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ハービンジャーはサンデーサイレンスのよう

前回の「素質馬の見極め方」で取り上げたダノンメジャーが、早速、野路菊S(オープン)で2勝目を挙げた。極端なスローペースを後方2番手で進み、最後は上がり33秒1の脚で差し切った。着差以上に強い内容であったし、つきすぎるぐらい折り合いがついたことも、今後のレースにおける選択肢の幅が広がったと考えることができるだろう。2戦目になると、デビュー戦と違って、レースの苦しさや厳しさを馬も少しずつ分かってくるため、レースを早く終えようとして(逃げようとして)、行きたがるようになる馬は多い。その点においては、ダノンメジャーはレースに行くと落ち着いて、冷静に走ることができるのは最大の強みである。

ただ、ラストの3ハロンで33秒台の脚を使ったように、こうした極端な競馬をした後は反動が出ることが多い。楽に勝ったように見えても、実は一気に脚を使った方が肉体的な負担は大きい。2歳戦は得てして超がつくほどのスローに流れてしまうことが多いため、ジョッキーは折り合いをつけることを教えつつ、あまり極端な脚を使わずにすむようなポジション取りが求められる。今回の乗り方は、やや折り合いをつけすぎて、勝つためにダノンメジャーに負担を掛けてしまった印象が強い。このままレースを使うと、次は思いもよらない凡走をする。今は無理をせずに、ゆっくりと立て直して、来年に備えてもらいたい。

さて、その後、新たに2頭の素質馬が登場したので、ここに紹介したい。まず1頭目は、9月14日のメイクデビュー阪神(芝1600m)を勝利したサトノフラムである。終始、余裕のある手応えで追走し、最後の直線で外から他馬に並ばれるとあっと言う間に突き放した。ムチを入れることなく反応したのは素晴らしく、ゴール前では耳が立っているように、騎手が本気で追えば、もっと伸びているはずだ。母の母がウェルシュマフィン(タイキシャトルの母)という良血であり、馬体もがっしりとしていて力強い。父はマンハッタンカフェだが、胴部が詰まっていて、勝気な気性だけに、距離はマイル前後がベストだろう。短距離系の馬を育てるのが上手い安田隆之厩舎だけに、来年のNHKマイルCあたりが面白い。

もう1頭は、10月4日、メイクデビュー阪神(芝1800m)を勝ち上がったスティーグリッツである。ゴール前の写真を観るだけで、大物誕生を予感させてくれる馬だ。手脚が長く、胴部には薄さがある。性格もおっとりしているらしいので、距離はさらに延びて、この馬の良さが出るだろう。これでハービンジャー産駒は8頭目の勝ち上がりになるが、どの馬にも共通して言えることは、手先が軽く、良い意味での緩さが馬体にあって、まるでサンデーサイレンス産駒のようだ。多くのヨーロッパの一流種牡馬が日本では失敗に終わるのは、手先に軽さがなく、馬体に重厚感があるため、日本の軽い馬場に対応できないからである。それがハービンジャーにはない。自身も4歳になって大成したように、晩成型の馬であり、単なる早熟血統ではないことが窺い知れる。だからこそ、この時点で8頭も勝ち上がっていることが末恐ろしい。そのハービンジャー産駒の中でも、最も資質が高い馬の1頭がスティーグリッツであり、順調に行けば、来年のクラシックが楽しみだ。

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