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素質のある若駒の見分け方

夏競馬が終わりを告げ、いよいよ秋競馬が始まろうとしている。すでに多くの2歳馬がデビュー戦を迎え、勝ち上がった馬もいれば、そうでない馬もいる。札幌や新潟、小倉競馬場まで輸送してでも、できるだけ早めに賞金を獲得しておくことを念頭に、前倒しで調教は進められる。まだデビューできていない馬は、体質が弱かったり、アクシデントや怪我があったりして、これまでの過程で一頓挫あった馬だろう。つまり、現時点でデビューできて、しかも勝ち上がっている馬たちは、素質があり、なおかつ健康であることを意味する。

そんな健康で素質がある馬たちの中でも、飛び抜けて走る能力を持った馬がいる。これから先、クラシック戦線に乗って、同世代のピラミッドの頂点を目指していく素質馬である。そういった馬は、比較的早い段階で、素質の片鱗を見せることが多いため、メイクデビュー戦や未勝利戦などをしっかりと観ておくことで、いち早く才能を見抜くことができる。いわばクラシックホースの青田買いである。

ところが、これだけレース数が多いと、さすがに全てのレース(若駒戦)を観るわけにはいかないという競馬ファンも多いだろう。そんな忙しい競馬ファンにも可能な、素質馬の見分け方がある。それはゴール前の写真を見ることだ。「Gallop」でもいい、「競馬ブック」でもいい、特に最近は、メイクデビュー戦や若駒戦のレース写真は大きく掲載される傾向にある(カラーの場合もある)。勝負が決するゴール前は、その勝ち馬の本質が最も出やすい場面だけに、よく観察する必要がある。

見るべきポイントは、耳と表情と脚の使い方である。耳は前方に向けて立っている方が良い。馬が遊んでしまっている(物見をしてしまっている)と解釈する人もいるだろうが、基本的には、余力があるからこそだと考えるべきである。たとえ僅差であっても、耳が前方に立っている場合は余力があるので、着差以上の力があると見てよい。その逆も然りで、引き離して勝っていても耳を後ろに絞っていれば全力を出し切っての着差である。

ゴール前の表情を観れば、その馬の性格や気性がある程度分かる。目が血走っていたり、口から泡を吹いていたり、舌が出ていたりなどがあれば、どこかに苦しいところがあるのか、もしくは精神的に余裕がない馬のかもしれない。凛とした表情で、大きく輝く瞳でフィニッシュしていれば、騎手の指示に素直に従う素直さがあり、馬群に包まれても我慢できる賢い馬だと考えることができる。

脚の使い方に関しては、前脚が前方に良く出ていて、後ろ脚の踏み込み(着地点)が深いかどうかを観る。一枚のゴール写真では分からないこともあるが、才能のある馬の走りは写真から伝わってくることが多い。たとえば、昨年はいちょうSにおけるイスラボニータのゴール前の走る姿(フィニッシュ)を見て、この馬の素質を見極めることができた。前脚が実に遠くまで伸びて、収縮性の高い、才能のある馬にしかできない走りであった。*いちょうSのゴール前写真ではないが、イスラボニータの前脚の伸びの素晴らしさが分かる写真はこちら

今年の2歳馬の中で、ゴール前の写真を見てあっと思わせられたのは、今のところ、レトロロック、ポルトドートウィユ、ダノンメジャー、レッツゴードンキの4頭である。どの馬たちも耳を前方に立ててフィニッシュしており、実に賢そうな表情をしていて、気性面での問題もなさそう。脚の使い方については、レトロロック、ポルトドートウィユ、ダノンメジャーの3頭は素晴らしい。特にレトレトロロックとポルトドートウィユの踏み込みは、育成段階からの訓練の賜物であろう。実は札幌2歳Sで狙っていたレッツゴードンキはいきなり負けてしまったが、牡馬に混じっての3着だけに好走と考えたい。全てのレースを観なくても、ゴール前の写真を観るだけで分かることはたくさんある。素質馬の見分け方のひとつとして、知っておいて損はないだろう。

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