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ものをいうのは完成度の高さ

Oaks2012 写真:太田宏昭
オークス2012―観戦記―
今年は好天に恵まれ、レコードが出るような絶好の馬場でレースは行なわれた。マイネエポナが逃げて作り出した流れは、前半1200mが71秒0、後半が72秒6という、オークスでは珍しいハイペース。前残りの競馬が続いていたこともあり、各ジョッキーが意識的に前のポジションを取りに行ったことで、逆に厳しいペースになった。レースは生き物であり、スローになると広く思われているときに限って、案外速くなってしまうものだから不思議である。

桜花賞に続き、これで2冠達成となったジェンティルドンナは、後方で脚を溜めて、直線で爆発させた。抜け出してからもさらに伸びたように、1頭だけラスト3ハロンを34秒台で走り、他馬をあっという間に抜き去った。全体が速いペースになったことで、外枠が不利とならず、かえって絶好のポジションを走れたことを含め、あらゆる条件がこの馬にとって最高に運んだといえる。馬体を見ても、桜花賞の疲れなど微塵も感じさせず、胴部には伸びもあって、悪い材料は全く見当たらなかった。

新阪神コースで行なわれるようになってからの6年間で、桜花賞→オークスの連勝はこれで3頭目(ウオッカのダービーを入れると4頭目)となる。かつてとは比べ物にならないほど、桜花賞とオークスの連動性は高い。特に今回のジェンティルドンナは意外なほど人気がなかったが(3番人気)、馬券を買う私たちは頭を切り替えて、桜花賞を勝った馬の力をオークスでも素直に評価しなければならない。たとえ距離が800m延びたとしても、最後にものをいうのは完成度の高さなのである。

川田将雅騎手は、岩田康誠騎手からの急遽乗り替わりを受け、ピンチヒッターとしての役割を全うしてみせた。石坂正調教師も誰に依頼すべきか迷ったはずだが、結果的に見ても、代役の選択は正しかった。具体的に述べると、ジェンティルドンナのような、やや首を高く保ちながら走る馬にとって、岩田騎手や川田騎手のようなスタイルの追い方をするジョッキーは合うということだ。これだけの差をつけたのだから、他の騎手が乗っていたとしても勝っていたかもしれないが、ジェンティルドンナの末脚を十分に引き出した川田将雅騎手には拍手を送りたい。

ハマの大魔神・佐々木一浩氏が馬主ということで話題を集めたヴィルシーナは、人気にこそ応えられなかったが、なんとか2着を確保してみせた。思っていたよりも速いペースに惑わされることなく、中団に位置して、最後の直線に向いてからは、内田博幸騎手の叱咤激励に応えながら、ゴールまでしぶとく伸びた。今回は勝った馬が強かった。欲を言えば、折り合いに不安のない馬だけに、道中はスローに流れてくれれば、前々で折り合い、ジャンティルドンナよりも先に抜け出して、速い上がりでまとめたかったはず。G1のタイトルこそ手に入らなかったが、ヴィルシーナにとっては良い経験となったのではないだろうか。エリザベス女王杯あたりで大輪を咲かせてもらいたい。

1番人気に推されたミッドサマーフェアは大敗を喫してしまった。道中のポジションは悪くなかっただけに、これだけ負けてしまったのは、スタミナ不足が原因だろう。タニノギムレット産駒には優秀なマイラーが多い。最後の直線では力尽き、真っ直ぐに走ることさえできていなかった。反対に力を発揮したのがアイスフォーリスである。ここでもステイゴールド産駒の底力とスタミナを見た気がする。厳しい流れになったことで、血が問われたレースでもあった。

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