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筋肉がゴム鞠のように弾んでいるナカヤマナイト:5つ☆

■ダービー卿CT
オセアニアボス →馬体を見る
やや太めに映るが、筋肉に張りがあり、毛艶も良く、体調は良さそう。
顔つきから見ると、気性の難しさを秘めた馬なので、あまりアテにはできない。
Pad3star

ガルボ →馬体を見る
いつも立ち姿の安定した馬で、今回もこれと言って大きな変動はない。
毛艶も良く、全体のバランスも悪くはないが、ややパンチ力不足の感は否めない。
Pad3star

ダイワファルコン →馬体を見る
父ジャングルポケットの影響か、胴部が他の馬たちより拳1個分長く、伸びがある。
馬体的にスタミナの心配はないが、あとは器用さに欠ける点をどう補うか。
Pad3star

テイエムオオタカ →馬体を見る
コロンとした馬体は筋肉の塊で、いかにもスプリンターといった体型を誇る。
前に行ってどこまで粘れるかの勝負だが、もうひと絞りできればチャンスはある。
Pad3star

ベルシャザール →馬体を見る
鎧をまとったような立派な馬体を誇っているが、柔軟性には欠ける。
各パーツには長さがあり、マイラーの体型ではないが、パワーを生かしてどこまで。
Pad3star

ミッキードリーム →馬体を見る
昨年まではがっちりした馬体の馬だったが、ここにきてやや胴部にも伸びが出てきた。
休養を挟んで、馬体からは疲労が抜けたようで、筋肉に十分な張りがある。
Pad4star

■産経大阪杯
アーネストリー →馬体を見る
休み明けといった印象の馬体だが、昨年の秋シーズンに比べると生気が戻ってきた。
絶好調だった宝塚記念時には及ばないが、力を出せる仕上がりにはある。
Pad3star

ショウナンマイティ →馬体を見る
黒光りする馬体はいつも毛艶が良く、体調の安定した良さを物語っている。
ただ、筋肉のメリハリという点においては物足りず、成長の余地を残している。
Pad3star

スマートギア →馬体を見る
さすがに7歳馬でもあり、若かった頃の馬体と比べると全体的に勢いを感じさせない。
体調自体は悪くないが、もうひと絞りできる体つき。
Pad3star

トーセンジョーダン →馬体を見る
昨年の激戦の疲れを癒しての休み明けだが、さすがに力を出し切れる体調にはない。
能力が高いことは明らかなので、80%ぐらいの仕上がりでも勝ち負けになるはず。
Pad3star

ナカヤマナイト →馬体を見る
海外遠征を経て、良かった頃の馬体の張りと艶と全体のシルエットを取り戻してきた。
全身の筋肉がゴム鞠のように弾んでいて、さらに力強さが増している。
Pad5star

フェデラリスト →馬体を見る
使い込まれているにも関わらず、馬体だけを見ると、傷んでいる感じは全くない。
どちらかというと、筋肉のメリハリが少なく、これからさらに成長しそうな馬体。
Pad3star

ローズキングダム →馬体を見る
細身の馬体は相変わらずだが、それゆえに仕上がりは早く、力を出せそうな出来にある。
力強さに欠けるのは仕方ないとして、表情からは気持ちの強さが伝わってくる。
Pad4star


Sankeiosakahai2012wt_2

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ダービー卿CTを当てるために知っておくべき3つのこと

Derbyct

■1■波乱必至!?
ハンデ戦として施行されるようになった2002年以降、1番人気が勝ったのは昨年のタケミカヅチのみ。しかも、1単勝670円という押し出された1番人気であった。過去10年の勝ち馬の人気を見てみても、2、7、7、3、11、7、4、1、7、8と上位人気の馬も不振を極めている。当然のことながら、2、3着も順当に決まることはなく、毎年、波乱必至のレースである。

荒れる理由としては、中山1600mというトリッキーなコース設定に加え、G1レースを狙う超一流のマイラーがローテーション的に参戦してこないからである。安田記念を狙うトップマイラーであれば、京王杯スプリングSもしくはマイラーズCを使うはず。谷間にあたるマイルの重賞であるからこそ、どんぐりの背比べであり、しかもハンデ戦となると一筋縄には収まらないのである。

■2■持続力のある血統
中山1600mコースはマイル戦の中でも、最もハイペースが多発するコースである。1000mが58秒を切るような流れになりやすいので、ハイペースに耐えられる血統が必要である。たとえばダンチヒ、ノーザンテースト、ストームキャットなどのノーザンダンサー系やミスタープロスペクター系、レッドゴッド系など。つまり、瞬発力に秀でたサンデーサイレンス系ではなく、ダートの1200m戦で活躍する持続力のある血統の馬を狙ってみたい。

■3■外枠が極端に不利
中山1600mコースは、1コーナー付近にある小高い丘の頂上からのスタート。第1コーナーとなる2コーナーまでの距離が240mと短いことと下り坂になっていることによって、流れは速くなりやすい。見た目よりもゆったりとした2コーナーを回ると、あとはひたすら下り坂で、その勢いをつけたまま4コーナーを回り直線に突入することになる。勝負の分かれ目は最後に待ち構えている坂で、余力が残っていない馬はここでパタっと止まる。そのため、前残りか前崩れかといった極端な展開になりやすい。

直線が短いためスピードだけで押し切れそうだが、直線に急勾配な坂があることによって、実はスタミナも必要とされる。かといって、ジワジワと伸びていても直線が短く届かないので、一気に坂を駆け上がるような瞬発力も要求される。

外枠が極端に不利なコースである。第1コーナーまでの距離が短いため、外枠の馬は良いポジションを確保するのが難しい。そして、コース全体が大きな円を描いているため、外を回されると内の馬と比べてかなりの距離ロスになってしまう。ペースに緩みがないため、一旦外を回されると軌道修正する前にレースが終わってしまうことも多い。

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産経大阪杯を当てるために知っておくべき3つのこと

Sankeioosakahai

■1■4歳馬が圧倒
過去10年の勝ち馬の年齢を見ると、4歳馬が6頭、5歳馬が2頭、6歳馬が1頭、7歳以上の馬が1頭と、4歳馬が他馬を圧倒している。年齢を重ねるごとに勝ち馬が少なくなっているように、実績や格ではなく、勢いが求められる舞台となる。クラシックで活躍した馬が充電を経てターフに戻ってきたり、また古馬になってから急激に力を付けてきた馬たちにとっては、実力を存分に発揮できるレースである。サラブレッドとして充実著しい4歳馬を中心に考えてみたい。

■2■1番人気が強い
過去10年間における、人気別の着順を見てみたい。

1番人気 【6・2・1・1】 勝率60% 連対率80%
2番人気 【0・1・1・7】 勝率0%  連対率10%
3番人気 【3・2・1・5】 勝率30% 連対率50%

かつてマイルCSは1番人気が最も堅いレースとして有名であったが、今では産経大阪杯がそれに取って代わろうとしている。勝率60%、連対率80%という数字は驚異的である。ひとつの理由としては、超A級の馬たちが、別定戦であるこのレースを狙って出走してくるからである。その傾向は、日本の競馬がスピード化するにしたがって強くなってきている。一昔前まで超A級の馬は阪神大賞典に出走していたが、今は距離適性も含めて産経大阪杯に出てくることが多くなっているということだ。たとえ休み明けであっても、強い馬であれば十分勝ち負けになる。

■3■内を回って先行できる馬
過去8年のラップタイムを見てみたい。

12.7-11.3-11.9-12.0-12.2-12.1-11.8-11.9-11.3-12.4(60.1-59.5)M
12.7-10.4-12.0-12.0-12.1-12.4-12.2-12.0-11.5-11.7(59.2-59.8)M
12.8-11.6-12.5-12.6-12.5-12.4-12.3-12.2-12.3-13.3(62.0-62.5)M
12.8-11.5-13.1-12.6-12.2-12.2-11.9-11.7-11.4-12.0(62.2-59.2)S
12.5-10.8-12.2-12.1-12.0-12.3-12.0-11.5-11.6-11.7(59.6-59.1)M
12.6-11.5-11.9-11.9-12.1-12.8-12.1-11.9-11.2-11.7(60.0-59.7)M
12.1-11.1-12.8-12.3-12.0-12.2-11.6-11.5-11.7-12.2(60.3-59.2)S
12.5-11.0-12.3-12.1-11.4-11.6-11.6-11.3-11.8-12.2(59.3-58.5)M

どのレースも速くともミドルペース、遅ければスローに流れる傾向がある。阪神競馬場の内回りということで、4つコーナーを回る小回りの直線が短いコースで行われるとイメージしてよい。ペースが落ち着きやすいことも考慮に入れると、どうしても内枠の先行馬が有利になる。

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鉄の女カレンチャン


高松宮記念2012―観戦記―
5連勝中のロードカナロアが最内枠から好スタートを決めると、昨年の短距離女王カレンチャンが負けじと先手を取ろうと攻撃し、悲願のG1制覇を狙うダッシャーゴーゴーがそれに続いた。強引に逃げたのはエーシンダックマンで、前半3ハロンが34秒5、後半が35秒8という、このメンバーにしては極端に速くも遅くもないペースが刻まれた。展開による有利不利のない、しかも新設の中京1200mコースは枠の内外の違いもほとんどないため、実力が正直に反映されたレースとなった。

カレンチャンは正攻法の競馬で、他の有力馬を従える形で勝利した。ゴール前では詰め寄られたように見えるが、カレンチャンの耳の動きを見ると、まだ余裕があった。スピードとスタミナ、そしてパワーを兼ね備えた名スプリンターである。しかも気性が素直であることが加わって、どの競馬場で行なわれるどんなレースでも、常に持てる力を発揮することができる。1分7秒台で決まった昨年のスプリンターズSと、1分10秒3で決着した高松宮記念の両スプリントG1を勝ったことの価値は高い。カレンチャンがいかに欠点のない3拍子揃った馬か分かる。スプリンターは短い期間で燃え尽きてしまう馬が多い中で、昨年の激戦を勝ち抜きながらも、今年に入ってもトップの座を譲らなかったのだから、見た目からは想像もつかないほどタフな女のだろう。

2着に突っこんだサンカルロは、これでスプリントG1において2着が2回、3着が1回とコンスタントに力を発揮している。それでも勝利に手が届かないのは、カレンチャンと違い、どうしても展開の影響を受けてしまう脚質であるがゆえである。最後の直線で他馬が総崩れするような、よほど極端なハイペースで流れてくれないと勝ち切れない。吉田豊騎手はサンカルロが馬の後ろに位置しないと脚がたまらないことを知りながらも、できる限り前目のポジションを取り、最後まで追い出しを我慢していた。人馬共に完璧なレースであった。

1番人気に推されたロードカナロアも、現時点での持てる力を最大限に発揮しての3着。好スタートから絶好のポジションを取り、道中は脚をためて直線で爆発させるというイメージどおりの競馬ができた。それでも伸び切れなかったのは、この馬が未完成であることに加え、これまでの5連勝とは同じスプリント戦でもまるで中身の異なるレースになったからである。具体的に言うと、スピードだけではなく、パワーとスタミナも問われるレースになったということだ。それでも3着に来たわけだから、この経験を生かすことができれば、将来的にはスプリント界の頂点に登り詰めることになるだろう。

ダッシャーゴーゴーは、なぜかG1レースになると不利を受けてまともに走られないことが多かったが、新設中京の広々としたコースを生かして、スムーズな走りをすることができた。やや外を回った嫌いはあるが、この馬の能力は出し切っている。マジンプロスパーも力をつけていることを証明した。有力馬と真っ向から組み合っても引けを取らない実力の持ち主である。敢えていうならば、あと1ハロン距離が延びた方がこの馬のリズムで走ることができるはず。

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体つきがドッシリしてきたカレンチャン:5つ☆

エーシンダックマン →馬体を見る
やや立ち姿に硬さはあるが、研ぎ澄まされた筋肉が印象的に映る。
表情からも闘争心に溢れていて、この勝気な性格を生かして逃げられれば。
Pad4star

カレンチャン →馬体を見る
あまり良く見せないタイプだが、昨年と比べると体つきがドッシリしてきた。
馬体的には成長を感じるので、あとは気持ちの面で昨年の疲れが抜けているかどうか。
Pad5star

グランプリエンゼル →馬体を見る
ふっくらとして牝馬らしい好馬体だが、全体的にメリハリが少なく幼さが残る。
気持ちが強そうな顔つきで、このメンバーに入っても大負けはないだろう。
Pad2star

サンカルロ →馬体を見る
絶好調時に比べると、馬体が枯れてきた印象を受けるが、状態の良さは安定している。
付くべきところに筋肉が付き、表情からは古馬の落ち着きが漂っている。
Pad4star

ジョーカプチーノ →馬体を見る
この馬は芦毛であるがゆえに、毛艶や皮膚の張りがあまり目立たない。
分かりにくいタイプではあるが、トモの実の入りがやや物足りないか。
Pad3star

ダッシャーゴーゴー →馬体を見る
4歳時に比べて、筋肉のメリハリはついてきたが、逆に柔らか味が失われた。
立ち姿も全体的に堅苦しく、気持ちも入っていて、これが良い方向に出るかどうか。
Pad3star

トウカイミステリー →馬体を見る
全体的にふっくらとしているが、毛艶は今ひとつで、絶好調時にはまだ及ばない。
筋肉のメリハリも物足りず、このメンバーでは苦戦は必至か。
Pad3star

マジンプロスパー →馬体を見る
胴部が長く、全体のシルエットがゆったりとしていて距離は1400がベストか。
筋肉のメリハリも十分にあり、好調を維持している以上、簡単には崩れない。
Pad4star

ロードカナロア →馬体を見る
4歳馬らしく、筋肉の質も柔らかく、まだ発展途上の好馬体を誇っている。
スプリンターとして完成するのは先としても、天性のスピードを生かせる体つき。
Pad4star


Takamatumiyakinen2012wt

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集中連載:「ダート競馬の楽しみ」第5回

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最後に、ダート馬と芝馬の3つ目の違いは「気性」である。どういう気性の馬がダート競馬に向いているのかというと、砂を被ってもひるまない、向こうっ気が強い馬である。芝のレースであれば、たまに前の馬によって掘られた芝と土がまとまって飛んでくる程度だが、ダートのレースになるとそうはいかない。蹴り上げられた砂が常に前から飛んでくる状態である。実はかなり痛く、それに耐えなければならないのだ。砂を被るのを嫌がったり、首を上げて避けようとする素振りをするような馬では到底勝ち目はない。

元々、砂が顔に当たってもビクともしない気性の馬もいるし、また初戦は戸惑ったり嫌がったりしたとしても、2戦目からは慣れてきて、我慢が利くようになる馬もいる。そういった意味では、ダート競馬を走った経験は重要であることが分かる。たとえダート競馬向きの体型や走り方をする馬であっても、初戦は砂を被ることを嫌がって、思わぬ大敗を喫してしまうことだってある。またこれは珍しいケースであると思うが、砂を被った方がやる気が出るという馬もいるという。普段はぼんやりした馬がダート競馬に行って砂を被った途端に、闘争心に火がついて走るようになるのだ。

「走法」と「体型」、「気性」がダート馬と芝馬を大きく分けていることが分かった。それでは、芝を走った名馬の中でも、もしダートを走ったら強かったという馬はいるだろうか。真っ先に思い浮かぶのは、やはりグラスワンダーだろう。朝日杯3歳Sをレコードで制し、有馬記念を連覇、さらに宝塚記念を勝ち、ワンダーホースと言われた名馬である。典型的な前肢を上に持ち上げて、叩きつけるような走法であり、前肢のかき込みが異常に強かった。アメリカ産馬らしく、体型的にもコロンとして映るほどに筋骨隆々で、パワーに溢れていた。気性的に砂を被ったらどうかだけは分からないが、闘争心の塊のような馬だったので、それぐらいで滅入ってしまうことはなかったはずである。

個人的には、スペシャルウィークがあっさりとねじ伏せられた宝塚記念が記憶に鮮明に残っている。グラスワンダーが前走の安田記念でエアジハードにまさかのハナ差負けを喫していたのに対し、スペシャルウィークは古馬になって本格化し、前走の天皇賞春を完勝して臨んできた。勢いのあるスペシャルウィークが1番人気に推されたのは当然のことだった。しかし、グラスワンダーは終始絶好の手応えで道中を走った。グラスワンダーの肉体から的場均騎手の手綱に伝わってくる力強い感触が、観ている私にも伝わってくるようであった。勝負所でグラスワンダーが仕掛けると、スペシャルウィークはスッと離されてしまい、もうついて行くだけで精一杯となった。最後の直線では、的場均騎手の肩ムチが一発飛んだだけで、あっという間に後続を3馬身突き放してフィニッシュした。

今から思えば、グラスワンダーは力の要る重い馬場に滅法強かったのである。レコードが出るような絶好の良馬場よりも、他馬が苦にするような荒れ馬場でこそ本領を発揮したのだ。シーズンオフに最も近い有馬記念や宝塚記念が行なわれるころの中山や阪神の馬場は、季節的なことや開幕最終週ということもあって馬場が傷んでいることが多いのだ。ダート馬の特性からはほど遠いスペシャルウィークを、ダート馬の要素に富んでいるグラスワンダーが2度もグランプリレースで負かしたのは決して偶然ではない。そう考えると、グランプリホースと呼ばれるような馬は、ダート競馬でも活躍できる特性を持ち合わせていると言ってもよいのではないだろうか。

(第6回へ続く→)

Photo by H.Sugawara

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中京芝1200m

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スタート時点は、向こう正面の緩やかな上り坂の途中にある。およそ120m走っただけで、すぐに下り坂へと入っていき、そこから200mもしないうちに3コーナーへと差し掛かる。さらにずっと下りながら3コーナー~4コーナーを回り、最後の直線に向くと一転して2mの急坂が待っている。そのあと240mのほぼ平坦な直線がゴール板まで続く。

第1コーナーまでの距離はおよそ300mと短くも長くもなく、極端に速いペースにはならないだろうが、それでも3~4コーナーまで下り坂が続くため、知らず知らずのうちにペースが速くなってしまうはず。時計的にどうこうではなく、直線に向くまで自分のペースで走れた先行馬にとっては、412mに延長された直線もそれほど長くは感じないだろう。もちろん、前半が速いラップになり、上がりが掛かる展開になるので、差し馬が脚を余すことなく十分に届く舞台である。

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高松宮記念を当てるために知っておくべき3つのこと

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■1■差し馬有利の展開は変わらず
中京競馬場は小回り、直線に坂がなく平坦であり、本来は圧倒的に先行馬が有利なコースであったが、高松宮記念に関しては、最後の1ハロンでスピード自慢の先行馬の脚が止まり、スタミナを備えた差し馬がゴール前で逆転するという展開のレースになりやすかった。それは新装オープンされた今年からも同じ。直線が長くなったばかりか、坂ができたことにより、その傾向にはさらに拍車がかかるかもしれない。

「差し馬有利」の状況は、ラップタイムからも一目瞭然である。阪神競馬場で行なわれた昨年を除く、過去10年間の前半後半3ハロンのラップタイムは以下のとおりである。
      前半 ― 後半
平成13年 33.5―34.9 (前後半の落差1.4)
平成14年 32.9―35.5 (前後半の落差2.6)
平成15年 32.9―35.2 (前後半の落差2.3)
平成16年 32.9―35.0 (前後半の落差2.1)
平成17年 33.3―35.1 (前後半の落差1.8) 
平成18年 33.7-34.3 (前後半の落差0.6)
平成19年 33.8-35.1 (前後半の落差1.3)
平成20年 33.4-33.7 (前後半の落差0.3)
平成21年 33.1-34.9 (前後半の落差1.8)
平成22年 33.5-35.1 (前後半の落差1.6)

ほぼ毎年、前半が速くて後半が掛かるという、典型的な前傾ラップである。「短距離の差し馬」という格言があるように、基本的にスプリント戦は差し馬有利な前傾ラップになることが多い。特にG1のスプリント戦となると、スピードのある馬が揃い、前半のポジション争いが厳しくなるため、どうしても上がりの掛かる展開となるのは避けられない。

つまり、高松宮記念は、見た目以上に差し脚が生きるコースである。G1スプリント戦の性格に加え、コース形態がスピードとスタミナを兼ね備えた強い差し馬に有利に働くということだ。

■2■馬場の不利、枠順の不利はなくなる
かつて開幕最終週に高松宮記念が行なわれていた頃は、馬場の傷みによってコースの内外における有利不利を生み出してしまうことがあった。平成12年のキングヘイロー、13年のトロットスター、17年のアドマイヤマックスと、大外を回った馬が勝利したように、内側が傷んで走りにくいという馬場設定になってしまう可能性があった。しかし、今年は改修後ということもあって、馬場は絶好の状態を保っているため、馬場による有利不利はない。

さらに、これまでの中京競馬場はコース幅が狭くカーブもきついため、枠順の内外も考慮に入れるべきであった。テンのダッシュが速くない馬が内枠に入ると、外から速い馬に来られ、包まれてしまい何も出来ずに終わったり、外枠を引いた馬が内に入れるヒマもなく、終始外々を回されて終わってしまうことがあった。どの枠順を引いたかによって、勝利の行方が大きく左右されたのだが、今年からは枠順における有利不利もほとんどなくなるだろう。

全体的に見ると、よほど極端な枠順を引かない限り、スピードとスタミナを兼ね備えた強いスプリンターが勝つことのできる舞台が整ったといえる。

■3■5歳馬が有利
過去10年間における、年齢別の成績は以下のとおり。

4歳   【1・2・0・40】 連対率7%
5歳   【5・5・3・32】 連対率29%
6歳   【2・3・4・39】 連対率19%
7歳以上【2・0・3・37】 連対率12%

勝ち鞍、連対率だけを見ても、5歳馬が圧倒していることが分かる。勢いのある4歳馬が、充実の5歳馬にねじ伏せられてしまうという形になりやすい。キンシャサノキセキは例外的存在と考えて、6歳以上の馬になってくると、スピード不足を露呈してしまうのか、年齢と共に勝率は下がっていくことになる。スピードとスタミナを兼ね備えたスプリント能力を問われるということだ。

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オルフェーヴルの光と影

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今年の阪神大賞典は珍レースとして語り継がれることだろう。今年初戦となったオルフェーヴルはスタートこそバッチリ決めたものの、ナムラクレセントに外から捲くられたあたりから様子がおかしくなり始め、スタンド前では鞍上の池添謙一騎手の制止を振り払うようにして2番手まで上がっていった。一旦は折り合いがつきかけたが、結局は我慢できず、向こう正面ではもはや先頭に立ってしまった。ここまでならば良く見られるレースの風景であるが、オルフェーヴルが最後の3コーナーを回ろうとするとき、事件は起こった。

オルフェーヴルがコーナーを回ろうとせず、逸走し始めたのだ。池添騎手も矯正しようと努めるが、オルフェーヴルは完全にレースをやめようとしている。あっという間に馬群から離され、ほぼ最後方まで下がってしまった。この時点で、何が起きたのか分かっていたのは池添騎手だけ。外からレースを観ている者たちの目には、オルフェーヴルに故障が発生したように映った。ところが、そこから再びオルフェーヴルのエンジンに火が灯る。外から一気に馬群に取り付き、最終コーナーでは大外をブン回して、なんと直線では先頭に踊り出たのだ。内から伸びたギュスターヴクライには半馬身届かなかったが、まるでサーカスのようなオルフェーヴルの走りに、競馬ファンはただひらすら驚かされた。

折り合いを欠いてあそこまで下がってしまった馬が、まるで駆けっこに途中から参加するかのようにレースに戻って勝ち負けしたことなど、私の記憶にはない。新馬戦であれば見られてもおかしくないシーンだとしても、これはG1レースを目指す馬たちが揃った阪神大賞典である。重賞ウィナーたちの中に混じっても、脚の速さというか脚力の違いというか、同じサラブレッドとは思えない走りの違いに、オルフェーヴルの能力の圧倒的な高さを感じざるをえない。昨年の天皇賞春を勝ち、凱旋門賞にまで挑戦したヒルノダムールでさえ、グウの音も出ないほどの性能の違いである。スムーズなレースができなかったからこそ、よりいっそうオルフェーヴルの凄さを体感できたといえる。

しかし、今回の問題はそこではなく、なぜ3コーナーで逸走したかということだろう。逸走しようとするのは、その状況から逃げたいからである。サラブレッドはレースで極限を強いられる以上、そこから逃げたいという気持ちはどの馬にもある。今回、オルフェーヴルは先頭に立って1頭になったことで、そういった気性面の悪さを出してしまったのである。新潟でのデビュー戦、そして3冠馬となった菊花賞でも、ゴール板を過ぎた後に池添騎手を振り落として放馬したことがあるように、オルフェーヴルには潜在的な気の悪さがある。他の馬が近くにいれば走ることに集中することができるが、周りに馬がいなくなったとき、その悪さが顕著に出てしまうのだ。そこを陣営が懸命に矯正したことで、なんとか3冠馬になれた。これまでのオルフェーヴルにとって、ゴールした後に悪さをするのは余裕があることの裏返しでもあったが、今回のようにレース中となると話は別になる。

オルフェーヴルの潜在的な危うさが、休養を挟んでひと息入れたことで表面化したと捉えることができるからだ。サラブレッドにとって、日本ダービーを制するだけではなく、3冠を全て制することの過酷さは私たちの想像を絶する。およそ1年にわたって、オルフェーヴルは肉体的に緩められることなく、精神的にも休まることなく闘いを強いられてきた。過去の3冠馬たちがそうであったように、菊花賞を制した直後のレースはその反動が出ることが多く、あのシンボリルドルフやディープインパクトでも負けている。それでもオルフェーヴルは有馬記念を勝った。道悪のダービー、3冠のプレッシャーが掛かった菊花賞、古馬との初対決となった有馬記念、苛酷な試練を次々と乗り越えたことが、果たしてオルフェーヴルの精神にどのような影響を与えたのだろうか。

もしかすると、もうオルフェーヴルは我慢できない馬になってしまったのかもしれない。激戦の疲労が噴出してしまい、どこか燃え尽きてしまったのかもしれない。気持ちは目に見えないからこそ、サラブレッドが繊細な生きものであることを知ればこそ、そうではないことを願いつつも、心配は尽きない。一時の悪さで終わることを祈る。もしそうであれば、トライアルで危うい部分が出たことは、本番である天皇賞春やその先に見える凱旋門賞に向けてプラスになるのだから。全ては次走の天皇賞春で答えが出る。

Photo by mkoichi

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研ぎ澄まされた筋肉で覆われているグランデッツァ:5つ☆

■スプリングS
アルフレード →馬体を見る
朝日杯フューチュリティS時に比べると、やや太め残りに映る。
理想的な馬体を誇る馬だけに、今回ばかりは完璧な仕上がりとは言い切れない。
Pad4star

グランデッツァ →馬体を見る
やや重心が低く、全身の隅々まで研ぎ澄まされた筋肉で覆われている。
休み明けにはなるが、ほぼ隙のない仕上がりで力は出し切れるはず。
Pad5star

サトノギャラント →馬体を見る
馬っぷりは最高で、全体のバランスが良く、気性も落ち着いている。
ただ、同じシンボリクリスエス産駒のアルフレードの方がやや完成度が高い。
Pad4star

ゼロス →馬体を見る
これといった特徴のない馬体で、欠点がないのが欠点ということだろう。
表情から気性の良さが伝わってくるので、逃げなくても好走は可能である。
Pad3star

ディープブリランテ →馬体を見る
素質は高いものを持っているが、馬体だけを見ると、まだ幼さを残している。
ひと叩きされて、馬体が締まってきたし、毛艶もそれなりに良くなってきた。
Pad3star

マイネルロブスト →馬体を見る
毛艶は良く、筋肉のメリハリもあって、力を出し切れる仕上がりにある。
重心が低い馬体はいかにもマイラーであり、距離延長にはやや不安を感じさせる。
Pad4star

■阪神大賞典
オルフェーヴル →馬体を見る
いかにも休み明けらしい馬体で、筋肉のメリハリという点においては正直物足りない。
疲れが取れていない馬体ではなく、叩き台に臨むにあたっては理想的な仕上がりにある。
Pad4star

ギュスターヴクライ →馬体を見る
ややコロンと映る馬体からは、距離が伸びれば伸びるほど良いタイプではない。
気が弱そうな表情をしているので、格上げ初戦がどう出るか。
Pad3star

ジャガーメイル →馬体を見る
8歳になっても、相変わらず、全体のシルエットは美しく、素晴らしい馬体。
とはいえ、休み明けの分、まだ余裕残しではあり、ここを叩いてからか。
Pad4star

ヒルノダムール →馬体を見る
ひと叩きされ、だいぶ去年の絶好調時の筋肉の柔らか味が戻ってきた。
典型的な叩き良化型だけに、この仕上がりでどれぐらいの走りが出来るのか。
Pad4star


Springs2012wt

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なにやってんだ、目を覚ませ!

Jiromaru

あの頃の私は、何ごとに対してもやる気が起きず、かといって何かをやろうと思ってもそれだけの能力もなく、それでいて世の中を冷ややかな目で見ている、まったくどうしようもない人間でした。その原因もほんとうにどうしようもないことだったので、ここに書くまでもありません。寝て起きての繰り返しだけの毎日でした。そんな自堕落な生活でしたから、阪神・淡路大震災が発生したときも、オウム真理教事件が起こったときにも、正直に言うと、どこか他人事のように感じていました。まるで自分と世の中の間に大きな溝があるような、自分とその外部が分厚い膜で隔てられているような感覚を持って日常を過ごしていたのです。そんな状態がおよそ2年ぐらい続きました。

1996年3月9日、ベッドから起き上がって、パジャマのまま、寝ぼけまなこでテレビをつけると、競馬中継がやっていました。そういえば今日は土曜日であること、メインレースの阪神大賞典には、3冠馬ナリタブライアンと菊花賞と有馬記念を制したマヤノトップガンの両雄が出走すること。友だちに頼んでナリタブライアンの単勝を買ってもらっていること。ひとつずつ思い出されてきました。たまたま起きたのがレース直前の時間で良かったと思っていると、あっという間にレースのスタートが切られました。ナリタブライアンが真っ先に飛び出しました。

3コーナーまでは淡々としたペースでレースは流れ、しかし4コーナーにかけてマヤノトップガンが先頭に立つと、その動きに合わせてナリタブライアンが仕掛けると、状況は一変しました。後続の8頭はもはや付いてくることができず、4コーナーを回った時点で既に2頭の一騎打ちに。直線ではどちらが前に出ているのかさえ分からないほど馬体を併せて激しく叩き合った末、2頭はほとんど同時にゴールしました。ナリタブライアンに賭けていた私の目には、わずかにナリタブライアンがマヤノトップガンを最後に交わしたように見えましたが、首の上げ下げで勝敗が分かれてしまうような大接戦でした。

私は目が覚めました。この2頭のマッチレースを見て、目の前の霧が晴れた気がしたのです。ナリタブライアンとマヤノトップガンという時代を代表する名馬たちが、力の限りを振り絞って走るさまを見て、なぜだか自分はこのままではいけないと感じたのです。「なにやってんだ、目を覚ませ!」と彼らに言われたような気がしたのです。このレースについて、「阪神大賞典でのナリタブライアンとマヤノトップガンのマッチレースは、言われるほど名勝負ではない。マヤノトップガンがただカウントを取りにゆくようなストレートを投げ、それをブライアンが打ち返しただけのレースである」と田原成貴騎手は主張しましたが、私にとってそんなことはどうでも良いことです。ナリタブライアンとマヤノトップガンがお互いに負けたくないという意志を持って、死力を尽くして走ったのは誰の目にも明らかであって、だからこそ私の心にも火がついたのでした。競馬というスポーツには、そういう力があるのです。

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スプリングSを当てるために知っておくべき3つのこと

Springs

■1■皐月賞と結びつきやすい
本番と距離が同じ弥生賞が皐月賞に結びつきにくいのに対し、1800mで行われるスプリングSからは過去16頭の皐月賞の勝ち馬が出ている。理由として考えられるのは、以下の2つ。

1、中3週というレース間隔が調整しやすい
2、皐月賞に似た底力勝負のレースになりやすい

1については、皐月賞に向けてという意味では、スプリングSで勝った時の体調を引き続きキープしやすいということである。弥生賞から皐月賞だと中5週となってしまい、レース間隔が開いていることでかえって調整が難しくなってしまうのだ。中3週だと体調を維持することに気をつければよいが、中5週だと一旦僅かに緩めてもう一度仕上げ直すことになる。

2については、弥生賞がスローの瞬発力勝負になりやすいのに対し、スプリングSは平均ペースの耐久勝負になる傾向がある。わずか200mの距離の違いが、レースの質にも影響を与えるからである。そして、本番の皐月賞は後者に近いペース(平均~ハイペース)になるからこそ、スプリングSの勝ち馬や好走馬が皐月賞につながりやすいということになる。

■2■パワーとスタミナが問われる
上記のように、中山2000mで行われる弥生賞に比べ、1800mで行われるスプリングSは道中で緩むところが少なく、耐久戦になりやすい。軽さと瞬発力ではなく、パワーとスタミナを問われるレースになるのだ。血統的には、ダートを得意とする血やヨーロッパのスタミナ血統の馬が走っているのが目立つ。また、4つコーナーを回る小回りのレースだけに、どうしても前に行ける馬にとって有利になる。速い脚を持続できる地脚の強い馬を狙うべきだということだ。

■3■前走連対馬と1番人気が強い
前走1着   【6・4・7・53】
前走2着   【3・3・2・16】
前走3着   【2・0・0・6】
前走4着以下【1・5・1・49】

過去12年の連対馬24頭のうち、16頭が前走で連対している。クラシック開幕まで残り4週間という時期であり、素質馬が本番へ向けて集結してくる以上、前走で負けている(最低2着は確保)ような馬では苦しいということだろう。もちろん、重賞以外のレースで負けているような馬では勝負にならない。

1番人気   【5・2・1・2】
2番人気   【3・0・2・6】
3番人気   【0・1・1・8】
4番人気以下【2・1・2・15】

さらに、その素質馬たちの中でも1番人気に推された馬は、過去10年で5勝を挙げ、連対率にしても70%と圧倒的な数字を出している。前走の内容が良かったということであり、底力が試されるレースだけに実力がそのまま反映されやすい。

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「ファンが知るべき競馬の仕組み」

Keibafan

関係者によって書かれた競馬本は星の数ほどあれど、これほどまでに深く踏み込んだものは少ない。嘘や誇張でない範囲の中で、競馬の舞台裏をありのまま見せてくれる内容である。もちろん、関係者の言うことが全て正しいわけではなく、―それはどの世界でもそうであるのと同じように―、内部にいるがゆえに見えないこともあるのだから、あとは読んだ人の解釈に任せたいと思う。個人的には、ハッと気づかされることもあったし、競馬ファンなら誰もが知っているようなことだとしても、具体的な人の言動を例に挙げているので非常に伝わりやすい。

まず、「最後の直線では馬を真っ直ぐに走らせなくても良い」と述べられていることが新鮮であった。競走馬は、最後の直線をどちらかの手前で走るが、たとえば右手前で走ると右に、左手前で走ると左に、自然とヨレていく。つまり、馬はどちらかの手前で走っている以上、真っ直ぐ走ること自体が不自然だということである。ほとんどの騎手は修正して真っ直ぐに走らせようとするから、馬が伸びない。武豊騎手などベテラン騎手の乗っている馬をよく見てみると、斜めにヨレながら伸びているという。その方が馬にとって負荷が少なく、思いっきり走られることを利用しているのである。実際にレースに乗って、馬を追ったことのある著者だからこその視点だろう。

また、日本人騎手のコーナーリングの拙さについて述べられている、「オリビエ・ペリエの“暴言”」というコラムも面白い。タイトルがタイトルだけに、ペリエ騎手の“暴言”に至るまでの経緯を紹介しないわけにはいかないだろう。以下、少し長くなるが引用したい。

オリビエ・ペリエが日本にやって来たのは、いまから13年前の1994年のことになる。ご存知の通り、彼はその後、日本で荒稼ぎをした。ペリエの活躍を知った外国のトップジョッキーたちが、「よし、俺も」とばかりに、続々と日本にやって来た。

あとから来日した外国人ジョッキーたちに、ペリエはこんなアドバイスをしたという。

「とにかく内ラチ沿いを走れ。こちらから仕掛ける必要はない。コーナーに入ると、自然に前が開く」

つまりは、こういうことだ。

日本の乗り役は、下手クソばかりだ。コーナーを回るとき、必ず外へふくらむ。3コーナー、4コーナーで、自然にインコースが開く。そこをつけば、楽に勝てる。

悔しいが、これは事実だ。彼ら外国人ジョッキーは、海外では極めて厳しいレースを戦い抜いている。コーナーのたびに「前が開く」日本のレースなど、ぬるくて仕方がなかっただろう。

外国人ジョッキーのような技術を身につけたいのなら、彼らと同じ環境に身を置くのがいちばんだ。彼らが出場するレースに、できるだけ多く乗ることでも、いろいろな発見があるだろう。そのどちらも叶わないのなら、ともかくトレセンで、イメージトレーニングを重ねるしかない。

ここで書かれているのは、競馬のレースにおけるコーナーリングの難しさでもある。時速60kmで走る動物を操って、コーナーをピッタリ回ることが、どれだけ難しいか。乗った者にしか分からないのだろうが、私たち競馬ファンも想像することだけならできるだろう。その上で、日本人騎手のコーナーリングの物足りなさを論じるべきである。もちろん著者は自らの実戦での経験を踏まえ、自戒の念も含めて、厳しく、そして前向きに語っている。

外国人ジョッキーのコーナーリングが語られるとき、私はいつも2007年の有馬記念におけるミルコ・デムーロ騎手の騎乗を思いだす。6番人気のダイワメジャーに乗ったミルコ・デムーロ騎手は、終始とにかく内ラチに沿って、2500mピッタリを回ってきた。ダイワメジャーの本質はマイラーであり、距離が長いことは誰も目にも明らかだっただけに、少しでも距離ロスを防ごうと意識しての騎乗だったにせよ、特に3コーナーから4コーナーにかけてのコーナーリングは秀逸であった。3着という結果だけではなく、最高速で走っている馬をここまで見事に制御できるのだと驚かされた。真似したくても真似できる芸当ではない。

ペリエ騎手が来日してから長い年月が流れ、この当時に比べると、日本人騎手の技術も圧倒的にレベルアップした(と思いたい)。外国人ジョッキーが続々と入ってくることにより、日本人騎手にとって機会が失われることがあったとしても、反面、外国人ジョッキーたちと一緒にレースに乗ることによる多くの学びや発見もあったに違いない。外国人ジョッキーが大レースを勝ちまくる現状が理想的だとは決して思わないが、日本人騎手のレベルアップという点においては、短期免許制度は大きな役割を果たしているといえる。

最後の章では、競走馬の死について、ありのままが書かれていて、胸を打たれた。自分が乗った馬が薬殺される現場に、著者は1度だけ立ち会ったことがあるという。自分が関わった馬がブルーシートの向こうで息絶えてゆくのを感じるとき、ホースマンはどのような感情を抱けばよいのだろう。サラブレッドは経済動物であるとともに、心が通じ合った仲間であり、身内と同じように接してきた家族でもある。彼らの心境は察するに余りある。これが競馬の舞台裏であり、全てを赤裸々に伝える必要はないだろうが、オブラートに包みながらでも競馬ファンに知ってもらうべき情報なのだとも思う。それこそが著者が伝えたい競馬の仕組みなのだから。

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阪神大賞典を当てるために知っておくべき3つのこと

Hansindaisyouten

■1■瞬発力勝負に
過去7年間、勝ち馬の上がり3ハロン時計は以下のとおり。

平成16年 リンカーン       34秒5
平成17年 マイソールサウンド 34秒8 
平成18年 ディープインパクト  36秒8
平成19年 アイポッパー      34秒3
平成20年 アドマイヤジュピタ  34秒7
平成21年 アサクサキングス  40秒6
平成22年 トウカイトリック    36秒0
平成23年 ナムラクレセント   35秒3

上がりが遅いレースと速いレースの差が激しいように見えるが、実はディープインパクトが勝った年は、馬場が重く、異常なほど強い風が吹いていた。また、平成22年はそのディープインパクトの2着したトウカイトリックが4年越しで勝利したように、上がりが掛かる競馬であった。平成21年は不良馬場であったため時計が掛かった。しかし、それ以外のほとんどの年は上がりが34秒台となっていて、基本は瞬発力勝負になりやすい舞台と考えてよい。3000mを走って34秒台で上がってくるのだから、道中がいかに遅いペースで流れ、ラスト3ハロンの瞬発力勝負になっているかが分かる。これが阪神大賞典と天皇賞春の結びつきが強い理由のひとつでもある。長距離戦だからといって、決してスタミナ豊富な馬が有利なのではなく、まずは瞬発力が求められることを知っておきたい。

■2■内枠で先行出来る馬が有利
スローペースの瞬発力勝負になりやすい以上、当然のことながら、内枠を引いて内々の経済コースを進んだ馬が有利となる。ただし、長距離戦では各馬もコースロスを意識して外々を回らないように運んでくるため、たとえスローペースであっても、馬群は縦長になることが多い。そのため、内外という枠順でそれほど大きな差は生じない。内枠から発走して、前にポジショニングできて、ラスト3ハロンの瞬発力勝負に強ければ、勝ち負け必至のレースである。

■3■1,2番人気馬が圧倒的に強い
過去10年間の人気ごとの成績は以下のとおり。

1番人気【4・3・1・2】 連対率70%
2番人気【2・3・1・4】 連対率50%
3番人気【1・0・3・6】 連対率10%

1番人気馬の連対率が7割、2番人気馬の連対率が約5割と、圧倒的な安定感を誇っていることが分かる。これは人気馬が強いということではなく、長距離戦では各馬の実力や仕上がり具合が如実に現れてしまうということである。たとえ展開やレースの綾があったとしても、力のない馬や仕上がりの良くない馬が好走してしまう確率は極めて低い。実力と仕上がり状態をそのまま信頼してよいレースである。

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毛艶も冴えて絶好調ビウイッチアス:5つ☆

■中山牝馬S
アニメイトバイオ
まだ太め残りに映るように、目標を先に置いた仕上げを施されている。
このレースを叩き台と考えれば良いが、今回はあまり好走を期待できない。
Pad3star

アプリコットフィズ
若駒の頃に目立った線の細さは、古馬になってだいぶ解消されてきた。
前後駆ともに質の強い筋肉に覆われて、ようやく完成の域に達してきたか。
Pad4star

イタリアンレッド
腰高の馬体は、いかにも末脚が切れそうなタイプで、さらに力強さも兼備している。
やや腹回りに余裕が見られるように、今回は叩き台として考えたほうが良さそう。
Pad3star

コスモネモシン
ビロードのような光沢のある毛艶が、現在の調子の良さを物語っている。
筋肉のメリハリもしっかりと付いて、好レースを期待できそう。
Pad4star

ドナウブルー
このメンバーに入ってしまうと、どうしても線の細さとパワー不足は否めない。
胴部が長く、全体のバランスが良いので、距離延長は全く問題ないだろう。
Pad3star

ブロードストリート
若駒のころのような毛艶の良さはさすがにないが、この馬なりに調子が良さそう。
全体のシルエットも素晴らしく、もうひと花咲かせることができるか。
Pad4star

ホエールキャプチャ
大きな成長は感じられないが、休み明けにしてはコンパクトに仕上がっている。
クロフネ産駒にしては、胴部にも伸びがあって、2000mまでなら距離はもつはず。
Pad4star

■フィリーズレビュー
アイアムユアーズ
バランスの良さが目立つが、昨年末と比べても大きな成長は見られない。
前後駆にしっかりと筋肉を保持しつつ、毛艶を見ると、まだ先を見た仕上げか。
Pad3star

アンチュラス
昨年時に比べると、全体的に筋肉が付いて、力強さが増してきた。
ただ、ディープインパクト産駒にしては皮膚が厚く、距離の幅は小さいはず。
Pad4star

イチオクノホシ
まだほっそりとしていて、どうしても線が細くパワー不足に映る。
トモの筋肉もまだ付き切っておらず、それでこれだけ走るのだから将来性は高い。
Pad3star

ビウイッチアス
前後駆にしっかりと筋肉がついて、胴部に伸びもあり、マイルまでは対応できそう。
筋肉のメリハリがあり、毛艶も冴えていて、絶好調といっても過言ではない。
Pad5star

ファインチョイス
短期放牧明けということもあって、毛艶から筋肉のメリハリに至るまで物足りない。
前躯は発達している分、どうしても後駆が物足りなく映ってしまう。
Pad3star

ラシンティランテ
前後駆ともにしっかりと実が入って、牝馬らしからぬ力強さ溢れる好馬体を誇る。
ただ、表情からは幼さが伝わってくるように、気の弱い面がレースで出なければ。
Pad3star


Filliesreview2012wt

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競馬があってありがたい

Keibagaattearigatai

あの日、私は「走れドトウ」の「ROUNDERS」への掲載依頼のため、栗東にある橋田満調教師宅に向かっていた。京都駅で乗り換える際の待ち時間にたまたま開いたツイッターのTL上に現れた、「地震」、「凄い揺れ」などの恐ろしい文字の数々にも、想像力の少ない鈍感な私は、東北で大きな地震があったのかという程度の認識しかないまま、橋田邸へ急いだ。橋田調教師と話をしている間、「なんだか大変なことになっていますよ」という奥様の言葉や、岩手県にある遠野の里の安否を確認するために連絡を取ろうとしている橋田調教師の様子を見て、いつになく不穏な空気を感じ取り、そして、話がまとまった高揚感と何が起こっているのか分からない不安を抱えつつ帰途についた。

京都駅で津波の映像を見たとき、ようやく私は事態の大きさに気づいた。新幹線はもちろん動くはずもなく、京都のホテルは全て満室となり、なんとか大阪まで出て泊まる場所だけは確保することができた。家族の安否はとりあえず確認でき安心したが、いつまた何が起こるか分からない。テレビの衝撃的な映像ばかりを見るのも嫌になり、ラジオに切り替えたものの、音による報道にはかえって想像力をかき立てられた。それでも、知らずにはいられずに、あらゆる情報にしがみついていた。家族がいる場所が揺れているのに、今私がいるここは揺れていない。自分だけが全く別の世界に住んでいるようで、私は懺悔したい気持ちで一杯であった。

競馬の中止が決定されたとき、それも当然かと受けとめることができた。私にとって、競馬がない週末を過ごすのは、馬インフルエンザのときと今回とで2度目である。今回はずいぶん長い中止になるかもしれないなと思った。それぐらいの事態であり、状況でもあった。まず助けを求めている人々に手を差し伸べなければならないし、少しずつでも日常を取り戻さなければならなかった。競馬はそれからでいい。そして私は、競馬が再開される日まで、競馬の素晴らしさを書こうと思い、ツイッターを始めた。私にできることといえば、それぐらいであった。意外に早く競馬が再開されたので、その連載は1章を書き終えたままで終わってしまったが、あの時の気持ちを忘れないためにも、またそのうち書きたいと思っている。

平和な日常があってこそ、私たちは競馬を楽しむことができる。戦時中に競馬が中止になった話を私は何度読んだか分からない。私の競馬観に最も影響を与えた祐ちゃんこと故野平祐二氏は、毎年、有馬記念が終わると、競馬が今年も無事にあって良かったと安堵したという。競馬がなくなってしまった時代を、身をもって知っているからこそ、競馬があることのありがたさを感じることができたのだと思う。もしこの世に競馬がなければ、なんと無味乾燥な人生だろう。こんな言い方は傲慢で偏狭だと言われるかもしれないが、私の人生に競馬がなかったことを想像すると本当にそう思う。私にとって、他のものには替え難いのだ。競馬があってありがたい。

Photo by H.Sugawara

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中山牝馬Sを当てるために知っておくべき3つのこと

Nakayamahinnbas


■1■京都牝馬Sで負けていた馬
過去10年の連対馬を見渡すと、20頭中、7頭は京都牝馬S組である。牝馬限定の重賞同士だけに、結びつきがあって当然であるが、着順がリンクしているとは言い難い結果となっている。京都牝馬S→中山牝馬Sという連勝は一度もなく、京都牝馬Sで惨敗していた馬の中山牝馬Sでの巻き返しが多いことが特徴である。

考えうる理由は2つ。ひとつは、古馬牝馬が重賞を連続で勝つということが、体調維持の面で難しいということ。もうひとつは、京都1600m(外回り)で行われる京都牝馬Sと、中山1800mで行われる中山牝馬Sでは、勝ち馬に求められる資質が全く違ってくるからである。京都牝馬Sが一瞬の切れ味が問われるヨーイドンの競馬になるのに対し、中山牝馬Sはスピードの持続力が要求されるレースになりやすいのである。

つまり、京都牝馬Sを切れ味不足で負けていたような、スピードの持続力を武器とする、地脚の強い馬を中山牝馬Sでは狙うべきということだ。

■2■基本的には内枠の先行馬有利
中山1800mコースは、スタンド前の上り坂の途中からスタートする。スタートから第1コーナーまでの距離は205mしかなく、上りスタートのため、テンが極端に速くなることはない。よって、スロー~ミドルに流れるのが必然といえる。ただし、過去8年のラップ(以下)を見ると、意外とそうでもなく、オースミコスモとニシノブルームーン、レディアルバローザが勝った年はハイペースで流れている。

12.2-11.2-11.8-11.6-11.5-12.2-12.0-11.5-12.1(46.8-47.8)H
12.7-12.3-12.7-12.5-12.1-12.2-11.8-11.5-11.9(50.2-47.4)S
12.4-11.4-12.1-12.0-12.2-12.5-11.8-11.8-11.6(47.9-47.7)M
12.7-11.7-12.6-12.0-11.8-12.2-12.2-12.2-12.8(49.0-49.4)M
12.2-11.6-12.4-12.3-12.3-11.8-11.8-11.5-12.5(48.5-47.6)M
12.4-11.4-12.1-12.2-12.4-12.5-12.1-11.5-12.5(48.1-48.6)M
12.3-11.2-11.5-11.7-11.9-12.3-12.5-11.8-12.4(46.7-49.0)H
12.1-10.6-11.5-11.6-12.1-11.8-11.2-12.1-12.4(45.8-47.5)H

これはコースの形態上、どうしてもスロー~ミドルに流れやすいレースを各ジョッキーが意識するあまり、いつの間にかテンが速くなり、逃げ・先行馬が厳しいペースに巻き込まれてしまうからである。その競り合いに巻き込まれず、自分のペースで走ることが出来た馬の差しが決まることもある。各馬の出方次第でペースが極端に変わってしまう難しいレースではあるが、基本的には先行馬に有利なコースであることは間違いがない。

また、第1コーナーまでの距離が短いため、内枠を引いた馬がかなり有利になることも覚えておきたい。外枠からの発走であれば、ペースが速くなったケースにのみ、差し馬にとってはレースがしやすい。ただ、基本的には内枠の馬に有利なコースである。

■3■勝ち馬は2着馬よりもハンデが重い
過去10年の勝ち馬のハンデの平均は55kg、2着馬のハンデの平均は54kgと勝ち馬のハンデの方が2着馬よりも重い。実際に、勝ち馬のハンデより2着馬のハンデが重かったのは僅か3年のみ。イメージとしては、勝ち馬は実力のある重ハンデ馬で、2着には比較的軽量のハンデ馬が突っ込んでくるというところか。

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集中連載:「ダート競馬の楽しみ」第4回

ダート馬と芝馬では体型が違う。骨格から筋肉の付き方に至るまで、砂の上を走るのに適した馬体と、ターフの上を走るのに適したそれとは異なるのだ。ダート馬は前肢のかき込みが強くなければならない以上、前躯(胸前から脇まで)の筋肉が発達していることが求められる。ダートでは芝に比べてパワーが問われるため、馬格があって(馬体が大きくて)、マッチョな馬が向いていることは確かなのだが、特に前躯の筋力の強さが重要なのである。

私の知る限りにおいて、最も前躯の力が強そうだと感じたのはアブクマポーロという馬であった。東京大賞典や川崎記念、帝王賞などの地方のダートG1をほとんど総なめにして、中央にも殴りこみをかけたダートの鬼である。特に7歳になってからは凄みを増して、向かうところ敵なしの6連勝で圧倒的なパワーを見せ付けた。海外遠征も視野に入ってきた8歳の川崎記念の返し馬が圧巻であった。私は現地(川崎競馬場)でアブクマポーロの肉体を目のあたりにしたのだが、恐ろしさすら感じさせる馬体であった。もしダンベルを持ち上げさせたら、どれだけ重くとも持ち上げてしまいそうだなと思ったものだ。そして、実際のレースにおいて、最後の直線に向いて、並ぶまもなく他馬を抜き去る様は、まさにパワーの違いを見せ付けたという表現がぴったりとくるだろう。あのときの衝撃は今でも忘れられない。

アブクマポーロのような、いかにも筋骨隆々な馬体であれば分かりやすいが、筋肉の強さは見た目だけでは分からないこともある。たとえば、サンデーサイレンス直仔の中でも、ゴールドアリュールは自身もダートを得意とし、さらに産駒からもスマートファルコンやエスポワールシチー、シルクフォーチュンなどのダートの鬼を出している。彼らに特徴的なのは、決していかにもダート馬というマッチョな馬体ではないということだ。ゴールドアリュール自身もそうであった。パッと見ると、芝でも走られるのではないかと思わせるほど、スマートな馬体である。それでも彼らはダートでこそ恐ろしいほどの強さを発揮する。

それは前躯の筋肉が異常に強いからである。見た目以上に、筋肉の質が良く、パワーがあるのである。人間でいうところの上半身の筋肉が以上に発達しているということだ。格闘技をやっている人ならなんとなく分かるはずだが、外見からは分からなくても、組んでみると恐ろしく筋力が強いという人がいる。ゴールドアリュールはまさにそのタイプであり、上半身の強さ、つまり前躯の筋肉の質や発達の良さが産駒にも直接に遺伝しているのだろう。見た目だけでは分からない筋肉の強さがあるのである。

対して、筋肉の柔軟性という点においては、芝を走る馬は筋肉が柔軟であることが求められるが、ダートでは芝ほどに柔軟でなくともよい。まれに筋肉の柔軟性と強さを併せ持っている馬もいるが、ほとんどの馬たちはどちらかに偏っている(もしくはどちらもない)ことが多い。ダートを走る馬は筋肉の柔軟性よりも、筋肉の強さが求められるのである。

それ以外の馬体的な特徴を挙げてゆくと、ダート馬の蹄は小さく、立っているほうが良いという説がある。なぜかというと、ダートコースでは着地するときに馬の脚が砂の中に沈むので、脚を抜くときに蹄が小さく立っているほうが砂から受ける抵抗が少ないというわけだ。いかにもと思わせられるのだが、実際には蹄が大きくてもダートで走っている馬はたくさんいる。同じことが、ダート馬は繋ぎが短い方が良いとされている説にも当てはまる。それほど大きな影響があるとは思えず、ダートを走るための絶対条件ではない。


最後の直線におけるパワーの違いを見よ!


(第5回へ続く→)

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フィリーズレビューを当てるために知っておくべき3つのこと

Filiesreview

■1■本番・桜花賞との結びつきが弱い
過去10年間で、フィリーズレビューを使って本番・桜花賞を制したのはラインクラフトとレジネッタのみ。1週間前に行われたチューリップ賞からは7頭の桜花賞馬(ファレノプシス、チアズグレイス、テイエムオーシャン、スティルインラブ、ダイワスカーレット、ブエナビスタ、アパパネ)が出ており、その差は歴然としている。

その理由はひとつ。チューリップ賞とフィリーズレビューを天秤にかけた場合、本番へのつながりを意識すれば前者をステップにする方が望ましいのは明らかで、にもかかわらずフィリーズレビューを選択するのは、陣営が距離(もしくは折り合い)に不安を抱えているからである。僅かでも距離に不安を感じている馬が、さらに厳しい流れになるG1レースのマイル戦を勝つのは難しい。

■2■最後にもうひと伸びできるパワー
スプリント色の濃いメンバーが集まるからこそ、かえってレースの流れは厳しくなることが多い。過去9年間のラップタイムを見てみると(下参照)、スローに流れてしまいがちなチューリップ賞よりも、ミドルからハイペースに流れやすいレースの傾向が浮かび上がってくる。そのため、結局、スピード一辺倒のスプリンターでは勝ち切れず、ハイペースを好位で追走して最後にもうひと伸びできるパワーも要求される。

フィリーズレビュー過去9年ラップタイム
12.1-11.1-11.4-11.6-11.7-12.0-12.8(34.6-36.5)H
12.2-10.7-11.3-11.9-12.0-11.6-11.6(34.2-35.2)H
12.1-11.0-11.3-11.7-11.5-11.3-12.3(34.4-35.1)M
12.6-10.9-11.3-11.7-11.8-12.2-12.6(34.8-36.6)H
12.5-10.9-11.4-11.7-11.4-11.7-12.2(34.8-35.3)M
12.1-11.0-11.7-11.9-11.6-11.8-12.4(34.8-35.8)H
12.3-10.5-11.5-12.0-12.2-12.0-11.9(34.3-36.1)H
12.2-11.0-11.8-12.1-11.8-12.0-11.9(35.0-35.7)M
12.3-10.5-11.3-11.8-12.0-11.8-12.6(34.1-36.4)H

■3■阪神1400m
スタート後、3コーナー過ぎまでの距離はおよそ440mと十分にあり、テンはそれなりに速くなる。そして、3~4コーナーが複合カーブであるため、スピードが落ちない。そのため、緩急のない全体的に速いペースで道中は流れる。しかし、3コーナーからゴール前に至るまで下りが続くため、そのまま流れ込むことの出来る先行馬が有利。

とはいえ、3~4コーナーの間に偽直線を挟んでいるため、差し馬もペースに応じて先行集団との差を詰めることが出来る。先行馬が有利なコースではあるが、決して差し馬に不利なコースではない。むしろ道中のペースが速くなりすぎると、直線の急坂で先行馬が総崩れということも十分にあり得るので注意。

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重戦車のような迫力フェノーメノ:5つ☆

アダムスピーク →馬体を見る
全体的にバランスの良い美しいシルエットで、いかにも走りそう。
皮膚も薄く、仕上がりも良いので、あとは筋肉のメリハリが出てくればベストか。
Pad4star

アーデント →馬体を見る
同じディープインパクト産駒でも、こちらはコロンと映り、パワーに溢れる。
前走に比べると、立ち姿のバランスが良化してきたので成長している。
Pad3star

クラレント →馬体を見る
立ち姿には力強さが漲り、アバラも浮いて、仕上がりは良さそう。
やや腰高で筋肉が硬そうに映るので、距離延長と久々がどう出るか。
Pad4star

ジョングルール →馬体を見る
この馬もディープインパクト産駒らしい、皮膚の薄さを受け継いでいる。
ただ、トモの実の入りがあと一歩で、馬体が完成するのはもう少し先か。
Pad3star

トリップ →馬体を見る
芦毛だけに体調が見分けにくいが、トモの実の入りは十分すぎるほど。
パワー勝負の競馬なら持ってこいで、もうひと絞りできれば万全だろう。
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この時期とは思えない毛艶の良さで、皮膚も実に薄く、筋肉が柔らかい。
前後駆ともに筋肉がしっかりと付いて、まるで重戦車のように迫力ある馬体。
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弥生賞は勝ってほしくないレース

Adamspeak弥生賞は勝って欲しくないレースである。このレースを勝つということは、素質や能力、そして完成度が高いということの証明ではある。しかし、今後のクラシック戦線を考えると、敢えて勝たなくても(勝とうとしなくても)良いレースなのではないだろうか。

弥生賞は皐月賞と同じ中山2000mという舞台で行われるが、弥生賞を勝って、そのまま皐月賞をも制する馬は思いのほか少ない。その世代の素質馬が集結するハイレベルの弥生賞を制した馬は、普通に考えて、弥生賞と同じ走りができれば皐月賞はほぼ当確である。それでも、過去10年で弥生賞と皐月賞を連勝した馬は、アグネスタキオンとディープインパクト、そしてヴィクトワールピサの3頭しかいない。

なぜこのような現象が起こるかというと、以下の2つの理由が考えられる。

1、弥生賞はかなりの状態に仕上がっていないと勝てない
2、弥生賞では厳しいレースを強いられる

クラシックを狙う有力馬が一堂に会する弥生賞は、当然のことながら、中途半端な仕上がりでは勝つことはできない。弥生賞を勝つためにはかなりの仕上げを施さなければならず、本番前に仕上げられた(仕上がってしまった)馬は、本番に向けて下降線を辿ってしまう。サラブレッドのピークはそれほど長くない。つまり、弥生賞を勝つために仕上げてしまうと、そのあとが続かないということである。さらに、それまでは楽な相手と楽な競馬しか経験してこなかった馬が、弥生賞で初めて厳しいレースを強いられるので、その肉体的、精神的な反動が次のレースで噴出してしまう。

その典型的な例は、平成12年の弥生賞を制したフサイチゼノンではないか。田原成貴元調教師と関口オーナーの間で一悶着あった馬であるが、フサイチゼノンは弥生賞の時点で既に仕上がってしまっていた。田原調教師はフサイチゼノンにかなりの素質を感じていただろうし、初年度である厩舎を盛り上げるためにも、弥生賞も勝って本番に臨みたかったに違いない。

しかし、その勝ちを焦る気持ちが、フサイチゼノンを追い詰めてしまったのだ。肉体的にも精神的にもピークを過ぎてしまったフサイチゼノンは、もはや皐月賞に出走する状態にはなかった。関口オーナーに相談をしなかったのは田原元調教師の落ち度だが、出走を取りやめたのは英断であったと思う。

本番のクラシックで力を出し切ってほしいという思いを込めて、弥生賞は勝ってほしくないレースである。一昨年はロジユニヴァースが弥生賞を勝ち、本番の皐月賞で惨敗をしてしまった。一昨年の弥生賞は決して厳しいレースではなかったので、1のパターンに当てはまってしまった典型である。皐月賞惨敗後、奇跡的なV字回復を遂げてダービーを制したので結果として良かったが、本番のクラシックにおける体調は万全とは言えなかった。

一昨年のヴィクトワールピサは弥生賞を勝ち、皐月賞をも制したが、本番の日本ダービーでは不思議な凡走をしてしまった。これも1の理由とつながってくる。弥生賞でかなりの仕上がりにあって、しかも皐月賞も勝つということは、体調のピークが皐月賞にあったということである。たとえ皐月賞を勝つことができても、あくまでも目標が日本ダービーということであれば、弥生賞は勝ってほしくないレースということである。

今年はディープインパクト産駒のアダムスピークが無傷の2連勝で臨んでくる。皮膚が薄く、彫刻のような美しい肉体を誇る馬だが、無敗のままクラシックに突入してしまうと、陣営はもちろん馬にも余計なプレッシャーが掛かってしまう。無意識のうちに、ギリギリに仕上げようとしてしまうのだ。負けるべきとまでは言わないが、本番に向けた仕上がり、そして乗り方をしてくるのであれば、たとえ能力上位であっても負ける可能性は十分にあるとだけ知っておきたい。

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弥生賞を当てるために知っておくべきこと

Yayoi

皐月賞と同じ舞台で行われるものの、過去10年間で弥生賞と皐月賞を連勝したのはアグネスタキオンとディープインパクト、そしてヴィクトワールピサという3頭の名馬のみ。その理由について、ラップタイプから考察してみたい。

弥生賞の過去8年間のラップタイムは以下のとおりである。

12.6-11.0-11.8-12.3-12.0-12.0-12.7-12.7-12.5-12.7(59.7-62.6)H
12.6-11.8-12.1-12.2-12.2-12.3-12.5-11.6-11.3-11.9(60.9-59.6)S
13.0-11.9-12.5-12.3-12.5-12.6-12.5-11.6-11.4-11.9(62.2-60.0)S
12.4-11.3-12.5-12.6-12.4-12.0-12.7-12.3-11.7-11.6(61.2-60.3)S
12.3-10.6-11.6-12.8-12.5-12.6-12.9-11.8-11.7-11.7(59.8-60.7)M
12.2-11.5-12.4-12.8-12.9-12.5-12.3-11.7-11.3-12.2(61.8-60.0)S
12.4-11.3-12.2-13.0-13.1-13.0-12.7-12.2-11.5-12.1(62.0-61.5)M
12.8-11.3-12.2-12.8-12.6-12.4-12.2-11.8-11.2-11.7(61.7-59.3)S

前半3ハロンとラスト3ハロンを除いた中盤のラップに焦点を当ててみると、例外なく12秒台が続いていることが分かる。以前、中山金杯の分析をした際、皐月賞は中盤が緩むという指摘をしたが、それに輪をかけるように弥生賞はその傾向が顕著である。

そこで、今度は、過去7年間の皐月賞のレースラップを見てみたい(東京競馬場で行なわれた2011年は除く)。

12.5-11.3-12.4-12.9-12.6-12.6-12.2-11.4-11.5-11.8(61.7-59.5)S
12.5-11.3-12.4-12.9-12.6-12.6-12.2-11.4-11.5-11.8(59.7-58.9)M
12.1-11.0-11.9-12.2-12.4-12.6-12.5-11.8-11.4-11.3(59.6-59.6)M
12.3-11.3-12.0-12.1-12.3-12.0-12.2-11.8-11.7-12.2(60.0-59.9)M
12.2-11.2-12.1-11.6-12.3-12.3-12.3-11.6-12.0-12.3(59.4-60.5)H
12.2-11.5-12.5-12.6-12.6-12.8-12.3-11.2-11.5-12.5(61.4-60.3)S
12.1-10.8-11.9-12.1-12.2-12.1-11.9-11.8-11.7-12.1(59.1-59.6)M

中盤が緩む傾向は同じだが、ひとつだけ弥生賞との相違点がある。それはレース全体のペースである。どちらかというとミドルペースになる皐月賞に比べ、弥生賞はどちらかというとスローに流れやすい。つまり、弥生賞はスタミナの裏づけがないマイラーでも乗り方次第ではこなせてしまう可能性があり、ラスト3ハロンの瞬発力勝負に強い馬に圧倒的に有利なレースになるということである。過去、サンデーサイレンス産駒の活躍が目立ったのもこれゆえである。

結論としては、弥生賞の勝ち馬を見つけるためには、皐月賞を占うレースであるにもかかわらず、皐月賞では勝てそうにないタイプの馬を探すべきということである。どういう馬かというと、サンデーサイレンスの血を受け継いだ、スピードタイプの瞬発力に優った馬である。

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ロバーツが見せる「勝負への厳しさ」

オリビエ・ペリエ、ミルコ・デムーロ、クリストフ・スミヨンと、外国人騎手を連続して取り上げてきた当コラム。ちょうどいい機会なので、今回は私なりのマイケル・ロバーツ観を披露してみたい。

ペリエ同様、短期免許による初来日以来、毎年必ず日本の競馬シーンに加わり、さまざまな影響を与えていってくれる元英国リーディングジョッキーは、私にとって不思議な騎手である。

一見すると、どこにでもいそうな騎手なのだが、実はまったくそうではない。向こう正面では、いつも馬を激しく追ったり、どぎつく抑える格好をするので、見る側に「もうダメか…」と思わせる。

ところが、ロバーツが手綱を取った馬は、直線でまた伸びてくる。強引すぎるきらいはあるが、なぜ彼の乗った馬が、最後まで動くのか不思議だ、と思わせる騎手なのだ。

見た目と、彼が現実に馬に与えている影響が違うのだ。

実際は、その格好ほど無理して追っていたり、抑えたりしているわけではなく、ハミによるギアの切り替えをちゃんとしているのだ。つまり、われわれは彼のアクションにだまされているのである。

手綱の長さ、こぶしの位置、あぶみの踏み方は、ヨーロッパのスタイルとはまた違う、ロバーツ独特のもの。その騎乗は「鮮やかな」という感じではなく、あか抜けしないものなのだが、馬を前に出すことに関しては卓越しているわけだ。

おそらく、下半身がしっかりしており、騎座の抱え方が上手なのだろう。私の目指してきたスタイルとは異なり、好きな形ではないが、彼を見ていると、問題は見た目ではなく中身だ、ということを思うときがある。彼のあか抜けなさは、中身のないものでなく、内容をきちっと持ったあか抜けなさなのだ。

ロバーツを見ていると、蛯名武五郎という騎手を思い出す。

深く腰を入れて馬を押し出す感じと、騎乗の構えがよく似ている。何よりも、蛯名さんもまた、勝負に厳しい人だった。

彼とロバーツは勝負師である。ふたりに共通するのは、強烈にアグレッシブな姿。蛯名さんがレースに向かうとき、「勝ちたい、勝つんだ」と全身で叫んでいるように感じた。同じように、ロバーツからも身体からにじみ出ている精神がある。その精神を一言で言い表すとしたら「闘魂」という言葉がふさわしい。

何とか勝たせよう、という気持ちが騎乗している姿からあふれ出ているのだ。

気迫あふれる闘魂。そして、見た目にはわからないが、実は基本に忠実な技術を持っていることに加え、ロバーツには、生まれ故郷の南アフリカから英国に移り、世界中の競馬をムチ一本携えて渡り歩いた経験がある。その経験によって、彼は各国のレースに対応できる順応性を身につけているのだ。

最近は、体に衰えがきているのか、以前ほどの冴えを見せなくなっているのは寂しいが、いまでも、ロバーツは日本の騎手とは異質な、しかし、強靭な精神とスタイルを持っている騎手である。

(「口笛ふきながら」より)

Nohirayuuji

マイケル・ロバーツという名を聞くと、競馬が熱かったあの頃を思い出す。今の日本の競馬が冷え切っているとか、私が競馬に対する情熱を失ってしまったということでは決してない。それでも、ロバーツ騎手が日本に来て騎乗していた時代は、あらゆることが熱かった。東京であろうと、中山であろうと、競馬場に駆けつけては、人ごみをかき分けて自分の賭けた馬を応援した。どうしても競馬場に行けないときには、新宿のウインズで長蛇の列に並んで馬券を買い、アルタ前で大型テレビに釘付けになって声援を送った。そんな熱き競馬ファンの目に、ロバーツ騎手の闘魂はしかと焼きつけられた。

私にとって、最も記憶に鮮明に残っているロバーツ騎手のレースは、アドマイヤコジーンに騎乗して勝った1998年の朝日杯3歳Sである。アドマイヤコジーンの単勝に賭けていたということもあって、直線で武豊騎手が乗るエイシンキャメロンを競り落としたときには、声が枯れるほどにロバーツ騎手の名を連呼したのを覚えている。上体を起こして馬を追うロバーツ騎手のスタンディングスタイルと、馬の背に張り付くように馬を推進する武豊騎手のスタイルは実に対照的であった。私にとってロバーツ騎手のスタイルは新鮮に映り、こんな馬の追い方もあるのだと初めて知らされた。

それまでに私が見てきたのは、できるだけ鐙を短く踏んで、馬の背にピタリと上体を付けて、小さなアクションで流れるように馬を動かすアメリカンスタイルであった。祐ちゃん先生らによって取り入れられたアメリカンスタイルは、その騎乗フォームの美しさと競馬のスピード化と共に、もはや日本の競馬にとっても主流なスタイルとして継承されることになった。日本を代表する武豊騎手などは典型的なアメリカンスタイルであり、祐ちゃん先生が彼の騎乗フォームを絶賛してやまなかったのはここにも理由がある。美しいこと、ファンに魅せること、そして勝つことは祐ちゃん先生や武豊騎手らの一流ジョッキーにとっての使命であった。ムチ一本持って、海の向こうからやってきたロバーツ騎手は、こうした流れに一石を投じたのである。

自分たちが貫いてきたスタイルとは異なるものを感じたとき、人々には様々な反応がある。それを拒絶する者、否定する者、受け入れる者、そこから学ぼうとする者。どれが正しいということではなく、全体としてはレベルアップしていけるチャンスなのだ。祐ちゃん先生は、ロバーツ騎手のスタイルを指して、あか抜けない、自分が目指してきたそれとは異なるとはしながらも、馬を前に出すことに関しては卓越していると断じている。問題は見た目ではなく、中身なのだと。さらにはロバーツ騎手の勝負への厳しさを、自分になかったものとして自省しつつ、あるべき姿として賞賛しているのだ。祐ちゃん先生のジョッキーとしての矜持がそうさせるのだろう。

最近では、あの時代とは比べものにならないぐらい、海外や地方競馬からあらゆるバックグラウンドを持った騎手たちがやって来る。彼らは独特のスタイルを日本(中央)の競馬に持ち込み、進化させる。たとえば、園田競馬場から中央入りした岩田康誠騎手は最も分かりやすい例だろう。彼の出自である地方のダート競馬では、動かない馬をどれだけ動かすか、またバテた馬をどこまで粘らせるかという技術がジョッキーに問われる。そのため、どうしても彼らは強引と見えるほどの大きなアクションで馬を叱咤激励する。必要に迫られて、馬を御する技術や馬を動かすコツ、馬を追う肉体を、日々の実戦を通して築き上げるのだ。もちろん、全く同じスタイルでは中央の競馬では通用しないため、芝のレースや緩急のあるレースにも対応できるよう、自分を適応させながら進化していかなければならない。そうしていく中で、彼ら独特のスタイルがさらに磨き上げられてゆくのだ。それは美しくないとか、世界の主流ではないとか、馬主へのアピールしか考えていないとか、批判の対象になることは多いが、そこにどれだけの意味があろうか。彼らの騎乗フォームが美しくないとは思わないし、勝つことに対する厳しさを彼らからは感じることができる。そして実際に彼らは勝つのだから、問題は見た目ではなく、やはり中身なのである。

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