« 毎日王冠を当てるために知っておくべき3つのこと | Main | ハービンジャーはサンデーサイレンスのよう »

勝つときはそんなもの


スプリンターズS2014-観戦記-
ダッシュ良く飛び出したハクサンムーンからダッシャ―ゴーゴーがハナを奪い、前半33秒7、後半35秒1というスプリント戦らしいハイペースで道中は流れた。勝ち時計は1分8秒8と掛かっており、中山競馬場で行われる例年のスプリンターズSが1分7秒台前半で決着するのに比べ、明らかに別物のスプリンターズSであった。夏から使い込まれた新潟競馬場の(特に内側の)芝は傷んでおり、自然と外々を回る形になるため、パワーだけではなく1200m以上のスタミナが問われるレースとなった。その結果、馬場の良い馬群の外を走り、前半はスタミナを温存した馬たちが上位に突っ込んだ。

勝ったスノードラゴンは、ダートでも活躍していたように、力の要る馬場での差し脚勝負には滅法強い。前走は小回りの札幌競馬場で追走に手間取っていたが、今回はスタート直後の直線の長さを生かしてスムーズに中団に位置し、最後の直線では力強い末脚を繰り出した。得意の左回り、時計の掛かる馬場、そして外枠から馬場の良いところを走れたこと、差し脚が生きるハイペースになったことなど、スノードラゴンにとってはこれ以上ない条件が揃った。勝つときはそんなもの。G1レース初勝利となった大野拓弥騎手も、文句のつけようのない会心の騎乗で、同馬を勝利に導いた。

ストレイトガールは勝ち運に見放されている。決してこういった時計の掛かる馬場を苦手とする馬ではないが、本来はパンパンの良馬場でこそ、この馬の切れ味が生きる。今年の高松宮記念もそうであり、今回のスプリンターズSもまた、スピードや瞬発力よりもパワーやスタミナが要求される、この馬の適性と異なるレースになってしまった。それでも高松宮記念は3着、そして今回は2着と好走しているように、スプリンターとしての資質や能力は極めて高い。

適性が異なるといえば、レッドオーヴァルにとっても厳しいレースとなった。この馬こそが、ディープインパクト産駒らしく、良馬場での瞬発力で勝負する馬であり、今回は完全に馬場に殺されてしまった。前走は外々を回らされた分、届かなかったが、今回はハイペースを理想的なポジションで追走できただけに、新潟開催による馬場の悪化が悔やまれる。あと10kg馬体重が増え、ひと回り身体が大きくなってくれば、スプリンターとして大きなところを制するチャンスが広がるはず。

1番人気のハクサンムーンは、最後の直線で力尽きてしまった。決して無理なペースで飛ばしたわけではなく、この馬にとってはマイペースと言ってもよい流れ。自分の型に持ち込めなかったが、それほど戸惑う素振りも見せず、むしろ理想的な直線の向き方をしただけに、ぱったりと止まってしまったのは不可解だ。この馬の武器であるスピードが殺されてしまったことは確かでも、あまりに無抵抗すぎて、拍子抜けしてしまう敗戦であった。ロードカナロアと鎬を削った昨年こそがこの馬の全盛期であり、スプリンターのピークは短いということなのだろうか。

見どころがあったということで言えば、3歳牝馬のベルカントである。馬場の悪いところを通って先行した馬たちに厳しいレースであったにもかかわらず、グランプリボスとハナ差の5着に粘り込んだ。スプリント戦であれば、G1レースでも通用する能力を秘めていることを証明した。この先無理をせずに成長を促すことができれば、来年は面白い存在になる。

現在のランキング順位はこちら

|

Comments

Post a comment