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ドバイワールドカップ2014を占う

Dubaiworldcup2014

今週末、日本では高松宮記念が行われるが、海の向こうではドバイワールドカップが行われる。2006年にカネヒキリが挑戦したとき、私はこのブログで初めてドバイについて言及した。その時、私はこう書いた。「こういった国際舞台では、彼らとその関係者たちは、否が応でも日本の競馬を背負っている。日本という“国”まで背負う必要はないが、王ジャパンが“野球”を背負ってWBCを戦ったように、彼らも“競馬”を背負って走る。私たちが大好きな競馬の素晴らしさを、世界に知らしめてほしい」。それから5年後の2011年、ヴィクトワールピサがドバイワールドカップを制し、M・デムーロ騎手が日の丸の国旗を高々と掲げたことは記憶に新しい。やはり国際舞台で勝つことには、いろいろな意味や価値があるのだと思う。

ドバイワールドカップは、総額賞金が1000万ドル、1着賞金が600万ドルという世界最高の賞金額でも知られるレースである。同日にドバイミーティングとして行われる他のレースの賞金額も極めて高く、シーマクラシックやデューティーフリーは総賞金500万ドル、1着賞金300万ドルと、ジャパンカップ(1着賞金2億5000万円)よりも高いのだから驚きである。凱旋門賞と比べると、歴史も浅く、格式も高くないレースではあるが、この賞金の高さによって各国の競馬に少なからぬ影響を与えてきていることを最近つくづく感じる。分かりやすく言うと、日本の一流馬の中でも、春の最大目標がドバイにある馬が現れてきているのである。

たとえば、ジェンティルドンナはその典型であろう。秋の最大目標はジャパンカップであり(すでに2連覇を果たした)、春の最大目標はヴィクトリアマイルでも宝塚記念でもなく、ドバイシーマクラシックとなる。国内外を問わず、賞金が高くて、勝てるチャンスのあるレースに照準を合わせているということだ。特に、種牡馬としての価値を考えなくてよい古馬牝馬に、この傾向はより顕著に表れるはず。これには古馬の中距離G1である宝塚記念の開催時期や馬場状態という問題が大きく影響しているのだが、いずれにせよ、このままでは春の古馬G1戦線が空洞化してしまうだろう。

ジェンティルドンナは昨年の雪辱を果たすことができるのだろうか。11月末に行われるジャパンカップをピークに仕上げた馬を、ドバイシーマクラシックで再びきっちり仕上げるのは案外難しい。2月のステップレースを使うとすれば、ジャパンカップ後にそれほど長い休養を取ることはできない。あと1か月あれば、というのが正直なところだろう。昨年はほとんど体を緩めずに過ごした疲れが2着という結果に出てしまったが、京都記念の惨敗を見る限り、今年はある程度休養を取っての仕上げであり、好結果につながる可能性は十分にある。そしてもう1頭、ディープインパクト×キングカメハメハという最強配合であるデニムアンドルビーにも未知の魅力を感じる。

デュ―ティーフリーに出走する3頭の牡馬も心強い。簡単には止まらないトウケイへイロ―に皐月賞馬ロゴタイプ、そして天皇賞秋を破壊的な末脚で制したジャスタウェイ。外国馬も素晴らしいメンバーが揃った。それでも、今のジャスタウェイを負かすのは難しいだろう。トモに実が入り、馬体が充実したジャスタウェイを負かすことができる馬がいたとすれば、その馬は相当に強い。それぐらいジャスタウェイ陣営にとっては自信を持って臨めるレースである。ドバイワールドカップにはペルシャザールとホッコータルマエといった、日本を代表する現役最強ダート馬2頭がこぞって出走する。日本の砂であれば間違いなく好勝負になるのだが、オールウェザーという馬場がどう出るか。ヨーロッパの馬が多く出走してきているように、純粋なパワーというよりも、どちらかというと強靭なスタミナやスピードの持続力が問われるレースになるのではないか。極端なスローに流れない限り、スピードの絶対値が足りずに終わってしまうという結末が待っているような気がしてならない。そう考えると、オールウェザーの2000mこそが、芝とダートを統一して、世界競馬の頂点を決めるレースに相応しい設定なのかもしれない。

Photo by 三浦晃一

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Comments

こんぱんわ。
ジャスタウェイ、多少心配してましたが、ここまで突き放すとは思ってませんでしたし、もう馬が変わってますね。

ジェンティルは苦しいところからよく抜けてきました、ムーア騎手も慌てず素晴らしい騎乗でした。

デニムは突発的な逃げが決まるかな?と思いましたが、さすがに甘くなかったですね。

Posted by: 小倉のデビュー戦 | March 30, 2014 at 04:28 AM

小倉のデビュー戦さん

おはようございます。

まるで父ハーツクライのレースを見ているような圧勝劇でした。

さすがに逃げませんでしたが、サンデーサイレンスの直仔の仔がこれだけ強い勝ち方をするとは、サンデーサイレンスの血の影響力には驚きます。

ジェンティルドンナは勝ちましたが、やや危険なレースをしましたね。

昨年よりも体調は良かったと思います。

Posted by: 治郎丸敬之 | March 30, 2014 at 10:19 AM

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