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考えることは攻めること

Racingseminar

「オープン型レーシングセミナー」に出演させてもらい、エーシントップに本命を打ち、悔しい思いをしたので、久しぶりに馬券の失敗学を書いてみたい。結果が出たあとで手に取ってみると、押し出されるようにして人気になってしまった馬に、押し出されるようにして本命を打ってしまった、情けない馬券である。当てにいったつもりはなくとも当てにいっている、、無意識のうちに守りに入った馬券である。自信を持って自ら選択した馬ではなく、消去法で残った確率の高そうな人気馬に本命を打っている。個が立っていない馬券とも言える。

ニュージーランドTとNHKマイルCは、同じ1600mのレースであっても、全くもって異質なレースである。中山のマイル戦と東京のマイル戦では、芝の状態やコースの形態から道中のペース、直線の長さや坂の位置に至るまで、あらゆる全ての体感が異なる。そのため、レースを勝つために問われる適性が異なり、勝ち馬も違うことが多い。ニュージーランドTが中山競馬場で行われるようになって以来、ニュージーランドTとNHKマイルCを連勝した馬はカレンブラックヒルしかいない。ニュージーランドTが東京1400mで行なわれていた頃よりも、明らかに結びつきが弱くなった。

特に、今年のようにニュージーランドTがスローに流れた場合は、余計に結びつきが弱くなる。なぜかというと、NHKマイルCは総じてハイペースに流れることに加え、最後の直線が長く字ヅラ以上にスタミナが問われるからだ。小回りの中山1600mでスローに流れたレースで結果を出した馬たちが、府中のマイル戦の厳しいレースに巻き込まれたら、戸惑いを隠せないはず。むしろスローに流れたニュージーランドTでは差し脚やスタミナが生きなかった馬たちこそが、漁夫の利を得たり、力を十全に発揮できる舞台となる。

それを分かっていながらも、エーシントップに◎を打ったのは、ニュージーランドTの勝ち方に余裕があったからだ。ゴール前、エーシントップの耳は完全に絞られておらず、横を向いていた。ゴールまで必死になって走ったのではなく、ムキにならずに走り、他馬に抜かされそうになったから踏ん張った。自らガーっと走ってしまう短距離馬にしては珍しいタイプではあるが、だからこそエーシントップはこれまで2着馬を大きく離して勝ったことがないのである。つまり、ニュージーランドTにおけるエーシントップは着差以上に強かったということである。それ自体は間違いではない。

たとえレースが異質であり、結びつきが極端に弱くとも、ニュージーランドTを余裕勝ちしたエーシントップがNHKマイルCでもセーフティーリードを守り切る。そう考えた時点で、本来は専ら考えるべき、ニュージーランドTで差し損ねた馬たちの巻き返しについて考えることを止めてしまったのである。そして、実際のところ、NHKマイルCは厳しいレースとなり、スタミナ勝負に強い差し馬にとって逆転のチャンスが生まれた。ニュージーランドTでは出遅れて、馬群の外を回して追い上げたマイネルホウオウが見事に巻き返したのだ。スプリングSでも差し損ねて3着に来た走りを含めると、ニュージーランドT巻き返せる可能性を秘めた1頭であったことは確かである。

考えを止めることは守ることである。世の中で言うところの守りに入った人とは、つまり思考停止した人と言い換えることができるだろう。考えることを止めた人たちには、ゆるやかな安心の時がもたらされるが、別の新しい可能性は見えない。本当の宝物はそちらに埋まっていたとしても、探し損ねるのではなく、探すことさえできない。攻めの馬券や守りの馬券があるのではなく、ただ考え続けるかどうかが重要なのである。考えることは攻めることなのだ。

Wtnhkmile13

Photo by Ichiro Usuda

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Comments

 こんばんは
 ハイペースで長い直線を走り切る。スタミナとスピードを持ち合わせた馬。

 ノーザンダンサー系は数多くいますが、確かに京王杯もヴィクトリアマイルもノーザンダンサーの血、クロスで入っている馬に活躍が目立ちます。もちろん血統だけでは予想は成り立ちません。同じ1400mでも東京はダメで他場ならというケースもあります。

 京王杯は・・・
 12年・・・サダムパテック(父フジキセキ)
      クロスなし
 11年・・・ストロングリターン(父スペシャルウイーク)
      クロスはナスルーラ・スマートアイル
 10年・・・サンクスノート(父サクラバクシンオー)
      クロスはノーザンダンサー・ナスルーラ
 09年・・・スズカコーズウエイ(父ジャイアンツコーズウエイ)
      クロスはノーザンダンサー・ボールドルーラー
 08年・・・スーパーホーネット(父ロドリゴデトリアーノ)
      クロスは二アークテック

 5頭すべてにノーザンダンサーの血は伝わっています。いない馬を探すのも大変ですが(苦笑)。

 ダイワマッジョーレ(父はSS系ダイワメジャー)
  クロスはノーザンダンサー
 トウケイヘイロー(父はSS系ゴールドへイロー)
  クロスはノーザンダンサー
 トライアンフマーチ(父はSS系スペシャルウイーク)
  クロスはノーザンダンサー
 サンカルロ(父はシンボリクリスエス)
  クロスはナスルーラ 母系にノーザンダンサー

 気になる順に並べてみました。サダムパテックは58Kgで勝ったら安田記念でも・・・ロードカナロア・グランプリボスといい勝負をすることでしょう。

 ここは蛯名騎手を起用しているダイワマッジョーレを◎としました。

Posted by: 玉ちゃん | May 11, 2013 at 01:19 AM

エーシントップの馬体写真は素晴らしかったですよね。
私は血統上の理由で見切りましたが、
グランプリボスのような突然変異である可能性に
ビビッていました(笑)

ローエングリンに続き、スズカフェニックス産駒まで
G1を勝つとは、今後の種牡馬界の勢力図も
混沌としてきそうです。

当たる当たらないは別にして、自分で馬券を
考え抜くことが競馬の楽しみの一つ・・・。
レース前にどれだけ楽しめるかが一番大きいのでは
ないでしょうか。
外れても納得できるような馬券を探したいですね♪
私も頑張って精進したいと思います。

Posted by: けん♂ | May 11, 2013 at 06:29 AM

玉ちゃんへ

こんにちは。

血統は奥が深いですよね。

それだけでは結果につながらないことがほとんどですが、あとから考えてみると、大きな枠で血統が影響していたりします。

私は1400mは無名種牡馬の産駒を狙うようにしているのですが、今年は雨が降って、さらに難解ですね。

Posted by: 治郎丸敬之 | May 11, 2013 at 10:50 AM

けん♂さん

ご無沙汰しております。

エーシントップは1頭だけ抜けて馬体は完成されていました。

他馬はまだ成長途上といった馬体でしたので、完成度で押し切れるかなと思っていましたが、東京のマイル戦は甘くありませんね。

ローエングリンにしろスズカフェニックスにせよ、サンデーの血の影響であることは確かなので、これからどうのような勢力図になるのか楽しみです。

ローエングリンは母父サンデー用としてキンカメに続くのかもしれません。

来週の父ディープ、母父キンカメという未来の最強配合にも期待したいところですね。

Posted by: 治郎丸敬之 | May 11, 2013 at 10:53 AM

 おはようございます。
 京王杯はノーザンダンサーのクロスとサンデーサイレンスの血が入っている馬が1~3着。ほとんどの馬がそのタイプなのですが・・・笑。
 そんなわけでヴィクトリアマイルも◎ハナズゴールとしました。上記のタイプの該当馬は多いので、調子のよさそうな馬をみんな買ったら何点も(笑)。

Posted by: 玉ちゃん | May 12, 2013 at 08:03 AM

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