« October 2011 | Main | December 2011 »

JCダートを当てるために知っておくべき3つのこと

Jcdirt

■1■スピード&器用さ優先
昨年から阪神の1800mという舞台で行われることになった。阪神競馬場についてはワールドスーパージョッキーズシリーズとの絡みがあるのであまり意味はないが、1800mという距離に関しては、スピードを優先する外国馬(特にアメリカ調教馬)によりチャンスを見せるという意図が含まれている。

かつて行われていた東京競馬場の2100mダートというコースは、スピードだけで押し切ることは難しく、マイラータイプの馬にとっては厳しい条件であった。2000mまでならゴマカシが利くが、わずか100mの違いでマイラータイプの馬はバテてしまうのだ。もちろん、スピードがなければ速いペースについて行くことはできないが、勝ち切るためにはそのスピードを支える豊富なスタミナが必要であった。

しかし、舞台が阪神1800mダート変わったことにより、東京の2100mダートほどにはスタミナが要求されなくなる。もちろん、速く厳しいペースになるので、スピードだけでは押し切れないが、どちらかというとスピードに富んだマイラータイプの馬にとって勝つチャンスが訪れるということだ。そして、4つコーナーと小回りコースということを考えると、勝ち切るためには上手く立ち回れる器用さも求められる。

■2■関西馬有利
ただでさえ西高東低の状況が続く中、開催競馬場が関東から関西に移った以上、関西馬にとって条件はさらに有利になった。長距離輸送を考えなくてよい分、あと1本追えたり、また手加減なしに攻める調教を施すことが出来るだろう。ダート競馬はどの馬も最後はバテて、それでもそこからもうひと伸びすることを求められるので、輸送を考慮した軽い仕上げではなく、ビッシリと仕上げられた馬でないと苦しい。もちろん、阪神ダート1800mを乗り慣れた関西のジョッキーが乗るということもプラスになる。

■3■3歳馬にとっては厳しい戦い
阪神競馬場に開催地を移した昨年より、3歳馬の斤量が55kg→56kgとなった。距離短縮による措置だろうが、この1kgが3歳馬にとっては大きな負荷となる可能性は高い。たとえ日々成長著しい3歳馬とはいえ、この時期に歴戦のダート古馬とぶつかるのに1kgの斤量差は少ない。現に一昨年はカジノドライブが6着、サクセスブロッケンが8着と大敗した。この2頭が翌年明けのフェブラリーSで1、2着したことからも、3歳冬の時点で古馬と戦うことの厳しさが分かるだろう。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (3)

競馬場が拍手で埋め尽くされた日

Japancup2011 by mkoichi
ジャパンカップ2011―観戦記―
米国のミッションアプルーヴドが先手を奪い、それをトーセンジョーダンが追走する形でつくり出された流れは、前半74秒1、後半70秒1という典型的なスローペース。道中は馬群が固まるようにして進み、なかなか折り合いが付かずに鞍上が苦労している馬も多く見られた。あまりの遅さに、ウインバリアシオンの安藤勝己騎手が自ら動いたように、後ろから行った馬、そして内に入れなかった馬にとっては苦しいレースとなった。掲示板に載った5頭の全てが、内ラチ沿いを回ってきた馬であることもそれを証明している。

ブエナビスタはスタート良く飛び出し、内枠からの発走を利して、第1コーナーを回るまでに絶好位を確保した。道中の折り合いも抜群で、最高の形で直線を向くと、あとは馬群を抜けて、食い下がるトーセンジョーダンを競り落としてゴールした。外枠から全馬をねじ伏せた昨年ほどの迫力はなかったが、今年は枠順にも恵まれ、仕上がりもピークの状態にあり、勝つべくして勝ったレースであった。これでG1レース6勝目となり、クリフジに始まり、エアグルーヴ、ダイワスカーレット、ウオッカと継承されてきた史上最強の牝馬の称号を、名実ともに手にしたと言ってよい。ブエナビスタがゴールした瞬間から、その強さに対する拍手で競馬場は埋め尽くされ、しばらくやむことがなかった。やはり競馬はスターが勝ってこそ盛り上がる。

ブエナビスタの競走馬としての素晴らしさは、「脚の速さ」と「タフさ」の2点に集約される。「脚の速さ」とは、単純に他馬よりも脚が速いということ。速く走るために生まれてきたサラブレッドの中でも圧倒的に脚が速いのだから、その凄さが分かるだろう。G1レースを勝つような馬であっても、実は脚が速い馬はそうはいない。レースに対する適性や体調のバイオリズムなど、あらゆる要素が噛み合ってようやく勝てる。私が知る中で、脚が速い馬はディープインパクト、オルフェーヴル、そしてブエナビスタの3頭だけである。脚が速い馬かどうかは、重賞クラスのレースの第4コーナーを観れば分かる。他馬が最速力で走っているところを、外から1頭だけ違う次元の速さで捲くっていけるのが脚の速い馬である。

もうひとつの「タフさ」とは、心身ともに健康であるということ。無事これ名馬というが、ブエナビスタほど極限のレースをコンスタントに走り続けられる馬はいない。象徴的なのは、昨年、天皇賞秋→ジャパンカップ→有馬記念という3つのレースに全て出走して、崩れなかったこと。そして、恐ろしいことに、普通の馬であれば終わってしまってもおかしくない翌年(今年)も走って、なんとジャパンカップを勝ってしまったのだ。あのタフなエアグルーヴでさえ成し遂げられなかった快挙であり、この先もこれだけタフな馬が出てくるとは到底思えない。ブエナビスタのタフさはその肉体と精神に宿っているはずで、つまり、この馬の馬体と気性こそが理想的なサラブレッドのそれという結論に至るである。

勝って喜びを爆発させた岩田康誠騎手は、レース後になってようやく安堵したことだろう。これまでの2着に負けたレースを見ても、決して下手に乗っているわけではなく、ブエナビスタの力が少し衰えつつ、体調のバイオリズムも悪かった頃にお鉢が回ってきただけの話であった。今回のレースは全てがドンピシャに運び、きちんと結果を出すことができた。常に攻めの姿勢を貫くライディングスタイルは清清しく、関係者だけではなく競馬ファンにも共感も呼ぶ。直線での馬を追うフォームは、地方競馬から持ち込んだものを中央競馬と融合させたものであり、その上さらにヨーロッパの香りを漂わせている。最後まで抵抗するトーセンジョーダンに根負けさせないよう、最後まで全身のアクションを使ってブエナビスタを叱咤激励する姿には、馬の能力を一滴残らず出し切るだけではなく、ファンに魅せるという騎手としての矜持が垣間見えるのだ。これぞ現代のジョッキーの理想の姿ではないだろうか。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (6)

今年はそうではないはずのブエナビスタ:5つ☆

■ジャパンカップ
ウインバリアシオン →馬体を見る
ステイヤー体型ということもあるが、このメンバーに入ると線が細い。
叩き3戦目で、余分な筋肉がなくなり、この馬の現時点では最高の仕上がり。
Pad3star

エイシンフラッシュ →馬体を見る
基本的に良く見せる馬で、今回も前後駆にしっかりと実が入った馬体を誇る。
この時期にしては毛艶も良く、3歳時のような鋭さはないが、仕上がりは良好。
Pad4star

オウケンブルースリ →馬体を見る
今年に入ってからの馬体写真の中では、最も伸びやかに映っている。
調整が上手く行っているのだろうか、まるで絶好調時のような雰囲気の馬体。
Pad3star

ジャガーメイル →馬体を見る
毛艶が良く、各パーツに伸びがあり、明らかに距離延長はプラスに働く。
筋肉のメリハリという点においては今ひとつで、最終追い切りでどこまで絞れるか。
Pad3star

トゥザグローリー →馬体を見る
休み明けの前走よりも、筋肉量が増えて、前後のバランスも良く、毛艶も良好。
表情にもゆとりが感じられて、前走に比べて、明らかに良化している。
Pad4star

トレイルブレイザー →馬体を見る
長距離に実績があるようには見えない、ガッチリした筋肉質の馬体を誇る。
尾離れしているように、後駆の筋肉が強く、このメンバーでも力負けしない。
Pad3star

トーセンジョーダン →馬体を見る
いつもコロンと映る体型であり、ふっくらと見えても太め残りと考えなくてよい。
表情を見てもいつも通りの落ち着きで、前走をレコードで勝ったダメージはなさそう。
Pad3star

ブエナビスタ →馬体を見る
前走時よりもガッと筋肉が張って、体調がアップしているのは間違いなさそう。
昨年は天皇賞秋がピークだったが、今年はそうではないはず。
Pad5star

ペルーサ →馬体を見る
良かった頃はもう少し馬体に伸びがあったが、この秋はコロンと映る。
パワーアップしていることは確かだが、その分、距離延長に心配はある。
Pad3star

ローズキングダム →馬体を見る
細身の馬で決して良く見せるタイプではないが、今回は全体のバランスが良い。
古馬になってドッシリとしてきたようで、出来は安定している。
Pad3star

ヴィクトワールピサ →馬体を見る
ドバイワールドカップから間隔が開いた割には、昨年の方が馬体に力が漲っていた。
全体のまとまりや仕上がり自体は悪くないが、絶好調には及ばない。
Pad4star


Japancup2011wt

お知らせ
全国のターフィーショップにて「ROUNDERS」vol.2が好評発売中です!リアルタイムの状況が分かりませんが、もしかするともうすでになくなってしまっているターフィーショップもあるかもしれません。その際は、どうかご容赦ください。ターフィーショップでお買い求め予定の方は、なるべく早めに足を運んでみてください。

「ROUNDERS」を販売中のターフィーショップの全国マップ
Turfyshoproundersmap
*福島競馬場、ウインズ石和、ウインズ新白河、ウインズ新横浜を除く。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (15)

来年のダービージョッキー

来年のダービージョッキーを見つけた。先週の土曜日、雨の中で行われた東京スポーツ杯におけるディープブリランテの走りを観ての感想である。横山典弘騎手が2009年の日本ダービーを勝つことを、前年夏の時点で予言していた私が言うのだから、信じてみてほしい。札幌2歳Sにおけるロジユニヴァースの勝ちっぷりを見て、ようやく横山騎手がダービージョッキーになるときが訪れたのだと直感し、ラジオNIKKEI杯での圧勝を見て確信に変わったのである(日本ダービーの予想は外してしまったが…)。そう、来年は岩田康誠騎手がダービージョッキーになる。

ディープブリランテの新馬戦での走りを観たとき、ディープインパクトだと思った。言葉で表すのは難しいが、道中での走るフォームから直線での手前の替え方やフットワーク、そして他馬を大きく離してゆく桁違いのエンジンまで、ディープインパクトの新馬戦において感じたのと同じ衝撃を受けた。あとからタイム的な要素を確認してみてもなかなかのもの。しかも、矢作芳人調教師の管理馬だというからさらに驚かされた。というのも、矢作調教師は新馬戦から仕上げて使わない傾向にあるからである。自身の著書の中で、矢作調教師はこう語っている。

最低でも3回は使いたいと考えて馬の出し入れを行なっている。そうなると、休み明け初戦は3回使ううちのひとつ目になるから、万全の状態とまでは行かず、仕上がり途上で使わざるを得ないケースもある。 (中略) 休み明けを体調一息で使うケースが多いのと同様に、新馬初戦を使うタイミングも他の厩舎よりも早くなることが多い。これに関しては、「新馬戦から仕上がりきった体で競馬を使いたくない」という明確な意思がある。 (中略) これを反対の側面から考えるなら、僕の厩舎で新馬勝ちを収めるような馬は、相当強い馬だと思ってもらって結構だ、ということでもある。(「開成調教師」白夜書房より

つまり、ディープブリランテはそれほど仕上がっていない状態で、あれだけの走りをしたのだ。矢作調教師も何かを感じたに違いない。2戦目でいきなり重賞に挑ませたのも当然の話である。東京スポーツ杯はもちろん勝つだろうと私も思っていた。当日に大雨が降ったことで、不良馬場に対する適性だけが不安であったが、そんな私の心配をよそに、ディープブリランテはスタートからゴールまで悠々と走りぬけた。ディープインパクトの初年度産駒は勝ち上がり率こそ高くとも小粒な感は否めなかったが、2年目の産駒から遂に大物が誕生したのだ。

あとはこの馬をどのように育てていけるかだろう。東京スポーツ杯で前半から行きたがる素振りを見せ、岩田騎手がなんとかなだめていた。「ひとつ間違っていれば、単なるマイラーに終わっていたかもしれない」と武豊騎手も語ったように、父ディープインパクトもそういうタイプの馬であった。他を圧倒する桁違いのスピードは時として諸刃の剣となる。だからこそ、武豊騎手はディープインパクトのリズムで前半をゆったりと走らせ、後半にスピードを爆発させることに集中したのだ。アンライバルド、ヴィクトワールピサ、サダムパテックという人気馬に跨りながらも、いまだ日本ダービーの栄光に手が届かない岩田騎手にとって、ディープブリランテのあり余るスピードをどう制御して走らせることができるかが重要なカギとなるはずである。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (8)

東京芝2400m

Tokyo2400t

スタンド前からの発走で、スタート地点から第1コーナーまでの距離は349mと平均的な長さ。第1コーナーまでの距離が十分にあるため、無理な先行争いはあまりなく、1コーナーまでには大方の位置取りは決する。コース幅も広く、コーナーも複合カーブであり、直線も長いという全くごまかしの利かないタフなコース設定となっているため、力がなければ勝ち切ることはできない。

直線が長いという意識が各騎手に働くため、どの馬も道中無理をせず折り合いに専念する。そのため、スローペースになり、最後の直線での瞬発力勝負になりやすい。瞬発力に欠ける馬では苦しく、末脚に自信のある差し馬にとっては十分に能力が発揮される舞台である。

以上のことから、東京の2400mを勝つためには、「折り合いがつくこと」「瞬発力があること」「スタミナがあること」という3つの条件を満たしていることが望ましい。まさに、2400mがチャンピオンディスタンスと呼ばれるゆえんを体現しているコースと言えるだろう。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (1)

あの泥があればこそ咲け


マイルCS2011―観戦記―
絶好枠からあっさりとハナを奪ったシルポートがレースを引っ張り、前半が46秒7、後半が47秒2という平均ペース、G1のマイル戦にしては比較的緩やかなペースをつくり出した。それに加え、前日に降った大雨の影響で馬場が緩く、追い込みが利きづらく、前残りの典型のような決着となった。コースロスなく馬場の内側をすんなり先行できた馬が、上位を占めたレースであった。

エイシンアポロンはレース巧者ぶりを遺憾なく発揮して、ゴール前で粘るフィフスペトルを競り落として勝利した。返し馬のときから、池添謙一騎手との一体感が目立っていたように、4歳の秋を迎えて肉体的にも精神的にも充実している。秋華賞を勝ったアヴェンチュラと同じように、この馬の場合も1年間の休養が馬に成長を促すきっかけとなったのだろう。また、3歳時にレベルの高い世代のクラシックレースや古馬との厳しい闘いに挑んだことが、今回の勝利につながったような気がしてならない。サンデーサイレンスの血が入っておらず、スパッと切れる一瞬の脚のないエイシンアポロンにとって、やや上がりが掛かる馬場になったことも幸いした。

これで今年G1レース5勝目となった池添謙一騎手は、自信と余裕を持って騎乗している。ダービー1番人気になったことや3冠制覇の重圧に比べれば、たとえG1レースとはいえ、今回のマイルCSは肩の力を抜いて乗れたはずである。エイシンアポロンの行く気に任せ、無欲でレースの流れに乗ったことが最高の騎乗につながった。ハミや手綱を通してのエイシンアポロンとの意志の疎通もパーフェクトであり、追い出してからも人馬一体の綺麗なフォームで追えていた。スイープトウショウやデュランダル、そしてドリームジャーニーなど、仕掛けどころの難しい追い込み馬に乗り、勝たねばならない極限のレースで鍛えられたこと全てが今の充実をつくり上げた。

2着に入ったフィフスペトルは、この馬自身の復調に加え、横山典弘騎手の絶好の騎乗も手伝って、勝利まであと一歩というところまで手が届いた。枠順や馬場状態を考えると、これしかないという乗り方だったが、それを絵に描いたように実現してしまう騎乗技術が横山典弘騎手の凄さである。フィフスペトルは函館2歳Sを勝ったように、早い段階で完成度の高かった馬である。それ以降、なかなか勝ち切れないレースが続いたが、あきらめずに立て直しを図り、ようやくこのようにしてG1の舞台であわやという場面をつくった陣営の手腕にも賛辞を送りたい。

サプレザは負けて強し。昨年と同じく外枠を引いてしまい、しかも脚質的に後方からのレースを強いられてしまったが、最後まであきらめずに伸びて3着を確保した。もしこの馬にスッと先行できる器用さとスピードがあれば、あっさり勝ってもおかしくない能力の持ち主であることを証明した。6歳にして最高の出来で挑戦してきただけに、非常に惜しいレースとなった。

1番人気に推された3歳馬リアルインパクトは、道中はレースの流れに見事に乗っていたが、最後の直線での反応が悪く5着に沈んだ。安田記念のときは4kgあった斤量差が、今回は1kgまで縮まったことも理由のひとつではあるが、何よりも関西への長距離輸送がこたえたのではないだろうか。パドックから返し馬に至るまで、首を上下に振ったりと、変に入れ込んでおり、この馬らしい落ち着きがなかった。来年はマイル路線を引っ張っていかなければならない存在だけに、輸送の問題はぜひとも克服してもらいたい課題である。

リディルは外枠が災いした。馬場状態を考えると先行すべきであり、だが8番枠ということもあって、気合を付けて出していったものの、前に壁をつくることができずに引っ掛かってしまった。何とか折り合いはついたが、前半でのロスと外々を回されたことが響いて、最後は脚がなくなった。内枠を引けていれば、違った結果が出ていたはずだから、競馬は実力だけではなく運もなければ勝てないということである。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (5)

希望の炎

日刊競馬の飯田正美さんが、「もきち倶楽部」にて、『ROUNDERS』について書いてくださった。私たちの挑戦を認め、今後の課題を指摘しつつ、最後には応援のエールを送ってくれたことに感謝の気持ちで一杯である。現在、バックナンバーを読むことはできないので、熱いメッセージの一部を引用させていただきたい。

例えていうなら、ROUNDERSは大海原に船出したばかりの帆船なのだ。風を受け、荒海の中をもまれながらもどこまでも進んで行きたい。その進む先に、日本の競馬の未来が見えるかもしれない。もしこの本が、50 号、百号を数える日が来れば日本の競馬、競馬文化は確実に変わっている。 

まだ読んでいない人は、ぜひ読んでみてほしい。読む人によって、それぞれの面白さを随所に探し出せる本だと思う。読んでみて、そして、小さくてもいい。できるなら、風となってほしい。どんなに船や帆が立派で、どんなに優秀な乗組員がいても、帆に風をはらまなければ、帆船は前に進めない。

(競馬の文化村「もきち倶楽部」No.1218より引用)

この新しい競馬の雑誌を介して、たくさんの方々と出会うことができた。その中で、私にとって最も驚くべきことは、ほとんどの人々が『ROUNDERS』を好意的に受け入れてくれたことだ。こんな不完全な人間である私が創っているのだから、『ROUNDERS』が完璧な雑誌でないことは百も承知である。それでも、あら探しをするのではなく、手を差し伸べてくれる方々の何と多いことか。飯田さんの言葉を借りれば、風になってくださる人たちの力を受けて、『ROUNDERS』は大海原に船出することができたのだ。

これからが勝負所だろう。レジャーの多様化や景気の悪化などの影響を受けて、中央競馬から地方競馬まで、日本の競馬の売り上げは年々減少しつつある。売り上げだけではなく、あらゆる全ての物事が縮小傾向にある。どこが正常な値かは正直分からないが、昔に比べて、競馬が衰退してきていることは事実。ひと昔前であれば、出せば売れた競馬本も今はほとんど売れないのだ。そんな時代に『ROUNDERS』は誕生した。流行りの市場調査などせず、ただ自分たちの読みたい競馬の雑誌を創った。もちろん、それだけでは続けていけないことは痛いほど分かっている。

日本の競馬に希望はないのだろうか。私は楽観論者でも悲観論者でもないが、このままでは競馬がなくなってしまう日が来るかもしれないと思うことがある。すぐ近い未来のことではなくとも、もしかすると私たちの子どもたちや孫たちにとって、競馬のない世界があり得るということだ。現に地方では多くの競馬場が姿を消している。この世に永遠に続くものなど存在しない。たとえそれが私のいない遠い未来のことであっても、競馬のために生きたいと思う私にとって、競馬を失ってしまうことは耐え難い。競馬にはこれから先もずっと続いてほしい。

今の日本の競馬に必要なのは、希望の炎を灯しつづけることではないだろうか。そのためにも、私たちは「ROUNDERS」を創りつづける。希望の炎が灯ったたいまつを、私たちは偉大な先輩方から受け継いでゆくのだ。もし「ROUNDERS」が100号を数える日があるとすれば―それはこの雑誌がこの先50年間創り続けられたことを意味する―、日本の競馬は大きく変わっているに違いない。今、私の目には、日本の競馬の未来がはっきりと見える。

Hyosiimgvol2

「ROUNDERS」は、「競馬は文化であり、スポーツである」をモットーに、世代を超えて読み継がれていくような、普遍的な内容やストーリーを扱った、読み物を中心とした新しい競馬の雑誌です。

特集ページの無料サンプルはこちらからご覧ください↓
*表示に時間が掛かる場合があります。

目次
Rounders02_mokuji
Samplebutton

特集1 Portrait of Jockeys 文 治郎丸敬之 イラスト 塩井浩平
Rounders02_sp01
Samplebutton_7

特集2 ジョッキーの光と影 赤見千尋
Rounders02_sp02
Samplebutton_2

特集3 藤井勘一郎インタビュー 大海を知るジョッキー
Rounders02_sp03
Samplebutton_3

特集4 ラップで読み解く騎手の資質 半笑い
Rounders02_sp04
Samplebutton_4

特集5 馬楽のすすめ 上坂由香
Rounders02_sp05
Samplebutton_5

特集6 一流の騎手とは 治郎丸敬之
Rounders02_sp06
Samplebutton_6

Hyosiimgvol2

「ROUNDERS」(全165ページ)を1,995円(税込み、送料無料)でお分けいたします。
*大変申し訳ありませんが、振込み手数料は各自でご負担いただきますのでご理解ください。

今回、「ガラスの競馬場」より直接お申し込みいただいた方には、「ROUNDERS」執筆陣による、お勧めの競馬本を紹介した「文化、スポーツとしての競馬を深く知るための30冊」というパンフレットをプレゼントします。「ROUNDERS」vol.2を読み終わったあと、他にも競馬の本を読みたくなったときの参考にしてくだされば幸いですし、このパンフレットを読むだけでも、たくさんの競馬本を読んだ気になれますよ。

Bookfairpanph

プライバシーポリシー特定商取引に基づく表記もご覧ください。

Button

ご注文方法
Step1メールフォームにてご注文をしてください。
*SSLに対応しておりますので、個人情報の保護も万全です
*個人情報を第三者に開示をすることは決してありません。
Step2ご注文確認メールが届きます。
Step3お届け先住所に「ROUNDERS」が届きます。
*振込み用紙を同封しますので、商品到着から5日以内に指定の銀行口座にお振込みください。
*振込み手数料は各自でご負担いただきます。

Button

| | Comments (3)

ジャパンカップを当てるために知っておくべき3つのこと

Japancup

■1■日本馬のレベルアップ
ジャパンカップで最も大きな問題となってくるのが、外国馬と日本馬の比較である。近年は完全な日本馬の優勢であり、日本馬が1~3着だけでなく、掲示板を独占することがあっても驚かなくなってきた。ここ十数年で、生産、調教の技術が飛躍的に向上したことによって、日本の競走馬のレベルそのものは、海外のそれと比較しても同等かそれ以上のところまで上がってきている。

日本国内における一流馬であれば、海外に出ていっても十分通用することは、古くはジャックルマロワ賞のタイキシャトル、凱旋門賞のエルコンドルパサーから、インターナショナルSのゼンノロブロイ、アメリカンオークスのシーザリオ、メルボルンCのデルタブルース、そしてハーツクライ、ディープインパクト、そして最近でいうとナカヤマフェスタまで多くのG1ホースらが示してくれた。もちろん自分の土俵(日本の競馬)で戦うのであれば、堂々と胸を貸すぐらいの気持ちで立ち向かうことができるはずだ。

外国馬に関する情報は極めて少なく、日本の馬場で一度も走ったことがない馬の実力を推し量ることは、はっきり言って非常に難しい。それでも、ひとつだけ大きなものさしを示すとすれば、「力をつけた日本馬に地の利がある以上、外国馬は余程の実力、実績を持った馬でないとジャパンカップで勝ち負けにはならない」ということになる。日本の軽い馬場が合いそうだとか、招待されたからなどというレベルの外国馬では勝負にならないところまで日本馬のレベルは上がってきている。

ちなみに、外国馬に関して述べると、海外遠征未経験馬は疑ってかかるべきである。今回のジャパンカップ挑戦が初めての遠征になるような馬では、よほど能力が抜けていないと極東の地での激しい戦いを勝つことは出来ない。ヨーロッパの馬でヨーロッパの外に遠征した経験がない馬も同じである。

■2■凱旋門賞、ブリーダーズC馬は消し ジャパンカップの前にはヨーロッパで凱旋門賞、アメリカでブリーダーズカップとG1レースの中のG1レースが行われている。海外の馬は当然そちらを目標に出走するため、ジャパンカップにはピークを過ぎた状態で出走してくることが多い。

特に、凱旋門賞、ブリーダーズCを勝った馬は、ほぼ間違いなく調子落ちでの出走となるはず。ピークの仕上げで臨まなければ、凱旋門賞やブリーダーズCといった大レースは勝てないため、勝った勢いでジャパンカップに挑戦してきても、結局、状態は下降線を辿ることになるのだ。ブリーダーズカップを勝ったコタシャーン、凱旋門賞を勝ったエリシオ、モンジューなどがあっさりと敗れてしまったのは、明らかにピークを過ぎた状態で出走してきたからである。また、凱旋門賞を勝つ馬は、深い芝で走れるだけのパワーとスタミナが勝っている馬である(今年の凱旋門賞は別)。軽い芝でスピードと瞬発力を要求される日本の競馬には合わないことが多いだろう。また、ブリーダーズCを勝った馬はローテーション的に厳しい。死力を尽くして大レースを勝った後に、遠征を含めて、もうひとつG1レースで勝つことは難しい。

逆に言うと、凱旋門賞、ブリーダーズCで負けてしまった馬の巻き返しは期待できるということだ。

■3■迎え撃つのは4歳馬
過去10年の勝ち馬は、4歳馬が5勝、続いて5歳馬が3勝、3歳馬は2勝、6歳以上の馬はわずかに1勝となっている。ジャパンカップのレベルが上がったことにより、肉体的に最も充実する4歳馬が圧倒的に有利なレースとなった。百戦錬磨の外国馬を迎え撃つのは日本の4歳馬という図式が成り立つだろう。

また、ジャパンカップを勝ち切るためには高い壁があって、日本馬、外国馬に関わらず、連対率が50%を切るような馬では厳しい。高い競走能力と、どのような状況や環境にも対応できる資質の持ち主であることが問われるのだ。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (3)

リアルインパクト文句なし:5つ☆

■マイルCS
エイシンアポロン →馬体を見る
幼かった馬体が成長して、少しずつメリハリが出てきた。
各パーツに伸びはなく、胴が詰まっているのでマイル前後がベスト。
Pad3star

エーシンフォワード →馬体を見る
昨年も素晴らしい出来だったが、今年も遜色ないほどに仕上がった。
重心が低く、マイルが上限だが、力強さに溢れて重馬場は苦にしないはず。
Pad4star

グランプリボス →馬体を見る
あまり良く見せない馬だったが、海外遠征を経て、肉体的に大人になった。
全体のバランスも良く、毛艶も良好で、力を発揮できる仕上がりにある。
Pad3star

シルポート →馬体を見る
胴部は長いが、脚が短いため、距離はマイルがベストになってくる。
すんなり主導権を取れれば、気の強さを生かして、好走のチャンスはある。
Pad3star

スマイルジャック →馬体を見る
茄子に楊枝を挿したような馬体だったが、古馬になって変わってきた。
ただ、今回はやや太く映るように、もう少し筋肉のメリハリがほしい。
Pad3star

ダノンヨーヨー →馬体を見る
特に首周りが力強く、前後駆にもしっかりと筋肉が付いている。
立ち姿にも自信が漲っていて、前走で大敗した影響はなさそう。
Pad4star

フィフスペトル →馬体を見る
コロンとした体型からも分かるように、マイルの距離はギリギリなはず。
毛艶も良く、絶好の仕上がりだが、最後のスタミナ勝負になると不安あり。
Pad3star

マルセリーナ →馬体を見る
やや冬毛が出てきてしまっているように、体調は下降線を辿っている恐れ。
春当時のような筋肉のメリハリもなく、巻き返しは難しいか。
Pad2star

リアルインパクト →馬体を見る
前走は休み明けの馬体だったが、叩かれて臨戦態勢は整った。
全体のバランスも素晴らしく、毛艶も良く、文句なしの仕上がり。
Pad5star

リディル →馬体を見る
前後駆に申し分ないほどに実が入って、現在の好調を物語っている。
気の強そうな表情からも、一瞬の切れを活かすタイプだけに重馬場はどうか。
Pad3star


Milecs2011wt

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (1)

骨折明けの馬

Kossetsusitauma by ede

骨折した馬ということで、真っ先に私が思い浮かべるのはヤマニングローバルである。ちょうど私が競馬を始めた頃に活躍した馬だったので、記憶が鮮明なのだろう。ヤマニングローバルは父ミスターシービー、母の父ニジンスキーという、当時においては超良血であり、デビュー前からかなりの評判を呼んでいた。その期待に応えるべく、デビュー戦からデイリー杯まで3連勝を飾った。どのレースも、武豊騎手がゴール前は抑える余裕を見せるほどの楽勝であった。

ところが、デイリー杯をレコードタイムから0.2秒差という好タイムで勝利した直後、ヤマニングローバルを悲劇が襲った。武豊騎手が馬を止めようとした矢先、ヤマニングローバルが馬場の窪みに脚を取られ、バランスを崩して右前脚を骨折してしまったのである。競走中のアクシデントではなかったにもかかわらず、検査の結果として、右前種子骨が縦真っ二つに割れているという最悪の状況が判明した。通常ならば、安楽死が取られてもおかしくないケースである。

しかし、陣営は治療(手術)を選択した。クラシックの有力候補と謳われた逸材を、このような形で失うことに耐えられなかったのだろう。武豊騎手も「来年のG1レースを4つ損した」と、ヤマニングローバルの寄せていた期待の大きさを語っていた。割れた骨をボルトでつなぐという荒治療であったにもかかわらず、手術はなんとか成功した。一時は蹄葉炎を発症するなど、危険な状況はあったものの、関係者の献身的なケアとヤマニングローバル自身の持つ生命力によって、翌年の秋には調教を再開できるほどまでに奇跡的な回復を遂げたのだ。

復帰後の初戦は洛陽ステークスで、さすがにこのクラスということもあり1番人気に推されたものの、4着と敗退した。その後も、人気になるものの惜敗の繰り返しであった。阪急杯では2着、高松宮杯では3着とあと一歩のところまで走ることもあったが、どうしても勝利することができない。陣営もダート戦を使ったり、短距離戦を使ったりと工夫を試みたが、ゴール前でどうしても走るのをやめてしまうヤマニングローバルに、かつて3連勝した頃の面影は全くなかった。ついに武豊騎手から田島良保騎手に乗り替わり、さらに横山典弘騎手に手綱が渡った。

誰もがあきらめかけていた時、そんな雰囲気を察したのか、ヤマニングローバルはアルゼンチン共和国杯でようやく復活した。2年ぶりの勝利であった。馬券を買っていなかった私も、さすがに心を動かされた。次走の有馬記念こそ6着と敗れてしまったが、年明けの目黒記念では圧倒的な1番人気に推され、堂々と先頭で駆け抜けた。府中の直線を一緒に走って応援した私は、脚にボルトが入っている馬が重賞を勝ったその事実に感動した。競馬は激しいサバイバルレースであり、ヤマニングローバルは尊敬に値すると感じた。

前置きが長くなってしまったが、私が書きたかったのは骨折した馬の涙の復活劇ではない。骨折した馬が再びレースで勝利することが、どれだけ難しいかということである。ヤマニングローバルは、9つのレースと2年の歳月を費やすことになった。あのアドマイヤコジーンでさえ、12戦と3年の年月を要した。たとえ骨がくっ付いて、トレーニングが重ねられ、以前の肉体に完全に戻ったとしても、勝つことは容易ではない。どうしても、レースに行ってあとひと踏ん張りが利かなくなってしまうのである。勝つ能力はあっても勝てない、そんなレースを続けてしまう。

その最大の理由は、骨折がサラブレッドの心理面に落とす根深い影響である。あの時のあの痛みをサラブレッドは忘れない。その記憶が、レースで全力疾走を求められる場面で蘇ってくるのだろう。もしくは、速く走ろうとする本能を無意識にセーブするのかもしれない。たとえ調教で素晴らしい走りを見せていても、それはまやかしである。追い切り程度の速さであれば、能力の高い馬であれば軽く走ってしまう。ウッドチップが敷き詰められている馬場では、脚元の不安はそれほど感じない。それが実戦に行くと、硬い芝の上を調教とは違うスピードで走らされるため、骨折の記憶がある馬は自ら走ることをやめてしまう。人間のムチに応えるために限界を超えたりはしない。そういうレースが続くのである。いつ本気で最後まで走るようになるかというと、その答えは骨折した馬のみぞ知る。馬は骨折したことを忘れしまうわけではなく、何度もレースを走ってみて、これなら全力で走っても大丈夫そうだと確信したから復活するのである。

リディルはデビュー3戦目でデイリー杯2歳Sを勝利し、その後、放牧先の大山ヒルズで左第1趾骨複骨折が判明した。すぐに手術が行なわれたものの、全治に至るまで1年以上の歳月を要してしまった。同じ橋口弘次郎厩舎のローズキングダムと遜色ない評価をされていたほど能力の高い馬だったが、ターフに復帰してからはなかなか勝つことができず、3戦連続して人気を裏切る形となった。しかし、骨折明け4戦目の谷川岳Sで、リディルは久しぶりの勝利を挙げた。続く安田記念でも7着に好走し、その後、米子S、スワンSと連勝して完全復活を遂げてみせたのだ。忌々しい記憶を己の力で拭い去ったリディルが、今年のマイルCSでどのような走りを見せてくれるのか楽しみでならない。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (15)

ジュンク堂書店で発売開始&ブックフェア開催中!

Jyunkudoikebukuro02先週末より、ジュンク堂書店にて「ROUNDERS」vol.2の発売が開始されました。リアル書店で「ROUNDERS」を手に入れられるのは、現在のところ、ジュンク堂書店においてのみ。実際に手に取って、「ROUNDERS」vol.2の質感と読み応えを体感いただければと思います。また、創刊号(vol.1)もバックナンバーとして置いてありますので、まだの方はぜひ併せて読んでみてください。

そして、ジュンク堂書店新宿店、大阪本店(堂島)、MARUZEN&ジュンク堂書店梅田店(茶屋町)の3店舗にて、ブックフェアを開催中です。ブックフェアのタイトルは、前回に引き続き、「文化・スポーツとしての競馬を知るための30冊」です。「ROUNDERS」の製作に携わった執筆陣やカメラマン、イラストレーターらによる、おすすめの競馬本を紹介しています。競馬好きの方ならば、30冊のおすすめ本が並ぶこの美しい棚を見て、心躍らないはずがありません。

Jyunkubookfare01
競馬をギャンブルとしてだけではなく、文化、スポーツとしても知ってほしいという私たちの想いが、この書棚には凝縮されています。

Jyunkubookfare02
こうして1冊1冊を眺めてみると、まるで20年前にタイムスリップしたよう。あの時の風景や気持ちが蘇ってくるようです

この夏、「ROUNDERS」の躍進のきっかけに力を貸してくださり、このブックフェアの開催にもご尽力いただいたジュンク堂書店員のMさんとも話すことができたのですが、「売れなくなったから出版されなくなったのか、出版されないから売れないのか分かりませんが、こうした文化的な競馬本が消えてゆくのは寂しいですね」とおっしゃっていました。

確かに、今となっては、こんな競馬本の棚はありえませんが、この1ヶ月間だけはジュンク堂新宿店、大阪本店(堂島)、MARUZEN&ジュンク堂書店梅田店(茶屋町)に存在しますので、ぜひ行って本を手に取って、買って、読んでみてください。

ブックフェアを開催中のジュンク堂系列店舗(11月18日現在)
・MARUZEN&ジュンク堂書店 梅田店 アクセスはこちら
・ジュンク堂書店 新宿店 アクセスはこちら
・ジュンク堂書店 大阪本店 アクセスはこちら

「ROUNDERS」が買えるジュンク堂系列店舗(11月18日現在)
・MARUZEN&ジュンク堂書店 札幌店 アクセスはこちら
・ジュンク堂書店 池袋本店 アクセスはこちら
・ジュンク堂書店 新宿店 アクセスはこちら
・ジュンク堂書店 藤沢店 アクセスはこちら
・ジュンク堂書店 ロフト名古屋店 アクセスはこちら
・ジュンク堂書店 三宮店 アクセスはこちら
・ジュンク堂書店 難波店 アクセスはこちら
・ジュンク堂書店 千日前店 アクセスはこちら
・ジュンク堂書店 京都BAL店 アクセスはこちら
・MARUZEN&ジュンク堂書店 梅田店 アクセスはこちら
・ジュンク堂書店 大阪本店 アクセスはこちら

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (0)

京都芝1600m

Kyoto1600t1

向こう正面の直線を2コーナー側に延長したポケットからのスタート。第1コーナーとなる3コーナーまでの距離は711mと長く、逃げ馬が気分よく行ってしまうとオーバーペースになりやすい。しかし、3コーナー過ぎてからは下り坂となるため、多少のハイペースで行ったとしても、前もなかなか止まらない。結果として、平均ペースのレースになりがちで、実力どおりの決着となることが多い。力さえあれば、展開にはあまり左右されることのないコースといえる。

京都の1600mコースには内回りと外回りがあり、G1であるマイルチャンピオンシップは外回りを使って行われる。外回りコースは、4コーナーで内回りコースと合流するため、内にポッカリとスペースが開きやすい。そのため、直線で前が詰まる心配がほとんどなく、差し馬にとっては安心して乗れるコースである。

第1コーナーまでの距離が長いため、枠順による有利・不利はほとんどない。あるとすれば、最初の直線において、ポケットの直線から本線に入る際、わずかに内の馬が窮屈になることぐらいか。とはいえ、1番枠でない限り、ほとんど気にする必要はないだろう。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (305)

胸が締めつけられるような

Elizabeth2011 by Scrap
エリザベス女王杯2011―観戦記―
逃げるはずのダンシングレインに行き脚がつかず、その代わりにシンメイフジが思い切って先頭に立ったものの、前半1000mが57秒5という無謀なペースでレースを先導した。後続グループとは10馬身以上離れており、上位に入った馬たちの上がりを見ても、レース全体の流れとしてはややスローといったところか。最後の直線では、勝ちにいった3歳馬ホエールキャプチャを女王アパパネが捕らえ、さらにその外から秋華賞馬アヴェンチュラがねじ伏せたと思った矢先、昨年の覇者スノーフェアリーが間を割って突き抜けた。胸が締めつけられるような激しい叩き合いであった。

勝ったスノーフェアリーはもはや牝馬というカテゴリーを超えている。ペースを考えると外枠は不利だったはずだが、最後の直線だけで全てをはねのけてみせた。今年に入って、怪我から復帰してからなかなか勝てずにいたが、相手が強かったり、流れが向かなかったりというレースが続いていただけで、力が落ちているわけではなかった。愛チャンピオンSでは59kgを背負って2着、凱旋門賞では58kgを背負って3着した馬にとって、牝馬限定のG1戦で56kgでは裸同然に感じたに違いない。それほど馬体の大きい馬ではないだけに、軽い斤量で走られる日本では、より一層に切れ味が増すということだろう。激戦を戦ってきたのち、長距離輸送を克服しての勝利だけに、圧倒的な力の違いを見せ付けられたというのが正直な感想である。

ライアン・ムーア騎手は昨年に続き冷静な騎乗で勝利を掴んだ。昨年は1頭だけ内を突いて周囲を驚かせたが、今年も大外発走のスノーフェアリーをいつの間にか4コーナー手前で内に導いた。まるでもう何年も京都競馬場で乗っているようなコース取り。スノーフェアリーほどの実力があれば、外を回してもギリギリ勝てたかもしれないが、あそこで内に進路を寄せて脚をためていたからこそ綺麗に勝つことができた。今回のレースを観て、日本の騎手は何を思うだろう。馬の抑え方から道中のコース取りに対する考え方、そして馬の追い方まで、何度も何度もリプレイして、超一流の騎手から何かを学ぶべきである。

アヴェンチュラは、負けはしたものの、今回は相手が悪かった。前走は2000mのスピードレースになったため、行き過ぎてしまわないよう、岩田康誠騎手は慎重にスタートから出していかなかった。そのせいもあってか、道中では思っていた以上に折り合いがついていた。今年の春を怪我で休んだことで、肉体的にもパワーアップしたと同時に精神的にも大人になっている。姉トールポピーに比べ、ハンドルが利きやすくロスが少ない馬だけに、安定して力を発揮することができる。骨折が判明したのは残念だが、今日の走りを見る限り、牡馬の一線級に混じっても好勝負できるはず。

アパパネは手応え良く追走し、4コーナーを絶好の形で回ってきた。先に抜け出したホエールキャプチャに迫ったときの迫力は往年と変わりなく、身体も気持ちも最後の牝馬限定G1レース制覇に向けて仕上がっていた。世界の強豪と勢いのある3歳馬に敗れてしまい、記録達成とはいかなかったが、自身の力を出し切ってのものだけに悔いはない。年齢的に、若駒の頃と比べて良化に少し時間が掛かっているということもあり、まだ望みはある。

3歳馬ホエールキャプチャは積極的な競馬をして力を出し切った。前走のように、なし崩し的に脚を使わされるレースよりも、今回のようにタメる競馬の方が合っている。G1レースのタイトルには手が届かなかったが、これだけの走りができたのだから、あらゆる条件が合えば勝ち切るだけの力は持っている。同じく3歳馬のレーヴディソールは、休み明けでの距離延長はさすがに苦しかった。1度使われての変わり身に次は期待したい。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (4)

競馬帰りに珈琲とアートが楽しめるお店

東京競馬場でエリザベス女王杯を観戦後、「cafeあおば」に行ってきました。『ROUNDERS』で「走れドトウ」のイラストを描いてくださった武藤きすいさんの個展がカフェで開かれていると知り、駆けつけたのでした。競馬が終わったあとに立ち寄れるカフェがあればいいなあ、とお酒が飲めない私はずっと思っていたので、二重の喜びでした。「cafeあおば」の場所は、府中駅南口から歩いて3分。東京競馬場からの帰り道に寄ることができます。

スターバックスやタリーズとはまた違った大人のシックな雰囲気があり、20人ぐらいは入れそうな広さで、カフェでゆっくりとものを書きたい私にとっては好感の持てるお店でした。グリーンチャンネルが大型テレビで放映されていて、珈琲を飲みながら競馬を楽しむこともできます。ここにセロニアス・モンクのピアノがBGMで流れていれば最高だな、と勝手なことを思ったりしました。珈琲もケーキも美味しかったです。

もちろん、武藤きすいさんの個展も素晴らしかったです。馬が好きだからこそ、これだけ素敵な馬の絵が描けるのでしょうか。絵を描く人も、文章を書く人も、必ず何かに対して深い情念のようなものを抱いているはずですが、武藤きすいさんの絵からはそれが感じられないのです。そういうものを全て打ち消した明鏡止水の心で描いているからでしょう。私の自宅にも、彼女に描いてもらったウオッカの絵が飾ってありますが、いつ見ても違った表情を見せてくれるから不思議です。

Cafeaoba01

Cafeaoba02
美しい馬の絵に囲まれて美味しい珈琲が飲めます。

Cafeaoba03
ひそかに「ROUNDERS」を置いてくれていました(感謝)。

武藤きすいさんの個展は、好評につき、期間を延長して11月29日(日)まで開催されるそうです。ジャパンカップまでに東京競馬場に行かれる方、特に競馬が終わった後は珈琲を飲みたいというカフェ好きの方は、ぜひ立ち寄ってみてください。えっ、ビールは飲めないのかって?ビールも飲めるそうですよ。

■cafeあおばのHPはこちら
Cafeaoba04

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (4)

マイルCSを当てるために知っておくべき3つのこと

Milecs

■1■マイルの連対率は重要な目安
マイルのチャンピオン決定戦である以上、1600mのレースにおける連対率が50%を割っているような馬はチャンピオンとして相応しくない。1600m戦での連対率は、その馬のマイル戦に対する適性を顕著に表すからだ。

大荒れとなった平成7年は、出走馬18頭中、1600mのレースにおける連対率が50%を超えている馬がわずか2頭しかいないというレベルの低いレースであった。その2頭が、安田記念も勝ったトロットサンダーと、なんと大穴のメイショウテゾロである。このことからも、マイルチャンピオンシップにおいて、マイルの連対率がどれだけ重要なデータとなるかが分かる。マイルの連対率が50%を切っている馬は軽視すべきである。

■2■勝つためにはスタミナが必要
京都1600m外回りコースで行われるため、スピードだけでは押し切れないレースである。前4走ともに1600m未満の距離を使っていたスプリンタータイプの馬では、最後の直線でスタミナ切れすることになる。スプリンタータイプの馬では勝ち切ることは難しい。勝つためには、中距離を走り切れるだけのスタミナが必要とされる。1600m以上の中距離レースでの実績は必要。 

■3■サンデーサイレンスの血を引く馬?
過去10年のレースラップ(下参照)を見ても、昔は前半から飛ばす馬がいてハイペースになることが多かったが、ここ最近は、さすがにスローにはならなくても、全体的にフラットな落ち着いた流れになる傾向が強い。1分32秒台後半から33秒前半という全体時計は変わらないということは、前半が厳しい流れになる昔のレースの方がレベルは高かったということになる。

12.5-11.0-11.9-11.9-11.5-11.6-11.4-11.4(47.3-45.9)S
1:33.2 ゼンノエルシド
12.3-10.6-11.3-11.8-11.8-11.6-11.5-11.9(46.0-46.8)M
1:32.8 トウカイポイント
12.4-10.7-11.3-11.6-11.6-11.2-12.1-12.4(46.0-47.3)H
1:33.3 デュランダル
12.1-11.2-11.6-11.7-11.8-11.7-11.5-11.4(46.6-46.4)M
1:33.0 デュランダル
12.2-10.6-11.4-11.5-11.4-11.5-11.3-12.2(45.7-46.4)M
1:32.1 ハットトリック
12.3-10.6-11.1-12.0-11.5-11.6-11.2-12.4(46.0-46.7)M
1:32.7 ダイワメジャー
12.6-10.6-11.2-12.0-11.6-11.5-11.3-11.9(46.4-46.3)M
1:32.7 ダイワメジャー
12.5-10.6-11.3-11.9-11.6-11.4-11.6-11.7(46.3-46.3)M
1.32.6 ブルーメンブラッド
12.1-10.9-11.8-12.4-11.5-11.4-11.2-11.9(47.2-46.0)S
1.33.2 カンパニー
12.1-10.7-10.9-11.6-11.4-11.1-11.9-12.1(45.3-46.5)H
1.31.8 エーシンフォワード

そのため、ズブズブのスタミナ勝負になることは少なく、スッと先行して4コーナーを持ったまま先頭で押し切れるぐらいスピードに富んだ馬、もしくは瞬発力勝負に長けた馬にとっては競馬がしやすいレースになる。デュランダル、ハットトリック、ダイワメジャーと、サンデーサイレンス産駒が5年連続でこのレースを勝ったのも、そういう特性(軽さと瞬発力)こそが問われるからである。もし血統的に狙いを絞るとすれば、サンデーサイレンスの血を引く馬ということになるか。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (0)

さすがの貫禄を示しているアパパネ:5つ☆

■エリザベス女王杯
アニメイトバイオ
年齢を重ねるごとに、体つきをスッキリと見せ、ステイヤーらしい体型に。
線は細く映るが、毛艶は良く、距離が伸びて良さを発揮しそう。
Pad4star

アパパネ
トモに強靭な筋肉がついて、ドッシリと立ち、さすがの貫禄を示している。
ふっくらと見えるのは年齢的に仕方ないが、全体のバランスは良い。
Pad5star

アヴェンチュラ
G1レースを勝った前走よりも明らかに良化していて、驚かされる。
力が付き切っていない箇所はあるが、馬体に伸びと毛艶があって仕上がり良好。
Pad4star

イタリアンレッド
現在重賞3連勝中と勢いがあり、馬体もそれに比例して逞しくなっている。
それでもまだ線の細さは残り、このメンバーに入るとパワー不足を感じさせる。
Pad3star

エリンコート
休み明けの2走は筋骨隆々の馬体を誇っていたが、結果は伴わなかった。
今回は造り方を変えてきたのか、筋肉が柔らかく、オークス時の姿に戻った。
Pad3star

キョウワジャンヌ
夏から使い詰めできて、調子落ちを心配したが、前走の出来を維持している。
毛艶も抜群で、皮膚も薄いが、牝馬らしい線の細さだけが心配。
Pad3star

サンテミリオン
1年以上の不調が続いていたが、ようやく本来の馬体が戻ってきつつある。
力強さが出てきて、表情からも気持ちに落ち着きがでてきた。
Pad3star

フミノイマージン
筋肉に弾力性があり、気が強い表情からも、いかにも切れ味が良さそう。
後駆のつくりにやや物足りなさを残すが、全体としては悪くない。
Pad3star

ホエールキャプチャ
クロフネ産駒らしからぬ、馬体全体の伸びは母系から来るものであろう。
線の細さはたしかにあるが、前走の馬体は維持しており、巻き返しも。
Pad4star

レディアルバローザ
若駒の頃は線の細い馬だったが、今はしっかりと筋肉がついて立派な馬体。
寸の詰まった胴部とトモ高の馬体から、距離延長はプラスに働かない。
Pad3star

レーヴディソール
休養を挟んで、胴部が伸びたように、距離延長はそれほど苦にしないだろう。
全身からバネを感じさせる馬体だが、今回はトモがやや物足りない。
Pad4star


Elizabeth2011wt

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (2)

相手にとって不足はない

Jiromaru

どんなスポーツでもそうであるように、競馬にもホーム(地元)以外の場所で戦うことの不利があります。長距離輸送や検疫の拘束に耐え、勝手知らぬ土地で準備をし、慣れない場所で戦わなければなりません。ホーム(地元)であれば期待できたはずの手厚いサポートや暖かい声援も少ないかもしれません。人間のアスリートでさえも力を出し切ることは難しいのですから、繊細なサラブレッドはなおさらでしょう。逆に言うと、ホームで戦えることの利は非常に大きく、地元有利は国際競走の大原則です。

それでも、海外にまで遠征して戦いを挑んでくるのは、よほど自信があるからに違いありません。今年のエリザベス女王杯にも、自信満々の挑戦者が訪れました。スノーフェアリーとダンシングレインの2頭です。スノーフェアリーは昨年の覇者です。初めての長距離遠征を克服してエリザベス女王杯を制したのち、香港にわたって香港Cを勝ちました。一方のレースではインを突いて伸びて、また一方では大外に出して差し切りました。また、日本の軽い馬場から香港やヨーロッパの重い馬場までこなしました。あらゆる条件下で走れるのは、本物の実力があるからでしょう。今年に入ってからは勝ち切れないレースが続いていますが、本来の力を出すことがあれば、また圧勝してしまうかもしれません。

ダンシングレインは栗毛の綺麗な馬ですね。レース振りを観る限り、スムーズに先手が取れれば絶対にバテそうにない渋太さを感じます。逃げなかったレースでは惨敗を喫しているだけに、外枠からでも逃げを選択してくるでしょう。英オークス馬であるという点で、スノーフェアリーとは共通しています。しかも、スノーフェアリーは愛オークス、ダンシングレインは独オークスを勝っています。つまり、スノーフェアリー同様に、この馬もスタミナには微塵の不安もないということです。あとは日本の軽い馬場に対応できるかどうかですが、日本でスノーフェアリーと決着をつけると息巻いているように、ダンシングレイン陣営には自信があるのでしょう。

日本馬を見渡してみると、かなりのメンバーが揃いました。牝馬6冠を目指すアパパネを筆頭にして、秋華賞を圧倒的なスピードで制したアヴェンチュラ、ゆったりしたレースの方が合いそうなホエールキャプチャ、ここまで無敗のレーヴディソール、そして男馬を蹴散らしてきたイタリアンレッドなど。ブエナビスタこそいませんが、どの馬も国際G1レースで勝ち負けになりそうな馬ばかりです。このメンバーで海外遠征馬に圧倒されてしまうようであれば、地元である日本の競馬はお先真っ暗というところでしょうか。さらに言うと、牝馬の時代だからこそ、牝馬同士の戦いで負けてしまうわけにはいかないのです。

そんな中でも、私は走る女アパパネを応援しています。アパパネのように走ることを嫌がらない馬は、時として、私たちの想像を超えた走りをします。前走、牝馬同士のレースであれだけ大敗を喫してしまった馬が、次走で巻き返すのは至難の業です。たとえ本番前の叩き台とはいえ、今までは見せ場をつくってきた馬だけに、もはや燃え尽きてしまったと考えるのが普通かもしれません。陣営でさえも、そう考えてしまったこともあるといいます。しかし、そうした私たちの論理を飛び越えて、アパパネは走ってしまうのではないかと密かに期待します。スノーフェアリーとダンシングレインが“強い”ではなく、“相手にとって不足はない”と思いたいのです。


関連エントリ
「ガラスの競馬場」:走る女アパパネ

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (3)

京都芝2200m(外回り)

Kyoto2200t1

スタンド前からの発走となり、最初のコーナーまでの距離は397mと短くも長くもない。1コーナーまでには各馬の位置取りがスムーズに決まることが多く、コーナーを2つ回って、向こう正面にかけて比較的穏やかにレースが進む。かと思えば、前半から飛ばす馬がいて意外に前半のペースが速くなったりするため、折り合いの難しい馬や器用に立ち回ることの出来ない馬にとっては、勝ち切ることが難しいコースである。

道中がスローの団子状態で流れた場合、外々を回されてしまうと、かなりの距離ロスになってしまう。外を回されやすい外枠よりも、経済コースを進むことができる内枠を引いた馬の方が有利になる。

外回りコースでは、4コーナーの出口で内回りコースと合流するため内柵がなくなり、内にポッカリとスペースができる。そのため、内埒沿いを走っていても前が詰まることが少なく、脚さえ残っていれば確実に馬群を割ることができる。よって、脚を余して負けるということが極めて少ない、実力が正直に反映されるコース設定となっている。

お知らせ
今週の金曜日、グリーンチャンネルで放映される「明日のレース分析」に、「ROUNDERS」vol.2が登場します。三遊亭五九楽さんと小島友実さんが司会をされて、土曜日の重賞や特別競走を分析するあの番組ですね。今回は京王杯2歳Sです。放映時間は以下の通りです。再放送もありますので、ぜひご覧ください。

Asitanoracebunseki_3
☆放送時間
11月11日(金)19:00~20:30、22:30~24:00(再)、27:00~28:30(再)
11月12日(土)7:30~9:00(再)

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (0)

「ROUNDERS」vol.2について語りました

Hyosiimgvol2

あのアップルも、マイクロソフトも、グーグルも、何もないところから2人で始まりました。スティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアック、ビル・ゲイツとポール・アレン、ラリー・ペイジとセルゲイ・ブリン。あまりにも有名なコンビですが、どちらかが欠けていたとしても、現在のアップルやマイクロソフト、グーグルがあったとは思えません。自宅のガレージや一室にそれぞれの強みや情熱を持ち寄って、彼らは何かをやってみたのです。

「ROUNDERS」も私と荒木さんが2人で始めた新しい競馬の雑誌ですが、どちらかが存在しなければ世に出ることはなかったはずです。なぜ、ひとりではなく、2人なのか?今となっては、その理由が私には良く分かります。たった1人の強みや情熱には限界があるからです。もし私だけで「ROUNDERS」を創ろうと思ってもできませんし、途中であきらめたり、挫折してしまっていたことでしょう。お互いがお互いに妥協を許さなかったからこそ、こんなに意志の弱い私でも、自分に負けることなく、なんとか最後まで完走することができたのです。

そんな2人で、「ROUNDERS」vol.2の特集について語りました。もうを読んでくださった方は外堀を埋めるために、まだ読んでいない方は中身を知っていただくために、お時間のあるときにぜひ聴いてみてください。アップルやマイクロソフトやグーグルには遠く及びませんが、より良い競馬の世界を目指して、これからも創り続けていきますので、「ROUNDERS」を応援してください。

「ROUNDERS」vol.2について語る【音声ファイル】(35分・WAV形式)

「ROUNDERS」は、「競馬は文化であり、スポーツである」をモットーに、世代を超えて読み継がれていくような、普遍的な内容やストーリーを扱った、読み物を中心とした新しい競馬の雑誌です。

特集ページの無料サンプルはこちらからご覧ください↓
*表示に時間が掛かる場合があります。

目次
Rounders02_mokuji
Samplebutton

特集1 Portrait of Jockeys 文 治郎丸敬之 イラスト 塩井浩平
Rounders02_sp01
Samplebutton_7

特集2 ジョッキーの光と影 赤見千尋
Rounders02_sp02
Samplebutton_2

特集3 藤井勘一郎インタビュー 大海を知るジョッキー
Rounders02_sp03
Samplebutton_3

特集4 ラップで読み解く騎手の資質 半笑い
Rounders02_sp04
Samplebutton_4

特集5 馬楽のすすめ 上坂由香
Rounders02_sp05
Samplebutton_5

特集6 一流の騎手とは 治郎丸敬之
Rounders02_sp06
Samplebutton_6

Hyosiimgvol2

「ROUNDERS」(全165ページ)を1,995円(税込み、送料無料)でお分けいたします。
*大変申し訳ありませんが、振込み手数料は各自でご負担いただきますのでご理解ください。


今回、「ガラスの競馬場」より直接お申し込みいただいた方には、「ROUNDERS」執筆陣による、お勧めの競馬本を紹介した「文化、スポーツとしての競馬を深く知るための30冊」というパンフレットをプレゼントします。「ROUNDERS」vol.2を読み終わったあと、他にも競馬の本を読みたくなったときの参考にしてくだされば幸いですし、このパンフレットを読むだけでも、たくさんの競馬本を読んだ気になれますよ。

Bookfairpanph

プライバシーポリシー特定商取引に基づく表記もご覧ください。

Button

ご注文方法
Step1メールフォームにてご注文をしてください。
*SSLに対応しておりますので、個人情報の保護も万全です
*個人情報を第三者に開示をすることは決してありません。
Step2ご注文確認メールが届きます。
Step311月1日(火)以降にお届け先住所に「ROUNDERS」が届きます。
*振込み用紙を同封しますので、商品到着から5日以内に指定の銀行口座にお振込みください。
*振込み手数料は各自でご負担いただきます。

Button


| | Comments (6)

大人たちが忘れてしまった何かを

Jockeybabys

先週の日曜日、第3回ジョッキーベイビーズを観るため、東京競馬場に行ってきました。昔は第1レースからガッツリ遊んでいたものですが、最近はお昼休み前に競馬場に到着することが珍しくなりました(笑)。あやうく遅刻しそうになりましたが、府中本町の駅から続く長い廊下を急いで歩いて、なんとかセーフ。雨もピタリと止んで、電光掲示板をちらりと見ると、芝コースは“良”と表示されていました。子どもたちにとってのせっかくの大舞台が、雨で台無しになってしまうことを心配していたのですが、まずはひと安心。

各ジョッキーが紹介され、スタートはカウントダウン形式で行われました。今年から鞭の使用は禁止という新たなルールが追加され、子供たちは手綱だけで馬を追うことになります。実際のレースでは、ラチ沿いに馬を移動させて、異次元の伸びを見せた石井李佳さんとさくらのコンビが優勝。アイビスサマーダッシュに出走しても勝てるのでは、と思わせるほどの素晴らしい走りでした。個人的に応援していた北海道代表の木村和士くんと大池悠梨香は残念ながら後方のままでしたが、全員が無事に完走してくれてまた安心。

レース終了後には競馬場に集まったファンから暖かい拍手が送られる中、子どもたちが引き揚げてくるシーンが印象的でした。笑みが絶えない子どももいれば、悔しさを隠し切れない子どももいました。誰しもが勝ちたいという気持ちを抱いていたのですから当然ですよね。表彰式を終えたあとは、全員がすがすがしい表情を浮かべていました。これだけの場でレースができたことは、一生の思い出になるでしょう。大人たちが忘れてしまった何かを、子どもたちは持って帰るのです。ジョッキーベイビーズが、いつまでも続きますように。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (0)

エリザベス女王杯を当てるために知っておくべき3つのこと

Elizabeth

■1■秋華賞→エリザベス女王杯の連勝は難しい
秋華賞→エリザベス女王杯という路線が3歳の有力馬にとって自然な選択となってきているが、秋華賞→エリザベス女王杯という連勝は難しい。秋華賞馬はエリザベス女王杯でもほぼ1番人気になるが、人気に応えられているとは言い難い。

平成13年 テイエムオーシャン(1番人気)→5着
平成14年 ファインモーション(1番人気)→1着
平成15年 スティルインラブ(1番人気)→2着
平成16年 スイープトウショウ(1番人気)→5着
平成17年 エアメサイア(1番人気)→5着
平成18年 カワカミプリンセス(1番人気)→12着(1位降着)
平成19年 ダイワスカーレット(1番人気)→1着
平成20年 ブラックエンブレム(不出走)
平成21年 レッドディザイア(不出走)
平成22年 アパパネ(1番人気)→3着

秋華賞とエリザベス女王杯の連勝が難しい理由としては、やはり秋華賞とエリザベス女王杯が違った性格のレースになるからだろう。秋華賞は京都2000m小回りコースで行われ、スピードの持続が求められるレースになりやすい。それに対し、エリザベス女王杯は京都2200m外回りコースで行われるため、折り合いとスタミナが要求される緩急のついたレースになりやすい。

また、小回りコースの高低差が3.1mに対し、外回りコースは4.3mと、外回りコースは丘をひとつ越えていかなければならない。そのため、秋華賞とエリザベス女王杯では、200mの距離以上に要求されるスタミナの量が異なってくるのである。

■2■世代交代について
エリザベス女王杯において、世代交代の問題は避けて通れない。一般的に、牝馬は牡馬に比べ、現役の競走馬として活躍できる期間が短いとされる。それは牝馬には血を繋ぐという役割があるからであって、肉体的そして精神的にも競走馬から繁殖牝馬へと変遷していく時期が自然とあるからだ。

ダイイチルビーは4歳時にスプリンターズステークスを制したが、5歳となった翌年は目を覆いたくなるような惨敗を繰り返しそのまま引退していった。その時に、伊藤雄二調教師が言った、「ルビーはもうお母さんの目になっているね」というセリフが印象的であった。肉体的には走れる状態にあったが、精神的にはレースを走り抜くだけの闘争心がすでに失われていたのであろう。

もちろん、馬それぞれにおいてピークは異なってくるので、この年齢以上では走れないというような線引きはできない。ただし、あと2ヶ月も経てばもう6歳馬となってしまう5歳の秋は、牝馬にとって非常に微妙な時期なのではないだろうか。明日にでも、まるで坂を転げ落ちるように競走馬としての能力が衰えてしまう、ギリギリのラインに立っているのである。

衰えゆく5歳馬から、充実の4歳馬、そして更なる上昇が期待される3歳馬への世代交代というクロスオーバーが行われるのがこのエリザベス女王杯である。平成12年から秋華賞が1週間繰り上げられ、エリザベス女王杯までが中3週となった。これにより勢いのある3歳馬の挑戦も増えることからも、5歳馬にとってはさらなる苦戦を強いられることになるであろう。

■3■牡馬と勝負になっていた馬でないと×
牝馬の中でチャンピオンを決める戦いではあるが、牝馬限定戦でずっと戦ってきたような馬では、このレースは勝てない。牡馬との厳しいレースで揉まれ、牡馬を相手に好勝負になっていた馬を狙うべきである。もちろん3歳馬については、牡馬混合戦に出る機会もなかっただろうから、この条件は当てはまらない。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (0)

粒ぞろいの馬体だが5つ☆はなし

■みやこS
エスポワールシチー →馬体を見る
前走が最高の仕上がりにあっただけに、やや落ちる印象は拭えない。
この馬の場合、馬体は隙がないので、あとは精神面が戻っているかどうか。
Pad4star

キングスエンブレム →馬体を見る
兄ヴァーミリアンに比べ、どうしても馬体の迫力という面では劣る。
その点は6歳になっても変わらないが、毛艶は良く、仕上がりは良好。
Pad3star

ゴルトブリッツ →馬体を見る
休み明けにもかかわらず、馬体は細部まで研ぎ澄まされて好感が持てる。
ただ、立ち姿に力みがあり、発汗も見られるように、気の焦りが気がかり。
Pad4star

ダイシンオレンジ →馬体を見る
筋肉に柔らか味が戻ってきてはいるが、今回はどう見ても太めに映る。
得意の条件だけに、適性を生かして、どこまで上位に食い込めるか。
Pad3star

ニホンピロアワーズ →馬体を見る
この馬もダート馬にしては、やや線が細く、馬体の迫力という点では劣る。
現時点でも器用さを生かして立ち回れるが、もっとパワーが付いてくると強くなる。
Pad3star

ワンダーアキュート →馬体を見る
幼さの抜けなかった若駒の頃に比べて、馬体は大幅にパワーアップした。
休み明けの分、太めに映るが、もうひと絞りできれば頂点を目指せる。
Pad4star

■アルゼンチン共和国杯
オウケンブルースリ →馬体を見る
相変わらずあまり良く見せないが、前駆が盛り上がって、力強さが戻ってきた。
展開に左右されがちだが、ようやくこの馬の末脚を発揮できる状態が整った。
Pad3star

カリバーン →馬体を見る
このメンバーに入ると、やや線の細さゆえのパワー不足は否めない。
距離をこなせるのはそれゆえだが、最後まで押し切れるかどうか疑問が残る。
Pad3star

カワキタコマンド →馬体を見る
前後のバランスが非常に良く、距離はこなせそうだが、ややパワー不足を感じさせる。
この時期にしては毛艶が輝き、皮膚の薄さも目立つように、出来は絶好といえる。
Pad4star

キングトップガン →馬体を見る
8歳馬とは思えない、重厚な馬体を誇っており、毛艶も良好で調子は良い。
もうひと絞りすれば完璧だが、年齢を考えると、このままでも十分な仕上がり。
Pad4star

コスモヘレノス →馬体を見る
前後駆に筋肉が付いて、父グラスワンダーの力強さが表に出てきた。
長距離馬の体型ではない分、距離はもう少し短い方が現時点では良いかも。
Pad3star

ナムラクレセント →馬体を見る
馬体だけを見ると、ほとんど天皇賞春の絶好調時と変わらない仕上がりにある。
この馬の場合は、気持ちが難しい馬なので、気分良く走れるかどうかが全て。
Pad3star

ビートブラック →馬体を見る
黒光りする見栄えのする好馬体を誇り、前走の出来を今回も維持している。
前後駆にもしっかりと実が入って、あとは身体に芯が入ってくれば完璧になる。
Pad4star

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (11)

このコンビでドバイへ

Jbcclassic2011 by Scrap
JBCクラシック2011-観戦記-
スマートファルコンがあっという間に先頭に立ち、それを追ってトランセンドとシビルウォーが続いた。前半1000mが60秒7、後半が61秒4という平均ペースで流れ、当日の速い時計の出やすい馬場を考慮に入れると、スマートファルコンにしてはゆっくりと逃げたレースであった。その他の馬たちは、スマートファルコンに鈴をつけにいくのを避けたが、結局、道中は追走で一杯になってしまった。最後は、スマートファルコンとトランセンドのマッチレースとなり、ダートの両雄による力と力の真っ向勝負を堪能させてもらった。

スマートファルコンと武豊騎手は、スタートしてからの数十メートルで勝負を決したと言ってよい。好スタートから斜めに進路を取ってスッと先頭に立ち、ライバルであるトランセンドに全く隙を与えなかった。その分、骨を斬らせて肉を断つような激しいレースではなく、自身にとっても負荷の少ない、スマートなレースとなった。これで7連勝となり、昨年のJBCクラシックのような重いダートのレースから、東京大賞典のようなスピードレースまで、あらゆるタイプのダート競走を制しているように、もはや国内には敵はいない。あとは己の体調維持や衰えとの闘いになるだろう。

武豊騎手に手綱が渡ってから快進撃が始まったように、スマートファルコンの型を作り上げた武騎手にも賛辞を送りたい。下手に抑えるのではなく、走るリズムを優先した結果、スマートファルコンの力を最大限に発揮できる「逃げ」という型が出来上がった。言うほど簡単ではなく、スマートファルコンの意に任せて逃げさせるにも、最初は勇気が要ったことだろう。武騎手の経験と勘が、スマートファルコンの成長と上手く結びついて、最高の形として結実した。ぜひこのコンビでドバイへ行ってほしい。

トランセンドも敗れはしたものの、ゴール前では再び差を詰めたように、完膚なきまで叩きのめされたわけではない。再び相見えることがあれば、次はどうなるか分からないという余韻を残しての敗戦であった。ひとつだけ気になったことは、前走の南部杯でも見せていた行きっぷりの悪さである。いつもは手応え抜群で追走できる馬だが、今回はそれほど速いペースでなかった割に、勝負所で藤田伸二騎手の手が動いていた。最後は盛り返してきているのだから、馬がバテているわけではなく、気持ちが前向きではないということ。ドバイ遠征の精神的な疲れがまだ癒えていないのだろうか。それでもここまで走るのだから、ダートの超一流馬であることに間違いはない。

シビルウォーは玉砕覚悟で前の2頭についていったことで、ここに来ての成長が確かなことを証明してみせた。これまでは折り合いに気を遣う形でソロっと出していたが、今回キッチリと流れに乗れたことで、今後の脚質に幅が出てくるはずである。ダートは先行できないと安定感が増さないので、そういう意味でも、シビルウォーにとって負けても収穫の多いレースであった。

追記
上のスマートファルコンの写真を撮影されたとーじゅさんからも、「ROUNDERS」vol.2にサイレンススズカの写真を提供していただきました。ダメ元でお願いしてみたのですが、とーじゅさんは何とサイレンススズカの毎日王冠の写真を持っていらっしゃったのです。あの頃から、これだけクオリティの高い写真を撮り続けられていることには尊敬の念を感じざるをえません。カメラのファインダー越しに観る競馬の世界を、ぜひとーじゅさんのブログ「Scrap」で堪能してみてください。

■競馬写真ブログ「Scrap」はこちら
Scrap

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (0)

今宵、大井で2頭が決戦!(再掲)

Smartfalcon by M.H

昨年秋から今年にかけての動きを見る限り、今年の秋のダート戦線もスマートファルコンの主役の座は揺るがないだろう。その皮切りとなったのが、昨年秋のJBCクラシックであった。それまでは抑える競馬を試行錯誤していたが、武豊騎手に手綱が渡ってから2戦目となるレースで、あっと驚く大逃げを打ったのだ。大逃げを打ったというよりも、武豊騎手に言わせてみれば、スマートファルコンの気持ちに逆らわずに走らせただけ、ということになるのか。私も現場にいたから分かるが、それにしても気風のよい逃げっぷりであった。後続に影も踏ませないとは、こういう走りのことを言うのだろう。

スマートファルコンの血統に目を移してみると、父ゴールドアリュールの名が浮かび上がってくる。サンデーサイレンスの仔として、ダートのG1(フェブラリーS)を制した唯一の馬である。現役当時は、芝を中心に使われていたことからも分かるように、芝でこそ本領を発揮できそうな、絵画から抜け出てきたような美しい馬体を誇っていた。それでも実際に自身が勝ったのはダートのG1レースであり、ここまでダートの一流馬を誕生させているのだから、ダートに滅法強い何かを持っていたのだろう。それは細部に至るまでの肉体の形であり、気の強さという精神面でもあり、あらゆる全てがダートを走るために授けられたものであったのだ。

その特徴を素直に遺伝した産駒のダートでの活躍は当然のことだ。スマートファルコンに立ち向かう有力馬たちの中でも、ゴールドアリュールの血を受け継ぐ馬は多い。エスポワールシチー、オーロマイスター、シルクフォーチュンといった面子が、後継者争いも含めた戦いを挑んでくる。その中でも最大のライバルになるのは、JCダートとフェブラリーSを制しているエスポワールシチーだろう。今年の春は海外遠征のダメージがあって、本来の走りができなかったが、本来の力が戻ってくればスマートファルコンとマッチレースをしても伍する馬である。脚質的にも同じなので、ぜひともゴールドアリュール産駒の追い比べを見てみたい。

父ということであれば、トランセンドの父ワイルドラッシュにも勢いがある。2004年からシンジケートが日本で組まれ、日本で産駒が走ったのは外国産馬のパーソナルラッシュが最初であり、その後、アメリカに残してきた産駒が次々と活躍したので、買戻しのオファーがあったとされている。自身はそれほどの大物ではなかったが、その仔らにはダートの鬼の資質がはっきりと遺伝している。トランセンドを筆頭に、クラーベセクレタやクリールパッションといった馬たちが、この秋のダート戦線での活躍が見込まれている。クラーベセクレタは、失格になってしまうなどリズムが悪いが、順調に育てばどこまで強くなるのだろうという期待を抱かせてくれる牝馬である。

その他、有力馬であるフリーオーソの父はブライアンズタイム、ランフォルセの父はシンボリクリスエス、そしてヤマニンキングリーの父はアグネスデジタルなど、まさにダートを主戦場として活躍馬を出してきた(もしくはダートで輝かしい実績を積み上げてきた)種牡馬たちが並ぶ。もはやこれは時代を超えたダートを巡る覇権争いと言っても過言ではないだろう。中央と地方のダートG1のローテーションがやや食い違っているため、なかなか全馬が揃って激突するシーンはないが、もしあるとすれば今年暮れの東京大賞典あたりか。

と思いきや、なんとスマートファルコンとトランセンドが、今宵、大井競馬場で激突することになった。ゴールドアリュールとワイルドラッシュのダートの血を賭けての争いでもある。逃げるスマートファルコンをトランセンドがどこで捕まえに動くのか、はたまたこの2頭の間隙を突くことができる馬は果たしているのか。もしかすると、阪神大賞典におけるナリタブライアンとマヤノトップガンばりのマッチレースが観られるかもしれないと思うと心が躍る。


関連エントリ
「ガラスの競馬場」:理想のサラブレッドによる理想的なレース(前編)
「ガラスの競馬場」:理想のサラブレッドによる理想的なレース(後編)

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (36)

見つめてみてほしい

「スポーツカメラマンとして食べていきたい」と語った彼の姿を見て、私は過去の自分の姿と重ねてしまった。大学を卒業しようとする時期になっても、やりたい仕事も見つからず、もちろんそんな私に見合った仕事などなく、心の中では七転八倒していた。それでも、ただひたすら、競馬に関わって生きていきたいという想いだけは手放したくなかった。結局、なんとか世の中と上手く折り合いをつけて社会に出たものの、それは私の願うような形では当然なかった。あの頃の葛藤と苦悩と情熱を、彼が心に秘めているように見えて、とても他人事とは思えなかった。

彼の撮る競馬の写真は素晴らしいと思う。競馬が好きで、競馬の写真をずっと見てきた私が言うのだから間違いない。自分で写真は撮れなくとも、人の心を動かす写真かどうかは大体分かる。技術的にどうこうという問題ではなく、競馬ファンが見て感情移入してしまうような写真、ハッとさせられてしまうようなシーンを撮ることができるかどうか。彼の撮る競馬や馬の写真にはそんな情景が映っている。それはそうだろう、だって、彼は「どのスポーツよりも、競馬の写真を撮るのが1番好き」なのだから。

新しい競馬の雑誌「ROUNDERS」vol.2に彼の撮った写真を提供してもらった。彼が持ってきてくれたアルバム(写真集)を見せてもらって、心を動かされた写真を2点。今年の日本ダービーを勝利した池添謙一騎手がオルフェーヴルの厩務員とがっちり握手をしている瞬間の写真、そして昨年のダービーを勝った内田博幸騎手の後ろ姿の写真である。彼いわく、後ろ姿は意識して作れない分、その人間が正直に映る。「ROUNDERS」がお手元に届いたら、58ページ目をめくって、ダービージョッキーの後姿をじっくりと見つめてみてほしい。そして、そのページには、日本競馬の未来を担うべきフォトグラファーの名もしっかりと記されている。

■競馬写真ブログ「DANCE OF THE HORSE」はこちら
Danceofthehorse

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (33)

« October 2011 | Main | December 2011 »