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トレヴを彷彿させる


札幌記念2014-観戦記ー
4万人以上の競馬ファンが集まった札幌競馬場で、凱旋門賞に挑戦する2頭が直接激突した。シンガポール帰りのトウケイへイロ―がすんなりハナを奪い、ロゴタイプが番手を取る形で進んだレースは、前半の1000mが58秒4、後半の1000mが60秒7という極端なハイペースとなった。直線に坂のない、小回り平坦コースとはいえ、さすがにこれだけ流れが速くなってしまうと、先行した馬たちにとっては苦しい展開となった。後ろから行った有力馬2頭にとってはおあつらえ向きの流れになったことは確かで、ハイペースにも後押しされた5馬身差と解釈してよいだろう。

勝ったハープスターは、細江純子元ジョッキーもパドックで解説していた通り、春シーズンの疲れが完全に癒えたという馬体ではなく、これから凱旋門賞に向けて作っていくという段階の発展途上の馬体であった。にもかかわらず、歴戦の古馬たちを捲り切って、ゴールドシップを振り切って勝利したのだから恐れ入る。気持ちで走る馬だけに、オークスと違って、馬群から離れて追走できたことが良かったし、何と言っても、これだけ脚の速い馬に52kgの斤量で走られたら、他馬はなかなか追いつけない。これが斤量の怖さであり、まるで昨年の凱旋門賞でトレヴがオルフェ―ヴル以下をアッと言う間に突き放したレースを彷彿とさせる直線の走りであった。

ハープスターは勝つには勝ったが、もちろん課題もある。まず、陣営にとっては、やや走り過ぎたという感覚があるはずだ。決して仕上がりは良くなかったにもかかわらず、気持ちで走ってしまった。反動がどの程度あるのか心配だが、最後方からとびきりの脚を使って勝ったというわけではないので、なんとか回復できるかもしれない。良く考えれば、調教でしっかりと仕上げていけば、この先、直行で凱旋門賞に出走しても力は出し切れる感触は得られたということだ。

そして、大きな課題としては、ついぞ馬群に入れるレースができなかったということ。凱旋門賞はスローに流れることが多いため、どうしても馬群が凝縮され、密集しやすい。後方から末脚を生かすにしても、外から捲るにしても、道中は馬群の中でじっと脚を溜めている時間が長い方が良い。馬群の中で押し込められたとき、果たしてハープスターはどんな反応をするだろう。オークスのように、周りに気を遣ってハミを噛んでしまうようであれば、思うように脚は溜まらない。夏を越して精神面での成長があるかどうか、この点をテストするためにはもう1度レースを使わなければならないし、もし直行するならば、本番では一か八かの極端なレースをせざるを得ない。

ゴールドシップは、宝塚記念に比べると、馬に覇気がなく、スタートから進んで行こうとはしなかった。横山典弘騎手も、さすが百戦錬磨のベテランらしく、慌てず騒がず、無理に追走させることはしなかった。そうはいっても、さすがに3分3厘からは手が動き始め、ハープスターに食らいついたが結局2着に甘んじた。負けはしたものの、陣営としては文句なしのステップを踏めたと感じているのではないだろうか。走る必要がないときには、それほど走らなくてもよいのだ。ブリンカーに関しても、こういった馬具のほとんどは装着した最初だけ効果があるだけで、馬が慣れてきてしまうと効果が薄れてしまう(先日亡くなったタイキブリザードもそうであった)。周りを気にせずに集中して走るという効果が少ないのであれば、かえってゴールドシップの闘争心を引き出すために、本番ではブリンカーを外して臨むのが得策である。

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