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私のドリームレースを制するのは?

Yushun03「強い勝ち方、そして名レース・名勝負の予感に、私のカメラの視点は武者震いしている」

「優駿」3月号の最初のページを開いたとき、今井久恵先生の写真に添えてある言葉に、私は武者震いしてしまった。「撮影者が本当に感動しているときは、被写体にピントが合っていないことがある」と友人の競馬写真ユニットであるPhotostudが言っていたように、カメラマンの心理状態は如実に写真に現れる。私たちが感動するような名馬の走りや名勝負を観て、競馬カメラマンも冷静ではいられないのだ。

名馬といえば、日本にはこれまで牡馬と牝馬合わせて11頭の3冠馬が誕生した。セントライトからジェンティルドンナまで、牡馬が7頭、牝馬が4頭。私がこの目で実際の走りを観たのは、ナリタブライアン以降の6頭である。それ以前のセントライト、シンザン、ミスターシービー、シンボリルドルフ、メジロラモーヌの5頭は記録としてしか知らない。つまり、間に合った馬と間に合わなかった馬がいるということだ。それは仕方のないことではあるが、なんとも口惜しいというか、もし全ての3冠馬の走りに間に合った人いるとすれば、非常に羨ましく思う。

そんな私が歴代の3冠馬を比較するのは不相応な気がするが、「優駿」の3冠馬限定のドリームレースに乗っかる形で予想をしてみたい。

3冠馬ドリームレース(東京芝2400m)
1、セントライト 小西喜蔵
2、シンザン  栗田勝
3、ミスターシービー 吉永正人
4、シンボリルドルフ 岡部幸雄
5、メジロラモーヌ  河内洋
6、ナリタブライアン 南井克巳
7、スティルインラブ 幸英明
8、ディープインパクト 武豊
9、アパパネ 蛯名正義
10、オルフェーヴル 池添謙一
11、ジェンティルドンナ 岩田康誠

こうして見ると、ジョッキーも見事に分かれているというか、たとえ3冠に導いた名騎手といえども、3冠馬に巡りあうのは一生に一度なのである(これは調教師にも当てはまる)。どの馬も府中の2400mを力強く駆け抜けた馬たちなので、コース・距離適性はほとんど考慮せず、もっぱら馬の能力の絶対値と枠順とジョッキーの腕を掛け合わせて、独断と偏見で印を打ってみたい。ほとんど競馬が終わったあとの居酒屋と同じタラレバであるが、あくまでも私の夢想としてお付き合いいただきたい。

本命は◎シンボリルドルフに打ちたい。冒頭の今井久恵さんや調教師の野平祐二氏に敬意を払ったというわけではないが、あらゆるホースマンの言葉を聞き、書物を読むにつけ、このシンボリルドルフという馬は特別な馬だったのだという思いを強く抱いているからである。ダービーの道中において、勝ちを急いだ岡部幸雄騎手がゴーサインを出しても全く反応しなかったのに、最後の直線に向いてから「さあ行くぞ。つかまってろ!」とばかりに動き出し、わずか数完歩のうちに前を行く馬を抜き去ったというエピソードは伝説である。人智を超越した部分に加え、レースに行っての器用さから来る安定感も、このメンバーでも随一だろう。

対抗は○ディープインパクト。普通に考えれば、この馬を本命にするのが当然かもしれない。なにせ日本の競馬を世界レベルにまで押し上げたサンデーサイレンスの最高傑作なのだから、能力の絶対値という点では断然だろう。このメンバーでも、後方で折り合いをつけて、ラスト800mあたりから外を捲くってくるシーンを思い浮かべることができる。が、あくまでも器用に立ち回ったシンボリルドルフに僅か届かないのではないかということである。枠順と脚質の差であると考えてもらえば、納得してもらいやすいかもしれない。

▲はナリタブライアン。古馬になってからも含めてトータルで見ると影が薄くなるが、3歳時に限って言えば、ナリタブライアンも最強馬の中の最強であろう。2着馬との差を皐月賞→ダービー→菊花賞と拡げていく走りは圧巻で、その年の有馬記念などは同じサラブレッドとは思えない強さであったことを鮮明に記憶している。ディープインパクトのように脚が速いというよりは、搭載されているエンジンが違うという表現が適切であった。下手をすると、ディープインパクトのさらに外から突き抜けるだけの脚を持っているかもしれない。

△はオルフェーヴル。この枠からでは、脚質的に外々を回らされる羽目になるだろうから、さすがにこのメンバーでは苦しい戦いを強いられる。この馬自身は重馬場が得意というわけではないが、どちらかというと、馬場が悪くなったほうが分は良さそうにも思える。他の3冠馬たちに比べて、重馬場適性は高いのではないか。

迷った挙句、ジェンティルドンナを含め、牝馬には印を打たなかった。たとえ、牝馬が53kg、牡馬が57kgという、4kgの斤量差があったとしても(ここでは設定していないが)、このメンバーに入ってしまうと、線の細さは否めないからである。そして、こんなことを言ったらキリがないのは承知の上で、ここにキングカメハメハと安藤勝己というコンビが登録されていたとしたらと思わざるをえなかった。シンボリルドルフとキングカメハメハが叩き合い、外からナリタブライアンとディープインパクトが強襲する姿が目に浮ぶ。これが私のドリームレースであり、そのとき、私は、武者震いしているのだろう。

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