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藤田伸二騎手には迷わずそこに突っ込んでほしい

Sfujita

騎手の世界で綺麗に乗るということは、つまり、騎乗フォームやアクションが美しいだけではなく、フェアに乗るということを意味する。自分が勝つためだけに、他の騎手や馬の危険を顧みず、レース全体の調和を乱してしまうような乗り方をするのではなく、競馬というスポーツが誰にとってもスムーズに公正に行われるように乗る。誰の邪魔をすることもなく、ただ馬につかまってジッとしているだけであれば、安全安心ではあっても、勝利からは遠ざかってしまう。また反対に、他の人馬を妨害したり、無理な進路変更やポジション取りをすれば、自分の馬が勝つ可能性が高まることもある。どちらか一方だけを選択するのだとすれば、さほど難しいことではない。両方を同時に行うことが難しく、騎手として最高の技術と英知が求められるのである。

「特別模範騎手賞」を2度受賞した藤田伸二騎手は、「綺麗に乗る」と「勝つ」を最も体現している騎手のひとりであろう。「特別模範騎手賞」とは、勝利数か獲得賞金、勝率のいずれかの部門で全国リーディング5位以内に入る優秀騎手賞を手にし、なおかつ制裁点数が0でなければ取れない賞である。1980年に創設されて以来、この賞を獲得したのは、藤田伸二騎手以外には、柴田政人元騎手と河内洋元騎手だけなのである。これだけを見ても、綺麗に乗りながら人より多く勝つことがどれだけ難しいかが分かるだろう。

その藤田伸二騎手がヒルノダムールに乗って凱旋門賞に挑戦する。派手な外見や言動とは裏腹に、壮大なこだわりを胸に秘めたジョッキーなのである。ターフの外ではなく上でもっと暴れてほしいと思った時期もあったが、藤田伸二騎手のこだわりが見えてくるにつれて、彼がターフの上では自らを厳しく律していることが分かった。レースに行って、ソツなく乗らせたら、右に出る者はいない。悪い意味ではなく、良い意味において、ミスをしない騎手である。凱旋門賞のようなひとつのミスが許されないレースでは、上手く乗ることではなく、時としてミスをしないことの方が重要になってくるだろう。

ただひとつ、藤田伸二騎手にはお願いしたい。もし「綺麗に乗る」と「勝つ」のいずれか一方を選択しなければならない場面があったとしたら、今回だけは「勝つ」方を選んでほしい。凱旋門賞は世界で有数のレベルが高いレースである。道中では馬群が密集し、各馬の間隔はほとんどないに等しい。道中でバテて下がってくるような馬もおらず、最後の直線に向くまで、いや向いても、全く隙のないレースになることが多い。自分の馬が勝つためのポジションを取るチャンスも、馬群から抜け出すタイミングも、ほんの一瞬しかない。道中は内々でひたすら我慢しつつ、勝負所でたとえ1頭分のスペースもない状況があっても、そこを抜け出さないと勝てないのであれば、今回だけは迷わずそこに突っ込んでほしい。それだけの技術も勇気も藤田伸二騎手にはあるのだから。

Photo by fake Place

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Comments

thank for dropping this story. I am definitely tired of struggling to uncover relevant and intelligent commentary on this subject. Everyone in this day and age seem to go to extremes to either drive home their viewpoint or suggest that everybody else in that the globe is wrong. thank for your concise and relevant insight.

Posted by: raspberry ketones | August 22, 2013 at 12:02 AM

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