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よくぞやってくれた


高松宮記念2014-観戦記-
逃げ宣言をしていたハクサンムーンが出遅れたことで、意外にもエイシントップが先頭に立ち、それにレディオブオペラが続き、大方の予想とは違った序盤の争いとなった。こういう不良馬場のスプリント戦においては、圧倒的に前に行った馬が有利となる。なぜなら、直線に向いたときには、すでにどの馬も脚が上がってしまっていて、そのまま粘り込む、つまりほとんど着順が変わらないことが多いからである。たとえば、昨年の高松宮記念のレースラップと比べてみると分かりやすい。

11.9 - 11.0 - 11.4 - 11.2 - 11.0 - 11.6  1:08.1レコード
12.1 - 10.7 - 11.7 - 11.9 - 12.6 - 13.2  1:12.2

上が昨年、良馬場で行われ、ロードカナロアが勝ったレースであり、下が今年である。全体時計には4秒以上の差があるにもかかわらず、前半の4ハロン目まではほとんど違いがない(2ハロン目は今年の方が速いぐらい)。大きな違いは、最後の直線に向いたラスト2ハロンにあることが分かる。スタミナを要する不良馬場を全力で追走してきて、ラストはどの馬もバテて、歩いてしまっている。こんな状態では、自らがゴールまでたどり着くことで精一杯で、前の馬を交わすどころではない。

勝ったコパノリチャードは3番手の内を追走し、直線で抜け出した。馬場の恩恵を受けたことも確かだが、前走もハイペースを逃げて突き放したように、父ダイワメジャー譲りのスピードとそれを支える母父トニービンから受け継いだスタミナが絶妙のバランスで融合してきている。また今回は逃げなくとも結果が出たように、精神面における成長も著しい。まだ4歳馬であり、馬体にも成長の余地を残しているだけに、今年は充実の年になるのではないか。

M・デムーロ騎手は迷いなく馬場の悪いところを走らせ、直線に向いても馬を真っ直ぐにゴールインさせた。馬をキッチリとコントロールする技術は、馬がハミを頼って走りたがるこういった道悪馬場でこそ生きてくる。ゴールインした瞬間に久しぶりにヒコーキポーズを披露してくれ、危険だと眉をひそめる面々もいるかもしれないが、私はひそかによくぞやってくれたと思っている。ずぶずぶの関係の中で既得権益を守ろうとする者たちや新参者を拒もうとする社会に対するアンチテーゼに思えてならない。M・デムーロほどのジョッキーの騎乗を目の前で見られることに、私たちはもっと感謝するべきなのだ。

1番人気に推されたストレイトガールは、この馬場の中、外からよく差してきている。良馬場であれば突き抜けていた可能性は十分にあるが、今回ばかりは運がなかった。外から追い込んできたスノードラゴンは強い競馬をしている。ダート路線で培ったパワーや我慢強さが生きたことはあるが、今後は芝の短距離の差し馬として活躍が見込まれる。ハクサンムーンはスタートのタイミングが合わなかったように、気持ちの面で難しさが出てきているのだろう。スプリンターは気持ちで走るだけに、精神面で萎えてしまうと途端に走らなくなるし、ピークの期間も短い。

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前駆の強さを受け継いだスマートオリオン:5つ☆

ストレイトガール →馬体を見る
凛々しい顔立ちは、気が強く、前向きな気性を表していて好感が持てる。
ただ、前走に比べて、腹回りに余裕があり、毛艶が冴えないことだけが気がかり。
Pad4star

ハクサンムーン →馬体を見る
馬体の仕上がりはいつも安定している馬で、今回も走れる馬体になっている。
ややうつむき加減で表情に乏しいところを見ると、課題は精神面にあるのでは。
Pad3star

コパノリチャード →馬体を見る
前2頭に比べると、脚が長く、重心も高くて、決してスプリンターではない。
距離延びてもよいスタミナを持ち合わせているため、そう簡単には止まらない。
Pad4star

レディオブオペラ →馬体を見る
牝馬らしからぬ筋肉量の多い馬体で、スピードの塊という印象を受ける。
顔つきを見ると気性の激しさが伝わってきて、スムーズにレースができるかが鍵。
Pad3star

マジンプロスパー →馬体を見る
相変わらず見た目の素晴らしい馬体を誇り、胴部や手脚に長さがありバランスが良い。
さすがに全盛期の出来にはないのは否めず、年齢を重ねて筋肉が硬くなっている。
Pad3star

サンカルロ →馬体を見る
若駒の頃は馬体に長さがあったが、古馬になってゴツくなり、力強さが増した。
まだ絞り込める馬体だが、競走馬としてはベテランであり、これぐらいで丁度良い。
Pad4star

ガルボ →馬体を見る
この馬の特徴だが、他のメンバーに比べると線が細く、パワー勝負になると分が悪い。
とはいえ7歳馬とは思えない毛艶の良さで、力を出し切れるだけの仕上がりにある。
Pad3star

スノードラゴン →馬体を見る
胴部には長さがあり、前後駆にはしっかりと実が入り、全体のバランスも素晴らしい。
父アドマイヤコジーンを彷彿させる好馬体で、芝のレースも全く問題ない。
Pad45star

スマートオリオン →馬体を見る
尾が短いのが気になるが、父グラスワンダーの前駆の強さを馬体に受け継いでいる。
筋肉にはメリハリがあり、毛艶も素晴らしく、文句ない仕上がり。
Pad5star

リアルインパクト →馬体を見る
安田記念馬だけあって、馬体全体に十分な長さがあり、長い直線はプラス材料。
ただ、表情が険しく、腹回りに少し余裕があり、もうひと絞りできそう。
Pad3star

レッドスパーダ →馬体を見る
全体的に余分な脂肪が残っているのは、8歳馬としては仕方ない。
それでも毛艶は良く、体調の良さは確かで、この馬の力は出し切れるはず。
Pad3star

Takamatumiyakinen2014

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ドバイワールドカップ2014を占う

Dubaiworldcup2014

今週末、日本では高松宮記念が行われるが、海の向こうではドバイワールドカップが行われる。2006年にカネヒキリが挑戦したとき、私はこのブログで初めてドバイについて言及した。その時、私はこう書いた。「こういった国際舞台では、彼らとその関係者たちは、否が応でも日本の競馬を背負っている。日本という“国”まで背負う必要はないが、王ジャパンが“野球”を背負ってWBCを戦ったように、彼らも“競馬”を背負って走る。私たちが大好きな競馬の素晴らしさを、世界に知らしめてほしい」。それから5年後の2011年、ヴィクトワールピサがドバイワールドカップを制し、M・デムーロ騎手が日の丸の国旗を高々と掲げたことは記憶に新しい。やはり国際舞台で勝つことには、いろいろな意味や価値があるのだと思う。

ドバイワールドカップは、総額賞金が1000万ドル、1着賞金が600万ドルという世界最高の賞金額でも知られるレースである。同日にドバイミーティングとして行われる他のレースの賞金額も極めて高く、シーマクラシックやデューティーフリーは総賞金500万ドル、1着賞金300万ドルと、ジャパンカップ(1着賞金2億5000万円)よりも高いのだから驚きである。凱旋門賞と比べると、歴史も浅く、格式も高くないレースではあるが、この賞金の高さによって各国の競馬に少なからぬ影響を与えてきていることを最近つくづく感じる。分かりやすく言うと、日本の一流馬の中でも、春の最大目標がドバイにある馬が現れてきているのである。

たとえば、ジェンティルドンナはその典型であろう。秋の最大目標はジャパンカップであり(すでに2連覇を果たした)、春の最大目標はヴィクトリアマイルでも宝塚記念でもなく、ドバイシーマクラシックとなる。国内外を問わず、賞金が高くて、勝てるチャンスのあるレースに照準を合わせているということだ。特に、種牡馬としての価値を考えなくてよい古馬牝馬に、この傾向はより顕著に表れるはず。これには古馬の中距離G1である宝塚記念の開催時期や馬場状態という問題が大きく影響しているのだが、いずれにせよ、このままでは春の古馬G1戦線が空洞化してしまうだろう。

ジェンティルドンナは昨年の雪辱を果たすことができるのだろうか。11月末に行われるジャパンカップをピークに仕上げた馬を、ドバイシーマクラシックで再びきっちり仕上げるのは案外難しい。2月のステップレースを使うとすれば、ジャパンカップ後にそれほど長い休養を取ることはできない。あと1か月あれば、というのが正直なところだろう。昨年はほとんど体を緩めずに過ごした疲れが2着という結果に出てしまったが、京都記念の惨敗を見る限り、今年はある程度休養を取っての仕上げであり、好結果につながる可能性は十分にある。そしてもう1頭、ディープインパクト×キングカメハメハという最強配合であるデニムアンドルビーにも未知の魅力を感じる。

デュ―ティーフリーに出走する3頭の牡馬も心強い。簡単には止まらないトウケイへイロ―に皐月賞馬ロゴタイプ、そして天皇賞秋を破壊的な末脚で制したジャスタウェイ。外国馬も素晴らしいメンバーが揃った。それでも、今のジャスタウェイを負かすのは難しいだろう。トモに実が入り、馬体が充実したジャスタウェイを負かすことができる馬がいたとすれば、その馬は相当に強い。それぐらいジャスタウェイ陣営にとっては自信を持って臨めるレースである。ドバイワールドカップにはペルシャザールとホッコータルマエといった、日本を代表する現役最強ダート馬2頭がこぞって出走する。日本の砂であれば間違いなく好勝負になるのだが、オールウェザーという馬場がどう出るか。ヨーロッパの馬が多く出走してきているように、純粋なパワーというよりも、どちらかというと強靭なスタミナやスピードの持続力が問われるレースになるのではないか。極端なスローに流れない限り、スピードの絶対値が足りずに終わってしまうという結末が待っているような気がしてならない。そう考えると、オールウェザーの2000mこそが、芝とダートを統一して、世界競馬の頂点を決めるレースに相応しい設定なのかもしれない。

Photo by 三浦晃一

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あの浮いたような走りをもう1度

Jiromaru

高松宮杯が高松宮記念に名前を変え、距離が2000mから1200mへ短縮された頃から、あっという間に20年近い歳月が流れてしまいました。宮杯と呼ばれて2000mで行われていた時代を知る者にとっては、高松宮記念がスプリントG1であることが未だに信じられません。それぐらい、宮杯には印象的なレースが多かったということです。七夕の日にダイタクヘリオスとダイイチルビーが愛を奏でるように直線で叩き合ったこと、3着ばかりで勝ち切れなかったナイスネイチャがようやく快勝したこと、ヒシアマゾンがまさかの逃げを打ち敗れたこと。今でさえこれほどに未練がましいのですから、条件が変更された当初は明らかな違和感があったことは確かですね。

そんな納得がいかない私の気持ちを少しばかり晴らしてくれたのが、フラワーパークの走りでした。スプリントG1としての高松宮記念が誕生した1996年、まさにこの新しいG1レースを勝つために生まれてきたような牝馬が登場しました。2度の骨折により、フラワーパークがデビューしたのは同世代の馬より1年遅れた1995年の10月。そこからトントン拍子で勝ち上がり、あっと言う間にオープンまで登り詰め、前哨戦であるシルクロードSを制し、短距離界の新星として注目を集めました。気がつくと、という表現が適切で、当時、条件戦も含めてかなり競馬を観ていた私もフラワーパークの存在に気づかされたのは、シルクロードSを勝ってからでした。

こんなに素軽いスピード馬がいるのか、というのがフラワーパークの第一印象でした。同年の秋、スプリンターズSでハナ差で雌雄を決し合うことになるエイシンワシントンがパワーを前面に押し出したスプリンターであるのに対し、フラワーパークは極限の軽さを武器にしたスプリンターでした。スタート良く飛び出し、あっという間に好位に取りつき、直線に向くと軽々と先頭に躍り出てそのままゴールインする。その走りはまるで浮いているよう。ディープインパクトが飛ぶような走りであったとすれば、フラワーパークは芝の上に薄い層があってその上を摩擦なく進んでいるような軽快な走りでした。

実はこのレースには3冠馬ナリタブライアンも出走していました。距離があまりにも短いと批判されつつ、それでもナリタブライアンの新しい面を引き出そうとした大久保正陽調教師のチャレンジでした。結果として、追い込んでくるも4着と及ばずでしたが、前年のスプリンターズSの1、2着馬であるヒシアケボノやビコーペガサスさえもフラワーパークの影さえも踏むことができなかったのですから、決してナリタブライアンの評価を下げるような内容ではなかったと思います。それぐらいフラワーパークのスプリンターとしての能力が傑出したということです。

あれからビリーヴやスリープレスナイト、カレンチャンといった素晴らしい牝馬のスプリンターが登場しましたが、彼女たち(特にクロフネ産駒の2頭)はパワー優先でしたので、フラワーパークとはタイプが少し違っていました。今年の高松宮記念でおそらく1番人気に推されるであろうストレイトガールは、どちらかというとフラワーパークに近いタイプですね。函館の洋芝でも勝っていますが、その軽快な走りを見ると、素軽さを生かせる馬場の方が合っています。久しぶりにあの浮いているような走りが見られるのかどうか、スプリント界に新星が誕生するのか楽しみです。

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中京芝1200m

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スタート時点は、向こう正面の緩やかな上り坂の途中にある。およそ120m走っただけで、すぐに下り坂へと入っていき、そこから200mもしないうちに3コーナーへと差し掛かる。さらにずっと下りながら3コーナー~4コーナーを回り、最後の直線に向くと一転して2mの急坂が待っている。そのあと240mのほぼ平坦な直線がゴール板まで続く。

第1コーナーまでの距離はおよそ300mと短くも長くもなく、極端に速いペースにはならないだろうが、それでも3~4コーナーまで下り坂が続くため、知らず知らずのうちにペースが速くなってしまうはず。時計的にどうこうではなく、直線に向くまで自分のペースで走れた先行馬にとっては、412mに延長された直線もそれほど長くは感じないだろうが、前半が速いラップになり、上がりが掛かる展開になるので、基本的には差し馬が脚を余すことなく十分に届く舞台である。

改修前の高松宮記念は小回りを意識する余り、ペースが全体的に速くなり、その結果として先行した馬がバテていたが、改修後は直線が長くなったことで、差し馬が十分に末脚を発揮できることになった。いずれにしても、差し馬にとって有利なレースになることに違いはない。

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高松宮記念を当てるために知っておくべき3つのこと

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■1■差し馬有利の展開は変わらず
中京競馬場は小回り、直線に坂がなく平坦であり、本来は圧倒的に先行馬が有利なコースであったが、高松宮記念に限っては、最後の1ハロンでスピード自慢の先行馬の脚が止まり、スタミナを備えた差し馬がゴール前で逆転するという展開のレースになりやすかった。それは新装された今も同じ。直線が長くなったばかりか、坂ができたことにより、その傾向にはさらに拍車がかかる。

「差し馬有利」の状況は、ラップタイムからも一目瞭然である。阪神競馬場で行なわれた平成23年を除く、過去10年間の前半後半3ハロンのラップタイムは以下のとおりである。
 前半 ― 後半
平成15年 32.9―35.2 (前後半の落差2.3)
平成16年 32.9―35.0 (前後半の落差2.1)
平成17年 33.3―35.1 (前後半の落差1.8) 
平成18年 33.7-34.3 (前後半の落差0.6)
平成19年 33.8-35.1 (前後半の落差1.3)
平成20年 33.4-33.7 (前後半の落差0.3)
平成21年 33.1-34.9 (前後半の落差1.8)
平成22年 33.5-35.1 (前後半の落差1.6)
平成24年 34.5-35.8 (前後半の落差1.3)
平成25年 34.3-33.8 (前後半の落差0.5)

平成25年を除き、ほぼ毎年、前半が速くて後半が掛かるという、典型的な前傾ラップである。「短距離の差し馬」という格言があるように、基本的にスプリント戦は差し馬有利な前傾ラップになることが多い。特にG1のスプリント戦となると、スピードのある馬が揃い、前半のポジション争いが厳しくなるため、どうしても上がりの掛かる展開となるのは避けられない。

つまり、高松宮記念は、見た目以上に差し脚が生きるコースである。G1スプリント戦の性格に加え、コース形態がスピードとスタミナを兼ね備えた強い差し馬に有利に働くということだ。

■2■馬場の不利、枠順の不利はなくなる
かつて開幕最終週に高松宮記念が行なわれていた頃は、馬場の傷みによってコースの内外における有利不利を生み出してしまうことがあった。平成12年のキングヘイロー、13年のトロットスター、17年のアドマイヤマックスと、大外を回った馬が勝利したように、内側が傷んで走りにくいという馬場設定になってしまう可能性があった。しかし、昨年からは改修後ということもあって、馬場は絶好の状態を保っているため、馬場による有利不利はない。

さらに、これまでの中京競馬場はコース幅が狭くカーブもきついため、枠順の内外も考慮に入れるべきであった。テンのダッシュが速くない馬が内枠に入ると、外から速い馬に来られ、包まれてしまい何も出来ずに終わったり、外枠を引いた馬が内に入れるヒマもなく、終始外々を回されて終わってしまうことがあった。どの枠順を引いたかによって、勝利の行方が大きく左右されたのだが、改修後は枠順における有利不利もほとんどなくなるだろう。

全体的に見ると、よほど極端な枠順を引かない限り、スピードとスタミナを兼ね備えた強いスプリンターが勝つことのできる舞台が整ったといえる。

■3■5歳馬が有利
過去10年間における、年齢別の成績は以下のとおり。

4歳   【0・1・2・40】 連対率2%
5歳   【6・5・2・33】 連対率24%
6歳   【2・4・3・35】 連対率14%
7歳以上【2・0・3・39】 連対率5%

勝ち鞍、連対率だけを見ても、5歳馬が圧倒していることが分かる。勢いのある4歳馬が、充実の5歳馬にねじ伏せられてしまうという形になりやすい。キンシャサノキセキは例外的存在と考えて、6歳以上の馬になってくると、スピード不足を露呈してしまうのか、年齢と共に勝率は下がっていくことになる。スピードとスタミナを兼ね備えたスプリント能力を問われるということだ。

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全体的に軽さがあるアジアエクスプレス:5つ☆

◆スプリングS
アジアエクスプレス →馬体を見る
休み明けとは思えないほどスッキリとした馬体で、全体的に軽さがある。
筋肉の質も柔らかく、皮膚も薄く、現時点では文句のつけようがない。
Pad5star

マイネルフロスト →馬体を見る
重心がやや低く、距離はあまり長くない方が良いが、筋肉の柔らかさはある。
前駆の力強さに比べてトモが物足りないのは確かで、もう少し成長が望まれる。
Pad3star

ロサギガンティア →馬体を見る
どっしりとした立ち姿に好感が持て、この時期としては毛艶もピカピカで好調。
腹回りに少し余裕があるので、もうひと絞りされてくればパーフェクトか。
Pad3star

ベルキャニオン →馬体を見る
全体的にラインが細く、力強さは感じないが、バランスの良い好馬体を誇る。
現時点でも完成度は高いが、もうひと回り馬体が大きく成長すればベスト。
Pad4star

サクラエール →馬体を見る
前後駆にしっかりと筋肉がついて、鍛え上げられてきた印象を受ける。
筋肉の硬さからダート向きかもしれないが、芝でも力を要する馬場は歓迎だろう。
Pad3star

クインズハリジャン →馬体を見る
腰高で腹回りがぽっこりとして映るように、まだ幼さを随所に残している馬体。
重厚感はあるが、毛艶は今一つで、本当に良くなっていくのはもう少し先か。

◆阪神大賞典
ゴールドシップ →馬体を見る
もうひと絞りできる体つきだが、立ち姿のバランスは良く、復調気配を感じさせる。
前後駆にはふっくらと実が入り、スタミナとパワーを兼ね備えている。
Pad4star

サトノノブレス →馬体を見る
ひと息入れたのか、京都記念の時と比べると、馬体に重苦しさを残している。
胴部も手脚もそれほど長くなく、長距離タイプの馬体ではないので、そこがどう出るか。
Pad3star

アドマイヤラクティ →馬体を見る
全体的に筋肉のメリハリが不十分であるが、ステイヤーはこれぐらいで良いのだろう。
表情からも素直な気性が伝わってきて、折り合いを欠くことはないのが強み。
Pad3star

ヒットザターゲット →馬体を見る
長距離で一瞬の末脚を生かすタイプの馬で、腰高の馬体がそれを物語っている。
この馬は好不調の波が少なく、安定して力は出し切れる仕上がりにある。
Pad3star

バンデ →馬体を見る
コロンと映る馬体はステイヤーのそれではなく、スピードとパワー優先の印象。
それでいて最後までバテないのは、気持ちの強さと厳しい調教の賜物だろう。
Pad3star

タマモベストプレイ →馬体を見る
ステイヤーの馬体ではなく、走り方(首の使い方)の上手さで距離を克服している。
腹回りに余裕があるように見えるのは体型的なもので、仕上がりは悪くない。
Pad3star

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2014年春の古馬中長距離路線を占う

Goldship

毎年、阪神大賞典そして産経大阪杯のレースが近づいてくると、いよいよ一流馬たちの走りを見られる時期がやってきたかと胸が高まる。クラシック路線については、牡馬牝馬ともに年明け早々に占ったので、今度は古馬路線、その中でもオルフェ―ヴルがターフを去ったあと、高いレベルで実力が拮抗している中長距離戦線について展望してみたい。天皇賞春から宝塚記念という日本の春競馬の王道ではなく、ドバイや香港に有力馬が枝分かれするケースが今年は目立つが、海外遠征組も最後には宝塚記念で集結するという期待を込めつつ。

まずは古馬牡馬の筆頭格はゴールドシップをおいて他にいない。ゴールドシップは、同じステイゴールド産駒であるオルフェ―ヴルと似て、気力で走る馬であり、気持ちが走ることに向いていない(精神的に消耗してしまっている)ときは、あっと驚く凡走をしてしまう。惜敗ではなく大敗を喫してしまうタイプの分かりやすい馬である。昨年の秋シーズンは、それまでに蓄積されていた疲れが噴出し、精神的に大きく崩れてしまったが、あそこまで走らなかったことで、かえって疲れが抜けたかもしれない。父ステイゴールドは晩年まで闘争心を失わなかった馬であり、その長所は産駒にも遺伝しているので、この春は完全復活したゴールドシップを見ることができるのではないか。

ゴールドシップを負かすことのできる実力をつけたのが、同じ須貝厩舎であり、昨年の天皇賞秋の覇者であるジャスタウェイ。この馬も父ハーツクライと似て、古馬になってようやくトモに実が入ってきた。それまでは後方から行って、鋭い末脚を使うものの、差して届かずもしくは不発に終わっていたレースが多かったが、後駆が充実してきたことで自然と前の位置につけられるようになった。楽に先行して、直線では力強い末脚を繰り出すのだから、今のジャスタウェイを負かすのはそう簡単なことではない。8分以下の仕上がりであった中山記念を勝ったのだから、かなり高い確率で、ドバイデューティーフリーでも好走するであろう。むしろ注目は、ドバイデューティーフリーを勝ったあと、宝塚記念に出走してきたときのゴールドシップとの同門対決である。

エピファネイアはスタミナの裏付けはあるが、気性的には2000mがベストの馬であるため、菊花賞を勝ったことによる反動は少なくなかったのではないだろうか。そのあたりはさすが天下の角居調教師だけあって、ジャパンカップや有馬記念には目もくれず放牧に出した。この春は肉体的にも精神的にもリフレッシュしているだけに、産経大阪杯から香港のクイーンエリザベス2世Sまでは、角居調教師の思い描くとおりに運ぶのではないか。そこから先、2か月の期間が開いての宝塚記念というローテーションをどう乗り越えるか、特にきっちり仕上げて香港のG1レースを勝ったあとの調整は難しいだろう。同じ道程を辿ったルーラーシップの経験を活かせるかどうか。

キズナはどう出るか分からない。日本ダービーを勝った反動、そしてフランスに渡り、凱旋門賞で激走した疲れがあって当然である。その疲れが本当に癒えているのかどうかの見極めが大切である。もしかすると、この春は自慢の末脚が不発に終わってしまうレースを繰り返すことになるかもしれない。もちろん、これだけの苛酷な試練を乗り越えれば、日本を代表する名馬として秋には再び凱旋門賞に挑戦してもらいたいし、それだけの馬だと考えている。

Photo by M.H

関連エントリ
「ガラスの競馬場」:2014年のクラシック路線を占なってみる(牡馬編)
「ガラスの競馬場」:2014年のクラシック路線を占なってみる(牝馬編)

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阪神大賞典を当てるために知っておくべき3つのこと

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■1■瞬発力勝負に
過去10年間、勝ち馬の上がり3ハロン時計は以下のとおり。

平成16年 リンカーン       34秒5
平成17年 マイソールサウンド 34秒8 
平成18年 ディープインパクト  36秒8
平成19年 アイポッパー      34秒3
平成20年 アドマイヤジュピタ  34秒7
平成21年 アサクサキングス  40秒6
平成22年 トウカイトリック    36秒0
平成23年 ナムラクレセント   35秒3
平成24年 ギュスターヴクライ 37秒1
平成25年 ゴールドシップ    36秒8

上がりが遅いレースと速いレースの差が激しいように見えるが、実はディープインパクトが勝った年は、馬場が重く、異常なほど強い風が吹いていた。また、平成22年はそのディープインパクトの2着したトウカイトリックが4年越しで勝利したように、上がりが掛かる競馬であった。平成21年は不良馬場であったため時計が掛かった。そして、平成24年はやや重馬場に加え、オルフェーヴルのまさかの逸走があり、上がりの掛かる展開に。

しかし、それ以外のほとんどの年は上がりが34秒台となっていて、基本は瞬発力勝負になりやすい舞台と考えてよい。3000mを走って34秒台で上がってくるのだから、道中がいかに遅いペースで流れ、ラスト3ハロンの瞬発力勝負になっているかが分かる。これが阪神大賞典と天皇賞春の結びつきが強い理由のひとつでもある。長距離戦だからといって、決してスタミナ豊富な馬が有利なのではなく、まずは瞬発力が求められることを知っておきたい。

■2■内枠で先行出来る馬が有利
スローペースの瞬発力勝負になりやすい以上、当然のことながら、内枠を引いて内々の経済コースを進んだ馬が有利となる。ただし、長距離戦では各馬もコースロスを意識して外々を回らないように運んでくるため、たとえスローペースであっても、馬群は縦長になることが多い。そのため、内外という枠順でそれほど大きな差は生じない。内枠から発走して、前にポジショニングできて、ラスト3ハロンの瞬発力勝負に強ければ、勝ち負け必至のレースである。

■3■1,2番人気馬が圧倒的に強い
過去12年間の人気ごとの成績は以下のとおり。

1番人気【5・4・1・2】 連対率75%
2番人気【2・3・1・6】 連対率42%
3番人気【2・1・3・6】 連対率18%

1番人気馬の連対率が7割、2番人気馬の連対率が4割と、圧倒的な安定感を誇っていることが分かる。これは人気馬が強いということではなく、長距離戦では各馬の実力や仕上がり具合が如実に現れてしまうということである。たとえ展開やレースの綾があったとしても、力のない馬や仕上がりの良くない馬が好走してしまう確率は極めて低い。実力と仕上がり状態をそのまま信頼してよいレースである。

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集中連載:血統について語るとき、私の語ること(第9回)

Kettounituite09

メジロアサマとシェリルとの間に生まれた牡馬はメジロティターンと名付けられた。世間的にはそれほど注目されていなかったが、北野氏のこの馬に賭ける想いは相当なものであった。牧場時代もそれほど目立つ存在ではなく、馬体は細くて頼りなかった。ステイヤーらしく、初勝利を挙げるのに4戦も要してしまった。そこからじわじわと力をつけて、セントライト記念を制するまでに成長し、菊花賞は骨折により無念のリタイアをしたが、古馬になって天皇賞秋(芝3200m)を見事に勝利したのである。メジロアサマから血がつながっただけでも奇跡的であるのに、その仔メジロティターンが親子2代で天皇賞を勝つとは、北野氏以外の人間は夢にも思わなかっただろう。

親子2代で天皇賞を制したということは、その遺伝子には明らかにスタミナが内包されてということであり、しかも母系はフランスの名門という血統を見ると、メジロティターンは超がつくほどの良血と評価されてよいはずであった。メジロアサマからメジロティターンに至るまでの北野氏の苦労がついに実を結んだと思われたが、そう上手くはいかなかった。日本の競馬にスピード化の波がちょうど訪れ始めていた時期である。スタミナに偏重しているメジロティターンの血は、ほんの少し前まであれば尊重されたはずだが、すでに当時は時代遅れになりつつあった。初年度は12頭、翌年が7頭、そして3年目が16頭にしか種付けをすることができず、さすがにこれでは活躍馬を誕生させるのは困難を極めた。

ちょうどそんな折、北野豊吉氏が帰らぬ人となってしまった。「メジロアサマとメジロティターンで続いた天皇賞親子制覇を3代まで続けたい。メジロティターンとメジロ牧場の繁殖牝馬で、ぜひとも成し遂げてほしい」と言葉を残し、あの世に旅立ったのだ。この遺言にメジロ牧場の関係者が奮い立たないわけがない。親子3代天皇賞制覇という偉業を目標に掲げ、配合から育成まで、すべてはメジロティターンの仔に天皇賞春を勝たせることに捧げられた。そこで候補として挙げられたのは、スタミナ血統の繁殖牝馬であった。当時のスピード化の流れを汲めば、ステイヤー血統のメジロティターンにはスピードに溢れる母系を掛けたくなるところだが、そこをあえてスタミナ×スタミナとしたところにメジロ牧場の意地を感じる。

メジロマックイーンの母メジロオーロラは母系が小岩井牝系であり、父はリマンド、母父がヒンドスタン、母母父がボストニアンと古き時代のステイヤー血統で固められている。初年度から菊花賞と有馬記念を制したメジロデュレン(父フィディオン)を出して、繁殖牝馬としての優秀さを示していた。そのメジロオーロラに、満を持してメジロティターンを掛けたのだ。どこまで走ってもバテることを知らない、スタミナの権化のような配合である。天皇賞春を勝つような名馬に大成するか、もしくは一度も先頭ゴールすることなくターフを去ってゆくか、一か八かの配合。当時はメジロ牧場にも挑戦する余裕があったこともそうだが、北野氏のビジョンやスピリットが受け継がれていたからこその選択であった。メジロオーロラにはその後、ノーザンテーストやサンデーサイレンスという超一級の種牡馬が配合されたが、メジロティターンとの間に生まれたメジロマックイーンを超えるような産駒はついに誕生しなかった。

メジロマックイーンが天皇賞春を勝ったとき、武豊騎手が北野豊吉氏の遺影を右手に掲げて口取りに臨んでいたのは、そういう訳があったからである。当時の私は、あの写真の人物が誰かさえ知らなかったし、そういった人間の情熱が馬をつくりあげていることなど想像もつかなかった。唯一分かっていたのは、芦毛の強い馬が突如として現れたということ。そして、今から思えば、オグリキャップから始まり、メジロマックイーンで最高潮に達した芦毛伝説は、芦毛の名馬にたずさわった人々の漂白された想いの現れではないかと。特に、メジロアサマからメジロティターン、そしてメジロマックイーンとつながった芦毛の親子3代からは、あらゆる妥協や打算を打ち捨てたところに残る、北野氏のホースマンとしての純白な信念が浮かび上がってくる。それを人々は執念と呼んだのである。

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(第10回へ続く→)

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凛とした表情が素晴らしいアドマイヤビジン:5つ☆

◆フィリーズレビュー
ホウライアキコ →馬体を見る
相変わらず胸前の筋肉はさすがで、それを支えるトモもなかなかのもの。
ただ今回は、休み明けと時期的なものもあって毛艶が冴えず、絶好調とは言い難い。
Pad3star

ベルカント →馬体を見る
牝馬らしい線の細さを残しており、気性の前向きさで先行するタイプか。
全体のバランスは良いが、まだ冬毛が残っていて、ひと叩きされた次走以降に期待。
Pad3star

ヤマノフェアリー →馬体を見る
軽さと力強さを備えていて、将来性の高い馬体を誇るが、現時点での完成度は低い。
前駆に比べて後駆の実の入りに物足りなさがあり、ややパワー不足。
Pad3star

アドマイヤビジン →馬体を見る
全体のシルエットが美しく、クロフネ産駒にしては胴部にも長さがある。
前後駆にバランス良く実が入っていて、凛とした表情も素晴らしい。
Pad5star

ホッコーサラスター →馬体を見る
胴部は詰まっているように典型的なスプリンターであり、馬体には力強さがある。
もうひと絞りできそうな腹回りで、毛艶も今一歩と仕上がりは不十分。
Pad3star

エスメラルディーナ →馬体を見る
ヒ腹が巻き上がっていて華奢な感じは否めないが、手脚に長さはある。
成長途上にある馬体で、後駆に実が入ってくればさらに走るようになるはず。
Pad3star

◆中山牝馬S
エクセレントカーヴ →馬体を見る
馬体全体に伸びがあって、立ち姿のシルエットが非常に牝馬らしく美しい。
休み明けということで筋肉のメリハリはあと一歩だが、力を出し切れる仕上がり。
Pad4star

エバーブロッサム →馬体を見る
まだ仕上がっていないこともあるが、筋肉のメリハリに乏しく、馬体に幼さを残している。
ふっくらとしてボリュームは出てきているので、どこまで負荷をかけられるか。
Pad3star

ノーブルジュエリー →馬体を見る
手足が長く、大型馬であることを全く感じさせない、バランスの良さがある。
毛艶も良くなってきているように、この馬の力を出し切れる仕上がりにはある。
Pad4star

フーラブライド →馬体を見る
ゴールドアリュール産駒らしく、典型的なパワータイプであり、特に胸前が力強い。
腹回りに余裕があるように、もうひと絞りされればパーフェクトな仕上がりになる。
Pad3star

キャトルフィーユ →馬体を見る
やや腰高に映るぐらいにトモが発達してきて、馬体にスピード感が出てきた。
その分、馬体全体からは線の細さが感じられ、パワーという面でやや物足りない。
Pad3star

アロマティコ →馬体を見る
誰が見ても分かるほどに毛艶が冴えず、牝馬らしくこの時期は仕上がりが悪い。
好調時に比べて、馬体のメリハリという点でも今一歩で、良くなるのは先か。
Pad3star

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中山牝馬Sを当てるために知っておくべき3つのこと

Nakayamahinnbas

■1■京都牝馬Sで負けていた馬
過去10年の連対馬を見渡すと、20頭中、7頭は京都牝馬S組である。牝馬限定の重賞同士だけに、結びつきがあって当然であるが、着順がリンクしているとは言い難い結果となっている。京都牝馬S→中山牝馬Sという連勝は一度もなく、京都牝馬Sで惨敗していた馬の中山牝馬Sでの巻き返しが多いことが特徴である。

考えうる理由は2つ。ひとつは、古馬牝馬が重賞を連続で勝つということが、体調維持の面で難しいということ。もうひとつは、京都1600m(外回り)で行われる京都牝馬Sと、中山1800mで行われる中山牝馬Sでは、勝ち馬に求められる資質が全く違ってくるからである。京都牝馬Sが一瞬の切れ味が問われるヨーイドンの競馬になるのに対し、中山牝馬Sはスピードの持続力が要求されるレースになりやすいのである。

つまり、京都牝馬Sを切れ味不足で負けていたような、スピードの持続力を武器とする、地脚の強い馬を中山牝馬Sでは狙うべきということだ。

■2■基本的には内枠の先行馬有利
中山1800mコースは、スタンド前の上り坂の途中からスタートする。スタートから第1コーナーまでの距離は205mしかなく、上りスタートのため、テンが極端に速くなることはない。よって、スロー~ミドルに流れるのが必然といえる。ただし、過去9年のラップ(以下)を見ると、意外とそうでもなく、オースミコスモとニシノブルームーン、レディアルバローザが勝った年はハイペースで流れている。

12.2-11.2-11.8-11.6-11.5-12.2-12.0-11.5-12.1(46.8-47.8)H
12.7-12.3-12.7-12.5-12.1-12.2-11.8-11.5-11.9(50.2-47.4)S
12.4-11.4-12.1-12.0-12.2-12.5-11.8-11.8-11.6(47.9-47.7)M
12.7-11.7-12.6-12.0-11.8-12.2-12.2-12.2-12.8(49.0-49.4)M
12.2-11.6-12.4-12.3-12.3-11.8-11.8-11.5-12.5(48.5-47.6)M
12.4-11.4-12.1-12.2-12.4-12.5-12.1-11.5-12.5(48.1-48.6)M
12.3-11.2-11.5-11.7-11.9-12.3-12.5-11.8-12.4(46.7-49.0)H
12.1-10.6-11.5-11.6-12.1-11.8-11.2-12.1-12.4(45.8-47.5)H
12.8-11.4-11.9-12.7-12.7-12.8-12.0-11.8-12.5(48.8-49.1)M
13.1-12.0-12.2-12.3-11.7-11.9-11.9-11.5-11.9(49.6-47.2)S

これはコースの形態上、どうしてもスロー~ミドルに流れやすいレースを各ジョッキーが意識するあまり、いつの間にかテンが速くなり、逃げ・先行馬が厳しいペースに巻き込まれてしまうからである。その競り合いに巻き込まれず、自分のペースで走ることが出来た馬の差しが決まることもある。各馬の出方次第でペースが極端に変わってしまう難しいレースではあるが、基本的には先行馬に有利なコースであることは間違いがない。

また、第1コーナーまでの距離が短いため、内枠を引いた馬がかなり有利になることも覚えておきたい。外枠からの発走であれば、ペースが速くなったケースにのみ、差し馬にとってはレースがしやすい。ただ、基本的には内枠の馬に有利なコースである。

■3■勝ち馬は2着馬よりもハンデが重い
過去10年の勝ち馬のハンデの平均は約55kg、2着馬のハンデの平均は約54kgと勝ち馬のハンデの方が2着馬よりも重い。実際に、勝ち馬のハンデより2着馬のハンデが重かったのは僅か3年のみ。イメージとしては、勝ち馬は実力のある重ハンデ馬で、2着には比較的軽量のハンデ馬が突っ込んでくるというところか。

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集中連載:血統について語るとき、私の語ること(第8回)

Kettounituite08

メジロマックイーンは人間の執念によってつくり上げられた馬である。偶然に誕生したというよりは、かなり必然的に生み出された馬。それは良血という意味ではなく、こんな最強馬をつくりたいという人間の明確な意図を以て誕生したサラブレッドということだ。その人間とは、メジロ牧場の創始者である北野豊吉氏。天皇賞を勝つような馬をつくりたいという彼の情熱が、メジロアサマ→メジロティターンという世代を経て、時を超え、メジロマックイーンとして結実した。

私が競馬を始めて20年以上が経った今でも、最強馬の候補の1頭として、メジロマックイーンの名が頭にすぐに浮かぶ。誰しもがキャリアの初期に巡り合った馬が原体験になる以上、過去の名馬を過大評価してしまうのは仕方ないとして、そういったことを差し引いても、メジロマックイーンという馬は強かった。その強さは天皇賞春というレースを2度制したという事実が雄弁に語っている。今でも天皇賞春は最高峰のレースだと私は信じていて、たとえ時代遅れと言われようと、京都の3200mで行われる天皇賞春を勝つことの出来る馬こそが、その時代における真の名馬に相応しいと思う。スピードは当然として、それを持続させる無尽蔵なスタミナ、道中で騎手の指示に素直に従える賢さ、馬群の中で我慢できる精神的な強さなど、天皇賞春を勝つためにはあらゆる要素が求められるからだ。

メジロマックイーンの祖父になるメジロアサマの父はパーソロン。母スヰートはアメリカの名牝であるラトロワンヌ系。ラトロワンヌの子孫からは数々の名馬が誕生し、特に長距離を得意とするスタミナと持続力に優れた馬が多かった。北野豊吉氏はこのスヰートに惚れ込み、自らも共同で出資して輸入した種牡馬パーソロンが配合されたメジロアサマを迷うことなく購入した。スタミナの血に裏打ちされたメジロアサマは、クラシックこそ出走することなく終わったが、古馬になってから安田記念と天皇賞秋(当時は3200m)を勝利した。7歳までコンスタントに走って48戦17勝(うち重賞6勝)。獲得賞金も1億8736万円と、史上初の2億円に迫った。

現役引退後、当時としては珍しくシンジケートが組まれ、大きな期待をかけられて日高スタリオンステーションで種牡馬の仲間入りを果たしたメジロアサマであったが、数か月の間に28頭に種付けしたものの、なんと1頭も受胎しなかったのだ。インフルエンザの抗生物質の影響ではないかと原因がささやかれ、あっという間に種牡馬失格の烙印を押されてしまうことに。他の牧場からの種付けの申し込みはなくなったが、北野氏はどうしてもあきらめきれなかった。メジロアサマの仔から再び天皇賞馬を誕生させたい、それが北野氏の願いであった。

そこで北野氏は、メジロ牧場にいる繁殖牝馬にメジロアサマを種付けすることにした。いくら自らの牧場とはいえ、「種無しスイカ」と揶揄されていたメジロアサマをすべての繁殖牝馬に配合するなんて、誰が見ても狂気の沙汰としか映らなかったはずである。「あいつは頭がどうかしている」と周りの人々に言われながらも、北野氏は意地と信念を貫き続けた。そんな北野氏の気持ちに応えるかのように、アラブ種と廃馬になることが決まっていた牝馬2頭が、わずかに受胎したのである。その後も、相変わらず受胎率は恐ろしいほどに低いままであったが、1頭、2頭と受胎する馬が出てきたのだ。

これを見た北野氏は最後の賭けに出た。フランスのセリで高額で購入したシェリルという良血の牝馬に、メジロアサマをかけることにしたのだ。シェリルは3歳時にオペラ賞を勝ったように、名門の血を引くだけではなく、競走能力も高く、繁殖牝馬の価値は極めて高い馬であった。どんな種牡馬をつけても成功しそうなシェリルに、あえて受胎率の極めて低いメジロアサマをかけたのだから狂気の沙汰である。しかし、確率に反することを運命やロマンというのだろうか、驚くべきことにシェリルはメジロアサマの仔を宿したのだ。

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(第9回へ続く→)

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フィリーズレビューを当てるために知っておくべき3つのこと

Filiesreview_3

■1■本番・桜花賞との結びつきが弱い
過去10年間で、フィリーズレビューを使って本番・桜花賞を制したのはラインクラフトとレジネッタのみ。1週間前に行われたチューリップ賞からは7頭の桜花賞馬(チアズグレイス、テイエムオーシャン、スティルインラブ、ダイワスカーレット、ブエナビスタ、アパパネ、ジェンティルドンナ、アユサン)が出ており、その差は歴然としている。

その理由はひとつ。チューリップ賞とフィリーズレビューを天秤にかけた場合、本番へのつながりを意識すれば前者をステップにする方が望ましいのは明らかで、にもかかわらずフィリーズレビューを選択するのは、陣営が距離(もしくは折り合い)に不安を抱えているからである。僅かでも距離に不安を感じている馬が、さらに厳しい流れになるG1レースのマイル戦を勝つのは難しい。

■2■最後にもうひと伸びできるパワー
スプリント色の濃いメンバーが集まるからこそ、かえってレースの流れは厳しくなることが多い。過去10年間のラップタイムを見てみると(下参照)、スローに流れてしまいがちなチューリップ賞よりも、ミドルからハイペースに流れやすいレースの傾向が浮かび上がってくる。そのため、結局、スピード一辺倒のスプリンターでは勝ち切れず、ハイペースを好位で追走して最後にもうひと伸びできるパワーも要求される。

フィリーズレビュー過去10年ラップタイム
12.2-10.7-11.3-11.9-12.0-11.6-11.6(34.2-35.2)H
12.1-11.0-11.3-11.7-11.5-11.3-12.3(34.4-35.1)M
12.6-10.9-11.3-11.7-11.8-12.2-12.6(34.8-36.6)H
12.5-10.9-11.4-11.7-11.4-11.7-12.2(34.8-35.3)M
12.1-11.0-11.7-11.9-11.6-11.8-12.4(34.8-35.8)H
12.3-10.5-11.5-12.0-12.2-12.0-11.9(34.3-36.1)H
12.2-11.0-11.8-12.1-11.8-12.0-11.9(35.0-35.7)M
12.3-10.5-11.3-11.8-12.0-11.8-12.6(34.1-36.4)H
12.2-10.7-11.4-11.8-11.9-11.9-12.9(34.3-36.7)H
12.3-10.9-11.7-11.8-11.3-11.9-12.2(34.9-35.4)M

3■阪神1400m
スタート後、3コーナー過ぎまでの距離はおよそ440mと十分にあり、テンはそれなりに速くなる。そして、3~4コーナーが複合カーブであるため、スピードが落ちない。そのため、緩急のない全体的に速いペースで道中は流れる。しかし、3コーナーからゴール前に至るまで下りが続くため、そのまま流れ込むことの出来る先行馬が有利。

とはいえ、3~4コーナーの間に偽直線を挟んでいるため、差し馬もペースに応じて先行集団との差を詰めることが出来る。先行馬が有利なコースではあるが、決して差し馬に不利なコースではない。むしろ道中のペースが速くなりすぎると、直線の急坂で先行馬が総崩れということも十分にあり得るので注意。


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ボリューム感満点のキングズオブザサン:5つ☆

アデイインザライフ →馬体を見る
四肢が揃ってしまったが、前後駆に実が入って仕上がりは上々。
耳をこちらに傾けているように、やや気難しい面があるので乗り方次第か。
Pad3star

エアアンセム →馬体を見る
このメンバーに入ると、馬体の完成度という点でどうしても見劣りする。
パワーは秘めているが、筋肉のメリハリに乏しく、良くなるのはもう少し先。
Pad3star

イタリアンネオ →馬体を見る
き甲が発達して前駆は力強く、それをトモのボリュームが支えている。
馬体面での発達は目立つが、顔つきは幼く、スムーズにレースができるかどうか。
Pad3star

キングズオブザサン →馬体を見る
筋肉のボリューム十分の好馬体で、パワー勝負になれば右に出る馬はいないだろう。
顔つきからも闘争心が溢れていて、馬体には柔らか味があり申し分なし。
Pad5star

ワンアンドオンリー →馬体を見る
リラックスした立ち姿で、気性の素直さと環境に動じない性格が感じられる。
クラシック本番に向けて、もうひと絞りできそうな馬体だが、休み明けとしては良。
Pad4star

トゥザワールド →馬体を見る
脚が短くて重心が低い分、兄に比べると距離適性は意外と短めに出ているはず。
屈折した表情は気になるが、前後駆にはしっかりと実が入って力強く、完成度は高い。
Pad45star

アズマシャトル →馬体を見る
立ち方の関係もあるが、前駆に比べてトモの発達が不十分で前後のバランスが悪い。
馬体はきっちり絞られて仕上がりば万全なので、この馬の力は出し切れるはず。
Pad3star

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弥生賞は勝ってほしくないレース

Yayoisyohakattehosikunai

弥生賞は勝って欲しくないレースである。このレースを勝つということは、素質や能力、そして完成度が高いということの証明ではある。しかし、今後のクラシック戦線を考えると、敢えて勝たなくても(勝とうとしなくても)良いレースなのではないだろうか。

弥生賞は皐月賞と同じ中山2000mという舞台で行われるが、弥生賞を勝って、そのまま皐月賞をも制する馬は思いのほか少ない。その世代の素質馬が集結するハイレベルの弥生賞を制した馬は、普通に考えて、弥生賞と同じ走りができれば皐月賞はほぼ当確である。それでも、過去10年で弥生賞と皐月賞を連勝した馬は、ディープインパクトとヴィクトワールピサの2頭しかいない。

なぜこのような現象が起こるかというと、以下の2つの理由が考えられる。

1、弥生賞はかなりの状態に仕上がっていないと勝てない
2、弥生賞と皐月賞では馬場状態が異なる

クラシックを狙う有力馬が一堂に会する弥生賞は、当然のことながら、中途半端な仕上がりでは勝つことはできない。弥生賞を勝つためにはかなりの仕上げを施さなければならず、本番前に仕上げられた(仕上がってしまった)馬は、本番に向けて下降線を辿ってしまう。サラブレッドのピークはそれほど長くない。つまり、弥生賞を勝つために仕上げてしまうと、そのあとが続かないということである。また、それまでは楽な相手と楽な競馬しか経験してこなかった馬が、弥生賞で初めて厳しいレースを強いられるので、その肉体的、精神的な反動が次のレースで噴出してしまう。

その典型的な例は、平成12年の弥生賞を制したフサイチゼノンではないか。田原成貴元調教師と関口オーナーの間で一悶着あった馬であるが、フサイチゼノンは弥生賞の時点で既に仕上がってしまっていた。田原調教師はフサイチゼノンにかなりの素質を感じていただろうし、初年度である厩舎を盛り上げるためにも、弥生賞も勝って本番に臨みたかったに違いない。

しかし、その勝ちを焦る気持ちが、フサイチゼノンを追い詰めてしまったのだ。肉体的にも精神的にもピークを過ぎてしまったフサイチゼノンは、もはや皐月賞に出走する状態にはなかった。関口オーナーに相談をしなかったのは田原元調教師の落ち度だが、出走を取りやめたのは英断であったと思う。

もうひとつの理由としては、弥生賞が中山開催が始まってすぐの比較的良い馬場で行なわれる(それでもやや重い)のに対し、皐月賞は見た目こそ悪くなくとも、かなり芝が重くなってきている馬場状態でのレースとなるからである。極端にいうと、弥生賞は軽いスピードと瞬発力を生かした馬が勝ちやすいのに対し、皐月賞はパワーとスタミナが求められるということだ。この1ヶ月間で、勝馬に問われる適性が180度違ってくるのだから、勝ち馬が同じでないことにも納得がいく。

本番のクラシックで力を出し切ってほしいという思いを込めて、弥生賞は勝ってほしくないレースなのである。2009年はロジユニヴァースが弥生賞を勝ち、本番の皐月賞で惨敗をしてしまった。ロジユニヴァースの弥生賞は決して厳しいレースではなかったが、陣営の思いとは裏腹に仕上がってしまっていたのだろう。皐月賞惨敗後、奇跡的なV字回復を遂げてダービーを制したので結果として良かったが、本番のクラシックにおける体調は万全とは言えなかった。

2010年のヴィクトワールピサは弥生賞を勝ち、皐月賞をも制したが、本番の日本ダービーでは不思議な凡走をしてしまった。これも1の理由とつながってくる。弥生賞でかなりの仕上がりにあって、しかも皐月賞も勝つということは、体調のピークが皐月賞にあったということ。たとえ皐月賞を勝つことができても、あくまでも目標が日本ダービーということであれば、弥生賞は勝ってほしくないレースということに変わりはない。

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弥生賞を当てるために知っておくべきこと

Yayoi

皐月賞と同じ舞台で行われるものの、過去10年間で弥生賞と皐月賞を連勝したのはディープインパクト、そしてヴィクトワールピサという2頭の名馬のみ。その理由について、ラップタイプから考察してみたい。

弥生賞の過去10年間のラップタイムは以下のとおりである。

12.6-11.0-11.8-12.3-12.0-12.0-12.7-12.7-12.5-12.7(59.7-62.6)H
12.6-11.8-12.1-12.2-12.2-12.3-12.5-11.6-11.3-11.9(60.9-59.6)S
13.0-11.9-12.5-12.3-12.5-12.6-12.5-11.6-11.4-11.9(62.2-60.0)S
12.4-11.3-12.5-12.6-12.4-12.0-12.7-12.3-11.7-11.6(61.2-60.3)S
12.3-10.6-11.6-12.8-12.5-12.6-12.9-11.8-11.7-11.7(59.8-60.7)M
12.2-11.5-12.4-12.8-12.9-12.5-12.3-11.7-11.3-12.2(61.8-60.0)S
12.4-11.3-12.2-13.0-13.1-13.0-12.7-12.2-11.5-12.1(62.0-61.5)M
12.8-11.3-12.2-12.8-12.6-12.4-12.2-11.8-11.2-11.7(61.7-59.3)S
12.5-11.0-12.7-13.5-13.4-13.1-12.3-11.9-11.5-12.0(63.1-60.8)S
12.9-11.4-12.2-12.4-12.7-12.5-11.7-11.6-11.4-12.2(61.6-59.4)S

前半3ハロンとラスト3ハロンを除いた中盤のラップに焦点を当ててみると、例外なく12秒台が続いていることが分かる。以前、中山金杯の分析をした際、皐月賞は中盤が緩むという指摘をしたが、それに輪をかけるように弥生賞はその傾向が顕著である。

そこで、今度は、過去10年間の皐月賞のレースラップを見てみたい(東京競馬場で行なわれた2011年は除く)。

12.5-11.3-12.4-12.9-12.6-12.6-12.2-11.4-11.5-11.8(61.7-59.5)S
12.5-11.3-12.4-12.9-12.6-12.6-12.2-11.4-11.5-11.8(59.7-58.9)M
12.1-11.0-11.9-12.2-12.4-12.6-12.5-11.8-11.4-11.3(59.6-59.6)M
12.3-11.3-12.0-12.1-12.3-12.0-12.2-11.8-11.7-12.2(60.0-59.9)M
12.2-11.2-12.1-11.6-12.3-12.3-12.3-11.6-12.0-12.3(59.4-60.5)H
12.2-11.5-12.5-12.6-12.6-12.8-12.3-11.2-11.5-12.5(61.4-60.3)S
12.1-10.8-11.9-12.1-12.2-12.1-11.9-11.8-11.7-12.1(59.1-59.6)M
12.1-10.9-12.4-12.1-12.6-12.5-12.3-12.1-11.8-12.0(60.1-60.7)M
12.4-11.1-12.3-11.9-11.4-11.6-12.2-12.7-13.6-12.1(59.162.2)H
12.0-10.6-11.5-11.6-12.3-12.1-12.0-11.9-12.0-12.0(58.0-60.0)H

中盤が緩む傾向は同じだが、ひとつだけ弥生賞との相違点がある。それはレース全体のペースである。どちらかというとミドル~ハイペースになる皐月賞に比べ、弥生賞はどちらかというとスローに流れやすい。つまり、弥生賞はスタミナの裏づけがないマイラーでも乗り方次第ではこなせてしまう可能性があり、ラスト3ハロンの瞬発力勝負に強い馬に圧倒的に有利なレースになるということである。過去、サンデーサイレンス産駒の活躍が目立ったのもこれゆえである。

結論としては、弥生賞の勝ち馬を見つけるためには、皐月賞を占うレースであるにもかかわらず、皐月賞では勝てそうにないタイプの馬を探すべきということである。どういう馬かというと、サンデーサイレンスの血を受け継いだ、スピードタイプの瞬発力に優った馬である。

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集中連載:血統について語るとき、私の語ること(第7回)

Kettounituite07

メジロマックイーンは私に競馬を教えてくれた馬であり、競馬を通して人生を教えてくれた馬でもある。メジロマックイーンをめぐっては個人的に色々な思い出があり、天皇賞秋というレースが行われる季節になると、いつも決まってあいつのことを思い出す。あいつというのはメジロマックイーンのことではもちろんなく、高校の同級生であったAのことだ。彼とはよく一緒に授業をさぼって、公園で弁当を食べたり、ゲームセンターに行ったりした。私はこの頃から競馬が大好きで、馬券を買うことは出来なかったが、週末となると休み時間には友達と予想を披露し合ったりしていた。
Aは競馬にはあまり興味を示さなかったが、なぜかその年の天皇賞秋の前日だけは、私たちの予想を聞いてきたのであった。

「どの馬が来るんだ?」
「武豊の乗るメジロマックイーンからプレクラスニーとカリブソングの2点で間違いないね」と間髪入れずに私は断言した。

メジロマックイーンは天皇賞春を連覇したような名ステイヤーだが、ごまかしの利かない東京の芝2000mならば、距離が短くて負けるということはないと思っていた。この頃の私は知識や経験がないぶん、迷いもなく、怖いもの知らずであった。Aは「そうか」とだけ答えると、くるりと私たちに背を向け、それ以上は競馬の話には参加しようとはしなかった。
 
第104回天皇賞秋。メジロマックイーンが不良馬場をものともせずに他馬を6馬身以上も千切った、と思われたのも束の間。進路妨害のために、なんと18着に降着となった。競馬ファンのどよめきは鳴り止まず、武豊騎手の蒼白な顔と江田照男騎手の戸惑いを隠せない勝利ジョッキーインタビューが印象的であった。

翌日、全てのスポーツ新聞が一面でこの事件を報じていた。競馬を知って初めて味わう、やりきれなさを引きずって、私は教室のドアを開けた。

彼は私の顔を見るなり、「何だよあれは!」と食って掛かってた。

「競馬にはああいうこともあるんだ」と私が言うと、彼は「ああゆうことってどういうことだよ?納得できねえよ」と突っかかってきたのだが、「ああゆうことっていうのは、ああゆうことだ」としか私は答えることが出来なかった。

あれ以来、彼との会話で競馬の話題が登場することは絶対になかった。Aにとっての競馬とは、あの忌々しい天皇賞秋のことであり、また彼が競馬に賭けた最初で最後のレースになったのだった。

その後、私は大学に進学するという安易な道を選び、Aは四輪のレーサーになるという夢を胸に高校を卒業した。それからも私たちの関係は続き、Aはガソリンスタンドでアルバイトをしながら、お金が貯まるとサーキットに出て練習をするといった月日を繰り返し、一方の私は、競馬漬けの自堕落な生活を送っていた。華やかなキャンバスライフにどうしても馴染めず、自分が何をしたいのかさえ分からなかった私は、ひとつの道を歩み始めているAがとても羨ましかったのを覚えている。

ある夜、Aが突然一人暮らしの私のアパートを訪ねてきた。お互いの近況を報告し合い、くだらない冗談を言い、女の子の話もした。彼は高校の頃から付き合っていた恋人と別れ、ガソリンスタンドで知り合った年上の女性と婚約することを少しばかり誇らしげに語った。

婚約するということが、どういうことなのか、その言葉の意味以上には、さっぱり分からなかった私は、「そうか、おめでとう」とだけ言った。

夜が更けゆき、私は電気を消した。長い沈黙の後、Aは珍しく小さな声を出した

「これから先、オレ、どうなんだろう。」
「お前、F1のレーサーになりたいんじゃないのか?」
と私が問うと、
「そうだ、F1レーサーになる」
と返ってきた。

Aがどういう表情をしているのか分からなかったが、私はいつものAに言うように、
「その世界でトップに立てると思っているのか?もし思っていなければ、やめちまえ」と檄を飛ばした。

一瞬の静寂の後、
「それじゃあ、お前は何になりたいんだ?」
とAは突如、聞き返してきた。私は自分の迷いを悟られないよう、はっきりと言い放った。
「競馬だ、競馬の仕事がしたい。競馬でオレにかなうヤツはいない。」
「オレだってそうだ。絶対に最高のレーサーになってやる!」
とAは応じた。

思い返すたびに顔から火が出るように恥ずかしい不遜な会話だが、あの夜の燃えるような気持ちの昂ぶりだけは今でも忘れられない。自分の未来にどんな地図が見えてくるのかさっぱり分からなかった私たちにとって、何の根拠もない自信だけが支えであった。

私が留学という名目でちょうど日本を離れていた頃、友人づてにAの悪い知らせが届いた。アルバイト中の交通事故だったらしい。日本に向かう飛行機が離陸した時、眼下に異国の競馬場が見えた。競馬場ではレースが行われている。こんな大変な時なのに、もうひとりの自分は、空から見下ろす競馬場の風景にみとれていた。なぜなのか、その時ふと、あの夜の会話が蘇ってきて、Aがこの世を去ったことを確信した。

事故現場でAの婚約者に初めて会った。長い黒髪の似合う大人の女性だった。何と言うべきか分からずにいると、
「Aのぶんまで生きよう」
と優しく微笑みながら言ってくれた。私が励ますべきだったのに、立場が逆転し、しきりに励まされていた。二人で同時に花を供え、ゆっくりと帰途についた。

今から思えば、その出来事は私の青春時代にピリオドを打ったように思う。ちょうど、モラトリアムも終わりかけていたこともあって、私は自分の将来を決めなければならなくなっていた。社会に出て、何者かにならなければならない。リクルートスーツに身を包み、こんな姿を見たらAは何て言うだろうと思いつつ、名前だけは聞いたことのある会社をひたすら訪問した。しかし、何者かになんかなれそうもないことはすぐに分かった。心にもないことを並べ立てることに私は困憊した。私はAの死からひたすら確かな結論を探していたように思う。悠長なことを言っている暇など本当はなかったのだが、それがつかめないと前に進めなかった。

あるとき、自分が探していた答えがふと見つかった。好きなことをやって生きよう。たったそれだけのことだった。それがAの死から受け取った私なりのメッセージであった。

それ以来、私は「好きなことをやって…」とまるで呪文のように呟き続けて生きてきた。言葉に束縛されたこともあれば、解放されたこともある。好きなことをやって生きていくには、まだまだ私には力が足りないが、それでもいつしか絶対にという想いは日に日に募っている。いつになっても先の見えない、地図のはっきりしない人生だが、それが私たちの選んだ、生きるということなのかもしれない。

私は結局、彼にああゆうことを説明することが出来なかった。ああゆうことは競馬のレースだけではなく、人生にも起こるということは少しずつ分かるようになってきたのだが、ああゆうことがどういうことなのかを説明できる自信はない。

もしあの時メジロマックイーンが降着していなければ、Aと競馬はどういう関係になっていたのだろうか。もしああゆうことがなければ、Aと私は今年の天皇賞秋について語り合えていたかもしれないと今でも思う。

Photo by 三浦晃一

(第8回へ続く→)

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チューリップ賞を当てるために知っておくべき3つのこと

Tulip

■1■前に行ける馬
新装の阪神競馬場の1600mコースで行われるようになって以来、3年連続で逃げ馬が連対した。前哨戦ということもあって、無理をしてペースを上げて厳しいレースにする必要はなく、道中は折り合いに専念する馬が多いため、スローペースになりやすい。また、本番前に脚を測るという意味合いで、有力馬が敢えて後ろから行き、追い出しをギリギリまで我慢させることもある。そのため、前に行ける馬、特に単騎で逃げた馬は、マークされることなく楽に逃がしてもらえることになる。

■2■瞬発力勝負に
道中がスローに流れる以上、最後の直線に向いてヨーイドンのレースになる。阪神競馬場の外回りコースは直線が473mと長いため、ここでどれだけ切れる脚を使えるかが勝負になる。瞬発力に欠ける馬にとっては、苦しい舞台となる。

12.4-10.9-12.1-12.2-12.2-11.1-11.0-11.8(47.6-46.1) S ウオッカ
12.6-11.2-12.3-12.6-12.6-12.0-10.7-11.8(48.7-47.1) S エアパスカル
12.5-11.1-12.4-12.6-12.7-12.2-11.1-11.9(48.6-47.9) M ブエナビスタ
12.7-11.0-12.3-12.3-12.5-11.9-11.3-12.1(48.3-47.8) M ショウリュウムーン
12.5-11.3-11.7-12.2-12.4-11.7-11.1-11.6(47.7-46.8)M レーヴディソール
12.7-10.9-12.1-12.3-12.2-12.2-11.3-11.8(48.0-47.5)M ハナズゴール
12.6-11.3-12.0-12.1-12.2-11.8-10.7-12.2(48.0-46.9) S クロフネサプライズ

■3■意外にも外枠が有利
これは阪神ジュベナイルF、チューリップ賞、そして本番の桜花賞にも通ずることだが、意外にも外枠を引いて、外々を進んだ馬にとってレースがしやすい。理由としては、新装の阪神1600mコースは内と外の差がほとんどなく、だとすれば、キャリアの浅い若駒(特に牝馬)にとっては、馬群に揉まれず、自分のフットワークやペースで伸び伸びと走ることができる外の方が力を発揮しやすいからである。外々を通って、良い脚を長く(3ハロン)使える馬を狙いたい。

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力は発揮できる状態まで仕上がったトウケイへイロ―:5つ☆

◆中山記念
ヴェルディグリーン →馬体を見る
前走を快走した反動があるのか、馬体から伝わってくる迫力が少ない。
具体的にいうと、筋肉のメリハリが乏しく、表情に覇気が感じられない。
Pad3star

ロゴタイプ →馬体を見る 
休み明けにしては馬体をつくってきた部類に入るが、良かったころには及ばない。
かつて穏やかだった表情も難しさが出てきており、今回は様子見が妥当か。
Pad3star

トウケイへイロー →馬体を見る
海外遠征の疲れは全く感じさせず、毛艶が良く、筋肉に柔らかさもある。
腹回りに若干余裕があるぐらいで、力は発揮できる状態まで仕上がった。
Pad5star

エアソミュール →馬体を見る
胴部や手脚が長く、距離が延びて良さそうな馬体だけに、中山コースがどう出るか。
一度使われているだけに、筋肉のメリハリも毛艶も問題なし。
Pad4star

ジャスタウェイ →馬体を見る
いかにも休み明けといった馬体で、全体的に余裕があり、ひと叩きしてからか。
とはいえ発達してきたトモの筋肉は変わりなく、この春も再びあの末脚を使えるはず。
Pad3star

アルキメデス →馬体を見る
他のメンバーに比べて、手脚そして胴部の長さが短く、スタミナ面では不安が残る。
中山1800mは意外にもスタミナが要求される以上、その点がどう出るか。
Pad3star

◆阪急杯
ダノンシャーク →馬体を見る
この馬の場合、馬体重が減らない(増える)ことが最優先課題となる。
今回の馬体を見る限り、筋肉の量も全体のボリュームも文句なしで好走間違いなし。
Pad45star

カレンブラックヒル →馬体を見る
ダイワメジャー産駒は気持ちで走るタイプが多く、この馬も精神的に回復できるか。
胴部に長さが出てスタミナが強化され、かつてのスピード一辺倒ではない。
Pad3star

レッドオーヴァル →馬体を見る
このメンバーに入ってしまうと線の細さは否めないが、牝馬の切れ味の代償と考えるべき。
毛艶が良くなりつつある時期でもあり、今回叩かれて、どこまで変われるか。
Pad3star

コパノリチャード →馬体を見る
立ち姿にはバランスが感じられて、精神面で落ち着いてきていることが分かる。
毛艶や仕上がり自体は今ひとつだが、気持ちが乗っているため凡走はしないはず。
Pad3star

ガルボ →馬体を見る
この時期にしては光沢のある毛艶を誇っていて、すでに7歳馬とは思えない。
ただ、筋肉のメリハリという点においてはあと1歩で、パワー不足は否めない。
Pad3star

サンカルロ →馬体を見る
立ち姿が立派で、いつも良く見せる馬で、休み明けの今回も問題なし。
毛艶もよく、付くべきところに筋肉もついて、この馬の走りはできるはず。
Pad4star

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中山記念を当てるために知っておくべき3つのこと

Nakayamakinen

■1■中山記念を得意とする馬
中山記念の過去11年の勝ち馬と2、3着馬を見ると、面白いことが分かる。
       勝ち馬          2着                 3着
2003年 ローエングリン     バランスオブゲーム    ダイワジアン
2004年 サクラプレジデント   サイドワインダー     ローエングリン
2005年 バランスオブゲーム  カンパニー         アルビレオ
2006年 バランスオブゲーム  ダイワメジャー       エアメサイア
2007年 ローエングリン     エアシェィディ       ダンスインザモア
2008年 カンパニー        エイシンドーバー     エアシェイディ
2009年 カンパニー       ドリームジャーニー    アドマイヤフジ
2010年 トーセンクラウン    テイエムアンコール    ショウワモダン
2011年 ヴィクトワールピサ  キャプテントゥーレ     リーチザクラウン
2012年 フェデラリスト     シルポート          リアルインパクト
2013年 ナカヤマナイト     ダイワファルコン      シルポート
 
ローエングリンとバランスオブゲーム、カンパニーが共に2勝を挙げている。ローエングリンはその2勝が3年間のブランクを挟んでのものであるだけでなく、実はサクラプレジデントが勝ったレースでも3着していることに驚かされる。また、バランスオブゲームは2005年、6年と連勝しただけではなく、2003年にもローエングリンの2着している。さらに2008年と2009年の勝馬であるカンパニーは2005年にも2着し、2012年の2着馬であるシルポートは2013年にも3着と健闘している。

谷間の重賞であることは確かで、毎年出走してくる馬にも偏りはあるのだが、中山記念は中山記念を得意とする(狙ってくる)馬が強いG2レースだと考えてよいだろう。

■2■前に行った馬が有利
次に、中山記念の過去11年間のラップタイムを見てみたい。

12.8-11.7-11.9-11.6-11.5-11.8-11.8-11.9-12.6(48.0-48.1)S 
12.4-11.5-11.4-11.2-11.1-12.0-11.9-11.5-11.9(46.5-47.3)M 
12.6-12.2-11.9-11.3-11.2-11.8-11.9-11.7-11.9(48.0-47.3)M 
13.3-11.8-12.0-12.0-11.8-12.4-12.0-11.6-12.0(49.1-48.0)S 
12.9-11.7-12.0-11.6-11.3-11.7-11.7-11.4-12.9(48.2-47.7)M 
12.6-11.5-12.0-11.8-11.8-12.3-12.2-11.5-11.6(47.9-47.6)M
13.1-12.1-12.5-12.1-12.1-12.2-12.0-11.3-11.8(49.8-47.3)S
12.6-11.7-12.3-12.2-12.1-12.6-12.6-12.8-12.8(48.8-50.8)H
12.8-11.5-12.0-12.2-11.6-11.4-11.7-11.1-11.7(48.5-45.9)S
12.8-11.8-11.4-11.4-11.3-11.6-11.8-12.0-13.2(47.4-48.6)H
12.9-11.8-11.5-11.3-11.1-11.4-12.0-12.0-13.3(47.5-48.7)H

不良馬場で上がりが異常に掛かった2010年やシルポートが逃げたた2012年、2013年のように上がりが掛かっているように見える年は例外として、全体のラップタイムを見ると、平均~スローな流れになりやすく、当然、前に位置した馬が有利になる。なぜこうなるかというと、レースの展開というのは最初の2ハロンまでの流れで決まることが多いからである。

中山1800mコースは、スタンド前の上り坂からのスタートとなり、最初のコーナーまでの距離は205mと極めて短い。そこから1~2コーナー中間まで上り坂が続くため、最初の2ハロンがどうしても遅くなってしまうのである。よって、各騎手がスローを過度に意識しない限り、平均~スローペースに落ち着くことが多く、前に行った馬が有利になる。

■3■持続的なスピードを支えるスタミナ
上記のハロンごとのラップタイムを見ると、最初の1ハロンと最後の1ハロンを除き、11秒台が続いているように、全体的に淀みのないレースになりやすい。どこかで急激に緩んだり、どこかで急激に速くなったりということがないレースとなる。

つまり、爆発的な脚を使えるような馬ではなく、どちらかというと同じ脚を長く続けることの出来る持続的なスピードのある馬にとって有利なレースとなりやすいのである。言い換えれば、瞬間的なスピードよりもスピードを支えるスタミナが優先されるということで、1800m以上のレースで活躍してきたような馬を狙いたい。

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