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Photostud初の写真集「Retrospect」

Retrospect

Photostudによる初の写真集「Retrospect」が遂に発売された。写真集について語る前に、まずは彼らと私の関係から話を始めさせてもらいたい。私たちは高校の同級生であり、その当時から彼らは競馬の写真の道を志し、私は競馬を書くことに没頭し、お互いに切磋琢磨していた。と言いたいところだが、実はそうではなく、私たちが出会ったのは高校を卒業して10年以上経ってから、インターネットを介してのことであった。

競馬の写真鑑賞が趣味のひとつである私は、ありとあらゆる競馬写真サイトをサーフィンし、どこをどう巡ってか覚えていないが、彼らの写真にたどり着いた。そのときの衝撃を言葉にするのは難しい。凄いという以上に、今までに見たことのない、見てはいけない世界を見たような気がしたが、好奇心には勝てず、私は思い切って彼らにメールを送った。彼らが高校の同級生だと分かったのは、そのあとの話である。

出会ったころの彼らはまだプラザエクウスでの写真展も開催しておらず、「優駿」での連載もスタートしておらず、これからブレイクする直前の無名の新人でしかなかった。それでも、西武新宿駅近くの小さな展示スペースを共同で借りて行われた写真展に足を運び、初めてその写真を生で観たとき、私はすでに彼らの才能を確信していた。そのときに観た写真の中で、最も印象に強く残っているのが、「Retrospect」の表紙を飾っているグラスワンダーの神々しい写真であった。彼らと組んで何か新しいことをしてみたい、私がそう思ったのは自然であろう。

その第一弾が、「ガラスの競馬場」で行った壁紙プレゼント企画であった。もしディープインパクトが菊花賞を勝って3冠を達成したら壁紙を無料でプレゼントする、という賭けに私たちは勝ち、ディープインパクトの圧倒的な人気のおかげもあって、数百人の競馬ファンに壁紙を届けることができた。そして、この企画は私のその後の人生を変えることになった。

このとき私は、壁紙というデータのやり取りを通して、誰も読んでいないと思って書き始めたブログの向こうには、本物の競馬ファンたちがいることを知ったのだ。彼らの写真というツールの力を借りて、私はつながることができた。パソコンの向こう側には誰かがいるという信頼は、私にとって大きなパラダイムシフトとなったのである。この体験がなければ、ライブもやっていなかっただろうし、「ROUNDERS」も創刊していなかったはずで、そういった意味で、私にとって彼らは人生の恩人なのである。

彼らはその後、競馬カメラマンの階段を一直線に駆け上がっていった。もう今や「優駿」で彼らの写真を見ない号はない。Photostudの写真は、人間の目ではない視線で撮られているようで、彼らのものであることが一目瞭然である。その作品になると、彼らの独自性はさらに際立つ。それだけで素晴らしい写真に、デザインを加えて、作品にするのだ。いや、加えるというよりは掛け合わせる。写真×デザインが彼らの真骨頂である。

今回の写真集「Retrospect」には、2002年から2014年まで12年間分の作品が詰まっている。Photostudにとって、ちょうどその頃に競馬を始めたもしくは黄金期を迎えた私たち競馬ファンにとっても、ひとつの歴史であり集大成である。ページをめくるごとに、あのときの感情が蘇ってくるようだ。もちろん良かったことばかりではない。それでもやはり私の心を占めるのは、この12年間あっという間であったけど、楽しかったということ。競馬があってくれて、Photostudがいてくれて、今の私がある。後悔はなにひとつない。

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