛艶は良好で、体調は非常に良さそう。
コロッと映るのは体型的なもので、乗り方次第では新潟のマイル戦も対応できる。
Pad4star

スペシャルハート →馬体を見る
前駆が力強く、とにかく前に行って、どこまで粘れるかというタイプ。
表情も素直そうで、スムーズに先手を取れたら、勝ち負けまで期待できそう。
Pad3star

セイクリッドバレー →馬体を見る
立ち姿における首の位置が高めで、まだレースに向けて集中していない感がある。
もうひと絞りできそうだが、ギリギリまで溜められる新潟コースは合っている。
Pad3star

レインボーペガサス →馬体を見る
欠点らしい欠点のない馬体だが、これといって強調すべきもない。
もう少し迫力とメリハリはほしいところだが、能力を出し切れる仕上がりにあることは確か。
Pad3star

■函館2歳S
アイムユアーズ →馬体を見る
いかにも牝馬という線の細い馬体で、まだ子供っぽさが抜けていない。
全体のバランスは悪くないので、筋肉がさらに付いてくることを望む。
Pad2star

エクスクライム →馬体を見る
きちんと立てていないように、気性面での若さが残っているのが現状か。
馬体自体は仕上がっているので、スムーズに走ることができるかがポイント。
Pad2star

エクセルシオール →馬体を見る
若駒にしては、筋肉のメリハリも良く、パワーに溢れて完成度は高い。
やや胴部が詰まっているため、スタミナに心配は残す。
Pad3star

コスモメガトロン →馬体を見る
全体的にしっかりとしていて、鍛え上げられていることが伝わってくる。
やや後駆に物足りなさを残しているが、自身の力は発揮できる仕上がりにある。
Pad3star

ニシノカチヅクシ →馬体を見る
筋肉が付ききっておらず、牡馬としてはいかにも線の細い体つき。
毛艶は良好で、バランスも良く、体調は問題ないので、現時点での力は出せる。
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パチャママ →馬体を見る
全体的に薄さを感じさせ、パワー不足は否めず、幼さを残している。
体型的にももう少し距離が延びて良いタイプであり、勝ち負けまでは厳しいか。
Pad2star

ファインチョイス →馬体を見る
父アドマイヤムーンに似て、力強さとスピードを兼備する馬体を誇る。
胴部や脚にも伸びがあって、距離は長くても十分に対応できそう。
Pad5star

Hakodate2sais2011wt

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函館2歳Sを当てるために知っておくべき3つのこと

Hakodate2s

■1■パワーとスタミナが問われる
ただでさえパワーとスタミナを要求される洋芝100%の函館競馬場は、開催が進み、馬場が傷むことによって、ますますその傾向は強くなっていく。JRAの2歳最初の重賞であり、キャリアわずか1、2戦の仕上がり早の馬たちによって争われるスプリント戦にもかかわらず、意外なことに、スタミナとパワーが問われるレースになりやすい。

道営馬(ホッカイドウ競馬所属の馬)が【2・1・1・2】と堅実に駆けているのも、現時点での完成度が高いだけではなく、パワーが要求される馬場になっていることもあって、ダートを走る能力や走った経験がプラスに出ているようだ。それでも人気にならないことが多いので、1番人気を買うのであればこちらを買った方が美味しいか。

■2■1番人気は危険!?
1番人気は過去11年で【0・5・1・4】(札幌で行われた一昨年は除く)と、2着こそあれ、勝ち切れていない。函館開催当初に、新馬戦を好タイムで圧勝したスピード馬が1番人気になるからである。しかし、上にも書いたように、開催が進むにつれ、素軽いスピードだけではなく、パワーとスタミナも問われる馬場へと変貌する。これによって、スピードを武器に圧勝して1番人気に祭り上げられた馬は苦戦するのだ。

また、ラベンダー賞を勝った馬も人気に祭り上げられることがあるが、よほど早熟でない限り、この時点で2戦、しかも2勝しているということは、ローテーション的に余力が残っていない可能性が十分に考えられる。ラベンダー賞と函館2歳Sを連勝した馬が地方馬に偏っているのは、身体に負担の掛かりにくいダートを走ってきたからであろう。中央で芝のレースを2戦使ってきた馬は疑ってかかるべき。

■3■外枠有利
函館1200mはスタートから第1コーナーである3コーナーまでの距離が長いため、内枠と外枠での有利不利はほとんどない。あえて挙げるとすれば、開催が進むにつれ、内の方の馬場が悪くなってきているケースが多いので、馬場の良いところを走ることが出来る外枠を引いた馬が有利か。

また、キャリアわずか1、2戦の馬たちによる争いとなるため、馬群の中で揉まれてしまうよりは、多少のコースロスがあろうとも、馬群の外をゆったりと走られる方が力を出し切ることが出来るだろう。そういった意味においても、外枠からスムーズにレースを進められた馬が有利となる。

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レコードタイムの信憑性

Record_3掲示板にレコードの赤い文字が灯ると、必ずと言ってよいほど、「オオー!」というため息にも似た驚きの声が上がる。競馬がコンマ1秒を争うレースである以上、これまでの誰よりも速くゴールを駆け抜けた馬を賞賛し、そのレースを高く評価するのは当然といえば当然のことである。そこに私たちの速さに対する幻想も加わって、レコードタイムに対する価値は否が応でも上がる。この時点では、レコードタイムで勝った馬が次のレースで負ける姿を想像しがたいだろう。しかし、これだけレコードタイムが連発される今の競馬において、私たちはレコードタイムを本当に信じてよいのだろうか。レコードタイムで走ったという事実は、果たしてどのような意味を持つのだろうか。

結論から述べると、レコードタイムには信じてよいものと疑ってかかった方がよいものがある。両者を隔てる基準は、「2着以下の馬との差」と「自分で作ったものかどうか」である。

ひとつめの「2着以下の馬との差」について述べると、2着以下の馬との差が大きければ、そのレコードタイムは価値がある。つまり、その馬は強いレースをしたと考えてよい。反対に、2着以下との差が僅差であれば、そのレコードタイムの価値は疑問である。なぜかというと、2着以下の馬も同じような速いタイムで走ったということは、もしかすると速い時計の出やすい条件であった可能性が高いからだ。G1レースのような上級の競走でない限り、2着以下の他の馬たちもレコードに近いタイムで走られる強い馬であったとは考えにくい。

たとえば、昨年の2歳戦でもレコードタイムが多く見られた中、ラベンダー賞でゼンノエルシド産駒のロビンフットが、アグネスワールドの持っていた函館の2歳コースレコードを0.1秒更新して快勝した。ただ、2着のマイネショコラーデ、3着のヤマノラヴとの着差は僅か(同タイム)であったように、この時期の函館競馬場の馬場は時計が出やすかったと考えられる。案の定、次走のクローバー賞では、圧倒的な1番人気に推されたものの、あっさりと5着に負けてしまった。プラス8kgの馬体重が影響したのかもしれないが、それにしても前走をレコードで走った馬の走りではなかった。

2つめの「自分で作ったものかどうか」については、そのレコードタイムをどこまで自分自身の能力で作ったかどうかということである。昔からよく言われるのは、逃げ馬が作ったレコードタイムは価値が高いということ。つまり、誰かに引っ張ってもらったのではなく、自らの力で刻んで作ったレコードタイムでないと、本当の意味において能力の証明にはならないということである。

かなり昔の話になるが、マティリアルという馬がいた。父パーソロン、母の父がスピードシンボリという、まさにあのシンボリルドルフと同じ血統構成で、さらに岡部幸雄騎手が鞍上とくれば、競馬ファンが期待しないわけにはいかないだろう。マティリアルの名が一気に全国区となったのは3歳春のスプリングSであった。道中11番手の遥か後方からレースを進め、誰が見ても届かない位置から、全馬をまとめて差し切ったレースはあまりにも衝撃的であった。しかも、勝ちタイムは1分49秒3というレースレコード。マティリアルは一躍、クラシック戦線の主役に躍り出たのだ。

ところが、このスプリングS以降、マティリアルは目を覆いたくなるような走りを繰り返すことになった。断然の1番人気で臨んだ皐月賞は3着、これまた1番人気に祭り上げられたダービーでは何と18着と惨敗を喫した。そして、それから2年間にわたって人気を裏切り続け、最期のレースとなった京王杯オータムSを勝つまで、たったの1勝もできなかったのだ。

こうして振り返ってみると、マティリアルはスプリングSで実力以上に派手な勝ち方をしてしまったということなのだろう。前の馬が無謀とも思えるペースでレースを引っ張ったことで、前に行った馬たちがゴール前で総崩れを起こし、後ろで力を温存していたマティリアルが漁夫の利を得ただけだったのである。レースレコードも、この馬自身の力ではなく、引っ張ってもらって作った以上、あまり信用できるものではなかったということだ。このように、レコードタイムという事実は同じでも、その内容によって価値の解釈が全く異なるのである。

私たちはレコードタイムを素直に信じてはいけない。そのレコードには本当の価値があるかどうか、「2着以下の馬との差」と「自分で作ったものかどうか」という2点を踏まえた上で、しっかりと吟味しなければならない。もし自ら逃げて、しかも2着以下の馬との差を広げて作ったレコードタイムであれば、その馬は相当に強いと考えてよいだろう。ただし、レコードで勝利した後は、肉体的に反動が出てしまうということも踏まえて、次走は狙ってみるべきである。

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関屋記念を当てるために知っておくべき3つのこと

Sekiyakinen

■1■2000m以上の距離に実績のある中距離馬
スタートしてから最初のコーナーまでの距離、そして最後の直線が圧倒的に長いため、どの馬にとっても息の入らない厳しい流れになる。そのため、スピードよりも、スピードを持続させるためのスタミナがまず問われることになる。全体のタイムや速い上がりタイムが出ることに惑わされることなく、2000m以上の距離に実績のある中距離馬を狙いたい。

■2■ノーザンダンサー系
新潟1600mのコース形態上、スピードの持続を問われることは前述したとおりだが、そのような舞台を最も得意とするのがノーザンダンサー系の馬たち。一瞬の脚で勝負するようなレースでは惜敗を喫してきたノーザンダンサー系の馬たちが、コースを味方にして台頭する。また、ノーザンダンサー系の馬は厳しい気候にも強く、新潟の酷暑にも耐えることが出来ることも、関屋記念を得意とする理由のひとつ。

■3■先行馬もしくはアウトインアウト
12.5-10.8-11.5-12.0-11.6-11.2-10.6-12.1(46.8-45.5)S
12.3-10.7-11.6-11.9-12.0-11.3-10.6-11.9(46.5-45.8)M
12.9-11.0-11.7-11.7-11.7-11.3-10.1-12.1(47.3-45.2)S
12.8-10.6-11.0-11.2-11.7-11.8-10.3-12.4(45.6-46.2)M
12.6-11.3-12.1-12.3-11.6-11.0-10.0-11.9(48.3-44.5)S
12.2-10.8-11.6-12.3-12.1-11.3-10.7-11.7(46.9-45.8)S
12.7-11.3-12.2-12.0-11.5-10.6-10.3-12.3(48.2-44.7)S

昨年は極端にしても、前半よりも後半の方が速い、全体としてスローに流れるレースが多い。また最後の直線が659mと長いため、異常なほどに速い上がり3ハロンのタイムが計時される。これだけ上がりが速いと、当然のことながら、前に行っている馬にとっては有利なレースとなる。

新潟競馬場は、押し潰された長円形の形状で、JRAの競馬場では最もコーナーの曲がりのきついコースとなる。新潟のマイル戦では、スタート後の長い直線で勢いがついたままコーナーに突っ込んでいくため、意外とスピードが落ちず、コーナーが曲がりにくい。そのため、減速することなく内ラチに沿ってコーナーを回るのは難しい。外から切れ込むようにしてコーナーを回り、直線では再び外に出すような、アウトインアウトのコース取りが理想的。

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ジュンク堂書店難波店でブックフェア!

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「ROUNDERS」創刊記念として、ジュンク堂書店難波店にて、ブックフェアを開催していただく運びとなりました。ブックフェアのタイトルは、「文化・スポーツとしての競馬を知るための30冊」です。「ROUNDERS」創刊号の製作に携わった執筆陣やカメラマン、イラストレーターらによる、おすすめの競馬本を紹介しています。競馬好きの方ならば、30冊のおすすめ本が並ぶこの棚を見て、心躍らないはずがありません。また、30冊の中で読んでいない本があれば、ぜひ読んでもらいたいです。

ブックフェアは本日、8月1日から開催されます。フェア自体は8月末まで行っておりますが、お越しいただいた方のために、「文化、スポーツとしての競馬を深くしるための30冊」のパンフレットを配布しています。B4両面印刷でギッシリ。このパンフレットだけで、すでにひとつの作品として成立していると思います。ぜひ手に取って、自宅に持って帰って、ゆっくりと読んでみて欲しいです。今のところ、100部しか用意しておりませんので、先着順になります。欲しい方は、今すぐジュンク堂難波店へGOです。

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「ROUNDERS」創刊記念ブックフェア
■テーマ 「文化・スポーツとしての競馬を深く知るための30冊」
■場所 ジュンク堂書店難波店 アクセス詳細はこちら
■開催時期 8月1日(月)~8月末

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