« March 2014 | Main | May 2014 »

「誰も書かなかった 武豊 決断」

Daremokakanakatta_2

久しぶりに出た、島田明宏氏による武豊本。デビューから、全盛期を経て現在に至るまで、武豊騎手の生き様をまとめた集大成のような作品に仕上がっている。取材者として、友人として、武豊騎手と苦楽を共にしてきた著者だからこそ書ける、ほんとうの武豊が詰まっている。同じく競馬について語る身としては、武豊騎手とこれだけ密度の濃い時間を共有してきた島田氏には、嫉妬心を通り越して、羨ましさしか感じない。こうして武豊騎手の足跡を振り返ってみると、彼の騎手人生は栄光に満ちているように見えて、実は挫折や屈辱の連続であることが分かる。そして、それはこれからも同じなのだろう。

今のタイミングで武豊騎手についての本を上梓するということは、なぜ武豊騎手はかつてほど勝てなくなったのかについて書かれている、という読者からの期待は計算づくのはずで、武豊騎手と社台グループの関係について避けて書くわけにはいかない以上、ある程度の言及はなされている。なされているが、核心に迫ったものではない。というよりも、核心などないのだ。三浦皇成騎手の結婚式にて、吉田照哉氏が「豊くん!」と笑顔で武豊騎手を手招きし、若い女性と3人で写真に収まり、武豊騎手と談笑しているシーンを紹介しつつ、両者の不仲説は不自然だと言う。島田氏は誠実に真実を語っていると私は思う。

そんなことよりも、人間・武豊が描かれている箇所が私にとっては心地よい。物心つく頃から、サラブレッドが周りにいる環境で育った武豊騎手は、「ニンジンは馬が食べるもの」と刷り込まれてしまったのか、ニンジンが何よりも苦手な食べ物になってしまったという。小さい頃にカメを飼って同じような経験をちくわでした私は大いに共感する話である。最も印象に深く残ったエピソードは、東日本大震災のあと、何か自分にできることないかと被災地に赴いたとき、サインや握手をしながら、体育館で寝泊まりをしていた被災者の方々から「頑張ってください」と声をかけられ、逆に勇気づけられもした。武豊騎手は、「これまでは顔を知られていることで面倒な思いばかりしていたんですけど、今日初めて『有名でよかった』と思いました」と語った。

武豊騎手ほど日本の競馬のことを考えてきた騎手はいないし、その発展に貢献したジョッキーはいないだろう。その意味においても、武豊騎手が日本一のジョッキーであることを私は疑ったことはない。おそらくこれからも、武豊騎手以上のジョッキーが誕生することはないだろう。これから先も、武豊騎手は武豊を生きていかなければならない。栄光や輝きだけではなく、成功から失敗、苦悩や逆境や挫折まで、良くも悪くも、すべては見られていて、もはや彼だけのものではない。その姿を通して、私たちファンは一喜一憂する。その背中を見せることで、彼に続くジョッキーたちは成長する。武豊騎手と同時代に競馬を生きていることに感謝しつつ、これからもその生き方を温かく見守っていきたい。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (2)

天皇賞春を当てるために知っておくべき3つのこと

Haruten

■1■真の名馬と真の調教師、そして真の騎手が一体となって
真の王者を目指し、古馬が集結する春の天皇賞。数々の名勝負が演じられ、過去の勝ち馬には歴戦の名馬が名を連ねる。淀の3200mという舞台で勝利するためには、真の実力を持っていなければならない。「スタミナ」はもちろんのこと、高速馬場に対応できる「スピード」、「瞬発力」、そして、「スローペースに折り合える精神力」を備えていることが求められる。このうちのどれか1つでも欠いては、天皇賞春のタイトルを手にすることはできない。もちろん、先天的な資質だけで全てを兼ね備えている馬は滅多にいないので、足りない部分は調教師によって補われる必要も出てくるだろう。 また、長距離戦であるため、騎手の腕も問われる。道中の駆け引き、ペース判断、仕掛けのタイミングまで、騎手がコントロールしなければならない(することができる)要素が多く、騎手の腕の差がレースの明暗を分けてしまうこともある。過去の勝利騎手を見てもらえれば分かるように、いずれも名手と呼ばれるのにふさわしい騎手たちである。

つまり、天皇賞春は「真の名馬と真の調教師、そして真の騎手が一体となって」、初めて勝利することができるレースである。

■2■ステイヤーはピークが長い
ステップレースである阪神大賞典での1着馬と2着馬の、天皇賞春での成績を比較してみると明確な傾向が見て取れる。

阪神大賞典1着馬の天皇賞春での成績【6・0・4・7】
阪神大賞典2着馬の天皇賞春での成績【0・3・1・11】

以下の2点が導き出せるだろう。
1)阪神大賞典での勝ち馬は、本番である天皇賞春の勝ち馬と結びつきが非常に強い
2)阪神大賞典の2着馬が、本番で逆転する(巻き返す)ことは難しい

なぜこのような現象が起こるかというと、「ステイヤーのピークは長い」からである。

ステイヤーはピークの期間が比較的長いため、阪神大賞典での体調を天皇賞春でも維持することができるのである。阪神大賞典を勝った実力馬のピークが続いている以上、力負けしてしまった馬にとって逆転することは難しく、他の路線から余程の有力馬が出て来ない限り、阪神大賞典を勝った馬は本番の天皇賞春をも制する可能性が高いということになる。

■3■極限の仕上がりが求められる
天皇賞春は3200mという距離ゆえに最も苛酷なレースであり、勝つためには極限の仕上がりが求められる。ギリギリまで絞り込むぐらいの調教を施されたピークの状態において、自身の能力を100%発揮することができなければ勝つことはできない。直前の追い切りをさらっと済ませてしまっているような馬では、3200mの長丁場を乗り切ることができるのかどうか不安が残る。もちろん、休み明けの馬にとっても厳しいレースとなるだろう。

■参考として
1、前2走のいずれかで2500m以上のレースを走っていないと×
2、マイネルキッツ、ジャガーメイルを除くと、過去10年間で全ての勝ち馬は4、5歳馬
3、前走成績は5着以内が望ましい

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (1)

フィエロが凄まじいほどの筋肉のメリハリ:5つ☆

★マイラーズC
エキストラエンド →馬体を見る
腹回りには余裕があり、その分もあってか、トモの肉付きにやや物足りなさを感じる。
皮膚が薄く、軽さを感じさせる馬体からは、切れ味の鋭さが伝わってくる。
Pad4star

オースミナイン →馬体を見る
レース間隔が開いたが、毛艶は冴えて、充実した筋肉のメリハリと柔らかみがある。
馬体全体のバランスからはマイルがベストで、この馬の力は十分に発揮できる。
Pad45star

ワールドエース →馬体を見る
長い休養期間を全く感じさせない好馬体で、肉体的には全盛期の出来に戻っている。
あとは気持ちの問題だけで、血統的にはもう少し距離は長い方が合っているはず。
Pad4star

フィエロ →馬体を見る
凄まじいほどの筋肉のメリハリで、どちらかというと母系の力強さが前面に出ている。
馬体的にはマイルの距離がベストで、今回の舞台はこの馬の力を最大限に発揮できる。
Pad5star

レッドアリオン →馬体を見る
重心が低く、このメンバーに入ってしまうと、筋肉のメリハリという点で物足りない。
胴部には十分な長さがあるので、スタミナが問われるような流になれば。
Pad3star

カオスモス →馬体を見る
坂路で好時計が出たように、腰高の馬体はいかにもスピードがありそう。
表情を見ると、気性の激しさが伝わってくるので、スムーズに走ることができれば。
Pad3star

★フローラS
マジックタイム →馬体を見る
まだ成長してきそうな馬体だが、現時点でもコンパクトにまとまっている。
毛艶も良く、欠点がない反面、これといった強調材料もない。
Pad3star

マイネオーラム →馬体を見る
ステイゴールド産駒の牝馬らしく、気性の激しさが顔つきから伝わってくる。
そのせいか、馬体のトモの部分に薄さがあり、もう少しフックラしてほしい。
Pad3star

ニシノアカツキ →馬体を見る
鍛えられているが、まだ随所に幼さを残している、いかにも3歳馬らしい馬体。
尾が短いため全体のバランスが悪く見えてしまうが、立ち姿は問題ない。
Pad3star

マイネグレヴィル →馬体を見る
前駆の力強さを誇っていて、いかにもダートで走りそうな馬体に映る。
全体の立ち姿のバランスは良く、安定して力を出し切れるだろう。
Pad3star

ハピネスダンサー →馬体を見る
筋肉のメリハリに乏しく、まだこれから成長していきそうな牝馬らしい馬体。
立ち姿や馬体全体には力強さあり、パワー勝負に持ち込めれば。
Pad3star

ブランネージュ →馬体を見る
前駆が勝っていて、現時点では芝よりもダートの方が安定して走りそう。
馬体全体のバランスとして、トモにもっと実が入ってくれば、芝でも切れるはず。
Pad3star

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (3)

「開成調教師の仕事」 矢作芳人著

Kaiseityoukyousinosigoto

前作「開成調教師-安馬を激走に導く厩舎マネジメント」から5年の時を経て、全国リーディング上位の常連となった矢作芳人調教師が語る仕事論である。この本を一読して、素直に感じたことは、良くも悪くも、調教師の仕事はひと昔前とは大きく変わってしまったということだ。そのことを矢作芳人調教師は決して悲観しているわけではなく、大井競馬場で厩舎を運営していた父・矢作和人元調教師を「スーパー調教師」と評しつつ、現代の調教師像を浮き彫りにする。調教師はもう馬を調教することが仕事ではなく、矢作調教師の言うように、「馬の仕入れ」「馬の出し入れ」「番組選び」を司るゼネラルマネージャーとなった。

こうした流れを後押ししたのが、セレクトセールの誕生であり、グリーンウッドトレーニングや宇治田原優駿ステーブルに端を発するトレセンの外の育成牧場の活用である。それに伴って、在籍頭数の制限が緩やかになり、厩舎メリット制も導入された。新しいルールにキャッチアップしながら、常に前(未来)を見て、独自のやり方を貫いてきたのが矢作調教師ということなのだろう。社台グループの生産馬だけに頼らず、個人馬主との絆を深めつつ、リスクを分散させていることや、今でも外国のセールに足を運んでいる姿勢、厩舎の中でのチームの作り方など、実によく考えられていて見事な経営者としか言えない。

ただひとつだけ寂しさを感じるのは、そこにあまり馬の存在が感じられないことか。文章は人を表すと言われるように、著作に書かれていることはその人となりである。この本に書かれているのは、人とカネについて。「良く稼ぎ、良く遊べ」という矢作厩舎のスローガンは、近代経済絶対主義の象徴のようでもある。調教師は中小企業の社長と矢作調教師は言うが、まさに矢作調教師ならば、競馬の調教師でなくとも、別の企業や会社のトップとしても成功したに違いない。裏を返せば、別に競馬でなくてもよかったのではないかと思ってしまう。もちろん競馬の世界で生まれ育っただけに、馬に対する思い入れはあるに違いないが、そのあたりを(意図的にしても)排除しているところに彼らしさがあり、いち競馬ファンとしては物足りなさも感じる。

そんな洗練された矢作調教師と良くマネジメントされたチーム矢作厩舎に、異物を持ち込んだ男がいた。まだ記憶に新しいが、2012年日本ダービー直前に、岩田康誠騎手がディープブリランテの調教を付きっきりで行いたいと直訴した話の顛末が面白い。世の中の常識や効率やマネジメントとは縁遠いところにいる、地方競馬からやって来た叩き上げの岩田康誠騎手と、近代化された厩舎運営が混合して、化学反応を起こした結果が、矢作芳人厩舎にとって初の日本ダービー勝利となった。あのハナ差の勝利の背景には、現代競馬ならではの葛藤やドラマがあったのだ。

読み応えがあるのは、第3章の勝ち続けられる理由だろう。中1週のローテーションが馬の走りに影響を及ぼさないこと(馬が健康であれば、連闘から中3週までは勝率は変わらない)や、藤田伸二騎手のエージェント制批判に対する反論、距離や条件を変える(時には逃げを選択する)ことで勝ちに行くスキルなど、競馬ファンならば知りたかったことが誠実に書かれている。日本の騎手はある程度のところまで行くと満足してしまって、その上に行けないという直言は、そのまま自分にも返ってくることを知っていて、調教師にも競争原理をもっと働かせろ、だからこそ自分たちも頑張れるというスピリットには感心するし、もし自分が馬主ならこういう調教師に1頭は預けてみたいと思わせられる。古き良き調教師の時代は終焉を迎えているということなのだろう。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (0)

フローラSを当てるために知っておくべき3つのこと

Floras

■1■前走500万下でキャリア3戦以上
桜花賞よりも距離的にはオークスに近いはずだが、フローラSの勝ち馬は過去10年間でわずか1頭しかオークスを勝ったことがない。桜花賞に間に合わなかった馬たちの最終戦であり、現時点では桜花賞組に比べて完成度が劣るからである。陣営もその辺りは承知で使ってくるはずで、オークス前のトライアルをひと叩きというより、とりあえずここを勝つことに目標を定めてきている馬が多いはず。

そこで狙ってみたいのは、前走が500万下を勝ちあがってきた馬と、フラワーCで惜敗を喫してしまい、目標を桜花賞からオークスに切り替えた馬の2パターンである。ただし、いくら前者の500万下組みであっても、キャリアが浅すぎてはいけず、最低3戦はあるべきだろう。

■2■意外と人気馬が強い
過去11年の人気別のレース着順をみてみたい。

1番人気 【5・1・0・5】 連対率54%
2番人気 【2・2・1・6】 連対率36%
3番人気 【0・3・2・6】 連対率27%
4番人気 【0・2・3・6】 連対率18%
5番人気 【1・0・0・10】 連対率9%
それ以外 【3・3・4・128】 連対率4%

1番人気の馬から人気順に好結果を出しているように、意外と荒れない。3歳牝馬同士のトライアルということで荒れそうなイメージはあるが、人気馬が強い。好素質馬がここを勝つことを目標に仕上げてきたら、たとえ人気でも素直に狙ってみるべき。

■3■内枠を引いた馬
過去11年における枠順(内と外)別の着順は以下のとおり。

1~4枠 【6・7・3】
5~8枠 【5・4・8】

1~4枠の内枠が外枠よりも好成績を残している。スタートしてからすぐに第1コーナーに至ってしまう東京の2000mというコース設定を考えると、外枠よりも内枠の方がスムーズに先手を取ることができる。このレースの勝ちポジは前から10番手以内のできれば内なので、外枠からだとそのポジションはどうしても走りづらい。逆に8枠からは3頭の勝ち馬が出ているのは、どうせ外なら邪魔されずに自分のリズムを貫ける大外の方が良いということである。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (2)

ヤエノムテキやサクラユタカオーを連想させる

Satsukisyo2014 by 三浦晃一
皐月賞2014-観戦記-
大外枠からウインフルブルームが逃げを打ち、前半1000mが60秒2、59秒4という、ほぼ平均ペースで道中は流れた。脚質による大きな有利不利はないが、直線が短い小回りコースだけあって、外枠から先行するために脚を使ってしまった馬と後ろから行き過ぎた馬たちにとっては厳しいレースとなった。勝ち馬と2着馬の差は枠順のそれでもあり、もし枠順が逆であったら着順も逆になっていたかもしれない。それぐらいに、2番枠と17番枠を引いた馬の間には決定的な差があり、かなりの力差がなければ大外の馬が勝ち切ることは至難の業である。

勝ったイスラボニータにとっては全てが上手く運んだ。外の有力馬たちがポジション取りに四苦八苦するのを横目に、先行集団と後方集団の間のポケットを伸び伸びと走っていた。直線に向いても抜群の手応えで、前を行くトゥザワールドやウインフルブルームらをあっさりと突き放して完勝。この馬の良さは、スピードとパワーがありながら、筋肉が柔らかく、バネの利いた、実に収縮性に富んだ走りをすること。オールドファンなら分かってもらえるはずだが、ヤエノムテキやサクラユタカオーを連想させる馬である。ただ、こういうタイプの馬は距離に限界があることが多く、日本ダービーはその点で半信半疑である。

枠順が決まった時点で、蛯名正義騎手はこういう競馬を思い描いていたはず。道中で引っ掛かる素振りも見せず、馬の行く気に任せて、レースの流れに完璧に乗っていた。スタートが抜群で、かつ先行力があり、騎手としても乗りやすい馬である。中山2000mはトリッキーなコースだが、イスラボニータのような器用な馬に乗っていると、ジョッキーも安心して騎乗できる。最後の直線では、関西のリーディング川田将雅騎手との迫力のある追い比べとなったが、全く引けを取ることがなかった。果たして今年こそ、これまで涙を呑んできた悲願の日本ダービーに手が届くのだろうか。

連勝が途切れてしまったトゥザワールドは枠順に負けたと言ってもよい。馬が非常に賢く、ハンドルが利くからこそ、今回のようなレースができて2着を確保したが、スタートから第1コーナーまでに脚を使ってしまったことで、最後の詰めが甘くなってしまった。勝ったイスラボニータに匹敵するかそれ以上の実力がある。全兄のトゥザグローリーに比べると重心が低い馬体のため(手足が短い)、2000mがベストであり、距離が延びる日本ダービーは最適とは言いがたい。また、連勝が途切れたことによる精神面の反動も、日本ダービーに向けた心配材料となる。

逆に日本ダービーに王手をかけたのがワンアンドオンリーではないか。完成度の高い他の有力馬たちに比べるとトモの肉付きが悪いため、前半は追走に苦労していたが、最後の直線では脚色の違う末脚を繰り出して4着に追い込んだ。このあたりは若駒の頃の父ハーツクライを彷彿させる。この馬自身、坂路調教でも速いタイムが出るようになってきているので、日本ダービーまでにさらに負荷を掛け、トモにもっと実が入ってくれば、距離が延びる本番では、少し前のポジションで追走でき、さらに切れる末脚を使えるようになる。

ウインフルブルームは、スタートしてから先頭に行き切った分、道中はマイペースで経済コースを走ることができた。朝日杯フューチュリティSでもハイペースを粘り込んだように、一瞬の切れ味には欠けるが、どんなペースになっても大崩れしない渋太さがある。馬体も研ぎ澄まされていた。アジアエクスプレスは、戸崎圭太騎手に導かれ、道中は2番手を追走。積極的にというよりは、外枠発走の不利を最小限に抑えるとすれば、この乗り方しかなかった。ただ、その分、この馬のリズムで走ることができず、道中ずっと脚を使ってしまい、本来の力強い末脚を発揮することができなかった。この馬もトゥザワールド同様に外枠に泣かされた。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (2)

仕上がり万全アジアエクスプレス:5つ☆

アジアエクスプレス →馬体を見る
ひと叩きされて前回よりも筋肉のメリハリは増し、胴部にも長さが出た。
筋肉の柔らかみは前走の方が上だが、毛艶は相変わらず良く、仕上がり万全。
Pad5star

イスラボニータ →馬体を見る
どっしりとして、馬体全体に重厚感が溢れて、いかにもパワーがありそう。
ややモッサリしている感はあり、欲を言えばもうひと絞りほしい。
Pad4star

ロサギガンティア →馬体を見る
馬体全体にバランスが良く筋肉が付いていて、とても大型馬には見えない。
この馬の特徴ではあるが、スプリングSに続き、筋肉のメリハリという点ではあと一歩。
Pad3star

クラリティシチ― →馬体を見る
いかにもキングカメハメハ産駒らしい、前駆にしっかりと実が入った力強い馬体。
ダートでも十分に走りそうだが、馬体全体のバランスが良く、芝でも力は出せる。
Pad3star

バウンスシャッセ →馬体を見る
腹回りに余裕があって、その分、重心が低く、仕上がり途上の馬体に映る。
とはいえ、いかにもパワーがありそうな馬体を誇っていて、今の中山は合うはず。
Pad3star

トゥザワールド →馬体を見る
兄トゥザグローリーに比べて、脚がやや短く、胴部が詰まっていて重心が低い。
距離は2000mが上限だろうから、この馬にとってはここが最大目標になる。
Pad4star

トーセンスターダム →馬体を見る
陣営の思惑通りに、レース間隔を開けたことで、馬体に逞しさが増してきた。
特に前駆は力強く、ディープインパクト産駒とは思えない迫力のある馬体。
Pad4star

ワンアンドオンリー →馬体を見る
胴部には伸びがあって、いかにも距離延びて良さそうなステイヤー型の馬体。
前走よりも筋肉にメリハリが増してきているので、今回も末脚は切れるはず。
Pad4star

ウインフルブルーム →馬体を見る
立ち姿も力強く、前後のバランスが取れていて、文句をつけようがない。
闘争心溢れる表情も好感が持て、この馬のレースができれば好走が期待できる。
Pad4star

Satsukisyo2014

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (6)

勝つにはこれしかない

Jiromaru

ひとつ1つのレースが点となって、競馬が一本の線のように思えることがあります。それはクラシックロードという一本の道において、より鮮やかに映ります。皐月賞、日本ダービー、菊花賞という3冠レースに向けて、あらゆるレースが伏線となり、そして3つのクラシックレース同士も互いに複雑に影響を及ぼし合う。特にクラシックに臨む有力馬たちの力関係が拮抗していればいるほど、ひとつ1つのレースが大きな意味を持つことになります。1992年のクラシックロードはまさにその典型でした。

この年のクラシックロードには、3強と呼ばれていたウイニングチケット、ビワハヤヒデ、ナリタタイシンの他に、数々の伏兵馬が登場しました。皐月賞の出走馬を見るだけで、その白熱ぶりが伝わってきます。毎日杯を勝って負け知らずで臨んでくるシクレノンシェリフ、逃げたら強いアンバーライオン、のちの天皇賞春でライスシャワーを追い詰めた良血ステージチャンプ、他にはガレオン、マイシンザン、ツジユートピアン、マルチマックスなど、私が競馬を始めて3年目の記憶に残りやすい時期であったことを考慮に入れても、個性的といってよいメンバーが、数々のステップレースを経て、皐月賞に集結しました。

その中でも、この年は弥生賞が重要なキーとなったレースでした。当時、有力馬は基本的には弥生賞をステップレースにするという暗黙の了解があり(もしくはそれが良いと信じられていて)、3強のうちの1頭であるビワハヤヒデが若葉Sを春初戦に選んだのは異例のことでした。とはいえ、ウイニングチケットとナリタタイシンが人気を2分し、しかもワンツーフィニッシュを決めた弥生賞を見て、混戦の中からウイニングチケットが1歩抜け出したと考えた競馬ファンは多かったと思います。そして、鞍上の柴田政人騎手も心のどこかでそう思ったはず。結果的には、この無意識という意識の差が皐月賞の結果を大きく左右することになったのでした。

2着に敗れたナリタタイシンの武豊騎手は、当時若干23歳のデビュー5年目でしたが、この頃からすでに相手との力関係を冷静に把握し、どのようにしたら負かせるチャンスがあるかを考え、それを実行する技術と胆力を備えていました。同じような位置取りで走って2馬身差で完敗した弥生賞のレースを受け、武豊騎手はこう考えました。ウイニングチケットと同じポジションで競馬をしたら勝てない、できるだけ馬を下げて、仕掛けるタイミングも遅らそう。勝負づけが済んだと思われているナリタタイシンよりも、ビワハヤヒデの方を柴田政人騎手はマークして動くはずと。一歩足りない部分を一歩下げることで補おうと考えたのです。

皐月賞は武豊騎手の思惑通りの結果に終わりました。ナリタタイシンにとっては勝つにはこれしかないというレースでしたし、ウイニングチケットと柴田政人騎手にとっては痛恨のミスでした。もちろん、ウイニングチケットには弥生賞で激走した反動も少なからずあったと思います。そして、この皐月賞の敗北があったからこそ、念願の日本ダービー初制覇にもつながったのだと今は分かります。さらに、春当時は正攻法も一歩及ばず皐月賞、ダービーと2着続きであったビワハヤヒデも、最後の菊花賞でようやくクラシックのタイトルを手に入れるというおまけつきでした。この年のレース同士が互いに関係し合い、最後に一本のクラシックロードとなってゆく様は見事という他ありません。

今年のクラシックロードも実に興味深いメンバーが揃いました。弥生賞で有無を言わせない勝ち方をしたトゥザワールドはこのまま連勝街道を突き進めるのか、距離延びてよいワンアンドオンリーはダービーに向けてどのようなレースをするのか、馬体の成長を見込んできさらぎ賞以来間隔を開けたトーセンスターダムはどれぐらいパワーアップしているのか、2歳王者のアジアエクスプレスは本物なのか、イスラボニータとロサギガンティアはフジキセキの晩年の傑作となりえるのか。どの馬が勝ってもおかしくない、点と点が線となってゆく、ハイレベルな皐月賞になりそうです。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (3)

中山芝2000m

Nakayama2000t1

スタンド前の直線からのスタートとなり、第1コーナーまでの距離は405mとやや長め。スタート後150mぐらいの地点から上りにかかり、1~2コーナーの中間まできつい傾斜は続く。そのため、前半はそれほど速いペースにはならない。さらに、2コーナーから向こう正面まではなだらかな下りで、3コーナーからは坂下にかけて急に下る。その勢いをつけて最後の直線の坂を駆け上がるため、先行した馬も容易には止まらず、後ろから行った馬は苦戦を強いられる。

かといって、スピードだけで押し切れるわけではない。皐月賞は開催最終日に行われるため、ある程度馬場が柔らかく力の要る状態になっていることが多く、スタミナとパワーの支えがない馬は、最後の直線で脱落してしまうことになる。

勝負どころの3~4コーナーは、典型的なスパイラルカーブで、後ろから差を詰めるのが難しい。また、ぎゅうぎゅうの団子状態で回ることになるため、下手をすると内で揉まれ込んでしまう馬も出てきたり、外を回された馬はかなりの距離ロスを強いられる。

このように、基本的には内を通った先行馬に有利なコースであるが、小回りのコーナーを4つも回るという設定のため、かなりの紛れが生じるのも事実である。騎手の技量が問われるコースとも言える

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (1)

流星ひとつ


桜花賞2014―観戦記―
フクノドリームが終始レースを引っ張り、他の先行馬たちもそれを追いかけたことで、前半マイルが45秒3、後半マイルが48秒0という淀みのない流れとなった。道中の通過順位と最後の着順がそっくりそのまま入れ替わっているように、前に行った馬たちが最後の直線で力尽き、ゴール前で後ろから行った馬たちとの大逆転が起こった。差し・追い込み馬にとっては末脚を発揮しやすい展開であり、最後は力勝負、スタミナの有無が問われたレースでもあった。

勝ったハープスターは、実力通りの走りを見せて、最後方から大外を回しての直線一気で全馬をごぼう抜きにした。G1レースにもなると、なかなか簡単には勝たせてくれないが、今回はようやく先頭でゴールして初めてのG1タイトルとなった。母父ファルヴラヴの良さが出た力強い馬体は、3歳馬のそれとは思えず、まるで古馬の牡馬のようである。その分、ベストな距離はマイル前後であり、完成度の違いでこなしてしまうだろうが、距離が延びる次走オークスに向けては若干の心配が残る。それにしても、松田博調教師の管理馬は桜花賞の舞台に強い。調教法と阪神のマイル戦で求められる資質が見事にマッチしている。

川田将雅騎手は本当に久しぶりにG1レースを勝利した。騎乗技術は年々アップしているにもかかわらず、G1レースに関しては何度も大きなチャンスを逃してきただけに、まずはひと安心といったところか。今回も決して簡単な騎乗だったわけではなく、阪神ジュベナイルFで馬群に入れて追走してしまったことの反省を生かし、前走のチューリップ賞と同様に、ポツンと最後方を走らせ、最後の末脚に賭けた。現時点でのハープスターの切れ味を生かすには、こういったレースがベストである。この先、牡馬や古馬との対戦や凱旋門賞に挑戦するにあたっては、どこかでモデルチェンジをしなければならないときが来るだろう。

ゴール寸前に交わされてしまったが、レッドリヴェールは休み明けを感じさせない好走であった。道中は力みなく追走していたし、追い出されてからも最後まで伸び切った。仕上がりがパーフェクトであったことに加え、この馬の精神面における強さをはっきりと示したレースであった。ハープスターばかりに注目は行ってしまったが、この馬も負けじと強い。今後の不安材料として、連勝が途切れてしまったことにより、気持ちが切れてしまうことが挙げられる。連勝している間は、馬も人間も張りつめているが、負けたことをきっかけとしてこれまでの疲れが噴出してしまうことはよくある。次走オークスでは、目に見えない疲れをどう克服するかがポイントとなる。

ヌ―ヴォレコルトは、父ハーツクライ譲りの豊富なスタミナを生かして3着と健闘した。上位2頭とは力が一枚も二枚も違う印象だが、この馬自身も現時点での力は出し切っている。馬体には成長の余地を多く残しているため、秋や来年の活躍を大いに期待したい。負けた馬たちの中で、最も強いレースをしたのはホウライアキコではないか。中団の前目を追走して、厳しい展開になったにもかかわらず、最後まで粘り通していた。この馬はNHKマイルCに行けばチャンスはある。ベルカントは外枠発走やスタミナ不安を考慮に入れて後ろから行ってみたが、掲示板に載ることはできなかった。もっとも普段通りの逃げを選択していたら、もっと崩れてしまっていたはずだ。そういった意味では、武豊騎手とベルカント陣営の好判断とも言える。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (5)

皐月賞を当てるために知っておくべき3つのこと

Satsuki1

■1■弥生賞の勝ち馬は、皐月賞では勝てない!?
弥生賞は皐月賞と同じ中山2000mという舞台で行われるが、弥生賞を勝って、そのまま皐月賞をも制する馬は思いのほか少ない。その世代の素質馬が集結するハイレベルの弥生賞を制した馬は、普通に考えて、弥生賞と同じ走りができれば皐月賞はほぼ当確である。それでも、私が競馬を始めてからの25年間で、弥生賞と皐月賞を連勝した馬は、アグネスタキオンとディープインパクト、ヴィクトワールピサの3頭の名馬しかいない。なぜこのような現象が起こるかというと、2つの理由が考えられる。

ひとつは、弥生賞と皐月賞では馬場状態が全く異なるからである。

皐月賞における、過去11年のラスト3ハロンの上がりタイムを並べてみたい(府中で開催された平成23年は除く)。

平成14年 35.8
平成15年 34.7
平成16年 34.4
平成17年 34.5
平成18年 35.7
平成19年 35.9
平成20年 35.2
平成21年 35.6
平成22年 35.9
平成24年 38.4
平成25年 35.9

平成15年から17年は速い上がりの瞬発力勝負になっているが、それ以外の年は終いが掛かる競馬になっている。これは皐月賞時の馬場によるところが大きい。皐月賞当日の馬場は、最終日ということもあって、全体的に重くなっているのが通常である。特に、最も良く使われる3~4コーナーにかけては、見た目以上に馬場の傷みは激しく、当然力の要る馬場となっている。

つまり、手脚の軽い、瞬発力で勝負したい馬にとっては足かせとなり、逆にダート血統に代表されるようなパワー優先の馬にとっては願ってもいない、ほぼ1ヶ月前に行われた弥生賞当日の馬場とは全くと言ってよいほど異なった重い馬場になってしまうのである。

もうひとつは、弥生賞はかなりの状態に仕上がっていないと勝てない、その上、弥生賞では厳しいレースを強いられるということである。

クラシックを狙う有力馬が一堂に会する弥生賞は、当然のことながら、中途半端な仕上がりでは勝つことはできない。弥生賞を勝つためにはかなりの仕上げを施さなければならず、本番前に仕上げられた(仕上がってしまった)馬は、本番に向けて下降線を辿ってしまう。サラブレッドのピークはそれほど長くない。つまり、弥生賞を勝つために仕上げてしまうと、そのあとが続かないということである。さらに、それまでは楽な相手と楽な競馬しか経験してこなかった馬が、弥生賞で初めて厳しいレースを強いられるので、その肉体的、精神的な反動が次のレースで噴出してしまう。

その典型的な例は、平成12年の弥生賞を制したフサイチゼノンではないか。田原成貴元調教師と関口オーナーの間で一悶着あった馬であるが、フサイチゼノンは弥生賞の時点で既に仕上がってしまっていた。田原調教師はフサイチゼノンにかなりの素質を感じていただろうし、初年度である厩舎を盛り上げるためにも、弥生賞も勝って本番に臨みたかったに違いない。しかし、その勝ちを焦る気持ちが、フサイチゼノンを追い詰めてしまったのだ。肉体的にも精神的にもピークを過ぎてしまったフサイチゼノンは、もはや皐月賞に出走する状態にはなかった。関口オーナーに相談をしなかったのは田原元調教師の落ち度だが、出走を取りやめたのは英断であったと思う。

フジキセキ、ダンスインザダーク、フサイチゼノン、アグネスタキオン

以上は、弥生賞を勝った後に故障を発生した馬たちである。厳しいレースである弥生賞を勝つことは、高い素質、能力を持つことの証明であるが、一方で失うものも大きい。そういう意味で、弥生賞馬はまず疑ってかかるべきである。

■2■皐月賞馬の条件
皐月賞馬に求められる条件は、以下の4つ。

スピード
パワー
器用さ
完成度

まず、「スピード」については、中山競馬場の内回りを使うコースは先行馬に有利であり、前にポジションするために秀でたスピードが求められる。スタミナに関しては、2000mまでこなせるマイラーであれば、十分に勝負になるはず。

「パワー」については、上にも述べたとおり、皐月賞は最終日に行われるため、馬場がかなり重くなっていることが多い。そのため、荒れ馬場をこなせるパワーが必要となる。さらに、1周1666m、直線310mという小さなスケールのトラックで行われるため、上手に立ち回りながら流れに乗ることのできる「器用さ」を備えているかどうかも問われる。

また、「完成度」の高い馬ということも挙げられる。その傾向は年々強くなってきており、この時期においてあらゆる面において完成されていなければ、このレースを勝つことは難しい。素質があり、なおかつ完成度が高いことが求められる。

■3■参考データとして
・前走が1800m未満の馬は×
・2月以降に1400m以下の短距離を一度でも使っていた馬は×
・連対率が50%を超えていなければ×

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (7)

牝馬離れした力強さハープスター:5つ☆

ハープスター →馬体を見る
特に前駆に力強さが漲っていて、3歳馬離れ、いや牝馬離れしている。
ひと叩きされて、毛艶も良くなり、表情にも闘争心が溢れ最高の仕上がり。
Pad5star

レッドリヴェール →馬体を見る
休み明けとは思えない、阪神ジュベナイルF時と同じかそれ以上の仕上がり。
筋肉には柔らかみがあり、毛艶も冴え、全体的にパワーアップしている。
Pad45star

ベルカント →馬体を見る
腹が巻き上がっていることもあり、典型的な腰高のスピードタイプの馬体。
距離延長はプラス材料にはならず、特に阪神のマイル戦はやや長いか。
Pad3star

リラヴァティ →馬体を見る
馬体の完成度はまだ低いが、これから成長して良くなりそうなシルエット。
毛艶は良く、胴長の馬体はスタミナを秘めているので大崩れはないだろう。
Pad3star

二ホンピロアンバー →馬体を見る
いかにも短距離のパワータイプという、がっちりとした筋肉のついた馬体。
前身意欲の豊富そうな立ち姿だけに、先行してどこまで粘れるか。
Pad3star

ホウライアキコ →馬体を見る
この馬も短距離のパワータイプで、阪神のマイル戦にはスタミナの不安がある。
気持ちの強さで走ってきた馬だけに、今回も根性でどこまで粘り通せるか。
Pad3star

マーブルカテドラル →馬体を見る
実に牝馬らしい美しい馬体を誇っているが、もう少し筋肉のメリハリがほしい。
顔つきからは気性の素直さがうかがえ、馬体のバランスの良さからも安定して走る。
Pad3star

ニシノミチシルベ →馬体を見る
まだ線が細く、体全体に力が付き切っておらず、このメンバーでは厳しいだろう。
顔つきを含め、幼さが抜けきっていない現状だけに大きな期待はできない。
Pad3star

ペイシャフェリス →馬体を見る
前後駆にバランス良く筋肉がついて、いかにも走りそうな雰囲気の好馬体。
額の流星が気の強さを物語っているように、スムーズにこの馬のレースができれば。
Pad3star

フォーエバーモア →馬体を見る
全体的な線が細く、力が付ききっていない馬体で走るのだから資質が高い。
現時点では最高の仕上げを施されているが、先々に力をつけてきそうな予感。
Pad3star

ヌ―ヴォレコルト →馬体を見る
ハーツクライ産駒らしく、胴部には十分な長さがあり、前後のバランスも良い。
やや線の細さは残しているが、毛艶は良く、現時点での力は出し切れる仕上がり。
Pad3star

Okasyo2014

| | Comments (2)

一本の線の上を走るような

Jiromaru

武豊騎手にとって会心の騎乗のひとつに、ベガを優勝に導いた1993年の桜花賞があります。JRA通算3600勝、そしてG1レース100勝を積み重ねてきた名手にとっても、上手く乗ったと言い切れるレースは少ないと告白する中で、この桜花賞をベストレースのひとつに挙げるのは、それだけ桜花賞を勝つことが難しかったということです。それはかつての阪神競馬場のおにぎり型のコース設定が乗り難しかったということでもあり、ベガという馬の特性をその舞台で活かすことが難しかったという意味でもあります。

ベガは父トニービン、母アンティックヴァリュー(母父NorthernDancer)という当時の超良血馬でした。私はまだ競馬を始めたばかりの頃でしたので、どこがどのように良血なのか分かりませんでしたが、今は典型的なスタミナ血統であることが分かります。430kg台の小さな馬体でしたが、胴部の薄い、スマートで実にバランスの取れた、ステイヤーのそれでした。一瞬の切れ味というよりは、豊富なスタミナに裏付けられたスピードの持続力こそが、この馬の特性だったのです。

「一本の線の上を走るような、美しい走りをする馬でした」と武豊騎手はベガのことを振り返ります。なぜジョッキーが一本の線の上を走っているような感覚になるかというと、ベガの馬体の幅がそれだけ薄く、両脚(前脚も後ろ脚も)がほぼ同じラインの上に着地して走っていたからでしょう。スプリンターによくある、馬体の幅が厚い馬であれば、どうしても左右の脚の着地点は異なり、太いレールの上を走っているような感じになります。一本の線の上を走るような軽快さではなく、両脚で広く地面を捉えているような力強い走りになります。ベガの肉体と走り方が典型的なステイヤーであったことと、武豊騎手の感覚は一致しますね。

ステイヤーの肉体を持つベガを、かつてのおむすび型の阪神コースで行われるマイル戦で勝たせることは至難の業です。スタートから道中、最終コーナー、そして最後の直線に向いてからゴールするまで、全て完璧に乗らなければ、一瞬の脚を持つマイラーに差されてしまいます。そして、この年の桜花賞には、のちにエリザベス女王杯を勝つことになるホクトベガ、そしてマックスジョリー、ヤマヒサローレル、ユキノビジンなど、かなりの強豪が揃っていました。特に父にサクラユタカオーを持つユキノビジンは、器用さがあり、かつ一瞬の切れを持つ典型的なマイラーでした。私はユキノビジンの馬券を持っていました。

武豊ベガは好スタートを決め、2、3番手の絶好位につけ、レースの主導権を握ることに成功しました。このポジションならば、ベガのフットワークの大きさを最大限に生かしつつ、変にブレーキを掛けることなく、ベガのリズムで走らせることができます。逃げ馬を突つきながら、少しずつペースを上げて、後続の馬たちのスタミナを奪いつつ、あとは仕掛けるタイミングを計る。遅すぎると速い脚を持つマイラーに差されてしまうので、ベガのスタミナを信じて、気持ち早めに仕掛けて、なんとか粘り込むというのが武豊騎手の作戦だったはずです。そして、思い描いていたとおりのレースで、外からユキノビジンに首差まで追い詰められたところがゴールでした。

この桜花賞で私が学んだことは、簡単に勝ったように見えても実は難しい騎乗であったレースがあるということです。競馬ファンの目には、単勝1番人気のベガを武豊騎手が楽々と勝たせたように映りましたが、そうではなく、一瞬の判断や僅かな一挙手一投足が勝ち負けを分けるような鎬を削る攻防があったのです。今年の桜花賞には、ベガの孫にあたるハープスターが断然の1番人気を背負って臨みます。ハープスターはお祖母さんのベガと違って、圧倒的な切れ味で勝負する馬ですね。それだけに、この馬も道中のポジションや仕掛けるタイミングが難しいはずです。馬群の中に入れずに、できるだけポツンと馬群から離して追走させ、最後の直線に向いてからゆっくりとゴーサインを出せば、あっと驚く脚を使ってくれるはずです。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (1)

阪神芝1600m

Newhanshin1600

向こう正面奥からのスタートで、最初のコーナーである3コーナーまでの距離は444mと長い。極端なポジション争いはなく、最後の直線が長いことも意識されるため、前半はほとんど無理をすることなくスムーズに流れる。

新阪神1600mのコースの特徴は、3~4コーナーにある。3コーナーにある残り5ハロン標識を切ってから、非常に緩やかなカーブが4コーナーまで続くため、各馬ゆったりとコーナーリングを開始する。旧阪神1600mのコースであれば、3コーナーから4コーナーにかけての擬似直線で前との差を詰めることができたが、新阪神1600mのコースではそれができない。一度、コーナーを回り始めると、遠心力に身を任せながらゆっくりと4コーナーまで走ることになる。だからこそ、先行馬はここで息を入れて、最後の直線に向くまでにスタミナを温存することができる。

最後の直線は474mもあり、直線に向いてから仕掛けても遅くはない。差し馬にとっては脚を余すということがなくなったが、3~4コーナーで楽をしている分、先行馬も簡単には止まらない。結局は、最後の長い直線での瞬発力勝負で勝敗は決することになる。もちろん、最後に急坂が待ち構えているので、スタミナに欠ける馬はここで脱落してしまうことになる。実力がはっきりと反映されるコースというよりも、ある程度のスタミナに支えられた瞬発力のある馬にとっては最適の舞台となるコースである。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (0)

集中連載:血統について語るとき、私の語ること(第10回)

Kettounituite10_3メジロマックイーンのほかに、天皇賞春を2度勝ったライスシャワーという馬がいる。そして、この最高にして最強のステイヤー2頭が、死力を尽くして闘った伝説の天皇賞春がある。1993年の天皇賞春。3連覇のかかるメジロマックイーンは、休み明けの産経大阪杯をレコードで勝利し、1.6倍の圧倒的な1番人気に支持されていた。そんなメジロマックイーンに真っ向から立ちはだかったのがライスシャワーであった。

このレースに臨むライスシャワーの最終追い切りは、今でも鮮明に覚えている。レースでも手綱を取る的場均騎手を背に乗せての調教であった。的場騎手はゴールを過ぎても1発、2発、3発とムチを入れ続けた。見ているこちらが心配してしまうほどのハードな調教であった。これは後から聞いた話だが、的場均騎手にとっても一か八かの賭けだったそうである。ピークかそれとも疲労か。しかし、極限の状態に仕上げなければ、メジロマックイーンを負かすことは出来ないと思っていたからこその賭けであった。

的場均騎手の賭けは、見事に成功を収めた。スタートからピッタリとメジロマックイーンをマークしたライスシャワーは、直線に向くや、あっさりと抜け出し、先頭でゴールした。あのメジロマックイーンでさえ、全く抵抗できない強さを見せ付けての完勝であった。この時のライスシャワーには、馬が唸っているという表現がピッタリ。前の年にミホノブルボンの3冠を阻止したことも重なり、この頃から、「黒い刺客」や「マーク屋」という異名が定着した。

ステイヤーというカテゴリーにおいて、私にとってのステイヤーといえば、ライスシャワーをおいて他にいない。ライスシャワーには、ステイヤーとは如何なるものかということを教えてもらった。「ステイヤーはいきなり休み明けから走らず、叩かれつつ体調が上向いて行き、ピークの調子が長続きする」、「マラソン選手に線の細い選手が多いように、ステイヤーも小柄な馬が多く、極限の状態に絞り込まれてこそ真価を発揮する」、「ステイヤーは決して調教で速い時計を出さない」、「ステイヤーは我慢強い」など。ライスシャワーを語ると、それはすなわちステイヤーを語ることになる。

「もちろん、ステイヤーとしての血も素晴らしいんだけれど、それ以上にあの馬は執念を持っているんですよ。あの馬に対しては、スタッフみんなも執念を持って携わっている。それが馬に伝わっている。周りのスタッフの雰囲気をライスシャワーは感じてくれるだけの馬だった。そういう感性の強い馬だったってことです」

主戦の的場均騎手はライスシャワーをこう評した。ミホノブルボンを倒した菊花賞、メジロマックイーンに土を付けた天皇賞春、それからちょうど2年後の奇跡の復活劇を見ても、ライスシャワーは執念の馬だったことが分かる。周りの人々の気持ちを感じ取り、その期待に応えたいという執念。そういえば、メジロマックイーンは北野豊吉氏の執念によってつくられたステイヤーであった。人間の執念によってつくられたステイヤーは、執念を自ら持ち、執念を産駒に伝える。スタミナがあるからだけではなく、執念もあるからこそ、一流のステイヤーと呼ばれるのだ。

Photo by 三浦晃一

(第11回へ続く→)

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (2)

桜花賞を当てるために知っておくべき3つのこと

Oukasyo

■1■勝ち馬は「2敗以内」が目安
勝ち馬の条件としては、「2敗以内」であることが挙げられる。最近は、素質馬はあまりレース数を使わない傾向が顕著になってきており、桜花賞でも浅いキャリアで臨んできた馬が活躍している。数を使わない以上、レースに使うからにはきちんと勝てる状態に仕上げられているはずで、それでいて2敗以上しているということは、能力がないか、どこか足りない部分があるかのどちらかということになる。だからこそ、桜花賞を勝てる素質があるかどうかを見極めるためには、「2敗以内」という数字を目安にしたい。

さらに、「新馬戦を勝っている」、「牡馬を相手に勝利している」ことも、素質の有無を問うための材料にしてもよいだろう。

■2■前走の人気に注目
過去11年間で桜花賞を勝った馬の「前走の人気」を見ると、明らかな傾向があることが分かる。なんと11頭中7頭が1人気であり、2番人気が1頭、わずかに4~6番人気が3頭と、それ以下の人気であった馬は1頭も勝っていない。連対馬(2着馬)に目を向けても、8頭までが前走3番人気以内に推されている。

最も桜花賞に直結しやすいとされていたチューリップ賞だけを見ても、その勝ち馬よりも、人気に推されていたが負けてしまった馬の方が、本番での好走率が高い。つまり、前走で何着だったかという「実績」よりも、前走で何番人気に推されたかという「素質」、もしくは「資質」に注目すべきなのである。

■3■瞬発力のある馬が有利
平成19年から、桜花賞は新阪神コースの外回りで桜花賞は行われる。このことによって、勝ち馬に求められる資質が大きく違ってくることが考えられる。かつては器用さとスピードが求められていたが、今年からは「瞬発力」とそれを支える「スタミナ」が要求されることになるだろう。

ステップレースであるチューリップ賞(新阪神1600m外回り)とフィリーズレビュー(新阪神1400m内回り)のレースラップを見てみたい。

平成19年
チューリップ賞   12.4 - 10.9 - 12.1 - 12.2 - 12.2 - 11.1 - 11.0 - 11.8
フィリーズレビュー 12.5 - 10.9 - 11.4 - 11.7 - 11.4 - 11.7 - 12.2

チューリップ賞を見てみると、第1コーナーである3コーナーからガクンとペースが緩み、最終コーナーである4コーナーまで極端なスローでレースが流れていることが分かる。それに対し、阪神3歳牝馬特別ではコーナーを回ってもペースがほとんど緩んでいない。

この2つのレースの違いは、展開うんぬんではなく、コースの構造に起因する。チューリップ賞が行われる新阪神1600m外回りコースは中盤が緩みやすいコース構造になっているのに対し、フィリーズレビューが行われる新阪神1400m内回りコースはそうではないということである。

つまり、道中が緩むことによって、本番の桜花賞もラスト3ハロンの瞬発力勝負になってしまう可能性が高いということである。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (2)

闘志満々のダイワファルコン:5つ☆

★神戸新聞杯
キズナ →馬体を見る
海外遠征を経て古馬になったが、それほど大きな馬体の成長は感じられない。
確かに毛艶は良く、全体的に力はついてきているが、まだ成長の余地は残している。
Pad4star

メイショウマンボ →馬体を見る
3歳時と比べてみると、ずいぶんとフックラとして線の細さが消えつつある。
表情から気性の素直さが伝わってきて、休み明け初戦から力は出し切れそう。
Pad4star

ショウナンマイティ →馬体を見る
トモの肉付きが物足りず、筋肉のメリハリに欠ける馬体は、この馬の特徴なのだろう。
ひと叩きされて、毛艶は良くなってきているように、臨戦態勢は整った。
Pad4star

カレンミロティック →馬体を見る
ハーツクライ産駒にしては重心が低く、2000mまでがベストな体型をしている。
ふっくらと映る馬体は毛艶も良く、休み明けとしては十分な仕上がりにある。
Pad3star

エピファネイア →馬体を見る
あばら骨がうっすらと見え、やや細く映るぐらいに、きっちりと仕上げられた馬体を誇る。
トモの実の入りがやや物足りず、顔つきも神経質になっているのは休み明けだからこそ。
Pad45star

★ダービー卿チャレンジT
コディーノ →馬体を見る
まだ腹回りに余裕があり、もうひと絞りできそうな馬体だが、筋肉の柔らかみは十分。
前後駆にしっかり実が入って、この春の活躍に向けて仕切り直しの一戦となる。
Pad4star

ダイワファルコン →馬体を見る
高齢馬だけに腹回りに余裕があるのは仕方ないとして、馬体全体のバランスは素晴らしい。
筋肉にはメリハリがあって、闘志満々の表情からもいつでも走れる態勢にある。
Pad5star

アユサン →馬体を見る
古馬になったが、馬体は3歳時と変わらず、牝馬らしい線の細さを感じさせる・
ふっくらとして休み明けとしては好感の持てる仕上がりだが、ひと叩きしてから。
Pad3star

レッドアリオン →馬体を見る
首の位置が高いのが弱点だが、前後駆にはバランス良く筋肉がついている。
首や手脚、胴部など、各パーツに長さがあるので、距離はマイルよりも長くても良い。
Pad4star

マウントシャスタ →馬体を見る
腹回りに余裕があることも手伝って、胴部が短く、ガス欠を起こしやすいタイプの馬体。
いかにもパワーがありそうな馬体は、今の中山競馬場の馬場には合いそう。
Pad3star

カレンブラックヒル →馬体を見る
昨年は肉体的にも精神的にも調子を落としていたが、馬体を見る限り復調気配。
トモの肉付きが物足りないが、前駆には全盛期の力強さが戻ってきた。
Pad3star

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (4)

ドバイワールドカップ2014を振り返って

ドバイワールドカップデーは、ジャスタウェイが桁違いの末脚を繰り出して圧勝、ジェンティルドンナは昨年2着の雪辱を見事に晴らし、日本馬によるG1レース2連勝という結果となった。日本の競馬ファンの期待に応えただけではなく、世界のホースマンたちに向けて日本馬のレベルの高さを証明してみせた。欧州の競馬と比べても、ドバイは長距離輸送の消耗が少なく、競馬場もトリッキーではないため、きっちりと仕上げられた日本馬にとっては計算が立つ舞台となったということだ。デューティーフリー、シーマクラシック、ワールドカップの3つのG1レースを振り返ってみたい。

まずはデューティーフリーから。トウケイへイロ―が速いペースで引っ張り、それに他馬もついて行くように進んだことで、全体の流れが引き締まったレースとなった。腰に力がついたジャスタウェイは、もう少し前にポジショニングすると思っていたが、思いのほか後ろの位置取りに。それだけペースが速かったということであり、ジャスタウェイの切れ味がより一層引き出された結果となった。トウケイへイロ―にとってはペースが速すぎ、ロゴタイプは完調一歩手前という段階であったが、ジャスタウェイにこれだけの競馬をされてしまっては、他馬も含めてグウの音も出ないだろう。

シーマクラシックは、ジェンティルドンナらしい強い勝ち方であった。大きく離すわけではないが、前の馬を捕えて交わすときの一瞬の脚が素晴らしい。昨年の反省を生かし、京都記念を完全な叩き台にして、疲れを残さず今回をピークになるように仕上げた。レースに行っても、昨年は外を回されたことが響いたが、今年はR・ムーア騎手のギリギリの騎乗で内に潜り込み(1コーナーまでのトラブルに関してはパトロール映像を見ていないので善悪の判断はしかねる)、最高の形で道中を運ぶことができた。最後の直線で前が詰まり、ヒヤッとさせられたが、脚をためていたからこそ、抜け出すことができた。デニムアンドルビーは人馬共に、慣れないレースの雰囲気に飲まれた格好で、先頭に立たされてしまい、気を遣って万事休す。馬群の内を走られれば、この馬にも好走のチャンスはあったはず。

ワールドカップは、日本から一流のダート馬2頭が挑戦したが、道中のペースが速くなってから全くついて行けなかった。どちらも体調自体は悪くなかっただけに、揃って惨敗を喫してしまったのには訳があるはず。純粋なパワーだけではなく、強靭なスタミナとスピードの持続力が極めて高い次元で要求されるレースであることに加え、タペタの馬場が要求する走りに合わなかったということだ。やはりこういった特殊な馬場では、走り慣れている地元の馬が有利になる。

最後に、ジャスタウェイ(父ハーツクライ)とジェンティルドンナ(父ディープインパクト)は、どちらもサンデーサイレンスの孫にあたるように、一世代を経てもなお世界レベルの産駒を生み出す、サンデーサイレンスの遺伝力の強さに改めて驚かされる。これだけ競馬の世界がグローバルになった以上、サンデーサイレンスの血が飽和してしまうことは考えにくい。それよりもサンデーサイレンスがいたからこそ、日本馬のレベルは格段に向上し、国際化の波の中で日本の生産界が救われたことに感謝しつつ、ネアルコやボールドルーラーに匹敵するような、この世界的な名血をこの先どう生かしていくかが私たちに問われているのだ。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (1)

ダービー卿CTを当てるために知っておくべき3つのこと

Derbyct

■1■波乱必至!?
ハンデ戦として施行されるようになった2002年以降、1番人気が勝ったのは2009年のタケミカヅチのみ。しかも、単勝670円という押し出された1番人気であった。過去10年の勝ち馬の人気を見てみても、7、7、3、11、7、4、1、7、8、3、5と上位人気の馬も不振を極めている。当然のことながら、2、3着も順当に決まることはなく、毎年、波乱必至のレースである。

荒れる理由としては、中山1600mというトリッキーなコース設定に加え、G1レースを狙う超一流のマイラーがローテーション的に参戦してこないからである。安田記念を狙うトップマイラーであれば、京王杯スプリングSもしくはマイラーズCを使うはず。谷間にあたるマイルの重賞であるからこそ、どんぐりの背比べであり、しかもハンデ戦となると一筋縄には収まらないのである。

■2■持続力のある血統
中山1600mコースはマイル戦の中でも、最もハイペースが多発するコースである。1000mが58秒を切るような流れになりやすいので、ハイペースに耐えられる血統が必要である。たとえばダンチヒ、ノーザンテースト、ストームキャットなどのノーザンダンサー系やミスタープロスペクター系、レッドゴッド系など。つまり、瞬発力に秀でたサンデーサイレンス系ではなく、ダートの1200m戦で活躍する持続力のある血統の馬を狙ってみたい。

■外枠が極端に不利
中山1600mコースは、1コーナー付近にある小高い丘の頂上からのスタート。第1コーナーとなる2コーナーまでの距離が240mと短いことと下り坂になっていることによって、流れは速くなりやすい。見た目よりもゆったりとした2コーナーを回ると、あとはひたすら下り坂で、その勢いをつけたまま4コーナーを回り直線に突入することになる。勝負の分かれ目は最後に待ち構えている坂で、余力が残っていない馬はここでパタっと止まる。そのため、前残りか前崩れかといった極端な展開になりやすい。

直線が短いためスピードだけで押し切れそうだが、直線に急勾配な坂があることによって、実はスタミナも必要とされる。かといって、ジワジワと伸びていても直線が短く届かないので、一気に坂を駆け上がるような瞬発力も要求される。

外枠が極端に不利なコースである。第1コーナーまでの距離が短いため、外枠の馬は良いポジションを確保するのが難しい。そして、コース全体が大きな円を描いているため、外を回されると内の馬と比べてかなりの距離ロスになってしまう。ペースに緩みがないため、一旦外を回されると軌道修正する前にレースが終わってしまうことも多い。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (0)

産経大阪杯を当てるために知っておくべき3つのこと

Sankeioosakahai

■1■4歳馬が圧倒
過去10年の勝ち馬の年齢を見ると、4歳馬が5頭、5歳馬が3頭、6歳馬が1頭、7歳以上の馬が1頭と、4歳馬が他馬を圧倒している。年齢を重ねるごとに勝ち馬が少なくなっているように、実績や格ではなく、勢いが求められる舞台となる。クラシックで活躍した馬が充電を経てターフに戻ってきたり、また古馬になってから急激に力を付けてきた馬たちにとっては、実力を存分に発揮できるレースである。サラブレッドとして充実著しい4歳馬を中心に考えてみたい。

■2■1番人気が強い
過去12年間における、人気別の着順を見てみたい。

1番人気 【7・3・1・1】 勝率60% 連対率83%
2番人気 【0・2・2・8】 勝率0%  連対率17%
3番人気 【3・2・1・6】 勝率25% 連対率42%

かつてマイルCSは1番人気が最も堅いレースとして有名であったが、今では産経大阪杯がそれに取って代わろうとしている。勝率60%、連対率83%という数字は驚異的である。ひとつの理由としては、超A級の馬たちが、別定戦であるこのレースを狙って出走してくるからである。その傾向は、日本の競馬がスピード化するにしたがって強くなってきている。一昔前まで超A級の馬は阪神大賞典に出走していたが、今は距離適性も含めて産経大阪杯に出てくることが多くなっているということだ。たとえ休み明けであっても、強い馬であれば十分勝ち負けになる。

■3■内を回って先行できる馬
過去10年のラップタイムを見てみたい。

12.7-11.3-11.9-12.0-12.2-12.1-11.8-11.9-11.3-12.4(60.1-59.5)M
12.7-10.4-12.0-12.0-12.1-12.4-12.2-12.0-11.5-11.7(59.2-59.8)M
12.8-11.6-12.5-12.6-12.5-12.4-12.3-12.2-12.3-13.3(62.0-62.5)M
12.8-11.5-13.1-12.6-12.2-12.2-11.9-11.7-11.4-12.0(62.2-59.2)S
12.5-10.8-12.2-12.1-12.0-12.3-12.0-11.5-11.6-11.7(59.6-59.1)M
12.6-11.5-11.9-11.9-12.1-12.8-12.1-11.9-11.2-11.7(60.0-59.7)M
12.1-11.1-12.8-12.3-12.0-12.2-11.6-11.5-11.7-12.2(60.3-59.2)S
12.5-11.0-12.3-12.1-11.4-11.6-11.6-11.3-11.8-12.2(59.3-58.5)M
13.2-12.2-13.7-13.2-12.9-12.7-12.3-11.9-11.2-12.2(65.2-60.3)S
12.6-11.4-12.7-12.2-12.6-12.2-11.6-11.3-10.9-11.5(61.5-57.5)S

どのレースも速くともミドルペース、遅ければスローに流れる傾向がある。阪神競馬場の内回りということで、4つコーナーを回る小回りの直線が短いコースで行われるとイメージしてよい。ペースが落ち着きやすいことも考慮に入れると、どうしても内枠の先行馬が有利になる。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (3)

« March 2014 | Main | May 2014 »