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まるで地平線のように


凱旋門賞2011―観戦記―
勝ち時計の2分24秒9は凱旋門賞としてはかなり速いタイムではあるが、道中のペースは極めてスローであった。それだけ馬場が良かった(硬かった)ということであり、最後の直線に向いての瞬発力勝負になったということでもある。有力馬の多くは、外枠からの発走のため、外々を回されてしまう、もしくは後方からの位置取りを強いられることになってしまった。枠順と道中のポジションが勝負の行方を大きく左右したレースであった。

勝った3歳牝馬デインドリームは強烈な瞬発力で圧勝した。今回のようなヨーイドンの形になると、馬体が軽い馬、そして背負っている斤量の軽い馬にとっては、一瞬の脚が生かせるため有利になる。まさに小柄な牝馬が斤量の恩恵を最大限に受けた形となったが、それを差し引いても強い競馬であった。ドイツ生産馬の底力を見た思いがした。時計の掛かる馬場を連勝してきただけに、人気の盲点になっていたのだろう。秋華賞を辞退した馬が、凱旋門賞を圧勝するのだから、競馬は本当に何があるか分からない。

人気に推されていたソーユーシンクとサラフィナは位置取りが後方すぎた。最後は伸びてきてはいるが、前も止まらずに脚色が同じになってしまった。スノーフェアリーも後ろの有力馬を意識したのか、前の馬を捕らえ切れずに終わってしまった。終わってみると、3歳牝馬のワンツーであり、3着にも牝馬が突っ込んでいるように、牝馬が上位を独占した形となった。世界的に牝馬の躍進は目覚しいものがあるが、これだけ極端な結果になってしまうと、そろそろ凱旋門賞におけるセックスアローワンスや斤量面の見直しも必要なのかもと思わせられる。

期待を背負っていたヒルノダムールはパドックから入れ込みが目立っていた。陣営の言葉を借りるなら、「雰囲気にのまれて」しまっていた。仕上がりが悪かったわけではないので、フォア賞の時とは違う何かを感じ取っていたのだろうか。全てが上手く運んでいたことが、かえって重圧を高めてしまったのかもしれない。そう考えると、海外に遠征をして、世界最高峰のレースを勝つことが果てしなく難しく思えてくるから不思議だ。近くにあるように見えて遠くにある。まるで地平線のように、凱旋門賞の栄冠が遠のいたように感じたのは私だけだろうか。

それでも、藤田伸二騎手の騎乗には見所があった。スタートしてから、気合をつけてポジションを取りにいった積極性には唸らされたし、道中は絶好位の内で綺麗にレースを運んでいた。一瞬、前が詰まる不利はあったが、何事もなかったかのように乗り切ると、直線に向くまで冷静に追い出しのタイミングを待っていた。完璧な騎乗だったが、残念ながら今回は馬が弾けなかった。これまで日本の騎手がなかなか出来なかった当たり前の騎乗が当たり前にできたことに頼もしさを感じ、日本を代表するジョッキーの1人として誇らしく思う。

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Comments

治郎丸さんこんにちは。
「地平線」という表現、まさにぴったりかと思います。
凱旋門賞は本当に遠かったです。

ヒルノダムールもナカヤマフェスタも頑張ってくれましたが、改めて欧州競馬の壁の厚さを感じました。
特に藤田騎手は道中いい感じでレース運びが出来ていただけに、最後の直線で失速していくのは言いようもなく寂しかったです…。日本の競馬関係者の方々やファンの皆様は幾度となくこういう思いを経験してきたんですよね。私はまだまだファンとして浅いなと反省させられました。

勝ち馬デインドリームの切れ味は本当に素晴らしかったです。もし秋華賞に来ていたら…と思うと背筋が今も寒くなります(苦笑)

Posted by: クロサキ | October 05, 2011 at 06:15 PM

クロサキさん

こんばんは。

私もパドックから随分と入れ込んでいるのは気になっていたのですが、好スタートを決めて、絶好のポジションを取ったときにはやった!と思いました。

直線に向いて前も開いて、まさに勝ちパターンだったのですが、馬が伸びませんでしたね。

それにしても、デインドリームの楽勝ぶりにはため息しか出ませんでしたし、まさか秋華賞に登録していたあの馬とは驚きました。

背筋が寒くなりますよね(笑)

Posted by: 治郎丸敬之 | October 05, 2011 at 11:56 PM

治郎丸さん、凱旋門賞悔しかったですね。

ヒルノダムールでも雰囲気に飲まれてしまうのですから、まだまだ日本競馬に足りないところがあるのでしょう。
枠順など不運な部分もありましたが、特に今回は高速馬場で歯が立たなかったのですからまた考えさせられる部分がありました。

でも前哨戦から2戦闘い抜いた2頭と陣営には心から拍手を送りたいです。
しっかり準備してまた元気に走る姿を見せてほしいですね。

Posted by: onion | October 08, 2011 at 09:02 AM

onionさん

いやー、悔しいですね。

最後の直線に向くまでは、勝ったかもと思っていましたから。

それにしても、勝った馬は衝撃的に強いですね(笑)

ナカヤマフェスタは外枠が仇となってしまいました。

その他、有力馬もポジション取りに苦しんだ馬が多かったですね。

また来年、次なる挑戦者に期待したいところです。

来年は観に行きたいなあ。

Posted by: 治郎丸敬之 | October 10, 2011 at 01:09 AM

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