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ダート競馬の流れが合わなかった。


ドバイワールドカップ他2015―観戦記―
ドバイワールドカップは芝とダートの両雄が出走したものの、世界のダート競馬の壁に跳ね返されてしまった。9頭立ての5着と9着だから惨敗と言ってよいだろう。見どころがあったのはホッコータルマエの方で、スタートしてからすぐさま先頭を主張し、後続の馬たちから終始プレッシャーを受けながらも、最後の直線半ばまで抵抗してみせた。たしかに併走する車を気にしていたようなところもあったが、これが半ば実力であろう。ホッコータルマエが弱いと言っているわけではなく、世界のダート競馬にはさらに上がいるということだ。

ホッコータルマエはその実績だけではなく、馬体や血統、走り方から気性に至るまで、これまで日本で走ったダート馬の中でもトップクラスの存在である。パワーに裏付けられた先行力があり、大きなフットワークでトップスピードを持続してもバテないスタミナと心臓の強さを備えている。そういう意味では、かつてのどのダートの鬼たちよりも、たとえばカネヒキリやヴァーミリアンらよりも、世界のダート競馬向きの馬である。にもかかわらず、勝ち負けには及ばず、見せ場しかつくらせてもらえなかったのだ。

道中におけるジョッキーの動きを観てもらえれば分かるが、スタートしてからゴールするまで、道中のほとんどで馬を追っ付けている。馬が息を入れられるのはほんの僅かな時間であり、特にラスト1000mからのペースアップには凄まじいものがある。つまり、道中の半分以上をトップスピードで走らなければならないのだ。これぐらいの厳しいペースを追走し、道中で内から外からぶつけられ、前を行く馬が蹴り上げる土を顔面に食らいながらも、さらにそこから伸びて抜け出してくる馬が世界にはいるのだ。勝った8歳セン馬のプリンスビショップはダッシュがつかずに苦労していたが、エンジンが掛かってトップスピードに乗ってからの持続力には目を見張るものがあった。2着に入ったカリフォルニアクロームも敗れはしたが、前々を攻めて、最後までよく伸びている。

エピファネイアはレースに参加させてもらえなかった。他馬の蹴り上げてくる土を気にしたとスミヨン騎手はコメントしているが、それはあくまでも表面上の理由であって、根本的な敗因はレースの流れの厳しさにある。かつてジェニュインという馬いて、有馬記念の敗因を中山競馬場のカラスを気にしたとされたが、それと同じである。たしかにそれはきっかけになったかもしれないが、根本的な敗因は違うところにある。そこを突き詰めて考えなければ、馬場(ダート)が合わなかったという結論で終わってしまい、毎年馬を変えて同じことが繰り返されるだろう。ダートが合わなかったのではなく、ダート競馬の流れが合わなかったのだ。この馬に関して言うと、自身は掛かり気味になるぐらいの流れの中、ガッチリと抑えて、脚を溜めて、最後に爆発させるレースが合っている。


ドバイシーマクラシックはペースが緩くなり、道中2番手の内で脚を溜めたドルニアが抜け出して勝利した。日本のワンアンドオンリーは3番手外につけ、最後までよく粘った。昨年秋シーズンは、日本ダービーを勝った疲れが抜けていなかったが、少しずつ回復の兆しが見られる。日本の超一流馬や世界のトップホースたちと比べるとまだまだだが、体調と走る気持ちさえ戻ってくれば、特に長距離のレースにおいては面白い存在である。ハープスターは全く力を出し切れていない。この馬は繊細なところがあり、周りに馬がいると力んで走ってしまうため、馬群から離して走らせなければ良い脚が使えない。にもかかわらず、R・ムーア騎手は馬群に入れてしまっていた。R・ムーア騎手は、おそらくハープスターのこれまでのレースをあまり良く見ていないのではないか。松田博資調教師は「馬なりで」ではなく、「馬群から離して」という明確な指示が必要であった。身も蓋もないことを言えば、レースに注文がつく(馬群に入れられない)馬は、レベルが高い競馬であればあるほど、勝つチャンスは少なくなるということだ。ここにジェンティルドンナとハープスターの決定的な違いがある。


UAEダービーはゴールデンバローズが3着、タップザットが5着と健闘した。勝ったムブタヒージの突き抜けるときの脚は尋常ではなく、同じ3歳馬とは思えない強さであった。それでもゴールデンバローズは見せ場以上のものをつくっており、ドバイ遠征の疲れが癒えた暁には、今回の経験を生かして日本でも活躍してくれるだろう。もちろん、他の2頭にも同じことは当てはまり、違った環境の中で厳しいレースをした身体的な記憶こそが、馬の直接的な成長につながるのだ。しかも3歳という若い時期に、そうした経験をしたことの価値は高い。

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馬体がふっくらと成長したレッドオーヴァル:5つ☆

ハクサンムーン →馬体を見る
ロードカナロアと鎬を削った頃のシンプルな馬体は失われ、余分な肉がついた。
それでも力強さは増したように、パワー勝負に持ち込めれば好走も期待できる。
Pad3star

コパノリチャード →馬体を見る
前後躯ともにしっかりと実が入って、昨年同様に力強さは健在である。
やや腹回りに余裕はあるが、鋭い目つきからは闘争心が伝わってくる。
Pad4star

ミッキーアイル →馬体を見る
3歳時に比べると、格段に馬体が大人びてきて、成長の跡がうかがえる。
それに伴い、胴が詰まって映るように、スプリンターらしい体型になってきた。
Pad45star

ダイワマッジョーレ →馬体を見る
前走時の方が筋肉にメリハリがあり、リラックスして立てていた。
表情の硬さからも分かるように、前走を快勝した反動が本番で出てしまったか。
Pad3star

リトルゲルダ →馬体を見る
牝馬とは思えない前駆の力強さには目を見張るが、トモがやや物足りない。
とはいえ、ひと叩きされて、この馬の力を出し切れるだけの仕上がりにある。
Pad4star

ストレイトガール →馬体を見る
休み明けであることは仕方ないとして、年齢的なものか、腹回りに随分と余裕がある。
走る気持ちは前向きになってきているが、これまでのぶっつけに比べても劣る仕上がり。
Pad3star

アンバルブライベン →馬体を見る
首は細いが、前駆は力強く、腹は巻き上がり気味という、アンバランスな体型。
それでも毛艶は冴えていて、使い込まれてきたことによる疲れの心配はなさそう。
Pad4star

ローブティサージュ →馬体を見る
黒光りする馬体は力強く、全体のシルエットも素晴らしく、パーフェクトな仕上がり。
撮影者の方に耳を向けていることから分かるように、神経質な気性がこの馬の特徴。
Pad45star

サクラゴスペル →馬体を見る
手脚も長くはなく、胴部が詰まって映るように、典型的なスプリンターの体型。
馬体全体にはこれといった特徴や迫力がなく、このメンバーでは苦戦するはず。
Pad3star

ショウナンアチーヴ →馬体を見る
この馬の最も良かったときの立ち写真は、2歳暮れの朝日杯フューチュリティS時。
毛艶こそ同じく素晴らしいが、今は腹回りに余裕があり、馬体から迫力が失われた。
Pad3star

レッドオーヴァル →馬体を見る
休養をはさんだ効果があったのか、馬体がふっくらと成長し、古馬のシルエットに。
ひと叩きされて筋肉のメリハリが増し、この馬としては完成形に近い出来にある。
Pad5star

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そろそろペースの違いにも目を向けた方がいい。

Dubaiworldcup2015今年のドバイワールドカップには、ジャパンカップを圧勝したエピファネイアとチャンピオンSと東京大賞典を連勝したホッコータルマエが出走する。芝のチャンピオンディスタンスの頂点を極めた馬とダートでは向かうところ敵なしの馬という、芝とダートの最強馬が揃って臨むのだから、現時点における最高の布陣と言ってよいだろう。それでも、ドバイワールドカップというレースには、シーマクラシックや他のレースとは違い、絶対の自信を持って臨むことのできない、摩訶不思議な怖さがある。日本の芝とダートの両雄が揃って大敗を喫してしまうのではないか、という不安を拭うことができないのだ。

ドバイワールドカップは1996年に開幕され、当時のダート最強馬であったライブリマウントが意気揚々と挑んだものの、11頭立ての6着と大敗した。それ以降、トゥザヴィクトリーの惜しい2着はあったものの、着順以上の大敗を喫してしまう我が国のダートの鬼たちを見て、同じダートの競馬でも世界のレベルは恐ろしく高いということを痛感した競馬ファンもいたはずだ。その壁の高さは、日本馬がケンタッキーダービーやブリーダーズCクラシックに出走したときに感じたそれであり、つまり全く競馬をさせてもらえないという絶望感でもあった。

光が射し始めたのは、2010年からメイダン競馬場に舞台が移され、レースがオールウェザーで行われるようになった頃のこと。その予感は翌年2011年にヴィクトワールピサがドバイワールドカップを勝利し、2着にもトランセンドが入ったことで的中した。馬場がオールウェザーであれば日本馬も力を出し切ることができるという確信に変わった。ところが、2012年にはエイシンフラッシュは6着、スマートファルコンは10着、トランセンドは13着に大きく敗れ、昨年はベルシャザールもホッコータルマエも2桁着順に甘んじてしまった。この結果だけを見て、やはりオールウェザーは芝馬の方が合っていると考えるのは早計であろう。そして、今年からまたダートに戻る以上、今度はダートが得意な馬を連れていくべきだと考えることも短絡的だ

馬場を問うことは決して間違ってはいないが、それは結局のところ、エピファネイアはダートが合うのかどうかという発想に終始してしまう。もちろんエピファネイアは血統的にも馬体的にもダートで走れるだけの下地はあり、ダート向きのパワーと前進気勢も溢れていて、角居調教師の言うように、芝よりもダートの方が強い可能性だってある。日本競馬は芝のレース体系が充実しているから芝を使っているだけであって、状況や所が変われば、走る馬場も変わって当然である。こればかりは、走ってみなければ分からない。また、日本のダートとメイダンのそれを比較して、メイダンの方が力を要するという分析も同じように一面的であって、日本の最強のダート馬たちがダートで行われたドバイワールドカップで凡走を繰り返したこと、そしてこれからもそうなることの説明にはならない。

前置きが長くなってしまったが、ドバイワールドカップの謎を解き明かすには、ペースという要素を取り入れなければならないのである。いわゆる道中で刻まれるラップや流れということ。馬場うんぬんよりも、ペースの方が重要なのではないか。日本馬がなぜケンタッキーダービーやブリーダーズCクラシックやドバイワールドカップで大敗を喫してしまうのか、レースに参加させてもらないのかというと、馬場が合わないというよりも、アメリカ型のペースで流れる競馬を経験したことがないからである。スタートからガンガン行って、途中で脱落していく馬もいて、最後は心臓でもうひと踏ん張り、ふた踏ん張りできる馬が抜け出すという競馬である。ヨーロッパ型の道中で我慢して我慢して、最後に爆発させるという競馬とは対極にあるそれだ。現代の日本の競馬はヨーロッパ型のレースに傾いていて、日本の馬たちは(ダート馬も含め)本当の意味においてアメリカ型のレースをしたことがない。だからこそレースに付いて行けず、または楽に付いて行っているように見えても直線に向くと余力が残っていない。それは中央交流レースで地方馬が競馬にならない(レースに付いていけない)ことに似ている。能力に大きな差があるというよりも(それも多少なりともあるが)、そういう流れの競馬をした経験がないことが大きい。

アメリカ型の競馬に慣れるには、少なくとも半年か1年をかけて、現地のレースで数戦することが必要になる。それは現実的ではないので、ドバイワールドカップを日本馬が勝つにはアメリカ型のレースにならない、つまりペースが落ち着いてくれる必要がある。ヴィクトワールピサが勝ったときのように、日本馬がレースの主導権を握り、誰からも妨げられることなくペースを落とし、自分たちの得意な型の競馬に持ち込まなければならない。それは作戦であり戦略でもある。馬場が合うかどうかばかりに気を取られていては勝ち目がない。それは走ってみなければ分からないことであり、それよりもレースの主導権をどう握るか、ペースをどうつくるかに着目すべきだろう。そろそろ私たちは馬場ではなく、ペースの違いが結果を大きく左右することにも目を向けた方がいい。

Photo by 三浦晃一

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中京芝1200m

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スタート時点は、向こう正面の緩やかな上り坂の途中にある。およそ120m走っただけで、すぐに下り坂へと入っていき、そこから200mもしないうちに3コーナーへと差し掛かる。さらにずっと下りながら3コーナー~4コーナーを回り、最後の直線に向くと一転して2mの急坂が待っている。そのあと240mのほぼ平坦な直線がゴール板まで続く。

第1コーナーまでの距離はおよそ300mと短くも長くもなく、極端に速いペースにはならないだろうが、それでも3~4コーナーまで下り坂が続くため、知らず知らずのうちにペースが速くなってしまうはず。時計的にどうこうではなく、直線に向くまで自分のペースで走れた先行馬にとっては、412mに延長された直線もそれほど長くは感じないだろうが、前半が速いラップになり、上がりが掛かる展開になるので、基本的には差し馬が脚を余すことなく十分に届く舞台である。

改修前の高松宮記念は小回りを意識する余り、ペースが全体的に速くなり、その結果として先行した馬がバテていたが、改修後は直線が長くなったことで、差し馬が十分に末脚を発揮できることになった。いずれにしても、差し馬にとって有利なレースになることに違いはない。

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「短距離G1は若い馬」の常識にかからぬ騸馬

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短距離のG1レースでは若い馬を狙うべきである。スプリンターズSでは4歳馬、高松宮記念では5歳馬が中心となる。短距離馬は競走馬として完成するのが早いため、4、5歳の時点でピークを迎える馬が多いからである。そして、短距離馬のピークは短い。ここで言うピークとは、絶好調である期間のこと。ピークが長い長距離馬に比べ、短距離馬はピークが圧倒的に短い。長距離馬を線香花火だとすると、短距離馬は打ち上げ花火のように、華やかに咲いては散ってゆく。

その理由は短距離馬の精神面にある。あらん限りの力を感情と共に爆発させることによって速く走ることができるため、短距離馬は燃えやすい気性を有している馬が多い。短距離馬の気性面での燃えやすさは、調教からレースに至るまで、その競走生活を貫いている。普段の生活でもちょっとしたことに敏感に反応してしまうし、持ったままの馬なり調教でも好時計が出てしまうため、精神的にも肉体的にも消耗が激しく、競走馬としてのピークが短いのだ。

しかし、騸馬においてはこの限りではない。2005年にスプリンターズSがグローバル・スプリント・チャレンジの1戦となるや、サイレントウィットネスという6歳の騸馬が圧倒的な強さと速さで優勝した。しかも、サイレントウィットネスは前日追いにおいて放馬し、馬場を1周も余計に走ってしまったにもかかわらずであった。その翌年には、テイクオーバーターゲットという、タクシードライバー兼調教師に育てられた7歳の騸馬がまたもや勝利した。さらに2010年のスプリンターズSをまんまと逃げ切ったのは、ウルトラファンタジーという8歳の騸馬であった。騸馬は高齢になっても能力が衰えるどころかますます盛ん、そして競走馬としてのピークも長いのである。


(続きは、週刊「Gallop」にてお読みください!)

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高松宮記念を当てるために知っておくべき3つのこと

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■1■差し馬有利の展開は変わらず
中京競馬場は小回り、直線に坂がなく平坦であり、本来は圧倒的に先行馬が有利なコースであったが、高松宮記念に限っては、最後の1ハロンでスピード自慢の先行馬の脚が止まり、スタミナを備えた差し馬がゴール前で逆転するという展開のレースになりやすかった。それは新装された今も同じ。直線が長くなったばかりか、坂ができたことにより、その傾向にはさらに拍車がかかる。

「差し馬有利」の状況は、ラップタイムからも一目瞭然である。阪神競馬場で行なわれた平成23年を除く、過去10年間の前半後半3ハロンのラップタイムは以下のとおりである。
 前半 ― 後半
平成16年 32.9―35.0 (前後半の落差2.1)
平成17年 33.3―35.1 (前後半の落差1.8) 
平成18年 33.7-34.3 (前後半の落差0.6)
平成19年 33.8-35.1 (前後半の落差1.3)
平成20年 33.4-33.7 (前後半の落差0.3)
平成21年 33.1-34.9 (前後半の落差1.8)
平成22年 33.5-35.1 (前後半の落差1.6)
平成24年 34.5-35.8 (前後半の落差1.3)
平成25年 34.3-33.8 (前後半の落差0.5)
平成26年 34.5-37.7 (前後半の落差3.2)

平成25年を除き、ほぼ毎年、前半が速くて後半が掛かるという、典型的な前傾ラップである。「短距離の差し馬」という格言があるように、基本的にスプリント戦は差し馬有利な前傾ラップになることが多い。特にG1のスプリント戦となると、スピードのある馬が揃い、前半のポジション争いが厳しくなるため、どうしても上がりの掛かる展開となるのは避けられない。

つまり、高松宮記念は、見た目以上に差し脚が生きるコースである。G1スプリント戦の性格に加え、コース形態がスピードとスタミナを兼ね備えた強い差し馬に有利に働くということだ。

■2■馬場の不利、枠順の不利はなくなる
かつて開幕最終週に高松宮記念が行なわれていた頃は、馬場の傷みによってコースの内外における有利不利を生み出してしまうことがあった。平成12年のキングヘイロー、13年のトロットスター、17年のアドマイヤマックスと、大外を回った馬が勝利したように、内側が傷んで走りにくいという馬場設定になってしまう可能性があった。しかし、昨年からは改修後ということもあって、馬場は絶好の状態を保っているため、馬場による有利不利はない。

さらに、これまでの中京競馬場はコース幅が狭くカーブもきついため、枠順の内外も考慮に入れるべきであった。テンのダッシュが速くない馬が内枠に入ると、外から速い馬に来られ、包まれてしまい何も出来ずに終わったり、外枠を引いた馬が内に入れるヒマもなく、終始外々を回されて終わってしまうことがあった。どの枠順を引いたかによって、勝利の行方が大きく左右されたのだが、改修後は枠順における有利不利もほとんどなくなるだろう。

全体的に見ると、よほど極端な枠順を引かない限り、スピードとスタミナを兼ね備えた強いスプリンターが勝つことのできる舞台が整ったといえる。

■3■5歳馬が有利
過去10年間における、年齢別の成績は以下のとおり。

4歳   【1・1・2・34】 連対率5%
5歳   【5・4・2・33】 連対率21%
6歳   【2・5・3・34】 連対率16%
7歳以上【2・0・3・46】 連対率4%

勝ち鞍、連対率だけを見ても、5歳馬が圧倒していることが分かる。勢いのある4歳馬が、充実の5歳馬にねじ伏せられてしまうという形になりやすい。キンシャサノキセキは例外的存在と考えて、6歳以上の馬になってくると、スピード不足を露呈してしまうのか、年齢と共に勝率は下がっていくことになる。スピードとスタミナを兼ね備えたスプリント能力を問われるということだ。

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黒光りする毛艶が良いブラックバゴ:5つ☆

★スプリングS
ダノンプラチナ →馬体を見る
3歳になって脚がスラっと伸びて、柔らかみのある筋肉はそのまま保たれている。
休み明けということもあり、余裕を残した仕上がりで、筋肉のメリハリはあと一歩。
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ブラックバゴ →馬体を見る
黒光りする毛艶が良く、使われてきている分、他の有力馬よりも仕上がりは良い。
やや腰高なところがあるため、距離は短い方が良く、中山の1800mはベストか。
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ミュゼスルタン →馬体を見る
休み明けの分、ふっくらとして余裕残しの仕上げだが、馬はリフレッシュされた様子。
前駆に比べると、後躯の力強さが物足りず、ひと叩きされての成長を期待したい。
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リアルスティール →馬体を見る
前後躯にはしっかりと実が入って、筋肉も多く、馬体全体からパワーが伝わってくる。
やや重心が低く、距離が延びて良いタイプではなく、2000m前後が適距離だろう。
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ペルーフ →馬体を見る
一見して幼さを感じさせる馬体で、筋肉にメリハリが乏しく、これから良くなる馬体。
それでいて連勝しているのは、この馬の資質の高さゆえであり、将来が楽しみ。
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キタサンブラック →馬体を見る
この馬も成長の余地を多分に残している、幼さを感じさせる馬体で力不足か。
馬体全体のシルエットは美しいので、筋肉がついてくれば走ってくる馬である。
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★阪神大賞典
ラブリイデイ →馬体を見る
快勝した前2走に比べると、ひと息入れたこともあって、仕上がりは良くない。
それでも全身のパワーアップは明らかで、あとはレースまでにどれだけ絞れるか。
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ゴールドシップ →馬体を見る
腹袋が大きく映るからだろうか、いつもよりも脚が短く、重心が低い馬体に見える。
ステイヤーのゴールドシップらしからぬ馬体で、今回は調子自体に疑問が残る。
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デニムアンドルビー →馬体を見る
休み明けらしく、馬体はふっくらとして、この馬にとっては理想的な状態にある。
筋肉のメリハリに欠けるため、レースに行くまでに、どこまで負荷を掛けられるか。
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ラストインパクト →馬体を見る
有馬記念はさすがに距離が長かったのではないか、馬体を見ると中距離馬のそれ。
いくら松田博資厩舎の馬とはいえ、この馬体で3000mの重賞を勝ち切るのは難しい。
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カレンミロティック →馬体を見る
柔らかい筋肉がしっかり付いているが、手脚が短く重心が低く、パワータイプの馬体。
距離が延びていいハーツクライ産駒ではあるが、馬体的には2000m以下が良いだろう。
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阪神大賞典を当てるために知っておくべき3つのこと

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■1■瞬発力勝負に
過去11年間、勝ち馬の上がり3ハロン時計は以下のとおり。

平成16年 リンカーン       34秒5
平成17年 マイソールサウンド 34秒8 
平成18年 ディープインパクト  36秒8
平成19年 アイポッパー      34秒3
平成20年 アドマイヤジュピタ  34秒7
平成21年 アサクサキングス  40秒6
平成22年 トウカイトリック    36秒0
平成23年 ナムラクレセント   35秒3
平成24年 ギュスターヴクライ 37秒1
平成25年 ゴールドシップ    36秒8
平成26年 ゴールドシップ 34秒5

上がりが遅いレースと速いレースの差が激しいように見えるが、実はディープインパクトが勝った年は、馬場が重く、異常なほど強い風が吹いていた。また、平成22年はそのディープインパクトの2着したトウカイトリックが4年越しで勝利したように、上がりが掛かる競馬であった。平成21年は不良馬場であったため時計が掛かった。そして、平成24年はやや重馬場に加え、オルフェーヴルのまさかの逸走があり、上がりの掛かる展開に。

しかし、それ以外のほとんどの年は上がりが34秒台となっていて、基本は瞬発力勝負になりやすい舞台と考えてよい。3000mを走って34秒台で上がってくるのだから、道中がいかに遅いペースで流れ、ラスト3ハロンの瞬発力勝負になっているかが分かる。これが阪神大賞典と天皇賞春の結びつきが強い理由のひとつでもある。長距離戦だからといって、決してスタミナ豊富な馬が有利なのではなく、まずは瞬発力が求められることを知っておきたい。

■2■内枠で先行出来る馬が有利
スローペースの瞬発力勝負になりやすい以上、当然のことながら、内枠を引いて内々の経済コースを進んだ馬が有利となる。ただし、長距離戦では各馬もコースロスを意識して外々を回らないように運んでくるため、たとえスローペースであっても、馬群は縦長になることが多い。そのため、内外という枠順でそれほど大きな差は生じない。内枠から発走して、前にポジショニングできて、ラスト3ハロンの瞬発力勝負に強ければ、勝ち負け必至のレースである。

■3■1番人気馬が圧倒的に強い
過去10年間の人気ごとの成績は以下のとおり。

1番人気【3・4・2・1】 連対率70%
2番人気【2・0・1・7】 連対率20%
3番人気【2・1・3・4】 連対率30%

1番人気馬の連対率が7割と、圧倒的な安定感を誇っていることが分かる。これは人気馬が強いということではなく、長距離戦では各馬の実力や仕上がり具合が如実に現れてしまうということである。たとえ展開やレースの綾があったとしても、力のない馬や仕上がりの良くない馬が好走してしまう確率は極めて低い。実力と仕上がり状態をそのまま信頼してよいレースである。

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牡馬クラシック路線を占う(前編)

Satonocrown

続いて、牡馬のクラシックを占ってみたい。まずはすでに終わっている弥生賞組から。弥生賞を勝ったサトノクラウンは異質なタイプの強い馬である。何が異質かというと、その血統背景と走りが一致しないということ。父はラストタイクーン系のMarju(マルジュ)。Marjuはアイルランドの生産馬で、自身は英ダービーを2着、セイントジェームスパレスSを勝利した程度の実績しかないが、姉にサルサビルという英1000ギニー、英オークス、愛ダービー、ヴェルメイユ賞を勝った名牝いて、その良血を買われて種牡馬となったのだろう。母ジョコンダⅡはアイルランド産馬。繁殖牝馬としての価値を認められ、日本に輸入されてからステイゴールド、ディープインパクトと種付けされている。

つまり、サトノクラウンは本来、日本の競馬向けの軽さを持った血統ではない。まさかこのような活躍を見せるとは思われていなかったのではないか。しかし、その馬体にも走りにも軽さがあり、奥が深い馬という印象を受ける。血統的にはスタミナがあるのは明らかで、距離が延びてさらに良さが出るはずだし、逆にデビュー2戦目で1800m、3戦目で2000mの重賞を勝っていることが驚きだ。サトノクラウンの特徴としては、賢さ(レースに行ってからの操縦性の高さ)が挙げられる。スタートが上手で、道中で力まずリラックスして走れるので、無駄な力を使うことがない。ゴーサインを出すと、手脚が軽く、馬体が沈むように伸びていくフォームも素晴らしい。上がり33秒台の瞬発力勝負にも対応でき、弥生賞のような上がりが掛かる競馬になれば、この馬のスタミナがより強調される。

現時点では、ほぼ隙がない馬であるが、この先の懸念材料をひとつだけ挙げるとすれば、馬体をつくりすぎてしまうことだ。堀厩舎の管理馬は、サラブレッドの絵画から抜け出てきたような理想的な馬体をしている馬が多く、それは飼料から調教法に至るまで、独自のメソッドに則って馬をつくることを意味する。ただ、サトノクラウンに関しては、あまり馬をつくりすぎてしまうと、長所を消してしまうことにもつながりかねない。現時点でのサトノクラウンを見ると、良い意味での馬体の緩さがあるからこそ、血統的背景がもつ本来の重さを打ち消している。もし馬体をつくりすぎて、緩さが失われてしまうと、軽ささえも失ってしまうことになりかねない。そうなると、日本の軽い馬場に合わない走りになり、欧州の重さが足かせになってしまうだろう。この馬に関しては、できるだけ馬を軽くつくるように調教を施したほうが良い。それからもうひとつ、連勝はいつか止まる。クラシック本番に向かうにあたって、負けていないということは逆に不安材料になるだろう。

弥生賞で圧倒的な1番人気ながらも7着に敗れたシャイニングレイは、個人的にはそれほどの大物ではないと感じる。ディープインパクト産駒にしては、筋肉が硬く、母系のパワーが前面に出ている。弥生賞はキャリアの浅さが露呈してしまったのだろう。距離が延びて良いタイプでは決してないが、皐月賞が行われる2000mまでは問題なく、馬場が重くなってくる皐月賞の舞台は合うはずだ。今年のメンバーで皐月賞を勝てるイメージはないが、巻き返しは可能である。ブライトエンブレムは、気性面の難しさもあり、末脚一辺倒の競馬しかできないことがネック。調教でももう少しきちんと走られるようにならないと、G1レベルのレースでは通用しない。

Photo by 三浦晃一

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スプリングSを当てるために知っておくべき3つのこと

Springs

■1■皐月賞と結びつきやすい
本番と距離が同じ弥生賞が皐月賞に結びつきにくいのに対し、1800mで行われるスプリングSからは過去17頭の皐月賞の勝ち馬が出ている。理由として考えられるのは、以下の2つ。

1、中3週というレース間隔が調整しやすい
2、皐月賞に似た底力勝負のレースになりやすい

1については、皐月賞に向けてという意味では、スプリングSで勝った時の体調を引き続きキープしやすいということである。弥生賞から皐月賞だと中5週となってしまい、レース間隔が開いていることでかえって調整が難しくなってしまうのだ。中3週だと体調を維持することに気をつければよいが、中5週だと一旦僅かに緩めてもう一度仕上げ直すことになる。

2については、弥生賞がスローの瞬発力勝負になりやすいのに対し、スプリングSは平均ペースの耐久勝負になる傾向がある。わずか200mの距離の違い(コース設定)が、レースの質にも影響を与えるからである。そして、本番の皐月賞は後者に近いペース(平均~ハイペース)になるからこそ、スプリングSの勝ち馬や好走馬が皐月賞につながりやすいということになる。

■2■パワーとスタミナが問われる
上記のように、中山2000mで行われる弥生賞に比べ、1800mで行われるスプリングSは道中で緩むところが少なく、耐久戦になりやすい。軽さと瞬発力ではなく、パワーとスタミナを問われるレースになるのだ。血統的には、ダートを得意とする血やヨーロッパのスタミナ血統の馬が走っているのが目立つ。また、4つコーナーを回る小回りのレースだけに、どうしても前に行ける馬にとって有利になる。速い脚を持続できる地脚の強い馬を狙うべきだということだ。

■3■前走連対馬と1番人気が強い
前走1着   【4・4・6・45】
前走2着   【2・2・3・14】
前走3着   【3・0・0・3】
前走4着以下【0・3・0・29】

過去10年のスプリングS連対馬20頭のうち、12頭が前走で連対している。クラシック開幕まで残り4週間という時期であり、素質馬が本番へ向けて集結してくる以上、前走で負けている(最低2着は確保)馬では苦しいということだろう。もちろん、重賞以外のレースで負けているような馬では勝負にならない。

1番人気   【3・3・2・1】
2番人気   【1・0・2・6】
3番人気   【2・2・0・5】
4番人気以下【2・0・1・15】

さらに、その素質馬たちの中でも1番人気に推された馬は、過去10年で3勝を挙げ、連対率にしても67%と圧倒的な数字を出している。前走の内容が良かったということであり、底力が試されるレースだけに実力がそのまま反映されやすい。

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週刊「Gallop」にて連載を始めます。

Gallopnew

来週3月23日発売の高松宮記念特集号より、週刊「Gallop」にて連載を始めます。今回、週刊「Gallop」の誌面が大幅にリニューアルされ、これまで以上に馬券に役立つ情報を充実させることを受け、私も馬券のヒントを提供したいと思います。連載のタイトルもそのテーマの通り、超「馬券のヒント」。これまで私が身銭を切って経験し、考えてきた馬券にまつわる全てを出し切り、さらにこれを機に、私自身が再び馬券の海に深く潜って学び、もうひと回り大きく成長を遂げたいと思います。ぜひ楽しみにしていてください。

リニューアルの内容としては、データ解析、血統分析コーナーが拡大され、スペシャルウィークやアグネスデジタルなど、数多くの名馬を育てた白井寿昭元調教師と、マイネル軍団総帥・岡田繁幸の弟さんで、並外れた相馬眼を持つ岡田牧雄氏が予想陣に加わります。さらに何と言っても、誌上パドックにおける立ち写真が大きくなり、頭数も増えるそうです。最近増えている馬体派の競馬ファンたちにとっては朗報ですね。

私自身、こちらにも書いたように、週刊「Gallop」にはとても思い入れがあります。競馬を始めて3年目に創刊された週刊「Gallop」は、私の競馬の歴史に彩りを与えてくれたと言っても過言ではありません。そんな週刊「Gallop」に書く機会をいただいたことを光栄に思いますし、創刊された22年前には、まさか自分が連載をする日が来るとは想像すらできませんでした。そんな幸せを噛みしめつつ、競馬を見つめ、考え、馬券について綴っていきます。

せっかく書かせていただく以上は、週刊「Gallop」を読むときにまず真っ先に開くページにしたいと思っています。私にとって、故野平祐二調教師のコラム「口笛吹きながら」がそうであったように。インターネットであらゆる情報が手に入る時代において、お金を出して週刊誌を買う人々は少なくなってきてしまいました。実を言うと、私の周りにいる同世代の競馬ファンも同じです。これまでの競馬を支えてきて、これからも支えていくはずの世代の競馬ファンが、再び週刊誌を手に取って読んでみたいと思ってもらえるような連載になりたいのです。

さすがに全文を公開するわけにはいきませんが、来週からその一部を「ガラスの競馬場」にも掲載させていただきます。もしご興味を持っていただけたら、立ち読みしていただいても構いませんし、買って読んでいただければなお嬉しいです。読んでいただいて、ご意見やご質問などありましたら、コメントやメールをください。また、こんなことを書いてほしいという要望などもありましたら、遠慮なく教えていただければ幸いです。

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筋肉に柔らか味があるコートシャルマン:5つ☆

★フィリーズレビュー
ムーンエクスプレス →馬体を見る
3歳牝馬らしいアウトラインで、線が細く、発展途上の馬体。
筋肉は柔らかく質が良いため、馬体的な成長が伴えば強くなる。
Pad3star

コートシャルマン →馬体を見る
胴部には長さがあるにもかかわらず、重心の低く、距離適性が読みづらい。
筋肉に柔らか味があり、後躯のキック力は力強いため、溜めれば弾ける。
Pad5star

ダノングラシアス →馬体を見る
暮れの阪神ジュベナイルF時の方が、馬体に柔らかみがあって体調は良かった。
顔つきを見ても、精神的な疲れが少し出てきているのが伝わってくる。
Pad4star

クイーンズリング →馬体を見る
マンハッタンカフェ産駒らしく、前駆は力強いが、後ろが未発達の馬体。
トモに筋肉がついてくれば、推進力がさらに増し、もっと走るはず。
Pad3star

クールホタルビ →馬体を見る
寒さが残るためか、毛艶が冴えず、まだ冬場を引きずっているような馬体。
筋肉のメリハリにも欠け、馬の表情からも自信のなさが伝わってくる。
Pad3star

オースミアリス →馬体を見る
馬体全体には長さがあって、距離が延びて良さそうだが、現時点では細い。
力強さに欠けるため、阪神の1400mではパワー不足の感は否めない。
Pad3star

ベルフィカ →馬体を見る
姿勢よく立てており、おそらく素直な気性で、レースでも操縦しやすい馬だろう。
あとはトモの肉付きが増してくると、馬体としてはバランスが良くなる。
Pad3star

★中山牝馬S
スイートサルサ →馬体を見る
前後躯にしっかりと実が入って、馬体全体のバランスは素晴らしい。
あとは暖かくなって毛艶が良くなってくると、力を出し切れるはず。
Pad4star

ケイアイエレガント →馬体を見る
筋肉のメリハリという点では不十分で、幼ささえ感じさせる馬体。
筋肉の柔らかみは抜群で、毛艶も良く、素直な気性が分かる表情ではある。
Pad3star

オメガハートロック →馬体を見る
堀厩舎の管理馬らしい均整の取れた好馬体で、特に前駆の力強さはGOOD。
欲を言えば、トモにさらに実が入ってくると、大きな舞台でも活躍できる。
Pad3star

ブランネージュ →馬体を見る
幼さを感じさせる馬体だが、力みなく、リラックスして立てており、好感が持てる。
尾が短いため、全体のバランスが悪く映るが、顔つきから賢い馬であることが分かる。
Pad3star

グレイスフラワー →馬体を見る
胴部には余裕があり、脚が短く、重心が低いため、距離は短い方が合っている。
そういった意味では、中山1800mは条件が厳しく、スタミナ切れするかも。
Pad3star

パワースポット →馬体を見る
前駆が非常に力強くて、その分、どうしても後躯が薄く見えてしまう。
顔つきからは、肉体面と精神面におけるコンディションの良さが伝わってくる。
Pad4star

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中山牝馬Sを当てるために知っておくべき3つのこと

Nakayamahinnbas

■1■京都牝馬Sで負けていた馬
過去10年の連対馬を見渡すと、20頭中、7頭は京都牝馬S組である。牝馬限定の重賞同士だけに、結びつきがあって当然であるが、着順がリンクしているとは言い難い結果となっている。京都牝馬S→中山牝馬Sという連勝は一度もなく、京都牝馬Sで惨敗していた馬の中山牝馬Sでの巻き返しが多いことが特徴である。

考えうる理由は2つ。ひとつは、古馬牝馬が重賞を連続で勝つということが、体調維持の面で難しいということ。もうひとつは、京都1600m(外回り)で行われる京都牝馬Sと、中山1800mで行われる中山牝馬Sでは、勝ち馬に求められる資質が全く違ってくるからである。京都牝馬Sが一瞬の切れ味が問われるヨーイドンの競馬になるのに対し、中山牝馬Sはスピードの持続力が要求されるレースになりやすいのである。

つまり、京都牝馬Sを切れ味不足で負けていたような、スピードの持続力を武器とする、地脚の強い馬を中山牝馬Sでは狙うべきということだ。

■2■基本的には内枠の先行馬有利
中山1800mコースは、スタンド前の上り坂の途中からスタートする。スタートから第1コーナーまでの距離は205mしかなく、上りスタートのため、テンが極端に速くなることはない。よって、スロー~ミドルに流れるのが必然といえる。ただし、過去10年のラップ(以下)を見ると、意外とそうでもなく、ニシノブルームーン、レディアルバローザが勝った年はハイペースで流れている。

12.7-12.3-12.7-12.5-12.1-12.2-11.8-11.5-11.9(50.2-47.4)S
12.4-11.4-12.1-12.0-12.2-12.5-11.8-11.8-11.6(47.9-47.7)M
12.7-11.7-12.6-12.0-11.8-12.2-12.2-12.2-12.8(49.0-49.4)M
12.2-11.6-12.4-12.3-12.3-11.8-11.8-11.5-12.5(48.5-47.6)M
12.4-11.4-12.1-12.2-12.4-12.5-12.1-11.5-12.5(48.1-48.6)M
12.3-11.2-11.5-11.7-11.9-12.3-12.5-11.8-12.4(46.7-49.0)H
12.1-10.6-11.5-11.6-12.1-11.8-11.2-12.1-12.4(45.8-47.5)H
12.8-11.4-11.9-12.7-12.7-12.8-12.0-11.8-12.5(48.8-49.1)M
13.1-12.0-12.2-12.3-11.7-11.9-11.9-11.5-11.9(49.6-47.2)S
12.7-11.4-11.8-12.3-12.2-12.0-12.0-11.7-12.4(48.2-48.1)M


これはコースの形態上、どうしてもスロー~ミドルに流れやすいレースを各ジョッキーが意識するあまり、いつの間にかテンが速くなり、逃げ・先行馬が厳しいペースに巻き込まれてしまうからである。その競り合いに巻き込まれず、自分のペースで走ることが出来た馬の差しが決まることもある。各馬の出方次第でペースが極端に変わってしまう難しいレースではあるが、基本的には先行馬に有利なコースであることは間違いがない。

また、第1コーナーまでの距離が短いため、内枠を引いた馬がかなり有利になることも覚えておきたい。外枠からの発走であれば、ペースが速くなったケースにのみ、差し馬にとってはレースがしやすい。ただ、基本的には内枠の馬に有利なコースである。

■3■勝ち馬は2着馬よりもハンデが重い
過去10年の勝ち馬のハンデの平均は約55kg、2着馬のハンデの平均は約54kgと勝ち馬のハンデの方が2着馬よりも重い。実際に、勝ち馬のハンデより2着馬のハンデが重かったのは僅か2010年のみ。イメージとしては、勝ち馬は実力のある重ハンデ馬で、2着には比較的軽量のハンデ馬が突っ込んでくるというところか。

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フィリーズレビューを当てるために知っておくべき3つのこと

Filiesreview

■1■本番・桜花賞との結びつきが弱い
過去10年間で、フィリーズレビューを使って本番・桜花賞を制したのはラインクラフトとレジネッタのみ。1週間前に行われたチューリップ賞からは7頭の桜花賞馬(スティルインラブ、ダイワスカーレット、ブエナビスタ、アパパネ、ジェンティルドンナ、アユサン、ハープスター)が出ており、その差は歴然としている。

その理由はひとつ。チューリップ賞とフィリーズレビューを天秤にかけた場合、本番へのつながりを意識すれば前者をステップにする方が望ましいのは明らかで、にもかかわらずフィリーズレビューを選択するのは、陣営が距離(もしくは折り合い)に不安を抱えているからである。僅かでも距離に不安を感じている馬が、さらに厳しい流れになるG1レースのマイル戦を勝つのは難しい。

■2■最後にもうひと伸びできるパワー
スプリント色の濃いメンバーが集まるからこそ、かえってレースの流れは厳しくなることが多い。過去10年間のラップタイムを見てみると(下参照)、スローに流れてしまいがちなチューリップ賞よりも、ミドルからハイペースに流れやすいレースの傾向が浮かび上がってくる。そのため、結局、スピード一辺倒のスプリンターでは勝ち切れず、ハイペースを好位で追走して最後にもうひと伸びできるパワーも要求される。

フィリーズレビュー過去10年ラップタイム
12.1-11.0-11.3-11.7-11.5-11.3-12.3(34.4-35.1)M
12.6-10.9-11.3-11.7-11.8-12.2-12.6(34.8-36.6)H
12.5-10.9-11.4-11.7-11.4-11.7-12.2(34.8-35.3)M
12.1-11.0-11.7-11.9-11.6-11.8-12.4(34.8-35.8)H
12.3-10.5-11.5-12.0-12.2-12.0-11.9(34.3-36.1)H
12.2-11.0-11.8-12.1-11.8-12.0-11.9(35.0-35.7)M
12.3-10.5-11.3-11.8-12.0-11.8-12.6(34.1-36.4)H
12.2-10.7-11.4-11.8-11.9-11.9-12.9(34.3-36.7)H
12.3-10.9-11.7-11.8-11.3-11.9-12.2(34.9-35.4)M
11.9-10.9-11.8-12.1-11.7-11.4-12.5(34.6-35.6)H

3■阪神1400m
スタート後、3コーナー過ぎまでの距離はおよそ440mと十分にあり、テンはそれなりに速くなる。そして、3~4コーナーが複合カーブであるため、スピードが落ちない。そのため、緩急のない全体的に速いペースで道中は流れる。しかし、3コーナーからゴール前に至るまで下りが続くため、そのまま流れ込むことの出来る先行馬が有利。

とはいえ、3~4コーナーの間に偽直線を挟んでいるため、差し馬もペースに応じて先行集団との差を詰めることが出来る。先行馬が有利なコースではあるが、決して差し馬に不利なコースではない。むしろ道中のペースが速くなりすぎると、直線の急坂で先行馬が総崩れということも十分にあり得るので注意。

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牝馬クラシック路線を占う2015

Catcoin

チューリップ賞が終わる前に書いておきたかったのだが、後藤浩輝騎手のことがあって、書きそびれてしまっていた牝馬クラシック路線について。なぜチューリップ賞の前が良かったかというと、チューリップ賞が行われた後では、大体の勢力図が決まってしまうからであり、たとえばブエナビスタやハープスターのような別格の馬がいる場合はなおさら、その路線の未来を占うことにさほどの意味がなくなってしまうからである。ただ、今年はそれほど抜けた存在がおらず、チューリップ賞の結果もおよそ予測通りであったが(重馬場で行われた以外は)、未だに混沌としているのも確かである。

混沌としていると言っても、今年の牝馬クラシックは良い意味で粒ぞろいである。一枚力の抜けた存在の馬が数頭いて、むしろ百花繚乱と言ってもよいぐらい。その中でも、阪神ジュベナイルFを勝ったショウナンアデラは素晴らしい素質を秘めている馬だ。2歳の牝馬にしてあれだけの脚を使える馬は滅多にいないし、それはブエナビスタやウオッカのそれとは違い、どちらかというとハープスターのそれに近い、私はドリームジャーニーが朝日杯フューチュリティSで使ったそれを想起したが、ゴール間際に外からトップスピードで飛んで来るような末脚である。ディープインパクト産駒としては心配な馬体重も460kg台と申し分ない。あとは自身の体質の弱さとの戦いとなる。本番に直行というローテーションになるのは大きなハンデだが、そこは名門二ノ宮厩舎の腕の見せ所だろう。

同じ二ノ宮厩舎のキャットコインの素質も相当だろう。肉体的にはまだまだだが、柔軟な可動域とバネの良さを最大限に活かして走っている。レースに行ってからは素直に鞍上の指示にも従って走れるように、レースセンスも高い。母父ストームキャットという、ディープインパクトに優先権がありそうな馬がステイゴールドに回ってきて、ステイゴールドの種牡馬としての良さがさらに証明できそうな血統でもある。ナカヤマフェスタ、ナカヤマナイトなど、ステイゴールド産駒を扱わせたら右に出る者はいない二ノ宮敬宇調教師が管理していることも頼もしい。あとはもう少し馬体重が増えて、パワーアップを望みたいところだが、それは一朝一夕で成しえることではなく、時間を掛けて力をつけていくものなので、その過程でクラシックに出走し、タイトルを手にすることができるかどうかという話である。

3連勝と負け知らずのルージュバックも強い。新馬戦からきさらぎ賞まで、レースのレベルが上がりつつ、それに伴ってパフォーマンスも上がっていくという底知れなさ。馬体だけを見ると、正直に言って、それほどの馬には見えないが、この馬の良さは走り出してみると分かる。とにかく前駆のかき込みが力強くてかつ軽い、素晴らしいフットワーク。やや首を高く保って走る姿は父マンハッタンカフェ譲りか。表情からも気性の良さが伝わってくるようで、無駄なことに力は使わないだろうし、輸送などによる精神的負担も少ないタイプだろう。もちろん、馬体的にはまだ成長の余地は大きく残しているが、現時点でも相当に安定感がある。上記の2頭がローテーション的には順調に行っていない分、そういった点では一歩リードしている。

最後にもう1頭は、チューリップ賞を勝ったココロノアイである。重馬場をスイスイと走って勝利したが、たとえ良馬場でも結果は同じであったはず。阪神ジュベナイルFを3着したあと、休養が上手く行ったのだろう、プラス10kgの馬体重で出走してきた。馬体を見ても、筋肉が柔らかくふっくらと保たれており、ただ単に体重を増やしたということではなく、しっかりと充電ができたことが見て取れた。しかもこれで2度目の関西遠征であり、精神的にもタフなのだろう。血統的には母の母が懐かしいマックスジョリーであり、母系はスタミナの権化である。距離が延びてより良さが出るのでオークスが最高の舞台だが、阪神のマイル戦であれば好走は間違いない。あとは普段から気持ちのコントロールができるよう、極めて慎重に調教が進められることを願う。

Photo by 三浦晃一

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きちんと仕上がったクラリティスカイ:5つ☆

ブライトエンブレム →馬体を見る
朝日杯FS時に比べると、筋肉のメリハリも戻ってきて、素晴らしい体つきに。
ただ、表情や耳の動きを見ると、気性の難しさが伝わってきて、そこがネック。
Pad4star

サトノクラウン →馬体を見る
重厚感がある中にも軽さを感じさせる、何とも表現しがたい奥深い馬体を誇る。
顔つきからは気性の素直さがあり、ジョッキーにとっても乗りやすいタイプだろう。
Pad4star

コメート →馬体を見る
馬体全体としては、筋肉のメリハリに乏しく、幼さが抜けきらない馬体。
手脚は長く、将来的には成長が期待できるが、トモの実の入りなど物足りない。
Pad3star

シャイニングレイ →馬体を見る
前後躯には豊富な筋肉がついており、特に肩周りの力強さは母系譲りのそれか。
その分、筋肉に硬さがあり、中山コースは合うが、将来性という点では疑問が残る。
Pad3star

グァンチャーレ →馬体を見る
これと言って特筆すべき点はないが、マイラーとしては馬体に薄さと緩さがある。
余分な筋肉がないからこそ、現時点ではスムーズに走れるので、この馬はこれでいい。
Pad3star

クラリティスカイ →馬体を見る
休み明けにしてはきちんと仕上がっていて、毛艶は良く、筋肉も柔らかくて張りがある。
賢そうな表情から力は出し切れるタイプで、腰高の馬体から距離は2000mがギリギリ。
Pad5star

ベルラップ →馬体を見る
この馬の性格かもしれないが、顔つきが冴えず、あまり調子自体が良くなさそう。
胴部には長さがあるが、脚がやや短く、この馬も2000mぐらいが適距離だろう。
Pad3star

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追悼:後藤浩輝騎手 【再掲】あえて苦言を呈する 

半年間の米国滞在を決めたとき、彼はまだ勝ち鞍も通算100勝に満たない、若手騎手のひとりだった。大リーグを例に取れば、高校中退後、すぐにメジャーリーグを目指して米国に移り住んだ、鈴木誠投手に似ているかもしれない。

後藤はなぜ、あのとき米国競馬に飛び込んでいったのか。

その理由を本人から聞いたことがないのでわからないが、日本では得られないものを米国で得よう、という気持ちだったのだろうか。

それにしても、デビュー5年目にして単身で米国へ渡ったのだから、勇気があるというか、たいしたものだ。しかも、彼は米国競馬を吸収し、かなり大きくなって、アメリカをそのまま全部もって帰ってきた。その姿は完全なアメリカンスタイルといえる。

そう簡単に騎乗スタイルを変えられるものではないので、天性の素質が高かったのだろう。日本では見つけられなかった素質を、アメリカで発掘してきた、といえる。また、帰国後の彼の大きさを見ていると、それなりのことを米国でしてきたことがわかる。

気になることもある。あまりにも米国流をやりすぎているように見えるのだ。

3コーナーから一気に押し切るアメリカ型競馬を日本でやり、後ろの馬に差されるケースが目につく。

「あまりアメリカ一辺倒でもまずいよ」と話したこともあるのだが、いまでも彼はステッキの使い方、姿勢、勝つレースなど「これぞアメリカ」という競馬を貫いている。

日本の競馬は欧州と米国の中間といえる特殊なスタイルであり、そこでアメリカ一辺倒の競馬をしても限界がある。日本にあった騎乗を頭の中に入れて、もう少し柔軟になってもいいのではないか。

彼ならさらに飛躍できる、と信じているからこそ、あえて苦言を呈する。

(「口笛吹きながら」より)

Nohirayuuji

今、こうしてしっかりと騎手の乗り方について苦言を呈することができる人はほとんどいない。いや、昔からいなかったのだが、祐ちゃん先生だけは例外だったと言うべきか。祐ちゃん先生がかつて騎手であり、実績があったからではない。日本の競馬の中で、騎手の乗り方に表立って口をはさむことは、ある種タブーであったのだ(今もそうありつづけている)。他のスポーツでは当たり前に行われているような指摘も、それが騎手に向けられると批判や非難となってしまう。日本の競馬の世界では、ジャーナリズムが機能しにくいのだ。そこには競馬村の閉塞感があり、日本の競馬は文化であり、スポーツであると胸を張って言えない状況がある。

祐ちゃん先生が苦言を呈したのは、後藤浩輝騎手ではなく、後藤浩輝騎手の乗り方に対してである。あまりにもアメリカ流をやろうとしすぎて、仕掛け(動き出し)が早くなってしまいがちな点を指摘したのだ。アメリカの競馬ならばそれで押し切れても、日本の競馬はアメリカ型とヨーロッパ型のレースが玉虫色的に混在しているため、ひとつの型ばかりだとどうしても勝ち切れないレースが出てくる。もしどんなレースにも対応したいと望むなら、日本に合ったスタイルに柔軟に変化させてゆく必要があるということだ。後藤騎手にとっては厳しい指摘かもしれないが、そこには日本競馬の将来を担うべき後藤騎手への期待と愛情が込められている。

もっとはっきりと言うと、後藤騎手に足りなかったのは、道中で脚をためて、最後の直線で爆発させる力である。これは完全にヨーロッパ流の乗り方であり、実は祐ちゃん先生も欧州の競馬に長期滞在したときにぶつかった壁であった。あのスピードシンボリをして、最終コーナーまで抜群の手応えで回ってきたにもかかわらず、勝ったと思ったその瞬間に、並ぶ間もなく抜き去られた。静と動のギアチェンジにおける、日本とヨーロッパの騎手の技術の違いを肌で感じた瞬間であったという。道中で同じように馬に乗っているように見えても、ヨーロッパの騎手が“溜める”だとしたら、日本の騎手は“抑える”だとも語った。

京成杯で1番人気のアドマイヤブルーに跨った後藤騎手の騎乗を見て、祐ちゃん先生のそんな話をふと思い出した。後藤騎手がアメリカ流をやりすぎているとは思わないが、道中で脚をためて、最後の直線で爆発させるのが不得手だとどこかで感じているからこそ、意識的にもしくは無意識的に早めから動いてしまう、または馬が察して動いてしまうのだろう。じっくりと脚を溜めて、びっしりと追った方が良いタイプのアドマイヤブルーとは、馬が合わなかったということだ。もちろん一方で、そうして積極的に動いて、ゴールまで我慢させて勝ちを拾ってきたレースがたくさんあることも事実である。そして、おそらく、当時まだデビュー5年目であった後藤騎手が、単身でアメリカに渡った理由もここにある。アメリカ競馬に対する単なるあこがれだけではなく、静と動のギアチェンジにおいて分が悪い騎手としての自分を冷静に見極めて、早めに動いて我慢させるアメリカ流に賭けてみたのではないか。その試みは見事に成功したといえる。自分の弱点を補って余りある強みを身につけて、後藤騎手は日本に戻ってきた。それからさらに強みを磨き、通算1300勝(2012年1月17日時点)を積み上げて、一流と呼ばれる騎手に成長したのだ。祐ちゃん先生の目は確かであった。

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弥生賞を当てるために知っておくべき2つのこと

Yayoi

■1■弥生賞と皐月賞は連動しない
皐月賞と同じ舞台で行われるものの、過去10年間で弥生賞と皐月賞を連勝したのはディープインパクト、そしてヴィクトワールピサという2頭の名馬のみ。その理由について、ラップタイプから考察してみたい。

弥生賞の過去10年間のラップタイムは以下のとおりである。

12.6-11.8-12.1-12.2-12.2-12.3-12.5-11.6-11.3-11.9(60.9-59.6)S
13.0-11.9-12.5-12.3-12.5-12.6-12.5-11.6-11.4-11.9(62.2-60.0)S
12.4-11.3-12.5-12.6-12.4-12.0-12.7-12.3-11.7-11.6(61.2-60.3)S
12.3-10.6-11.6-12.8-12.5-12.6-12.9-11.8-11.7-11.7(59.8-60.7)M
12.2-11.5-12.4-12.8-12.9-12.5-12.3-11.7-11.3-12.2(61.8-60.0)S
12.4-11.3-12.2-13.0-13.1-13.0-12.7-12.2-11.5-12.1(62.0-61.5)M
12.8-11.3-12.2-12.8-12.6-12.4-12.2-11.8-11.2-11.7(61.7-59.3)S
12.5-11.0-12.7-13.5-13.4-13.1-12.3-11.9-11.5-12.0(63.1-60.8)S
12.9-11.4-12.2-12.4-12.7-12.5-11.7-11.6-11.4-12.2(61.6-59.4)S
12.4-11.0-12.2-12.8-12.8-11.9-11.9-12.3-11.9-12.2(61.2-60.2)S

前半3ハロンとラスト3ハロンを除いた中盤のラップに焦点を当ててみると、軒並み12秒台が続いていることが分かる。以前、中山金杯の分析をした際、皐月賞は中盤が緩むという指摘をしたが、それに輪をかけるように弥生賞はその傾向が顕著である。

そこで、今度は、過去10年間の皐月賞のレースラップを見てみたい(東京競馬場で行なわれた2011年は除く)。

12.5-11.3-12.4-12.9-12.6-12.6-12.2-11.4-11.5-11.8(61.7-59.5)S
12.5-11.3-12.4-12.9-12.6-12.6-12.2-11.4-11.5-11.8(59.7-58.9)M
12.1-11.0-11.9-12.2-12.4-12.6-12.5-11.8-11.4-11.3(59.6-59.6)M
12.3-11.3-12.0-12.1-12.3-12.0-12.2-11.8-11.7-12.2(60.0-59.9)M
12.2-11.2-12.1-11.6-12.3-12.3-12.3-11.6-12.0-12.3(59.4-60.5)H
12.2-11.5-12.5-12.6-12.6-12.8-12.3-11.2-11.5-12.5(61.4-60.3)S
12.1-10.8-11.9-12.1-12.2-12.1-11.9-11.8-11.7-12.1(59.1-59.6)M
12.1-10.9-12.4-12.1-12.6-12.5-12.3-12.1-11.8-12.0(60.1-60.7)M
12.4-11.1-12.3-11.9-11.4-11.6-12.2-12.7-13.6-12.1(59.162.2)H
12.0-10.6-11.5-11.6-12.3-12.1-12.0-11.9-12.0-12.0(58.0-60.0)H
12.3-11.4-11.9-11.9-12.7-12.1-12.0-11.6-11.7-12.0(60.2-59.4)M

中盤が緩む傾向は同じだが、ひとつだけ弥生賞との相違点がある。それはレース全体のペースである。どちらかというとミドル~ハイペースになる皐月賞に比べ、弥生賞はどちらかというとスローに流れやすい。つまり、弥生賞はスタミナの裏づけがないマイラーでも乗り方次第ではこなせてしまう可能性があり、ラスト3ハロンの瞬発力勝負に強い馬に圧倒的に有利なレースになるということである。過去、サンデーサイレンス産駒の活躍が目立ったのもこれゆえである。

結論としては、弥生賞の勝ち馬を見つけるためには、皐月賞を占うレースであるにもかかわらず、皐月賞では勝てそうにないタイプの馬を探すべきということである。どういう馬かというと、サンデーサイレンスの血を受け継いだ、スピードタイプの瞬発力に優った馬である。

■2■勝ってほしくないレース
弥生賞は勝って欲しくないレースである。このレースを勝つということは、素質や能力、そして完成度が高いということの証明ではある。しかし、今後のクラシック戦線を考えると、敢えて勝たなくても(勝とうとしなくても)良いレースなのではないだろうか。

弥生賞は皐月賞と同じ中山2000mという舞台で行われるが、弥生賞を勝って、そのまま皐月賞をも制する馬は思いのほか少ない。その世代の素質馬が集結するハイレベルの弥生賞を制した馬は、普通に考えて、弥生賞と同じ走りができれば皐月賞はほぼ当確である。それでも、過去10年で弥生賞と皐月賞を連勝した馬は、ディープインパクトとヴィクトワールピサの2頭しかいない。

なぜこのような現象が起こるかというと、以下の2つの理由が考えられる。

1、弥生賞はかなりの状態に仕上がっていないと勝てない
2、弥生賞と皐月賞では馬場状態が異なる

クラシックを狙う有力馬が一堂に会する弥生賞は、当然のことながら、中途半端な仕上がりでは勝つことはできない。弥生賞を勝つためにはかなりの仕上げを施さなければならず、本番前に仕上げられた(仕上がってしまった)馬は、本番に向けて下降線を辿ってしまう。サラブレッドのピークはそれほど長くない。つまり、弥生賞を勝つために仕上げてしまうと、そのあとが続かないということである。また、それまでは楽な相手と楽な競馬しか経験してこなかった馬が、弥生賞で初めて厳しいレースを強いられるので、その肉体的、精神的な反動が次のレースで噴出してしまう。

その典型的な例は、平成12年の弥生賞を制したフサイチゼノンではないか。田原成貴元調教師と関口オーナーの間で一悶着あった馬であるが、フサイチゼノンは弥生賞の時点で既に仕上がってしまっていた。田原調教師はフサイチゼノンにかなりの素質を感じていただろうし、初年度である厩舎を盛り上げるためにも、弥生賞も勝って本番に臨みたかったに違いない。

しかし、その勝ちを焦る気持ちが、フサイチゼノンを追い詰めてしまったのだ。肉体的にも精神的にもピークを過ぎてしまったフサイチゼノンは、もはや皐月賞に出走する状態にはなかった。関口オーナーに相談をしなかったのは田原元調教師の落ち度だが、出走を取りやめたのは英断であったと思う。

もうひとつの理由としては、弥生賞が中山開催が始まってすぐの比較的良い馬場で行なわれる(それでもやや重い)のに対し、皐月賞は見た目こそ悪くなくとも、かなり芝が重くなってきている馬場状態でのレースとなるからである。極端にいうと、弥生賞は軽いスピードと瞬発力を生かした馬が勝ちやすいのに対し、皐月賞はパワーとスタミナが求められるということだ。この1ヶ月間で、勝馬に問われる適性が180度違ってくるのだから、勝ち馬が同じでないことにも納得がいく。

本番のクラシックで力を出し切ってほしいという思いを込めて、弥生賞は勝ってほしくないレースなのである。2009年はロジユニヴァースが弥生賞を勝ち、本番の皐月賞で惨敗をしてしまった。ロジユニヴァースの弥生賞は決して厳しいレースではなかったが、陣営の思いとは裏腹に仕上がってしまっていたのだろう。皐月賞惨敗後、奇跡的なV字回復を遂げてダービーを制したので結果として良かったが、本番のクラシックにおける体調は万全とは言えなかった。

2010年のヴィクトワールピサは弥生賞を勝ち、皐月賞をも制したが、本番の日本ダービーでは不思議な凡走をしてしまった。これも1の理由とつながってくる。弥生賞でかなりの仕上がりにあって、しかも皐月賞も勝つということは、体調のピークが皐月賞にあったということ。たとえ皐月賞を勝つことができても、あくまでも目標が日本ダービーということであれば、弥生賞は勝ってほしくないレースということに変わりはない。

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騎手・後藤浩輝の分まで生きる。

Theansweris

ヌ―ヴォレコルトがゲートから飛び出した瞬間、私の視線は岩田康誠騎手に釘づけになった。中山記念は馬券を買っていなかったので、何の先入観もなく観るつもりでいたが、不意に胸を衝かれた。これから何かが起こる。岩田康誠騎手の身に何か大変なことが起こるのではないかと予感したのだ。競馬ファンはもちろん、誰しもが見たくないような大きな事故。誤解を恐れずに書くと、私の脳裏には、突然に崩れ落ちた馬に巻き込まれ、私たちの想像を絶するような凄惨な姿となってターフに横たわる岩田康誠騎手が浮かんでは消えた。雨が降りしきり、ぬかるんだ馬場という最悪のコンディションで競馬が行われている中、先日の故後藤浩輝騎手の一件もあったからに違いないが、何とも良いようのない不穏な空気を察知してしまったのだ。

その重苦しさは、第1コーナー、第2コーナーと、コーナーを回るごとに強くなっていく。岩田康誠騎手の乗っているヌ―ヴォレコルトは、今にも前の馬に乗り掛からんばかりに気持ちが乗っている。私の胸は張り裂けそうになった。もしかしたら、岩田康誠騎手はそういった形で自分を傷つけることで、何らかの責任を引き受けようとしているのではないか。そんな愚かな考えさえ去来した。とにかく何ごとも無くレースが終わってほしい。そればかりを念じた。勝ち負けなんてどうでもいい。もう誰ひとりとして死んでほしくない。私の思考は振り切れてしまいそうであった。

最終コーナーを回り、直線の攻防に向いたところで、ひと足先に先頭に踊り出たロゴタイプと内ラチの間にある、1頭分あるかないかというスペースに岩田康誠騎手が突っ込んだ。私の目からは、岩田康誠騎手とヌ―ヴォレコルトの姿が消えたように見えた。まるであちらの世界に行ってしまったかのように。それはずいぶん長い時間のように私には思えた。私が正気に返ったのは、彼らの姿が再び現れ、そこから岩田康誠騎手の渾身の追い出しに応えるように、ヌ―ヴォレコルトがグイッと前に出た瞬間であった。

普通ならあそこのスペースには入ってはいけない。あのスペースは空いているように見えて、入ろうとすると閉められるそれである。これからというところで減速してしまうと致命傷になるし、なおかつ狭いところで詰まってしまうと危険でもある。それは何が起こるか分からないからという意味であり、だからこそ誰もリスクを承知であそこには入ろうとはしない。それは暗黙のルールのようなものであり、C・デムーロ騎手も日本の競馬場であそこを突かれることはないという油断があったかもしれない。その一瞬の隙を、岩田康誠騎手は見逃さなかったのである。

ゴールの瞬間、私は思わず手を叩いてしまった。力強く、2度、3度。これが私の見たかったものだ。これが答えなのだ。後藤浩輝騎手のために乗るとはこういうことなのだ。外国人ジョッキーたちと一緒に乗るとはこういうことなのだ。実はこの2つの事象は密接につながっていて、共に切磋琢磨してきた騎手としての弔い方であり、これからの騎手として戦い方なのである。岩田康誠騎手は重賞だからこう乗ったのではなく、騎手として園田競馬場でデビューしたときから、毎レース毎レース、常に危険と隣り合わせで命を削って乗ってきたのだ。口先だけの評論家や仲良しグループはまた危ないとか責任だとか言うかもしれないが、本当の意味において、騎手・後藤浩輝の分までこれからも生きるというのはつまりこういうことなのだ。

Photo by 三浦晃一

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チューリップ賞を当てるために知っておくべき3つのこと

Tulip

■1■前に行ける馬
新装の阪神競馬場の1600mコースで行われるようになって以来、3年連続で逃げ馬が連対した。前哨戦ということもあって、無理をしてペースを上げて厳しいレースにする必要はなく、道中は折り合いに専念する馬が多いため、スローペースになりやすい。また、本番前に脚を測るという意味合いで、有力馬が敢えて後ろから行き、追い出しをギリギリまで我慢させることもある。そのため、前に行ける馬、特に単騎で逃げた馬は、マークされることなく楽に逃がしてもらえることになる。

■2■瞬発力勝負に
道中がスローに流れる以上、最後の直線に向いてヨーイドンのレースになる。阪神競馬場の外回りコースは直線が473mと長いため、ここでどれだけ切れる脚を使えるかが勝負になる。瞬発力に欠ける馬にとっては、苦しい舞台となる。

12.4-10.9-12.1-12.2-12.2-11.1-11.0-11.8(47.6-46.1) S ウオッカ
12.6-11.2-12.3-12.6-12.6-12.0-10.7-11.8(48.7-47.1) S エアパスカル
12.5-11.1-12.4-12.6-12.7-12.2-11.1-11.9(48.6-47.9) M ブエナビスタ
12.7-11.0-12.3-12.3-12.5-11.9-11.3-12.1(48.3-47.8) M ショウリュウムーン
12.5-11.3-11.7-12.2-12.4-11.7-11.1-11.6(47.7-46.8)M レーヴディソール
12.7-10.9-12.1-12.3-12.2-12.2-11.3-11.8(48.0-47.5)M ハナズゴール
12.6-11.3-12.0-12.1-12.2-11.8-10.7-12.2(48.0-46.9) S クロフネサプライズ
12.4-11.0-11.9-12.0-12.1-11.5-11.4-12.0(47.3-47.0)M ハープスター

■3■意外にも外枠が有利
これは阪神ジュベナイルF、チューリップ賞、そして本番の桜花賞にも通ずることだが、意外にも外枠を引いて、外々を進んだ馬にとってレースがしやすい。理由としては、新装の阪神1600mコースは内と外の差がほとんどなく、だとすれば、キャリアの浅い若駒(特に牝馬)にとっては、馬群に揉まれず、自分のフットワークやペースで伸び伸びと走ることができる外の方が力を発揮しやすいからである。外々を通って、良い脚を長く(3ハロン)使える馬を狙いたい。

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1400がベストの体型ダイワマッジョーレ:5つ☆

★中山記念
イスラボニータ →馬体を見る
各所に緩さが残っている馬体は相変わらずだが、ひと回り成長している。
毛艶は良く、ふっくらとして体調は素晴らしいので、前哨戦としてはベスト。
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ヌ―ヴォレコルト →馬体を見る
牝馬らしく線の細さは残っているが、筋肉は柔らかくて馬体はリフレッシュ。
筋肉のメリハリに欠けるように、レースを使いつつ良くなっていくはず。
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マイネルフロスト →馬体を見る
胴部がやや詰まっていて、中山の1800mは若干長く、スタミナが心配。
前駆が勝っている馬体は母の父グラスワンダー譲りで、いかにもパワータイプ。
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ロゴタイプ →馬体を見る
使われつつも筋肉の柔らかみは失われておらず、体調の良さは文句なしだろう。
あとは筋肉のメリハリが出てくれば最高だが、あくまでもここは叩き台か。
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ステファノス →馬体を見る
気の強そうな表情が印象的で、気性的には休み明けでも力を出し切れそう。
馬体もしっかりと鍛えられており、もう1皮むけたら、最高の仕上がりになる。
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タガノグランパ →馬体を見る
陣営がどう育てて良いのか迷っているのが伝わってくる、馬体のアンバランスさ。
中山1800mはスタミナが必要なので、意外と条件がマッチするかもしれない。
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★阪急杯
ダノンシャーク →馬体を見る
勝ってすぐに休ませたのが良かったのか、馬体はふっくらとして疲れは癒えている。
馬体全体のバランスも良く、もう少しパワーアップしてくれば短距離でも力を出せる。
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コパノリチャード →馬体を見る
前後躯ともにしっかりと実が入って、馬体全体のバランスがさらに良くなってきている。
筋肉のメリハリもあり、表情から闘争心が伝わってくるように、鉄砲がけもOK.
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レッドオーヴァル →馬体を見る
馬体はふっくらとして休み明けとしてはちょうど良いが、あとはトモの実の入りだけ。
顔つきからは気の強さがうかがえるように、いきなりでも力は出し切れる。
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ミッキーアイル →馬体を見る
3歳時に比べると、腰高の馬体がやや解消されつつあるが、あと一歩か。
胴部は詰まって映るように、母父ロックオブジブラルタル譲りのパワー優先の馬体。
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ダイワマッジョーレ →馬体を見る
こちらはさらに胴部が詰まっており、1600mは長く思える体型で1400がベスト。
前後躯にしっかりと実が入っており、筋肉のメリハリも良く、明らかに体調は上向き。
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