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日本競馬史上に残る最強のスプリンターへ

Yasuda2013 by Scrap
安田記念2013―観戦記―
大方の予想通りシルポートが一気にハナに立ち、前走同様に好スタートを決めたヴィルシーナが追っかける。さらに内からカレンブラックヒル、外から引っ掛かり気味でエーシントップが続いたことで、前半の800mが45秒3、後半が46秒2という前傾ラップのレースとなった。先行勢が全壊したところを見ると、数字以上に、道中は息が入らない厳しい流れであったはず。こういうレースでは、中団よりも後ろの列で馬群の外を走った馬が有利になる。

勝ったロードカナロアは、心配された距離延長を難なくこなし、スプリントとマイルの2階級制覇を成し遂げた。決して一本調子ではない馬なので、パタッと止まって崩れることは考えにくかったが、ここまできっちりとマイラーの走りをするとは驚きである。さすが世界のロードカナロア。高松宮記念を勝ったとき、あのサクラバクシンオーに匹敵すると書いたが、マイルのG1を獲った今、総合力ではこの馬の方が上だろう。日本競馬史上に残る、最強のスプリンターである。

岩田康誠騎手は流れを読んで、道中は実に隙のない騎乗をしていたが、最後の直線だけはいただけない。降着とか過怠金とかそういう話ではないのだが、同じレースに乗っている騎手であれば、「なんだかなあ」、「あれはないわ」と心の底で思ってしまうだろう。ロードカナロアが右にヨレ続けているにもかかわらず、ムチを右手に持ち替えず(利き手うんぬんの問題でもない)、修正しようという意思が見られなかったところが残念なのだ。ロードカナロアの強さに少し水を差してしまったような、後味の悪い騎乗であった。

ショウナンマイティは最後まで伸びたが僅かに届かず。これだけ速いペースを道中は馬なりで追走していたように、引っ掛かることのない分、マイル戦の方がレースがしやすい。この馬の末脚を生かすことができる東京競馬場という舞台も揃っていただけに、陣営は何としても勝ちたかったはず。結果的に見れば、外に出すのに手間取ってしまったように、内枠が災いしたということだ。敢えて言うならば、浜中俊騎手は直線でショウナンマイティを追いながらも、もう少し冷静に前の馬たちの動きを見ておけば、結果は違ったかもしれない

ロードカナロアの斜行の影響を最も受けたのは、3着に入ったダノンシャークではないか。道中は勝ち馬の真後ろのポジションを進み、最後の直線に入って、ワンテンポ待って追い出したところまでは完璧だったが、まさかあそこまでヨレてくるとはC・デムーロ騎手も読めなかったに違いない。スピードに乗り始めたその瞬間だっただけに、遠心力がついたように外に弾かれ、決して馬格のある馬ではないだけにダメージを受けてしまった。マイルCSも同じような不利を受けており、つくづく運のない馬であるとしか言いようがない。

グランプリボスはどうしたのだろう。これだけ速いペースだったにもかかわらず、道中は引っ掛かりっぱなしで、内田博幸騎手も抑えるので精一杯でレースにならなかった。前走はハマった感のある勝ち方ではあったが、今回の凡走の理由としては、その反動というよりも、マイナス10kgの馬体重が示しているように、陣営の勝ちたいという気持ちが伝わり、馬が必要以上に気負っていたことが挙げられる。

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Comments

こんばんは。お久しぶりです
いつも楽しいコラムをありがとうございます。

このコラムとは関係ありませんが、
キズナのダービーは本当に感動しました。

タマモクロスの春天から競馬を始めた私にとって、
(枠連を取って大喜び!w)
オグリで最高の喜びを味わわせてもらった後、
こんなに感動した競馬は正直ありませんでした。
沈滞気味の競馬サークルにも
いいストーリーが提供されたのではないかと思います。

とりあえずキズナには、無敗の英ダービー馬と
凱旋門賞で勝負してもらうとして・・・
(こちらは楽しみで仕方がありません)

安田記念の岩田君の騎乗には、
本当にガッカリさせられました。
何度パトロールフィルムを見ても
全く釈然としない騎乗でした。

日本の騎手は、たとえ外国の騎手が
少しくらいラフなプレーをしても、
あくまでフェアに、
馬を真っ直ぐ走らせようとすることが
素晴らしいのだと思っていたのに、
JRAのルールが変わってから
それを逆手に取るような騎乗をする輩が
本当に現れるとは、思いもしませんでした。
(岩田君は、ダノンシャークが来るのを見ながら
「わかっていて」左ムチを入れているのは間違いないです)

ロードカナロアのあのヨレがなければ、
もっと際どい勝負にはなっていたと思いますが、
彼の強さはちゃんと証明できていたと思います。

馬主にとって、
10万くらいの制裁金は承知でラフプレーをしてでも
勝利をもぎ取る騎手の方が素晴らしい
みたいな風潮になるのは、本当に嘆かわしいです。

今回みたいなことで、
せっかくキズナが作ってくれたいい流れを
止めてしまうことのないよう祈るしかないのでしょうかね。

治郎丸さん、どう思われます?

Posted by: 熊助 | June 03, 2013 at 08:29 PM

追記です。

以前書かれていた池添君の
「仏でオルフェに乗れなくなったので
帰ってきちゃった」事件wについての見解、
私も全くその通りと思いました。

三冠ジョッキーで、結構度胸はあると思うのですが、
結局一流にはなれない
(と言うかなろうと思っていない)
ジョッキーってとこなんでしょうね。

以前のコラムの件でスミマセン。

Posted by: 熊助 | June 03, 2013 at 10:12 PM

熊助さま

こんにちは。

武豊騎手とキズナのダービー勝利は、馬券を買っていなかったとしても、素晴らしい結末だったと思えました。

今年の凱旋門賞は楽しみですね。

それにしても、おっしゃるとおり、今回の岩田騎手の騎乗には疑問が残りました。

私は分かっていて左ムチを入れているとまで思いませんが、彼は左利きなので、右に持ち替える余裕がなかったのではないかと思います。

昨年のジャパンカップは仕方ないとして、今回はプロフェッショナルらしく勝たせてほしかったというのが正直なところです。

Posted by: 治郎丸敬之 | June 06, 2013 at 01:11 PM

熊助さん

池添騎手はとても上手な騎手なので、まだまだ若手として、世界に出て行ってほしいんですよね。

こういう形で帰ってこられると、事情は分かりつつも、何だかなあと思います。

宝塚記念は普通に勝つでしょうけどね(笑)

Posted by: 治郎丸敬之 | June 06, 2013 at 01:14 PM

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