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「ROUNDERS」vol.4の先行発売を開始します。

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長らくお待たせしました。およそ2年ぶりになりますが、「ROUNDERS」の最新号がようやく完成しました!公式発売に大きく先行して、「ROUNDERS」vol.4を皆さまにお届けします。

「ROUNDERS」は、「競馬は文化であり、スポーツである」をモットーに、世代を超えて読み継がれていくような、普遍的な内容やストーリーを扱った、読み物を中心とした新しい競馬の雑誌です。

第4号の特集は、「馬見 サラブレッドの身体論」。馬を見ることは、ホースマンたちにとっての永遠の希望であり、競馬ファンにとっての見果てぬ夢です。走る馬を見抜くことさえできれば、と誰もが考え、その芸術品のような肉体に魅了されてきました。今回の特集は、馬の身体(馬体)を通して、競馬を見つめ、馬券を考えていきます。調教師、生産者、獣医師、パドックに立ち続ける者というそれぞれの立場において語られる、アスリートとしての馬の身体論は、競馬ファンなら必読です。

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各特集記事や連載記事については、これから少しずつ語っていくつもりですが、まずは「ROUNDERS」vol.4を実際に手に取って、読んでみてください。今号はカラーページが増量され、馬体を美しく鮮明に見ていただける仕上がりになっています。

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【インタビュー】
「わが理想のサラブレッドたち」 二ノ宮敬宇

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北海道の牧場が原点である二ノ宮調教師は、出産や種付けにも携わった経験から、母の影響がゼロなのがもっとも良い繁殖牝馬であり、父(種牡馬)の影響を知らなければならないと説きます。種牡馬を評価するときには肢勢を、普段サラブレッドと接する中では脚の膝から下の部分を見ると言います。そして、かつて自らが手がけたイーストボーイやエルコンドルパサーらの名馬の理想の馬体について語ります。

「馬を観る
当歳から1歳までのサラブレッド種の評価方法」
 吉田直哉

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ウィンチェスターファーム(米国・ケンタッキー州)社主である吉田氏が、専門としている中期育成まで(当歳から1歳)のサラブレッド種の評価方法について説明します。新生子を見て、良いと感じるその根拠となるのは、顔つきが整っていること、馬体のバランス、体躯を見る。そして1歳馬を見るときは、馬体全体のバランスから歩様まで。詳しくは本文を読んでいただきたいのですが、POGや一口馬主にも役立ちそうな話ばかりです。

「神の仔たちもみな踊る
産駒が父から受け継ぐ馬体的特徴の考察」
 久保和功

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種牡馬となり活躍している10頭のサラブレッドたちのパドックでの様子や馬体を振り返り、その産駒たちが受け継いでいる馬体的特徴を解説します。、ディープインパクト、キングカメハメハ、ステイゴールド、シンボリクリスエス、クロフネ、ダイワメジャー、ハーツクライ、マンハッタンカフェなど、現役時代のパドック写真付きで解説します。

「アスリートとして生きる
獣医師として馬に寄り添う日々」
 ハリケーンドクター

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馬は人でいう中指一本で地に立ち、500kg近い体重を支えて走る。全力で走ると肢一本には体重の倍ほどの力がかかるという。ばんえい競馬で働く馬は1トン前後の体重になるし、乗用馬はより複雑な動きに対応しなくてはいけない。骨や関節、腱や靭帯などにかかる負担は大きい。担当者は毎日肢を触って熱感や腫れはないかを確かめ、歩きに異常がないかを注意深くチェックする。引退して種牡馬となり、日高に帰って来た馬には酷い肢をしている馬がいる。そんな肢を見るたび、現役時代を共にした関係者の苦労を想う。(本文より)

「馬を見る天才になる!
馬見の直感を磨くための実践的レッスン」
 治郎丸敬之

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馬を見る天才は、一瞬にして、その馬が走るかどうかを見分けることができます。
「なぜそう簡単に見分けられるのか?」と彼に尋ねると、彼はこう答えるはずです。
「勘だよ、勘」
その“勘”の正体とは一体なんでしょうか?

馬を見る天才も、必ずある思考プロセスを経て、馬体の評価を行っています。その思考プロセスを真似ることによって、私たちは馬を見る天才と同じ馬の見方ができるようになるのです。

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「ROUNDERS」vol.4(全144ページ)を1,900円(税別、送料無料)でお分けいたします。
*大変申し訳ありませんが、振込み手数料は各自でご負担いただきますのでご理解ください。
*消費税が上がったことにより、全体の価格が2,000円を超えてしまうことをご容赦ください。

今回、ご注文いただきました方には、6月1日(日)より順次、お申し込み順に送らせていただきますので、誰よりも早く、確実にお読みいただくことができます。

特典
今回、「ガラスの競馬場」より直接お申し込みいただいた方に限って、2012年9月に開催された「馬を見る天才になる!ライブ」のダイジェスト版CDをプレゼントします。20分という短さですが、私なりのメッセージを込めていますので、「ROUNDERS」vol.4のツマミとして楽しんでいただけるはずです。

プライバシーポリシー特定商取引に基づく表記もご覧ください。

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ご注文方法
Step1メールフォームにてご注文をしてください。
*SSLに対応しておりますので、個人情報の保護も万全です
*個人情報を第三者に開示をすることは決してありません。
Step2ご注文確認メールが届きます。
Step3お届け先住所に「ROUNDERS」が届きます。
*振込み用紙を同封しますので、商品到着から5日以内に指定の銀行口座にお振込みください。
*振込み手数料は各自でご負担いただきます。

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追記
この機会に「ROUNDERS」創刊号やvol.2、vol.3も読んでみたいという方は、申し込みフォームの備考欄に、その旨をご入力ください。これからも創り続けていきますので、応援してください。お読みいただいたご感想やご意見など、教えてくださると嬉しいです。(glassracetrack@ymail.plala.or.jpまで)

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変わること、変わらないこと。

Jiromaru

変わることと、変わらないこと、突き詰めてゆくと、どちらも同じことのような気がします。その道の達人には2種類があって、ひとりは現状に満足せず、常に新しきを取り入れて進化していくタイプ、もうひとりは周りの変化に合わせるのではなく、最も大切なものは決して手放さず、自己を磨いていくタイプです。彼らには守るべきものがあるからこそ、挑戦するか、貫き通すか、いずれかによって成長しなければならない。どちらが優れているということではなく、成長する意思の方向性の問題なのです。

蛯名正義騎手が最近になって新しいスタイルの追い方を取り入れたことは、競馬関係者やファンの間では有名な話です。馬の走るリズムに合わせ、大きなアクションで腰を入れて馬を追う姿は、明らかに今までとは違うものです。競馬学校では教えてくれない馬の追い方であり、「馬が走る邪魔をしているだけ」、「馬の背中を傷めてしまう」など批判的な見方もあります。新しいものは叩かれることが常であり、今となっては当たり前になっているモンキースタイルも、冷ややかな目で見られていた時代もあったのです。

それまでの日本人騎手の騎乗方法は、「天神乗り」といわれる乗り方でした。アブミを長くして、上体を立てて乗るのです。これに対して、ケンタッキーダービーの騎手たちは、アブミを短くして、上体を馬の背と平行に保っています。まるで馬の背に騎手がチョコンと止まっているように見えます。その姿が、まるで猿が地上を歩いているように見えることから、「モンキー乗り」と呼ばれたのでした。

(中略)

モンキー乗りを始めた私のことを、「若造が何か始めたわい」という視線で多くの厩舎関係者は見ていたようです。しかし、鼻っ柱の強い私は怯みません。調教でモンキー乗りをしただけではなく、実戦でもモンキー乗りをやってみせました。

周囲からの風圧は相当に強かったはずですが、立派だったのは尾形先生でした。当時では異端だったこの騎乗法についても、尾形先生は何も批判がましいことは言われません。それどころか、「祐二よ、赤石のモンキーはこうだったぞ」と戦前にモンキー乗りに挑戦していた先輩騎手の名を挙げて、私にアドバイスしてくれたのです。先生は私の挑戦を理解し、励ましてくれたのでした。

(「騎手伝」野平祐二)

私の尊敬する野平祐二さんがモンキー乗りに挑戦したのはまだ若い頃でしたが、生粋の中央競馬の騎手課程育ちであり、日本ダービーや凱旋門賞で2着したこともあるベテランジョッキーの蛯名正義騎手にとって、馬を追うための新しいスタイルを取り入れることには大きな心理的葛藤があったに違いありません。別に今までどおり騎乗していても、トップジョッキーであり続けることはできるはずですし、もしかしたら悪い方に出てしまうリスクを考えても、それでも変わることを選んだ背景には、彼にしか分からない何かがあったに違いありません。私の個人的な考えを言わせてもらうと、蛯名騎手は日本ダービーや凱旋門賞で2着したからこそ新しいスタイルを取り入れたのだと思います。勝つためには変わらなければならない、そう思ったのでしょう。

今年に入って、すでにイスラボニータで皐月賞、フェノーメノで天皇賞春を勝ちました。道中は無駄な動きをすることなく静に徹し、最後の直線では迫力満点に馬を動かす。その見事なメリハリが結果に現れています。いよいよ蛯名正義騎手にとって悲願のダービーです。2年前のダービーは、岩田康誠騎手の鬼気迫る手綱さばきの前にハナ差届きませんでしたが、今年は大本命馬で臨むことになりました。しかし、運命というか、競馬の神さまは意地悪ですね。内枠を願っていたはずですが、なんとオレンジの帽子を引いてしまいました。血統的に距離に不安のあるイスラボニータが、道中で馬群の外を回されることになれば、ラスト200mで大逆転が起こる可能性が出てきました。その相手は、おそらく蛯名騎手の盟友である横山典弘騎手の跨るワンアンドオンリーでしょう。

ラスト200mでバテた馬をもたせるために新しいスタイルを取り入れた蛯名正義騎手が粘り込むのか、それとも自らのスタイルを貫き通してきた横山典弘騎手が差し切って2度目のダービーの栄光を手にするのか。もしかすると、2010年のオークスでアパパネとサンテミリオンが繰り広げたような死闘が見られるかもしれない。そんな想像をするだけで、私の胸は熱くなるのです。

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東京芝2400m

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スタンド前からの発走で、スタート地点から第1コーナーまでの距離は349mと平均的な長さ。第1コーナーまでの距離が十分にあるため、無理な先行争いはあまりなく、1コーナーまでには大方の位置取りは決する。コース幅も広く、コーナーも複合カーブであり、直線も長いという全くごまかしの利かないタフなコース設定となっているため、力がなければ勝ち切ることはできない。

直線が長いという意識が各騎手に働くため、どの馬も道中無理をせず折り合いに専念する。そのため、スローペースになり、最後の直線での瞬発力勝負になりやすい。瞬発力に欠ける馬では苦しく、末脚に自信のある差し馬にとっては十分に能力が発揮される舞台である。

以上のことから、東京の2400mを勝つためには、「折り合いがつくこと」「瞬発力があること」「スタミナがあること」という3つの条件を満たしていることが望ましい。まさに、2400mがチャンピオンディスタンスと呼ばれるゆえんを体現しているコースと言えるだろう。

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それはなかったことにするということではなく

Oaks2014 by 三浦晃一
オークス2014-観戦記-
先週に引き続き内田博幸騎手がハナを叩き、前半1200mが73秒4、後半が72秒4というスローペースをつくり出した。前に行った馬と後ろから行った馬が最後の直線で入れ替わった桜花賞とは打って変わって、極端なスローではないが、今の東京競馬場の馬場を考えても、後ろから行き過ぎると届かない流れとなった。とはいえ、人気馬が上位を占めており、展開による大きな有利不利のない、実力が素直に反映されるレースであった。

勝ったヌ―ヴォレコルトは、チューリップ賞、桜花賞でハープスターに惜しくも破れていた鬱憤を、距離が延びたオークスで見事に晴らしてみせた。馬体を見る限りでは、まだ幼さを残していてG1レースを勝ち切るような馬には思えないが、それでもこうして堅実に走るのだから、よほど心臓が良いのだろう。そして、それを支える気性の素直さと気持ちの強さがある。+6kgの馬体重からも分かるように、馬体をフックラと保ち、今回は久々に長距離輸送がないことも大きくプラスに働いた。

岩田康誠騎手は東京競馬場2400mの勝ち方を知り尽くしていているように映る。いつの間にか内ラチ沿いに潜り込み(5枠から第1コーナーまでに内を取るのは意外と難しい)、向こう正面では馬群の中で動かず脚を溜め、3、4コーナーを回りながら少しずつ外に出し、最後の直線では馬場の良いところを選んで追い出す。こうした計算づくの騎乗が実現できるのも、スタートから馬を出して攻めていっているからだ。自分の馬を一歩前に出すことで、外枠から発馬した馬たちを自分の馬の外に回し、隙があれば内に開いたスペースに馬を入れていく。この芸術的なポジション取りがなければ、ハープスターに勝ててはいなかったはず。

それでも、派手なガッツポーズやウイニングランはなく、勝利ジョッキーインタビューでは終始感情を抑えることに徹していた。岩田騎手の複雑な思いが伝わってくるようで、後藤浩輝騎手はどういう気持ちであのインタビューを見たのだろうか。ジョッキーはいつ何時、自分が被害者や加害者になってしまうか分からない、危険と隣り合わせの職業である。岩田騎手は同じ騎手に対して加害者となってしまったわけだが、そこにあった過失は重く受け止めながらも、先に進まなければならない。それはなかったことにするということではなく、先に進めなければ、もし立場が逆転したときに、そこで終わってしまうジョッキーを生んでしまうということだからだ。落ちた方だって辛いが、落とした方だって苦しい。ジョッキー同士は互いに分かっている。そういった意味でも、今回の勝利の意味は大きい。

ハープスターは最後までヌ―ヴォレコルトを追い詰めたが、わずかに届かなかった。ハープスターの器を考えると、伸びなかったというべきだろう。距離が長かった、蹄鉄が外れかけていた、最終コーナーで外に振られたなど、細かい敗因は多く挙げられるが、蓄積されていた疲労があったということが最大のそれである。スタートから序盤こそ完璧であったが、中盤で前を行く馬がバカついたあおりを受け、ハミを少し噛むシーンが見られたのもそれゆえだろう。何度も言うが、ハープスターのようなタイプの牝馬は、他馬から少し距離を離し、周りに馬がいないポジションで気持ちを抜いてあげることが、最後の極限の切れ味につながる。そういう意味で、騎手の勝ちたいと思う気持ちが裏目に出てしまう乗り難しい馬であることは確か。能力の高さは間違いないので、まずは秋までゆっくりと休ませ疲れを取って、凱旋門賞にぜひ今年向かってもらいたい。

バウンスシャッセは非常に惜しい3着。上がりが速い競馬は不向きと見ていたが、それを覆す走りであった。東京開催に勝負を賭けてきている藤沢和雄調教師の渾身の仕上げが実を結んだ。道中は勝ち馬以上に完璧なポジションでレースを進めていただけに、最後の直線でスムーズに前が開いていれば、勝ち負けになったはず。結果論かもしれないが、最終コーナーでもう少し内を突く意識があっても良かったはず。その選択肢があるポジションだっただけに、勝ち馬と同じスペースを狙おうとしたのがもったいなかった。

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日本ダービーを当てるために知っておくべき3つのこと

Derby

■1■乗り替わりは大きなデメリット
「すべての牡馬は生まれた直後から、ダービーを獲るという目標に向かって育てられる」と言っても過言ではない。すべての馴致、育成、調教という点は、ダービーに向かって線でつながっているのである。その線上において、騎手が実戦のレースにおいて競馬を教えていくという役割は大きい。道中を走るリズム、息を入れるタイミングを教え、馬群の中で走ること、馬群を割ることに対する恐怖を取り除くなど、レースをうまく運ぶためのコツを教えていくのは騎手の役割である。

それゆえだろうか、ダービーで乗り替わりがあった馬は、これまでに勝ったことがない。過去16年間で【0・6・4・86】という散々たる結果である。このデータだけを取っても、デビューから競馬を教えてきた騎手が、本番であるダービーで乗り替わることに、どれだけのデメリットがあるかが分かるはずである。

また、連対に絡んだ6頭の内訳は、平成13年のダンツフレーム、平成14年のシンボリクリスエス、平成16年のハーツクライ、平成18年のアドマイヤメイン、平成19年のアサクサキングス、平成22年のローズキングダムとなる。アドマイヤメインとアサクサキングスを除いて、乗り替わり前の騎手が騎乗する馬に、乗り替わられた馬が先着していないということは面白い事実である。

たとえば、平成14年のシンボリクリスエスは武豊騎手から岡部騎手に乗り替わったが、武豊騎手はタニノギムレットでダービーを制した。また、平成16年のハーツクライは安藤勝己騎手から横山典騎手に乗り替わったが、安藤騎手はキングカメハメハでダービーを勝った。このように、ある騎手が乗り替わる前の馬に、乗り替わった後の馬が先着することは少ない。つまり、ダービーを勝つような馬は、どんなことがあってもジョッキーが手放すことはない、もしくは手を離れることはないということである。注)平成13年のダンツフレームの藤田騎手はダービーに騎乗していない。

■2■経験を積んだベテランジョッキー
過去の勝利騎手のほとんどは、経験を積んだベテランジョッキーである。あの武豊騎手でさえ12年もかかったように、ダービーを勝つことは他のG1レースとは比べものにならないほど難しいことなのである。円熟した騎手が活躍している理由として、

1、ダービーという異様な雰囲気の中で、平常心で騎乗できる精神力が求められる
2、ダービーを勝つためには騎手としてのあらゆる経験を生かさなければならない
ということが考えられる。 それ以前に、ダービーを獲れるだけの器の馬を依頼されなければならないし、多数を依頼された場合には、その中からダービーを勝てそうな馬を選択していかなければならない。つまり、ジョッキーとしてのあらゆる技術や経験が求められることになるのである。だからこそ、ダービーというレースは一朝一夕で勝てるはずはなく、騎手にとっても憧れのレースとなり得るのである。


■3■皐月賞からの直行組
ダービーでは皐月賞からの直行組が好走することが多い。直行組以外としては、以下の2つのパターンが考えられる。 1)皐月賞のあとにトライアルレースをはさんだ馬 2)別路線組 最近の傾向として、1)の皐月賞からダービーの間にレースをはさむ馬は少なくなってきている。ほとんどの有力馬がダービーに直行し余力を残している中で、トライアルを使うということは、それだけで十分なディスアドバンテージになるからである。それでも敢えてトライアルを使うとすれば、本番のダービーでは勝負にならないことを見越した上でのことであり、メンバーが落ちるトライアルで賞金を確実に稼ごうという意図が読み取れる。実力的にも足りず、余力も残っていない馬が、本番であるダービーで好走することが難しいことは想像に難くない。

2)の別路線組では、最近ではNHKマイルカップか青葉賞を勝ってきた馬の活躍が目立つ。NHKマイルカップからはキングカメハメハとディープスカイという大物が出ているように、決して相性の悪いレースではない。府中のマイル戦を勝ち切れるスタミナがあれば、2400mもこなせるということである。今後も注目のステップレースとなるには違いないが、中2週というローテーションを考えると、皐月賞からの直行組に軍配が上がるだろう。また、青葉賞からは古いところではエアダブリンが、最近ではシンボリクリスエス、ゼンノロブロイ、アドマイヤメイン、フェノーメノが本番でも好走している。同条件を勝ってきた馬なので当然といえば当然なのだが、完成度がやっと追いついてきたという素質馬が多い。しかし、まだダービーの勝ち馬が出ていないのも事実である。

結論としては、1)のパターンは本番のダービーでは勝負にならず、狙うとすれば2)のパターンということになる。ただし、勝ち馬に限って言えば、皐月賞からの直行組を狙うのが定石だろう。

■参考データとして
1、前走G1レース(皐月賞かNHKマイルカップ)以外で負けている馬は×
2、2000m以上未経験の馬は×
3、前2走で連対なしの馬は×

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牝馬、2歳馬離れしているハープスター:5つ☆

ハープスター →馬体を見る
特に前駆の発達が牝馬離れ、2歳馬離れしており、圧倒的なパワーを誇っている
毛艶が悪く見えるのは洗った直後だからで、胴部の短さからも心配材料は距離だろう。
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ヌーヴォレコルト →馬体を見る
ステイヤーではないが、胴部には長さがあり、血統的にも距離延長は歓迎のくち。
筋肉のメリハリは今一歩だが、顔つきからは気持ちの強さが伝わってくる。
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サングレアル →馬体を見る
半姉ブエナビスタと比べても細く映るように、まだ競走馬としては完成していない。
筋肉が未発達な部分があるので、どうしても全体のシルエットもアンバランスに映る。
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シャイニーガール →馬体を見る
いかにも牝馬らしい細身のシルエットだが、つくべきところには筋肉がついている。
手脚などの各パーツや胴部に長さがあり、距離は延びても全く問題なし。
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ブランネージュ →馬体を見る
前後躯に実がきっちり入って、シンボリクリスエス産駒らしく力強さが前面に出ている。
表情や耳の動きを見ると、周りを気にする気性的な難しさを秘めていることが分かる。
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マジックタイム →馬体を見る
立ち姿のバランスは良くないが、馬体全体のシルエットや肉付きは素晴らしい。
毛艶も冴えていて、胴部には長さがあって距離は延びてこその馬である。
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マーブルカテドラル →馬体を見る
前後躯ともにしっかりと実が入って、馬体全体のシルエットは非常に美しい。
この時期の牝馬にしては馬体の完成度は高く、折り合いがつけば距離も克服できそう。
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ベッラジーナ →馬体を見る
気持ちは強そうだが、このメンバーに入ると、線が細く、幼さを残している馬体。
この馬体でG1レースに出走できたことが素質の現れで、馬が良くなるのはもっと先。
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フォーエバーモア →馬体を見る
もう少しふっくらとしてほしいが、現時点では負荷を掛けつつギリギリの仕上げ。
若干のパワー不足を感じるが、気性の素直さは伝わってくるため力は出し切れる。
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バウンスシャッセ →馬体を見る
馬体重も500kgを超える巨漢馬で、腹袋も立派で、牝馬らしからぬ好馬体。
その分、重さを感じさせるし、手脚が短いため重心が低く、距離延長は疑問。
Pad4star

パシフィックギャル →馬体を見る
これと言って特筆すべき点はないが、全体的にまとまっていて欠点もない。
腹回りに余裕を感じさせるように、もうひと絞りして筋肉のメリハリがほしい。
Pad3star

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前にいる馬は必ず捕える習性を身につけた馬

Jiromaru

「ハープスターは前を行く馬は必ず捕えるといった習性が身についている」(週刊Gallop「GⅠ観戦記」より)という岡部幸雄元騎手の言葉は、まさにハープスターを評価するための適格な表現だと思いました。競馬というスポーツは、サラブレッドの背に騎手が跨り、後ろから追ってくる敵から逃げようとして必死に走るという、馬の草食動物としての特性を利用して競走しています。どれだけ後ろから差してきているように映っても、馬の心情としては、騎手に駆り立てられ、何かから逃げるようにして走っているのです。しかし、ごく稀に、前にいる馬を捕えるという習性を身につけた馬が現れます。逃げる馬ではなく、追いかける馬です。

追いかける馬として、私の頭にまず浮かぶのはブエナビスタです。私にとっての史上最強牝馬の座をエアグルーヴから奪い取ったブエナビスタは、決して肉体的に恵まれていたわけではありませんが、その天性の脚の速さを生かし、どのレースでも気力を振り絞って、前にいる馬たちを必死に追いかけました。前にいる馬を全て捕えると、スッと気を抜いて、それまでは後ろに絞っていた耳を緩めて前方に向ける姿を何度見たことでしょうか。こういう馬は意外と着差をつけて勝たないもので、ゴール板を知っているのではと私たちに思わせるほどキッチリと差し切ってみせます。

ブエナビスタの真骨頂が現れたのは2009年のオークスでした。このときまで阪神ジュベナイルFと桜花賞を含め、4連勝をしてきたブエナビスタの体調は、決して優れているとは言えませんでした。そのことは秋以降のブエナビスタの不振を見てもらえば分かりますが、このオークスは疲労がピークの状態にあったはずです。もちろん、能力の絶対値が違うため、圧倒的な人気に推されましたが、1頭だけブエナビスタに捕まるまいとする馬がいたのです。3戦目の桜花賞でブエナビスタの2着したレッドディザイアは、オークスに照準を合わせて仕上げられ、体調はピークの状態でした。しかもレッドディザイアは、内枠を引き、道中は終始経済コースを進み、満を持して最後の直線で逃げ込みを図ったのでした。

私はこのレースを東京競馬場のスタンドから見ていました。馬群からもの凄い勢いで飛び出したレッドディザイアを、ほぼ最後方の大外からもの凄い勢いで追いかけるブエナビスタ。馬群が最終コーナーを回った時点で、ブエナビスタの単勝馬券を握っていた私は、もう座っていることができませんでした。これだけ長いこと競馬のレースを観ていると、前を行く馬と追いかける馬の脚色と直線の長さを瞬時に計算して、逃げ切れるか、届きそうかどうか、ほぼ確実に予見することができるようになります。このオークスの直線では、私の感覚ではブエナビスタがレッドディザイアを差し切るのは絶望的に見えました。

それでもブエナビスタは最後まで一時もあきらめることなく、集中力が途切れることはなく、脚色が衰えることもなく走りました。ラスト50mぐらいのところでは、さすがに私も思わず声が出てしまいました。まさか差し切れるとは思えませんでしたが、なんと最後の最後に差し切ったという確信に一変したのでした。写真判定の結果、ブエナビスタはレッドディザイアをハナ差で捕まえていました。あの距離感を差し切るのは、ジョッキーに叱咤激励されて、見えない敵から逃げようとしている馬には不可能です。何かから逃げるという意識ではなく、前を行く馬は必ず捕えるといった習性が身についている馬でなければできない走りだったのです。

松田博資調教師をして、「ブエナビスタ以上の器」と評されるハープスターも追いかける馬です。桜花賞も直線だけであっという間に他馬を差し切り、捕え切ったあとは、耳をすっと前方に向けていました。オークスでもどんな走りを見せてくれるのか楽しみですが、追いかける馬ゆえの心配材料もあります。「それゆえに、今回のようなレースが続くと体にかかる負担が大きくなるのではないかと心配してしまう…」(前述)と岡部元騎手が言うように、毎レース33秒台もしくは32秒台の脚を使うことによる肉体的な負担は必ずあるということです。ブエナビスタはそれでもオークスはなんとか凌ぎましたが、ハープスターの肉体的な疲労度はいかなるものか、思わぬ凡走をしても私は不思議ではないと思っています。

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オークスを当てるために知っておくべき3つのこと

Oaks

■1■オークスを勝つための条件
牝馬クラシックにおける、桜花賞1600m→オークス2400m→秋華賞2000mという距離の伸縮には少なからず問題点があるだろうが、実際のところ、オークスは2400m戦のレースであっても、内容(実質)的には1600m~2000m程度のものになってしまうことが多い。なぜなら、どの馬にとっても2400mは未知の距離となるため、各騎手に前半大事に乗ろうという気持ちが働き、ペースが遅くなるケースが多いからである。道中はゆっくりと行って、ラストの瞬発力勝負というレースになりがちで、そのため、オークスを勝つために条件となるのは、「スローペースに折り合える」、「瞬発力がある」という2点となる。

■2■桜花賞組が有利
また、桜花賞からの直行組の活躍が顕著なのは、桜花賞組の完成度が高いからである。スローペースに折り合うことができれば、たとえマイラーでもオークスの2400mは十分にこなせてしまう。最終的に問われるのは「絶対能力」であり、桜花賞で勝負になるだけのスピード(瞬発力を含む)、スタミナがあれば、それがそのままオークスでも十分通用してしまう。よって、別路線組よりも完成度(現時点での「絶対能力」)がはるかに高い、桜花賞組が有利になるのである。

■3■桜花賞→オークスの連覇が少なかった理由
なぜ桜花賞→オークスという連覇が少なかったかというと、

1、桜花賞馬はスピードが勝っている傾向があった
2、桜花賞で力を出し尽くしている という2点が考えられる。

1については、阪神競馬場が改修される以前の桜花賞を勝つような馬は、全体的なバランスとしてスピードが勝っている傾向が強かったので、「スローペースに折り合える」「瞬発力がある」のどちらかを満たしていないことが多かった。もちろん完成度が高いため好走はするのだが、それだけではオークスを勝ち切ることは難しい。

2については、桜花賞を勝つために力を出し切ってしまった馬が多く、1ヶ月半後のオークスまで体調を維持することができないことが多い。この時期の牝馬の体調は変わりやすいのである。つまり、余力を残して桜花賞を勝つか、余程能力が他馬と比べて抜けているかでないと、桜花賞→オークスという連覇は難しい。
阪神競馬場が大幅に改修されて以降の桜花賞馬の次走を見てみると、

2007年 ダイワスカーレット→ローズS1着
2008年 レジネッタ→オークス3着
2009年 ブエナビスタ→オークス1着
2010年 アパパネ→オークス1着
2011年 マルセリーナ→オークス4着
2012年 ジェンティルドンナ→オークス1着
2013年 アユサン→オークス4着

と桜花賞馬とオークスが直結しつつあることが分かる。

阪神競馬場の改修を境として、桜花賞を勝つために求められる条件が一変した。つまり、仕上がりが早く、スピードの勝った馬が有利だったが、今やスローペースにしっかりと折り合えて、瞬発力に秀でていて、クラシックを目の前にしてグンと成長してくる馬が有利になったのだ。しかも、マイル以上の距離を走ることのできるスタミナの裏づけが必要になってくる。これらの条件を満たして桜花賞を勝利した馬は、よほど体調を崩してしまわない限り、距離が延びても同じ適性が問われるオークスで凡走することは考えにくいということになる。

■参考として
1)1600m以上のレースで連対したことのない馬は×
2)たとえ桜花賞であろうとも、前走が着外であった馬は×
3)重賞未経験の馬は×
4)連対率が50%以下の馬は×
5)桜花賞のあとレースを使った馬は×

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おかえりなさい


ヴィクトリアマイル2014-観戦記-
ヴィルシーナが得意のロケットスタートを決め、クロフネサプライズからハナを奪い、創り出した流れは、前半マイルが46秒2、後半が46秒1というイーブンペース。前が止まらない今の東京競馬場の高速馬場を考慮に入れると、先行した馬たちにとって有利なレースとなった。さらに、それほど速いペースにならなかったことに加え、仮柵を少し外に動かしたことによって、先週のNHKマイルCと同様、芝の状態の良い内ラチ沿いで脚を溜めることのできた馬たちの末脚が最後に勝った。

ヴィルシーナは史上初のヴィクトリアマイル連覇となった。昨年はホエールキャプチャの連覇をハナ差凌ぎ、今年は自身が連覇を達成したのだから、よほどこのレースに対する適性が高いのだろう。昨年の単勝310円に対し今年は単勝2830円と、昨年の覇者がこれだけ人気を落とした上で(完全に盲点となって)勝利してしまうレースも珍しい。この1年間、全く力を出し切れていなかったということでもあり、それでもこの馬を信じて復活させた陣営の地道な努力には拍手を送りたい。試行錯誤した様子はヴィルシーナのチークピーシズにも表れていて、今日は最後まで集中して走っていた。

内田博幸騎手にとっても、1年ぶりのG1勝利となった。今年に入ってから不振を極めているだけに、完全復活とまではいかないが、ようやく光が見え始めたのではないか。戸崎圭太騎手の中央移籍によって少しずつ力学が変わりつつあり、それを挽回するための一か八かの騎乗が裏目に出たり、チグハグな競馬が目につくようになった。どこが具体的に(技術的に)悪くなったということではなく、全てが悪循環してしまっている。内田博幸騎手は元々外様なだけに、関東でリーディングを走っているぐらいの勢いがないと、栗東(関西)から良い馬の騎乗を頼まれにくくなってしまう。

メイショウマンボは内ラチ沿いをスルスルと伸びたが、わずかに届かず2着。最高のポジションでレースができていただけに、この馬本来の調子になかったということだろう。昨年を通じて、極限のレースを繰り返したことにより蓄積されたダメージは計り知れないが、変に燃えすぎるところもなく、非常に精神的に安定しているので、他の牝馬に比べれば回復も早いはず。この馬には1400m戦を勝ったスピードと切れがあり、2400mを制したスタミナと我慢強さがある。秋には再び大きなレースを狙えるよう、飯田祐史調教師にはじっくりと調整してもらいたい。

ストレイトガールの走りには驚かされた。内ラチ沿いでスタミナのロスを最小限に抑えられたことも功を奏したが、最後まで伸び切ったように、府中のマイル戦をこなせるだけの十分なスタミナもあることを証明してみせた。体調がもっと良い時期であれば、突き抜けていたかもしれないと思わせるほどの好走であった。騎乗停止明けの岩田康誠騎手は、直線ではムチを使うことなく、周りを気遣いながらの慎重な騎乗に徹しているのが痛いほどに伝わってきた。これを機に、角を矯めるのではなく、騎乗技術を磨き、さらに上のレベルの騎手を目指してもらいたい。

1番人気に推されたスマートレイヤーは、出遅れることなくレースの流れに乗ったものの、最後の直線では弾けることなく凡走してしまった。強烈な差し切りの次のレースではよくある現象で、レースの流れが全く違うことに馬が戸惑っていたし、正攻法で勝ち切れるだけの力がまだこの馬には付いていないということである。ホエールキャプチャは、年齢的なものもあるのか、この馬としては完璧なレースをして(3年ともに同タイム1.32.4)、精一杯の力を出し切っての4着であった。デニムアンドルビーは追走に手いっぱいで、この馬本来の末脚が使えなかった。体が増えていなかったように、このレベルの戦いで勝つにはもう少し馬体重が必要か。

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デニムアンドルビー遠征帰りの疲れなし:5つ☆

ケイアイエレガント →馬体を見る
これといった強調材料はないが、前後躯に実が入って牝馬としては力強い。
胴部に斑点が見えるように、毛艶も良好で、この馬の力を出し切れる体調にある。
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エクセレントカーヴ →馬体を見る
ダイワメジャー産駒にしては胴部に伸びがあるため、府中のマイル戦はベストだろう。
馬体全体にもう少しパワーがほしいが、ひと叩きされて、体調自体はアップしている。
Pad3star

ヴィルシーナ →馬体を見る
良かった頃と比べて、明らかにどこがどう違っているという馬体のポイントはない。
とはいえ、毛艶や筋肉のメリハリひとつを取ってみて、昨年と比べてどこかパッとしない。
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ウリウリ →馬体を見る
胴部が詰まっており、前駆の強さを見ても、スタミナよりもスピードで勝負するタイプ。
毛艶も良く体調は万全だが、速い脚が一瞬しか使えないため、乗り方が難しい。
Pad3star

ストレイトガール →馬体を見る
暖かくなってきたにもかかわらず、毛艶が冴えず、筋肉のメリハリという点でも今一歩。
胴部にはある程度の長さがあるので距離は心配なく、表情から闘争心は衰えていない。
Pad3star

メイショウマンボ →馬体を見る
あまり良く見せないタイプではあるが、ひと叩きされた今回もトモの実の入りが足りない。
心臓で走る馬なので馬体は気にしなくてもよいが、あとは気持ちが戻っているかどうか。
Pad3star

フーラブライド →馬体を見る
胴部が長方形に映るように、長さはあるが、やや柔軟性に欠けるところがある。
パワータイプであることは間違いなく、さらに気持ちの強さが表情からも伝わってくる。
Pad3star

ラキシス →馬体を見る
古馬になって成長はしているが、それでも全体的に線が細く、特にトモが物足りない。
筋肉が柔らかく、全体のシルエットも良いので、将来的にはもっと強くなるはず。
Pad3star

デニムアンドルビー →馬体を見る
ドバイ遠征帰りを感じさせない、筋肉の柔らかさと皮膚の張りを保っている。
表情も素直そうで、マイルの速い流れであれば、折り合いにも心配はないだろう。
Pad5star

スマートレイアー →馬体を見る
腰高の馬体からも、スピードを主体とした瞬発力で勝負するタイプ。
トモの実の入りにやや物足りなさを感じるが、馬体全体の柔らかみは素晴らしい。
Pad4star

ホエールキャプチャ →馬体を見る
背中のラインが水平に見えるように、基本的には中距離馬のシルエットを誇る。
全体のラインは細く見えるほどで、古馬になってとにかく無駄な筋肉が削げている。
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Victoriam2014wt

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後藤浩輝騎手の落馬事故について

Jiromaru

先月27日に行われた府中市市制施行60周年記念にて、後藤浩輝騎手の乗るジャングルハヤテが、外側に斜行した岩田康誠騎手のリラコサージュに躓く形で転倒し、後藤騎手は落馬、ターフに叩きつけられ、頸椎棘突起を骨折するという重傷を負いました。2年前にNHKマイルCで起こったアクシデントを再現したようなシーンに息をのみ、なぜまた同じことがと驚きを隠せない競馬ファンも多かったのではないでしょうか。長いリハビリの期間を経て、ようやく復帰したばかり後藤騎手がまたもやこのような目に遭うという事態に、世の理不尽を感じたのは私だけではないはずです。

今回の落馬事故の特異性は、同じ騎手が加害者であり被害者であるという点にあります。加害者と被害者と書いてしまうと、公平性を欠いてしまう気がするので、事故の直接の原因をつくった騎手とその被害に遭った騎手が同じということです。しかも府中の最後の直線における攻防において起こったというおまけつき。このことだけを取り上げて、岩田騎手だけを断罪し、後藤騎手を憐憫することにあまり意味はありません。後藤騎手が岩田騎手に対し、「なんとも思っていません。だって、わざとやったわけじゃないし、ぼくだって、いつ逆の立場になるかわからないんですから」と語った(NumberWeb5/2)ように、故意に落馬事故を起こす騎手はいないし、次は自分が加害者になってしまうかもしれない面もあるのです。

それでも、なぜ同じ騎手が同じ騎手に対して甚大な落馬事故を起こしてしまったのか。単なる偶然にすぎないのかもしれませんが、その中にも必然的な要素があるのではないか。そう考えて、2年前のNHKマイルCと今回のレースのリプレイを何度も見直してみました。そこに人為的なミスはなかったのか、それが分かれば、もしかしたらこれから先に起こるかもしれない落馬事故を防げるかもしれないと思ってもみたのです。

たしかに、落馬したケースだけを取り上げて、クローズアップすると、岩田騎手の直線での進路の取り方は乱暴に見えます。非を責められても弁解の余地はないと思います。とはいえ、岩田騎手だけの特殊なケースかというとそうではなく、競馬が行われているところであれば、ある程度、直線で見られる光景といえば光景です。同じような状況で、危なかったけれど落馬には至らなかった未遂など、星の数ほど存在します。

私が最終的に至った答えは、「この2人が共にアグレッシブであり、危険を顧みない勇敢さを持ち、ひとつでも騎乗馬の着順を上げようと誠実に騎乗することで評価を勝ち取ってきたジョッキーである」ということです。突っ込むか待つかという判断を迫られたら、迷うことなく前者を選択し、身体が自然に動いているというタイプです。だからこそ、最後の直線では馬群の中にいて、お互いの馬同士の距離は極めて近く、狙っているスペースも同じであることが多い。そして、なぜ後藤騎手ばかりが被害に遭ってしまうかというと、現時点では岩田騎手の方が脚のある馬に乗っているからです。皮肉なことに、脚がない(バテている)からこそ先にスペースに入られたり、前をカットされたり、また躓いたときに踏ん張りがきかずに馬が前のめりに倒れてしまうのです。

情けないことに、今回の落馬事故に関して、私にできる提案はなさそうです。今週のヴィクトリアマイルも新旧の女王が揃いましたが、人馬ともに無事にゴールインしてくれることを願います。

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ヴィクトリアマイルを当てるために知っておくべき2つのこと

Victoriamile

■1■短距離馬がもってしまうレースから底力勝負へ
府中のマイル戦といえば、字ズラ以上にスタミナが要求されるレースなのだが、ことヴィクトリアマイルに関していえば、そうとは言い切れない結果が出ている。2頭のフジキセキ産駒が勝利しているように、2009年、2010年のウオッカ、ブエナビスタらは別として、どちらかというとマイル以下を得意とする馬が勝ち切っているレースであった。その理由はレース自体のペースにあった。

12.6-11.2-11.6-12.1-12.2-11.4-11.3-11.6(47.5-46.5)S
1:34.0 ダンスインザムード
12.3-10.8-11.7-11.8-11.6-11.2-11.2-11.9(46.6-45.9)M
1:32.5 コイウタ
12.4-11.3-12.0-12.2-12.1-11.2-11.0-11.5(47.9-45.8)S
1.33.7 エイジアンウインズ
12.2-10.8-11.7-12.0-11.9-11.2-10.8-11.8(46.7-45.7)S
1:32.4 ウオッカ
12.2-10.6-11.0-11.7-12.0-11.6-11.3-12.0(45.5-46.9)H
1:32.4 ブエナビスタ
12.0-10.6-10.9-11.1-11.3-11.6-12.0-12.4(44.6-47.3)H
1:31.9 アパパネ
12.2-10.9-11.3-12.0-11.8-11.5-11.2-11.5(46.4-46.0)M
1.32.4 ホエールキャプチャ
12.4-10.8-11.4-11.7-11.9-11.4-11.2-11.6(46.3-46.1)M
1:32.4 ヴィルシーナ

ヴィクトリアマイルが新設されてから最初の4年間は、ほとんどのレースは前半が遅くて、後半が速いという、G1レースのマイル戦では珍しい後傾ラップであることが分かる。道中で引っ掛かることや東京競馬場の長い最後のストレッチを心配して、牝馬同士であることを含め、あまりガンガンやり合うような競馬にならなかったからである。マイル以下に適性があるような短距離馬でも、なんとかもってしまうというレースになりやすかったが、ここ数年は状況に変化が見られる。

2010年からは道中のペースが上がり、スローの瞬発力勝負になるレースが見られなくなった。そのことによって、ブエナビスタに始まり、アパパネ、ホエールキャプチャ、ヴィルシーナと、マイル戦以上のレースで好勝負を繰り広げてきた名牝たちによる、単なるスピードだけではなく、スタミナも問われる底力勝負となっている。

■2■近走で牡馬を相手に好勝負出来ていた馬
過去のほとんどの勝ち馬に共通する条件は、「近走で牡馬を相手に勝ち負けできていた」ということである。第1回の勝ち馬ダンスインザムードは、天皇賞秋3着、マイルCS4着、マイラーズC2着と、牡馬を相手に近走で互角に走っていた。第2回の勝ち馬コイウタも前走はダービー卿チャレンジで2着に入っていた。さらに言えば、ダンスインザムードの2着したエアメサイアも、前々走の中山記念で牡馬の3着と好走していた。ウオッカやブエナビスタ、アパパネは言わずもがなである。牝馬同士のG1レースであるがゆえ、牡馬と好勝負出来ているということの意味は大きい。

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シンプルに5連勝

Nhkmilec2014 by 三浦晃一
NHKマイルC2014-観戦記-
ダッシュよく飛び出したミッキーアイルが刻んだペースは、前半マイルが46秒6、そして後半マイルも46秒6という完全なるイーブンペース。一昨年にカレンブラックヒルが勝ったときと同様のラップ構成であり、NHKマイルCというレースの特性を考えても、このメンバーとしては遅めの流れ。これぐらいのペースに落とさないと、府中のマイル戦を逃げ切るのは難しく、ミッキーアイルにとっては望んだとおりレースであった。スローの流れの中、上位には馬群の内で脚を溜めることができた馬たちが、長い直線を活かして差し込んだ。

勝ったミッキーアイルの武器は、天性のスピードとセンスの良さである。スピードの絶対値が違い、また馬体にパワーもあるため、ゲートが開いてから、すぐに他馬よりも一完歩前に出ることができる。無理をすることなく先頭に立ち、あとはこの馬のリズムで走るのみ。先頭に立つとすぐに耳を前に向けてリラックスして走ることができる気性も、この馬の長所である。道中で力みがないため、スタミナを無駄にロスすることがない。シンプルに5連勝を積み上げたといえる。とはいえ、馬体は未完成であり、今回はペースにやや恵まれた感もある。まだ成長の余地を残している馬だけに、まずは馬を一旦休ませて、秋に備えてもらいたい。

浜中俊騎手は、スタートからゴールまで、迷いなくミッキーアイルを導いた。下手に抑えても意味がなく、乗っているだけで先頭に立ってしまうことは確実。逃げたくないのに逃げてしまったドバイのデニムアンドルビーのケースとは全く異なる、自信満々の逃げであった。さすがに府中の直線は長く感じただろうが、ミッキーアイルは最後まで止まっておらず、着差以上の完勝であった。日本人離れした肉体的資質を持っているジョッキーだけに、日本国内での活躍はもちろん、この先は海外遠征や国外での騎乗も視野に入れてほしいと思うのは私だけではないはず。

2、3、4着に入ったタガノブルグとキングズオブザサン、ロサギガンティアは、内枠を引き、道中は脚を溜め、最後の直線に賭けたことが吉と出た。1頭分前にいたタガノブルグが先に抜け出た分、キングズオブザサンに先着した格好となった。三浦皇成騎手は惜しくも初G1勝利を逃してしまった。おそらく遠くない未来に、人気馬ではなく、今回のような人気薄でG1を勝つ日がくるだろう。蛯名正義騎手は相変わらず乗れている。今回もまた無欲の騎乗で力を引き出した。ロサギガンティアは距離云々もあるが、それよりもスプリングS時がピークの体調にあったのではないか。

牝馬として最先着したホウライアキコは良く走っている。今回はミッキーアイルを追いかけすぎたが、勝ちに行っての5着だけに価値は高い。マイルまでの距離であれば、牡馬に混じっても力上位であり、また今年の3歳牝馬のレベルの高さを証明してみせた。同じく牝馬のベルルミエールは、外から同型のホウライアキコに被せられ、常に苦しいポジションで競馬を強いられてしまった。馬を外に置くと良くないタイプなのだろう。ショウナンアチーヴは、前走ニュージーランドTは展開に恵まれた感があり、今回は最高の競馬をしての5着と力通りの結果であった。

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5つ☆評価なしもベルルミエール◎

アトム →馬体を見る
母父ラーイの影響もあり、最近のディープインパクト産駒としては胴が短い。
その分、がっしりと筋肉が詰まっており、休み明けとしてはキッチリ仕上がった。
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アドマイヤビジン →馬体を見る
胴部には十分な長さがあり、馬体全体のシルエットは中距離馬のそれ。
トモにも素晴らしい量の筋肉がついており、牡馬の一線級にも引けを取らない好馬体。
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エイシンブルズアイ →馬体を見る
アバラ骨が浮いて、筋肉が幾層にも割れて、しっかりと鍛え上げられているのが分かる。
顔つきを見ると、幼さを残していて、精神面での完成度においては物足りない。
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カラダレジェンド →馬体を見る
腰が垂れて映るように、前躯に比べて、トモに筋肉が付き切っていない。
その分、ダッシュ力や一瞬の切れ味という点で、このメンバーに入ると見劣りする。
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サトノルパン →馬体を見る
胴部や手脚に長さがあって、馬体全体のシルエットは、距離が延びて良さが出るタイプ。
筋肉のメリハリに物足りなさがあり、鍛えられて将来的に伸びる馬であろう。
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ショウナンアチーヴ →馬体を見る
完成度の高かった2歳時の馬体に比べて、筋肉が落ち、馬体全体のラインも見劣りする。
ニュージーランドTは勝ったが、体調に不安があって、完調に至るのはまだ先。
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ショウナンワダチ →馬体を見る
血統的には明らかな短距離馬だが、馬体だけを見るとマイル戦でも十分に戦えそう。
筋肉のメリハリという点では物足りず、もう少し負荷を掛けられるようになれば。
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タガノブルグ →馬体を見る
ふっくらとして体調は良さそうだが、胴周りには余裕があってもうひと絞りほしい。
全体的にパワータイプで、この馬にとって現時点ではマイル戦がベストか。
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ホウライアキコ →馬体を見る
腹が巻き上がって映るように、今季3戦目でギリギリの仕上がりにある。
前駆は力強く牝馬離れしており、腰高の馬体はいかにもスピードがありそう。
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ミッキーアイル →馬体を見る
良質の筋肉が全身についているが、筋肉のメリハリという点では未完成。
それでいてここまで走っているのは、卓越したスピード能力と高い資質の賜物。
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ロサギガンティア →馬体を見る
全身のシルエットがぼんやりしているように、馬体全体がメリハリに欠ける。
重心が低く、前後駆にしっかりと実は入っており、距離はマイル前後がベストか。
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Nhkmilec2014wt_2

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福永祐一を男にした牝馬たち

Jiromaru

昨年の菊花賞をエピファネイアで制するまで、福永祐一騎手は牡馬クラシックをなかなか勝てないと言われてきましたが、裏を返せば、牝馬クラシックにおいては多くの勝利を積み重ねてきたということです。その輝かしい実績の中でも、2005年の牝馬クラシックにおける活躍は福永祐一騎手の礎を築いたと言っても過言ではありません。この年、福永祐一騎手にはラインクラフトとシーザリオという、今から見ても歴史に残る2頭のお手馬がいました。春シーズンは、この2頭で桜花賞、オークス、そしてNHKマイルCの3つのレースを勝ちました。しかもその勝ち方は変幻自在で、もう1度同じ乗り方をしろと言われても難しいような見事な騎乗だったのです。

私は福永祐一騎手がひとつのきっかけを掴んだレースは、デビュー3年目のプリモディーネで勝った1999年の桜花賞だったと思います。このレースで福永祐一騎手はプリモディーネを最後方近くまで下げ、最後の直線で末脚を爆発させてトゥザビクトリーを差し切りました。あれだけ後ろから行っても勝てる、あれだけギリギリまで追い出しを待たないとG1レースは勝てないということを肌で感じたレースだったと思います。仕掛けが早いとか、追い出しを我慢するとか、言葉で言うのは簡単です。どのジョッキーも頭では分かっているつもりでも、なかなかそれを実行して結果に結びつけることができないのは、そういった強烈な成功体験をしたことがあるかどうかが重要だからです。ジョッキーとしてのキャリアの早い時期に、プリモディーネの背中や手綱を通して、そういうレースができたことは福永祐一騎手にとっては運が良かったと思います。

我慢すること、待つことの大切さを知っているからこそ、逆にここぞという場面では思い切って先行することもできるのです。2005年にラインクラフトで臨んだ桜花賞はまさにそんなレースでした。もし負けるとすれば、もう1頭のお手馬であるシーザリオと福永祐一騎手が考えたのは当然ですし、運の悪いことにラインクラフトは8枠17番を引いてしまったのです。この枠を引いてしまうと、選択肢はふたつ。思い切って先行するか、後ろまで下げて末脚に賭けるか。シーザリオがいなければ、後者を選択したかもしれませんが、どれだけ溜めてもスタミナに勝るシーザリオを差し切ることは難しいと判断したのでしょう。福永祐一騎手はシーザリオの前のポジションを取りに行きました。結果としては、シーザリオが細かなミスをしてくれたおかげで、ラインクラフトは頭差で勝利を収めました。

ラインクラフト陣営が次走に選んだのは、オークスではなくNHKマイルCでした。当時、外国産馬やキングカメハメハのような屈強な牡馬が勝っていたレースだけに、牝馬クラシック路線を捨てて、あえてNHKマイルCに出走する牝馬は今よりも珍しい時代でした。福永祐一騎手がシーザリオにも乗れるようにという瀬戸口元調教師の配慮もあったと思いますが、ラインクラフト自身がマイラーであり、オークスではシーザリオに適わない(たとえ相手がミスをしたとしても府中コースでは挽回されてしまう)という緻密な計算もあったはずです。この読みは見事に的中し、ラインクラフトはペースが遅かったとはいえNHKマイルCを牡馬相手に勝利し、シーザリオはオークスで歴史に残る末脚を披露して力の違いをみせつけました。

「この時期までは、牝馬は完成度が高いので、マイル戦まだったら牡馬と勝負になる」、という社台グループの吉田照哉代表の言葉を今でも覚えています。夏を越して牡馬がぐっと成長してしまうと牝馬にとっては苦しく、また距離が長いとスタミナの差が出てしまうという意味でした。サラブレッドの性差を分かりやすく語った言葉は、ラインクラフトが勝利したあとだけに余計に腑に落ちました。東京競馬場のマイル戦はタフなレースですが、NHKマイルCは牝馬と牡馬の区別なく狙おうと思っています。その後、ピンクカメオが勝ったのみですが、またいつか牝馬が勝利する日も来るのではないでしょうか。

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東京芝1600m

Tokyo1600t

向こう正面の直線入り口からのスタートで、第1コーナーとなる3コーナーまでの距離は566mとかなり長い。スタートしてから緩い下りが続くことも加わって、前半から速いラップが刻まれることになる。“向こう正面でスピードが出てしまうこと”、“「直線が長く坂があること”の2つの理由によって、連対馬中の逃げ馬の比率が約12%という、「日本で最も差し馬が有利なコース」である。

コーナーの数が2つしかないことと、複合カーブであることによって、同じ1600mでも、中山競馬場のそれと比べるとごまかしが利かないコース設定になっている。マイル以上の「スタミナ」が要求され、スピードだけで押し切るのは難しいコースである。

ペースによって内外の有利不利が違ってくるコースであり、スローに近いペースであれば内、ハイペースに近ければ外の方が勝ちポジとなる。また、差し馬に有利とはいえ、東京競馬場の馬場状態は絶好であることが多いため、特に上級クラスになればなるほど、前に行った馬もそう簡単には止まらない。ペースやクラスに応じて柔軟に狙ってみるべき。

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NHKマイルCを当てるために知っておくべき2つのこと

Nhkmilec

■1■マイル以上のスタミナと完成度の高さが求められる
過去18年の優勝馬の前走距離と着順を見てみたい。

タイキフォーチュン→ 毎日杯(2000m)1着 
シーキングザパール→ ニュージーランドトロフィー(1400m)1着
エルコンドルパサー→ ニュージーランドトロフィー(1400m)1着
シンボリインディ→ マーガレットS(1600m)1着
イーグルカフェ→ ニュージーランドトロフィー(1600m)7着
クロフネ→ 毎日杯(2000m)1着
テレグノシス→ スプリングS(1800m)2着
ウインクリューガー→ 毎日杯(2000m)8着
キングカメハメハ→ 毎日杯(2000m)1着
ラインクラフト→ 桜花賞(1600m)1着
ロジック→ニュージーランドトロフィー(1600m)3着
ピンクカメオ→桜花賞(1600m)14着
ディープスカイ→毎日杯(1800m)1着
ジョーカプチーノ→ニュージーランドトロフィー(1600m)3着
ダノンシャンティ→毎日杯(1800m)1着
グランプリボス→ニュージーランドトロフィー(1600m)3着
カレンブラックヒル→ニュージーランドトロフィー(1600m)1着
マイネルホウオウ→ニュージーランドトロフィー(1600m)7着

シーキングザパールとエルコンドルパサー以外の馬は、前走で1600m以上のレースをステップにしている。そして、半数以上の馬は前走でも勝っているということが分かる。

最初に、ほとんどの勝ち馬が前走で1600m以上のレースをステップにしているのは、東京競馬場のマイル戦では、スピードだけではなくスタミナがないと勝ち切ることはできないからである。特にNHKマイルカップはハイペースになることが多く、最後のひと伸びができるスタミナや底力が問われることになる。

つまり、マイル戦がギリギリといったスピードタイプの馬ではなく、中距離を走り切ることのできるスタミナを兼ね備えていなくては、NHKマイルカップを制することは出来ない。例外的存在であるシーキングザパールにしてもエルコンドルパサーにしても、1600m以上の距離をこなせる十分なスタミナを兼備していた。このレースに出走してくる以上、どの馬も豊富なスピードを有しているのは当然と言えば当然で、最後に勝敗を分けるのはスタミナの有無なのである。

ほとんどの勝ち馬が前走でも勝っているのは、この時点での完成度の高さが勝ち馬に求められるからである。ポロポロと取りこぼしていたり、アッサリと負けてしまっていたりする馬では勝負にならない。G1レースである皐月賞、桜花賞組は別として、前走をキッチリと勝って臨んで来られないようでは、非常に高いレベルの要求されるこのレースでの好走は厳しい。

■2■ニュージーランドT組で展開が向かなかった馬が狙い
中山のマイル戦に条件変更されて以来、ニュージーランドトロフィーでの着順が、そのまま本番へと結びつかなくなっている。中山のマイル戦と府中のマイル戦ではあまりにも条件が違いすぎて、ニュージーランドトロフィーでの成績をそのまま信用することができないということである。これまでのパターンから述べると、イーグルカフェ、ロジック、マイネルホウオウのようにコース適性の差で追い込み切れず負けてしまった馬、またジョーカプチーノのように前潰れのハイペースに巻き込まれた馬など、極端な展開が向かなかった馬に限っては、本番で巻き返せる可能性があると考えてよい。

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もし凱旋門賞を制することがあるとすれば


天皇賞春2014-観戦記-
サトノノブレスが内枠を利して先頭に立ち、ペースメーカーとして、前半の1000mが61秒7という緩やかな流れをつくりだした。同じ良馬場で行われた昨年が59秒4だから、今年がいかにスローペースであり、ヨーイドンの瞬発力勝負になったかが分かる。スローペースの長距離戦においては、折り合いがついていること、馬群の内の経済コースを走られているかどうかがポイントとなる。そうでない馬たちは、いくらスタミナが問われない遅い流れとはいえ、最後の直線で伸びあぐねてしまうことになる。

メジロマックイーンとライスシャワー、テイエムオペラオーに続き、フェノーメノが天皇賞春を連覇した。この事実だけで、フェノーメノの強さと偉大さが分かる。しかも、昨年の上がりの掛かる競馬と今年の瞬発力勝負のレースのいずれをも制してのものだけに、より価値は高い。スピードとスタミナ、パワーを兼ね備えているだけではなく、2度の坂越えを乗り越えるだけの精神力と執念が並外れている。絶好調であった昨年には及ばなかったが、休み明けをひと叩きされてガラッと変わるあたりも、ライスシャワーを彷彿とさせていかにもステイヤーらしい。このあとは馬の様子を見て、宝塚記念ではなく、秋の凱旋門賞を目指してほしい。

蛯名正義騎手は、皐月賞のイスラボニータに次いで、春のG1レースを連勝することになった。今回も道中の位置取りから仕掛けのタイミングまで完璧で、円熟の域に達したベテランが気を吐いている。思い返せば、ステージチャンプでライスシャワーを差し切ったと勘違いしてガッツポーズをしてしまったあの天皇賞春から19年の歳月が流れた。これだけの長い間、一線級として活躍し続けていることが驚きで、さらに最近は新しい馬の追い方を取り入れているように、(周りにどう言われようが)常に進化していこうとする姿勢が何よりも素晴らしい。もし日本馬に日本人ジョッキーが乗って凱旋門賞を制することがあるとすれば、それは2着2回の実績がある蛯名正義騎手なのかもしれない。

ウインバリアシオンはワンパンチ足りない走りで惜敗した。一昨年の3着から着順を上げているように、屈腱炎を乗り越えて、完全復調した。急きょ乗り替わりとなった武幸四郎騎手は、ウインバリアシオンをレースの流れに乗せて、ソツなく導いたが、その分、勝ち馬には及ばなかった。勝った相手が一枚上だったと認める反面、思い切ったレースをしなければ出し抜くことはできないだろう。

3着に突っ込んだホッコーブレーヴは決してフロックではない。父マーベラスサンデーは名ジャンパーを出しているようにスタミナの血を伝える種牡馬であり、母父のダンシングブレーヴは凱旋門賞を勝った名馬である。距離が延びれば延びるほど良いタイプであり、ここにきて力をつけてきている。田辺裕信騎手も内ラチ沿いで脚をため、追い出しをギリギリまで待って、この馬の末脚を引き出した見事な騎乗であった。

圧倒的1番人気に推されたキズナは、最後の直線でいつもの伸びがなかった。展開的に厳しかったことに加え、上位の馬たちとは距離適性の差が出てしまった。キズナにとって3200mの距離が長すぎることはないのだが、母父にストームキャットが入っており、この馬の切れ味が生きるのは2400mまでであろう。日本ダービーを勝った頃に比べ、トモに筋肉が付いてパワーアップしていることは確かだが、そのことがかえって距離適性を縮めることもある。2014年は無敗で行くとか日本最強馬を名乗るのはまだ早計か。

ゴールドシップはゲートで暴れて、スタートで立ち遅れてしまった。昨年の流れであれば巻き返せたかもしれないが、今年は万事休す。C・ウイリアムズ騎手は直線で止まらない心臓の強さを生かしたかっただろうが、そのプランも一瞬にして水の泡と消えた。そもそも、ゲートで暴れたことや行き脚がつかなかったことを見ると、前走とは打って変わって、今回は馬が走ることを嫌っていたようだ。昨年秋の不振を乗り越えて、今年は精神的にもリフレッシュされたと思っていただけに、この馬の難しさが身に染みる。陣営やジョッキーはなおさらだろう。

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馬体が絞れてきたゴールドシップ:5つ☆

キズナ →馬体を見る
3歳時はトモの肉付きに物足りなさがあったが、ここにきて解消された。
ステイヤーらしいシルエットの馬体だけに、3200mの距離自体は問題ない。
Pad4star

デスペラード →馬体を見る
細身のステイヤーというよりは、力強さに溢れるパワータイプの馬体を誇る。
馬場が渋ったり、時計の掛かるレース向きだが、京都の天皇賞春はどうか。
Pad3star

サトノノブレス →馬体を見る
この馬もステイヤーらしいシルエットで、長距離で頭角を現してきたのも納得。
ディープ×トニービンという血統からも、距離延びてさらに良さが出るはず。
Pad3star

ゴールドシップ →馬体を見る
休み明けの前走は、腹回りに余裕があったが、それでもあの楽勝だけに恐ろしい。
今回は馬体が絞れてきて、仕上がりは万全かつ精神面でも走る気が戻ってきた。
Pad5star

アドマイヤラクティ →馬体を見る
脚が短いため重心は低いが、胴部には十分な長さがあるためスタミナは豊富。
前後駆ともにしっかりと鍛え上げられており、6歳馬という年齢は感じさせない。
Pad3star

アスカクリチャン →馬体を見る
香港から帰ってきてから、馬体がさらにたくましくなり、特に前駆の筋肉は素晴らしい。
闘争心に溢れる表情も良く、長距離戦でなければ、一押しにしたい1頭である。
Pad4star

ウインバリアシオン →馬体を見る
若駒のときと比べて、馬体に幅が出て、筋肉量も豊富になり、力強さを増した。
その分、ステイヤーらしくはなくなったが、自分で勝ち切れる馬体へと成長した。
Pad45star

ラストインパクト →馬体を見る
馬体全体のバランスは悪くはないが、このメンバーに入るとややパンチ不足の感も。
毛艶も良く、前後駆にも実が入っており、この馬なりに仕上がりは良い。
Pad3star

タニノエポレット →馬体を見る
スリムな馬体はステイヤーのそれで、距離は延びれば延びるほど良さが出そう。
反面、パワーの点では物足りなく、このメンバーに入るとパンチ力不足か。
Pad3star

ホッコーブレーヴ →馬体を見る
トモの肉付きはやや物足りないが、つくべきところに筋肉は付き、メリハリは十分。
6歳馬らしく、どっしりと立てており、安定してこの馬の力は発揮できるはず。
Pad4star

フェノーメノ →馬体を見る
究極の馬体にあった昨年の天皇賞春時に比べると、どうしても及ばない点は多い。
それでも、休み明けをひと叩きされて、馬が良くなってきているのは確か。
Pad4star

フェイムゲーム →馬体を見る
父ハーツクライ産駒にしてはコロンとした馬体で、母系の影響が出ているのだろう。
あばらが浮いて仕上がりは万全だが、決して長距離がベストではないはず。
Pad3star

Tennoshoharu2014wt

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集中連載:血統について語るとき、私の語ること(第11回)

Kettounituite11

その影響は、自身が父としてではなく、母の父として入ったときにより一層大きくなる。スタミナは母の父から伝わることに気付いたのは、競馬を始めて長い年月が経ったあとのこと。2009年、私に起こったある2つの非連続的な出来事による。ひとつは、天皇賞春において、母父にサンデーサイレンスの血を持つ有力馬たちが、淀の最後の直線でバタバタと倒れていったこと。勝った馬は父チーフベアハート×母父サッカーボーイという血統構成のマイネルキッツであった。私は2年連続でアサクサキングスに本命を打っていただけに、あまりの無様な負け方に少なからずショックを受けた。そして、サラブレッドの血による支配を感じざるを得なかった。

人気に推された有力馬たちの血統を挙げると、以下のようになる。

アサクサキングス(1番人気)父ホワイトマズル 母父サンデーサイレンス
スクリーンヒーロー(2番人気) 父グラスワンダー 母父サンデーサイレンス
ジャガーメイル(6番人気) 父ジャングルポケット 母父サンデーサイレンス
ヒカルカザブエ(7番人気) 父ジャングルポケット 母父サンデーサイレンス

いずれの馬も馬体だけを見ると、胴部や手脚に伸びがあり、長距離レースを走られそうなスタミナを有しているように思える。前哨戦の走りを見てもそれは明らかで、だからこそ本番の天皇賞春でも人気になったともいえる。アサクサキングスとヒカルカザブエは阪神大賞典(3000m)の1、2着馬である。さらに、アサクサキングスの父ホワイトマズルは、天皇賞春を制したイングランディーレを出している。スクリーンヒーローの父グラスワンダー自身は2500mの有馬記念を、ジャガーメイルとヒカルカザブエの父ジャングルポケットは、2400mのダービーとジャパンカップを勝っている。前哨戦から距離がわずか200m伸びただけで、またレースの格が上がり、中身の濃い厳しい競馬になったとしても、この4頭があそこまで大崩れしてしまうとは到底考えられなかったのだ。

もうひとつは、ある飲み会の席でのちょっとした会話である。髪の毛の話になり、席上のひとりが自分の頭を指差してこう言った。「俺のオヤジは禿げてるんだけど、母親のおやじがフサフサでさ、おかげで助かったよ、ほらこの通り」。それを聞いたもうひとりが、「そっか、だから僕は髪の毛が薄いんだ…。オヤジはフサフサなのになぁ」と返した。そんなやり取りを見て、私はドキッとして、ひと言も発することが出来なかった。最近薄くなってきた自分の頭や母の父を想い、「なるほどね」と我が意を得たのである。サラブレッドのスタミナの有無が主に母の父から受け継がれるように、信じたくはないが、人間における髪の毛の薄さも母の父から遺伝するようだ。

日本競馬を席巻し、なお今も産駒の直仔を通して圧倒的な影響を及ぼし続けるサンデーサイレンスだが、唯一の弱点は母父に入った時のスタミナのなさという点だろう。サンデーサイレンスは基本的にはスピードと瞬発力を伝える種牡馬である。その裏返しとして、母父に入った時には、ジリジリと走らなければならない、スタミナを問われるレースを苦手とする。父としてはダンスインザダークやディープインパクトなど、菊花賞や天皇賞春を制した産駒をたくさん出したが、それは母父にスタミナを十分に有する種牡馬がかかっていたからである。ちなみに、ダンスインザダークの母父はニジンスキー、ディープインパクトの母父はアルザオである。たとえ現代のスピード化された競馬であっても、3000mを超すレースではスタミナが問われる。スタミナが母の父から受け継がれる以上、長距離レースを予想するにおいてまず見るべきは母の父である。

この観点からも、ライスシャワーの非業の死は非常に惜しまれる。あのときは大好きな馬の1頭がターフの上で突然死んだという感慨しかなかったが、あれからおよそ20年が経ち、今になってもライスシャワーの血が日本の競馬に残っていたらと思う。おそらく父としては成功しなかったかもしれないが、母の父として、そうメジロマックイーンがそうであったように、大きな成功を収めたのではないだろうか。リアルシャダイの後継者としても重宝されたはずだ。ライスシャワーのあのスタミナとあの執念を受け継ぐ名馬が誕生したはずである。ライスシャワーが生きていたら、日本の競馬はまた今とは少し違っていたかもしれない。競馬にタラレバは禁物だが、こういったタラレバだけはどうか許してほしい。


Photo by 三浦晃一

(第12回へ続く→)

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京都芝3200m

Kyoto3200t

天皇賞春の専用コース。スタートしてから第1コーナーまでの距離は417mと長く、しかも緩やかな上りになっているため、無謀な先行争いはほとんどない。1週目は、ゆっくりと3コーナーを頂上とする坂を上って下りる。そして、スタンド前では馬を落ち着かせて、折り合いをつけることに専念する。もしスタンド前直線のペースが速くなった場合は、向こう正面が遅くなり、スタンド前直線のペースが遅くなった場合は、向こう正面が速くなる。ペース配分が重要になってくるため、騎手の腕の差が如実に表れるコースである。

菊花賞が行われる京都3000mとは距離的には200mしか違わないが、菊花賞がAコース(幅員35m)で行われるのに対し、天皇賞春はDコース(幅員25m)で行われる。そのため、天皇賞春が行われるDコースの方が4コーナーの回りがきつくなり、差し馬は外を回さざるを得ない。よって、菊花賞に比べ、天皇賞春は逃げ・先行馬がペース次第では逃げ残ってしまい、人気の差し馬が届かない可能性が高い。

道中のどこかで一旦息を入れることになるため、坂を下りながらのラストの800mのラップは速く、上がりの競馬になりやすい。それでも実質的には3200mを走るのであって、やはりスタミナがないと勝ち切ることはできない。瞬発力とスタミナの両方を兼ね備えていないと苦しい、紛れの少ない、実力が反映されやすいコースである。

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