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集中連載:「ダート競馬の楽しみ」第2回

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ダート競馬の歴史を振り返ってみると、中央競馬にダートが登場したのは1961年のこと。もともとは芝コースを保護する目的で導入され、芝が冬枯れしてしまう時期や芝が育つシーズンには、芝の代用品としてダートで競馬が行なわれた。特に下級条件のレースで、多くのダート競馬が実施された。導入当初はアメリカの競馬を参考にしてダート(土)を使っていたが、雨の多い日本では水はけの悪いダート(土)は管理が難しく、結局のところ、管理がしやすい今の砂主体のダートに取って代わられた。

ダート競馬が誕生した経緯を考えると、中央競馬から競馬を始めたファンにとっては、芝を走らない馬がしょうがないからダートへ行く、といったイメージを払拭するのは難しいだろう。長きにわたって実際にそうであったし、格の高いレースが芝を中心に構成されている以上、芝のレースを目指して生産され、調教され、レースを使われる馬が多いのは当然である。しかし、私にとって、意外にもダート競馬は芝よりも格下ではなかった。格上とまでは思えなかったが、少なくとも芝と同列ぐらいのイメージを持ちながら、ダート競馬を楽しむことができたのだ。

それは前回も述べたように、ダートがメジャーな存在であることに気づかされたという理由もあるのだが、もっと原初の記憶を探っていくと、ある馬との出会いが私のダート競馬観に大きく影響を与えたと言ってよいだろう。

その馬とは、カリブソングという、ダートと芝の両方で活躍した名馬である。マルゼンスキーを父に持つカリブソングは、私が競馬を始めたちょうど1990年にダートで頭角を現した。3連勝でガーネットS(当時オープン)を勝つと、フェブラリーH(当時G3)をも制し、秋にはウインターSこそナリタハヤブサに負けたが、2連勝してダートの鬼として活躍したのである。インパクトのある名前とダートでの比類なき強さが共鳴し合って、いつの間にか、私はカリブソングのファンになっていた。カリブソングは土曜日の競馬中継のメインレースに出走することが多く、その走りを目に焼き付ける機会も多かった。レース実況でカリブソングの名前が呼ばれると、競馬好きの友人と「カリブの歌が聞こえてきた!」とテレビの前で叫びながら、興奮して応援していたことを思い出す。

翌年の1991年、カリブソングはダートから芝のレースに転向した。59kgの斤量を背負った金杯をあっさり制すると、AJCCでの2着をはさみ、目黒記念ではなんと60.5kgの酷量をものともせずに勝ってしまったのだから、驚きを隠せなかった。この時、まだ競馬を始めたばかりであった私はこう考えた。ダートで強い馬は芝でも強い。たとえば重いバットを振って練習しているバッターが軽いバットに持ち替えたようなもので、カリブソングのようにダートで滅法強い馬は芝でも強いのだと考えたのである。カリブソングとの出会いが、ダート馬はサラブレッドとしては2線級だという呪縛から私を解放してくれたのだ。

(第3回へ続く→)

Photo by mkoichi

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Comments

 こんばんは ダートといえば重戦車アンドレアモンとロバリアアモン。60Kgもへっちゃらでした。
 冬のダートは引退間近の高齢馬が最後の力を見せていました。気がついたら愛馬エスポワールシチーもフェブラリーSで古参の1頭。どこまでやれるかわかりませんが、3着以内なら賞金も十分。武騎手のマジックで複勝圏内をねらいます。

 かと思えば、ジャングルポケットの3歳牝馬(1口愛馬)…秋に新馬1戦で放牧。先週ようやく厩舎に戻り、1本追って週明けに骨折判明…また北海道に戻ります。間に合って函館、ダメなら…?

Posted by: 玉ちゃん | February 15, 2012 at 10:38 PM

玉ちゃん

こんにちは。

あの当時のダート馬の屈強さには驚きますよね。

私はミスタートウジンがとても印象に残っています。

いつまで走るんだと言われるまで走ってくれるのがダート馬の良いところだと思います。

そういう意味では、もし一口馬主するならダート馬の馬主がいいなあ(エスポワールシチーみたいな)。

Posted by: 治郎丸敬之 | February 16, 2012 at 12:23 PM

いつも楽しくかつ考えさせられながら拝見しています。

年齢が近いのかどうかわかりませんが、応援していた馬に似た馬が多いのと、競技と賭けどちらにも偏らない内容が好きです。(本来この2つはリンクするものだと思うので)


私の中で、カリブソングやナリタハヤブサは、「やっぱりあと一歩足りない」「がんばれ」という存在でした。

すべてに当てはまるわけではないものの、森秀行師、松田国英師によって、スピードを競うレースになれば、芝で速い馬はダートでも速いと認識を改めるようになりました。

今はまだ、スピードの絶対値が高い馬は、脚元の事情がない限り芝を使うのが普通ですが、クロフネのような馬が再び現れれば、近い将来、ダートの評価が過激的に変わるかもと思っています。

たとえば、フェブラリーSと安田記念という2冠のほうが、安田記念とマイルCSの2冠より評価される日が来たり、右回りの長めの距離が得意だからという理由で秋は京都大賞典、ジャパンカップダート、有馬記念というステップをたどる馬が普通に出てきたり…。

Posted by: ふとん | February 16, 2012 at 03:59 PM

ふとんさん

いつもありがとうございます。

競馬における、文化、スポーツ、馬券の側面のバランスをいつも意識しながら書いていきたいと思っています。

カリブソングやナリタハヤブサという名前に反応していただける人がいて嬉しく思います(笑)。

私が競馬を始めたまさにその世代のダート馬たちですので、かなり記憶に鮮明に刻まれています。

おっしゃるように、ダートでG1を勝った馬が芝のG1に挑戦してなどというローテーションがもっと出てくると、競馬は盛り上がると思います。

それにしても、クロフネがあのまま走り続けたら、どこまで大きなレースを勝ったのだろうと想像は膨らみますね。

明後日のフェブラリーS楽しみです。

Posted by: 治郎丸敬之 | February 17, 2012 at 06:54 PM

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