« きちんと仕上がったクラリティスカイ:5つ☆ | Main | フィリーズレビューを当てるために知っておくべき3つのこと »

牝馬クラシック路線を占う2015

Catcoin

チューリップ賞が終わる前に書いておきたかったのだが、後藤浩輝騎手のことがあって、書きそびれてしまっていた牝馬クラシック路線について。なぜチューリップ賞の前が良かったかというと、チューリップ賞が行われた後では、大体の勢力図が決まってしまうからであり、たとえばブエナビスタやハープスターのような別格の馬がいる場合はなおさら、その路線の未来を占うことにさほどの意味がなくなってしまうからである。ただ、今年はそれほど抜けた存在がおらず、チューリップ賞の結果もおよそ予測通りであったが(重馬場で行われた以外は)、未だに混沌としているのも確かである。

混沌としていると言っても、今年の牝馬クラシックは良い意味で粒ぞろいである。一枚力の抜けた存在の馬が数頭いて、むしろ百花繚乱と言ってもよいぐらい。その中でも、阪神ジュベナイルFを勝ったショウナンアデラは素晴らしい素質を秘めている馬だ。2歳の牝馬にしてあれだけの脚を使える馬は滅多にいないし、それはブエナビスタやウオッカのそれとは違い、どちらかというとハープスターのそれに近い、私はドリームジャーニーが朝日杯フューチュリティSで使ったそれを想起したが、ゴール間際に外からトップスピードで飛んで来るような末脚である。ディープインパクト産駒としては心配な馬体重も460kg台と申し分ない。あとは自身の体質の弱さとの戦いとなる。本番に直行というローテーションになるのは大きなハンデだが、そこは名門二ノ宮厩舎の腕の見せ所だろう。

同じ二ノ宮厩舎のキャットコインの素質も相当だろう。肉体的にはまだまだだが、柔軟な可動域とバネの良さを最大限に活かして走っている。レースに行ってからは素直に鞍上の指示にも従って走れるように、レースセンスも高い。母父ストームキャットという、ディープインパクトに優先権がありそうな馬がステイゴールドに回ってきて、ステイゴールドの種牡馬としての良さがさらに証明できそうな血統でもある。ナカヤマフェスタ、ナカヤマナイトなど、ステイゴールド産駒を扱わせたら右に出る者はいない二ノ宮敬宇調教師が管理していることも頼もしい。あとはもう少し馬体重が増えて、パワーアップを望みたいところだが、それは一朝一夕で成しえることではなく、時間を掛けて力をつけていくものなので、その過程でクラシックに出走し、タイトルを手にすることができるかどうかという話である。

3連勝と負け知らずのルージュバックも強い。新馬戦からきさらぎ賞まで、レースのレベルが上がりつつ、それに伴ってパフォーマンスも上がっていくという底知れなさ。馬体だけを見ると、正直に言って、それほどの馬には見えないが、この馬の良さは走り出してみると分かる。とにかく前駆のかき込みが力強くてかつ軽い、素晴らしいフットワーク。やや首を高く保って走る姿は父マンハッタンカフェ譲りか。表情からも気性の良さが伝わってくるようで、無駄なことに力は使わないだろうし、輸送などによる精神的負担も少ないタイプだろう。もちろん、馬体的にはまだ成長の余地は大きく残しているが、現時点でも相当に安定感がある。上記の2頭がローテーション的には順調に行っていない分、そういった点では一歩リードしている。

最後にもう1頭は、チューリップ賞を勝ったココロノアイである。重馬場をスイスイと走って勝利したが、たとえ良馬場でも結果は同じであったはず。阪神ジュベナイルFを3着したあと、休養が上手く行ったのだろう、プラス10kgの馬体重で出走してきた。馬体を見ても、筋肉が柔らかくふっくらと保たれており、ただ単に体重を増やしたということではなく、しっかりと充電ができたことが見て取れた。しかもこれで2度目の関西遠征であり、精神的にもタフなのだろう。血統的には母の母が懐かしいマックスジョリーであり、母系はスタミナの権化である。距離が延びてより良さが出るのでオークスが最高の舞台だが、阪神のマイル戦であれば好走は間違いない。あとは普段から気持ちのコントロールができるよう、極めて慎重に調教が進められることを願う。

Photo by 三浦晃一

現在のランキング順位はこちら

|

Comments

こんにちは
今年のクラシック路線の有力馬が出揃ってきました。

☆牡馬
弥生賞     サトノクラウン、ブライトエンブレム
朝日杯     ダノンプラチナ
共同通信杯   ドゥラメンテ

☆牝馬
阪神JF     ショウナンアデラ
クイーンC   キャットコイン
きさらぎ賞   ルージュバック
チューリップ賞 ココロノアイ

西高東低と言われ続けてきましたが
昨年はイスラボニータ、 ヌーヴォレコルト
今年の有力馬の多くが関東馬
なにか思い当たるところがありますか?

Posted by: コナツ(=^・^=) | March 09, 2015 at 12:11 PM

コナツ(=^・^=) さん

こんにちは。

牡馬はまた次回に書きますが、やや大物不在の感もあります。

それに対して、牝馬クラシックはレベルが高い争いが期待できそうで今から楽しみです。

関東馬の巻き返しについては、様々な要因が上手く絡み合いつつあるのだと思うのですが、分かりやすいのは坂路でしょうか。

Posted by: 治郎丸敬之 | March 10, 2015 at 11:58 AM

こんにちは

キャリアを積むことが重要なこの時期、3戦目で弥生賞勝馬サトノクラウンはディープ並の大物かも?

弥生賞キャリア3戦目勝馬過去10年の成績

2014 13頭立て 0-0-1-1
アデインインザライフ 2人気3着⇒皐月賞9人気16着
2013 12頭立て 0-0-0-1
2012 15頭立て 0-0-0-3
2011 (東京開催)
2010 13頭立て 0-0-0-1
2009 10頭立て 0-0-0-0
2008 16頭立て 0-0-0-2
2007 14頭立て 0-1-0-0
ココナッツパンチ 6人気2着⇒皐月賞4人気9着
2006 10頭立て 0-0-0-1
2005 10頭立て 1-0-0-0
2004 10頭立て 0-0-0-0

2005年1人気1着は勝ちタイム2.02.2、上がり1位34.1(曇り 良)
皐月賞、東京優駿、菊花賞1人気1着
なんと3冠馬ディープインパクトなんです。
123頭中1-1-1-9
3戦目で弥生賞1着は1/123なんです。

少し長くなりますが…
弥生賞と同時期、同競馬場、牝馬の中山1800のフラワーCも調べました。

2014 16頭立て 0-0-0-4
2013 14頭立て 1-1-0-1
サクラプレジール2人気1着⇒以後着外(燃え尽きた?)
エバーブロッサム3人気2着⇒優駿牝馬5人気2着
2012 16頭立て 0-0-0-2
2011 阪神開催
2010 16頭立て 0-0-1-5
サンテミリオン1人気3着 優駿牝馬5人気1着
2009 16頭立て 0-0-0-2
2008 16頭立て 0-0-0-2
2007 16頭立て 0-0-0-4
2006 16頭立て 0-0-0-3
2005 14頭立て 1-0-0-3
シーザリオ1人気1着⇒桜花賞1人気2着、優駿牝馬1人気1着、Aオークス1着(米国)
2004 15頭立て 1-0-0-4
ダンスインザムード1人気1着⇒桜花賞1人気1着、Aオークス2着(米国)

155頭中3-1-1-25
しかも馬券に絡んだ5頭中GⅠ1着が3頭、GⅠ2着が1頭

デビュー3戦目でコーナー4回、トリッキーな小回りコースの中山重賞を勝ちきる馬は飛び抜けた実力の持ち主であることは疑いようがない事実です。

データどおりにいかないのも競馬ですが、サトノクラウンの血は今後の日本競馬にとって有効です。
今はディープ全盛ですがサンデーの時のようにはなって欲しくありません。
クラシックで活躍して種牡馬になることを夢みています。

Posted by: コナツ(=^・^=) | March 10, 2015 at 01:33 PM

コナツ(=^・^=)さん

こんばんは。

3戦目での弥生賞制覇はそんなにも貴重なのですね。

しかも楽な勝ち方でしたから、クラシック戦線でも最有力の1頭であることは間違いありません。

しかも鞍上にはルメール騎手なんて、とても手が合う気がします。

福永祐一騎手のリアルスティールも素質の高い馬ですし、直接対決が楽しみですね。

Posted by: 治郎丸敬之 | March 11, 2015 at 11:20 PM

Post a comment