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ディープ産駒らしからぬディープ産駒


秋華賞2014-観戦記―
大方の予想どおりペイシャフェリスが先頭に立ち、前半1000mが58秒ジャスト、後半59秒ジャストというハイペースをつくりだした。ブランネージュまでの先頭集団と、ショウナンパンドラからの後続集団の2つに綺麗に分かれ、最後の直線では見事なぐらいに前と後ろの集団が入れ替わった。見た目以上に、前の集団に位置した馬たちには厳しく、後ろにいた馬たちにはおあつらえ向きの展開となった。

勝ったショウナンパンドラは、その後方集団の先頭に立ち、コーナーでは内を突き、馬の間を割って突き抜けた。夏を越して、見た目以上に成長していたし、馬体を見るとディープインパクト産駒にしては珍しいパワータイプである。重馬場の前走、前々走でもきっちり走っていたように、母系の血が色濃く出ている。瞬発力よりもパワーが要求される秋華賞の舞台で、ディープインパクト産駒らしくないディープインパクト産駒が勝利を収めた。それゆえに、瞬発力や要求される次走のエリザベス女王杯は苦しい戦いを強いられるだろう。

スタートからゴールまで、全くと言って良いほどにロスのない競馬で、浜中俊騎手にとっては渾身の騎乗であり、ショウナンパンドラもそれに応えてみせた。こういうレースのことを、二度と同じことはできない、一世一代の競馬というのだろう。こういうレースをされてしまうと、他の騎手は手も足もでない。日本人騎手の中では潜在能力は随一の存在だけに、これでG1レースは4勝目ではあるが、これからますます勝つことだろう。ただ、日本という枠に収まってしまうよりも、若いうちにぜひ海外の競馬に長期挑戦してもらいたい。

ヌ―ヴォレコルトは内外の進路取りの差で負けたように見えるが、騎乗自体には一点の曇りもなく、よくぞあそこまで追い詰めたという印象を受けた。ペースを考えると、あそこで外を回すのは妥当だし、ギリギリまで待って斜めに外に出しているだけに、距離ロスはほとんどなかった。それよりも、ハイペースを見越して馬を出して行かなかった判断はさすがで(もしかしたら春シーズンの疲れがあって馬が前進気勢になかったのかもしれないが)、岩田康誠騎手のポジション感覚の鋭さにはいつも驚かされる。上がり勝負となったローズSとは打って変わって、淀みのない持続力勝負になったことで馬が戸惑っていた。33秒台の上がりで勝利した馬が次走でコロッと負けてしまう典型であるが、それでも2着を確保したのはヌ―ヴォレコルトの地力の高さの証明であり、岩田騎手の好判断の賜物である。

3着に入ったタガノエトワールのレースぶりは理想的であり、内が詰まるリスクがあった勝ち馬よりも、速いペースを考えると絶好のポジショニングであった。それでも勝てなかったということは、現時点においては、上位2頭には力が及ばなかったということ。キャリア5戦目でこれだけのレースができるのだから、この先も楽しみな馬の1頭である。同じ松田博資厩舎のサングレアルも展開に恵まれて5着に突っ込んだ。レーヴデトワールは勝ちに行き過ぎた。負けた馬の中でも、ブランネージュは先行集団にいたにもかかわらず踏ん張ったように、この先、肉体が成長してきたら楽しみな馬である。バウンスシャッセも結果的に前を攻め過ぎたが、大崩しなかったように、復調してきている。

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