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去勢することのメリット

Senba「去勢によって気性難は解消されるものなのでしょうか?」という質問を、Sさんより頂戴した。Sさんは一口馬主をやっておられて、未勝利戦を勝ち上がれなかった愛馬がいる。気性難からか、いつも直線でモタれてしまい、真っ直ぐに追うことができずに、勝ち切れないレースを繰り返してしまったようだ。引退かと思われた矢先、去勢してセン馬となって現役を続行することが決定されたのだから、Sさんが当惑するのも無理はない。

質問に対する答えはイエスである。馬を去勢することで気性難は解消される。解消されるというと誤解を招くかもしれないが、気性の激しさが緩和されるのである。煩くて反抗的だった馬が、去勢された途端に大人しく人間の言うことを聞くようになったりするのではない。程度の差こそあれ、それまでよりは馬が落ち着いて、扱いやすい馬になるということだ。Sさんの愛馬も、一変とまではいかないかもしれないが、最後まで真っ直ぐ走れるようになるかもしれない。

去勢してセン馬になることのメリットは、上記の気性難の解消だけではない。去勢というと、気性難の解消が目的と片付けられてしまうが、どちらかというと、それ以外のメリットの方が大きかったりする。具体的に挙げていくと、以下のとおりである。

1、体質の改善
2、中年太りの解消
3、筋肉が柔らかくなる
4、ストライドが大きくなる

1の体質の改善とは、ホルモンのバランスが変化することで、体質が強くなるということだ。体質が強くなるので、多少の厳しい調教を課されてもへこたれなくなるし、レースが終わった後の回復も早くなる。だからこそ、使えるレースの数も多くなるだけではなく、高齢になっても衰えを感じさせずに走ることができる。ジョンヘンリー(83戦39勝)やファーラップ(51戦37勝)、エクスターミネーター(100戦50勝)など、伝説のセン馬は高齢になるまで衰え知らずの走りを披露して、競馬ファンの人気を博した。

去勢することで、私にとっても悩みの種のひとつである(笑)中年太りの解消にもなる。人間だけではなくサラブレッドも、年齢を重ねるごとに、必要のないところに脂肪がついてくる。自然といえば自然なのだが、運動する(走る)ということにおいては、プラスに働くことはひとつもない。特に、サラブレッドは首の付け根に脂肪がつきやすく、首でバランスを取って走りにくくなってしまう。高齢になって急激に走らなくなるのは、このことが原因の場合もある。

3の筋肉が柔らかくなるというメリットもある。これも1と同じくホルモンバランスの関係だろう。筋肉が柔らかく、傷みにくくなるので、故障が少なくなる。そして、4のストライドが大きくなることにもつながる。4のストライドが大きくなる主な理由は、邪魔をするモノがないためである(嘘のような本当の話だが)。イギリスの障害馬にセン馬が多いのは、去勢することで少しでもストライドを大きくするためだそうである。

これだけのメリットを見ると、競走馬としてはいいことづくめであることが分かる。早いうち(馬が若いうち)から去勢しておくと、これらのメリットをより得やすい。とはいえ、同じ男性として、Sさんの複雑な気持ちもよく分かる。種牡馬としての可能性を断たれるばかりか、日本の競馬におけるセン馬にはどこか哀しさが伴う。それでも、レガシーワールドやマーベラスクラウンはセン馬だからこそ応援したし、その勝利からは勇気をもらった。もうあとがない、走ることでしか自分を表現できないセン馬にシンパシーを感じてしまうのは私だけだろうか。盛岡競馬場にまで遠征して、1年かけてようやく初勝利を挙げ、中央に戻ってからは毎日王冠やAJCCなど数々の重賞を勝ち、ジャパンカップでは4着に入ったマグナーテンという不屈のセン馬もいる。Sさんの愛馬(3歳)の活躍を長い目で見守りたい。

Photo by H.Sugawara

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札幌2歳Sを当てるために知っておくべき3つのこと

Sapporo2sais

■1■字ズラ以上のスタミナ
過去11年の勝ち馬から、2頭のダービー馬(ジャングルポケット、ロジユニヴァース)とジャパンカップ馬(アドマイヤムーン)、また2着馬から秋華賞馬のアヴェンチュラ、皐月賞馬のゴールドシップが出ているように、クラシックからその先を目指す素質馬たちにとっては、まさに登竜門となるレースである。

開幕最終週の洋芝で行われるからこそ、勝ち馬には字ズラ(1800m)以上のスタミナが要求されることになる。当然のことながら、前走で1800m戦を経験していることが望ましいが、たとえ前走が短距離戦だったとしても、距離延長がプラス材料になる馬であれば問題ない。キャリアの浅い馬が多いため、距離適性の見極めが大切である。

■2■牡馬
過去11年を振り返ってみても、牝馬がなんと1勝も出来ていない。連対率にしても8%と、牡馬の17%と比べると明らかに低い。小倉2歳Sと比較すると一目瞭然だが、スプリント戦に比べて底力が問われる中距離戦では、この時期でも牡馬が優勢ということである。2000年にはのちのG1馬テイエムオーシャンも出走して1番人気に推されたが、惜しくも3着に敗れてしまった。

■3■内枠の馬
スタートしてから第1コーナーまでの距離が185mと極端に短い。小回りコースのため、外枠から発走する馬が馬群にもぐり込むことができなければ、コーナーを回るたびに外々を回されることになる。そのコーナーが4つもある以上、外枠を引くことによる距離ロスは少なくない。また、外枠を引いた差し馬にとっては、コーナーを回っているとすぐにその次のコーナーがやってくるので、前の馬との距離を縮めるのが難しい。内枠が良いというよりも、外枠を引いてしまった馬は苦戦を強いられるだろう。

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小倉2歳Sを当てるために知っておくべき3つのこと

Kokura2sais

■1■外枠有利
過去11年の枠順別の成績を見てみると、内枠(1~4枠)に入った馬が【3・2・4・63】、外枠(5~8枠)が【8・9・9・65】と、勝率にしておよそ5%、連対率にしておよそ12%の差がある。これには大きく2つの理由が考えられる。

1)開催最終週となるため馬場の内側が荒れている
2)キャリアが浅いため、馬群の外の方がスムーズにレースができる

1)に関しては説明するまでもないだろう。2ヶ月近くにわたる開催期間だけに、さすがの小倉競馬場の野芝も相当に荒れてきているということだ。特に3~4コーナーにかけての内側の芝は、見た目以上に痛んでいるはずである。

2)については、多くても3戦、少なければたった1戦のキャリアの出走馬が多いレースである。いきなりレベルの高いレースにおいて、馬群の中で揉まれてしまうと、最後まで自分の走りが出来ずに終わってしまう馬が多いということである。キャリアが浅い馬にとっては、多少の距離ロスがあったとしても、外枠からスムーズに自分のリズムで走られるメリットの方が大きい。

■2■牝馬の活躍
過去11年の性別の成績を見てみると、牡馬のわずか3勝に対し、牝馬が8勝と圧倒的に牝馬の方が強いことが分かる。この時期の牡馬と牝馬では、同斤量であってもほとんど走る力に差はなく、完成度の高い牝馬に軍配が上がることが多い。とにかく前に行って押し切るスピードが問われるので、最後まで集中して前向きに走り切る牝馬の方が、この時期は信頼が高い。

■3■ハイペース必至だが先行馬有利
過去10年の前半後半のタイムを比べてみたい。

        前半   後半
平成12年 34.3-36.8 ハイペース
平成13年 33.7-36.9 ハイペース
平成14年 33.3-36.5 ハイペース
平成15年 32.9-36.4 ハイペース
平成16年 33.4-34.8 ハイペース
平成17年 33.6-35.5 ハイペース
平成18年 32.5-35.9 ハイペース
平成19年 33.5-35.8 ハイペース
平成20年 33.2-35.9 ハイペース
平成21年 33.8-35.2 ハイペース
平成22年 33.1-35.6 ハイペース
平成23年 33.4-35.4 ハイペース

いずれの年も、前半後半の落差が2秒以上もしくは近くあるように、ハイペース必至であることが分かる。スピードを武器に行きたい馬が揃うため、スローはもとより、ミドルペースでさえ望めない。これだけ前半が速いと、差し馬にとって有利なレースになりやすいのだが、意外にも先行馬が活躍している。これは小倉1200mというコース形態ゆえであり、さすがに逃げ馬にとっては厳しいが、直線の短さを考慮すると、ハイペースを追走できてバテない先行馬を狙うべき。

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秋のG1戦線を占なう(牡馬クラシック路線)

Akinog1sensenwo06最後にクラシック牡馬路線について。皐月賞馬ゴールドシップや日本ダービー馬ディープブリランテよりも先に、春は無冠で終わったワールドエースを取り上げたい。なぜなら、秋こそは、この馬の本領が発揮されると思うからだ。春は能力を出し切っていないかというと、決してそうではない。むしろ春時点での能力を出し切って、あの結果(皐月賞2着、ダービー4着)だったと思う。展開に関して言えば、皐月賞は恵まれたし、ダービーは恵まれなかった。いずれにせよ勝ち切れなかったのは、この馬の春時点での力が足りなかったからである。

「週刊競馬ブック」の写真を見て、夏を越して、肉体的に成長を遂げていることを確認した。春時点では完成度が低く、幼さを感じさせていた馬体は立派に成長し、つくべきところに筋肉がついてきている。後躯の推進力が増して、もう少し前に行って自分でレースを作れるように、もしくは父ディープインパクトのように4角で一気にマクっていけるようになれば、この馬の強烈な末脚を安定して繰り出せる。唯一の心配は、菊花賞の距離3000mだろうか。どちらかというとスピードに長けた馬ではあるが、典型的なステイヤーに足元をすくわれなければ、能力の違いで菊花賞を制するチャンスは十分にある。

典型的なステイヤーとして現時点で思いつくのは、皐月賞馬のゴールドシップである。皐月賞はあらゆる全てが上手くハマって勝つことができたが、本質的にはステイヤーだろう。ダービーのような上がりの速い、高速馬場での勝負になってしまうと厳しいが、菊花賞の舞台は最適だろう。前半は後ろからゆっくりとついて行き、後半1000mあたりからマクりをかけてゆく走りは、菊花賞の勝ちパターンである。内田博幸騎手がオウケンブルースリで勝利したときのように、菊花賞もゴールドシップを導いてくれるだろう。

ダービー2着馬のフェノーメノも広々とした京都競馬場は望むところだろう。血統やフットワークの大きさからも、3000mの距離に不安は全くなく、折り合いのつく気性からはむしろプラスかもしれない。とにかく不器用な馬で、小回りコースは向かないことが分かったので、陣営もそのようなローテーションを組んでくるはず。神戸新聞杯→菊花賞→ジャパンカップが、この馬にとっては理想的である。そうなると、初の長距離輸送がどう出るかが当面の心配材料となる。

トーセンホマレボシはダービーでスピードとスタミナの絶対値を証明した。高速馬場だったとはいえ、あれだけ早めに動いて、最後まで粘り切ったスタミナは衝撃的であった。速い脚はないタイプであり、距離延長自体は望むところだろう。中間の調整遅れが心配されているように、あとは菊花賞に無事に出走できるかどうか。キングカメハメハが勝った年のダービーがそうであったように、スピード決着の厳しいダービーのあとは、体を壊してしまう馬も多い。

ディープブリランテはそのダービー後にイギリスに遠征したのだから、秋のレースうんぬんより、まずは肉体的、精神的な疲れを癒してほしい。体型的にも、距離が延びて良さが出る馬ではないので、もし間に合ったとしても菊花賞や有馬記念は不向きである。天皇賞秋には到底間に合わないだろうから、思い切って秋は全休にしてはどうだろうか。それぐらいしないと、ディープブリランテがまともな状態でターフに復帰するのは難しいと思う。

Photo by 三浦晃一

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「プロフェッショナル馬券戦術ライブ」CDの受付を締め切りました。

「プロフェッショナル馬券戦術ライブ」CDの申し込みを締め切りました。お申込み頂きました皆さま、ありがとうございました。順次、発送させていただきます。このライブでお話している内容が、これから先の競馬に向けて、何らかの刺激やヒントになれば幸いです。まずは楽しんで聴いてみてください。また、質問メールも受け付けておりますので、ライブCDを聴いて頂いて、分からなかったこと、もっと知りたいこと等、私宛のメールにて遠慮なくドシドシ質問してください。喜んでお答えいたします。皆さまからのご感想もお待ちしております。

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新潟2歳Sを当てるために知っておくべき3つのこと

Niigata2sais

■1■早熟のマイラーを狙え
マイル戦で行われるようになった過去10年の勝ち馬をみると、朝日杯フューチュリティSの勝ち馬が2頭(マイネルレコルト、セイウンワンダー)出ていることが分かる。G1馬を2頭も出しているのだから、新潟2歳Sも十分な出世レースといえるのだが、どうにもスケールの小ささは否めない。ジャングルポケット、アドマイヤムーン、ロジユニヴァースを出した札幌2歳Sと比べ、わずか200mの距離の違いにもかかわらず、この隔たりはなんだろうか。

気候などの環境が良い札幌には、素質馬やトップジョッキーが集まりやすいという事情はさておき、新潟2歳Sに出走する馬はマイルがドンピシャであることが多い。野芝がびっしりと生え揃った新潟の馬場は、札幌競馬場の洋芝に比べると、圧倒的に軽くて走りやすい。驚くべき好タイムが出るのはそれゆえである。同じ距離を走ったとしても、野芝と洋芝の馬場では要求されるスタミナが違ってくるのだ。

そうは言っても、新潟競馬場の1600mコースは外回りで最後の直線が659mと長く、単なるスピード馬では乗り切れない。ゴールまでスピードを持続させるスタミナが必要とされるのだ。さらに、この時期の完成度も高くなければならない。つまり、簡単に言うと、新潟2歳Sは早熟のマイラーを狙えということである。

■2■牡馬と牝馬は互角
前述したとおり、新潟競馬場1600mコースは外回りで最後の直線が長く、ごまかしの利かないフェアなコースである。コーナーリングの器用さや一瞬の脚だけでは勝ち切れない。最後は激しい叩き合いと追い比べになることだろう。そういった意味でも、牝馬よりも牡馬にやや分があると言ってよいが、過去9年の勝ち馬を見てみても、牡馬の5勝に対し牝馬は4勝と、案外、牝馬も牡馬と互角に戦っている。タフなレースにはなるが、直線が平坦であることからも、非力な牝馬でもパワー不足に泣くことはない。

■3■直線は外に出す
スタートから最初のコーナーまでの距離が長く、コーナーも2つしかないコース形態のため、枠順による有利不利はほとんどないと考えてよい。コーナーの回りがきついことを考慮すると、外枠で外を回されるよりも内の方が良いことは確かだが絶対条件でもない。ジョッキーの腕でいくらでもカバーできる部分である。

しかし、直線では外に出した馬の方が伸びる。いくら絶好の野芝とはいえ、最終週であることは確かなので、使い込まれて傷んだ内よりも外の方が走りやすい。また、直線を走る距離が長いので、その分、良いところを走られる馬とそうでない馬との差が出てしまうのである。まとめると、道中は内を走りながら、直線では外に出して走られる馬が狙い目である。

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「プロフェショナル馬券戦術」ライブCDを発売します。

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およそ1年ぶりになりますが、「プロフェショナル馬券戦術」ライブCDを発売します。「ガラスの競馬場」を立ち上げた時から、いつかはやりたいと思い続けてきた、競馬における具体的な馬券技術についてのライブです。前作の「21世紀の馬券戦略」が競馬の大枠を捉えた馬券の賭け方、考え方の戦略だとすると、「プロフェッショナル馬券戦術」ライブは、その名のとおり、より実践的な馬券戦術です。

今から振り返ってみると、かなりマニアックな内容まで話しているというのが正直な感想です。実践的なノウハウから、知っておかねばならない細かな知識まで、特に「ラップ(ペース)」、「馬場」、「コース」、「馬の適性」に焦点を当てて話しています。競馬予想における断片をよくぞここまで拾い集めたと自分でも感心してしまいます。基本的なところから応用編まで、私の知っている限りのことをお話していますので、競馬中級者の方から上級者まで、楽しみつつ学んでいただけるような内容になっています。

以下は、ライブ参加者の方々から頂いた感想になります。 *○○のところは隠そうとしているわけではなく、これからCD等を聴いていただく方の楽しみを奪わないようにとの配慮からです。

レベルを測るものさしとして優れているかもしれません
レース○○○でラップを比較する視点。前後半3ハロンの合計タイムから馬の実力を測る視点で見ていましたが、レースレベルの比較というのも面白いですね。緩みのないラップよりも、○○○のラップ差の方がレベルを測るものさしとして優れているかもしれません。
S.A様

これが最善の方法ではないかなと思いました。
ラップ分析で全体を○○○に○○○考えるのは理にかなった方法であって、現在のレースラップしか公表されない状況ではこれが最善の方法ではないかなと思いました。また機会があれば参加したいです。
Mr.Honma様

別の視点から予想法を聞くことができて面白かった
ラップの基本的な考え方を学ぶことができました。走法の考え方や概念が参考になりました(○○○○○○○○○がピッチ走法だとは知りませんでした)。長距離でも走れるのですね。別の視点から予想法を聞くことができて面白かったです。
M.N様

ラップの原則を参考に予想に取り入れたい
ラップは先行馬のもので参考にしづらいと思っていました。今回のラップの原則を参考に予想に取り入れたいと思います。次回も参加したいです。今後もよろしくお願いいたします。
萩本様

新しい発見もあり、ためになりました
自分の競馬歴の中で既に知っている内容も多かったのですが(いつもブログを拝見させていただいていますので)、調教の15-15の意味や重馬場でのプラス能力、パワー、瞬発力、手軽さの微妙な違いなど、新しい発見もあり、ためになりました。
中島様

今迄はレース全体のラップは気にしていなかった
ラップからのレースレベルの判断は参考になりました。今迄はレース全体のラップは気にしていなかったので、使ってみたいと思っています。
H.T様

レースのレベルをつかむために活用していきたい
今まではラップタイムをどのように活用すればいいのか分からず新聞に出ている上がり3ハロンタイムをチラッと見る程度でした。レースのレベルをつかむために活用していきたいです。生でいろいろな話を伺えて楽しかったです。また機会があれば参加させていただきたいと思います。
S.S様

自分なりに取り込んでいきたい
ラップの○○○○の考え方、見方は参考になりました。自分もラップを意識し始めた時期なので、本日の話は自分なりに取り込んでいきたいと思います。今日も参考になる話ありがとうございました。血統面でのアプローチについて何かお話しをいただければありがたいです。
黒木様

ラップの新たな読み方が分かり試してみたい
レースへの適性を見極めるの部では、予想をする事よりも、レースを楽しく見れるポイントを教えていただいたと思っています。ラップからレースレベルを判断するの部では、ラップの新たな読み方が分かり試してみたいなと思います。今回も楽しかったです。オフシーズンにでも時間を増やしたライブをしていただけたら嬉しいです。
T.M様

明日の予想がとても楽しみになりました
嶋田功、ダービーの話は知らず、明日の予想がとても楽しみになりました。他にも開幕内枠=買いのように方程式として最近考えていたことを論理的に話されていたので、とてもためになりました。とてもよかったです。またキカイがあれば参加したいです。
T・H様

おもしろくなりそうな考え方が思い浮かんだ
ラップを一杯見ていて、おもしろくなりそうな考え方が思い浮かんだのでちょっと調べてみたいと思います。あとそれに関係して、瞬発力と持続力の定義で新しい考え方が浮かんだので、また言える時がくればいいんですが…。まとまるかどうか。基本的なところが大変参考になり、改めて気付く事が多かったです。ありがとうございました。
M様

ラップに関する考え方が変わった
ラップに関する考え方が変わり、レースレベルの判断基準がわかりました。枠順の有利不利が細かくわかりやすく今まで以上に馬券購入の検討に組み込みたいと思います。とても参考になりました。これからも続けてください。
K・M様

今まで私にない知識だった
○○○のラップによるレースレベルの分析が非常に勉強になりました。今まで私にない知識だったので参考にしたいです。とても楽しい時間を過ごさせていただきありがとうございました。
H・I様

レースレベルを判断するは少し難しかった
ラップからレースレベルを判断するは少し難しかった。メンバーにもよるので、いちがいに言えることではありませんが、注意してレースを観たいと思います。
K・K様

見る時のツボやコツが分かってきました
昔、なんとなくみていたレースも、新たなる知識を加えて見直すと非常に新鮮でした。また、ラップの見方もこれまで何となく数字を眺めているだけでしたが、見る時のツボやコツが分かってきました。ただ基準のタイムが頭に入っていないと瞬時に判断することが難しい。まだまだ奥深いと感じました。
T・S様

遠方から来た甲斐がありました!
コーナーでの遠心力の話が初めて聞く話だったので、とても参考になりました。とても楽しかったです。遠方から来た甲斐がありました!これからも頑張ってください。
K・S様

走法のところが面白かった
ラップという言葉はブログでも良く目にすることばですが、どうしたものだかさっぱり?でした。1回聞いただけではすべてわかる訳ではないですが、なんとなく初歩的、基礎的なことは理解できたような気がします。第2部は文化系の人間でもわかる内容で、今まで何となく知っていたことがよくまとめられていて理解を深めることができました。走法のところが面白かった。
K・H様

幅を広げて楽しみたい
まだ一部の馬券の買い方しか分からず、初心者なのに、3連単ねらいばかりで、当たる時はそこそこですが確率が低い状態です。もう少し幅を広げて楽しみたいと思います。
K様

3時間半があっという間
遅くまでお疲れ様でした。そして、ありがとうございました3時間半があっという間に過ぎてしまいました。ラップタイムの話しは興味深く聴かせていただき、大変為になりました。勝負に負けても、ラップ○○○○のタイムにより次のレースで勝てる可能性があることが分かった。大変参考になりました。今後もライブがあれば参加したいと思います。
T・H様

ビックリした
○○○○ラップによる考え方は初めて知った。ビックリした。勉強してみたい。あっという間に時間が過ぎてしまった。22時までというので長すぎると思っていたが、全然違った。ビデオの活用とかも良かった。来て良かった。
Y.H様

ジグソーパズルの大変重要な1ピースになりました
まず、私に1番役にたったのはラップのところです。実は、去年の今頃から興味をもちだしまして、分析していました。そのころは上がり3ハロン重視で特に最後の1ハロンを重視していました。たいがい、最後の1ハロンは減速するものですがたまに加速したり、最後の2ハロンと同じだったり、減速値が少ないレースがあるのに気がつきました。今はそこから自分なりのアレンジを加えてようやく自分なりの形がみえてきました。そこに治郎丸さんのラップの解説が自分とってタイムリーでした。「○○の○○○○○○が○○○に倍になって返ってくる」この言葉は、私にとって競馬いうジグソーパズルの大変重要な1ピースになりました。話はここでコスモバルクばりにによれるのですがJCのアルカセットの解説がすばらしかったです。今年のJCを見るうえでもちょっとだけプロっぽく見れました。デットーリポジションっていい言葉ですね。東京D2100には横山典ポジションもありますよね。彼は東京D2100に乗せれば世界1うまい騎手です。JCDは阪神にいっちゃいましたが・・・○○ポジションて使えますよね。例えば秋天のスペシャルウィークポジションとか。少し生意気いいますと今後、治郎丸さんが言った言葉を世間の人が使うようになればいいなと思います。ぜひそういう言葉をつくって下さい。
I様

「プロフェッショナル馬券戦術ライブ」CDの内容は以下の通りです。

Disc1 ラップからレースレベルを判断する(55分)
■ラップの原則
■理想的なペース配分とは?
■武豊騎手の「1馬身下げると2馬身前へ」
■ダイワスカーレットの秋華賞
■ラスト3ハロン、中盤などを切り取ってしまうことの怖さ
■柴田政人騎手の対角線理論
■キングカメハメハVSディープインパクト(ラップ編)

Disc2 ラップからレースレベルを判断する~レースへの適性を見極める(48分)
■サイレンススズカとディープインパクトはどっちが強かった?
■今だからできる、サイレンススズカの天皇賞秋の結末予想
■サラブレッドの能力を形成する4大条件とは?
■瞬発力型、持続力型なんて本当にある?
■メジロマックイーンのジャパンカップ
■テイエムオペラオー、アドマイヤベガ、ナリタトップロードをグラフにしてみると…
■グラスワンダーはどんなコースを得意としたか?

Disc3 レースへの適性を見極める(37分)
■ハーツクライが逃げられるようになった理由
■差し馬が有利なコースなどない!?
■首の使い方のうまい馬、下手な馬
■かき込みの強い馬はどんなコース、馬場で力を発揮するのか?
■一本の線の上を走る馬ベガ
■遠心加速度は2倍3倍ではなく2乗3乗
■出走表でまずどこを見るか?
■ローカル競馬場には勝ちパターンがある
■嶋田功騎手とデットーリ騎手

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Sityou(MP3形式、3分40秒)

ライブCDの内容は、CD3枚(合計140分)と当日使用したレジュメになります。

私個人の時間的な都合で大変申し訳ないのですが、今回は20部限定とさせてください。料金は3500円(税込み・送料、代引き手数料無料)でお分けいたします。お支払い方法は代金引換になります。これだけの内容量なのに安くて心配と思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、情報商材ではありませんので、ひとりでも多くの皆さまに聴いていただきたいという思いを込めています。早めになくなってしまうことが予想されますので、ご希望の方は今すぐお申し込みください。

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プライバシーポリシー特定商取引に基づく表記もご覧ください。

お申し込み方法
Step1_2メールフォームにてお申し込みをしてください。
*SSLに対応しておりますので、個人情報の保護も万全です
*個人情報を第三者に開示をすることは決してありません。

Step2_2お申し込み確認メールが届きます。

Step3_2お届け先住所にライブCDが届きます。
*代金引換ですので、ライブCDをお受け取りの際に料金はお支払いください。

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追伸
このライブで私がお話ししているのは、決して必勝法ではありません。こうすれば絶対に当たるという方法などないのです。しかし、ひとつひとつの馬券技術や知識が全く役に立たないかというと、そうではありません。今までに知らなかった技術や知識を得ることで、それだけ決断をする根拠や裏づけが増えるということであり、また当然のことながら、予想をする際の精度や深み、そして楽しみが変わってきます。たとえ基本的なことであっても、意外と知らないで予想をしていることは多いものです。 1年に1度のチャンスですので、秋競馬に向けて、ぜひライブCDを聴いてみてください。

また、質問メールも受け付け致します。このライブCDを聴いて頂いて、分からなかったこと、もっと知りたいこと等、もしありましたら私宛のメールにてドシドシ質問してください。喜んでお答えいたします。皆さまからのご感想もお待ちしております。(glassracetrack@ymail.plala.or.jpまで)

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秋のG1戦線を占なう(牝馬クラシック路線)

Akinog1sensenwo05_2牝馬路線クラシックに話題を移そう。桜花賞とオークスを勝ったジェンティルドンナは、果たして3冠馬になれるのか。個人的には、かなり難しいと思う。なぜかというと、オークスが激しいレースになったからである。川田将雅騎手が最後までビッシリ追ったことで、5馬身も千切って、強さを見せ付けたことは確かだが、100%もしくはそれ以上の力を出し切ってしまったのだ。強かった反面、余力を一滴も残さない勝ち方であった。

川田将雅騎手にしてみると、オークス後は休養に入ることを計算に入れた勝ち方ということだろうが、それでも桜花賞とオークスであれだけの激走をした反動は必ず出るはず。特に3歳春の牝馬にとって、オークスの2400mという距離を走り切ることは、想像を絶するほど苛酷なのである。秋華賞までに、その反動から回復できるかどうか。最後はジェンティルドンナの生命力にかかっているが、常識的には厳しいだろう。もちろん、それさえも克服してこそ、3冠馬に輝くことができるとも言える。

桜花賞2着、そしてオークスも2着に輝いたヴィルシーナの素質も高い。スローに流れるはずのオークスが意外にもハイペースになったのは、この馬にとって痛かった。春は完成度という点においてジェンティルドンナに軍配が上がったが、ジェンティルドンナが順調さを欠くようであれば、この馬が金メダルを獲る可能性は高い。道中はゆったりと行って、ラストを生かすレースがヴィルシーナには合っているので、秋華賞というよりはエリザベス女王杯という感はある。しかし、それも夏を越しての成長によりけりで、著しいほどのパワーアップがあれば秋華賞でもチャンスはあるはず。

アイアムユアーズは桜花賞3着、オークス4着。つまり、ジェンティルドンナ、ヴィルシーナ、アイアムユアーズがほとんどワンツースリーフィニッシュだから、この世代の中では3頭の力が一枚以上抜けているということだ。よほどのことがない限り、3歳牝馬は春の完成度の違いがそのまま秋につながってしまうため、この3頭を脅かす馬が出現してくることはまずないだろう。アイアムユアーズは実際に古馬相手にクイーンSを完勝しており、2000mまでの距離であれば隙はない。秋華賞ということであれば、ヴィルシーナよりもこちらの方が上かもしれない。

ジョワドヴィーヴルは、今から思うと、阪神ジュベナイルFに滑り込みで出走できて、しかも勝ったことが裏目に出てしまった感がある。キャリア2戦目での勝利は、高い素質の表れではあるが、まだ体が出来上がっていない段階でどこか無理をしていたのだろう。人間からの期待もプレッシャーとなっていたに違いない。とにかく無事にターフに帰ってきてくれることを願う。

Photo by 三浦晃一

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秋のG1戦線を占なう(ダート路線)

Akinog1sensenwo04

帝王賞を勝った新星ゴルトブリッツが、秋のダート路線を引っ張る存在になるだろう。地方に転厩したり、心房細動で競走中止したりと波乱万丈の馬生を送ってきた同馬が、ようやく頂点に立ったのは喜ばしいことであり、この馬がトランセンドやスマートファルコンを負かすシーンを見たとき、たくさんの馬に携わる関係者たちが競馬に希望を見出すことだろう。そんな未来を思い描けるほどに、帝王賞は実に強い勝ち方だった。やや不器用なところはあるが、前進意欲と溢れんばかりのパワーがこの馬の持ち味である。まさにダートの申し子といってもよい。川田将雅騎手との相性も良い。ゴルトブリッツと川田騎手の豪快なスタイルはベストコンビといえる。

対する王者トランセンドやスマートファルコンはどうだろうか。両者ともにドバイに遠征した疲れを癒しての復帰になる。ダート馬は高齢まで活躍することができるので、きちんと立て直してくれば、急激に競走能力が衰えてしまうことはない。とはいえ、トランセンドは気持ちで走る馬であり、肉体は回復しても精神が燃え尽きてしまうと脆さを見せてしまうだろう。絶好調時の逃げて譲らない気迫のスタイルをどこまで貫けるのか。心配半分、期待半分というのが正直なところだ。

スマートファルコンはさらに厳しい状況にある。ドバイ遠征の疲れに、連勝が途切れて張り詰めていたものが解けたことが加わって、かなりのダメージが出ていることが想像される。無理をして使っても負けてしまうだろうし、回復するまで待っていてもどれだけ時間が掛かるか分からない、そんなジレンマを陣営は抱えているはずである。もし秋の大きなレースに出走してくるならば、またスマートファルコンらしい究極の逃げを見せてほしい。

3歳馬ではハタノヴァンクールが強い。先行有利なダート戦を後ろから行って差し切る珍しいタイプの大物だが、この馬自身は末脚が強いというよりは、前半と後半の3ハロンで同じ脚を使うことができる馬だ。前半の3ハロンを36秒台で走っても、後半も36秒台で上がることができる。芝のレースだと35秒台より速い上がりになり、それには対応できない分、ダートでこそこの馬の良さが生きてくるのである。血統的にもダートに強いキングカメハメハの産駒であり、もちろん成長力にも期待できる。芝のレースに使おうなんて欲目を出さなければ、将来的にはダートの頂点に立てるだけの器である。

キングカメハメハ産駒といえば、ソリタリーキングにも秋の成長を見込んでいる。芝のレースを使ったことが刺激となったのか、続くブリリアントS、東海Sを連勝して休養に入った。東海Sは枠順や展開に恵まれたところがあり、まだ大レースを突き抜けるだけの速い脚に欠けるが、馬肥ゆる秋という格言に期待したい。兄にヴァーミリアンがいる血統的背景だけに、一気に台頭してもおかしくはない。

伏兵馬はローマンレジェンドだろうか。体質が弱く、大事に使われてきたことで、9戦6勝という戦績にどどまっているが、主戦の岩田康誠騎手がG1レースを狙っている馬である。前走のジュライSも強い勝ち方であった。この馬の持ち味はスピードであり、速い時計の出るような馬場のレースが合うはず。ローテーション的にはJCダートまで体調が維持できるかどうか疑問だが、好枠を引いて内々を立ち回ることができれば、昨年のミラクルレジェンドの雪辱を晴らすことができるかもしれない。

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キーンランドCを当てるために知っておくべき3つのこと

Keenland

■1■牝馬の活躍
第1回、2回では牝馬が上位(ワンツー)を独占した。牡馬の【2・4・3・57】連対率9%に対し、牝馬は【4・2・3・20】連対率20%と、およそ10%の差が生じている。この時期の札幌競馬場の芝は、洋芝とはいえ、まだそれほど重くなっていないため、函館で活躍できたパワータイプの牡馬にとっては厳しいレースとなる。また、ゴール前直線が平坦で266mと短く、平坦なコースであるため、一瞬の脚を要求される軽いレースになり、牝馬にとっては有利なレースになる。

■2■外枠が有利
札幌競馬場の1200m戦は、向こう正面を延長したポケットからのスタート。最初のコーナー(3コーナー)までの距離は406mと長く、オープン以上のクラスであればペースは速くなりがち。そして、3~4コーナーは緩やかなスパイラルコースであるため、ここで差を詰めるのは難しく、勝つためには4コーナーである程度の位置にいなければならない。この時期は馬場の内外で大きな差はなく、内外のトラックバイアスはないが、スムーズにレースが運べる分、若干外枠が有利か。

■ある程度前に行くことのできる差し馬
重賞に格上げされてからの6年のラップタイムは以下のとおり。

12.1-10.4-11.0-11.5-11.6-11.8(33.5-34.9)H
12.0-10.7-11.2-11.3-11.4-12.0(33.9-34.7)M
12.1-10.6-11.2-11.3-11.0-11.7(33.9-34.0)M
12.1-10.5-11.2-11.6-11.4-11.6(33.8-34.6)M
12.0-10.6-11.1-11.4-11.6-11.7(33.7-34.7)H
11.8-10.3-10.9-11.5-11.8-12.3(33.0-35.6)H

格上げ以前は、逃げ・先行抜け出しが決まり手のほとんどであったが、クラスが上がるやいなや、多頭数になったことで道中のペースが上がり、ようやく差しが決まった。しかし、その後の3年間はミドルペースに終わっているように、3~4コーナーで動きづらいこともあって、本質的には逃げ、先行馬に有利なコースである。一瞬の脚が問われることも含め、このレースに関してはある程度前に行くことの出来る差し馬を狙ってみるのも面白い。

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秋のG1戦線を占なう(古馬中長距離路線)

Akinog1sensenwo03_3中距離~長距離路線も面白い。オルフェーヴルの出方次第ではあるが、G1のタイトルを獲れそうな馬が他にも多い。その筆頭はルーラーシップである。今春には香港のクイーンエリザベスCを制し、返す刀で宝塚記念でもオルフェーヴルの2着と完全に本格化した。宝塚記念はやや調子落ちで臨んでおり、完調であれば、オルフェーヴルと互角に渡り合える力をつけている。それだけに、どのレースに照準を絞ってくるかが最大のポイントとなる。

天皇賞秋ならば毎日王冠をステップレースとして使ってくるはずだし、ジャパンカップならば天皇賞秋ぶっつけで使ってくるはず。角居調教師は後者を選択するのではないだろうか。その方が余裕を持って仕上げやすい。また、オルフェーヴルが凱旋門賞に出走する以上、もしジャパンカップに使ってきたとしても100%の出来には持ってこられないことを経験上知っているからだ。賞金やローテーション、そして相手関係を考えると、ジャパンカップを最大の目標に据えるのが得策である。もちろん、サラブレッドは生きものなので、ルーラーシップ自身の体調のバイオリズムに合わせて、その都度、予定を変更していくというのが正直なところではある。ルーラーシップにはぶっつけの天皇賞秋でも勝てる力はあるし、100%に仕上がったジャパンカップは限りなく勝利に近いだろう。有馬記念では、余力が残っていれば、2、3着には食い込めるかもしれない。それぐらい計算ができる馬に成長した。

春は伏兵馬であったショウナンマイティも、夏を越しての成長があれば、秋は中心馬として活躍できる。春は末脚一辺倒の競馬で、勝ったり負けたりを繰り返していたように、自分の型にハマれば強い馬であった。宝塚記念では自分の型を貫いたことで3着を確保したが、そのスタイルのままではG1レースで通用しない、というか、どうしても成績にムラが出てしまう。もうひとつ上を目指すのであれば、肉体面をさらに強化して、自然と前に行ける(先行できる)ようになるべきだ。そうなれば、この馬の末脚が安定して生かせるし、自分でレースを作れることで勝ちにいける。2000mぐらいがベストな馬だけに、狙いは天皇賞秋だろう。

もう1頭注目しておきたいのは、ダンスパートナーの仔であるフェデラリスト。昨年の秋から4連勝して、春はG1レースを前にして体調のピークが過ぎてしまった感はあったが、その能力はG1クラスである。特に中山記念は強いレースであった。切れ味勝負になりがちなジャパンカップよりは、天皇賞秋か有馬記念といったパワーが問われる舞台の方が、この馬の良さが生きるだろう。有馬記念ではオルフェーヴルが走ってくる可能性が高いので、今の時点で目標に定めるとすれば、やはり天皇賞秋ということになる。順調に本番前にひと叩きできれば楽しみな馬である。

マイル戦線のエントリーで触れるのを忘れていたが、3歳馬のカレンブラックヒルは未知の力を秘めた馬である。天皇賞秋を目指すとのことなので、毎日王冠をステップレースとして、早い段階で古馬との対決となる。直線の長い府中のNHKマイルCを逃げ切った馬であり、2000mまでこなせるスタミナはある。ただし、今年のNHKマイルCは例外的にペースが遅く、カレンブラックヒルにとってはかなり有利な展開になっただけに、過信は禁物だろう。古馬と戦う中で、厳しいレースを強いられたときに、初めてこの馬の真価が問われることになる。

オルフェーヴルについては、その後のレースのことなど考えず、とにかく凱旋門賞をピークの出来に仕上げて出走させてほしい。宝塚記念から僅か3ヶ月の期間ではなかなか難しいだろうが、ステップレースを使って、走られる状態にうまく仕上がれば、チャンスは十分にあるはず。スミヨン騎手には、安全に外を回るのではなく、馬群の内で脚を溜めて、最後の直線で爆発させるレースをしてもらいたい。この馬と凱旋門賞について妄想を語り出すと止まらなくなるので、このあたりでやめておく(笑)。

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北九州記念を当てるために知っておくべき3つのこと

Kitakyuusyuukinen

■1■軽ハンデ馬
北九州記念は2006年より距離が1200mに短縮され、ハンデ戦となった。過去6年間を振り返ってみると、一昨年のスリープレスナイト以外の勝ち馬が背負った斤量はいずれも52kg~54kgである。2着や3着にも50kg前半の軽ハンデ馬が突っ込んでいるように、軽ハンデ馬の活躍が目立つ。

軽ハンデ馬が台頭する理由は、ひとえに北九州記念が行われる時期の馬場状態の悪さにある。Aコース使用10日目(今年は6日目)であり、いくら夏の野芝とはいえ、芝の傷み方は相当なものである。「馬場が重ければ重いほど、斤量増はこたえる」という斤量の考え方があり、これだけ馬場が荒れていると負担重量の重い馬はこたえるのである。重賞で実績のない馬、近走で惨敗している馬を狙うのは気が引けるが、それでも軽ハンデ馬を狙い打ちたい。

■2■外を回す差し馬
11.9-10.1-10.9-11.3-11.5-12.3(32.9-35.1)H
11.5-10.0-10.6-11.4-11.6-12.6(32.1-35.6)H
11.8-10.3-10.9-11.4-11.4-11.7(33.0-34.5)H
11.8-10.3-10.6-11.3-11.4-12.1(32.7-34.8)H
11.6-10.0-10.5-11.2-11.5-12.3(32.1-35.0)H
11.8-10.0-10.6-11.1-11.4-12.3(32.4-34.8)H

上は過去6年間のラップタイムである。およそ前半が32秒台で後半が35秒台という、前後半の落差が大きい、いかにも短距離戦らしいハイペースになる。小倉競馬場の直線が短いとはいえ、前に行く馬には厳しい、差し馬に向きの展開になる。

芝の傷み方が相当なものだと書いたが、特に内ラチ沿いの馬場は、走ると土煙が上がるほど極端に悪い。当然のことながら、内側を通らざるを得ない馬よりも、比較的馬場の悪くない外に進路を取れる馬に有利なレースになる。外枠を引いて、外にポジションを取れる馬から狙ってみたい。

*例外として、開催中に雨が降り続いたりして、馬場全体が荒れてしまっているような場合は、外を回す差し馬は届かないため、少しでも前に行くことのできる逃げ先行馬を狙いたい。

■3■牝馬
夏に強い牝馬と言われるが、北九州記念にもそのまま当てはまる。

牡馬・せん馬 【2・2・3・47】 連対率7%
牝馬      【4・4・3・33】 連対率18%

理由はたくさん思いつくが、平坦コースでパワーのない牝馬に有利に働くこと、直線が短いため一瞬の切れ味を活きることの2つが主なところ。秋になって、舞台が坂のあるコースに移ると牝馬はなかなか勝てなくなるので、このタイミングで狙っておくべきである。

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秋のG1戦線を占なう(古馬マイル路線)

Akinog1sensenwo02

次はマイル路線。古馬の筆頭格は、やはり安田記念を制したストロングリターンだろう。NHKマイルC馬であるグランプリボスをねじ伏せて、昨年3着の雪辱を晴らした安田記念は見事な走りであった。そして、堀宣行厩舎の管理馬に総じて言えることだが、絵画から抜け出てきたような均整の取れた、これぞマイラーという馬体を誇っている。使い方次第では中距離までこなすだろうが、ベストの舞台はマイル戦だろう。それだけスタミナもある。リアルインパクトのように輸送に極端に弱くもなさそうなので、ひと叩きしてマイルCSに臨めば十分に勝ち負けになる。とはいえ、自分でレースを作れない馬であり、乗り難しさもあるので、アメリカ帰りの福永祐一騎手の絶妙な手綱のサポートが加わってこそ、春秋のマイルG1制覇を達成することができるのではないか。

堀宣行厩舎といえば、今週の札幌記念に出走するダークシャドウが天皇賞秋→マイルCSというローテーションで臨んでくれば、こちらの方を上に取りたい。毎日王冠を勝っているように、マイル~2000mが適距離であるし、昨年の天皇賞秋で、高い次元のスピードとスタミナがあることを証明済み。海外遠征等でリズムが狂ったのは確かだが、もう1度、堀調教師はネジを巻き直すように仕上げてくるだろう。この馬の課題は、ゴール前で苦しくなると尻尾を振って抵抗してしまうこと。この辺りが改善されるようであれば、マイルCSもチャンスは大きい。

別路線組でいうと、ダノンシャークの上昇度には期待したいところだ。安藤勝己騎手が抑えるレースを教え込んできたことで、道中で鞍上の意のままに走る、実に乗りやすい器用な馬になった。まだ肉体的に幼さを残しているだけに、夏を越しての成長が加われば、一気にG1ホースの仲間入りまであってもおかしくはない。本番が良馬場で行なわれたら、ディープインパクト譲りの切れ味も生きるはず。そういえば、ここまでの3頭はどれもが福永祐一騎手のお手馬である。福永祐一騎手が本番ではどの馬に跨ってきて、それ以外の2頭には誰が乗るかにも注目したいところだ。

クラシック路線の菊花賞は距離が長いということで、こちらの路線に方向転換してくる3歳馬もいる。グランデッツアなどはその口ではないか。皐月賞はトリッキーなレースとなり、日本ダービーは距離が長かったように、この馬の良さを出せずに春は終わってしまったが、決してこの程度で終わる馬ではないだろう。秋は馬に自信を取り戻させるようなローテーション(いきなり強いメンバーにぶつけずに、まずは勝利を優先する)を意識しながら、マイル路線に照準を絞っていけばよい。マイル戦であれば、この馬のパワーと先行力は確実に生きる。できれば、鞍上は秋山真一郎騎手に戻してほしいところだが。

その他、グランプリボスは気まぐれなので、よほどスムーズに流れに乗れなければ苦しく、ジョッキーの手綱捌き次第である。関屋記念を勝ったドナウブルーの勝負根性は牡馬相手でも通用するが、馬体が小さく、厳しいレースになると直線でフラつくところがあるので、勝ち負けまでは難しい。穴っぽいところだと、逃げ馬のシルポートだろうか。マイルCSは安田記念に比べて逃げ馬が残りやすい流れになるので、前哨戦で大敗して、人気薄のノーマークで逃げたら、あっと言わせるシーンもあるかもしれない。

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札幌記念を当てるために知っておくべき3つのこと

Sapporo

■1■G1馬もしくはG1級の馬
過去の勝ち馬を見ると、2つのタイプがいることが分かる。エアグルーヴ、セイウンスカイ、テイエムオーシャン、ファインモーション、フサイチパンドラなど既にG1を勝っていた馬と、ヘヴンリーロマンス、アドマイヤムーン、アーネストリー、トーセンジョーダンなど札幌記念を勝利した後にG1を勝った馬である。つまり、札幌記念はG1級の力がないと勝つのが難しいレースである。

札幌競馬場はヨーロッパの馬場に近いタフな馬場であり、本当に能力がないと勝てない。さらに札幌記念には古馬の一戦級が集まってくるため、このレースを勝つことはG1レースを勝つだけの能力が優にあることの証明でもある。札幌記念はG2レースではあるが、G1馬もしくはG1級の能力がある馬を狙ってみたい。

■2■牝馬
牡馬(セン馬含む)【7・9・9・101】 連対率13%
牝馬         【4・2・2・10】  連対率33%

過去11年間で牝馬が4勝しているだけでなく、連対率も33%と驚異的な数字を残している。平坦コースが牝馬にとってプラスに働くということに加え、前述のようにG1級の能力がなければ勝てないレースに出てくるということは、それだけ体調が良いということである。古馬の一戦級を相手に回して、勝負になる手応えがあるからこそ出走してくる牝馬には要注意。

■3■一瞬の切れを持った差し馬
スタートから第1コーナーまで400mほどの距離があるため、内枠外枠での有利不利はほとんどない。それでも、4つコーナーを回る小回りの競馬場である以上、第1コーナーまでに内のポジションを取れないと、終始外々を回らされる羽目になる。特に外枠を引いた馬は苦しいレースを強いられるだろう。

また、G1級のメンバーが揃うこともあって、道中のペースは速くなることが多い。逃げ・先行馬よりも差し馬を狙いたいのだが、いかんせん最後の直線が短い。よって、最後の短い直線だけで差し切ることのできる、一瞬の切れを持った差し馬が狙いか。

このように、あらゆる意味で札幌競馬場は騎手の技術が問われるレースであり、過去10年で武豊騎手が3勝、横山典弘騎手、藤田伸二、福永祐一騎手がそれぞれ1勝しているように、ジョッキーの腕も問われることになる。

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秋のG1戦線を占なう(古馬スプリント路線)

Akinog1sensenwo01_2毎年この時期になると、夏競馬の新鮮さに胸を躍らせつつも、もうすぐそこまで聞こえてきている秋競馬の足音が気になり始める。春に素晴らしい走りを見せてくれた一流馬たちは今、どのようにして夏を過ごし、秋にはどれだけ成長した姿を見せてくれるのだろうか。春は無冠に終わった馬たちの逆転はあるのか、それとも春秋連覇や3冠馬が誕生するのか。私の夢想が現実化したことはほとんどないが(それだけサラブレッドや競馬の未来が移ろいやすいということ)、あくまでも誰しもが抱くサラブレッドたちへの希望や期待として、古馬スプリント、マイル、中長距離、ダート路線、そして牡馬牝馬クラシック路線を占ってみたい。

まずは、G1スプリンターズSが真っ先に行なわれる古馬スプリント路線から。

春の走りを踏まえ、夏のスプリントシリーズでも好発進できたという点においても、ロードカナロアはスプリンターズSに向けてかなり有力である。春は5連勝の勢いで高松宮記念に臨んだものの、あの時点ではG1クラスの壁に阻まれた形で惜敗を喫してしまった。とはいえ、体つきに幼さを残しながら、しかも正攻法の競馬だっただけに、秋に向けての成長があれば、頂点に立てるという手応えを掴んだのは私だけではないだろう。高松宮記念後には、休養を挟んで函館スプリントSで2着とひと叩きされた。負けるべきレースで負けた(連勝した馬が負けた次のレースも負ける)ことも評価できるし、このあとはもう1レース使って、100%の仕上がりで本番のスプリンターズSに臨むことができる。外国馬という不確定要素を除けば、現時点では最も載冠に近いのはこの馬である。

高松宮記念を制して春秋スプリントG1連覇となったカレンチャンのピークの長さには驚かされる。短距離馬は総じて好調のピークが短いだけに(特に牝馬は)、今年の秋も走ったらフラワーパークを超える名牝スプリンターとして称されるだろう。カレンチャンはスプリンターらしからぬ落ち着いた気性だけに、もしかするともしかするかもしれない。スッと先行できる器用さに加え、最後までスピードが衰えない持続力、そして高速馬場でもパワーの要る馬場でも全く意に介さない柔軟性はロードカナロアの上を行く以上、カレンチャンが燃え尽きていなければ、春秋3連覇という偉業が生まれることになるかもしれない。

函館SSを勝ったドリームバレンチノはさすがに勝負にならないだろう。ここにきて3連勝と力をつけていることは確かだが、まだG1クラスで通用するスピード感はない。ローテーション的にも、4月から使われて6月でピークに仕上がっている以上、9月のスプリンターズSを絶好調で迎えるのは難しい。牡馬として初めてのサマースプリントシリーズチャンピオンの座を手に入れるために、相手関係等を綿密に考慮に入れて、ローテーションを決めてほしい。

滞在競馬を苦手としていたパドトロワは、新潟の直線レースで蘇った。この馬ほどスプリンターらしく大型で筋骨隆々の体型をしている馬はおらず、パドックで歩いている姿を見たら、迷わず買ってしまいそうである。スピードとパワーが豊富な分、ワンペースで行き切ってしまう単調な走りをすることは否めないが、そこは百戦錬磨の安藤勝己騎手の腕次第で勝ち負けに持ち込めるだろう。個人的には、スプリンターズSでハナ差負けしたビービーガルダンを思い出してしまうが、あの時の雪辱をぜひとも晴らしてもらいたい。

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集中連載:「ダート競馬の楽しみ」第13回

ダート競馬は、芝のレースに比べて、勝つためのポジション取りが限定される。勝つためのポジションについては、「勝ちポジを探せ!」ライブにて話したので詳細は省くが、つまり、芝のレースよりもダート競馬の方が勝つために走らなければならないポジション(以下、勝ちポジ)が少ないということだ。そのため、ジョッキーたちは勝ちポジを走らせようとしてポジション取りが激化し、当然のことながら、勝つチャンスがある馬も限られてしまう。走る能力の差というよりは、道中をどこのポジションで走られたかによって、勝つチャンスがある馬とない馬に分かれてしまうのだ。

私が勝ちポジという概念を発見したのもダートのレースであった。2008年の平安Sにて、角田晃一騎手が騎乗した6番人気のクワイエットデイが、まるでそこに一本のライン(道)があるかのようにスタートからゴールまでを駆け抜けた姿を見て、競馬には勝つためのポジションがあることを確信したのである。それ以来、京都1800mダート戦において何度も勝ちポジを走って勝つ馬を見続けてきた。人気馬であれ、人気薄の大穴であれ、勝つ馬はほとんどいつもと言ってよいほどに勝つためのポジションを走っているのだ。勝った馬がそのポジションを走っているのではなく、そのポジションを走ったからこそ勝ったのである。

笠松競馬場から中央競馬に移籍した安藤勝己騎手も、中央競馬の特に芝のレースのバリエーションの豊富さについて語っていた。地方競馬の時代は、ほとんどのレースにおいて勝つポジションが同じであり、馬の競争能力の多寡や騎手同士の駆け引きというよりは、どうやってそのポジションを目掛けて馬を走らせるかに集中しなければならなかった(するだけで良かった)。そういう競馬を何十年も続けていると、さすがに飽きてくる。対する中央競馬のレースでは、コース設定や道中の展開が多様であり、レースごとに勝つためのポジションが異なってくる。道中には騎手同士の駆け引きがあり、乗り方次第では騎乗馬の未知の能力を引き出したりすることもできる。安藤勝己騎手にとって中央競馬のレースが新鮮に映ったのもうなずける。

それでは、なぜダート競馬の方が芝のレースよりに勝ちポジが限定されているのだろうか。理由は2つあって、ひとつ目は、ダート競馬が行なわれるコースが小回りかつ幅員(幅)が狭いからである。中央競馬の芝レースのように、コースの幅が広くて、比較的ゆったりとコーナーを回ることができるのであれば、多少外を回してしまったとしてもロスは最小限に抑えることができる。しかし、地方競馬のようにコースの幅が狭くて、カーブのきついコーナーを何度も回るレースでは、ひとつひとつのコーナリングでのロスが馬に掛ける負担は想像以上に大きい。中央競馬のダートコースも芝コースの内側に作られているため、小さく回るという点で状況は同じである。

2つ目は、ダート競馬ではサラブレッドの使える脚に限界があるからだ。ダート競馬で上がり32秒の末脚を使って差し切ったという話など聞いたことがなく、馬場状態によって多少の違いこそあれ、芝のレースほどに鮮やかな脚を使っての逆転劇はない。つまり、最後のコーナーを回って直線に向くときには、ある程度の位置にいないと勝負にならない(勝てない)レースが多いのである。だからこそ、道中をどこのポジションで走るかが極めて重要なのだ。

(最終回へ続く→)

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夏競馬は内国産を狙ってみたい

Natukeibanaikokusannba20世紀の後半、世界の血統勢力図をもの凄い勢いで塗り替えたノーザンダンサーは、夏は高温多湿で、冬は氷点下30度前後まで冷え込むというカナダの牧場で生まれ育った。それだけでなく、神経をイラつかせるハエやアブにたかられるため、特に夏は炎天下の狭い馬房の中に閉じ込められて過ごさざるをえなかった。もちろん、エアコンや扇風機のようなものはない。そんな過酷な環境の下で育ったノーザンダンサーが、並はずれた精神力や環境への適応能力を身につけていったのは当然のことである。

ノーザンダンサーの血を持つ馬は夏競馬に強いと言われるが、決して暑さに強いのでもなく、パワーを要する馬場に強いのでもなく、他の系統の産駒たちが暑さや力の要る馬場を苦手とする中で、総じてノーザンダンサー系の馬はそれらを苦にしないということである。ノーザンダンサーの血を引く馬たちは、芝、ダート、道悪馬場、スピードの出る硬い馬場、小回りコースなど、いかなる条件にも適応できる万能性を持っている。だからこそ、ノーザンダンサーの血は世界をあっという間に席巻することが出来たのだ。

サンデーサイレンスの血もこれと同じような万能性を持っている。どのようなコース、馬場、展開であろうが、ありとあらゆる条件を克服し、圧倒的な結果を出してきた。もちろん夏競馬にも強い。サンデーサイレンスのあら探しをする血統予想家がいつも恥をかかされるのは、この万能性ゆえである。後継種牡馬を通して、これから世界へと広がっていくサンデーサイレンスの血が、どれだけの影響力を持つことになるのか、今から楽しみで仕方がない。

夏競馬における内国産の種牡馬についても、これと同じような論理が当てはまる。内国産の種牡馬は、厳しい日本の夏を経験したうえで、選抜されて種牡馬になっている。日本の気候風土に順応し、猛暑にも耐えて生き残ってきたエリートたちである。夏に弱ければ、自分自身の代で淘汰されてしまうか、もしくは運よく生き残ったとしても、自分の仔の代で息が絶えてしまうことになるだろう。だからこそ、外国産馬や父外国産馬と比べ、内国産馬は厳しい暑さに耐えられる強さを備えているのである。

たとえば、サクラユタカオーの後継種牡馬であるサクラバクシンオーの産駒は、夏競馬になると圧倒的な力を発揮し始める。スピードを生かせる馬場や小回りコースが合っているのも確かだが、蒸し暑い夏を苦にしないという点も代々受け継いでいるのだろう。かつて函館スプリントSを2連覇したシーズトウショウの強さは忘れられないし、アイビスサマーダッシュで復活したカノヤザクラのことも思い出される。

サンデーサイレンス系ということであれば、ステイゴールドやフジキセキがその筆頭格であろうか。そして、今年からはディープインパクトも加わることだろう。もちろん、夏競馬に強いだけではなく、ステイゴールドやフジキセキ、ディープインパクトを経由したサンデーサイレンスの血は、日本の競馬を飛び越えて、世界へと広がっていく。

8月も半ばになったが、うだるような暑さはまだまだ続く。そんな暑さを吹き飛ばすためにも、暑い夏は内国産馬を狙ってみたい。

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関屋記念を当てるために知っておくべき3つのこと

Sekiyakinen

■1■2000m以上の距離に実績のある中距離馬
スタートしてから最初のコーナーまでの距離、そして最後の直線が圧倒的に長いため、どの馬にとっても息の入らない厳しい流れになる。そのため、スピードよりも、スピードを持続させるためのスタミナがまず問われることになる。全体のタイムや速い上がりタイムが出ることに惑わされることなく、2000m以上の距離に実績のある中距離馬を狙いたい。

■2■ノーザンダンサー系
新潟1600mのコース形態上、スピードの持続を問われることは前述したとおりだが、そのような舞台を最も得意とするのがノーザンダンサー系の馬たち。一瞬の脚で勝負するようなレースでは惜敗を喫してきたノーザンダンサー系の馬たちが、コースを味方にして台頭する。また、ノーザンダンサー系の馬は厳しい気候にも強く、新潟の酷暑にも耐えることが出来ることも、関屋記念を得意とする理由のひとつ。

■3■先行馬もしくはアウトインアウト
12.5-10.8-11.5-12.0-11.6-11.2-10.6-12.1(46.8-45.5)S
12.3-10.7-11.6-11.9-12.0-11.3-10.6-11.9(46.5-45.8)M
12.9-11.0-11.7-11.7-11.7-11.3-10.1-12.1(47.3-45.2)S
12.8-10.6-11.0-11.2-11.7-11.8-10.3-12.4(45.6-46.2)M
12.6-11.3-12.1-12.3-11.6-11.0-10.0-11.9(48.3-44.5)S
12.2-10.8-11.6-12.3-12.1-11.3-10.7-11.7(46.9-45.8)S
12.7-11.3-12.2-12.0-11.5-10.6-10.3-12.3(48.2-44.7)S
12.5-10.5-11.5-11.7-11.6-11.8-10.9-12.1(46.2-46.4)M

一昨年は極端にしても、前半よりも後半の方が速い、全体としてスローに流れるレースが多い。また最後の直線が659mと長いため、異常なほどに速い上がり3ハロンのタイムが計時される。これだけ上がりが速いと、当然のことながら、前に行っている馬にとっては有利なレースとなる。

新潟競馬場は、押し潰された長円形の形状で、JRAの競馬場では最もコーナーの曲がりのきついコースとなる。新潟のマイル戦では、スタート後の長い直線で勢いがついたままコーナーに突っ込んでいくため、意外とスピードが落ちず、コーナーが曲がりにくい。そのため、減速することなく内ラチに沿ってコーナーを回るのは難しい。外から切れ込むようにしてコーナーを回り、直線では再び外に出すような、アウトインアウトのコース取りが理想的。

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未来を生きる子どもたちへ

Miraiwoikirukodomotati01

「未来を生きる子どもたちへ」を「ROUNDERS」vol.2に書いてから、およそ1年が経った。北海道の別海に飛び、ジョッキーベイビーズを目指す騎手の卵たちを取材させてもらい、レースに立ち会ったことで、私自身の少年時代の原体験が蘇ってきたことを思い出す。私はあれから何一つ変わらない日常を歩んでいるが、子どもたちはひと回りもふた回りも成長して、毎日が驚きと新しい発見の連続なのだろうと想像する。うらやましく思うと同時に、子どもたちの成長や変化を知ることは何よりも嬉しい。

先月28日、第4回ジョッキーベイビーズの北海道予選が浦河で行われ、「未来を生きる子どもたち」にも登場した木村和士くんと大池澪奈さんの2人が代表として選出されることに決まった。木村和士くんは昨年に続く出場となり、今年こそはリベンジを果たしてくれるかもしれない。大池澪奈さんは初出場になる。別海での草競馬のレース後に、馬たちにありがとうの意味を込めてクッキーをあげていたシーンが思い出されて感慨深い。二人とも将来は素晴らしい競馬人になるだろう。東京競馬場で11月4日(日)に行なわれる決勝戦には、応援に行くつもりである。

さらに、第1回ジョッキーベイビーズを制した木村拓巳くんが快挙を成し遂げたというニュースも届いた。国体馬術北海道大会で優勝したというのだ。スピードを競う競馬ではなく、障害飛越の競技で、北海道の代表として国体に臨むことになったのである。競走と競技、つまり競馬と乗馬は全く別ものであり、両方に長けることは難しいのだが、そんな大人が考える枠組など子どもたちには関係ないのだろう。国体では北海道の代表として頑張って、その先にあるJRAの騎手になるという夢をぜひ叶えてほしい。


別海の草競馬における木村拓巳くんと和士くん兄弟のデッドヒートをご覧ください。
ポニー競馬の速さを感じてもらえるはずです。


関連リンク
第4回ジョッキーベイビーズ 北海道地区予選結果
木村拓己君(浦河第一中3年)が優勝 国体馬術道大会で

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日本の競馬は素晴らしい

Deepimpactjc

「勝たなければ解き放たれない」について、たくさんの方々から賛否両論の意見をいただいた。私はディープブリランテ陣営の挑戦を否定したいわけではなく、リスクを取らなければ何も得るものはないとさえ強く思っているが、それでも今回のキングジョージへの出走には違和感があった。そして、その根っこには、ヨーロッパ競馬をひとつ上に見てしまう、憧れという名の自己卑下の精神があると述べた。そもそも、凱旋門賞やキングジョージは世界一を決めるレースなのだろうか。

今から6年前、ディープインパクトがフランスの地で敗れたとき、私はこう書いた。

私が最も恐れるのは、今回の敗戦によって、「ディープインパクトをもってしても世界の壁を破ることが出来なかった」という結論に達してしまうことだ。

そもそも、世界の壁とは何なのか。かくいう私も錯覚していたのだが、凱旋門賞を世界一決定戦と位置づけてしまうこと自体に大きな問題がある。凱旋門賞はヨーロッパ一を決定するレースかもしれないが、決して世界一を争うレースではない。

何度も言うが、ヨーロッパと日本の競馬は全くもって別物である。それぞれの土俵で求められている資質が違う以上、どちらが最強ということはない。戦う場所が異なれば、勝者も違ってくるのだ。ここを取り違えてしまうと、日本近代競馬の結晶であるディープインパクトの敗北という悲観論に達してしまう。

日本競馬のレベルが既に世界に追いついたことが明らかな今、凱旋門賞を最終目標に据えてしまうこと自体がナンセンスである。日本の最強馬が凱旋門賞を制することによって世界の最強馬となる、というマッチョな思想からは、悲劇の結末しか生まれないだろう。

海外の大レースに出走して勝つことには大きな意義があることも分かるし、そのほとんどは負け戦になることも知っている。その過程で環境が大きく変わることによって、馬や人が鍛えられ成長することもあるだろう。井の中の蛙であってはならない。また、ヨーロッパ競馬の歴史や伝統を認め、これまで歯を食いしばって挑戦してきた先駆者たちは大いに賞賛されるべきである。それでも、日本ダービーを勝った馬をキングジョージへ、日本の最強馬を凱旋門賞へという、まるでダービースタリオンやギャロップレーサーのような考え方はそろそろ終わりにしないかと思うのだ。

日本の競馬は素晴らしい。それは海外の競馬場に行って、1ヶ月間も過ごしてみれば分かる。何もかもが新鮮に見えるのは最初だけで、その後はどれだけ日本の競馬が素晴らしいかを思い知ることになるだろう。レースの多様さ、ゲームとしての知的さ、競馬ファンの盛り上がりなど、そこには文化でありスポーツとしての競馬がある。もしそれを感じられないとすれば、ないのではなく、見失ってしまっているだけのことだ。競馬ファンにとってもそうなのだから、関係者にとってはなおさら日本の競馬は素晴らしいはずである。

今月号「優駿」のインタビュー記事にて、日本の生産界を代表する吉田照哉氏と岡田繁幸氏が述べていたように、日本の競馬はすでに世界のレベルに達している。凱旋門賞やキングジョージは、ヨーロッパの舞台で争われる、ヨーロッパ最強馬を決する戦いにすぎない。そのことを知るために、逆説的ではあるが、まず私たちは凱旋門賞を勝たなければならないのだろう。どんな形であれ、勝つことで、ヨーロッパ競馬に対する幻想の呪縛から解き放たれるのだ。それからは、胸を張って世界を目指してもいいし、目指さなくてもいい。

Photo by ede

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