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ひとつの船に乗り込み、旅に出る

どんな仕事や職業にも必ず最初の第一歩があり、その時の経験や出会いがその後の人生を左右することは案外多い。私にとっては、人生で初めて大好きになった競馬が、世の中ではギャンブルとして偏見の目で見られ、大きく誤解されていることを知ったことが、私をここまで導いた原動力になったことは間違いない。競馬が誰からも一目置かれる高尚なものであったり、広く認められているものであれば、こんなにも力を尽くして競馬を語る必要もなかったかもしれない。皮肉にもそうでなかったからこそ、「競馬は文化であり、スポーツでもある」をモットーとした新しい競馬の雑誌「ROUNDERS」も誕生したのだ。

「ROUNDERS」vol.4には、獣医師であるハリケーンドクターの研修時代の原初体験が描かれている。競馬発祥の地である英国ニューマーケットにおける研修初日、彼女は乾いた銃声を聞いた。日本では薬物を使用する安楽死処分が、英国では銃を用いて行われるのだ。彼女は動揺してよろめき、涙した。そうした経験を乗り越え、馬の心を感じ、アスリートとしての肉体に魅了され、獣医師として支え続けてきた。その日以来、安楽死処置をする立場になっても涙を流すことはなくなったという。それは決して諦観したわけではなく、アスリートとして生きてきたサラブレッドの最期に責任を持つ気持ちが強いからである。

こうした雑誌をつくっていると、様々な人たちにインタビューをしたり、原稿を書いてもらって読む機会に恵まれる。それぞれの登場人物たち(執筆者から写真家まで)とひとつの船に乗り込み、旅に出るような感覚である。そうすることで、そのインタビューや原稿や写真の端々から、それぞれの人生が垣間見える。同じように生まれたにもかかわらず、どうしてこんなにもそれぞれの人生は違うのかと思わせられる。私は獣医師としての人生を生きることはできなかったが、彼女の書いた文章を読むことで、獣医師として馬に寄り添う素晴らしき日々に思いを馳せ、追体験することができるような気がするのだ。

ハリケーンドクターが、「ROUNDERS」vol.4について、自身のブログに書いてくださった。二ノ宮調教師とは懇意にされているようで、そんなこと私たちは露知らず、同じ船に乗ってもらい、最後の最期にばったりと出会った邂逅であった。2人のツーショットは私たちにとって奇跡的であり、また二ノ宮調教師が「ROUNDERS」を大事そうに抱えてくださっているのも嬉しい。二ノ宮調教師は調教師会の仕事もしながら、多忙を極める中、私たちの取材に快く応じてくれ、馬の見方を説明する段においては、実際に厩舎の馬を出してきて、私の目の前で説明してくれたのだ。私もあきらめずに競馬について書き続けてきて良かったと思った。

■ハリケーンドクターのブログはこちら
Hurricanedoctor


お知らせ
「ROUNDERS」vol.4が、今週末から全国のターフィーショップに並びます。また、ジュンク堂書店は、池袋本店札幌店難波店千日前店大阪本店福岡店三宮店ロフト名古屋店にて、今週末からお買い求めいただける予定です。お近くにお住まいの方はぜひ。

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Comments

Hi there! This article couldn't be written any better! Reading through this article reminds me of my previous roommate! He constantly kept preaching about this. I'll send this article to him. Pretty sure he will have a very good read. Many thanks for sharing!

Posted by: minecraft games | July 11, 2014 at 03:23 PM

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