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アファームドからアメリカンファラオまで

アメリカンファラオが37年ぶりのアメリカ3冠馬に輝いた。1978年のアファームド以来だというから、誕生しそうでなかなかしなかった待望の3冠馬であり、私も久しぶりにアメリカのクラシック3冠に興味をそそられ、全てのレースを観てみた。アメリカンファラオにとって、最も厳しかったは外枠からの発走となったケンタッキーダービーぐらいで、他のプリークネスSとベルモントSは先頭に立ってそのまま押し切るという楽なレース。アメリカンファラオ1頭の力が抜けていたとみることもできるし、アメリカンファラオを負かすライバルとなるような馬が不在であったとすることもできる。私はどちらかというと後者だが、それはこれまでのアメリカ3冠レースにおける肉と肉がぶつかり合うような壮絶な死闘を見せられてきたからであろう。

アメリカ3冠レースの厳しさは、その苛酷なローテーションもさることながら、アメリカ全土からパワーとスピードを併せ持ったダートの鬼たちが集い、最後は心臓の強さで勝負するようなレースを繰り広げるところにある。タフなローテーションにへこたれない肉体的、精神的な強さが求められつつ、同じように屈強な馬たちをレースで打ち負かさなければならない。自分に克つだけでは足りなくて、相手にも勝たなければならないのだ。少しばかり能力が抜けていたら3つ勝てるわけではなく、誰にも負けることなく、1ヶ月のうちで3つのレースを走り抜ける必要がある。

今年に関していうと、3冠レースすべてに出走したのはアメリカンファラオのみであった。他の馬たちは、ケンタッキーダービーには出走しても、ローテーションのタイトさを嫌い、プリークネスSをパスしてベルモントSへ直行する馬が多かった。つまり、アメリカンファラオ以外の馬たちは3つのレースを走っていない以上、3冠馬になる資格を持っていたのはアメリカンファラオだけだったということである。それでいてプリークネスSは7馬身、ベルモントSは5馬身半も後続を離したのだから、誰もアメリカンファラオを止められなかったということだ。アファームドが3冠を達成したときに執拗に食い下がったアリダーのような馬はいなかった。

たとえ3冠馬になれなかったとしても、未来の血統地図を塗り替えるような名馬もいる。私がアメリカ3冠レースで最も記憶に残っているのは、サンデーサイレンスとイージーゴアの争いである。サンデーサイレンスが直線でヨレながらも勝ったケンタッキーダービーを勝ち、プリークネスSは2頭の歴史にのこる激しいマッチレースの末、サンデーサイレンスが2冠を制し、最後のベルモントSはイージーゴアが圧勝して3冠を阻んだ。この2頭の物語はこれで終わらず、同年のブリーダーズCクラシックでは、サンデーサイレンスが再びイージーゴアを打ち負かしてリベンジを果たしてみせたのだ。特に、プリークネスSの直線の馬体をぶつけ合う叩き合いは、競馬の原点を見ているようで、何度見ても胸が熱くなる。こうしたイージーゴアとの死闘を経て、サンデーサイレンスは日本にやってきて、今があるのだと思うと、競馬がまた違って見えてくるから不思議である。

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Comments

治郎丸さん
夜分に失礼します。

アメリカ三冠馬の誕生!
個人的に、かなり衝撃でした。

とは言え…やっぱり一昔二昔の
三冠馬とは、ちょっと違うんですかね…

三昔かな?(笑)

アメリカでも三冠の価値が薄れてきてるんでしょうか…?

出走頭数からも、なんだか
ケンタッキーダービー1冠だけが、重要視されてる気が…

そんな中での三冠馬誕生だけに
素直に拍手です!


ドゥラメンテは恐らく
菊花賞には出走しないんでしょうね…(´・ω・`)

Posted by: 風 | June 13, 2015 at 01:52 AM

風さん

こんにちは。

コメントに気づかず、返信が遅くなりましてすいません。

いずれの時代でも3冠を取ることは難しいと思いますが、今年は3つのレースに出走した馬自体が少なかったみたいです。

ボブ・バファート調教師が「3冠が嫌いになっていたよ」と言っていたように、ローテーション的に3つ連続して勝つことが難しいということを誰もが分かっているので、無理をしてまでチャレンジしなくなったのだと思います。

その盲点を突いた形で今年、3冠馬が誕生しましたね。

ドゥラメンテは母父にサンデーが入っているので、血統的には中距離がベストでしょうね。

もう少しパンとしたら凱旋門賞に行くべき馬だと思うのですが、今年は時期尚早かなとも。

そうなると今秋のローテーションが難しいですね。

Posted by: 治郎丸敬之 | June 18, 2015 at 07:33 PM

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