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WORLD'S BEST RACEHORSE

Yasuda2014
安田記念2014-観戦記ー
ミッキーアイルがダッシュ良く飛び出し、いつも通り、耳を立てながら楽に先頭に立った。前半マイルが47秒1、後半が49秒7という数字を見ると、極端なハイペースに見えるが、そうでもない。最後の1ハロンが13秒8も掛かっており、決して遅くはないペースを追走し、どの馬もバテて最後は脚が上がってしまったという表現が相応しい。あれだけ出走していたディープインパクト産駒が3着以内に入っていないように、スピードや瞬発力とは相反する、スタミナとパワーが要求される不良馬場のレースであった。

勝ったジャスタウェイは、最後まで止まらなかった唯一の馬である。道中は泥を被り、しかもちょうど馬場の悪いところを走らされたが、最後の最後まであきらめずに伸びた。ジャスタウェイの内包するスタミナが生き、また腰がパンとして本格化していた時期だからこそ、苦しみながらも勝つことができた。ドバイで激走した僅か2か月後に、これだけの激戦を制したのだから、さすがワールドランキング1位の馬である。とはいえ、見た目にはない疲れが必ずあるはずで、この後は決して宝塚記念に向かうことなく、ゆっくりと体と心を休めてもらいたい。

柴田善臣騎手は最後ヒヤヒヤしながら馬を追ったはず。もう1頭分、外のコースを走らせたかっただろうが、外から被せられて馬場の悪いところを走らされたばかりか、直線に向いてもジャスタウェイ本来の爆発的な末脚は影をひそめ、追ってもジワジワとしか伸びなかったのだから。こういった不良馬場では馬群がバラけることが多いが、今回は思いの外、窮屈になってしまい、外に出すスペースもタイミングもなかった。最後は馬の力と意地だけで勝たせてもらったようなレースであり、ジャスタウェイの強さに感謝すべきだろう。

惜しかったのは、グランプリボスと三浦皇成騎手。長い休養をはさんだことで、馬がリフレッシュし、うまく表現するのは難しいが、レースから逃げようとして引っ掛かるのではなく、前進気勢に溢れていて抑えるのが大変という行きっぷりであった。惜しむらくは、手応えが良すぎたばかりに、結果的に少し早仕掛けになってしまったこと。スタミナに優るジャスタウェイに勝つには、ジャスタウェイよりも先に動いてはいけなかった。安定した騎乗フォームには定評がある三浦皇成騎手も、さすがに勝ちを焦ってか、馬がヨレたこともあってか、ゴール前はずいぶんと姿勢が崩れてしまっていた。着差がハナ差だけに、悔やんでも悔やみ切れない騎乗だったに違いない。

離れた3着、4着に入ったショウナンマイティとダノンシャークは昨年の2、3着馬。昨年は勝ち馬(ロードカナロア)が強かったし、今年は馬場に泣かされたが、この距離とコースに適性があり、マイラーとしての資質が高いことを証明した。そして、もうひとつ、安田記念はキャリアが問われる珍しいタイプのG1レースであることが分かる。だからこそ、リピーターレースともなる。今年の上位馬がキャリアを重ねた翌年も出走してきたら、人気を問わずに狙ってみても面白い。

ワールドエースは大外枠からの発走に加え、この不良馬場と運に見放された。それでも5着に踏ん張ったあたり、この馬が完全復活する日は遠くない。マイラー寄りの馬体に変わってきているが、本来は距離が延びて良いタイプであり、走る素質という点においては、ジャスタウェイを筆頭とした古馬の超一流馬と比べても引けを取らない。2番人気に推されたミッキーアイルは、馬場を苦にして早々と失速してしまった。馬体が未完成で幼さを残す馬にとって、こういった馬場は特にこたえるものだ。

Photo by 三浦晃一

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Comments

日本競馬においてすでに不動の地位を築いているディープ産駒も(実績もあるし)このような馬場には持ち味を殺されるという事でしょう。

強い馬を作る中でも種牡馬の多様化(逆の意味も含めて)とゆう視点でレース(出馬表)を見た時にもっと残す血はないのかと思いました。

サンデーが残した血の功績は計り知れませんしディープがこらからそうなるでしょうが、他の種牡馬の余生も含めてもっと血のドラマがあってもよいのでは…

そういう意味ではグランプリボスの今回のあわやのシーンには驚かされました。
(NHKマイルの時も、まして今回の不良馬場の府中マイルとあれば驚かされました)

Posted by: 小倉のデビュー戦 | June 09, 2014 at 11:41 PM

小倉のデビュー戦さん

サンデーサイレンスの最高傑作であるディープインパクトの産駒は上がりの異常な速さで勝負するタイプが多いですよね。

それはコインの裏表のようなもので、パンパンの馬場では太刀打ちできないほどの脚を使える一方で、こういった馬場いは持ち味を殺されてしまいます。

おっしゃるように、血の多様化は日本馬のレベルアップのために絶対に必要です。

とはいえ、今回のグランプリボスにも母父にサンデーが入っており、ハーツクライはサンデー系のスタミナ型の種牡馬と、どこかにサンデーの血が入っていなければ日本の競馬で勝ち上がるのは難しくなってきています。

それぐらいサンデーの血の優秀さは素晴らしいということでもありますね。

Posted by: 治郎丸敬之 | June 11, 2014 at 08:28 AM

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