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大器晩成


菊花賞2013-観戦記-
バンデが颯爽とハナを切り、前半61秒2、中盤63秒1、後半61秒0という、ほとんど中緩みを感じさせないラップを刻み、長距離戦としては標準的なペースで道中は流れた。雨が降った影響で、力の要る馬場になったことを考えると、スタミナの絶対値が問われる、つまりごまかしの利かない、実力がそのまま結果に反映された菊花賞であった。また、上位に入った騎手たちの名前を見れば分かるように、重馬場の長距離戦ということで、騎手の技量が問われるレースでもあった。

勝ったエピファネイアは、最後の直線ではムチを1度も使うことがなかったように、力の違いを存分に見せつけた。勝ち切れなかった春のクラシックの鬱憤を、最後の1冠で見事に晴らしてみせた。母父スペシャルウィークの血が騒いだのか、夏を越して、胴部がひと拳分伸びてステイヤーらしくなっていた。肉体面での完成に伴い、精神面も大きく成長したのだろう。スタンド前を通過して落ち着いてからは、舞い上がることなく、かつレースに集中して走っていた。折り合いを欠くことさえなければ、総合力という点ではロゴタイプやキズナよりも上を行く馬で、まさに大器晩成、これからが非常に楽しみな馬である。

福永祐一騎手は、ようやくクラシックの栄冠を手にすることができた。終わってみれば楽勝であったが、そこに至るまでの過程は簡単ではなかったはずで、ホッと胸を撫で下ろしたことだろう。スタートが良すぎたことで、最初のコーナーに向けて、いきなり引っ掛かるシーンも見られたが、スタンド前で他馬の後ろに入れることで落ち着かせた。それ以降は、福永祐一騎手としては、エピファネイアにつかまっていただけで勝ったようなものであり、自分の腕が生きたわけではない。だがこうして強い馬を依頼され、本番でも乗せてもらえるようになったことが、今の福永祐一騎手の全てを物語っている。

サトノノブレスは、スタミナを問われるレースになって、ステイヤーの血が発揮された。神戸新聞杯では動き出すのが遅く、切れ味で負けてしまったが、今回は重馬場と距離で他馬の切れが鈍る分、この馬のスタミナと渋太さが生きた。馬体を見ても、まだまだ成長が見込まれるだけに、古馬になってからの走りに期待したい。馬場が悪いことで、馬群がバラけることを見越して、内にポジションを取った岩田康誠騎手の好判断も光る。最後にバンデをきっちり捕らえたのは、騎手の技量があったからこそである。

3着のバンデは、早めに勝ち馬に来られたにもかかわらず、バテない強みを生かして最後まで粘り切った。逃げ馬としてはこれ以上ないレースをして、力を出し切っての結果と考えてよいだろう。こういう強い長距離の逃げ馬がいると、これからのレースが盛り上がる。この馬も順調に成長して、古馬となった来年の走りが楽しみである。マジェスティハーツは最後方からレースを進め、ラストの切れ味に賭けたが不発に終わった。良馬場であれば、あのポジションでも上位に来られたはずだが、今回の馬場ではさすがに厳しかった。雨が降ったことで、一転して勝ちポジは前となり、大外枠が仇となった。

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