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あと3ヶ月しかない

Takaraduka2012 太田宏昭
宝塚記念2012―観戦記-
ネコパンチが外から逃げ、天皇賞春馬のビートブラックも積極的に前々を攻めたことで、前半1000mが58秒4、後半が60秒4という淀みのないペースになった。最初の直線が長いコースで、それほどダッシュが良くない逃げ馬が大外枠に入ると、無理をしてでもハナに立とうとするため、ペースが速くなりがちである。とはいえ、これぐらいのペースがG1レースとしてはちょうど良い。道中の厳しいポジション争いも含め、各馬の実力と調子が正直に反映されたレースとなった。

勝ったオルフェーヴルは、負けられないレースを制したといえる。出走するからには勝利が求められたはずで、だからこそ急ピッチで仕上げられて、なんとか間に合った。決して7割の出来ではなく、オルフェーヴルの生命力によって、ほぼ100%に近い仕上がりにまでたどり着いたといえる。道中も流れたことで、折り合いの心配もなく、レースがしやすかったことも幸いしたが、オルフェーヴルが力を発揮すればこんなものだろう。馬場の真ん中を通って、あっという間に突き抜けた。充実した今のルーラーシップに2馬身もの差をつけたのだから、世界で通用する実力があることは間違いない。この後は凱旋門賞に向かうはずだが、あと3ヶ月しかない本番に向けて、どのように調整をしてゆくのか。陣営の手腕が問われる。

池添謙一騎手は、落とせない一戦だったにもかかわらず、実に落ち着いて乗っていた。各馬が動き始めた4コーナー手前で、自身も動きたくなったはずだが、あそこでじっくりと待てたことが大きい。それぐらいオルフェーヴルの手応えが良かった(待っても突き抜ける手応えがあった)ということだろうが、池添騎手の置かれていた状況を考えると、そう簡単ではなかったはず。スイープトウショウ、デュランダル、ドリームジャーニーなど、数々の追い込み馬に跨ってきた経験が、馬の末脚を信じて、ひと呼吸置くことの大切さを池添騎手に教え込んだのだ。

負けはしたが、ルーラーシップも鞍上のC・ウイリアムズ騎手も非の打ち所のないレースをした。ゲートボーイがいない関係で、今回もスタートが上手く決まらず行き脚がつかなかったが、そこからのウイリアムズ騎手の判断が絶妙であった。内の各馬が第1コーナーに殺到したことによってできたスペースを見逃さず、馬を動かして、スッと内のポジションに入れたのだ。あそこでルーラーシップのリズムを重視しすぎていたら、ほぼ最後方からの競馬を強いられていたに違いない。最後の直線に向く前に外に出して、ルーラーシップの大きなフットワークを生かした点も見事というほかない。それにしても、今回は勝った相手が強すぎた。

ショウナンマイティはこの春の調子の良さを生かし、展開にも恵まれての3着。前の2頭と比べると、まだG1レースを勝ち切るだけの力はないが、産経大阪杯の驚異的な末脚がフロックでないことを証明してみせた。溜める競馬が合っている馬だけに、どうしても展開に左右されてしまう面は否めない。浜中俊騎手もショウナンマイティを型にはめて、きっちり乗っていた。

ウインバリアシオンやビートブラックといった天皇賞組にとっては、今回の速いペースは不向きであった。いずれも典型的なステイヤーだけに、追走に脚を使ってしまい、直線に向いたところですでに脚は残っていなかった。距離が長い方がバテない馬もいるということである。

エイシンフラッシュはどうしたのだろう。スタートしてから他馬にぶつけられたのか、第1コーナーに向かうまでに、鞍上の制止を振り切って、力んで走っていた。せっかくの好枠を生かしきれなかった。レース前から入れ込んでいる姿を見せていたことからも、ドバイ遠征の内面的な疲れが抜けていなかったのだろう。調教では良い動きを見せるだけに、調子の判断が難しい馬である。

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