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ドッシリと成長してきたハクサンムーン:5つ☆

■CBC賞
マジンプロスパー →馬体を見る
昨年時よりも力強さは増したが、腹回りに余裕があり、バランスが悪い。
毛艶は良く、柔らかい皮膚を維持していて、夏場が得意なのではないか。
Pad3star

バーバラ →馬体を見る 
古馬牡馬のスプリンターに比べると、どうしても線の細さが目についてしまう。
気性のきつそうな表情だけに、血統や馬体以上に短距離が合うのだろう。
Pad3star

ハクサンムーン →馬体を見る
単なるスピードタイプの馬体であったが、古馬になってドッシリと成長してきた。
筋肉のメリハリという点ではあと一歩だが、最終追い切りでどこまで仕上がるか。
Pad5star

アイラブリリ →馬体を見る
気持ちが小さい面があるのか、馬体がふっくらせずに、線が細く物足りなく映る。
立ち姿全体のバランスも悪く、よほどスムーズに逃げられないと今回は厳しい。
Pad2star

ザッ八トルテ →馬体を見る
地に脚がドッシリとついて、馬体全体にフックラと力強い筋肉がついてきた。
パワーを要するコースだけに、血統的にも馬体的にも最適の舞台といえる。
Pad4star

■ラジオNIKKEI賞
ガイヤースヴェルト →馬体を見る
後ろ肢が流れ気味になっているように、トモの肉付きが今回は物足りない。
胴部が伸びているように成長途上の馬体だけに、今回はどこまで通用するか。
Pad3star

シャイニープリンス →馬体を見る
いかにもキングヘイローの産駒らしく、胴部には強い筋肉が張り巡らされている。
もうひと絞りされて、筋肉のメリハリがアップしてくれば、最高の仕上がりになる。
Pad4star

ナンシーシャイン →馬体を見る
皮膚が薄く、毛艶も良く、仕上がりは良好だが、やや胴部に長さが足りない。
字ずら以上にスタミナを問われるコースだけに、距離だけに心配が残る。
Pad3star

インプロヴァイズ →馬体を見る
堀厩舎の馬らしく、成長途上であるにもかかわらず、実に立派な馬体に映る。
前躯に比べて後躯の肉付きが物足りないので、詰めの甘さが最後に出るかも。
Pad4star

フラムドグロワール →馬体を見る
なぜこの時期に使うのか分からないが、見た目は春シーズンの調子を保っている。
胴部には長さがあるため距離は問題ないが、前走からの距離短縮はプラス材料になる。
Pad3star

ミエノワンダー →馬体を見る
前躯が強く、それとの比較の上では、トモの肉付き(後躯)がやや物足りない。
筋肉のメリハリも十分ではなく、まだこれから先に成長をしていく段階の途上にある。
Pad3star

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「競馬よ!」 野元賢一著

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なぜだか無性に読みたくなり、本棚の奥から引っ張り出してきた。出版された2005年当時の私には、まだこの本の内容の半分も分かっていなかったと思う。いや、私だけではなく、ほとんどの競馬関係者やファンにとっても、著者・野元賢一氏の憂う競馬の未来(今となっては現在)の姿は見えていなかったのではないか。藤田伸二騎手の本は読んでも、「競馬よ!」は読んだことがない。そんな人々に支えられて、競馬は今日の姿になった。

「競馬にアイドルはいらない」というプロローグから始まり、外厩制度を扱った「コスモバルク―地方の星という仮面」、地方と中央競馬の垣根を論じた「アンカツの衝撃」、外国人騎手の短期免許について語った「親日派・ペリエに3ヶ月の壁」、社台グループのひとり勝ちの舞台裏を描いた「社台の馬なら勝つ理由」、売上が低迷するJRAと縮小する日本競馬への提言となる「3兆円企業の苦悩―JRAのいま」など、綿密な取材に基づき、実にフェアな視点で書いてある。8年の歳月を経た今、改めて振り返ってみると、著者が提起していた問題の本質が見えてくる。

そして、それぞれの問題を貫く一本の線を著者はこう表現する。

競馬を育ててきた人々は、人一倍、欲が深かったかも知れないが、決して人の懐など当てにしない、誇り高いギャンブラーだったと思う。だが、残念なことに、日本の競馬には、真のリスクテイカーが決して多くない。理由は簡単。馬券が売れすぎたのである。ピーク時にはJRAが4兆円。苦境の地方競馬でさえ、1兆円に迫った年もあった。無尽蔵に見えた馬券マネーは、競馬を一種の分配ゲームに変質させた。自らカネを投じて、新たな付加価値を生み出すよりは、限られた人数で目の前のカネを分捕り合う。リスクテイクよりはリスクヘッジが優先する世界だ。

「不況に強い」と言われた競馬の馬券が売れなくなったのも、アベノミクスなど小手先の策を弄しても日本の経済が決して良くならないのも、その根本は日本の人口動態の変化に原因があると私は考えている。だから馬券が売れなくなったのはJRAの企業努力が足りなかったとは考えない。そうでなくて、馬券が売れなくなった今、そしてこれから、日本の競馬はどうしてゆくべきか、どうせざるを得ないのかということが問題だろう。たとえ売り上げという面では縮小してゆくとも、どのようにして日本の競馬が魅力的であり続けられるかを考えなければならないのだ。

いつまでも分配ゲームを続けることはできないとすれば、日本の競馬を開いてゆく方向に舵を切るしかない。そうしなければ、トップトレーナーである角居勝彦調教師が、2012年生まれ世代の馬を預かれないというおかしな事態が次々と起こってくるはず。ただし、それは最終的に外国人調教師にも門戸を開くということにもつながってゆく。そうしてゆく中で、外国人調教師(ジョッキー)に負けじと日本人調教師(騎手)は腕を磨き、日高の生産者は社台グループに負けないだけの企業努力をしなければならない。今さらなんて言わないでほしい。野元氏が問題を提起してから早8年が経った今、それぞれがリスクテイクをするための準備は整っているはずだから。

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CBC賞を当てるために知っておくべき3つのこと

Cbc

■1■パワータイプの短距離馬
3月の開催からそれほど期間が開いておらず、この時期の中京競馬場の芝は傷んでいて、力を要する馬場となっている。新設されたばかりでも、年を追うごとにこの傾向は強くなるはずである。スプリント重賞のわりには時計が掛かるはずで、当然のことながら、スピードだけではなくパワーが勝つためには要求される。

また、ダート上級条件戦が手薄になる時期でもあり、前走がダート戦という馬の参戦も多い。パワーが求められる舞台だけに、意外な好走をして穴を開けるはこういったタイプだろう。たとえば2008年の勝ち馬スリープレスナイトは前走のダート戦を快勝してきた馬で、父クロフネ譲りのパワーとスピードを生かして、秋のスプリンターズSまで制してしまった。

■2■スピードの持続力が問われる
旧中京の1200mは最後の直線が318mと短く、平坦であることも手伝って、前に行ける先行馬にとって有利なレースとなりやすかったが、新設の中京競馬場の1200mは、412mに延長された最後の直線や高低差2mの急坂が手伝って、先行馬と差し馬がほぼ互角の舞台となった。それだけ条件が変わったにもかかわらず、切れる馬ではなく、ハミをしっかりと噛みながら前へ前へと推進し、スピードの持続力が問われることは変わらないだろう。

■3■前走1400m組の巻き返しに注目
開催時期が6月に移行してからの3年間で、前走が1400mだった馬が2勝している。しかも平成18年のシーズトウショウは6着、平成19年のブラックバースピンは12着からの巻き返しである。ちなみに、2008年の3着であったテイエムアクションも前走1400m組であった。時計の掛かる馬場であることを含め、1200mの字ズラよりも粘りこむスタミナを要求されるということだろう。1200mがギリギリという馬よりも、少し距離適性が長めの馬を狙うのがベター。

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今年でしょ!

Takaraduka2013 by Scrap
宝塚記念2013―観戦記―
逃げ馬シルポートがダッシュ良く先頭に立ち、大逃げを打った。昼前から降り続いた雨の影響で、土が見えるぐらいに緩んだ馬場であったことも考慮すると、前半1000mが58秒5というラップはかなりのハイペース。その激流を有力馬たちが積極的に追走し、まるでアメリカの競馬を見ているよう。最後は力と力がぶつかり合うガチンコ勝負となった。

勝ったゴールドシップは、我慢比べの中から、最後の直線でグイっと抜け出して、最強であることを自ら証明してみせた。スタンド前では内田博幸騎手に追っ付けられながらも、道中は行きっぷり良く先行し、新たな境地を開いての勝利でもあった。今回は人間に反抗する姿をほとんど見せなかったように、天皇賞春の惨敗からわずか2ヶ月の間に、精神的にも完全に立ち直っていた。こういうパワーとスタミナがあって気持ちが強い馬に、来年ではなく今年、凱旋門賞に行ってほしい。

内田博幸騎手と須貝厩舎にとっては、さすがにここは負けられない、負けたくない一戦であったろう。中間は内田博幸騎手が付きっ切りで調教し、陣営による懸命なケアもあって、ゴールドシップを精神的にも立て直すことに成功した。道中の位置取りも、気を抜くクセのあるゴールドシップをレースに集中させるための一か八かの作戦。難しい馬であることは確かだが、この先も十分なケアを施しつつ、メジロマックイーンのような最強のステイヤーに育てていってもらいたい。

今回のレースで最も驚かされたのは、川田将雅騎手がダノンバラードを2着に持ってきた手腕である。今年に入って、騎乗技術が一段とアップしていることには気づいていたが、それにしても今回の宝塚記念は全く隙がなかった。スタートからゴールまで、実質的には馬群の先頭に立つ形に持ち込んで、3強に割って入った。川田将雅騎手でなければ2着はなかったと断言してもよい、見事な騎乗であった。

ジェンティルドンナは、道中スムーズに先行し、勝ちパターンに持ち込んだと思われたが、この馬本来の伸びは見られなかった。昨年度の疲れが癒えていないのか、それともドバイ遠征の影響があるのか、こうした馬場を苦手としたのか分からないが、グッと来るところがなかった。夏は十分な期間を休養にあてて、一旦完全にリフレッシュさせてから秋に備えてほしい。負けたから言うわけではないが、もし凱旋門賞を勝ちたいと思うならば、宝塚記念は負けていいレースである。

フェノーメノはどうしたのだろう。スタートから行き脚がつかず、位置取りとしては3強の中で最も後ろに下がってしまった。そのため、せっかくの内枠を生かすことができず、外を回す羽目に。跳びの大きな馬だけに、阪神の小回りコースに加え、泥田のような馬場状態になってしまったことで、この馬のフットワークで走ることができなかった。また、春3戦目ではあったが、天皇賞春でメイチに仕上げてから2ヶ月という微妙な間隔が、中途半端な仕上がりにつながってしまったのだろう。

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前後躯のバランスが素晴らしいフェノーメノ:5つ☆

フェノーメノ →馬体を見る
古馬になって全体的に重厚感が増し、前後躯のバランスも素晴らしい。
黒光りする毛艶からも体調の良さが伝わってきて、最高潮で本番を迎える。
Pad5star

ジェンティルドンナ →馬体を見る
前肢が揃ってしまったため、立ち姿に力感はないが、全体のバランスは上々。
馬体がぴかぴか光っているように毛艶が良く、海外遠征の疲れは癒えている。
Pad4star

トーセンラー →馬体を見る
体の隅々まで磨きこまれているようで、柔らかい筋肉が必要な分だけついている。
いかにもディープインパクトの産駒らしく、小柄ながらも爆発力を秘めている。
Pad45star

ゴールドシップ →馬体を見る
後ろ肢がやや突っ立ち気味ではあるが、馬体自体は良くも悪くも大きな変化はない。
いつもはおっとりと見える表情も今回は険しく、それが良い方向にでるかどうか。
Pad3star

シルポート →馬体を見る
脚が短い分、このメンバーに入ってしまうと、重心が低く、スピードタイプに映る。
前後躯にしっかりと実が入って、どっしりと重厚感があるので雨が降ればチャンスも。
Pad3star

ダノンバラード →馬体を見る
良く言えば使い込まれている、悪く言えばギスギスして余裕のない馬体。
脚が長く映るように、この馬にとってはベストの距離でどこまで走れるか。
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ヒットザターゲット →馬体を見る
5歳馬とは思えない柔らか味のある馬体で、前後躯の肉付きも良い。
胴部に長さがないので、距離短縮はプラス材料であり、どこまでやれるか。
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ナカヤマナイト →馬体を見る
皮膚が薄く、毛艶も素晴らしく、叩かれつつ体調はアップしてきている。
立ち姿に力感がないが、馬体全体としてのバランスは良く及第点の仕上がり。
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Takaraduka2013wt

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夢の3強グランプリを占う:ジェンティルドンナ

Gentildonna

オルフェーヴルが回避してもしなくても、4強の中では唯一の牝馬であり、ディープインパクト産駒であるジェンティルドンナについて、最後は書きたい。もしかすると最強牝馬ではないかという声すら挙がっているが、早計だろう。たしかに3冠を制した直後、3歳にしてジャパンカップを勝ったのだから、現時点では牝馬としてそれ以上の実績はない。それでも、もし最強牝馬を名乗るのであれば、古馬になってから牡馬を相手にどれだけの走りができたかが指標となる。もちろん勝ち負けは大切ではあるが、それ以上に、苦しいときにどんな走りを見せたかが極めて重要だと私は思う。

私がブエナビスタの真の強さを思い知ったのは、ブエナビスタが敗れた2011年の宝塚記念のこと。4歳の暮れに天皇賞秋を楽勝し、ジャパンカップは降着になったが実質は勝利し、有馬記念は体調が下降しながらも2着。この秋の3連戦でブエナビスタの凄さは分かったと思っていたのだが、まだ十分ではなかったのだ。現役を続行した翌年はドバイへ遠征し、帰国初戦のヴィクトリアマイルを疲れが抜け切らないまま勝ち、その反動が出ていたはずの宝塚記念の直線で猛然と追い込んできたブエナビスタの姿を見て、私は痺れた。どう考えても、並の一流馬なら凡走してもおかしくない状況で、牝馬であるブエナビスタが体中の力を振り絞って伸びてきたのだ。これが最強牝馬の底力というものだと私は悟った。

今年の宝塚記念で、ジェンティルドンナも同じような状況に置かれている。ドバイから帰国してから、ブエナビスタに比べるとゆったりとしたローテーションを組まれてはいるものの、まだ昨年の疲れが抜け切っていないはずだからである。桜花賞、オークス、秋華賞という、全く条件の異なる3つのG1レースを制しただけではなく、その後、オルフェーヴルとの死闘の末、負けるべきレースをも勝ってしまったのだから、疲れが出ないはずはない。ドバイシーマクラシックの敗因は、(序盤で引っ掛かった、ナイター競馬に戸惑った等)いろいろ言われてはいるが、この馬本来の体調になかったということである。それでも大きく負けなかったことは評価するべきだが、正直に言って、今回も完調とは言いがたい。

ジェンティルドンナの強さは、並ばれたときにスッと前に出る脚の速さにある。その一瞬の脚の速さはもはや神秘的といってもよい。今回、このスッという脚が見られるかどうかは疑問だが、フェノーメノやゴールドシップらの牡馬を相手に、ジェンティルドンナがどのような走りを見せてくれるのか興味は尽きない。もちろん悪いことばかりではなく、良い条件もある。おそらくこの3強の中で、最も道悪を得意とするのはこの馬である。首の高いパワータイプの走法は、道悪巧者のそれである。この季節、雨が降って、滑るような馬場になれば、ジェンティルドンナにとって一気に条件が好転するはずだ。そして、たとえ負けたとしても、絶望的な状況下で強さを発揮したブエナビスタのように、強烈な印象を私たちに与えてくれるのではないだろうか。そう期待してやまない。

Photo by 三浦晃一

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阪神芝2200m

Hanshin2200t1

スタンド前の直線を延長したポケット地点からの発走。スタートしてから第1コーナーまでの距離は525mと長いため、前半のラップは速くなりがちである。1~2コーナーにかけてペースは落ち着くが、向こう正面から再び速くなる。

3コーナーを回ると、擬似直線が待ち構えていて、ここでさらにペースが上がる。このように、全体的にメリハリのない速いペースになるため、スピードの持続力が問われるだけではなく、確かなスタミナの裏付けがなくてはならない。

枠順による差はほとんどないが、1~2コーナーのカーブがきついため、内に入れなかった馬は外々を回されるはめになる。そういった意味では内枠の方がレースはしやすい。

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夢の3強グランプリを占う:ゴールドシップ

Goldship

続いては、フェノーメノと同世代の牡馬であるゴールドシップ。他の3頭(オルフェーヴルは残念ながら回避…)との大きな違いは、日高の生産馬であること。つまりそれほど血統が優れている馬ではないということだ。誤解を招かないように付け加えておくと、近親からこれといった活躍馬が出ていない母系ということである。それでもゴールドシップのような名馬が誕生したのは、もちろん突然変異であることは確かだが、よほどステイゴールド×メジロマックイーンの肌という血統構成の相性が良いのだろう。激しい気性が欠点ともなるステイゴールドを、落ち着いたメジロマックイーンが中和してマイルドにするのだ。

それからもうひとつ、この世代の牡馬で生き残った2頭がいずれもステイゴールド産駒というのも興味深い。高速馬場で行なわれた極限のダービーで、上位に食い込んだ馬たちの中で、ディープブリランテ、トーセンホマレボシ、ワールドエースというディープインパクト産駒は総じて脚元を傷めてターフを去ってしまったのに対し、ステイゴールド産駒の2頭は無事に走り続けているだけではなく、さらに成長を遂げているのだから恐ろしい。ダービーの時点ではまだ成長途上にあり、肉体的にも精神的にも、決して無理をして走らせていたわけではないということである。それで掲示板に載ったのだから、改めてゴールドシップとフェノーメノの2頭は能力が極めて高いことが分かる。

ゴールドシップの強さは、心肺機能の強さから来る無尽蔵のスタミナである。バテて止まってしまうことはなく、追えば追うほど伸びてゆく、近年稀に見る典型的なステイヤー。道中はスローに流れて、最後の直線に向いてのヨーイドンのような瞬発力勝負ではなく、ジワジワとレースが動き、なし崩し的に全馬が脚を使わされるようなレースを滅法得意とする。皐月賞や菊花賞、有馬記念を勝ったのは頷けるし、逆に日本ダービーを負けたのは納得で、ジャパンカップをスキップしたのは正解であった。陣営もゴールドシップの強みと弱みをきっちり把握しているということでもある。

それでは、ゴールドシップが天皇賞春で敗れたのはなぜだろうか。勝ったフェノーメノの上がり3ハロンは36秒2であり、決して上がりが速すぎて追いつけなかったというわけではない。むしろゴールドシップにとってはおあつらえ向きの、スタミナと地脚の強さを問われる天皇賞春になったはず。にもかかわらず、6着と凡走してしまったのは、ゴールドシップ自身の精神面の状態が良くなかったからだろう。内田博幸騎手がゴールドシップの背で叫びながら追っているように、もともと気性的に危ういところを秘めている馬であるが、3歳時は歯を食いしばって1年間トップレベルで走り通してきた。特に古馬と初対戦となった有馬記念などは、精神力だけで捲くったような走りであった。そういったレースが続いたことによる、精神的な疲労骨折が天皇賞春で起こったのだ。

一度気持ちが折れてしまった馬を、すぐ次のレースで立て直すことはなかなか難しい。特に、昨年のオルフェーヴルがそうであったように、気性が激しい反面、繊細なところがあるステイゴールド産駒の一旦崩れてしまった精神面のリズムを取り戻すのには、多少なりとも時間が掛かる。世界トップレベルのオルフェーヴルでも、阪神大賞典と天皇賞春と2度も続けて凡走したのは、肉体面というよりは、精神面で噴出した疲労が回復しなかったからである。ここまで気持ちの強さをテコにして良血馬を倒してきたゴールドシップが、今回の宝塚記念でどのような走りを見せてくれるのか、すべては彼の精神面での回復にかかっているのであり、そしてそれは走ってみるまで誰にも分からないのである。

Photo by 三浦晃一

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宝塚記念を当てるために知っておくべき3つのこと

Takara

■1■天皇賞春組有利へ
平成12年より、6月下旬へと日程が変更された。それまでは天皇賞春からの間隔が開きすぎていたため、調整が難しく、多くの馬は本来の力を出し切れない、もしくはここを使わなかった。

しかし、開催時期の変更後は、一転して天皇賞春組の活躍が目立つ。天皇賞春で1~3着だった馬は【5・3・1・12】、天皇賞馬に限っては【3・3・0・3】と実に堅実に走っている。天皇賞春からの間隔が適度に短くなったことが、天皇賞春組にとって有利になったことは間違いがない。もっとも、天皇賞春を勝つには極限に仕上げられたと考えてよく、その反動を考えると、天皇賞春→宝塚記念という連勝は意外と難しい。

そして、当然のことながら、この変更は安田記念組にはマイナスの影響を与える。特に安田記念を目標にして仕上がっていた馬や、安田記念で激走してしまった馬にとっては、中2週で宝塚記念というローテーションはあまりにも厳しい。安田記念は負けていた馬の方がかえって宝塚記念での成績は良い。

■2■スピードとスタミナの高い次元での融合が求められる
宝塚記念をひと言で表現すると、「スピードとスタミナの高い次元での融合が求められるレース」ということになろうか。これは阪神競馬場の2200m内回りというコース設定に拠るところが大きい。

スタンド前の直線を延長したポケット地点からの発走。スタートしてから第1コーナーまでの距離は525mと長いため、前半のラップは速くなりがちである。1~2コーナーにかけてペースは落ち着くが、向こう正面から再び速くなる。3コーナーを回ると、擬似直線が待ち構えていて、ここでさらにペースが上がる。このように、全体的にメリハリのない速いペースになるため、スピードの持続力が問われるだけではなく、確かなスタミナの裏付けがなくてはならない。 枠順による差はほとんどないが、1~2コーナーのカーブがきついため、内に入れなかった馬は外々を回されるはめになる。そういった意味では内枠の方がレースはしやすい。

■3■前走G1レース以外で負けている馬は×
宝塚記念は定量戦であるため、実力の差がはっきりと出てしまうレースである。宝塚記念の連対馬は、ほとんどが天皇賞春か安田記念からの直行組であって、別路線組はごくわずかである。これは、宝塚記念は実力が正直に反映される紛れのないレースであることを意味しており、前走G1以外のレースで敗戦していた馬ではまず勝負にならない。

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惚れ惚れしてしまうドリームバレンチノ:5つ☆

■函館スプリントS
ドリームバレンチノ →馬体を見る
いつ見ても惚れ惚れしてしまう馬体で、毛艶が素晴らしく、皮膚が薄い。
なめらかで美しいシルエットは、母父マイネルラヴの血が濃く出ているのだろう。
Pad5star

パドトロワ →馬体を見る
良かった頃の迫力に比べると、どうしても衰えか調子の悪さが見えてしまう。
それでも、顔つきからは闘争心を失っておらず、このメンバーでは力上位。
Pad3star

アドマイヤセプター →馬体を見る
写真の撮影角度によるが、ややトモの肉づきが乏しく、線の細さが抜け切らない。
血統的にはもっと長い距離をこなせそうだが、気持ちの小さい部分があるのだろう。
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スギノエンデバー →馬体を見る
ふっくらとしているが、筋肉のメリハリに欠け、まだ全体的にひと絞りほしい。
胴詰まりの体型は完全にスプリンターのもので、力が問われる舞台は絶好。
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フォーエバーマーク →馬体を見る
重心が低く、いかにもピッチが速い走法の短距離馬であることが伺える。
毛艶も良く、夏場になって体調が上がっており、牝馬ならこの馬か。
Pad4star_2

テイエムオオタカ →馬体を見る
いつも細く見えるぐらいに仕上がっている馬で、今回もきっちりと仕上がった。
前躯の力強さに比べると、後躯がやや物足りないのが勝ち切れない理由か。
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■ユニコーンS
サマリーズ →馬体を見る
牝馬とは思えないほどに前後躯に実が入って、いかにもダート適性がありそう。
その分、胴詰まりな馬体であり、東京の1600m戦は最適の舞台とはいえない。
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チャーリーブレイヴ →馬体を見る
馬体全体のバランスが非常に良く、スピードとスタミナを兼備しているはず。
今回はやや腹回りに余裕があるように、いかにも休み明けといった馬体。
Pad4star_2

サウンドリアーナ →馬体を見る
全身が筋肉の塊のような牝馬で、芝の短距離とダート戦をこなすのは頷ける。
あとは典型的な短距離馬だけに、東京マイル戦をどこまでこなせるかが鍵。
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ケイアイレオーネ →馬体を見る
海外遠征帰りとは思えないほどフレッシュな馬体で、疲れは完全に癒えている。
やや腰高ではあるが、馬体全体がしっかりとしていて、マイル戦は合っているはず。
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ベリートゥベリー →馬体を見る
他のメンバーの馬体と比べると、まだ線の細さというか幼さが残っている。
これから先の成長に期待できるが、現時点ではややパンチ力不足の感は否めない。
Pad3star

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夢の4強グランプリを占う:フェノーメノ

Fenomeno宝塚記念にしては珍しく、現役最強馬が顔を揃える。3冠馬にして、凱旋門賞にあと一歩のところまで手が届いたオルフェーヴル。3冠牝馬にして、そのオルフェーヴルをジャパンカップで返り討ちにしたジェンティルドンナ。菊花賞を勝ち、有馬記念ではおよそ届かない位置から古馬を捲くり切ったゴールドシップ。そして、3歳時は無冠であったが、古馬になって天皇賞春を制し、ようやく頂点に立ったフェノーメノ。これらの馬の中の2頭が戦うだけでも盛り上がるのに、我が最強といわんばかりに4頭ともが出走してくるのだから、名勝負を期待しないわけにはいかない。

せっかくなので、最強馬4頭それぞれの強みと(もしあれば)弱みを分析しつつ、宝塚記念の予想を繰り広げていきたい。まずは最近G1レースを制したばかりのフェノーメノから。この馬に関しては散々書いてきたが、3歳時は身体が出来ていなかった。黒光りする立派な馬体を外から見ると、完成された、非の打ちどころのない肉体を持った馬と捉えられるが、そうではなかった。柔らかいというか、グニャグニャした感じというか、つまり身体に芯が入っていない状態。走る素質が高いため、一線級で戦うことはできるが、最後の最後でグッと前に出ることができない。突き抜けられない、勝ち切れない馬であった。

日本ダービーがまさにそんなレースであり、あの時点で完成されていたディープブリランテにハナ差及ばず。それでも2着したのだから、この世代では、ワールドエースに匹敵する素質のある馬だという思いであった。それから夏を越して、この馬なりに成長を遂げたが、完成はまだ先と思われる馬体でターフに登場した。秋の天皇賞は流れに乗って2着に粘ったが、ジャパンカップでは32秒台で上がった古馬たちにさすがに付いて行けなかった。身体に芯が入っていない分、グッと力を入れて、一気に加速する競馬だと厳しいのだ。それでも自身は33秒5の脚を使い、掲示板は外さなかった。

この馬の長所は、何と言っても乗りやすさだろう。気が良いのでスッと先行できるが、かといって行きたがるわけでもない。長距離戦でペースが落ち着いても、引っ掛かる素振りは微塵も見せなかったように、とにかく折り合いの心配がなく、走りたいポジションを走ることができるのだ。そして、古馬になってからの日経賞と天皇賞春の2レースを見ると、遂にフェノーメノが充実期に突入したことが分かる。馬体に芯が入り、これまで身体を持て余していたのがウソのように、全身をゴムのように使って走ることができるようになったのだ。

今回の宝塚記念に臨むにあたって、唯一の心配材料は、小回りコースである点だろう。フットワークの大きいフェノーメノにとって、東京競馬場や京都競馬場の外回りコースのように、伸び伸びと走ることができるコースは最適の舞台である。中山競馬場で勝ってはいるが、今回はゆったりとしたペースではなく、小回りのスピードレースになる。それでも、完成されたフェノーメノにとっては大した問題ではないはず。いきなり結論めいてしまうが、宝塚記念で今のフェノーメノを負かすのは相当に難しいだろう。たとえオルフェーヴルやジェンティルドンナやゴールドシップであってもだ。

Photo by 三浦晃一

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武豊騎手は日本一のジョッキーである。

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武豊騎手は日本一のジョッキーである。それはたくさんのG1レースを勝ったからとか、最多勝を挙げたからとか、騎乗技術が優れているからではない。もちろんそれらも素晴らしいことだが、武豊騎手が日本一のジョッキーであるのは、彼が日本の競馬のために生きてきたからである。時代の寵児として日本の競馬を代表する立場となり、自らの騎手としての技量を磨きながらも、日本の競馬や騎手のあるべき姿を体現してみせた。その背中が日本の競馬に与えた影響の大きさは計り知れない。

私も武豊騎手の背中を見て育った世代のひとりである。岡部幸雄、柴田政人、田島良保、小島太、河内洋、田原成貴など、数々の一流騎手たちの技をこの目で見てきたが、それでも騎手といえばやはり武豊であり、武豊といえば日本一のジョッキーである。「ROUNDERS」vol.2に掲載した「一流の騎手とは」という長編コラムも、ほとんどは武豊騎手を下敷きにしている。騎乗技術だけではなく、武豊騎手の研究熱心さ、判断能力、インタビューの受け答え、そして何よりも勝ちたいという意志の強さを書いたつもりである。

その武豊騎手が以前ほどには勝てなくなった。そのことの(私なりの)理由については、これまで何度も書いてきたので省略するが、どうにも社台グループや大物馬主との確執やエージェント制度の導入によるものといった説が流布してしまっている気がしてならない。ともすれば、それが今の競馬を面白くなくしているという論調にまでつながってしまう。面白くないのはその方にとっての競馬であり、昔も今も競馬は面白い。そんな気持ちでファンが競馬を去らないように、これからも私は競馬の魅力について語っていかなければならない。

「武豊騎手が勝てないのは、社台グループや大物馬主との確執やエージェント制度の導入」論が残念なのは、裏を返せば、これまでの武豊騎手は騎乗馬に恵まれていたから勝っていたということを示唆してしまうからである。私はそうは思わない。誰かに梯子(はしご)を外されただけで落ちてしまうほどの騎手ではない。それは生まれてから死ぬまで長い(騎手)人生の中で、人はずっと強者でいたり、あるいはずっと弱者であったりするわけではないということに尽きる。私たちにも経験があるはずだ。ある組織では強者であっても、別の組織に移った途端に弱者になる。その逆もまた然り。そして、実は私たちは、弱き者であるときにこそ、より多くのことを学ぶのである。

武豊騎手がダービーを勝ち、ウイナーズサークルはまるで10年前に戻ったような雰囲気で、「武豊復活」と銘打った新聞もあったが、そうではないだろう。武豊騎手が用いたのは弱者の戦略であった。ラジオNIKKEI杯2歳Sと弥生賞で現時点での力差(完成度の差)を思い知らされた武豊騎手は、もしキズナがダービーを勝てるチャンスがあるとすれば後方一気しかないと悟ったはず。まともに戦っては敵わないのであれば、足元をすくうしかないと。幸いにして、道中がスローペースに流れてくれたおかげで、瞬発力勝負に弱いロゴタイプは力を発揮することができず、エピファネイアは引っ掛かり通しでスタミナを失った。武豊とキズナに天が味方したのだ。

この勝利によって、武豊騎手は真の日本一のジョッキーになった。強者のまま現役を去るのではなく、弱者の立場や屈辱を味わい、それでも闘い続けた。才能とは一瞬の閃きではなく、継続できる力である。ただ勝つために馬に乗るのではなく、競馬を極めるために騎乗する。生涯をかけて、自分の騎乗を極めるからこそ価値がある。迷いと勝てない苦しみの中で、武豊騎手はそう悟ったのではないだろうか。武豊ほどの騎手があきらめずに上を目指そうとしている背中を見て、後進となるべきジョッキーたち、または進退に悩むジョッキーたちは何を感じただろう。

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Photo by 太田宏昭

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函館スプリントSを当てるために知っておくべき3つのこと

Hakodatess

スプリント路線は別定条件が実績馬に有利なことが多く、夏のローカルG3であるこのレースにも例年メンバーは揃う。独特の重い馬場とコース形状によって、底力のあるスプリンターでないと勝ち切ることが出来ないレースとなっている。

■1■重い洋芝で構成される特殊な馬場
函館競馬場の最大の特徴は、路盤に野芝のない重い洋芝である。過去ほとんどのレースの勝ちタイムが1分9秒台で、かなり時計の掛かる特殊な馬場あることが分かる。このことによって、勝ち馬に求められる要素は以下の2つ。

1、ダートをこなせるぐらいのパワーがあること
2、1200m以上のスタミナを有していること

1はダート戦で実績のある馬、もしくはダートに強い血統構成の馬ということである。軽快なスピードや切れ味だけでは苦しく、速い時計のレースで強さを見せたことは、かえってマイナス材料になることもある。中京の後半開催になったCBC賞もパワー型の馬が活躍するレースであり、CBC賞組で好走した馬が順調に来れば、素直に力が反映されることだろう。

2は1200m以上のレースで実績のある馬ということである。直線に坂のない小回りコースとはいえ、これだけ時計の掛かる馬場だと、軽快なスピードを武器にした1200mがギリギリという馬では厳しい。1400m~1600mをこなせる底力が問われる。そういった意味からは、安田記念(好走)組も信頼できる。

そして、こういった函館特有の馬場だけに、函館競馬場で実績を残している馬はもちろん素直に評価したい。

■2■余裕を持って先行できる馬、もしくは差し馬

過去10年のラップは以下のとおり。
11.8-10.5-11.2-11.6-11.7-12.5 (33.5-35.8)H
11.8-10.6-11.3-11.8-11.5-12.4 (33.7-35.7)H
12.2-10.4-11.0-11.5-11.6-12.3 (33.6-35.4)H
12.2-10.7-11.2-11.6-11.8-11.6 (34.1-35.0)M
12.0-10.4-11.4-11.7-11.2-12.2 (33.8-35.1)H
11.7-10.2-10.9-11.7-11.9-12.0(32.8-35.6)H
12.1-10.5-11.2-11.5-11.4-11.8(33.8-34.7)M
12.0-10.2-10.9-11.6-11.4-12.1(33.1-35.1)H
11.8-10.4-10.9-11.5-11.4-12.0(33.1-34.9)H
12.1-10.8-11.4-11.9-11.4-11.8(34.3-35.1)M

スタートしてから第1コーナーまでの直線は489mと長い。ダッシュを利かせた先行馬がそのままの勢いで行ってしまうので、ペースは自然と速くなる。ほとんどのレースは前が速い前傾ラップとなり、直線が短いことを考慮しても、逃げ馬には厳しいペースとなる。余裕を持って先行できる馬、もしくは差し馬を狙うべきである。枠順の内外による有利不利はほとんどない。

■3■牝馬の活躍
昨年こそ牡馬同士の決着となったが、平成15年のビリーヴから5年連続で牝馬が制したこともある。過去10年の連対率も34%【8・2・1・18】と、牡馬セン馬の10%【2・9・8・93】に比べ圧倒的に高い。直線に坂のある中央のコースに苦しめられていた牝馬がローカルの競馬場で活躍するという典型的な例である。また、総じてスプリント戦は牝馬でも活躍できる舞台でもある。

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これで負けたら仕方ないアドマイヤタイシ:5つ☆

■エプソムC
リルダヴァル →馬体を見る
柔らかい筋肉に覆われているのが目につき、あとひと絞りで万全だろう。
気性の激しさは立ち写真からは伝わってこず、競馬場に行って入れ込むタイプか。
Pad4star

ジャスタウェイ →馬体を見る
腰高だった馬体が成長を遂げ、手脚や首がスラリと長く、実に美しいシルエットを誇る。
馬体を見るとステイヤーのそれであり、ハーツクライ産駒でもあり長い距離が合うかも。
Pad4star

サンレイレーザー →馬体を見る
上のジャスタウェイと比べると、胴部が詰まって、これぐらいの距離がベストな体型。
筋肉自体はメリハリもあり、瑞々しさを保っているので、体調も問題なく良い。
Pad3star

アドマイヤタイシ →馬体を見る
勝ちきれないのがウソのような、自信満々の立ち姿で、美しいシルエットの馬体。
前後躯の実の入りも素晴らしく、仕上がりは万全で、これで負けたら仕方ないほど。
Pad5star

サトノアポロ →馬体を見る
毛艶は良好で、磨きこまれており、体調自体は申し分ない仕上がりにある。
敢えて言えば、背中にやや力感がないため、パワー不足を感じさせる。
Pad3star

ファイナルフォーム →馬体を見る
堀厩舎の管理馬にしては、全体的にガッシリして、筋骨隆々のパワータイプ。
胴部が短いため、マイルまでがベストではあるが、乗り方次第で1800mも乗り切れるか。
Pad3star

■マーメイドS
アロマティコ →馬体を見る
胴部にこれでもかと実が入り、牝馬らしからぬガッチリした筋骨隆々の馬体を誇る。
その分、脚が細く見え、全体の立ち姿のシルエットとしては頼りなさも感じる。
Pad3star

エーシンメンフィス →馬体を見る
やや尻尾が短いのが気がかりだが、前後躯に実が入って力強い馬体。
胴部も詰まっており、2000mぐらいの距離が限界で、スムーズに逃げられれば。
Pad3star

ピュアブリーゼ →馬体を見る
牝馬らしい流れるようなシルエットの馬体で、力強さはあまり伝わってこない。
重馬場で好走したのは切れる脚がないためで、馬場が渋ったほうが好走を期待できる。
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コスモネモシン →馬体を見る
いかにも休み明けという、筋肉のメリハリに欠ける馬体で、ひと叩きされてからか。
毛艶は良く、筋肉に瑞々しさは戻ってきているので、フレッシュさでどこまで走るか。
Pad3star

マルセリーナ →馬体を見る
桜花賞を勝ったときのような、切れ味を感じさせる馬体には戻り切れていないのが実状。
落ち着きという面では成長しているので、あとはコンスタントに走ることを期待するのみ。
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「騎手の一分」 藤田伸二著

Kisyunoitibun

藤田伸二騎手は素晴らしい騎手である。特別模範騎手賞を2度も受賞していることが、それを証明しており、腕が立つだけではなく、安全かつフェアなジョッキーであることに異論はない。それは言葉で言うほど簡単なことではなく、たとえば格闘技において、相手を傷つけずに勝つという離れ業に近いかもしれない。また、藤田伸二騎手は外見や言動の派手さとは裏腹に、実にソツのない騎乗をするという印象を私は持っている。道中のミスが極めて少ないため、馬券を買っているときは安心して見ていられる、数少ないジョッキーの一人である。

そんな藤田伸二騎手によって書かれた本書であるが、あまりにも独りよがりな内容であった。騎手の一分というタイトルや、講談社現代新書から出版されているのだから、アスリートとしての騎手の魅力を、藤田伸二騎手なりの視点で、余すところなく語っているのだろうと読む前は想像していた。先輩格であった田原成貴元騎手の著作は、彼なりの繊細な言葉で騎乗の真髄について語られており、何度も読み返したものだ。そういう伏線もあって期待していたのだが、いわゆるゴシップの延長にすぎなかった。

もちろん、ウソではない真実も中には含まれているだろう。ただし、それはある一側面から見た真実であり、もう片方から見ればそうではないかもしれない。あくまでも藤田伸二騎手にはそう見えているにすぎない。そもそも序章の小見出しからしておかしい。

「競馬界」の終わりの始まり
腕の立つ騎手が少なくなった
調教師にも馬主にもならない
失われつつある「騎手の魅力」
あさましい争いには加わらない

終始この調子で、昔は良かった、岡部幸雄元騎手や武豊騎手は上手いけど、岩田康誠騎手は認めない、福永祐一騎手は懐が開きすぎているなど、とにかく今の競馬を否定しまくる。特にこれといった建設的な案を挙げるでもなく、まるで陰謀論のように、最後は今のシステムを放置しているJRAが悪いと結論づける。騎手の一分というよりも、藤田伸二騎手の言い分を聞かされているようで眩暈がするのだ。

エージェント制度や大手クラブと調教師の力関係などは、たしかに弊害もあるだろう。だからといって、昔が良かったと誰もが思うのだろうか。岡部ラインの存在があり、武豊騎手に有力馬が一極集中し、その周りの取り巻き騎手らがおこぼれに与っていた時代の方が良かったと思うのは、それによって恩恵を受けていた騎手のみである。また札束をはたいてコンパニオンに厩務員さんたちを接待させる時代に戻れというのか。武豊騎手に乗ってもらいたくても、にべもなく断られてしまい、涙を飲んだ調教師がどれだけいただろう。そういったあらゆることの反動として、良くも悪くも競馬界の現状がある。

はっきり言うと、ルールが変わったのである。騎乗馬の交渉から実際のレースの勝ち方まで。かつての強者は弱者になり、弱者が強者になる。残酷ではあるが、1998年をピークとした一部の日本人騎手たちのバブルは崩壊してしまったのである。それほど影響を受けなかった者もいれば、戸惑い続ける者、いち早く気づいてキャッチアップしようとする者もいる。武豊騎手を引き合いにして、藤田伸二騎手が自身を正当化しようとしても、賢明な競馬ファンには透けて見えるのだ。たとえ時代が変わっても、必死に抵抗しようともがく武豊騎手を巻き添えにしてはならない。その葛藤の中にこそ、騎手の一分が見え隠れするのではないだろうか。

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エプソムCを当てるために知っておくべき3つのこと

Epsomc

■1■4、5歳馬が中心
4歳   【6・4・3・26】 連対率26%
5歳   【3・5・1・45】 連対率15%
6歳   【1・1・2・38】 連対率5%
7歳以上【0・0・4・39】 連対率0%

5、6歳馬が中心であった先週の安田記念と比べると、明らかに4、5歳馬が強い。これといった理由は思いつかないが、安田記念より距離が200m伸びて、ペースが落ち着きやすいということだろうか。前半3ハロンの平均が35秒8、後半3ハロンの平均が35秒7と、ほぼミドルペースで流れる。その分、スピードに任せて前に行ける若い馬の方が有利になるということだ。

■2■馬場によって適性が180℃変わる
東京の1800mはコーナーが2つで、サンデーサイレンス系のタメて切れる脚質が合う舞台である。ただ、この時期は雨が降りやすく、馬場が変化しやすい。ダービーが終わって、さすがに芝も荒れてくる頃だけに、雨が降ってちょっと時計の掛かる馬場になるとジワジワと脚を使う血統の馬が台頭する。具体的に言うと、キングマンボ、ペンタイア、マヤノトップガン、フレンチデピュティなど、非サンデーサイレンス系の馬である。

■3■マイラーにとっては厳しい
ヨーロッパの血を持つ馬が活躍しているように、府中の1800mはスピードだけでは押し切れない、スタミナが問われる舞台である。過去10年の連対馬20頭のうち、18頭が芝1800m以上の中距離で勝ち星を挙げていたことからも、マイラーにとっては厳しいレースになることが分かる。

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日本競馬史上に残る最強のスプリンターへ

Yasuda2013 by Scrap
安田記念2013―観戦記―
大方の予想通りシルポートが一気にハナに立ち、前走同様に好スタートを決めたヴィルシーナが追っかける。さらに内からカレンブラックヒル、外から引っ掛かり気味でエーシントップが続いたことで、前半の800mが45秒3、後半が46秒2という前傾ラップのレースとなった。先行勢が全壊したところを見ると、数字以上に、道中は息が入らない厳しい流れであったはず。こういうレースでは、中団よりも後ろの列で馬群の外を走った馬が有利になる。

勝ったロードカナロアは、心配された距離延長を難なくこなし、スプリントとマイルの2階級制覇を成し遂げた。決して一本調子ではない馬なので、パタッと止まって崩れることは考えにくかったが、ここまできっちりとマイラーの走りをするとは驚きである。さすが世界のロードカナロア。高松宮記念を勝ったとき、あのサクラバクシンオーに匹敵すると書いたが、マイルのG1を獲った今、総合力ではこの馬の方が上だろう。日本競馬史上に残る、最強のスプリンターである。

岩田康誠騎手は流れを読んで、道中は実に隙のない騎乗をしていたが、最後の直線だけはいただけない。降着とか過怠金とかそういう話ではないのだが、同じレースに乗っている騎手であれば、「なんだかなあ」、「あれはないわ」と心の底で思ってしまうだろう。ロードカナロアが右にヨレ続けているにもかかわらず、ムチを右手に持ち替えず(利き手うんぬんの問題でもない)、修正しようという意思が見られなかったところが残念なのだ。ロードカナロアの強さに少し水を差してしまったような、後味の悪い騎乗であった。

ショウナンマイティは最後まで伸びたが僅かに届かず。これだけ速いペースを道中は馬なりで追走していたように、引っ掛かることのない分、マイル戦の方がレースがしやすい。この馬の末脚を生かすことができる東京競馬場という舞台も揃っていただけに、陣営は何としても勝ちたかったはず。結果的に見れば、外に出すのに手間取ってしまったように、内枠が災いしたということだ。敢えて言うならば、浜中俊騎手は直線でショウナンマイティを追いながらも、もう少し冷静に前の馬たちの動きを見ておけば、結果は違ったかもしれない

ロードカナロアの斜行の影響を最も受けたのは、3着に入ったダノンシャークではないか。道中は勝ち馬の真後ろのポジションを進み、最後の直線に入って、ワンテンポ待って追い出したところまでは完璧だったが、まさかあそこまでヨレてくるとはC・デムーロ騎手も読めなかったに違いない。スピードに乗り始めたその瞬間だっただけに、遠心力がついたように外に弾かれ、決して馬格のある馬ではないだけにダメージを受けてしまった。マイルCSも同じような不利を受けており、つくづく運のない馬であるとしか言いようがない。

グランプリボスはどうしたのだろう。これだけ速いペースだったにもかかわらず、道中は引っ掛かりっぱなしで、内田博幸騎手も抑えるので精一杯でレースにならなかった。前走はハマった感のある勝ち方ではあったが、今回の凡走の理由としては、その反動というよりも、マイナス10kgの馬体重が示しているように、陣営の勝ちたいという気持ちが伝わり、馬が必要以上に気負っていたことが挙げられる。

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あの時の恩を

Jiromaru

ダービーが終わり、またしても福永祐一騎手にとっての牡馬クラシックはお預けとなりました。勝ったのは武豊騎手ですから、役者が違ったといえばそれまでですし、ダービージョッキーになるにはさらなる精進が必要だということでしょう。それでも2着ですから、栄光までもうあと少しのところまで近づいてきています。あとは自分の番が回ってくるのを待つだけ。チャンスは近いうちにきっとやってくるはずです。

私は福永祐一騎手がデビューした頃からずっとその騎乗を見てきましたが、まさかここまでのジョッキーになるとは思いもよりませんでした。デビュー当時は、注目度と騎乗技術があまりにもかけ離れていて、田原成貴元騎手や藤田伸二騎手、四位洋文騎手らの先輩ジョッキーにボロクソに言われていたものです(愛情を持ってのことでしたが)。自身の才能のなさを自覚しつつも、父にあの福永洋一騎手を持つという十字架を背負っているからこそ、福永祐一騎手はあきらめることなく騎乗技術を積み上げてきました。武豊騎手や横山典弘騎手など、騎手の世界で子が親を凌ぐ活躍を見せることが珍しくないのは、彼らには逃げ道がなかったからだと思うのです。福永祐一騎手は、決して親の七光りでここまで来たわけではありません。

そんな福永祐一騎手を育てた馬の1頭に、エイシンプレストンがいます。デビューからラストランまで、福永祐一騎手はこの馬の背中に跨り続け、ありとあらゆる経験を積みました。朝日杯フューチュリティSでG1を勝ち、香港に遠征して、クイーンエリザベスC(G1)を連覇し、香港マイルを勝てたことは、大きな自信につながったはずです。まだデビューして間もないころでしたから、これだけの馬に乗せ続けたオーナーの懐の深さを感じざるを得ません。もしかすると、福永祐一騎手にどこか光るものを見ていたのかもしれません。

もちろん、福永祐一騎手もそれを恩に感じ、エイシンの馬には義理を果たしました。2003年のクラシック戦線にて、当時所属していた瀬戸口厩舎から、2頭の有力馬が誕生しました。1頭は朝日杯フューチュリティSを勝ったエイシンチャンプ、そしてもう1頭は、のちに皐月賞とダービーを勝つことになるネオユニヴァースです。先に騎乗依頼を受けていたエイシンチャンプを優先したと福永騎手は言いましたが、彼にネオユニヴァースの方を取るという選択肢も残されていたはずです。それでも、目先のクラシックのタイトルを捨てて、あえてエイシンチャンプに乗り続けたのは、エイシンプレストンに乗せ続けてもらった恩があったからだと思います。

そう考えると、福永祐一騎手はずいぶんと遠回りをして、それでもまだダービーの栄冠に手が届かなかったことになりますが、その道程で手にしたものは果てしなく大きいのかもしれません。ダービーは誰もが勝ちたいレースですが、ダービーだけがレースではないのです。

NHKマイルCを1番人気で敗れてしまったエーシントップが、古馬との対決を恐れずに安田記念に出走してきました。エーシントップという名は、先日お亡くなりになったエイシンの会長である平井豊光氏が付けたものだと言います。天国で見守ってくれているはずのオーナーにあの時の恩を返すためにも、福永祐一騎手にとっては、もしかしたらダービー以上に勝ちたいレースかもれませんね。古馬との4kg差を生かして先行し、エーシンのトップと名づけられた馬を、そのままゴールまで導いてもらいたいものです。

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