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コディーノの憂鬱(後編の後編)

Codino03_2もし私が馬主であったら、馬の成長に合わせて調教で負荷を掛け、レースを選んで走らせる調教師の元に馬を預けたい。たとえば、橋田満厩舎には息長く、コンスタントに走っている馬たちが多い。馬柱の全成績表を見てみると、【3・5・5・6】のように、どのレースでも力を出し切って、しかも無理を強いていないので年齢を重ねつつも数多くのレースに出走できている。大きなレースを勝ったりと見た目の派手さこそないが、走るために生まれてきたサラブレッドにとっては最も幸せな生涯なのではないかとさえ思う。逆に言うと、それはダービーを勝たせないような調教法ということでもある(橋田調教師はアドマイヤベガで1勝しているが)。

コディーノは藤沢和雄調教師が管理してきた馬の中でも、最も完成度が高く(仕上がりが早く)、ほんの少し無理をすると、ダービーのタイトルに手が届きそうな馬の1頭であった。おそらくシンボリクリスエス以来の。だからこそ、藤沢和雄調教師の悩みは深かった。このままではダービーは勝てないが、あと一歩踏み込めば勝てるかもしれない。今までの自分であれば、何ごともなかったかのようにダービーを回避し、馬優先主義を貫いてきた。長い目で見れば、それは自分たちにも返ってくることを知っているからだ。しかし、今回のチャンスを逃せば、確率的にはもう2度とコディーノのような馬は巡ってこないだろう。そう、コディーノだけではなく、藤沢和雄調教師自身にとってもラストチャンスなのである。

藤沢和雄調教師が最後の決断を下したのは、昨年の日本ダービーがあったからであろう。関係者から見れば、どう考えても距離が長かったディープブリランテが勝利したことである。あれだけ引っ掛かって、どうしようもなかったディープブリランテを、岩田康誠騎手が見事に折り合いをつけ、高速馬場を利用してギリギリ粘りこませた奇跡的なレースである。あらゆる競馬関係者やジョッキーたちにとってだけではなく、藤沢和雄調教師にとっても衝撃的なレースであったはずであり、まさにコディーノの置かれている現状と重なって見えてしまったとしても不思議はない。

その時、藤沢和雄調教師の脳裏に浮んだのが騎手の変更であった。確かに横山典弘騎手は馬の力を100%出し切ることができる名手ではあるが、それではコディーノがダービーを勝つことはないだろう。完璧に乗ってくれたとしても勝てない。だとすれば、馬の能力の120%を引き出す可能性のある騎手、そうC・ウイリアムズ騎手のような爆発力を持ったジョッキーに賭けてみるしかない。たとえダービー以降にコディーノがしぼんでしまったとしても、勝つために出走するのであれば横山典弘騎手からウイリアムズ騎手への交代は必須である。そうしないのであれば、横山典弘騎手を乗せてNHKマイルCを勝つ方が良いに決まっている。「気が楽になった」と武豊騎手が語ったのは方便でしかない。馬優先主義からはどこか離れつつあるのを知りながらも、藤沢和雄調教師はリスクを取って、未知の世界へと挑戦してみることにした。

果たしてダービーとはなんなのか。それはなぜ生きるのか?という問いに近い。増田知之氏の言うように、ダービーは競馬史上最大の発明であり、競馬に携わる者であればダービーを目指さない者はいない。つまり、競馬に参加する以上は、誰しもがダービーを頂点とするピラミッドに巻き込まれていかざるを得ないのだ。どうしても勝ちたいという自我を抑え切れないことや、勝たなければならないという無言のプレッシャーに苛まれることもあるに違いない。上を目指せば目指すほど、その葛藤や不安は大きくなる。あの世界的な調教師である藤沢和雄調教師さえを狂わせてしまうほど、ホースマンにとってダービーは魅力的な存在であり、生きる象徴なのである。現実は残酷であり、コディーノや横山典弘騎手は翻弄される形になったが、誰が藤沢和雄調教師を責めることができるのだろう。

Photo by 三浦晃一

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小倉記念を当てるために知っておくべき3つのこと

Kokurakinen

■1■例年ならば七夕賞からは直結しないが…
サマー2000シリーズ第3戦。2006年から北九州記念が1200m戦となり、小倉記念が7月最終週へとスライドされた。主なステップレースは七夕賞となるが、レースの特徴から考えても、七夕賞と小倉記念は直結しない。

なぜなら、七夕賞が福島競馬場の荒れてきた馬場で行われることに対し、小倉記念は野芝が生え揃った絶好の馬場で行われるからである。野芝は気候の暖かくなる6月くらいから成長し、8月の最も熱い季節に最盛期を迎える。野芝100%で行われる小倉競馬場の馬場は、これ以上ないほどの絶好の高速馬場となる。つまり、七夕賞ではパワーが求められるのに対し、小倉記念は高速馬場に対応できるスピードが求められることになるのだ。

後半からラップが急激に上がるため、スピードの持続力も必要とされることになるところがミソ。速い持ち時計があり、なおかつそのスピードを支えるスタミナを秘めた馬が狙いか。

■2■前走の着順
前走の着順別の小倉記念での成績を見てみたい(過去12年間)。

前走1着    【3・4・3・20】 連対率21%
前走2着    【4・1・2・8】 連対率28%
前走3着    【1・3・1・10】 連対率26%
前走4着    【0・0・1・7】 連対率0%
前走5着以下 【1・1・1・8】 連対率14%
前走10着以下 【3・3・1・40】 連対率12%

前走で勝ち負けになっていた馬の連対率が圧倒的だが、これは夏の上がり馬が活躍していること以上に、北九州記念と小倉記念の結びつきの強さを示している。1ヶ月前にほぼ同条件で行われていた北九州記念の好走組が、小倉記念でも好走するのは至極当然である。

しかし、上で述べたように、主なステップレースが北九州記念から七夕賞へ変わったことにより、前走の着順がそのまま小倉記念へとスライドすることはなくなるはずである。どちらかというと、七夕賞のレースが適性に合わなかった馬の巻き返しというパターンが多くなるはずで、前走の着順はさほど気にしなくてもよいだろう。

■3■内枠の差し馬有利
かつて小倉記念は馬場の内が悪い重賞であった。なぜなら、連続開催の3回小倉が始まる頃、1回小倉以降に張り替えた部分のAコース最内がかなり傷んでくるからである。ちょうどその辺りに小倉記念は位置していたため、馬場の良い所を走られる外枠を引いた馬は有利であった。しかし、2006年からは開催時期がズレたことにより、内外の有利不利がなくなった以上、4つコーナーの小回りコースということを考えれば内枠有利となる。そして、各馬が直線の短さを意識して早めに仕掛けることで、一瞬の脚を持った差し馬にとって絶好の舞台となることも覚えておきたい。

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「競馬場の達人」に出演させてもらって

01

「競馬場の達人」に対し、たくさんの反響をいただき、ありがとうございます。せっかくなので、「競馬場の達人」に出演させていだいた裏話というか、こぼれ話を少し書かせていただきます。

収録当日は、開門前に東京競馬場に集合しました。まだ誰もいない競馬場に立つと、まるでディズニーランドを貸し切ったマイケル・ジャクソンのような気分(笑)。そんな幸せに浸りつつ、最上階にある撮影ルームに行き、本日の流れの説明を受けるや、さっそくパドックに向かい撮影開始です。天気も良く、普段どおりに馬券を買って、実に幸せな1日を過ごさせていただきました。「競馬は文化であり、スポーツである」というモットーを掲げていますが、私は馬券(予想)も大好きですので、あれは私のありのままの姿だと思ってもらって構いません。

正直に言うと、もう少し当てたかったというのが本音です。ご覧頂いた方はお分かりかと思いますが、鳴尾記念は痛恨でした…。「競馬場の達人」をこれまで観てきて、こうはなりたくないなと思っていたように、自分もなってしまったわけですが(笑)、あの場に立ってみて、これまでの出演者たちの気持ちがよく分かりました。

馬券が外れても最初のうちは余裕があるのですが(まあそのうち当たるさと思い)、スタッフの方々と一緒に昼食を食べ、そろそろ午後のレースを迎える頃には、「もしかしたら、番組的にそろそろ当てないといけないんじゃないか」と思い始めます。とはいっても、人気馬だから買うというわけにもいかず、自分のスタイルを崩すわけにもいかず、なんとか初志を貫こうとします。それでもメインレースが近づいてくる頃になると、スタッフの方々の「まだ次がありますよ」、「まあそういうこともありますよ」といった言葉が良心に響くようになります。

この撮影のためにずっと早朝から付き合ってくれている方々のために、どんな形であれ、的中の2文字を見せなければならない。もうそれは自分の賭けた金額が戻ってくればいいとか、儲けたいとか、そういう次元ではなく、自分のプライドを遥かに通り越して、ここにいてくれる皆のために当てたい、いや当てなければならないという崇高な使命感に変わってゆきます。しかし、競馬はそんなに甘くありません。たとえいくら無私の心を持って予想しようとも、当たらないものは当たらないのです。ないものは出ないというか、己の力のなさと引きの弱さを呪いつつ、小さな人間は競馬という大海に漂うのでした。

最終レースが終わり、私の言い訳もひとしきり収録してもらったあと、今日はこれで解散となった折、1日中付き添ってもらった女性カメラマンから忘れられないひと言をもらいました。「いつもは良く分からないまま終わってしまうのですが、今日は1頭の馬をカメラで追いかけて、応援できたので、楽しかったです。競馬の面白さが少し分かった気がします」と。私をなぐさめるためにそう言ってくれたのかもしれませんが、このひと言を最後に聞けて、私はずいぶんと救われたのでした。私が体現したかったのはそういうことだと思うのです。

この番組をきっかけとして、「ROUNDERS」のことを知っていただいたり、競馬の新しい楽しみ方を見つけていただけたら幸いです。いつもの芸能人や有名人が出てくる「競馬場の達人」とはまた違った面白さがあった、という声などもいただき、馬券の結果は散々なものでしたが、思い切って出演させてもらって本当に良かったと改めて思いました。それにしても、私の外れ馬券ばかりの1日を、ここまで素敵なドキュメントに仕上げてくださった製作スタッフの方々、そして私を推してくださった関係者の皆さまには、感謝以外の言葉が見つかりません。ありがとうございました!

Photo
あと4回放映されますので、まだの方はぜひご覧ください。

☆放送日時
7/28 (日) 22:00~22:30
7/29 (月) 00:30~01:00
7/29 (月) 23:30~24:00
8/03 (土) 17:30~18:00

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メリハリが素晴らしいプリンセスメモリー:5つ☆

■アイビスサマーダッシュ
ハクサンムーン →馬体を見る
大幅な馬体増であった前走に比べても、筋肉のメリハリに欠ける印象を受ける。
毛艶は悪くないし、前後のバランスも良いが、もうひと絞り欲しい。
Pad3star

パドトロワ →馬体を見る
全盛期の唸るような勢いは感じられないが、昨年のこのレースもこんな感じで走った。
いかにもパワータイプといった筋骨隆々の馬体であり、直線競馬は合っている。
Pad3star

ビラゴーティアラ →馬体を見る
小柄な牝馬には思えないほど、筋肉がしっかりと付いていて、いかにも瞬発力がありそう。
気持ちの強さも顔の表情から伝わってきて、1000mはこの馬にとってベストの舞台。
Pad3star

フォーエバーマーク →馬体を見る
柔らか味と張りを備えた筋肉を豊富にたずさえて、最高の状態に仕上がった。
素直そうな表情からは、どんな展開になっても大崩しない気性の良さが伝わってくる。
Pad45star

スギノエンデバー →馬体を見る
腰高に映るからなのか、前後のバランス(シルエット)が悪く、絶好調時には及ばない。
取り立ててパワー優先のタイプではなく、その点で直線1000mの競馬が合うかどうか。
Pad3star

プリンセスメモリー →馬体を見る
若駒の頃に比べると、つくべきところに筋肉がシッカリ付いて、メリハリが素晴らしい。
線の細さもほとんど消えて、いかにも瞬発力に秀でた牝馬らしい好馬体を誇っている。
Pad5star

■クイーンS
キャトルフィーユ →馬体を見る
ゆったりと休養を挟んだことで、筋肉の柔らか味やメリハリがアップしてきた。
とはいえ、まだ前躯に比べて後躯の肉付きが物足りず、成長の余地は残している。
Pad3star

オールザットジャズ →馬体を見る
いつも変わりない雰囲気をかもし出しているが、今回も全体のバランスは良い。
もうひと絞りできそうな体つきであることも確かで、仕上がり途上でどこまで。
Pad4star

マルセリーナ →馬体を見る
若駒の頃に比べて、背も高くなり、全体に伸びも出て、古馬らしく成長を遂げた。
その分、硬さが出てきたこともあり、距離は2000mぐらいがギリギリか。
Pad4star

セレブリティモデル →馬体を見る
キ甲が抜けて、ずいぶんと前躯が発達して、古馬の中に入っても見劣りしない。
もう少し筋肉にメリハリがほしい気もするが、現時点では良い仕上がりにある。
Pad4star

アイアムユアーズ →馬体を見る
相変わらず見栄えのしない馬体で、なかなか好不調の波が分かりづらいタイプ。
見た目以上に走る馬なので、いつも通りの馬体の今回も普通に走るのでは。
Pad3star

コスモネモシン →馬体を見る
実に立派な馬体であった前走に比べて、少しだけ動けるか体つきになってきた。
毛艶も良く、牝馬らしく研ぎ澄まされた馬体からは、瞬発力が期待できそう。
Pad3star

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アイビスサマーダッシュを当てるために知っておくべき3つのこと

Aibisu

■1■牝馬の活躍が目立つ
牡馬・せん馬  【2・6・6・86】 連対率8%
牝馬       【8・4・4・45】 連対率20%

過去10回行われたレース中、牡馬が勝ったのはわずかに2回。しかも、その1回は、スプリンターズSを制し、直線1000mコースのスペシャリスト(実はアイビスサマーダッシュ2勝)であったカルストンライトオによるもの。つまり、カルストンライトオとパドトロワ以外の牡馬は、このレースで牝馬に勝ったことがない。連対率を見ても圧倒的な差が生じている。

理由としては、以下の3つが考えられる。
①平坦コースで牝馬特有の切れ味を生かせる
②揉まれない
③牝馬は気を抜かずにガムシャラに走る

■2■ダート短距離血統の馬に注目
過去の連対馬を見ると、カリスタグローリー、サクラバクシンオー、Capote、スターオブコジーン、ウォーニングなど、ダートの短距離に強い血統の馬が並んでいる。このことからも、一気にアクセルを全開にしてトップギアに入ることのできる、後輪駆動のパワータイプが強いことが分かる。芝のスピードよりも、ダッシュするためのパワーが必要ということである。

■3■外枠有利というよりも
新潟直線1000mは外枠有利と言われるが、本当にそうだろうか。開催が進んで馬場の内側が傷んでくれば、外が走りやすいトラックバイアスが生まれることは確かだが、開幕週であれば馬場の内外は気にすることはない。それよりも、馬は埒(らち)を頼った方が走りやすいということである。直線だけの競馬は馬群が大きくバラけることが多く、他馬との間隔が開きすぎると、馬はフラフラして走りにくい。だからこそ、早めに埒(らち)を味方につけて突っ走った馬が有利ということになる。そういった意味では、手応えの良い馬が集まってくる外枠の方がレースはしやすい。

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集中連載:「複雑系の競馬」第4回

Hukuzatukei04

■競馬は『複雑』なゲームである
もちろん、競馬は『複雑』なゲームである。競馬における「全体」とはレースの結果であり、「部分」とはそのレースを構成している要素であるコース、血統、展開、騎手などである。諸々の「部分(要素)」(血統、展開、コース、ローテーション、騎手、馬の能力など)が集まって、「全体」(レースの結果)を作り上げている。

そして、競馬が『複雑』なゲームである以上、各部分(血統、展開、コース、ローテーション、騎手、馬の能力など)が積み重なったものがそのまま全体(レース結果)となることはない。なぜなら、各部分(要素)の間に相互作用が生まれるため、全体(結果)は各部分の総和以上のものとして現れてくるからである。

各部分(要素)間の相互作用とは、それぞれの部分(要素)の間に存在する<関係>と考えてもらっても構わない。たとえば、血統と展開という要素の間にも<関係>があり、騎手と馬の調子の間にもまた然り。ひとたびレースが始まれば、血統、展開、コース、ローテーション、騎手、馬の能力、調子など無数の部分(要素)が互いに絡み合い、<関係>し合ってレースは進められていくのである。

競馬は、各部分(要素)の総和に各要素間の<関係>が加わって全体(レース結果)を成している、という典型的な動的なシステムなのである。つまり、各部分(要素)の間に<関係>が存在するがゆえに、競馬は『複雑』なゲームであると言えるのである。

Partsandtotal

■<関係>の認識不可能性
全体が各部分(要素)の総和以上になってしまう競馬というシステムにおいて、いくら各要素だけを深く分析してみたところで、全体(レース結果)を予測することは困難であることは一目瞭然である。競馬における全体(レース結果)を予測するためには、各部分(要素)間の<関係>をも理解しなければならないからだ。

しかし、ここで<関係>の認識不可能性という矛盾が生じてしまう。

なぜ<関係>を認識することが出来ないかというと、<関係>そのものだけを取り出して分析することが出来ないからである。あくまでも、<関係>というものはあるものとあるものの間にのみ存在するものであって、私たちは<関係>そのものを単独で手に取って見ることはできない。

前回のおもちゃの車のたとえで言うと、歯車とバネは部分(要素)であり、その二者のあいだに弾性という<関係>が生まれる。これらの部分(要素)とその間にある<関係>によって、おもちゃの車という全体は構成され、動的なシステムとして成立している。歯車やバネという要素は、おもちゃの車という全体を分解し、取り出すことによって認識することができるが、その二者の間にある弾性という<関係>は、おもちゃの車が全体として機能している(動いている)時には存在するが、一旦全体を部分(要素)に分解(還元)してしまうと、<関係>というものはすでにそこにはなくなってしまうのである。

<関係>は二者(またはそれ以上)の間にあってこそ、初めて存在することが可能なのであり、部分(要素)に分解(還元)してから認識しようとする時には、既にそこから<関係>というものの存在は跡形もなく消え去ってしまうのだ。

これが要素還元主義の示してしまう限界であり、一旦要素(部分)に分解されてしまうと、各要素を繋いでいた<関係>が消滅してしまい、そのことによって全体としての機能(動き)をも失ってしまうのである。

よって、<関係>そのものを、私たちの認識可能なものとして(たとえば数値化するなどして)捉えることは不可能なのである。もちろん競馬という『複雑』なゲームにおいても同様のことが当てはまり、たとえば馬の気性とコース設定、そしてローテーションの間にある<関係>を認識することは不可能ということになる。

(次回へ続く→)

Photo by 三浦晃一

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「競馬場の達人」 に出演します。

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本日21日(日)から8月3日(土)にかけて、「競馬場の達人」 に出演します。

「競馬場の達人」とは、達人と呼ばれている出演者が、実際に競馬場で馬券を購入する様子を放送するグリーンチャンネルの番組です。そのゲストとして、私、治郎丸敬之が登場することになりました!新しい競馬の雑誌「ROUNDERS」のことや、勝ちポジ理論のこと、そして単勝勝負へのこだわりなど、私の競馬や馬券についての想いなどを語ってきました。一人でも多くの人々に、競馬の魅力が改めて伝わればと思います。

よく考えてみると、競馬にたずさわる仕事に就くことができず、途方に暮れていた15年前の私にとって、まさか自分が「競馬場の達人」に出るなんて、想像もできないことです。あきらめることなく「ガラスの競馬場」を書き続け、荒木さんに出会い「ROUNDERS」を創刊して、本当に良かった。心からそう思います。もちろん好きやってきたことなので、あっという間の出来事でした。いち競馬ファンであり、それ以上でもそれ以下でもない私に、声を掛けていただいて嬉しい、というのが正直な気持ちです。

まずは当然ながら、「競馬場の達人」の主旨に私が合うのか、私でいいのか、というところから話は始まりました。たとえば間寛平さんのような芸能人や「今でしょ!」の林修先生のような有名人が登場して、実は競馬が好きで、競馬場ではこんな風に馬券を買っていますよというのが「競馬場の達人」のイメージでした。そこに全く無名の私では、「お前誰だよ?」となってしまわないか心配でした。なりますよね、普通。「でも、大丈夫ですよ」、「競馬を語ってください」と言っていただき、私としては又とない機会だと思いましたので、思い切ってやらせていただく決心をしました。

当日の収録は、開門前に集合して最終レースが終わるまで、丸1日かけて行なわれました。1レースから12レースまで馬券を買って楽しむことになり、ひょっとすると、そんなこと20年以上ぶりかもしれません。競馬を始めたころは、朝から後楽園ウインズに突入し、1レースのパドックを観てから馬券を買い、3レースぐらいで万馬券が当たって大喜びしたり、と懐かしい思い出が蘇ってきます。当たらないことがほとんどだったのでしょうが、寝食忘れて競馬にのめり込んだ時期として、今となっては記憶が美化されています(笑)。

実際に番組を観ていただきたいので、どんな結果だったのかここでは発表しません。収録秘話や裏話等はまたの機会に書きたいと思いますのでお楽しみに。

☆放送日時
7/21 (日) 22:00~22:30
7/22 (月) 00:30~01:00
7/22 (月) 23:30~24:00
7/27 (土) 17:30~18:00
7/28 (日) 22:00~22:30
7/29 (月) 00:30~01:00
7/29 (月) 23:30~24:00
8/03 (土) 17:30~18:00

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コディーノの憂鬱(後編の前編)

Codino02

まさかの敗北を経て、コディーノの休み明けの一戦に、藤沢和雄調教師は弥生賞を選んだ。皐月賞を目指すのであれば当然の選択であり、距離こそ1800mと短くとも実は弥生賞よりもスタミナを問われるスプリングSをスルーしたのも正解であった。そこで横山典弘騎手は前走の反省を生かすべく、徹底してインにこだわる競馬を試みた。馬群の外に出すとゴーサインと勘違いをするコディーノの癖を掴んでいることに加え、2000mという距離に一抹の不安があったからだろう。直線に向くまで、ひたすら折り合いをつけ、スタミナを蓄えることに集中した。

横山典弘騎手の好騎乗もあって、コディーノは3着と健闘した。休み明けとしては上出来と意味での健闘だが、陣営にとっては不甲斐ない結果であり、横山典弘騎手にとってはコディーノの限界を思い知らされたレースであったに違いない。あれだけ脚を溜めても、大して弾けなかったのだ。クラシック路線で勝ち切るには足りないかもと誰もが感じ、この辺りから、藤沢和雄調教師の葛藤は大きくなっていたのではないだろうか。クラシックをあきらめてマイル路線(NHKマイルC)に徹するか、それとも僅かなチャンスを掴むためにクラシック路線にこだわるか。

そんな葛藤を象徴するかのように、コディーノは皐月賞で3着と好走した。このレースでも横山典弘騎手の手綱捌きは安定しており、やや行きたがるコディーノをなだめつつ内に潜り込み、最終コーナーで他馬が仕掛け始めても慌てることなく、極限まで仕掛けを我慢してから弓を解き放った。それでも勝ったロゴタイプとエピファネイアには先着することができなかったのから、さらに距離が延びた日本ダービーの舞台で逆転は望めないというのが冷静な考えである。同じ3着でも、力を出し切れなかったり、展開が向かなかったりという敗因ではないからだ。

皐月賞からダービーに至るまでの期間、藤沢和雄調教師は絶えず頭を悩ませたはず。コディーノの距離適性や絶対能力を考えると、NHKマイルCに出走すれば勝つ確率は極めて高い。自身の厩舎にとっても久しぶりの待ち望んだG1タイトルとなる。しかし、優先出走権を得ている日本ダービーはどうか。リーディングトレーナーとして日本の競馬を牽引してきたにもかかわらず、一度も手にしたことのない勲章である。どの騎手もダービージョッキーを夢見るように、調教師にとってもダービーが勝ちたくないレースであるはずがない。エイダン・オブライエン調教師のように、ダービー以外は意味がない」と考える調教師もいるほどだ。

とはいえ、日本ダービーを勝つリスクも大きい。藤沢和雄調教師がこれまでダービーを勝てていないのは、馬優先主義を貫いてきたからだ。日本ダービーを勝つためには、この時期の若駒を極限の状態まで仕上げ、府中2400mで極限のレースを強いなければならない。たとえ勝負に勝ったとしても、肉体的にも精神的にも大きなダメージが残り、燃え尽きてしまう馬も多い。成長途上の過程として無理を強いることなくダービーを勝てる馬など、シンボリルドルフやナリタブライアン、ディープインパクトなど、ごくごく一握りの超一流馬たちのみである。それ以外の一流馬にとっては、ダービー馬のタイトルと自身の未来の走りを引き換えにしなければならないことになる。

(後編の後編に続く笑→)

Photo by 三浦晃一

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筋肉が実に柔らかいクリスマス:5つ☆

■中京記念
リルダヴァル →馬体を見る
歴戦の古馬らしい、しっかりとした立ち姿と筋肉のメリハリには風格さえ窺えるほど。
ただ、目の周りを見ると、やや黒ずんでいるようでもあり、夏負けの心配がある。
Pad4star

フレールジャック →馬体を見る
若駒のころは幼さを感じさせる馬体であったが、ここに来てようやく古馬らしく成長した。
それでもまだ筋肉のメリハリには物足りなさが残り、トモにもう少し実が入ってほしい。
Pad4star

ドナウブルー →馬体を見る
馬体は良い意味でふっくらとして、ここから絞っていけば本番で力を出し切れる。
毛艶は良く、立ち姿もリラックスしていて、疲れは微塵も感じられない。
Pad3star

シャイニーホーク →馬体を見る
やや突っ立った形になっているように、まだ全体のバランスに良化の余地を残している。
筋肉量という面では十分な力強さを感じさせ、パワーでどこまで押し切れるか。
Pad3star

フラガラッハ →馬体を見る
絶好調であった昨年と比べると、毛艶やシルエットは変化ないが、トモが少し弱い。
全体的に線の細さを感じさせるのはそれ故だろうが、復調まであと一歩か。
Pad4star

ムクドク →馬体を見る
7歳馬とは思えないフレッシュさを感じさせる馬体はセン馬であるがゆえか。
大物感はないが、毛艶も筋肉のメリハリも良く、この力は出し切れる仕上がりにある。
Pad3star

■函館2歳S
クリスマス →馬体を見る
パッと見た感じでは牝馬らしい線の細さを感じさせるが、筋肉が実に柔らかい。
表情からも走ることに前向きな気性が伝わってきて、それゆえ無駄な脂肪もついていない。
Pad5star

キタサンラブコール →馬体を見る
父キングヘイロー譲りか、この馬も首が高い立ち姿で、やや力みが見られる。
その分、前躯に力強さはあっても、後躯の肉付きに物足りなさが残る。
Pad3star

ファイトバック →馬体を見る
母母父アジュディケーティングの隔世遺伝か、前躯が強く、いかにもパワーに溢れている。
トモが物足りないが、気性は前向きそうで、好走は間違いないところ。
Pad3star

ビービーブレイン →馬体を見る
立ち姿のシルエットが最も安定しているのがこの馬で、特に前躯は古馬のよう。
距離はマイルまで延びても問題なさそうで、距離延長はプラスになるはず。
Pad4star

トーセンシルエット →馬体を見る
馬体はコンパクトにまとまっていて、トモ高の馬体からは、スピード感と切れ味が伝わってくる。
気性的にも素直そうで、この時期にしては、どんな競馬にも対応できそう。
Pad3star

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函館2歳Sを当てるために知っておくべき3つのこと

Hakodate2s

■1■ますます牝馬が有利に
牡馬・せん馬 【3・4・6・64】連対率9%
牝馬      【7・6・4・45】連対率21%

パワーとスタミナを要求される洋芝100%の函館競馬場は、開催が進み、馬場が傷むことによって、ますますその傾向は強くなっていく。しかし、一昨年までは8月上旬に開催されていたが、昨年から3週間繰り上がって7月となった。函館戦が開幕して8週目であったのが6週目となり、馬場の痛みが少ない状態で行なわれるようになるため、これまで以上にスピードと完成度に優る牝馬が活躍する舞台となるだろう。

■2■1番人気は危険!?
1番人気は過去10年で【1・3・1・5】(札幌で行われた2009年は除く)と、2着こそあれ、勝ち切れていない。函館開催当初に、新馬戦を好タイムで圧勝したスピード馬が1番人気になるからである。しかし、上にも書いたように、開催が進むにつれ、素軽いスピードだけではなく、パワーとスタミナも問われる馬場へと変貌する。これによって、スピードを武器に圧勝して1番人気に祭り上げられた馬は苦戦するのだ。

また、ラベンダー賞を勝った馬も人気に祭り上げられることがあるが、よほど早熟でない限り、この時点で2戦、しかも2勝しているということは、ローテーション的に余力が残っていない可能性が十分に考えられる。ラベンダー賞と函館2歳Sを連勝した馬が地方馬に偏っているのは、身体に負担の掛かりにくいダートを走ってきたからであろう。中央で芝のレースを2戦使ってきた馬は疑ってかかるべき。

■3■外枠有利
函館1200mはスタートから第1コーナーである3コーナーまでの距離が長いため、内枠と外枠での有利不利はほとんどない。あえて挙げるとすれば、開催が進むにつれ、内の方の馬場が悪くなってきているケースが多いので、馬場の良いところを走ることが出来る外枠を引いた馬が有利か。

また、キャリアわずか1、2戦の馬たちによる争いとなるため、馬群の中で揉まれてしまうよりは、多少のコースロスがあろうとも、馬群の外をゆったりと走られる方が力を出し切ることが出来るだろう。そういった意味においても、外枠からスムーズにレースを進められた馬が有利となる。

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集中連載:「複雑系の競馬」第3回

Hukuzatukei03■『複雑』とは
ところで、『複雑』な現象とは一体どういうことなのだろうか。ここで問題にしている『複雑』とは、単純またはシンプルの反対、つまり無数の要素がごちゃごちゃと絡み合っているという意味ではない。

『複雑』を定義すると、「全体を構成している無数の要素が、各々に相互作用を行っているため、「全体」が「部分(要素)」の総和以上のものになってしまう」ということである。

これだけでは分かりづらいので、ひとつ具体的なたとえを使って説明したい。

皆さんは、子供時代にプラモデルを作ったことがあるだろうか?私は、小学生の時にガンダムのプラモデルが好きで、よく作っていた記憶がある。作るプロセスは、部品を接着するという単純な作業の積み重ねであったが、それでも小学生の私にとっては、設計図どおりに組み立てる作業はかなり複雑なものに思われた。

部品の量が増え、種類も増えると、ますます複雑になってゆく。設計図にしても、部分図のパターンが増えると、全体図は小学生の私を圧倒するほどの大きさになった。たとえ単純な部品の接着の繰り返しであったとしても、部品の量と種類が増加すると複雑度は増大することを、私は学んだ。

しかし、ある日、これとはまた違った種類の複雑さがあることを私は知った。

ある日、ガンダムのプラモデルに飽き始めていた私は、ぜんまい仕掛けの車のおもちゃを修理しようとしたことがあった。それは、ぜんまいのバネを動力にした外車のおもちゃであった。ネジを外して車を分解しようとすると、中には大小さまざまな歯車があり、渦巻き状の金属のバネが納まっている。一見したところ、車の中身もガンダムのプラモデルの部品に似た複雑さのように思えた。しかし、どんなに歯車を組み立て直しても車は一向に動いてはくれなかったのである。おそらくバネが壊れていて、弾性を失っていたのだろう。

おもちゃの車の修理の難しさは、私に本物の複雑さを教えてくれた。

バネという動力を備えたこのシステムは、ガンダムのプラモデルとは異なり、バネの弾性に特徴をもっている。部品の歯車をいくら積み重ねても、そこにバネの弾性が加わらなければ、おもちゃの車の動力は回復しない。弾性は部品の和以上のものであり、それがおもちゃの車を動く『複雑』なシステムに変えていたのである。

ガンダムのプラモデルは1プラス1が2になる静的なシステムであるであるのに対して、おもちゃの車はバネと歯車の間にある弾性というの相互作用のために、1プラス1が2にならない動的なシステムということになる。

静的なシステムにおいては、「全体」がどれだけ複雑に見えたとしても、結局、「全体」は一つ一つの「部分(要素)」の積み重ね(和)によって成り立っている。そのため、「全体」を理解するためには、それを「部分(要素)」に分解した上で分析するという手法が極めて効果的になる。

その一方、動的なシステムにおいては、「全体」は「部分(要素)」の和以上となってしまう。なぜなら、部分と部分の間に相互作用が起こり、「関係」が生まれてしまうからである。おもちゃの車のたとえでいうと、歯車とバネの間に存在する弾性という「関係」である。

このように、各部分(要素)の間に「関係」が存在するために、1プラス1が2にならない、「全体」が「部分(要素)」の総和以上になってしまう動的なシステムこそが、つまり『複雑』であるということなのである。

Photo by 三浦晃一

(第4回へ続く→)

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今週も5つ☆評価なし(すいません)

エアソミュール →馬体を見る
夏場はこうしてやや寂しい感じに映りやすいが、前走後も順調に来ている。
毛艶は良く、筋肉にもメリハリがあるが、欲を言えばトモの肉付きが物足りない。
Pad3star

トウケイヘイロー →馬体を見る
前走後に楽をさせたのか、筋肉のメリハリが物足りない、余裕のある体つき。
ただ、リラックスして立てており、気性も前向きなので、今回も力は出し切れる。
Pad3star

レインボーダリア →馬体を見る
前躯が勝っていて、トモが物足りない分、力の要る洋芝を得意とするのだろう。
牝馬ではあるが、パワータイプであり、さすがG1馬という貫禄をかもし出している。
Pad3star

サトノギャラント →馬体を見る
胴部に伸びがない分、マイル前後が適距離であり、スタミナ面ではやや不安あり。
この馬も前躯が勝っていて、トモの実の入りに物足りなさを感じざるをえない。
Pad4star

アンコイルド →馬体を見る
典型的なパワータイプであり、前部分(上半身)の強さが推進力につながっている。
その意味では、力を要する洋芝向きではあり、やや太く映るのはこの馬の体型か。
Pad3star

コスモネモシン →馬体を見る
全盛期の研ぎ澄まされた感じには至らないが、全体の立ち姿のシルエットは良い。
前後のバランスは取れているので、あとは実戦で使われながら絞れていけば。
Pad3star

トウカイパラダイス →馬体を見る
ゴールドアリュールの産駒にしては、前躯から強さを感じさせず、線が細い印象を受ける。
きっちりと絞れた馬体からは調子の良さが伝わってきて、この馬の力は出し切れる。
Pad4star

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コディーノの憂鬱(中編)

Codino

朝日杯フューチュリティSを使うことで、馬の記憶にマイル戦のリズムが刻まれてしまう。そうなると、ますますスローペース化する現代の日本競馬のクラシック戦線においては、マイナス材料にしかならない。目先のG1タイトルを手に入れることの代償は大きいのだ。

ここ10年ぐらいの間に、調教師を始めとする関係者たちがそのことに気づき始めた。朝日杯フューチュリティSを捨ててクラシックに賭けるか、それともクラシックを諦めてG1を獲りに行くか。どちらが正しい選択ということではなく、その馬の適性や将来性を考えた上での2択ということだ。

かの藤沢和雄調教師がそれを知らないわけがなく、それを承知で、それでも敢えて朝日杯フューチュリティSを使ってきたのはなぜだろう。私はてっきり藤沢和雄調教師がコディーノをマイラーだと判断したからだと考えていた。藤沢厩舎に初のG1タイトルをもたらしたシンコウラブリイの血を引くコディーノに、天性のマイラーとしての資質や狂気を見たのだろうと。

今から振り返ると、そうではなかったのかもしれない。関西に輸送することに不安があり、ラジオNIKKEI杯を嫌ったのかもしれない。もしくは、ただ単に、不確実な未来のクラシックレースよりは、目の前のG1を勝ちたかったのかもしれない。横山典弘騎手を背に乗せて。

いずれにせよ、使った以上は絶対に勝たなければならないレースであった。ところが、なんとなんと、ロゴタイプを捕らえきれずに敗れてしまったのだ。道中で横山典弘騎手が安全策を取り、馬群の外に出したその瞬間、コディーノがハミを噛み、ガツンと持って行かれてしまったことが敗因となった。その後のロゴタイプの活躍を考えると、相手が強かったということでもあるが、あそこで外に出していなければ、出すタイミングをもう少し待てていればというのが本音だろう。

勝ったデムーロ騎手がお互いの健闘を称えるように求めてきた握手に横山典弘騎手が応えられなかったのは当然だろう。2400勝も挙げている百戦錬磨のジョッキーが、絶対勝たなければならない一戦で下手を打ってしまったのだから。絶対に勝てるレースを落としてしまったコディーノ関係者の落胆も大きかったに違いない。

馬の関係者ほど騎手を厳しい目で見ている者はいない。1頭の馬がデビューする前から、その馬と寝食をともにして、1つのレースを目指してトレーニングをする。その成果が試されるのが本番のレースである以上、パドックから返し馬、そしてスタートしてゴールして帰ってくるまで、もう自分の馬とその鞍上の一挙手一投足を、目を皿のようにして真剣に観る。どれだけ小さな挙動さえも見逃さない。自分の馬の体調や実力をある程度は的確に掴んでいるため、ジョッキーの技量も把握しやすいのだ。ジョッキーにとってはごまかしが利かない、嘘がつけない相手というところだろう。

腕達者な横山典弘騎手に任せていたからこそ、口には出さなかったが絶対に勝てると信じていたからこそ、それが成しえなかったときの、あの外に出して持って行かれてしまったシーンが脳裏に焼きついて消えない。またコディーノが引っ掛かって、持っていかれてしまうのではないか。コディーノの距離適性における不安と横山典弘騎手に対する不信感。それはもう半分妄想に近いものではあるが、振り払っても振り払っても、関係者はそこから逃れることができなくなってしまう。

Photo by 三浦晃一

(後編へ続く→)

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函館記念を当てるために知っておくべき3つのこと

Hakodatekinen_2

■1■上がり馬が狙い目
G1       【0・2・2・14】 連対率11%
G2       【2・0・2・10】 連対率14%
G3       【2・0・1・26】 連対率7%
オープン特別 【8・10・4・70】 連対率20%
条件戦    【0・0・3・10】 連対率0%

過去12年で前走がG2、3クラスから2頭ずつ、オープン特別から7頭の勝ち馬が出ているように、これまでに実績のある馬ではなく、この夏に力を付けてきた(調子を上げてきた)馬が狙い目である。また、前走がオープン特別であった連対馬18頭中、15頭が巴賞出走馬である。函館記念1本に狙いを定めてきた上がり馬に注目すべき。

■2■2000m以上のスタミナが必要
トニービン、ニジンスキー、ノーザンダンサーなどの血を引く馬たちが活躍しているように、函館競馬場独特の洋芝によって、パワーはもちろんのこと、字ヅラ以上のスタミナが必要とされる。また、速い上がりが求められるレースになることはほとんどないので、瞬発力勝負では分が悪かった馬の巻き返しにも期待したい。

■3■内を通って差を詰めることの出来る差し馬
12.3-11.2-11.7-12.1-12.1-12.1-12.3-12.4-12.2-12.2(59.4-61.2)H
12.8-11.2-11.8-12.4-12.5-12.2-12.1-11.9-11.8-12.0(60.7-60.0)M
12.6-11.3-11.6-12.4-12.6-12.8-12.4-13.0-13.0-13.4(60.5-64.6)H
12.6-11.8-12.7-13.0-12.9-11.9-12.0-11.9-11.7-12.3(63.0-59.8)S
12.2-11.2-11.4-12.1-12.1-12.4-12.0-12.1-12.1-12.7(59.0-61.3)H
12.4-11.6-12.1-12.4-12.3-12.3-12.0-11.7-11.5-12.3(60.8-59.8)S 札幌競馬場
12.3-11.0-11.2-11.5-11.8-12.1-12.6-12.4-11.4-12.2(57.8-60.7)H
12.2-11.0-11.5-12.2-12.8-12.4-12.3-12.0-11.8-12.1(59.7-60.6)M
12.5-10.8-11.6-12.0-12.2-12.4-12.4-12.3-11.8-12.4(59.1-61.3)H

過去9年間のラップ構成を見ると、毎年異なった展開で流れていることが分かる。そのため、レースレベル自体は違ってくるのだが、前半が遅く流れた場合は、3コーナー手前から速くなりやすい傾向は毎年同様である。ジョッキーが262mと短い直線を意識するため、向こう正面から既に動き出すからである。そのため、ペースや競馬場のコース形態のわりには逃げ馬が残りにくく、先行馬、そしてさらに、内を通って差を詰めることの出来る差し馬にとって有利なレースになる。

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集中連載:「複雑系の競馬」第2回

Hukuzatukei02

■20世紀における競馬予想理論
競馬の複雑さについて語る前に、まずは20世紀における競馬予想理論を振り返ってみたい。ピッツバーク・フィルのクラス理論からアンドリュー・ベイヤーのスピード指数、そして競馬の神様と呼ばれる大川慶次郎による展開の発見など、どの理論も競馬という「全体」から、血統・タイム・展開・騎手・各馬の能力などの「部分(要素)」を取り出し、それらを深く分析するという手法を取っていることがわかる。

複雑な「全体」を理解するために、それを単純な「部分(要素)」に分解してから考察するという要素還元主義の思考スタイルは、フランス人の哲学者デカルトによって確立され、それ以来、自然科学の発展にも大きな影響を与えてきた。

その結果、科学文明の中で生きている私たちにとって、「どれだけ全体として複雑に入り組んでいるものでも、それを一つ一つの分かりやすく、認識可能な部分に分解してから分析することによって、理解することができる」という発想は極めて一般的なものになった。

そして、この要素還元主義の考え方は、いつしか、私たち人間は全てを知り極めることができるという幻想にすり替わってしまったのだ。競馬でいう必勝法のゴールドラッシュである。こうすれば競馬で必ず絶対に勝つことが出来る、というマッチョな予想理論は、多くの人々を惹きつけたが、それと同時に、多くの人々を誤った方向へと導いてしまったのである。

しかし、この20年~30年来、要素還元主義という考え方は、生命科学、経済学、物理学などあらゆる分野において、明らかに限界を示すことが分かり始めた。

たとえば、木の葉がどこに舞い落ちるのか、パチンコの玉がどこの穴に入るのか、そして1週間後の天気さえも、どれだけ近代科学が発達しようとも、正確には予測することができない。もちろん競馬の世界においても同じで、どれだけのスーパーコンピューターを使っても勝ち馬を正確に当てることはできないのである。

「どれだけ全体として複雑に入り組んでいるものでも、それを一つ一つの分かりやすく、認識可能な部分に分解してから分析することによって、理解することができる」、という要素還元主義の考え方では、このような『複雑』な現象を理解することは出来ないのだ。

(次回に続く→)

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各馬わずかに物足りなく、今週は5つ☆なし

■七夕賞
ナリタクリスタル →馬体を見る
かつての研ぎ澄まされた馬体には遠く、筋肉のメリハリという点で物足りない。
ただ、夏場に調子を上げる馬らしく、毛艶は良く、体調自体は申し分ない。
Pad3star_2

トレイルブレイザー →馬体を見る
海外遠征緒戦にもかかわらず、皮膚には張りがあって、仕上がりも悪くない。
堂々とした立ち姿からはパワーも伝わってきて、福島コースにはいかにも合いそう。
Pad4star

エクスペディション →馬体を見る
新陳代謝が進む夏場は、皮膚が薄く、毛艶も良好で、調子が最高潮になっていく
リラックスして立っているように、全体のバランスも良く、軽い走りを見せてくれるはず。
Pad45star

マイネルラクリマ →馬体を見る
重心が低く、どちらかというとマイラー体型だが、距離はギリギリもつはず。
筋肉に硬さはあるが、前後躯に実が入って、筋肉のメリハリも素晴らしい。
Pad4star

ケイアイドウソジン →馬体を見る
スピードタイプといった腰高の馬体であり、年齢を重ねるごとに逞しさも加わった。
やや筋肉の質が硬いのが難点だが、スムーズに運べれば勝ち負けにもなる。
Pad3star_2

ダコール →馬体を見る
いつも立ち姿の良い馬だが、今回は全体的に緩いのかバランスが良く映らない。
毛艶は冴えているので、夏場は悪くないのだろうが、仕上がりが今ひとつか。
Pad3star_2

■プロキオンS
ダノンカモン →馬体を見る
実に堂々とした立ち姿だが、全盛期に比べると、トモの肉付きが物足りない。
表情には落ち着きがあり、人間に反抗するような面が影を潜めていればチャンス。
Pad45star

アドマイヤロイヤル →馬体を見る
腹回りにやや余裕があるのは確かだが、6歳馬とは思えないほど力強い。
気持ちの強そうな顔つきからも、今回もこの馬の力は十分に発揮できそう。
Pad3star_2

ガンジス →馬体を見る
スッと立てていて、筋肉も柔らかく、昨年から今春シーズンにかけての疲れは癒えた。
このメンバーに入ると、筋肉のメリハリという点ではあと一歩、パワー不足は否めない。
Pad3star_2

シルクフォーチュン →馬体を見る
前躯が力強く、いかにもゴールドアリュール産駒らしい力強さを誇っている。
胴部に伸びはない分、距離はぴったりで、展開が向けば勝利のチャンスはある。
Pad4star

セイクリムズン →馬体を見る
高齢馬らしく、各パーツに若干の緩みが感じられるが、筋肉の質は若々しい。
スプリンターではあるが、胴部には長さがあって1400mは問題ない。
Pad3star_2

スノードラゴン →馬体を見る
芦毛で見栄えがしない上にダート馬らしからぬ薄い馬体で、これと言った美点がない。
それでもこのクラスに上がってきたのは、精神的に強いものを持っているのだろう。
Pad3star_2

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コディーノの憂鬱(前編)

Derby13

久しぶりに武豊騎手が日本ダービーのゴール板を先頭で駆け抜けた0・5秒後、4番人気のコディーノが9着でゴールに入線した。競馬ファンの期待(人気)に応えられなかったからだけではなく、その敗北に違和感を覚えたのは私だけではなかっただろう。直前に主戦の横山典弘騎手からC・ウイリアムズ騎手に乗り替わったことについて、「気が楽になった」と武豊騎手が語ったといわれているように、ダービージョッキーでさえもが、コディーノのことが心のどこかで気になっていたのだろう。乗り替わりというダービーにおけるタブーを犯してまで勝ちに行ったつもりであったのに、掲示板にさえ載れなかったのだ。

日本ダービーにおける、コディーノの敗北には深い意味が隠されているような気がしてならない。それはリーディングトレーナーでありながらもかつての勢いを失ってしまったかに見える藤沢和雄調教師と社台の運動会と揶揄されるほどにG1レースを勝ちまくる社台グループとの力関係、それに否が応でも巻き込まれざるをえない騎手の混乱と矜持という浅はかな問題ではない。そうではなく、ダービーとはいったい何なのか?サラブレッドの調教や育成とは?ひいては競馬とは?という現代の競馬が抱える根源的な問いに行き当たるのではないだろうか。

コディーノの戦歴を振り返ってみたい。札幌の新馬戦(芝1800m)でデビューを飾り、返す刀で札幌2歳Sを勝利し、一躍クラシック候補として名乗りを挙げた。この2戦だけを見てみても、他馬とはスピードの絶対値と完成度が違うことが見てとれる。走る気満々の中でも抑制が利いており、騎手にとってもこれ以上乗りやすい2歳馬はいないのではないかと思えるほどであったろう。そんなサラブレッドとしての素質の高さが如実に表れたのが東京スポーツ杯2歳Sであった。完璧なレース振りと横山騎手が瞬間移動と表現するほどの瞬発力で勝利した。このレースを観た関係者は、コディーノが一流馬であることを認めたはずである。

ここまで来れば、どのG1レースをいくつ勝つかという計算が立ち始める。まずは目標を定めて、そこから逆算するようにローテーションを決め、あとはとにかく順調にステップレースから本番までもってゆく。はずであったが、なぜかこのあたりから少しずつ歯車が狂い始め、コディーノの運命が大きく変わり始めた。最大の転換点は、東京スポーツ杯2歳Sの次走に朝日杯フューチュリティSが選ばれたことだ。てっきりラジオNIKKEI杯に駒を進めるのかと思っていただけに、私はその意図を汲み取ることができず驚いた。コディーノは来年のクラシックを目指す馬ではなかったのかと。

なぜ朝日杯フューチュリティSを使ってはいけないかというと、馬は走るリズムを記憶するからである。こころと身体の両方で。特に新馬戦から2、3戦目にかけては刷り込まれやすく、またG1のような極限のレースでの体験の影響は大きい。2歳暮れの時期に、マイル戦を33秒台で走るようなレースを経験してしまうと、そのリズムは生涯にわたって刻まれることになる。もっとも朝日杯フューチュリティSを勝ち負けするような馬は、ナリタブライアンやグラスワンダーのような超大物でない限り、生粋のマイラーであるということでもある。二重の意味において、朝日杯フューチュリティSを使うことで、クラシックレースでは距離が長いことが確定してしまうのだ。

(続く→)

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七夕賞を当てるために知っておくべき3つのこと

Tanabata

■1■上がり時計不問
12.2-11.7-12.0-12.2-12.2-12.2-11.8-11.8-11.9-12.7(60.3-60.4)M
上がり3ハロン36秒4
12.8-11.4-12.1-12.5-12.6-12.3-11.6-11.6-12.2-12.6(61.4-60.3)S 
上がり3ハロン36秒4
12.5-11.2-11.6-11.4-11.9-12.0-12.5-12.5-12.3-12.5(58.6-61.8)H 
上がり3ハロン37秒3
12.4-11.5-11.8-11.6-11.7-11.7-11.8-12.0-12.1-12.7(59.0-60.3)H 
上がり3ハロン36秒8
12.3-11.1-12.1-12.2-12.1-11.9-12.0-12.0-12.1-12.5(59.8-60.5)M 
上がり3ハロン36秒6
12.5-11.3-11.9-12.1-12.5-12.0-11.7-11.9-11.7-12.2(60.3-59.5)M 
上がり3ハロン35秒8
12.5-11.5-12.2-12.3-12.6-12.0-11.8-11.7-11.3-12.3(61.1-59.1)S 
上がり3ハロン35秒3
12.5-11.4-12.1-12.2-12.8-12.0-11.7-11.8-12.0-11.9(61.0-59.4)S
上がり3ハロン35秒7
12.3-11.1-12.4-12.4-13.2-12.0-11.7-11.5-11.7-12.2(61.4-59.1)S
上がり3ハロン35秒4
12.3-11.2-12.0-12.3-12.5-12.4-11.8-12.0-12.2-12.4(60.3-60.8)M
上がり3ハロン36秒6

最近はスローに流れる競馬が多く、上がりが速くなる傾向が出てきているが、それ以前は上がりが35秒を切るレースの方が圧倒的に少なかった。馬場の劣化と、息の入らないペースによって、上がり時計が不問になりやすい。軽い瞬発力ではなく、その対極にある、パワーとスピードの持続力が求められるレースである。当然のことながら、こういう上がり時計不問のレースでは前に行った馬が有利になる。

■2■マイラーでもステイヤーでも厳しい
直線の短い小回りコースということもあって、スタート直後からガンガン飛ばしていく速い流れになりやすく、最後は底力の勝負になり、豊富なスタミナが要求される。そのため、純粋なマイラーにとっては厳しいレースとなる。かといって、ステイヤーに向くかというとそうでもなく、ステイヤーは道中の速く厳しい流れに戸惑ってしまうことになる。どちらかに偏っていない、中距離馬を狙い打つべきである。

■3■ハンデがハンデにならない!?
斤量         成績       連対率
49kg以下     【0・0・0・7】    0%
49.5kg~51kg 【0・0・1・13】   0%
51.5kg~53kg 【3・4・3・38】  15%
53.5kg~55kg 【2・4・4・50】  10%
55.5kg~57kg 【7・3・4・35】  20%
57.5kg~59kg 【1・2・1・9】   23%

ハンデ戦にもかかわらず、ハンデが重くなるにしたがって連対率が上がる傾向がある。そして、勝ち馬は55.5kg~57kgのゾーンに集中している。

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集中連載:「複雑系の競馬」第1回

Hukuzatukei01

■競馬は複雑である
高校時代の友人らと始めたG1レース予想大会が、20年経った今でも続いている。大会とはいっても私と友人2人という極めて小規模なものではあるが、別々の場所に住み、多忙な私たちがたまに会ったりできるのは競馬のおかげだと思っている。大会のルールは実にシンプル。その年に行なわれる22のG1レースの予想を披露し合い、1レース1万円の賭け金として収支を計算し、順位を争うのだ。

お互いに勝ったり負けたりを繰り返しながら楽しくやってきたつもりであったが、つい最近、集計係をしてくれている友人から、過去8年のトータルの結果が発表されて驚愕した。以下、恥ずかしながらも、G1レース予想大会における私と友人2人の収支と回収率を公開したい。こんなことをバカ正直に教えるなんてと思われる方もいるかもしれないが、私がこの先に語る競馬の真実への導入として、自ら腹を割っておく必要があると思ったのだ。ぜひご覧頂きたい。

        私・治郎丸  友人T  友人A
2006年   -183000  +98200  +197200
2007年   -108000  -117000  -40000
2008年   -155000   -77000  -62000
2009年  +61000  -141000  -36000
2010年  -93000   -31600  -110000
2011年   +219000  +221200  -189000
2012年  -96000  -220000  -134800
2013年  -42000  -110000  -5400
収支   -397000   -377200  -380000
回収率      76%        77%      77%

2006年から2013年の上半期まで、全165レースに賭け、3人ともマイナス収支であることは自明の理として、40万円近いマイナスの金額もほとんど同じ。しかも恐ろしいことに、76~77%の回収率もほぼ同じである。そう、25%の控除率を引いた、競馬の期待値(75%)とピッタリ一致するのだ。ある程度は予期していた結果ではあるが、ここまで明確に数字で示されてしまうと、もうグウの音も出ない。

ひとつだけお断りしておくと、私を含め、友人2人とも競馬歴20年以上というベテランである。長ければ良いというものでもないが、それぞれが競馬についてある程度は語れる知識を持ち合わせており、馬券に関しても独自の方法論を用いて予想をしている(はず)。今年になって競馬の存在を知って、オグリキャップとゴールドシップの違いもまだよく分らない初心者とは違う。そんな私たちでさえ、見事に競馬の期待値である75%に回収されてしまっているのだ。

ここでひとつの問いが生じる。「競馬予想に技術はないのか?」という問い。過去のデータやあらゆる経験に基づいた理論を駆使し、これだけ懸命に予想をしても、誰もが回収率75%に収束していってしまう以上、そこには技術やノウハウや知恵といったものが存在しえないのではないだろうか。そう思ってしまうのは当然であり、もはやこれは私たち3人だけの問題ではない。結論を少しだけ述べておくと、競馬予想に技術はあるにはあるが、それが全体の結果に結びつくことは少ない。なぜなら、競馬は複雑であるからだ。

(第2回へ続く→)

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プロキオンSを当てるために知っておくべき3つのこと

Prokions

■1■1番人気が圧倒的に強い
過去10年間で1番人気は【3・4・3・0】と連対率70%という圧倒的強さを誇る。これはが実績馬に有利な別定戦であることが最大の理由である。だからといって1番人気を買えばよいというのは早計で、実績馬がそれほど重い斤量を背負わされないため、力のある馬が順当に勝つというのが本当の意味である。

■2■結局のところ前に行った馬にとって有利なレース
12.0-10.3-11.1-12.1-12.3-12.5-12.7(33.4-37.5)H
12.3-10.5-11.5-12.0-11.8-11.6-12.6(34.3-36.0)H
12.2-10.6-11.1-11.7-11.9-12.1-12.3(33.9-36.3)H
12.0-11.0-11.5-11.7-11.6-12.0-12.2(34.5-35.8)H
12.3-10.1-11.0-11.9-12.1-12.4-12.9(33.4-37.4)H
12.0-11.0-11.6-11.8-11.6-11.7-12.3(34.6-35.6)H
12.3-10.8-11.5-11.8-12.1-11.8-12.4(34.6-36.3)H
12.1-10.9-11.4-12.1-12.0-11.4-11.9(34.4-35.3)M

過去10年のうち、阪神ダート1400mで行なわれた7レースは、ほぼ例外なくハイペースに流れていて、前に行く馬にとってはかなり厳しいレースとなっていた。なぜなら、阪神1400mダートコース(内回り)の最後の直線は352mと短く、前に行った馬にとって有利という意識がジョッキーに共通に働くため、どの馬もとにかく前に行きたがるからである。

それでも先行馬が活躍していたのは、最後の直線が短いからである。後ろから行く馬向きの展開になるにもかかわらず、意外と直線が短くて差し切れないという現象が起こっていた。逃げ馬にとっては苦しいレースだが、かといって追い込み馬も届かないという、先行・差し馬向きのレースであった。

昨年から行なわれている中京ダート1400mコースは、最後の直線が410mと長くなり、無理をして先行争いするほどではない。レースはこれまでのようにハイペースにはならず、ミドルペースに近い流れになるであろう以上、結局のところ前に行った馬にとって有利なレースになる。

■3■外枠が有利
中京ダート1400mコースはスタート地点が芝となっていて、外枠から走る馬の方が芝を走る距離が長い。そのため、外枠に入った馬(特に先行馬)は、内枠に入った馬に比べ、スピードに乗りやすいという利点が生じる。先行・差し馬向きのレースと前述したが、特に外枠に入った先行馬には要注意である。

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