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NHKマイルCを当てるために知っておくべき3つのこと

Nhkmilec

■1■マイル以上のスタミナと完成度の高さが求められる
過去16年の優勝馬の前走距離と着順を見てみたい。

タイキフォーチュン→ 毎日杯(2000m)1着 
シーキングザパール→ ニュージーランドトロフィー(1400m)1着
エルコンドルパサー→ ニュージーランドトロフィー(1400m)1着
シンボリインディ→ マーガレットS(1600m)1着
イーグルカフェ→ ニュージーランドトロフィー(1600m)7着
クロフネ→ 毎日杯(2000m)1着
テレグノシス→ スプリングS(1800m)2着
ウインクリューガー→ 毎日杯(2000m)8着
キングカメハメハ→ 毎日杯(2000m)1着
ラインクラフト→ 桜花賞(1600m)1着
ロジック→ニュージーランドトロフィー(1600m)3着
ピンクカメオ→桜花賞(1600m)14着
ディープスカイ→毎日杯(1800m)1着
ジョーカプチーノ→ニュージーランドトロフィー(1600m)3着
ダノンシャンティ→毎日杯(1800m)1着
グランプリボス→ニュージーランドトロフィー(1600m)3着

シーキングザパールとエルコンドルパサー以外の馬は、前走で1600m以上のレースをステップにしている。そして、半数以上の馬は前走でも勝っているということが分かる。

最初に、ほとんどの勝ち馬が前走で1600m以上のレースをステップにしているのは、東京競馬場のマイル戦では、スピードだけではなくスタミナがないと勝ち切ることはできないからである。特にNHKマイルカップはハイペースになることが多く、最後のひと伸びができるスタミナや底力が問われることになる。

つまり、マイル戦がギリギリといったスピードタイプの馬ではなく、中距離を走り切ることのできるスタミナを兼ね備えていなくては、NHKマイルカップを制することは出来ない。例外的存在であるシーキングザパールにしてもエルコンドルパサーにしても、1600m以上の距離をこなせる十分なスタミナを兼備していた。このレースに出走してくる以上、どの馬も豊富なスピードを有しているのは当然と言えば当然で、最後に勝敗を分けるのはスタミナの有無なのである。

ほとんどの勝ち馬が前走でも勝っているのは、この時点での完成度の高さが勝ち馬に求められるからである。ポロポロと取りこぼしていたり、アッサリと負けてしまっていたりする馬では勝負にならない。G1レースである皐月賞、桜花賞組は別として、前走をキッチリと勝って臨んで来られないようでは、非常に高いレベルの要求されるこのレースでの好走は厳しい。

■2■ニュージーランドT組で展開が向かなかった馬が狙い
中山のマイル戦に条件変更されて以来、ニュージーランドトロフィーでの着順が、そのまま本番へと結びつかなくなっている。中山のマイル戦と府中のマイル戦ではあまりにも条件が違いすぎて、ニュージーランドトロフィーでの成績をそのまま信用することができないということである。これまでのパターンから述べると、イーグルカフェ、ロジックのようにコース適性の差で追い込み切れず負けてしまった馬、またジョーカプチーノのように前潰れのハイペースに巻き込まれた馬など、極端な展開が向かなかった馬に限っては、本番で巻き返せる可能性があると考えてよい。

■3■1200m戦→マイルのG1は×
東京競馬場の1600mという距離で行われるG1レース(NHKマイルカップ、安田記念、フェブラリーS)を考える上で、前走で1200mのレースを使っていた馬について触れなければならないだろう。たとえば、NHKマイルカップにおいては、前走がファルコンS(中京1200m)という馬が出走してくる。安田記念だと高松宮記念(中京1200m)がよくあるケースだ。このように1200m戦→マイルのG1というローテーションを踏んできた馬は、たとえ前走で好走していたとしても、本番においてはほぼ間違いなく凡走してしまう。

理由としては以下の2つが考えられる。

1)求められるスタミナの違い
2)道中の体感ペースの違い

つまり、1200mのレースとマイルのG1レースとでは、勝ち馬に求められるスタミナとレースでのペースが絶対的に異なる。

1)G1のようなレベルの高いレースを勝ち切るには、スピードだけではなく、最後のひと伸びができるスタミナや底力が問われることになる。1600mのG1レースを勝つには、1600m以上の距離を走り切ることができるだけのスタミナが必要とされるのである。そのため、1200m→1600mという距離にしてみればたった400mの違いであるが、その数字以上に、勝つために要求されるスタミナに開きがあるのである。

2)道中におけるペースが明らかに異なるため、体感ペース(ラップ)が違ってくる。1200mのレースでは、スタートしてから一息でスピードに任せて一気に走り切ってしまえばいいが、1600mのレース、特に東京のマイルでは、道中でタメの利いた走りをしなければ最後の坂で脚が上がってしまう。1200m戦を使った馬は、一気に走り切ろうとするラップを体が記憶してしまい、次のレースでもそういった走りをしてしまうのである。馬の感覚としては、1200m戦のつもりで思いきって飛ばしていると、実は1200m地点でゴールではなく、あと400mの直線が目の前に広がっていたというイメージが分かりやすいだろう。いくら騎手に叱咤激励されても、そこからラストスパートするだけのスタミナや気力はすでに残っていないのである。

このように、1200m戦→1600mのG1(特に東京競馬場でのマイルG1)というローテーションは、あまりにもレースの質や条件が違うために、馬が戸惑い、その力を発揮することなく凡走してしまうことになる。

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オルフェーヴルの光と影(その後)

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オルフェーヴルが走るのをやめて逸走した阪神大賞典からおよそ1ヶ月が経ち、競馬ファンの興味はオルフェーヴルが春の天皇賞でどのようなレースをするかに移ってきている。それは当然のことであり、今さら過去をほじくり返しても仕方ないのだが、あの事件の真相が掴めていないまま天皇賞春におけるオルフェーヴルの走りを占うのも何だか気持ちが悪い。せっかくの機会なので、今一度、阪神大賞典におけるオルフェーヴルの逸走について考えてみたい。

まずあの一件について、競馬ジャーナリストや競馬ファンがそれぞれの見解を抱いていたことに驚いた。同じレースを見ても、これだけ解釈が違うものかと改めて知らされたのだ。オルフェーヴルの逸走は池添謙一騎手の油断が原因とするものや、坂路コースでばかりトレーニングをしている環境に理由を求めるものなど様々であった。中には、オルフェーヴルは騎手の指示に従って止まっただけという奇想天外なものもあった。そして、それらおおよそは、オルフェーヴルではなく人間側に非を認めよという向きであった。オルフェーヴルは悪くない、人間が傲慢なのだという。

果たしてそうだろうか。そもそも、池添騎手がオルフェーヴルを外に導いたのは、ナムラクレセントと馬体を併せたくなかったからである。折り合いを欠く馬は他馬と馬体を併せてしまうと余計に引っ掛かるので、他馬(または馬群)から離すのは常套手段である。1頭にして気持ちを落ち着けた後に馬群に戻すという形で折り合いをつけるのだ。手綱を強く引いても前へ前へと突っ走ろうとするオルフェーヴルを、池添騎手が外に導いたのは当然の行為であり、決して操縦ミスはない。

それでも2周目の3コーナー付近で逸走してしまったのは、オルフェーヴルが制御不能な状態になっていたこと、そして、限定的に言うと、馬が先頭に立って1頭になってしまったからである。この状況になって、オルフェーヴルはレースが終わったと勘違いをしてしまったのだろう。しかし、横を見るとレースが終わっていないことを知り、再びレースに戻った。これら一連の現象をオルフェーヴルの闘争心と見る向きもあったが、そうではない。オルフェーヴルが馬群に戻ったのは、本来は集団で生活をする馬としての本能、心細いから馬群に戻りたいという本能である。そう考えると、オルフェーヴルが1頭になってしまうと悪さをするのは、気性の悪さというよりは、ある種のパニックに陥っているからなのかもしれない。

馬が制御不能な状態になっていたことに関しては、それまでのオルフェーヴルの臨戦課程に原因はあるだろう。「オルフェーヴルの光と影」に書いたように、3冠を達成した2ヶ月後に有馬記念で古馬を捲くったのだから、肉体的にも精神的にも疲れが出ないわけがない。引っ掛かることと逸走することはつながっていて、その根底には、苦しいレースから早く逃げたいという競走馬の切実な気持ちがある。オルフェーヴルの場合は逃げたいまで至っていなかったかもしれないが、阪神大賞典での耳の動き(ずっと立って前を向いている)を見ても、レースに全く集中できていなかったことが分かる。これまでに累積したあらゆる目に見えない疲れが、そういう形で表面化したのだ。馬の気持ちに沿って考えると、そういうことになる。

それでは、オルフェーヴルは春の天皇賞でどうなるのか。オルフェーヴルの体力は回復したのか、もしくは走る気持ちが戻ってきているのか、正直に言うと分からない。前走で無理や我慢をしなかったことでガス抜きができたと信じたいが、もしかすると、それはこちらの一方的な想いであって、オルフェーヴルはまだ走りたくないと思っているかもしれない。もしそうであるとすれば、また制御不能な状態に陥ってしまう可能性も十分にある。460kgもある馬のハンドルが利かなくなれば、もはや人間にできることは少ない。人間が馬の全てをコントロールできると考えること自体が人間の傲慢なのだ。それでも、レースで手綱を任されるジョッキーにできる唯一のことは、オルフェーヴルをひとりにしないということだろう。先頭に立たせない、馬群から離さない。これだけを念頭に置いて、あとはオルフェーヴルの生命力を信じて乗るしかない。

Photo by mkoichi

関連エントリ
「ガラスの競馬場」:オルフェーヴルの光と影」

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京都芝3200m

Kyoto3200t

天皇賞春の専用コース。スタートしてから第1コーナーまでの距離は417mと長く、しかも緩やかな上りになっているため、無謀な先行争いはほとんどない。1週目は、ゆっくりと3コーナーを頂上とする坂を上って下りる。そして、スタンド前では馬を落ち着かせて、折り合いをつけることに専念する。もしスタンド前直線のペースが速くなった場合は、向こう正面が遅くなり、スタンド前直線のペースが遅くなった場合は、向こう正面が速くなる。ペース配分が重要になってくるため、騎手の腕の差が如実に表れるコースである。

菊花賞が行われる京都3000mとは距離的には200mしか違わないが、菊花賞がAコース(幅員35m)で行われるのに対し、天皇賞春はDコース(幅員25m)で行われる(今年はCコース)。そのため、天皇賞春の方が4コーナーの回りがややきつくなり、差し馬は外を回さざるを得ない。よって、菊花賞に比べ、天皇賞春は逃げ・先行馬がペース次第では逃げ残ってしまい、人気の差し馬が届かないことが生じる。

道中のどこかで一旦息を入れることになるため、坂を下りながらのラストの800mのラップは速く、上がりの競馬になりやすい。それでも実質的には3200mを走るのであって、やはりスタミナがないと勝ち切ることはできない。瞬発力とスタミナの両方を兼ね備えていないと苦しい、紛れの少ない、実力が反映されやすいコースである。

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少なくとも最後まで歩かなかった

Jiromaru

私は決して駆けっこが速い方ではなかったのですが、長距離走は嫌いではありませんでした。どちらかというと、好きな部類に入るはずです。走り出した時のあの身体に力が漲る感じが好きだし、苦しくなって、もうダメだと思って、それでもまだまだと自分を奮い立たせる感じも好きです。滅多に味わうことができないランナーズハイも好き。そして何よりも、走っている時のひとりぼっちで考える時間が好きなのでしょう。たぶん、走ることが私のメンタリティに合っているのだと思います。

長距離走ということで思い出すのは、高校生のときのマラソン大会です。どこかの大きな航空公園に集まって、男子はたしか5kmを走りました。受験が終わって直後のことでしたので、鈍っていた身体がラスト1kmぐらいから急に重くなってきました。それでも気持ちで身体を前に動かしながら走っていると、この先ゴール→と書かれた看板が曲がり角に立っていました。助かったと思いながら、そのコーナーを曲がると、ゴールまで気の遠くなるような直線が伸びていたのです。ゆうに京都競馬場の最後の直線ぐらいはあるのではと思わせる長さでした。愕然として、急に身体から力が抜けていくのを私は感じました。少なくとも最後まで歩かなかったのですが、長距離走がいかにメンタルと直結しているか、身を持って知った出来事でした。長距離走で最後に問われるのは、精神力というか、執念のようなものですね。

さて、今でも天皇賞春は最高峰のレースだと信じています。たとえ時代遅れと言われようと、京都の3200mで行われる天皇賞春を勝つことの出来る馬こそが、その時代における真の名馬に相応しいと思うのです。スピードは当然として、それを持続させる無尽蔵なスタミナ、道中で騎手の指示に素直に従える賢さ、馬群の中で我慢できる精神的な強さなど、このレースを勝つためにはあらゆる要素が求められるからです。

その天皇賞春を2度も勝った馬がいます。メジロマックイーンとライスシャワーです。そして、この最高にして最強のステイヤー2頭が、死力を尽くして闘った伝説の天皇賞春があります。1993年の天皇賞春です。天皇賞春3連覇のかかるメジロマックイーンは、休み明けの産経大阪杯をレコードで勝利し、1.6倍の圧倒的な1番人気に支持されていました。そんなメジロマックイーンに、真っ向から立ちはだかったのがライスシャワーでした。

このレースに臨むライスシャワーの最終追い切りは、今でも鮮明に覚えています。レースでも手綱をとる的場均ジョッキーを背に乗せての調教でした。的場騎手はゴールを過ぎても1発、2発、3発とムチを入れ続けました。見ているこっちが心配してしまうほどのハードな調教でした。これは後から聞いた話ですが、的場均騎手にとっても一か八かの賭けだったそうです。ピークかそれとも疲労か。しかし、極限の状態に仕上げなければ、メジロマックイーンを負かすことは出来ないと思っていたからこその賭けでした。

的場均騎手の賭けは、見事、成功を収めました。スタートからピッタリとメジロマックイーンをマークしたライスシャワーは、直線に向くや、あっさりと抜け出して、先頭でゴールしました。あのメジロマックイーンでさえ、全く抵抗できないほどの強さを見せ付けての完勝でした。この時のライスシャワーには、まさに馬が唸っているという表現がピッタリでした。前の年にミホノブルボンの3冠を阻止したことも重なって、この頃から、「黒い刺客」や「マーク屋」という異名が定着しました。

私にとってのステイヤーといえば、ライスシャワーをおいて他にいません。ライスシャワーには、ステイヤーとは如何なるものかということを教えてもらいました。「ステイヤーはいきなり休み明けから走らず、叩かれつつ体調が上向いて行き、ピークの調子が長続きする」、「マラソン選手に線の細い選手が多いように、ステイヤーも小柄な馬が多く、極限の状態に絞り込まれてこそ真価を発揮する」、「ステイヤーは決して調教で速い時計を出さない」、「ステイヤーは我慢強い」。ライスシャワーを語ると、それはすなわちステイヤーを語ることになるのです。

「もちろん、ステイヤーとしての血も素晴らしいんだけれど、それ以上にあの馬は執念を持っているんですよ。あの馬に対しては、スタッフみんなも執念を持って携わっている。それが馬に伝わっている。周りのスタッフの雰囲気をライスシャワーは感じてくれるだけの馬だった。そういう感性の強い馬だったってことです」

主戦の的場均騎手はライスシャワーをこう評しました。ミホノブルボンを倒した菊花賞、メジロマックイーンに土を付けた天皇賞春、それからちょうど2年後の奇跡の復活を見ても、ライスシャワーは執念の馬だったことが分かります。周りの人々の気持ちを感じ取り、その期待に応えたいという執念。「ステイヤーは執念を持っている」。私の競馬辞典におけるステイヤーの頁に、もうひとつ新たな定義を追加しておこうと思います。今年の天皇賞春、勝つことに対する執念を最も持っているのは、果たしてどの馬でしょうか。

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「ガラスの競馬場」メルマガvol.3を配信しました。

昨日、「ガラスの競馬場」メルマガvol.3を配信しました。もし届いていない方がいらっしゃいましたら教えてください。今回は「逃げ馬は最強である」というテーマで書いてみました。私が競馬を始めた頃は、メジロパーマーやツインターボといった個性的な逃げ馬がいましたが、最近はあまり目立たなくなりましたね。逃げ馬がなぜ最強なのか、そして、逃げ馬をどうやって狙ってゆくべきなのか、興味がある方はぜひ無料体験版にてお読みください。

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天皇賞春を当てるために知っておくべき3つのこと

Haruten

■1■真の名馬と真の調教師、そして真の騎手が一体となって
真の王者を目指し、古馬が集結する春の天皇賞。数々の名勝負が演じられ、過去の勝ち馬には歴戦の名馬が名を連ねる。淀の3200mという舞台で勝利するためには、真の実力を持っていなければならない。「スタミナ」はもちろんのこと、高速馬場に対応できる「スピード」、「瞬発力」、そして、「スローペースに折り合える精神力」を備えていることが求められる。このうちのどれか1つでも欠いては、天皇賞春のタイトルを手にすることはできない。もちろん、先天的な資質だけで全てを兼ね備えている馬は滅多にいないので、足りない部分は調教師によって補われる必要も出てくるだろう。

また、長距離戦であるため、騎手の腕も問われる。道中の駆け引き、ペース判断、仕掛けのタイミングまで、騎手がコントロールしなければならない(することができる)要素が多く、騎手の腕の差がレースの明暗を分けてしまうこともある。過去の勝利騎手を見てもらえれば分かるように、いずれも名手と呼ばれるのにふさわしい騎手たちである。

つまり、天皇賞春は「真の名馬と真の調教師、そして真の騎手が一体となって」、初めて勝利することができるレースである。

■2■ステイヤーはピークが長い
ステップレースである阪神大賞典での1着馬と2着馬の、天皇賞春での成績を比較してみると明確な傾向が見て取れる。

阪神大賞典1着馬の天皇賞春での成績【6・0・4・5】
阪神大賞典2着馬の天皇賞春での成績【0・3・1・9】

以下の2点が導き出せるだろう。

1)阪神大賞典での勝ち馬は、本番である天皇賞春の勝ち馬と結びつきが非常に強い
2)阪神大賞典の2着馬が、本番で逆転する(巻き返す)ことは難しい

なぜこのような現象が起こるかというと、「ステイヤーのピークは長い」からである。

ステイヤーはピークの期間が比較的長いため、阪神大賞典での体調を天皇賞春でも維持することができるのである。阪神大賞典を勝った実力馬のピークが続いている以上、力負けしてしまった馬にとって逆転することは難しく、他の路線から余程の有力馬が出て来ない限り、阪神大賞典を勝った馬は本番の天皇賞春をも制する可能性が高いということになる。

■3■極限の仕上がりが求められる
天皇賞春は3200mという距離ゆえに最も苛酷なレースであり、勝つためには極限の仕上がりが求められる。ギリギリまで絞り込むぐらいの調教を施されたピークの状態において、自身の能力を100%発揮することができなければ勝つことはできない。直前の追い切りをさらっと済ませてしまっているような馬では、3200mの長丁場を乗り切ることができるのかどうか不安が残る。もちろん、休み明けの馬にとっても厳しいレースとなるだろう。

■参考として
1、前2走のいずれかで2500m以上のレースを走っていないと×
2、マイネルキッツ、ジャガーメイルを除くと、過去10年間で全ての勝ち馬は4、5歳馬
3、前走成績は5着以内が望ましい

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柔らかな筋肉が身を覆っているフィフスペトル:5つ☆

■フローラS
チェリーメドゥーサ →馬体を見る
この時期の牝馬にしては、力強さもあり、かつ全体のバランスも良い。
表情から幼さを感じるが、スムーズにレースができれば好走を期待できる。
Pad4star

チャーチクワイア →馬体を見る
筋肉の質が強く、パワーに溢れた力強い立ち姿を見せている。
毛艶も良く、筋肉にメリハリもあり、絶好調と言っても過言ではない。
Pad4star

ヘレナモルフォ →馬体を見る
筋肉のメリハリに乏しい、現状ではまだ幼さを残している馬体。
気性は素直そうなので、レースでスムーズに走られればチャンスはある。
Pad2star

ミッドサマーフェア →馬体を見る
タニノギムレット産駒らしく、脚が短く、重心が低いため、距離はマイルがベストか。
毛艶は良く、ふっくらと映って、この馬なりに調子の良さを維持している。
Pad3star

ラシンティランテ →馬体を見る
2歳時の馬体がしっかりとして映ったように、ここに来て調子を落とているのか。
気性的にも難しいところがあるし、線の細さを感じさせる。
Pad2star

レッドマーキュリー馬体を見る
牝馬らしからぬしっかりとした骨格を誇り、柔らかい筋肉がついている。
ただ欲を言えば、トモの実の入りと全体のバランスが物足りない。
Pad3star

■マイラーズC
エイシンアポロン →馬体を見る
いかにも休み明けといった、もうひと絞りがほしい仕上がりにある。
顔つきからは気持ちは安定している馬なので、持てる力は出し切れるはず。
Pad3star

グランプリボス →馬体を見る
若駒の時は全体のバランスが悪く、筋肉のメリハリに乏しい幼さを感じる馬体であった。
ここに来て、馬体が成長して、ようやく古馬のような体つきになってきた。
Pad3star

コスモセンサー →馬体を見る
力強さはあるが、ゴツゴツしているように映り、もう少し筋肉に柔らか味がほしい。
もうひと絞りできれば、筋肉にメリハリがついて、素晴らしい馬体になる。
Pad3star

シルポート →馬体を見る
あか抜けない馬体ではあるが、逆に言うと、馬体的な悪い特徴はない。
前後駆ともに筋肉がしっかりと入って、力強さに満ちている。
Pad3star

ダノンヨーヨー →馬体を見る
前後駆に実が入って、筋肉にメリハリもあり、立派な立ち姿である。
脚も長く、フットワークも大きいので、京都のマイル戦がベストか。
Pad4star

トーセンレーヴ →馬体を見る
前駆にたっぷりと筋肉がついて、いかにも力強そうな馬体を誇っている。
兄弟は中距離馬ではあるが、この馬はマイル戦でこそ。
Pad3star

フィフスペトル →馬体を見る
前後駆にバランス良く実が入っていて、柔らかな筋肉が身を覆っている。
コロンと映る寸詰まりの馬体だけに、マイルの距離がベストか。
Pad5star

リアルインパクト →馬体を見る
絶好調だった時期に比べると、どうしても全体的に物足りなさを感じてしまう。
前駆はきっちりと筋肉がついているが、トモには少し不安が残る。
Pad4star


Milerscup2012wt

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集中連載:「ダート競馬の楽しみ」第6回

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ダート馬と芝馬の特徴には大きな違いがあるが、ダート馬の特徴を持っているからダートのレースへ、芝馬だから芝のレースへという単純なことではない。特に、ダートのレースに出走する馬には、その時々の事情があることが多い。たとえば、本当は芝でこその馬なのだが、脚元に不安があったり、体が出来上がっていなかったりして、当面はダートを使うという馬もいるということである。

マヤノトップガンは新馬戦から7戦目までをダートのレースに出走した。のちに菊花賞を制し、天皇賞馬に登り詰めた馬が、ダートの1200m戦を6回も走ったのである。なぜそこまでマヤノトップガンがダートにこだわったのかというと、ダートに向いていると思われていたからではなく、脚部にソエの症状が見られていたからである。陣営が大事をとってダートのレースを走らせていたわけだが、やはり勝ち上がるのに4戦を要してしまった。しかし、もしあの時点で芝を使っていたとしたら、マヤノトップガンの力を発揮できるようになる前に怪我をしたり、もしかするとターフを去らなくてはならないようなアクシデントに見舞われていたかもしれない。結局、ダートでは7戦して2勝しかできなかったが、その後の芝での活躍の礎となった時期であることは間違いない。

マヤノトップガンように、たとえダート戦を走っていてもダート馬ではない馬もいることに注意したい。こういった馬は、脚元が固まったり、もしくは体が出来上がったりして、芝のレースに出走してきたときこそが狙い目である。ダート馬だと思いきや、芝のレースに路線変更した途端、まるで別馬のように走り出す馬もいる。そういった馬を見出すためにも、「走法」と「体型」、「気性」というダート馬と芝馬の特徴の違いを知っておくべきなのである。

反対に、今は芝を走っているけれど実はダート馬ということもある。よほどのダート血統でなければ、馬主も調教師もまずは芝のレースを使ってみようと考えるため、このようなケースが起こりえる。たとえばアンタレスSを連覇したゴルトブリッツは、デビューから7戦は全て芝のレースに出走した。結果、1勝もすることができずに地方競馬に移籍となり、そこで2戦2勝するや(しかも圧勝)、ダートでの素質が見出され、中央競馬へと再入厩となった。厩舎が変わったたこともゴルトブリッツの成功の要因のひとつであることは確かだが、何よりもダートがこの馬には合っていたということである。血統的に見ると、父スペシャルウィークかつディープインパクトの近親でもあり、芝でこそと考えるのは自然であろう。それでも走ってみると実はダートの鬼であった。ゴルトブリッツの場合は、偶然にも地方競馬で走ったことが幸運を呼んだのだろうが、芝のスピードについて行けない、もしくはラストの切れ味に欠けるからダートを使うという理由でダートを走ってみたら、実は大化けしたという例は枚挙に暇がない。

この馬は今ダートを走っているけど実は芝の方が向いている、または今は芝を走っているけどダートで走ったら相当に強いだろうな等、想像を膨らませながらレースを観るのも競馬の楽しみのひとつである。

(第7回へ続く→)

Photo by mkoichi

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Sampleimg02■「ガラスの競馬場」メールマガジン
定価:840円(月額、1配信あたり210円)
発行周期:毎週月曜日
発行形式:PC・携帯向け/テキスト形式
主な内容:
①「レーシングスタディ」
前週に行われた重賞レースをテキストとして、あるテーマを取り上げて論じていきます。これまで取り上げたテーマとしては、たとえば、「馬には第6感がある」、「逃げ馬は最強である」、「展開を読む騎手」、「競馬場のカラクリ」など、ただ単に馬券につながるだけではなく、競馬のスポーツやゲームとしての側面を深く掘り下げて書いていきたいと思います。

②「ガラスのパドック」
今週行なわれる重賞出走馬の馬体を立ち写真から分析・評価します。メルマガへの移行に伴い、各馬の馬体をより細かく評価することにしました。ブログの時は、4つ☆と5つ☆の間の馬体を評価できなかったことに悔しさを感じていたので、+という表記を使って、最高に近い馬体を☆☆☆☆+で評価しています。

③140字編集後記及びQ&A
ここはフリースペースとして、今週の重賞の見どころを語ることもありますし、読者からの質問に答えることもありますし、私のプライベートを書くこともあるかもしれません。たとえば東京8Rについてどう思いますか?といった質問にも140字以内でお答えします(笑)。

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追伸
私の都合で大変申し訳ないのですが、7月15日(日曜日)までを締め切りとさせていただきます
メールの不達を防ぐために、全て私が直接メールを送っている関係上、あまり多くの読者には配信できないことが最近分かってきました(汗)。そろそろ私の限界を超えてきているので、今回を限りにメールマガジンの申し込み受付はしばらくやめておきます。もしかすると、今年最後のチャンスになってしまうかもしれませんので、この機会にぜひご登録ください。

 

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競馬はやってみなければ分からない

Satuki2012 by Ruby
皐月賞2012-観戦記-
春の中山開催は雨にたたられることが多く、また前日の降雨の影響もあり、馬場の内側の傷みが目立つ状態で皐月賞を迎えることになった。内から先頭に立ったメイショウカドマツを外からゼロスが追いかける形でレースは幕を開け、道中は2頭による逃げ争いが繰り広げられた。重に近いやや重馬場にもかかわらず、前半59秒1という超ハイペース。馬群は縦長になり、前日から外からの差しが多く決まっていたこともあって、各馬は馬場の傷んだ内側を避けて外々を回った。内を通ったら伸びないというのが騎手たちの共通認識だったように思える。

そんな中、1組の人馬だけが内に進路を取り、道中は最後方、直線の入り口ではあっという間に先頭に立った。ゴールドシップと内田博幸騎手である。ゴールドシップはワールドエースの追撃を尻目に、そのまま後続に2馬身半の差をつけて、クラシック第1冠を制してみせた。共同通信杯からという珍しいローテーションではあったが、マイナス8kgと馬体も絞れていたように、仕上がりが良かったことも勝因のひとつである。もちろん、前年の3冠馬オルフェーヴルと同じ、ステイゴールド×メジロマックイーンという血統構成も見逃せないところである。ステイゴールドの気性の荒さをメジロマックイーンの寛容さが受けとめているということだ。府中の2400mに舞台が変わってむしろプラスになる馬であり、2走ボケさえなければ、日本ダービーも勝ち負けになる。

内田博幸騎手のコース取りも見事であった。スタートが切られる前から内を狙っていたのではなく、道中のペースも速く、ゴールドシップが置かれ気味となり、向こう正面で腹を括ったのだろう。このまま馬群を追い駆けても外を回らされることは必至で、ここは思い切って誰も通らない内側に進路を切り替えようと。内を走ることも想定していただろうが、レースの流れの中での勝つための一瞬の決断であったはず。集団心理が働く中で、競馬はやってみなければ分からないと我が道を突き進んだ騎乗ぶりは、内田博幸騎手ならでは。これで名実ともに完全復活となった。

ワールドエースはスタート直後に躓いてしまい、後方からのレースを余儀なくされた。まるで父ディープインパクトの皐月賞のよう。それでも福永祐一騎手は慌てることなく、どれだけ先頭から離されようとも、ワールドエースの競馬に徹していた。とてつもなく外を回らされることになったが、人気を背負っていたことを考えると、良く言えばソツのない騎乗ぶりであった。そして何よりも、あらゆる悪条件を乗り越えたことで、ワールドエースの真の強さが示された。ディープインパクト産駒のエースが、日本ダービーの栄冠に王手をかけた。

同じくディープインパクト産駒のディープブリランテはレースに行くと引っ掛かってしまう癖があり、今回も力んで前を追い駆けてしまった。それでも3着に粘ったあたりに、この馬の非凡な能力を感じる。力をセーブして走ることができれば、大きなタイトルに手が届く馬ではあるが、現状の馬の若さを考えるとすぐには難しい。これは他のディープインパクト産駒に当てはまることでもあるが、決して重い馬場が苦手なわけではないが、やはり良馬場でこそ真価を発揮することができる。

1番人気に推されたグランデッツァは結果的に大外枠が仇となった。馬体もさらに絞れて、パドックでは落ち着いて周回していたように、仕上がりは申し分なかった。それでも、ここまで外々を回されてしまっては、さすがにラストは脚が残っていなかった。2000m以上のスタミナが問われたレースでもあり、正直に言うと、アグネスタキオンの最高傑作という評価と日本ダービーでの巻き返しにも疑問が残る結末となった。

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余分な肉が削ぎ落とされたアーデント:5つ☆

■皐月賞2012
アダムスピーク →馬体を見る
やや線の細さが残っているが、手脚が長く理想的なシルエットを誇っている。
あとは前走で全く競馬をさせてもらえなかった精神的な影響がどう出るか。
Pad4star

アーデント →馬体を見る
前走まではコロンとして、筋肉のメリハリにも欠けた馬体だったが、今回は違う。
黒く見えるほど毛艶も良く、余分な肉が削ぎ落とされて力強さがアップした。
Pad5star

グランデッツァ →馬体を見る
前走の方が筋肉に瑞々しさがあったが、全体的な力感は変わらず素晴らしい。
全体のバランスも良く、伸びのある馬体はいかにもアグネスタキオン産駒らしい。
Pad4star

コスモオオゾラ →馬体を見る
以前から馬体面では注目していた馬だが、依然理想的なシルエットを誇る。
相変わらず毛艶も良く、決して重馬場が専門の馬とは思えない軽さもある。
Pad4star

ゴールドシップ →馬体を見る
各パーツには伸びやかさもあり、リラックスかつ力感に溢れる立ち姿は印象的。
休み明けとは思えないスッキリした馬体で、いきなりでも力を出せるはず。
Pad4star

ディープブリランテ馬体を見る
幼さの残る馬体で走ってきたが、ようやく馬体面での成長が追いついてきた。
まだ絞れる馬体ではあるが、これまでと比べると大きく変わってきた。
Pad4star

トリップ →馬体を見る
いかにもスピードとパワーがありそうな馬体で、重馬場も苦にしないだろう。
気の強さも表情から伺え、競り合いになれば凡走はしないだろう。
Pad3star

ベールドインパクト →馬体を見る
力感に溢れる堂々とした立ち姿で、少々の重い馬場は全く気にしないはず。
手脚が長く、キ甲も抜けてきて、ここに来て大きく成長を見せている。
Pad4star

マイネルロブスト →馬体を見る
やや重心が低いが、胴部にはゆとりがあり距離は2000mまでならもつ。
もう少し力強さが出てくれば万々歳なのだが、現時点ではパワー不足の感がある。
Pad3star

メイショウカドマツ →馬体を見る
ダイワメジャー産駒らしい、前後駆にしっかりと筋肉のついたスピード馬である。
首の高いところがあり、道悪は歓迎なので、他馬が苦にする分チャンスはある。
Pad3star

ワールドエース →馬体を見る
父もあまり良く見せる馬ではなかったが、この馬も同じタイプか。
まだ全身に筋肉が付き切っていない感じはあるが、そこを素質の高さでどうするか。
Pad3star

Satuki2012wt

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グランデッツァはアグネスタキオンの最高傑作か

Grandetta_2 by Scrap

ゴムまりのような筋肉を豊富にまとったグランデッツァ。前哨戦のスプリングSでは、坂を登り切ってからも真っ直ぐに伸びたように、ようやく本来の力強さを発揮することができた。ラジオNIKKEI杯は中間の調整不足と外を回らされたことが主な敗因だが、スプリングSは馬体もきっちりと仕上がり力を出せる仕上がりにあった。フラワーCを勝ったオメガハートランドもそうであるように、アグネスタキオン産駒は前肢のかき込みが強い馬が多く、走法的には重馬場を苦にしない。もちろん良馬場が悪いはずもなく、つまり馬場不問ということである。中山の1800mを勝ったということは、潜在的なスタミナを有していることを示しており、皐月賞で200m距離が延びてもビクともしない。

「レース前はネオユニヴァースやダイワメジャーに比べると、もう少し様子を見たいなと思っていたが、きょうは強かった。本番でも自信がありますよ」

勝利騎手インタビューにて、過去に自身が騎乗して皐月賞を制したネオユニヴァースとダイワメジャーの2頭を引き合いに出しつつ、ミルコ・デムーロ騎手はグランデッツァの強さを語った。さらに本番の皐月賞に向けて、「自信がある」と半ば勝利宣言とも取れる発言。そして、生産者の吉田照哉氏もグランデッツァを「アグネスタキオンの最高傑作」と称している。デムーロ騎手や吉田照哉氏のコメントは、果たしてリップサービスなのだろうか、それとも本音なのだろうか。

結論から言うと、順調に行けば、グランデッツァが皐月賞を勝つ確率はかなり高い。スプリングSのレース振りを見ても、皐月賞馬に求められる「器用さ」と「スピード」を兼備していることが分かる。昔から「皐月賞は速い馬が勝つ」と言われてきたが、実はスピードだけでは勝つことはできない。スピードに加え、スッと先手を取って、レースの主導権を握ることができる器用さも求められる。そこに加えて「スタミナ」の裏づけがあるからこそ、デムーロ騎手は十分な手応えを感じたのだろう。

アグネスタキオンの最高傑作という評価については、現時点では何とも言えないというのが正直なところである。牡馬牝馬問わずということであれば、ダイワスカーレットで間違いないが、牡馬もしくは種牡馬としてという意味を含むのであれば、ディープスカイやキャプテントゥーレを超える可能性は十分にあると思う。馬体だけを見れば、これらの2頭よりも好素材であるといえる。あとはこれから先の成長力にかかっているということであり、距離が2400mに延びた日本ダービーが試金石となり、古馬になって完成されてから真価は問われるはず。つまり、皐月賞はグランデッツァにとって通過点にすぎないということだ。

とここまで書いたところ、皐月賞の枠順が発表されて驚いた。グランデッツァがまさかの大外枠を引いてしまったのだ。大外枠でなければ確勝のはずだったのに、何という運命のいたずらだろうか。皐月賞の大外枠といえば、1993年の皐月賞でビワハヤヒデが思い出される。18頭中の18番を引き、完璧な立ち回りをしたにもかかわらず、最後の最後にナリタタイシンに差し切られてしまった。レース後に、鞍上の岡部幸雄騎手が敗因を大外枠に求めていたことを私ははっきりと記憶している。あのビワハヤヒデでさえ、皐月賞の大外枠は克服できなかったのである。グランデッツァがアグネスタキオンの最高傑作となるためには、まずは皐月賞の試練を乗り越えなければならないのだ。

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中山芝2000m

Nakayama2000t1

スタンド前の直線からのスタートとなり、第1コーナーまでの距離は405mとやや長め。スタート後150mぐらいの地点から上りにかかり、1~2コーナーの中間まできつい傾斜は続く。そのため、前半はそれほど速いペースにはならない。さらに、2コーナーから向こう正面まではなだらかな下りで、3コーナーからは坂下にかけて急に下る。その勢いをつけて最後の直線の坂を駆け上がるため、先行した馬も容易には止まらず、後ろから行った馬は苦戦を強いられる。

かといって、スピードだけで押し切れるわけではない。皐月賞は開催最終日に行われるため、ある程度馬場が柔らかく力の要る状態になっていることが多く、スタミナとパワーの支えがない馬は、最後の直線で脱落してしまうことになる。

勝負どころの3~4コーナーは、典型的なスパイラルカーブで、後ろから差を詰めるのが難しい。また、ぎゅうぎゅうの団子状態で回ることになるため、下手をすると内で揉まれ込んでしまう馬も出てきたり、外を回された馬はかなりの距離ロスを強いられる。

このように、基本的には内を通った先行馬に有利なコースであるが、小回りのコーナーを4つも回るという設定のため、かなりの紛れが生じるのも事実である。騎手の技量が問われるコースとも言える

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ディープインパクト産駒の成長力


桜花賞2012-観戦記-
大外からアラフネが先頭に立ち、エイシンキンチェム、マイネエポナと続き、前半800mが47秒1、後半が47秒5という全体としてはほぼ平均ペースで流れた。やや力を要する馬場であったが、道中で心配されたごちゃつきもなく、実力のある人気馬がそのまま来たことになる。唯一、後方から大外を回したジョワドヴィーヴルだけが、伸びきれずに掲示板を外してしまうという結果となった。

ジェンティルドンナは、中団を追走して、最後は岩田康誠騎手の叱咤激励に応えて、見事に桜花賞馬の栄冠を手にした。前走のチューリップ賞は、熱発のため急仕上げで力を発揮できなかったが、1度使われたことで体調が大きくアップしていた。道中は馬群の中での競馬だったが、前走で馬込みを経験していたことも今回のレースに生きた。元々、この時期の牝馬としては立派な馬体の造りをしている馬が、さらに磨きこまれていたのだから、陣営も自信があったのではないか。マイルチャンピオンシップを勝った、同じ厩舎の先輩ブルーメンブラッドに似ている。ということは、絶対能力が高いだけに凡走はしないだろうが、距離延長は決してプラスではなく、オークスに向けて視界良好というわけではないことは明記しておく。

最終追い切りに跨った岩田騎手も相当に手応えを掴んでいたのだろう。勝った直後のガッツポーズは考えていなければできないもので、考えていたイメージどおりの騎乗ができたに違いない。それにしても、道中は冷静に馬を抑えて脚をため、勝負所から直線に入って馬を動かす技術は卓越している。静から動へ。大レースになればなるほど、岩田騎手の技術力の確かさと勝負強さが生きてくる。ゴール前の岩田騎手と内田博幸騎手とピンナ騎手の追い比べは見どころがあった。これら騎手の名前を見ても、ジョッキーがどれだけ競馬の着順に影響を与えるのか分かるだろう。

ヴィルシーナは惜しくも2着に敗れたが、この馬の成長力と潜在能力の高さを示した一戦となった。道中はスッと先行してレースの流れに乗り、最後まで伸びてみせた。これはジェンティルドンナにも言えることだが、クラシック直前におけるディープインパクト産駒の成長力は凄い。昨年のマルセリーナもそうだったように、3歳時にあまり無理して使われていなかった産駒が、クラシック本番を前にした春にグッと力をつけてくる。この先は未知数ではあるが、今年のディープインパクト産駒には昨年以上の期待をしてよいだろう。内田博幸騎手も完璧に乗って完全復活をアピールした。

アイアムユアーズにとっては若干距離が長かったようだ。前走のフィリーズレビューとは全く違う流れに戸惑うことなく、レースの流れにも乗れていたが、最後はスタミナの差が出てしまった。マイルまでは克服できる馬ではあるが、やはり距離は短い方が良い。オークスではなく、NHKマイルCに行くべきだし、その先はスプリント路線を歩んでほしい。

1番人気を裏切る形となったジョワドヴィーヴルは、直線で外に逃げるようにして苦しがって伸びを欠いた。前走よりも走れる体になっていたし、気合の乗りも良かったが、馬格から来るパワーがない分、今日のような力の要る馬場は厳しかったのだろう。勝ったジェンティルドンナとの違いはパワーの差であった。後ろから行くのはこの馬の型であるし、ポジションも決して悪くなかった。ゲート入り直前にボロをするという不可解な行動もあったが、主な敗因は馬場に求めたほうがよい。本質的には距離が延びてこそのタイプで、オークスに向けては馬体的な成長がほしい。まだ決着はついておらず、巻き返しは十分に可能だろう。

追伸
昨日の夜、「ガラスの競馬場」メールマガジンvol.1を配信しました。万が一、申し込んだのに届いていないという方がいらっしゃいましたら教えてください。vol.1は桜花賞に出走できなかったあの馬について、「馬には第6感がある」というテーマで書いてみました。予想ではなく、スポーツとしての競馬に興味のある方はぜひ読んでみてください。

■「ガラスの競馬場」メールマガジンの詳細はこちら

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皐月賞を当てるために知っておくべき3つのこと

Satsuki1

■1■弥生賞の勝ち馬は、皐月賞では勝てない!?
弥生賞は皐月賞と同じ中山2000mという舞台で行われるが、弥生賞を勝って、そのまま皐月賞をも制する馬は思いのほか少ない。その世代の素質馬が集結するハイレベルの弥生賞を制した馬は、普通に考えて、弥生賞と同じ走りができれば皐月賞はほぼ当確である。それでも、過去10年で弥生賞と皐月賞を連勝した馬は、アグネスタキオンとディープインパクトの2頭しかいない。なぜこのような現象が起こるかというと、2つの理由が考えられる。

ひとつは、弥生賞と皐月賞では馬場状態が全く異なるからである。

皐月賞における、過去10年のラスト3ハロンのラップを並べてみたい(府中で開催された昨年は除く)。

平成13年 35.8
平成14年 35.8
平成15年 34.7
平成16年 34.4
平成17年 34.5
平成18年 35.7
平成19年 35.9
平成20年 35.2
平成21年 35.6
平成22年 35.9

平成15年から17年は速い上がりの瞬発力勝負になっているが、それ以外の年は終いが掛かる競馬になっている。これは皐月賞時の馬場によるところが大きい。皐月賞当日の馬場は、最終日ということもあって、全体的に重くなっているのが通常である。特に、最も良く使われる3~4コーナーにかけては、見た目以上に馬場の傷みは激しく、当然力の要る馬場となっている。

つまり、手脚の軽い、瞬発力で勝負したい馬にとっては足かせとなり、逆にダート血統に代表されるようなパワー優先の馬にとっては願ってもいない、ほぼ1ヶ月前に行われた弥生賞当日の馬場とは全くと言ってよいほど異なった重い馬場になってしまうのである。

もうひとつは、弥生賞はかなりの状態に仕上がっていないと勝てない、その上、弥生賞では厳しいレースを強いられるということである。

クラシックを狙う有力馬が一堂に会する弥生賞は、当然のことながら、中途半端な仕上がりでは勝つことはできない。弥生賞を勝つためにはかなりの仕上げを施さなければならず、本番前に仕上げられた(仕上がってしまった)馬は、本番に向けて下降線を辿ってしまう。サラブレッドのピークはそれほど長くない。つまり、弥生賞を勝つために仕上げてしまうと、そのあとが続かないということである。さらに、それまでは楽な相手と楽な競馬しか経験してこなかった馬が、弥生賞で初めて厳しいレースを強いられるので、その肉体的、精神的な反動が次のレースで噴出してしまう。

その典型的な例は、平成12年の弥生賞を制したフサイチゼノンではないか。田原成貴元調教師と関口オーナーの間で一悶着あった馬であるが、フサイチゼノンは弥生賞の時点で既に仕上がってしまっていた。田原調教師はフサイチゼノンにかなりの素質を感じていただろうし、初年度である厩舎を盛り上げるためにも、弥生賞も勝って本番に臨みたかったに違いない。しかし、その勝ちを焦る気持ちが、フサイチゼノンを追い詰めてしまったのだ。肉体的にも精神的にもピークを過ぎてしまったフサイチゼノンは、もはや皐月賞に出走する状態にはなかった。関口オーナーに相談をしなかったのは田原元調教師の落ち度だが、出走を取りやめたのは英断であったと思う。

フジキセキ ダンスインザダーク フサイチゼノン アグネスタキオン アドマイヤオーラ

以上は、弥生賞を勝った後に故障を発生した馬たちである。厳しいレースである弥生賞を勝つことは、高い素質、能力を持つことの証明であるが、一方で失うものも大きい。そういう意味で、弥生賞馬はまず疑ってかかるべきである。

■2■皐月賞馬の条件
皐月賞馬に求められる条件は、以下の4つ。

スピード
パワー
器用さ
完成度

まず、「スピード」については、中山競馬場の内回りを使うコースは先行馬に有利であり、前にポジションするために秀でたスピードが求められる。スタミナに関しては、2000mまでこなせるマイラーであれば、十分に勝負になるはず。

「パワー」については、上にも述べたとおり、皐月賞は最終日に行われるため、馬場がかなり重くなっていることが多い。そのため、荒れ馬場をこなせるパワーが必要となる。さらに、1周1666m、直線310mという小さなスケールのトラックで行われるため、上手に立ち回りながら流れに乗ることのできる「器用さ」を備えているかどうかも問われる。

また、「完成度」の高い馬ということも挙げられる。その傾向は年々強くなってきており、この時期においてあらゆる面において完成されていなければ、このレースを勝つことは難しい。素質があり、なおかつ完成度が高いことが求められる。

■3■参考データとして
・前走が1800m未満の馬は×
・2月以降に1400m以下の短距離を一度でも使っていた馬は×
・連対率が50%を超えていなければ×

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走る気が出てきているジョワドヴィーヴル:5つ☆

■桜花賞2012
アイアムユアーズ →馬体を見る
毛艶も良くはなく、筋肉のメリハリにも乏しく、馬体もさほど見栄えしない。
それでこれだけ走るのだから、よほど搭載されているエンジンが良いのだろう。
Pad3star

イチオクノホシ →馬体を見る
しっかりと立てていて、全体のシルエットや筋肉のメリハリも良い。
決して馬体に大物感があるタイプではないが、安定してまとまっている。
Pad3star

エピセアローム →馬体を見る
絶好調時に比べると、毛艶が物足りず、体調の良さが伝わってこない。
牝馬とは思えない雄大な馬体を誇る馬なので、あとは体調のみか。
Pad3star

オメガハートランド →馬体を見る
まだ子どもっぽいところを残していて、これからといった未完成の馬体。
掘厩舎なので、付くべきところに筋肉が付いてくれば、さらに良くなるはず。
Pad3star

サウンドオブハート →馬体を見る
突出した部分こそないが、全体的によくまとまっていて、欠点がない。
このメンバーに入ると、もう少し力強さがほしいが、この馬なりに順調。
Pad3star

ジェンティルドンナ →馬体を見る
このメンバーの中では、最も見栄えのする好馬体を誇り、食指が動く。
欲を言えば、もうひと絞りされて、毛艶が良くなってくるとベスト。
Pad4star

ジョワドヴィーヴル →馬体を見る
線の細さはあっても、昨年時に比べると筋肉が強く、メリハリがついてきた。
ひと叩きされて、チューリップ賞と比べると、馬に走る気も出てきている。
Pad5star

トーセンベニザクラ →馬体を見る
胴部にも伸びがあり、マイルまでは十分にこなせそうな馬体。
毛艶も悪くはないが、筋肉のメリハリが物足りなく、勝ち負けは厳しいか。
Pad3star

パララサルー →馬体を見る
長距離輸送を経たが、馬体だけを見る限りにおいてダメージはない。
どちらかというと、ふっくらと映り、将来性の非常に高い好バランスの馬体。
Pad4star

ヴィルシーナ →馬体を見る
なんと言っても、毛艶の良さが目立つように、本番に向けて体調は完璧。
全体のバランスから見ても、マイルが適距離だけに、今回はチャンスあり。
Pad4star

Okasyo2012wt

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銀行振り込みにも対応しました。

昨日より創刊された「ガラスの競馬場」のメールマガジンについて、「カード以外の支払い方法はないのでしょうか?」、「カードを持っていないのですが、どうしたらよいですか?」という問い合わせがありました。私自身は、ウェブ上での買い物をほとんどカードで済ませてしまうのですが(たとえばアマゾンなど)、たしかにカードをお持ちではない、もしくはカードを使って月額で決済をすることに抵抗感がある人もいることに気づかされました。そこで、思い切って、銀行振り込みの支払い方法を採り入れることにしました。ただし、1ヶ月ごとに840円を振り込んでいただくのも、手数料とお手数を考えるともったいないので、3ヶ月分(2520円)をまとめて振り込んでいただく形とさせてください。申し込み方法は至ってシンプル。下のエントリーをご確認ください。

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「ガラスの競馬場」メールマガジンを創刊します。

Mailmagazineimg

「ガラスの競馬場」メールマガジンを創刊します。主な内容は、前の週に行なわれた重賞について、ひとつのテーマを取り上げて深く分析する「レーシングスタディ」とレース全体から各馬の動きまでのポイントを取り上げた「観戦記」の2つに分けて書いていきます。競馬のスポーツとしての側面を深く掘り下げたメールマガジンを目指します。

今回のメールマガジンが、レースの分析や回顧が中心のものであり、予想系のものとは一線を画することを理解していただきたいと思います。そもそも、「ガラスの競馬場」を読んでくださっている皆さまは、予想は自身の理論やイマジネーション、意思決定によって十分楽しまれているのではないでしょうか。競馬の深みや楽しみは、そこから先にあります。自分だったらこういう競馬のメールマガジンを読んでみたい、そう思うような、情報価値の高いものを書いてみたいと思っています。毎週月曜日を楽しみにしていてください。

Sampleimg02■「ガラスの競馬場」メールマガジン
定価:840円(月額、1配信あたり210円)
発行周期:毎週月曜日
発行形式:PC・携帯向け/テキスト形式
主な内容:
①レーシングスタディ 
前週に行われた重賞レースをテキストとして、あるテーマを取り上げて分析します。
競馬のスポーツとしての側面を深く掘り下げていきます。
②先週の重賞レースの観戦記
前週に行われた重賞レースについて、レース全体から各馬の動きまで論じます。
次走につながる馬、つながらない馬も見えてくるはずです。
③140字今週の見どころ
今週行なわれる重賞を取り上げて、140字という制約の中で、レースの見どころをお伝えします。

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消えた魔法

Jiromaru

Uma_nikkantab_okasho

日刊スポーツの桜花賞特集号に、イラストレーターの尾田瑞季さんが漫画を描かれています。新しい競馬の格言をつくってゆくということで、今回は「阪神に魔物はいない~消えた魔の桜花賞ペース~」です。かつて桜花賞がおにぎり型のコースで行なわれていたときは、芋を洗うような激流になりがちでしたが、阪神競馬場の改修に伴い、大回りのゆったりとしたコースに設定が変わり、もう魔の桜花賞ペースにはならなくなってしまったという意味ですね。まさに私も同意で、今の阪神のマイル戦で、力のない馬が力のある馬の足元をすくうのは難しくなってしまったと思います。

魔の桜花賞ペースを逆手にとって勝った馬といえば、オグリローマンが思い浮かびます。知らない方も名前から類推されたかもしれませんが、そう、あのオグリキャップの妹です。兄と同じく笠松競馬場でデビューしたオグリローマンは、7戦6勝の実績を挙げて中央入り。初戦のエルフィンSには武豊騎手が跨り、大きな注目を集めたものの、なんとシンガリ負けを喫してしまいます。それでも陣営はあきらめることなく、次走のチューリップ賞に向けて調整を重ね、なんとか2着を確保して桜花賞の出走権を得たのです。しかし、オグリローマンの弱点は怖がりな気性にありました。潜在能力は高いのですが、周りに馬がいると走りに集中できないのです。

怖がりな気性という課題を抱えるオグリローマンが、本番の桜花賞で1番枠を引いたのですから、なんという皮肉なことでしょうか。武豊、オグリキャップの妹というキーワードが揃っていたとしても、競馬ファンがオグリローマンに3番人気の評価しか与えなかったは当然のことでしょう。正直に言うと、私も厳しいかなと思っていました。この年(1994年)の桜花賞は、まさに魔の桜花賞ペースでした。レースを見てもらえば分かるのですが、スタートからゴールまでまさに超ハイペースでレースは流れました。各馬スピードを存分に生かそうと、前へ前へと推進していく様は、まるでアメリカの競馬を見ているようでした。そんな中、最内を引いて腹を括ったのか、武豊オグリローマンはラチ沿いで折り合いを付けることだけに専念していました。

直線の半ばで、武豊オグリローマンが外から飛んできたときの驚きは、今でも忘れられません。やっぱり来たかという思いと、本当に来たのかという思いが交錯した不思議な驚きでした。いつの間にか、武豊騎手はオグリローマンを他馬のいない馬場の外に出して、猛然と追い込み、ハイペースを追いかけて脚が上がってしまった他馬をまとめて差し切ってしまったのです。なぜ他馬を怖がるオグリローマンが馬群の中でも落ち着いてスタミナを温存できたのか、またどうやって武豊騎手はオグリローマンを外に出したのか、今でも分からないことばかり。武豊騎手はどんな魔法を使ったのでしょうか。今となっては、力と力のぶつかり合いになった桜花賞ですが、ときには魔法も見てみたいと思うのは私だけでしょうか。

☆1994年の桜花賞の映像はこちら

■尾田瑞季さんのHPはこちら
Odamizuki

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阪神芝1600m

Newhanshin1600

向こう正面奥からのスタートで、最初のコーナーである3コーナーまでの距離は444mと長い。極端なポジション争いはなく、最後の直線が長いことも意識されるため、前半はほとんど無理をすることなくスムーズに流れる。

新阪神1600mのコースの特徴は、3~4コーナーにある。3コーナーにある残り5ハロン標識を切ってから、非常に緩やかなカーブが4コーナーまで続くため、各馬ゆったりとコーナーリングを開始する。旧阪神1600mのコースであれば、3コーナーから4コーナーにかけての擬似直線で前との差を詰めることができたが、新阪神1600mのコースではそれができない。一度、コーナーを回り始めると、遠心力に身を任せながらゆっくりと4コーナーまで走ることになる。だからこそ、先行馬はここで息を入れて、最後の直線に向くまでにスタミナを温存することができる。

最後の直線は474mもあり、直線に向いてから仕掛けても遅くはない。差し馬にとっては脚を余すということがなくなったが、3~4コーナーで楽をしている分、先行馬も簡単には止まらない。結局は、最後の長い直線での瞬発力勝負で勝敗は決することになる。もちろん、最後に急坂が待ち構えているので、スタミナに欠ける馬はここで脱落してしまうことになる。実力がはっきりと反映されるコースというよりも、ある程度のスタミナに支えられた瞬発力のある馬にとっては最適の舞台となるコースである。

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桜花賞を当てるために知っておくべき3つのこと

Oukasyo

■1■勝ち馬は「2敗以内」が目安
勝ち馬の条件としては、「2敗以内」であることが挙げられる。最近は、素質馬はあまりレース数を使わない傾向が顕著になってきており、桜花賞でも浅いキャリアで臨んできた馬が活躍している。数を使わない以上、レースに使うからにはきちんと勝てる状態に仕上げられているはずで、それでいて2敗以上しているということは、能力がないか、どこか足りない部分があるかのどちらかということになる。だからこそ、桜花賞を勝てる素質があるかどうかを見極めるためには、「2敗以内」という数字を目安にしたい。

さらに、「新馬戦を勝っている」、「牡馬を相手に勝利している」ことも、素質の有無を問うための材料にしてもよいだろう。

■2■前走の人気に注目
過去10年間で桜花賞を勝った馬の「前走の人気」を見ると、明らかな傾向があることが分かる。なんと10頭中7頭が1人気であり、2番人気が1頭、わずかに4、6番人気が2頭と、それ以下の人気であった馬は1頭も勝っていない。連対馬(2着馬)に目を向けても、7頭までが前走3番人気以内に推されている。

最も桜花賞に直結しやすいとされていたチューリップ賞だけを見ても、その勝ち馬よりも、人気に推されていたが負けてしまった馬の方が、本番での好走率が高い。つまり、前走で何着だったかという「実績」よりも、前走で何番人気に推されたかという「素質」、もしくは「資質」に注目すべきなのである。

■3■瞬発力のある馬が有利
平成19年から、桜花賞は新阪神コースの外回りで桜花賞は行われる。このことによって、勝ち馬に求められる資質が大きく違ってくることが考えられる。かつては器用さとスピードが求められていたが、今年からは「瞬発力」とそれを支える「スタミナ」が要求されることになるだろう。

ステップレースであるチューリップ賞(新阪神1600m外回り)とフィリーズレビュー(新阪神1400m内回り)のレースラップを見てみたい。

平成19年
チューリップ賞   12.4 - 10.9 - 12.1 - 12.2 - 12.2 - 11.1 - 11.0 - 11.8
フィリーズレビュー 12.5 - 10.9 - 11.4 - 11.7 - 11.4 - 11.7 - 12.2

チューリップ賞を見てみると、第1コーナーである3コーナーからガクンとペースが緩み、最終コーナーである4コーナーまで極端なスローでレースが流れていることが分かる。それに対し、阪神3歳牝馬特別ではコーナーを回ってもペースがほとんど緩んでいない。

この2つのレースの違いは、展開うんぬんではなく、コースの構造に起因する。チューリップ賞が行われる新阪神1600m外回りコースは中盤が緩みやすいコース構造になっているのに対し、フィリーズレビューが行われる新阪神1400m内回りコースはそうではないということである。

つまり、道中が緩むことによって、本番の桜花賞もラスト3ハロンの瞬発力勝負になってしまう可能性が高いということである。

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