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2012年の競馬を振り返って

Gallop2012

今年の年末年始は少しゆっくりと時間が取れそうなので、久しぶりに「週刊Gallop重賞年鑑」を読みながら、2012年の競馬を振り返ってみたいと思う。個人的には、単勝馬券の2、3着が多くて悔しい思いをした年だったが、「ROUNDERS」vol.3で念願の野平祐二先生の特集をすることができ、4月から始めたメールマガジンを書くことを通して競馬を深く見ようとした年でもあった。また、競馬全体を見渡してみても、歴史に残るレースや記憶に残る激闘が多かったと思う。競馬がつまらなかった年などない、と言ってしまえば元も子もないのだが、つまり今年も競馬は素晴らしかったということだ。もちろん、残念なニュースや理不尽な出来事などもあるにはあったので、それについても改めて考えてみたい。そんな想いや憂いや期待を、年始から少しずつ綴れたらと思う。今年も「ガラスの競馬場」に来ていただきありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願い致します。

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「馬を見る天才になる!ライブ」CDの申し込みを締め切りました。

「馬を見る天才になる!ライブ」CDの申し込みを締め切らせていただきます。申し込みをしてくださった皆さま、ありがとうございます。申し込んでいただいた順に発送させていただいておりますので、今しばらくお待ちください。年末年始に聴いていただき、来年の競馬のお役に立てると幸いです。

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東京大賞典を当てるために知っておくべき3つのこと

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■1■武豊騎手と内田博幸騎手の独壇場
過去10年の勝利騎手を見てみると、武豊騎手が5勝、そして内田博幸騎手が3勝と、ほぼこの中央と地方競馬の看板を背負ってきた2人による独壇場となっている。武豊騎手はゴールドアリュール、スターキングマン、ヴァーミリアン、スマートファルコン、内田博幸騎手はアジュディミツオーとサクセスブロッケンに乗って勝った。同じ馬で2度制しているのはスマートファルコンとアジュディミツオーだけで、様々なタイプの馬を暮れの大一番で勝利に導いていることが分かる。

良い馬を任されるという面はあるにせよ、これだけ同じ騎手によって独占されているG1レースも珍しく、この2人が東京大賞典を勝つための、何かコツのようなものを知っていると言っても過言ではないだろう。今後も武豊騎手と内田博幸騎手が騎乗してくるようなら狙ってみたい。今年は武豊騎手の騎乗こそないが、内田博幸騎手にはハタノヴァンクールの依頼が転がりこんできたので、その手綱捌きには注目してみるべきである。

■2■高齢馬は割り引き
過去10年の勝ち馬の年齢を見てみると、以下のようになっている。

3歳 → 2勝
4歳 → 3勝
5歳 → 2勝
6歳 → 3勝

どの年齢かに偏っていることはなく、かなり平均的に勝ち馬が出ている。しかし、7歳以降の馬からは勝ち馬が出ていないことや、6歳にして東京大賞典を勝ったブルーコンコルド、カネヒキリ、スマートファルコンのその後の走りを考えると、高齢馬は割り引きをして評価したほうがよいのではないかと思える。いくらダート馬の現役期間が芝馬のそれに比べて長いとはいえ、もうすぐに7歳馬とならんとしている6歳馬はギリギリのラインに立たされていて、積極的に狙うのは気が引ける。

■3■大井2000m
地方競馬場は得てしてスタートから第1コーナーまでの距離が短いコース設定が多いが、大井競馬場の2000mは最初の直線が長い。それによって、内外(内枠と外枠)の差が小さく、枠順によって大きな不利をこうむる馬が少ないため、力のある馬が勝ちやすい舞台となる。まさにダートのチャンピオンディスタンスであるといえる。最後の直線も長いので、後ろから差しても届くと思われがちだが、ここに出走してくるようなダートの猛者たちは簡単には止まらないので、勝つためには最終コーナーをほぼ先頭ぐらいの勢いで回ってこなければならない。

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「馬を見る天才になる!ライブCD」を買いそびれた方へ

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「馬を見る天才になる!ライブCDを買いそびれたんだけど、年末年始に聴きたいから、なんとかならない?」というメールを友人からもらいました。1部だけというのもなんですので、せっかくなので10部作ることにしました。買い逃してしまった方で、もしご希望がありましたらお分けします。ただ、私の時間的な都合もありまして、今回は先着10名様とさせていただきますので、おそらく今日、明日中には締め切りになってしまうことをご理解ください。

「馬を見る天才になる!ライブ」のテーマは、馬体を見る力をつけることです。具体的には、私が10年以上にわたって研究してきた、馬の立ち写真から馬の体調や仕上がりや気性を見極めるノウハウをお伝えしました。「馬を見る天才になる!」ライブの馬の見方が、従来の馬の見方や馬体解説本に書いてあることと決定的に違うのは、「誰にでも分かり」、「すぐに実践できる」という点です。つまり、馬券に直結する馬体の見方だけを、できるだけシンプルに理解してもらえることを目的としています。

Umatenhikaku

実際にライブに参加していただいた方々の声をご覧ください。

馬そのものをきちんと見る、ということの大切さ
馬の外的要素(厩舎、前走など)で判断してしまうきらいがあったので、馬そのものをきちんと見る、ということの大切さを感じました。これといった専門用語を使わず、全体像とポイントを掴むことで馬体を見るという考え方がたいへん理解しやすかったです。難しいことを知らずとも、立ち姿ひとつでこれだけ馬に注目できることに驚きました。秋競馬は現地観戦予定がいくつか入っているので、さっそく実践していこうと思います。
M.Kさん

今までとは全く違った見方
今までとは全く違った見方でとても新鮮な感じでした。正直なところ、競馬雑誌の一番大事なページを飛ばしていたことを痛感させられました。今からでも雑誌の写真欄を見直してみたいです。進行もスムーズでとても分かりやすかったです。機会があれば、何度でも参加したいです。過去の名馬を見るところや、最後の勝ち馬を良そうするところはとても良かったです。
S.Hさん

“その気”で数多く見ていきたい
もっと馬を“その気”で数多く見ていきたいと思った。見た目、“ファーストインプレッション”を大事にすること。分かっているんだけど、なかなか難しいんですよね!
亀田さん

充実した内容でした
このセミナーに参加した後であれば、思っていたより「カン」で当たると思えた。スプリンターズSで当初無印だったスプリングサンダーが良く見えて、どうしようかと迷ってしまった(笑)。とても時間が足りないと思うほど、充実した内容でした。天皇賞秋ぜひ行きましょう!
山脇大輔さん

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横の比較で馬体の良し悪しを見極める
競走馬1頭の馬体の比較だけでは分からなくても、横の比較で馬体の良し悪しを見極めるところがとても感心しました。競馬の楽しみがまたできました。参加型のライブで面白く、最後まで楽しめました。ありがとうございました。
Y.Tさん

尻尾の見方や首の太さについてはタメになりました
馬体を見るポイントをわかりやすく解説いただき面白かったです。特に尻尾の見方や首の太さについてはタメになりました。学んだことを過去のレース馬体写真を使って、クイズ形式で出題してくれたことにより、より理解が深まりました。
K.Sさん

これからはフォトパドックを見るようにしたい
胴の長さと脚のバランスの四角の長さで、適性や能力をつかめそうな気がしました。これからはフォトパドックを見るようにしたいです。今度はレースの走法で適性を見る方法を教えてください。
富田さん

筋肉のメリハリの見方も参考になりました
毛艶や目つき顔つきのところは普段軽視しがちなので参考になります。また筋肉のメリハリの見方も参考になりました。じっくり名馬の馬体を眺めたいと思います。馬体から勝ち馬を当てるところはなかなか難しかったですが、人と印象が異なっていても、自信を持って予想することが重要であると再認識しました。
黒木弘雅さん

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非常に明解で自分も活用したい
“馬を見る”という観点では、非常に明解で自分も活用したいと思いました。その他のファクターとの兼ね合いが難しそうですが頑張ります。回収率スゴすぎ!
H.Kさん

自分に自信を持つこと
馬を見るために最終的に一番必要なことは、知識などよりも、自分に自信を持つことだということが分かった。初めて参加してみたが、楽しく分かりやすく、面白かった。今後も機会があればぜひ参加したいです。
福原さん

最初のテストで当たって嬉しかった
今までは目がキョロキョロしてしまい、結局、見るポイントがわからない感じでしたが、今日のお話で全体をパッとみて感じる印象が大事だということが良く分かりました。馬体を見る5つのポイントを踏まえて、最後は自分で見て、感じ方が替わり、最初のテストで当たって嬉しかったです。馬を見る訓練ですね!
M.Tさん

5つのポイントでブレが少なくなる
曖昧で見がちな馬体を、5つのポイントで表現されているのはとても分かりやすく、いざ馬を見ようとする時に思い浮かべやすく、ブレが少なくなると思いました。治郎丸さんのライブに初めて参加させていただきました。自分自身、馬を見ることが好きで、予想にも取り入れたりしていますが、新たな気づきを得ることができ、充実の3時間でした。ありがとうございました。
T.Sさん

「馬を見る天才になる!ライブCD」の具体的な内容は以下のとおりです。
■ほとんどの人は従来の馬の見方や馬体解説本を理解できない!?
■専門用語が多すぎることの弊害
■なぜ馬の立ち写真を使うのか?
■当たらない予想と当たる馬“見”術
■過去7年間の回収率(実績)を公開
■馬を見る天才になるたった3つの方法
■スター☆馬体チェック法
■典型的な短距離馬と長距離馬の胴体
■馬体のバランスを見極める6つのポイントとは
■馬の立ち姿から何が伝わってくるか
■名馬の馬体を鑑賞する
■実際のレースを使って実演!
■縦の比較と横の比較
■こうすれば誰でも馬を見る天才になれる!コーナー(体感編)

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Sityou(MP3形式、3分30秒)

*再生されるまでに時間が掛かるかもしれません。
ライブCDの内容は、CD2枚(合計102分)とレジュメ(計23ページ)になります。

今回は10部限定で3500円(税込み、送料、代引き無料)でお分けいたします。お支払い方法は代金引換になります。安くて心配と思われるかも知れませんが、情報商材ではありませんので、ひとりでも多くの皆さまに聴いていただきたいという思いを込めました。おそらく明日、明後日には先着順で締め切らせていただくことになると思います。ご希望の方はお早めにお申し込みください。

プライバシーポリシー特定商取引に基づく表記もご覧ください。

お申し込み方法
Step1_2メールフォームにてお申し込みをしてください。
*SSLに対応しておりますので、個人情報の保護も万全です
*個人情報を第三者に開示をすることは決してありません。

Step2_2お申し込み確認メールが届きます。

Step3_2お届け先住所にライブCDが届きます。
*代金引換ですので、ライブCDをお受け取りの際に料金はお支払いください。
*年内に発送させていただきますが、郵便事情で年明けの配達になるかもしれませんのでご理解ください。

質問メールも受け付け致します。このライブCDを聴いて頂いて、分からなかったこと、もっと知りたいこと等、もしありましたらメールにてドシドシ質問してください。喜んでお答えいたします。皆さまからのご質問、ご感想お待ちしております。(glassracetrack@ymail.plala.or.jpまで)

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スタミナが全てを制圧する

Arima2012 by 三浦晃一
有馬記念2012―観戦記―
内からポンと飛び出したアーネストリーが先手を奪い、前半1200mが72秒4、後半が72秒5というイーブンペースを作り上げた(最初の100mを除く)。前半、中盤、後半の3ブロックに分けると、47秒1-49秒7-48秒1だから、中盤が緩んだやや前傾ラップであり、最終コーナー手前から有力馬が動き始めたことも加わって、先行していた馬たちにとっては苦しい展開になった。中団の内で脚を溜めることのできた馬に有利な流れであり、それらをまとめて大外から差し切った勝ち馬は力が抜けていた。

ゴールドシップは、最後方からひと捲くりして勝ったように、このメンバーに入っても地脚の強さが際立っていた。有馬記念を捲くって勝った馬といえば、マンハッタンカフェとディープインパクト、そしてオルフェーヴルが思い浮かぶように、もはや超一流と呼ばれる馬たちと遜色ないレベルに達していることを示した走りであった。父ステイゴールド、母の父メジロマックイーンという黄金配合にあっても、毛色も含め、メジロマックイーンの血が濃く出ていることを感じさせる。スタミナで全てを制圧するステイヤーらしい勝利であった。サラブレッドのピークはそれほど長くないのだから、来年 に凱旋門賞へ出走し、フォルスストレートから捲くって、ロンシャン競馬場の最後の直線を真っ直ぐに突き抜けてほしい。

内田博幸騎手の騎乗は実に腹の据わったものであった。行き脚がつかないことも織り込み済みで、それでも最後には捲くりきれるという自信があったからこそ、道中で無理をしてポジションを上げようとはしなかった。そして、思ったとおりに全馬を捲くりきって、最後の直線でも止まらないゴールドシップの勢いを手綱から感じ、もう後ろから来られる馬はいない、そう確信してのゴール前での会心のガッツポーズであった。ゴールドシップは自ら前に進もうとしないが、当たりの強い、ビッシリと追える内田博幸騎手にはピッタリの馬である。また、上がりの速くなりがちなジャパンカップではなく、上がりの掛かる有馬記念を選択した須貝調教師の判断も見事であった。

オーシャンブルーは1頭だけ違う脚で馬群から抜け出してきた。道中はレースの流れに完璧に乗り、脚を溜められていたからこそ、この馬の力をフルに発揮できた。そこにはオーシャンブルー自身の成長力もあるし、池江泰寿調教師の渾身の仕上げもあった。また、C・ルメール騎手の見事な手綱捌きもあった。ステイゴールド産駒は芝の時計の速いレースを得意とするが、馬場が荒れても苦にしない。C・ルメール騎手は昨年に続き有馬記念で2着と、ここ1番での冷静な騎乗はさすがである。

ルーラーシップは大きく出遅れて、最後は差してきたが3着が精一杯であった。ジャパンカップの出遅れを受けて、この中間はゲート練習にも励んできたが、前回以上の大きな立ち遅れ。練習のときには表面に出ないが、レースに行ってから必ずそうなるのは、馬の癖というよりは、精神的に馬が追い詰められてしまっているからだろう。休養をはさんで気持ちをリフレッシュさせるか、年齢的にもこのまま引退させた方が良いかもしれない。

当日の朝、M・デムーロ騎手から三浦皇成騎手に乗り替わりになったエイシンフラッシュは、最後は見せ場を作ったものの、惜しくもゴール前で止まってしまった。この馬にはもっと軽い馬場でスローの流れが合う。M・デムーロ騎手からバトンを受けた三浦皇成騎手にとっては、かなりのプレッシャーだったに違いない。それをはねのけて、エイシンフラッシュの力を出し切って、見せ場を作った文句のつけようのない好騎乗であった。

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精神的にも落ち着いているルーラーシップ:5つ☆

アーネストリー
絶好調だった時期に比べて、馬体に伸びもパワーも失われている。
この時期もあって毛艶も冴えず、馬体から伝わってくるものが少ない。
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エイシンフラッシュ
いつも良く見せる馬だが、今回も筋肉のメリハリがあって素晴らしい。
やや詰まって映るが、前躯が盛り上がって、毛艶も文句なし。
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オーシャンブルー
前走を勝利した勢いが、そのまま馬体のメリハリとして現れている。
やや腰高のシルエットだが、切れがありそうで、毛艶も素晴らしい。
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ゴールドシップ
芦毛だけに馬体が膨張して見える分を差し引いても、メリハリに欠けるのは確か。
ただ、菊花賞を激走した疲れは微塵も感じさせず、フレッシュな馬体を誇る。
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スカイディグニティ
これといって特筆すべきところのない馬体だが、素直そうな表情が印象的。
冬毛が生えてきて毛艶が悪くなっているように、菊花賞時の出来にはない。
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ダークシャドウ
昨年秋の絶好調時には及ばないが、最後にこの秋では一番の出来に仕上がった。
距離延長はプラス材料ではないが、乗り方次第で克服できるはず。
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トゥザグローリー
寒い時期に強い馬らしく、叩かれつつも毛艶が良くなってきているのが分かる。
絶好調時ほどのバランスの良さがないが、馬体はコンパクトにまとまっている。
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トレイルブレイザー
さすがに遠征の疲れがあるのか、馬体にシャープさがないし、モッサリしている。
毛艶も冴えず、絶好調時のパワーに溢れる好馬体には到底及ばない。
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ナカヤマナイト
間隔を開けたことが吉と出たのか、スッと立てていて、精神的には落ち着いている。
まだ子どもっぽさが残る馬体だが、この馬なりにはきっちり仕上がった。
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ビートブラック
この秋のレースは太めが残っていたが、今回はきっちり絞れて仕上がりは良い。
立ち姿のバランスも実に良く、筋肉のメリハリと柔らかさが上々といえる。
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ルーラーシップ
相変わらずの好馬体を誇っていて、筋肉の豊富さとバランスは非の打ち所がない。
前走はかなり気合が入っていたが、今回は叩き3戦目にして精神的にも落ち着いている。
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ルルーシュ
前躯にしっかりとした筋肉が付いている一方、後躯の実の入りがやや物足りない。
とはいえ、どちらかというとパワータイプだけに、今の中山の馬場は合いそう。
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「ROUNDERS」創刊号を増刷しました!

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今年の秋に発売を予定していた「ROUNDERS」ライブラリーですが、私たちの力不足で、来春に発売を延期させてもらうことになりました。お金がないとかそういうことではなくて、かなりのボリュームの作品になったことで、仕上げ切れなかったという理由です。楽しみにしてくださっていた皆さまに、お詫び申し上げます。来年のクラシックが始まる頃には、100%完璧に仕上がったものをお届けしますので、少しばかりお待ちください。

そのお詫びということではありませんが、「ROUNDERS」の創刊号を増刷することにしました。私たちにとっては冒険ですが、無料キャンペーンの反響の大きさや、読みたい人がいるのにそこに本がないという状況にどうしても耐えられず、なんとしても本の形にしたいと思い、増刷に踏み切りました。「ROUNDERS」という新しい競馬の雑誌を、この先も、10年、20年先も、未来の競馬ファンにも届けてゆく、という強い決意の証でもあります。また、創刊号を読んでくださった2000人の皆さま、この場を借りて、心からお礼申し上げます。

もしまだ本の形で手にしていないという方がいらっしゃいましたら、ぜひ年末年始の楽しみとして読んでみてください。もうすでに読んだよという方は、競馬ファンのご友人にクリスマスプレゼントとして渡してあげてください(笑)。きっと喜んでいただけると思います。今、申し込んでいただければ、年内にお届けできますよ。

「ROUNDERS」は、「競馬は文化であり、スポーツである」をモットーに、世代を超えて読み継がれていくような、普遍的な内容やストーリーを扱った、読み物を中心とした新しい競馬の雑誌です。

創刊号の特集は「調教 馬と話す男たち」。サラブレッドの「調教」について、あらゆる視点から語っています。「調教」について詳しく知りたいという方にとっては、教科書代わりに使っていただけます。また、真剣に競馬について考える方にとっては、新たな気づきもあるでしょうし、サラブレッドがもっと愛おしいと思えるかもしれません。あなたにとって、「ROUNDERS」が新しい競馬の世界観への第一歩となることを願います。

特集ページの無料サンプルはこちらからご覧ください↓
*表示に時間が掛かる場合があります。

目次
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特集第1部 「馬は人のために走る」 治郎丸敬之
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特集第2部 「馬はどんな夢を見ているのだろう」 橋田俊三
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特集第3部 「馬を再生させ、成長させる」 木村忠之の仕事
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特集第4部 「栗東トレセン極道」 久保和功に訊く
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特集第5部 「調教のすべて」 治郎丸敬之
P1181231
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「ROUNDERS」(全156ページ)を1,995円(税込み、送料無料)でお分けいたします。
*大変申し訳ありませんが、振込み手数料は各自でご負担いただきますのでご理解ください。

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Step2ご注文確認メールが届きます。
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*振込み用紙を同封しますので、商品到着から5日以内に指定の銀行口座にお振込みください。
*振込み手数料は各自でご負担いただきます。

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追記
今回の増刷により、「ROUNDERS」vol.1無料購読キャンペーンは予定より少し早く終了とさせていただきましたことをご理解ください。より良い競馬の世界を目指して、これからも創り続けていきます。お読みいただいたご感想やご意見など、教えてくださると嬉しいです。(glassracetrack@ymail.plala.or.jpまで)

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なんとダイユウサク!

Jiromaru

最近は1番人気が連対する傾向にありますが、ほんの少し前までは、有馬記念は荒れるレースとして有名でした。私にとっても有馬記念とは、中山競馬場に観に行って、人が多くて実際のレースは見えず、大穴が来るので馬券は外して、寒風吹きすさぶ中を歩いて西船橋まで帰るレースとして認識しています。それが分かっていても、毎年、中山競馬場まで足を運んでいたのですから不思議ですね。最後の最後まで痛めつけられて、この1年を振り返って反省する。それが有馬記念の醍醐味でもあります。最近、わざわざ競馬場まで行かなくなったのは、あまり荒れなくなったことと関係しているのかなと思ったりもします。

荒れる有馬記念といえばダイユウサクを思い出す、という方はかなりコアな競馬ファンではないでしょうか。この年(1991年)の有馬記念はメジロマックイーンが圧倒的な人気に推されていました。とはいっても、メジロマックイーン自身は、その年の秋は天皇賞秋で降着の憂き目に遭ったのを皮切りに、ジャパンカップではゴールデンフェザントに交わされてまさかの敗北を喫していました。決して余勢を駆ってということではなく、そんな悪いリズムを断ち切るために、なんとしても負けられないレースでした。もちろん、競馬ファンも王者の強い姿を見て年を締めくくりたいと思い、メジロマックイーンに賭けたのでした。

ツインターボがレースを引っ張り、それにダイタクヘリオスやプレクラスニーが続き、メジロライアンやフジヤマケンザン、ナイスネイチャ、オサイチジョージなど、個性的な一流馬たちが周りを固めます。どの馬も有馬記念を勝てるだけの力はあるのですが、やはりそれでも競馬ファンの目はメジロマックイーン1頭に注がれていました。第1コーナーから最後のコーナーまで、天才武豊を背中にしてメジロマックーンは完璧な走りをしていました。しかし、直線を向いて満を持して抜け出しを図ったその瞬間、メジロマックイーンを上回る末脚で内から突き抜けた馬がいました。

「なんとダイユウサク!」

テレビの実況ではそう叫ばれましたが、中山競馬場にいた人々は、メジロマックイーンが負けたことは分かっても、どの馬が勝ったのか分かりませんでした。勝ち馬の黄色い帽子の色とゼッケンの番号をたよりにして、ほとんどの競馬ファンはもう自分の競馬新聞を見直してみて、初めてダイユウサクという馬が出走していたことを知ったのでした。なんと単勝万馬券(1万3790円!)の超人気薄だったのです。後づけで、マックイーンが優作を連れてきた俳優馬券だと言うサイン馬券の輩もいましたが、ほとんど誰もダイユウサクに印すら付けていなかったのが真実です。前走オープンしかもマイル戦を勝ってきたばかりの馬でしたから。

私が競馬を始めて初めての有馬記念はオグリキャップが復活した年で、その翌年がこのダイユウサクですから、有馬記念はなんだか大変なレースであると私に強烈に刻まれたのも当然のことなのかもしれません。あれだけ強いメジロマックイーンでも、ひとたびリズムを崩してしまうと、簡単に負けてしまうこと。さらにたとえマイラーでも、コーナー6つのコースを上手く立ち回ることができれば、有馬記念の2500mはこなせてしまうのだということ。この2つをメジロマックイーンとダイユウサクから学んだ気がします。今年はそのメジロマックイーンを母の父に持つゴールドシップが人気になりそうですね。父はステイゴールドですが、菊花賞のレース振りを見ても、メジロマックイーンの生き写しのようにしか思えません。果たして、ゴールドシップは祖父の仇を討てるのでしょうか。競馬は未来へ向けての戦いであると同時に、過去との戦いでもあるのです。

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中山芝2500m

Nakayama2500t

外回りコースの3コーナー直前からのスタート。第1コーナーである3コーナーまでの距離は192mと短く、スタートしてすぐにコーナーに突っ込む感じ。スタンド前を通る前に馬を落ち着かせておきたいので、スタートしてから最初の直線まではポジション争いよりも各馬折り合いに専念する。

スタンドからの歓声によって馬が行きたがることがあるが、馬を前に置けるとそれを防げる。そのため、前の馬を壁にできる内枠の馬は有利になる。1週目はゆっくりと坂を登り1コーナーに差し掛かる。ペースが上がるのは2コーナーを回って丘の下りにかかった地点から。向こう正面から3コーナーまでの間に、ほぼトップスピードに加速する。ここでのペースが極端に速いと最後の坂での逆転劇が待っている。

中山の2500mというコースにおける特徴はコーナーを6つも回るということだ。そのため道中のペースはあまり速くなることはない。ステイヤータイプの馬が活躍しているのは、スローペースでも折り合いに苦労することがないからであろう。スピードだけで押し切れるコースではないが、マイラーでも折り合いがつくタイプであれば克服はできる。

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大成の予感が

Asahihaifs2012 by 三浦晃一
朝日杯フューチュリティS2012-観戦記-
ポンと出たクラウンレガーロをエーシントップが追走し、その外からロゴタイプやマイネルエテルネルが被せるようにして、4頭がひしめき合うように第1コーナーを回った。コディーノが外に出した途端に引っ掛かり、ネオウィズダムが抑え切れずに外を回るようにして先頭に立つなど、出入りの激しい競馬。レース全体としては、前半の半マイルが45秒4、後半が48秒ジャストという、かなりのハイペースとなった。3~4コーナーの内側が荒れていて、各馬外を回ったことを含めても、底力のない馬は最後に脱落してしまう厳しいレースであった。

勝ったロゴタイプの渋太さには脱帽した。これだけ速いペースを前々で進みながら、最後の直線ではコディーノに交わさせなかった。前走のベゴニア賞でも内で折り合って、器用なレースをしていたように、行こうと思えば行けるし、控えようと思えばそうできる賢さがある。馬が精神的に安定しているからこそ出来る芸当でもあり、休み明けの前走を叩かれ、仕上がりも完璧であった。父ローエングリンの産駒として、初めてのG1制覇となった。3着にもローエングリン産駒のゴッドフリートが入っており、母父のサンデーサイレンスを味方につけて、ローエングリンはこれから種牡馬として大成しそうな予感がする。

断然の1番人気を裏切ったコディーノは、道中で外に出して引っ掛かった分、最後に伸びを欠いてしまった。まさか横山典弘騎手もあそこまで引っ掛かるとは思わなかったはずだが、藤澤和雄厩舎の管理馬のように隊列(縦列)調教をしている馬は、馬の外に出すとゴーサインだと教えられており、コディーノもそのまま素直に反応してしまったということだろう。道中で脚を使ってしまい、最終コーナーで馬群の外々を回らされたことが致命傷となったわけだが、それで勝てなかったのだから、G1を勝てる器ではなかったとあきらめるより他はない。

横山典弘騎手にとっては、悔やんでも悔やみきれない2着だろう。結果論ではなく、あそこは枠なりでジッとしているべきであり、安全運転をしようとわずかに外に出した余計な動きが敗北につながった。藤澤和雄調教師の管理馬で勝ちたい、断然の1番人気に応えたいという気持ちの中に、いつの間にか守りの意識が芽生えていたのだろうか。普段のレースなら当たり前にできることが、なかなかできない。これがG1レースの怖さである。本人も分かっているのでこれ以上は書きたくないが、情けないほどに完全な騎乗ミスであった。デムーロ騎手の馬上からの握手に応じられなかった気持ちはよく分かる。

ゴッドフリートは道中コディーノを前に見る形でレースを進め、ギリギリまで追い出しを待って、ゴールまでしっかり伸びた。前の2頭はさすがに強かったが、スミヨン騎手の冷静な騎乗に導かれて、この馬自身の力は出し切っている。フラムドクロワールは追っ付け気味で追走しつつ、最後までバテることなく末脚を発揮した。現時点ではスピードの絶対値が足りなかったが、順調に成長を遂げることができれば、来年のNHKマイルCでは面白い存在になっているはず。エーシントップにとっては、道中のペースが速すぎた。前走の京王杯2歳Sとは180度違う、厳しい流れに戸惑い、失速した。

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有馬記念を当てるために知っておくべき3つのこと

Arima

■1■必ずしも強い馬が勝つとはいえない2つの理由
暮れの大一番、有馬記念。3歳馬と古馬との対決でその年のナンバーワンを決定するのだが、必ずしも強い馬が勝つとは言えないのがこのレース。

その理由として、
1、シーズン最後のレースであるために、強くてもピークを過ぎている馬がいる。
2、コーナーを6つも回るため、展開によって大きくペースが左右される。
という2点が挙げられる。

1については、各馬それぞれ目標としていたレースが違うということである。たとえば3歳馬なら菊花賞、古馬ならジャパンカップ、そして海外の大レースに目標を定めていた馬もいるだろう。しかし、現状としては、暮れの大一番である有馬記念に目標を置いていたという馬はまずいない。よって、秋のどこかの時点でピークに仕上がってしまった馬や、仕上げて勝った馬は、この有馬記念には下降線の決して万全とはいえない体調で臨まざるを得ないということになる。中にはここに来て調子を上げてくる馬もいるので、そういった体調の交錯があって、あっと驚く好走や凡走が繰り広げられるのがこの有馬記念である。

2については、有馬記念が行われる中山の2500mというコースにおける特徴は、コーナーを6つも回るということだ。競馬はコーナーを回ることによって息が入ったり、ペースがアップダウンしたりするので、コーナーの数と展開の不安定性は比例する。昨年はダイワスカーレットが尋常ではないペースでレースを引っ張ったが、いつ超スローペースになってもおかしくない。つまり、展開の紛れによって結果が大きく左右される、荒れやすいレースである。

■2■世代交代が行われるレース
過去10年の年齢別の成績を見ると、3歳馬が3勝、4歳馬が6勝となる。成長著しい3歳馬か、充実から完成に向かう4歳馬のどちらかから勝ち馬が出る可能性は非常に高い。このデータを考えると、5歳と7歳時に連対したタップダンスシチーの凄さが分かる。いずれにせよ、有馬記念は世代交代が行われるレースであり、これからの馬を狙い打つのが本筋である。

■3■牝馬が勝ちきることは難しい
2008年にダイワスカーレットが驚異的な強さで勝利したものの、牝馬としてはヒシアマゾンの2着、エアグルーヴの3着、ダイワスカーレットの2着が近年では最高であった。理由は2つ考えられて、1つはジャパンカップと同じく、トップレベルのスタミナが要求されること。もうひとつは、牝馬は牡馬に比べて冬毛が生えてくるのが早いように、季節的に休眠に入ってしまい臨戦態勢にないことが挙げられる。これからも牝馬がこのレースを勝ち切ることは相当難しいだろう。

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聡明さが伝わってくるコディーノ:5つ☆

ノウレッジ →馬体を見る
細かく筋肉が分化しているように、2歳馬とは思えないほど鍛え上げられている。
その分、やや胴が詰まって見えるように、マイルまでの距離が限界だろう。
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ザラストロ →馬体を見る
前躯の力強さが特徴的で、首回りも太く、いかにもパワータイプといった印象。
あえて言えば、トモに力が足りないのか、立ち姿に違和感がある。
Pad3star

ディアセルヴィス →馬体を見る
この時期だけに仕方ないが、冬毛が生えてきて、毛艶が冴えない。
このメンバーに入ると、線の細さが目立ってしまうように、現時点では厳しい。
Pad2star

アットウィル →馬体を見る
前走をひと叩きされて、馬体が張ってきたし、表情からも気合が漲っている。
父アドマイヤムーンの2歳時と似て、前後躯ともにきっちりと実が入って力強い。
Pad45star

ラブリーデイ →馬体を見る
血統的にもそうだが、もっと距離が延びてこそ良さが出そうな馬体をしている。
現時点では、これといって強調するところはないが、逆に欠点もない。
Pad3star

マイネルエテルネル →馬体を見る
いかにも速そうな筋骨隆々の馬体を誇り、スピードはたしかにありそう。
マイル戦でスタミナを問われると疑問で、毛艶も悪く、体調も完全ではない。
Pad3star

フラムドグロワール →馬体を見る
ダイワメジャー産駒らしく、この時期にして、実に立派な馬体を誇っている。
前躯の力強さに対して後躯が物足りないのは確かだが、完成度は高い。
Pad3star

クラウンレガーロ →馬体を見る
手脚が長く、全体的に線が細いため、このメンバーに入ると極端に弱弱しく映る。
父グラスワンダーのように、全身にパワーがついてくるのは、もう少し先か。
Pad2star

テイエムイナズマ →馬体を見る
まだ幼さを随所に残している馬体だが、全体的なバランスは悪くない。
デイリー杯を勝っているように能力はあるので、あとは気分良く走れるかどうか。
Pad3star

コディーノ →馬体を見る
馬体よりも前に、まずこの馬の聡明さが伝わってくる表情が素晴らしい。
この時期にもかかわらず毛艶も最高で、筋肉のメリハリもあり、文句なしの仕上がり。
Pad5star

エーシントップ →馬体を見る
ずんぐりむっくりに映るように、全体的にメリハリに欠け、まだ幼さが残っている。
ただ、体全体のパワーはG1クラスなので、先行力をどれだけ生かすことができるか。
Pad3star


Asahihaifs2012wt_2

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斜めに走った馬

Jiromaru

日本馬のレベルを大きく引き上げたサンデーサイレンスの初期の産駒にバブルガムフェローという大物がいました。種牡馬としては残念ながら大成しませんでしたが、競走馬としてはいかにもサンデーサイレンス産駒といったスピードと手脚の素軽さがあり、2歳時に朝日杯フューチュリティS、3歳時には天皇賞秋を制しました。あの藤澤和雄調教師をして、「これだけの馬は滅多にいないし、またこれほどの馬を調教してみたい」と言わせる名馬でした。

バブルガムフェローが勝った2つのG1レースのうち、どちらもが強烈に記憶に残っていますが、レースにおける激しい攻防という点においては、朝日杯フューチュリティS(当時の朝日杯3歳S)の方でしょうか。「このレース(朝日杯)を勝てるぐらいでないと種牡馬になれない」と社台グループの吉田照哉氏からハッパをかけられ、藤澤和雄調教師は負けられない状況でバブルガムフェローを出走させたのでした。鞍上には円熟を極めていた岡部幸雄騎手が跨り、たしかに負ける要素はひとつも見当たりませんでした。

それでも走ってみないと分からないのが競馬です。好スタートから道中は最高のポジションを追走し、直線に向いてどれぐらい弾けるのかに見えたその瞬間、外から武豊騎手の乗るエイシンガイモンが一気に捲くってきたのです。最終コーナー直前のあっという間の出来事でしたので、岡部幸雄騎手とバブルガムフェローはジッとせざるを得ません。そうしている内に、武豊エイシンガイモンはコーナーリングを利して、バブルガムフェローの進路を塞いだのでした。ワンテンポ仕掛けが遅れた岡部バブルガムフェローを尻目に、武豊エイシンガイモンは先頭に立って粘り込みを図りました。

しかし、馬群から抜け出した岡部バブルガムフェローが一完歩ごとに差を詰め、ゴール前でようやく武豊エイシンガイモンに馬体を並べて、見事に差し切ったのです。このときバブルガムフェローは内側に切れ込むように走っており、岡部幸雄騎手は馬を追うというよりは真っ直ぐに走らせることで精一杯でした。仕掛けがツーテンポも遅れた上に、斜めに走りながらも、エイシンガイモンを楽々と交わしてしまったバブルガムフェローを見て、競馬ファンの誰もが来年のクラシックの主役が登場したことを悟ったのでした。

「あのレースの武くんは意地悪だった」とのちに藤澤和雄調教師は冗談っぽく語りましたが、今観ても、何度観ても、武豊騎手の芸術的な騎乗ですね。圧倒的な力を誇るバブルガムフェローに一矢報いようと、これしかないというタイミングで外から捲くるように仕掛けた武豊騎手の思い切りの良さにしびれます。名手岡部幸雄と武豊による静かな火花が飛び散った、今年のジャパンカップの激しさとはまた違い、こちらはこちらで激しい競馬でした。

今年はバブルガムフェローを管理していた藤澤和雄厩舎から、キングカメハメハ産駒の大物コディーノが出走します。おそらく断然の1番人気を背負うことになると思いますが、その素質はバブルガムフェローにも劣らないものがあるはずです。今年も熟練の技を披露しつづけている横山典弘騎手が跨り、どんな走りを見せてくれるのでしょうか。またその勝利を阻もうと、どの人馬がどのような作戦を練って実行してくるのでしょうか。

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中山芝1600m

Nakayama1600t1

1コーナー付近にある小高い丘の頂上からのスタート。第1コーナーとなる2コーナーまでの距離が240mと短いことと下り坂になっていることによって、流れは速くなりやすい。見た目よりもゆったりとした2コーナーを回ると、あとはひたすら下り坂で、その勢いをつけたまま4コーナーを回り直線に突入することになる。勝負の分かれ目は最後に待ち構えている坂で、余力が残っていない馬はここでパタっと止まる。そのため、前残りか前崩れかといった極端な展開になりやすい。

直線が短いためスピードだけで押し切れそうだが、直線に急勾配な坂があることによって、実はスタミナも必要とされる。かといって、ジワジワと伸びていても直線が短く届かないので、一気に坂を駆け上がるような瞬発力も要求される。

外枠が極端に不利なコースである。第1コーナーまでの距離が短いため、外枠の馬は良いポジションを確保するのが難しい。そして、コース全体が大きな円を描いているため、外を回されると内の馬と比べてかなりの距離ロスになってしまう。ペースに緩みがないため、一旦外を回されると軌道修正する前にレースが終わってしまうことも多い。

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まさにサプライズ


阪神ジュベナイルF2012-観戦記-
タガノミューチャンが飛び出して、それをクロフネサプライズが追いかける形でレースはスタートした。馬群が固まって進んだこともあり、ペースはそれほど速くないのかと思われたが、レースが終わってみると前半800mが45秒9、後半マイルが48秒3という超ハイペース。外から差しが決まりそうな展開だが、そうならなかったのは、どの馬もバテて差し脚がなくなっていたからだろう。上位2頭の強さが目立ったレースであった。

この流れを道中は内を進み、馬群の中で我慢して、最後は抜け出してきたのだからローブティサージュの強さは驚きだ。好スタートから、内々でスムーズに走られたとしても、キャリアわずか2戦の2歳牝馬に簡単にできる芸当ではない。豊富なスタミナと強靭な末脚と精神力を兼ね備えている素質馬であることを、この1戦ではっきりと証明したことになる。前走のファンタジーSは距離が足りずに差し損ねたが、今回は一変してスタミナを問われるレースになり巻き返した。

秋山真一郎騎手は今年2つ目のG1制覇となった。今回もスタートから実に落ち着いて騎乗していて、追い出しのタイミングも抜群であった。最内枠からの発走ということで、一旦下げて外を回すか迷ったはずだが、ローブティサージュを信じて正攻法で乗ったのが正解であった。有力ジョッキーが香港遠征で不在の中、前日の朝日チャレンジCに続き、ベテランの老獪な技を見せてくれた。ミスのない騎乗ができる数少ないジョッキーのひとりだけに、今後も騎乗馬に恵まれれば、大いに活躍が期待できる。

クロフネサプライズは、これだけの速いペースを終始掛かり気味に走りながら、最後まで粘り込んでしまったのだから、まさにサプライズであった。しかも最後は差し返していたように、勝負根性という点においても、かなりの器であることは間違いないだろう。芦毛ということもあってか、一昨年の阪神ジュベナイルFで2着したホエールキャプチャを思い起こさせる。それほどに、もしかしたら勝った馬かそれ以上の、強さを示した走りであった。

1番人気のコレクターアイテムは伸びそうで伸び切れなかった。浜中俊騎手は好スタートからソツのない騎乗をしていたが、最後はコレクターアイテムの脚が上がってしまい、これまでのような伸びがなかった。勝った前走のアルテミスSとは正反対の、スタミナを問われる厳しいレースになったことが影響したのだろう。同厩舎のローブティサージュとの力関係がはっきりしてしまっただけに、来年からは挑戦者としてクラシックに挑むことになる。

関東馬のサンブルエミューズも伸びきれずに馬群に飲まれた。現時点では馬が若く、関西への輸送を含めると、さすがに勝ち切るのは難しかったということだ。ファンタジーSの勝ち馬であるサウンドリアーナは積極的なレースをしたが、厳しいレースを追走したことで、直線に向いて失速してしまった。サンブルエミューズやサウンドリアーナのみならず、先行したスピード優位の馬たちにとっては非常に苦しいレースであった。

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朝日杯FSを当てるために知っておくべき3つのこと

Asahihaifs

■1■絶対的能力と完成度が問われる
傾向としては1番人気が強く、過去12年間で【3・3・4・2】という成績である。勝率ほぼ3割、連対率5割、複勝率もほぼパーフェクトに近い。1番人気が好走することで有名なマイルチャンピオンシップよりも高い数字である。また、2番人気においても、【4・2・0・4】と1番人気を上回る安定した成績を残している。理由としては、かなり速い時計での決着となるため、実力の有無がはっきりと出てしまうことが考えられる。

また、過去12年の勝ち馬を見ると、平成16年のマイネルレコルト、平成18年のドリームジャーニー、平成19年のゴスホークケン以外、すべての馬が前走1着していることが分かる。これは現時点での絶対的な能力や完成度が問われるレースになることを示している。重賞ならば最低でも3着以内に好走していること、もちろん条件戦で負けているようでは×。

■2■生粋の逃げ馬は通用しない
ここまで逃げて勝ってきた馬がまったく通用していないことにも注目したい。中山1600mのコース形態上、2コーナーまでの位置取り争いが激化するため、ほぼ毎年、前に行った馬には厳しいペースとなる。さらに、最後の直線に急坂があることによって、スピードだけで押し切るのは難しい。

このレースを逃げ切ったのはゴスホークケンだけ。そもそも、この年はペースがそれほど速くはなかったし、ゴスホークケンはその前走で抑える競馬をしていた。つまり、スピードを武器にした一本調子の馬ではなく、抑えが利いて、終いの脚を生かすような競馬ができる馬でないとこのレースは勝てないということだ。

■3■スタミナがないと勝ち切ることはできない
このレースはスピードこそ絶対だが、スタミナもないと勝ち切ることはできない。そのため、1600m以上の距離のレースを経験していることはほぼ必須条件になってくる。ということからも、もし東京スポ-ツ杯(G3 東京1800m)のレースを勝った馬が順調に出走してくれば、間違いなく勝ち負けになるだろう。

12.0-11.0-11.3-11.1-11.7-12.3-12.0-12.2(45.4-48.2)H
1:33.6 グラスワンダー
12.5-11.2-11.4-11.8-12.0-12.2-12.2-12.0(46.9-48.4)H
1:35.3 アドマイヤコジーン
12.3-10.4-10.8-11.6-12.0-12.6-12.1-12.9(45.1-49.6)H
1:34.7 エイシンプレストン
12.3-11.2-11.5-11.7-11.7-12.0-11.9-12.2(46.7-47.8)H
1:34.5 メジロベイリー
12.1-10.9-11.4-11.8-11.5-12.1-12.1-11.9(46.2-47.6)H
1:33.8 アドマイヤドン
12.5-11.1-10.7-11.2-11.4-11.7-12.3-12.6(45.5-48.0)H
1:33.5 エイシンチャンプ
12.3-10.7-11.1-11.7-11.7-12.1-11.9-12.2(45.8-47.9)H
1:33.7 コスモサンビーム
12.3-10.8-10.9-11.4-12.0-12.0-11.8-12.2(45.4-48.0)H
1:33.4 マイネルレコルト
12.8-11.5-11.6-11.5-11.6-11.8-11.1-11.8(47.4-46.3)S
1:33.7 フサイチリシャール
12.6-11.0-11.3-11.9-12.1-12.2-11.1-12.2(46.8-47.6)M
1:34.4 ドリームジャーニー
12.3-11.1-11.3-11.6-12.0-11.9-11.3-12.0(46.3-47.2)M
1:33.5 ゴスホークケン
12.2-10.8-11.3-12.0-12.5-12.6-11.7-12.0(46.3-48.8)H
1.35.1 セイウンワンダー
12.0-10.8-11.4-11.9-12.3-12.3-11.7-11.6(46.1-47.9)H
1:34.0 ローズキングダム
12.2-11.0-11.5-11.9-12.0-11.7-11.6-12.0(46.6-47.3)M
1:33.9 グランプリボス
12.2-11.0-11.3-11.4-11.9-12.0-11.7-11.9(45.9-47.5)H
1:33.4 アルフレード

ただし、最近のラップタイムを見ると、ここ数年は少し傾向が変わってきていることが分かる。ほぼ確実にハイペースに流れていた過去のレースとは違い、平成17年はなんとスローペース、平成18、19年はミドルペースに落ち着いている。その年ごとのメンバーによって流れが違ってくるのは確かだが、近年になってクラシックを狙う馬が回避して、よりスピードに偏った馬が集まってきている中だけに興味深い傾向である。

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2歳牝馬とは思えない迫力のコレクターアイテム:5つ☆

アユサン →馬体を見る
全体にゆったりとした造りで、ディープ産駒らしく、いかにもバネがありそう。
ただ、現状としては、幼さを感じさせる馬体であり、力が付き切っていない。
Pad3star

エイシンラトゥナ →馬体を見る
前後躯に実が入っているように見えるが、全体のラインはまだ細さが残る。
毛艶も良く、馬体にも柔らか味があるので、調子自体は良さそう。
Pad3star

クロフネサプライズ →馬体を見る
クロフネの産駒にしては、首も細く、馬体全体に力強さを感じさせない。
かえってマイルの距離ではプラスに働くかもしれないが、物足りなさは残る。
Pad2star

コレクターアイテム →馬体を見る
胸前の迫力が2歳牝馬とは思えないほどで、心肺機能の強ささえ伝わってくる。
馬体重は減ってきているが、もうひと絞りできそうな余裕があり、心配は要らない。
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サウンドアリーナ →馬体を見る
突っ立っているように、走るときも力を入れて走るタイプで、距離延長は微妙なところ。
ただ、他のメンバーに比べても、筋肉の付き方という点においては一枚上で力強い。
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サンブルエミューズ →馬体を見る
前肢を突っ立てているように、表情からも気性の激しさが伝わってくる。
馬体自体はきっちりと仕上がっているので、あとはズムーズに流れに乗れるかどうか。
Pad3star

ストークアンドレイ →馬体を見る
いかにも短距離馬らしい筋肉の付き方で、とても2歳牝馬の筋肉とは思えない。
距離が短ければこの馬の右に出る者はいないが、マイル戦だとさすがに苦しいか。
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タガノミューチャン →馬体を見る
これから実が入ってくれば素晴らしい馬体になりそうだが、現状は線が細い。
気性も素直そうだし、距離自体は全く問題ないが、パワー勝負になるとつらい。
Pad2star

ディアマイベイビー →馬体を見る
成長途上の馬体であり、特にトモの筋肉の付き方に物足りなさが残る。
気性的には大人しそうなので、来年の成長力次第では楽しみな存在になる。
Pad3star

プリンセスジャック →馬体を見る
ダイワメジャー産駒らしく、この時期からきっちりと筋肉がついて、丸みのある馬体。
全体のバランスも良いので、マイルに距離が延長されることはマイナスにはならない。
Pad3star

ローブティサージュ →馬体を見る
この馬も前躯の発達が素晴らしく、後躯にも十分な筋肉がついている。
ただ、(やや太め残りということも含め)胴部が詰まっているので距離延長はどうか。
Pad4star

Hansinjf2012wt

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ディープインパクトよりも幸せな馬

Jiromaru

JCダートにおける清清しい勝利の陰に隠れてしまいましたが、その前日には、10歳馬のトウカイトリックがステイヤーズSを制するという出来事がありました。北村宏司騎手の見事なエスコートに応えたトウカイトリックの走りは、とても10歳馬のそれとは思えない、生き生きとしたものでした。これだけ競走馬の入れ替えが激しい時代に、トウカイトリックが10歳まで走ることができているのは、もちろん本人の走る能力や気持ちが衰えていないということもありますが、それ以上に、トウカイトリックに携わる人々の理解があるからでしょう。特に、ずっと生活を共にしている厩務員の方の喜びはひとしおだと思います。

トウカイトリックが走ってきた数々のレースの中で、私の記憶に最も残っているのが、2006年の阪神大賞典です。この年の阪神大賞典は、馬場もあまり良くなく、風が猛烈に強かったことを覚えています。勝ったディープインパクトの上がり3ハロン36秒8が、その風の強さを物語っています。最後の直線に向いてからの強烈な向かい風に、ディープインパクト以外のほとんどの馬が失速してゆく中、トウカイトリックだけが渋太く伸びて2着に入ったのです。正直に言うと、世間の人々も私も、ディープインパクトしか見ていなかったと思いますが、それでもトウカイトリックの底知れぬスタミナと折れない心にドキリとさせられたのでした。

あれから6年の歳月が経ち、ディープインパクトは種牡馬となり、その産駒たちは日本ダービーやジャパンカップを制し、大活躍しています。対してトウカイトリックは、まだ現役でターフを走り続けています。まるで馬生の光と影、表と裏のようにも思えますが、私はそうではないと思います。

作家の村上春樹さんは、走ることについてこう語りました。

世間にはときどき、日々走っている人に向かって「そこまでして長生きをしたいかね」と嘲笑的に言う人がいる。でも思うのだけれど、長生きをしたいと思って走っている人は、実際にはそれほどいないのではないか。むしろ「たとえ長く生きなくてもいいから、少なくとも生きているうちは十全な人生を送りたい」と思って走っている人の方が、数としてはずっと多いのではないかという気がする。同じ十年でも、ぼんやりと生きる十年よりは、しっかりと目的を持って、生き生きと生きる十年の方が当然のことながら遥かに好ましいし、走ることは確実にそれを助けてくれると僕は考えている。与えられた個々人の限界の中で、少しでも有効に自分を燃焼させていくこと、それがランニングというものの本質だし、それはまた生きることのメタファーであるのだ。 (「走ることについて語るとき、僕の語ること」村上春樹)

たとえレースでは厳しくとも、厩舎にいるときは人々に愛され、競馬場で走っているときが最も輝けるのですから、できるだけ長く走り続けることがサラブレッドにとっての幸せなのだと私は思います。ディープインパクトのような馬は別にして、ほとんどの馬たちは種牡馬にはなれないのが現実であり、その限られた馬生の中で、どれだけ輝ける時期を長く保ち、あわよくば勲章を付けて牧場に返してあげることが、サラブレッドにかかわる人間の務めなのでしょう。そういう意味では、トウカイトリックは10年間も無事に走り続けることができたのですから、もしかしたらディープインパクトよりも幸せな馬なのかもしれませんね。少なくとも私はそう思うのです。

Tokaitrick

今回、トウカイトリックの写真を提供してくださった太田宏昭さんは、今年も「ばんえいカレンダー」を発売されました。もう私は手に入れましたが、まだ来年のカレンダーで迷われている方がいらっしゃったらお勧めします。

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阪神芝1600m

Newhanshin1600

向こう正面からのスタートで、最初のコーナーである3コーナーまでの距離は444mと長い。極端なポジション争いはなく、最後の直線が長いことも意識されるため、前半はほとんど無理をすることなくスムーズに流れる。

新阪神1600mのコースの特徴は、3~4コーナーにある。3コーナーにある残り5ハロン標識を切ってから、非常に緩やかなカーブが4コーナーまで続くため、各馬ゆったりとコーナーリングを開始する。旧阪神1600mのコースであれば、3コーナーから4コーナーにかけての擬似直線で前との差を詰めることができたが、新阪神1600mのコースではそれができない。だからこそ、先行馬はここで息を入れて、最後の直線に向くまでにスタミナを温存することができる。

最後の直線は474mもあり、直線に向いてから仕掛けても遅くはない。差し馬にとっては脚を余すということがなくなったが、3~4コーナーで楽をしている分、先行馬も簡単には止まらない。結局は、最後の長い直線での瞬発力勝負で勝敗は決することになる。もちろん、最後に急坂が待ち構えているので、スタミナに欠ける馬はここで脱落してしまうことになる。実力がはっきりと反映されるコースというよりも、ある程度のスタミナに支えられた瞬発力のある馬にとって最適の舞台である。

ただし、キャリア僅か数戦の若駒同士のレースということで、思わぬ馬が思わぬ暴走をしてしまい、ペースが急激に上がってしまうこともあり得る。また、スローが予測されるレースでは、外枠を引いた騎手が外々を回されるのを嫌って、多少強引にでも先行してくることもあり、これでペースが一気にはね上がってしまうこともある。基本的には上述のようにゆったりと流れやすいコースだが、各馬の出方には細心の注意を払いたい。

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清清しい勝利


JCダート2012-観戦記-
逃げ宣言をしていたトランセンドが押して叩いても行かず、代わりに内枠から自然な形でハナに立ったエスポワールシチーが、前半の1000mが59秒8という淀みのないペースでレースを引っ張った。各馬の実力が拮抗していたこともあってか、馬群は縦長にならず密集し、第4コーナーでも外に膨れながら回らざるをえない馬が多く見られた。コースロスのないポジションで、スムーズに走ることができたかどうかが勝敗を分けた。

勝ったニホンピロアワーズは、好ダッシュからすぐさま好位置を取り、あとは馬任せのペースでレースを運ぶことに成功した。最終コーナーを回っても、酒井学騎手の手綱は持ったまま。あり余る手応えを感じながらも、ギリギリまで仕掛けを我慢して追い出されると、ゴールまで一直線に伸びた。これまでの詰めの甘さが嘘のような、会心の競馬であった。ニホンピロアワーズ自身、力を付けているのは確かだが、どの馬よりもスムーズにレースができ、いつも通りの力を出し切れたことが最大の勝因である。

酒井学騎手にとっては、初のG1勝利となった。前に行かせたら天下一品であり、今回もきっちりと馬を御して、完璧に回ってきたように、ここにきてメキメキと力をつけているジョッキーである。地道な努力が少しずつ実り始め、走る馬に少しずつ乗れるようになり、関係者からも少しずつ認められるようになってきた。外国人ジョッキーや地方出身のジョッキーの台頭により、かつてないほど厳しい環境下におかれても、こうして才能のある騎手が芽を出してきたことが素晴らしい。実に綺麗で、無欲で、清清しい勝利であった。

ワンダーアキュートは先行力を生かし、道中は最高のポジションを進んでいた。前走のJBCクラシックとは違う速いペースにやや戸惑う面はあったが、最終コーナーでは前に行く馬たちを射程圏に入れて絶好の形で回ることができた。それでも、最後は突き放されてしまったのは、前走で絞り込まれて激走した反動があったのかもしれない。あえて言うならば、第4コーナーを回った勝負所で、ブレーキをかけることなく内を突いていれば、もう少し際どい勝負になっただろう。

1番人気のローマンレジェンドは、道中で思ったようなポジションが取れず、最終コーナーでは外を回したことで、最後は脚が上がってしまった。さすがに内を突くわけにはいかず、外々を回して勝てるほど弱いメンバーでもなかった。ここまで6連勝で来たが、道中での手応えも良くなかったように、蓄積された目に見えない疲れがあったのだろう。まだ4歳馬であり、この先の成長が見込まれるし、大きな期待を掛けていい馬である。

3歳馬のホッコータルマエは先行力にものを言わせて、今回も堅実に力を出し切った。3歳馬の中では最先着を果たしたように、堅実さという点では世代一である。同じ3歳馬のイジゲンは、またもや立ち遅れる形で、後方からのレースを強いられた。前走はそれが逆にハマったが、さすがにG1レースの舞台では同じ競馬は通用しない。ハタノヴァンクールももっと前に行けるようではないと、このレベルのレースでは厳しい。

エスポワールシチーはどうしたのだろう。確かにペースは速かったが、無抵抗に敗れてしまったのは、気持ちの衰えがあるのだろうか。エルムSでローマンレジェンドを差し返したシーンを見て、闘争心が戻ってきたと感じただけに残念だ。全てを知っている佐藤哲三騎手からの乗り替わりも、決してプラスには働かなかったのだろう。

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阪神ジュベナイルFを当てるために知っておくべき3つのこと

Hjf

■1■2つの経験
平成3年より従来の阪神3歳Sは牝馬限定に変更され、さらに平成13年より名称を「阪神ジュベナイルフィリーズ」と改められた。わずか数戦のキャリアで臨んでくる馬がほとんどで、各馬の力の比較が難しい。実はこれといった傾向はないのだが、以下2つの経験をしている馬にとっては、かなり有利なレースになる。このレースを勝つためには、いずれかを経験していることが望ましい。

1、1600m以上の距離
2、坂のあるコース

「早熟の短距離馬」が多く出走してくるため、このレースに臨むまでのステップとして、1600mよりも短い距離を使ってくる馬が多い。これまでにマイルの距離や直線に坂のあるコースを走ったことがない馬たちが、いきなりG1レースの厳しい流れの中に放り込まれ、直線に坂のある1600mのコースを走ると、確実にスタミナ切れを起こすことになる。1600m以上の距離、もしくは直線に坂のあるようなタフなレースを走った経験がないと、このレースで勝ち切ることは難しい。

■2■抽選をクリアした馬の台頭
これは来週の朝日杯フューチュリティSにも当てはまることだが、抽選をクリアした馬、滑り込み出走が叶った馬たちには着目すべきである。それは運が良いからということではなく、彼ら彼女たちの「ローテーション」と「成長曲線」に秘密が隠されているからだ。

まず「ローテーション」については、抽選をクリアしてきた馬は、これまでの出走過程において無理を強いられていない馬が多いということである。多いと書いたのは、全ての馬がそうではないからである。本番に出走する権利を取るために、何度もレースに出走してそれでも抽選待ちになってしまった馬もたくさんいるはずだ(こういう馬は能力的に疑問符がつく)。そのあたりは1頭1頭を検証する必要があるが、例えば2007年のトールポピーはキャリア3戦、ゴスホークケンは2戦、レーヴダムールに至ってはわずか1戦であった。そして、昨年はキャリア1戦のジョワドヴィーヴルがこのレースを制した。

これが何を意味するかというと、これらの馬たちは、本番であるG1レースに合わせたローテーションを組んで走らされてきたのではなく、自分たちの仕上がりに合わせて大事に使われてきたということである。人間の都合ではなく、馬優先の余裕を持たせたローテーションであったということだ。あくまでもその延長線上に、たまたまG1レースがあったということに他ならない。だからこそ、そこまでの過程において無理をさせてきていないからこそ、馬に余力が十分に残っているということになる。

次に「成長曲線」についても、余裕を持たせたローテーションということとリンクしてくる。馬の仕上がりに合わせるとは、馬の成長に合わせたローテーションということである。特に若駒の間は、レースを使うことによって、成長を大きく阻害してしまうことがある。2歳戦~クラシックにかけて、数多くのレースを使うことは、マイナス材料にこそなれ、決してプラス材料にはならない。レース経験の少なさは、馬の能力と騎手の手綱で補うことが出来る。つまり、本番のレースに出走するために、馬をキッチリ仕上げて勝ってきた馬たちに比べ、成長を阻害しない程度のゆったりとした仕上がりで走ってきた馬たちは、上積みが見込めるばかりではなく、本番のレースへ向けて上向きの成長カーブで出走してくることが可能になるのだ。

これらのことからも、余力が十分に残っていて、上向きの成長カーブを辿っている馬が、もし抽選をクリアして出走することが出来たとしたら、本番でも好走する確率が高いことは自明の理であろう。これが2歳戦からクラシック戦線においては、抽選をクリアして出走してきた馬、滑り込みで出走してきた馬には大いに注目すべき理由である。

■3■関東馬とっては厳しいレース
この時期の牝馬にとって、長距離輸送をしてレースに臨むことは条件的に厳しい。よって、関東馬がこのレースを勝つには、関西に一度遠征した経験があるか、もしくは実力が一枚も二枚も上でなくてはならない。現に過去10年で、初長距離輸送でこのレースを制した関東馬は3冠馬となったアパパネだけである。彼女ぐらいの実力を持っていないと、初めて長距離輸送をして、並みいる関西馬たちを倒すことはできない。逆に言うと、このレースを勝った関東馬は相当な実力の持ち主であるということになる。

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別馬のようなワンダーアキュート:5つ☆

イジゲン
筋肉のメリハリという点では物足りないが、柔らか味があり、好感を持てる。
気性も素直そうで、スタートさえ失敗しなければ、器用にレースできそう。
Pad3star

シビルウォー
ダート馬にしては、首が細くて長く映るように、ややパワー不足の面も窺える。
テンにもたつくのはその辺りが原因だろうが、毛艶は良く、体調自体は良好。
Pad3star

ソリタリーキング
重戦車のようだった兄と比べると線は細いが、この夏からの充実ぶりは確か。
馬場の重い前走は度外視しても、やや毛艶が落ちてきているのが気がかり。
Pad4star

ダノンカモン
一年中、毛艶の素晴らしい馬で、今回もこの時期にもかかわらず黒光りしている。
馬体のバランスも中距離馬のそれで、リラックスして立てており好感触。
Pad4star

トゥザグローリー
前後躯にしっかりと実が入って、ひと叩きされて体調は上向き。
重心が比較的高く芝向きかという反面、首の高い体型はダートに適している。
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トランセンド
昨年、一昨年に比べて、馬体がコロンとして映るように、パワーにシフトしてきた。
力強さの増した馬体が吉と出るか凶と出るか五分五分だが、3連覇のチャンスはある。
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ニホンピロアワーズ
背中と脚がやや湾曲しているので、立ち姿のバランスがどうしても良く映らない。
それでもコンスタントに走っているように、付くべき所に筋肉が付いてきた。
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ハタノヴァンクール
このメンバーに入ると、馬体のメリハリにも乏しく、パワーに欠ける馬体に映る。
連勝が途切れた疲れが出ているのか、毛艶も冴えず、決して調子が良いとはいえない。
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ローマンレジェンド
少しだけ腹回りに余裕があるが、本番のレースまでにはきっちり仕上げてくるはず。
前後躯にきっちりと筋肉がついて、表情からも気持ちの強さが伝わってくる。
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ワンダーアキュート
かつては腰が高く映ったが、ここにきて前後のバランスが良くなり別馬のよう。
馬体がふっくらとした中、前後躯にはしっかりと筋肉がついている。
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Jcdirt2012wt

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