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競馬場が拍手で埋め尽くされた日

Japancup2011 by mkoichi
ジャパンカップ2011―観戦記―
米国のミッションアプルーヴドが先手を奪い、それをトーセンジョーダンが追走する形でつくり出された流れは、前半74秒1、後半70秒1という典型的なスローペース。道中は馬群が固まるようにして進み、なかなか折り合いが付かずに鞍上が苦労している馬も多く見られた。あまりの遅さに、ウインバリアシオンの安藤勝己騎手が自ら動いたように、後ろから行った馬、そして内に入れなかった馬にとっては苦しいレースとなった。掲示板に載った5頭の全てが、内ラチ沿いを回ってきた馬であることもそれを証明している。

ブエナビスタはスタート良く飛び出し、内枠からの発走を利して、第1コーナーを回るまでに絶好位を確保した。道中の折り合いも抜群で、最高の形で直線を向くと、あとは馬群を抜けて、食い下がるトーセンジョーダンを競り落としてゴールした。外枠から全馬をねじ伏せた昨年ほどの迫力はなかったが、今年は枠順にも恵まれ、仕上がりもピークの状態にあり、勝つべくして勝ったレースであった。これでG1レース6勝目となり、クリフジに始まり、エアグルーヴ、ダイワスカーレット、ウオッカと継承されてきた史上最強の牝馬の称号を、名実ともに手にしたと言ってよい。ブエナビスタがゴールした瞬間から、その強さに対する拍手で競馬場は埋め尽くされ、しばらくやむことがなかった。やはり競馬はスターが勝ってこそ盛り上がる。

ブエナビスタの競走馬としての素晴らしさは、「脚の速さ」と「タフさ」の2点に集約される。「脚の速さ」とは、単純に他馬よりも脚が速いということ。速く走るために生まれてきたサラブレッドの中でも圧倒的に脚が速いのだから、その凄さが分かるだろう。G1レースを勝つような馬であっても、実は脚が速い馬はそうはいない。レースに対する適性や体調のバイオリズムなど、あらゆる要素が噛み合ってようやく勝てる。私が知る中で、脚が速い馬はディープインパクト、オルフェーヴル、そしてブエナビスタの3頭だけである。脚が速い馬かどうかは、重賞クラスのレースの第4コーナーを観れば分かる。他馬が最速力で走っているところを、外から1頭だけ違う次元の速さで捲くっていけるのが脚の速い馬である。

もうひとつの「タフさ」とは、心身ともに健康であるということ。無事これ名馬というが、ブエナビスタほど極限のレースをコンスタントに走り続けられる馬はいない。象徴的なのは、昨年、天皇賞秋→ジャパンカップ→有馬記念という3つのレースに全て出走して、崩れなかったこと。そして、恐ろしいことに、普通の馬であれば終わってしまってもおかしくない翌年(今年)も走って、なんとジャパンカップを勝ってしまったのだ。あのタフなエアグルーヴでさえ成し遂げられなかった快挙であり、この先もこれだけタフな馬が出てくるとは到底思えない。ブエナビスタのタフさはその肉体と精神に宿っているはずで、つまり、この馬の馬体と気性こそが理想的なサラブレッドのそれという結論に至るである。

勝って喜びを爆発させた岩田康誠騎手は、レース後になってようやく安堵したことだろう。これまでの2着に負けたレースを見ても、決して下手に乗っているわけではなく、ブエナビスタの力が少し衰えつつ、体調のバイオリズムも悪かった頃にお鉢が回ってきただけの話であった。今回のレースは全てがドンピシャに運び、きちんと結果を出すことができた。常に攻めの姿勢を貫くライディングスタイルは清清しく、関係者だけではなく競馬ファンにも共感も呼ぶ。直線での馬を追うフォームは、地方競馬から持ち込んだものを中央競馬と融合させたものであり、その上さらにヨーロッパの香りを漂わせている。最後まで抵抗するトーセンジョーダンに根負けさせないよう、最後まで全身のアクションを使ってブエナビスタを叱咤激励する姿には、馬の能力を一滴残らず出し切るだけではなく、ファンに魅せるという騎手としての矜持が垣間見えるのだ。これぞ現代のジョッキーの理想の姿ではないだろうか。

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Comments

おひさしぶりです。と、ここへやって来てみるとROUNDERASの第2号が出ていることを知りました。12月に池袋に行く用事があるので、例によってジュンク堂書店で買い求めようと思います。

私がここにコメントを入れるとき… はい、リベルタス号の話題です 笑  彼は最近帰厩した模様です。そしてなんと、先週坂路コースで52.2のタイムを出しました。

個人的に、1年以上は帰って来ないのでは…と考えておりました。春の出来事や、中間に新聞発表されたノド手術の話題など彼の復帰にさまざまな関心があります。まずは無事にレース復帰できることを願っております。

Posted by: ビンゴカンタ | November 29, 2011 at 01:47 AM

ビンゴカンタさん

お久しぶりです。

リベルタス、52秒2のタイムを出したのですか!

それは良いニュースですね。

ゆっくりでもいいから、何としてでもまたファンの前にあの勇姿を見せてほしいですね。

私も応援しています。

それから、「ROUNDERS」vol.2発売されています。

ぜひジュンク堂の池袋店に行って読んでみてください!

Posted by: 治郎丸敬之 | November 29, 2011 at 01:54 AM

The role of the fuel filter is filter out the harmful impurities and water in fuel system to protect the normal work, reduce wear and avoid jams, improve engine life. The oil filter usually used fuel filter paper, also used nylon and fabric polymer materials.And the diesel filter usually used filter paper, also use felt or polymer materials.The structure of diesel filter are with roughly the same of oil filter which has the change type and spin type. http://www.waxfilter.com/

Posted by: filters | November 29, 2011 at 06:08 PM

 おはようございます。今週はジャパンカップダートG1です。

 1口愛馬も出走しますので楽しみなレースですが、トランセンドはもちろんのこと、ダノンカモン・ワンダーアキュート・ミラクルレジェンド・ヤマニンキングリー・トウショウフリーク・ラヴェリータ・ニホンピロアワーズ・キングスエンブレムと相手馬がそろいました。

 手広く流すのか、単1点がいいのか・・・これも迷うところです。調教診断を楽しみにしています。

Posted by: 玉ちゃん | November 30, 2011 at 05:04 AM

玉ちゃんへ

今週は玉ちゃんが1番楽しみにしているJCダートですね。

前走のみやこSは楽勝でしたし、もしかしたら南部杯を速いペースで逃げたことで、ようやく前向きな気持ちが戻ってきたのかもしれません。

そう考えると、良い勝負になると思います。

とにかく無事に良いレースを期待したいですね。

Posted by: 治郎丸敬之 | November 30, 2011 at 09:52 AM

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Posted by: effective link building | December 12, 2011 at 06:24 PM

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