« June 2015 | Main | August 2015 »

クイーンSを当てるために知っておくべき3つのこと

Queens

■1■スロー必至で先行馬有利
函館競馬場で行われた2013年を除く、過去9年の脚質別の成績は以下のとおり。
逃げ【2・0・0・7】   連対率22%
先行【5・3・1・22】  連対率26%
差し【2・4・7・42】   連対率11%
追い込み【0・2・1・25】 連対率7%

逃げ馬の連対率が(勝率も)22%という数字だけではなく、逃げ、先行馬以外からほとんど勝ち馬が出ていない。とにかく前に行けなければ勝負にならない。

これだけ先行した馬に有利になる理由として、札幌1800mのコース形状が挙げられる。スタートしてから1コーナーまでの距離が185mと短すぎて、かえってポジション争いがなく、スローペースになる。そして、コーナーが4つもあるため、後続がなかなか差を詰めることが出来ないまま3コーナーに突入してしまう。さらに、ゴール前直線も266mしかなく、平坦であることも手伝って、前が止まらない。よほどジョッキーたちが意識して早めに動かない限り、前残りのペースになることは避けられないだろう。

また、札幌競馬場は洋芝100%の芝コースであって、パワーだけではなく底力とスタミナが必要とされる。しかし、このレースに限って言えば、開幕週ということもあって馬場がほとんど傷んでおらず、まず何よりも勝つためには先行できる軽快なスピードが要求される。

■2■4歳馬有利
3歳馬  【3・2・1・17】 連対率22%
4歳馬  【3・1・3・29】 連対率11%
5歳馬  【2・6・4・35】 連対率17%
6歳以上 【1・0・1・15】 連対率6%

3歳馬と4歳馬から勝ち馬が6頭出ている。競走馬としてのピークが短い牝馬の別定戦である以上、最も充実するはずの4歳馬の活躍が目立つのは当然のこと。未完成の3歳馬にとっては、この時期に古馬と3kg差で戦うのはなかなか厳しいが、だからこそ逆に、この時期に古馬相手に好走した3歳馬は高く評価してよい(昨年のアヴェンチュラはクイーンSを勝利したのちに秋華賞を制した)。

また、自身のピークが過ぎてしまっている5歳以上の馬は軽視しても構わないだろう。ただ最近は、調教技術が進歩して、高齢でも力が衰えていない馬もいるので要注意。もちろん個体差はあるが、この傾向はクイーンSがこの時期に行われる限り続いていくはず。

■3■内枠有利
前述のとおり、道中がスローで流れる可能性が高いのであれば、当然のことながら内枠が有利になる。スタートしてから1コーナーまでの距離が185mと極端に短く、1コーナーまでの位置取りは枠順によって決まることが多いので、逃げ・先行馬は是が非でも内枠を引きたい。ロスなく好位を確保できた馬にこそ、勝つチャンスが訪れる。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (0)

ブラックホークはもういない。

ブラックホークのような男に私はなりたい。プロフィールにも書いているように、私の大好きな馬の1頭だが、好きと言うよりはむしろ憧れていると言ってよい。尊敬するという意味でもある。頭がおかしくなったのかと思われるかもしれないが、本当にそうなのだから仕方ない。憧れたり、尊敬する人がいるように、憧れたり、尊敬する馬がいてもいいだろう。うまく言えないが、たとえば空手をやっている人がアンディ・フグをそうするように、テニスプレイヤーが錦織選手をそうするように、私はブラックホークに憧れて、ブラックホークを尊敬する。

そんなブラックホークが心臓発作で亡くなった。現役引退後は社台スタリオンステーションで種牡馬入りしたが結果を出せず、ブリーダーズスタリオンステーションから最後は熊本の牧場に移って種牡馬生活を続けていたそうだ。種牡馬入りした当初は、母父サンデーサイレンスの繁殖牝馬との間に大物が生まれるのではと期待していたが、キングカメハメハを筆頭とした非サンデーサイレンス系の種牡馬が続々と誕生し、現実はそう上手くはいかなかった。客観的に考えると、ブラックホークの血にはスタミナが足りなかったと思う。スピードもスタミナもある他の種牡馬たちに総合力で負けてしまい、その血を広く残すことは叶わなかった。

それでも、ブラックホークは記憶に残る馬であったことは間違いない。日本の競馬が最も盛り上がった時代の名マイラーであり、アグネスワールドやトロットスターらとの死闘は記憶に新しい。個人的にも、1レースに10万円の単勝を賭けていた時代であり、負けが続いて大変な借金を背負った苦しい過去でもあるが、だからこそブラックホークがスプリンターズSを勝ってくれたときの爆発的な喜びやひと時の安堵感は忘れようがない。あの頃は、私も命がけで競馬や馬券と向き合っていたからこそ、ブラックホークと心からつながり合えたのかもしれない。

ブラックホークに教えてもらったのはとにかく前へ進めということ。苦しい事から逃げずに、楽しんで走ること。あきらめずに走っていれば、チャンスは巡ってくること。思い出を語ればきりがなく、あの時代の心境と共にたくさんのブラックホークのレースが蘇ってくる。そして、ブラックホークがいなくなって思うのは、あれはもうずいぶん昔の話なのだということ。ブラックホークに励まされ、彼のように前に前に進んできたつもりだが、振り返ってみるとちっとも前に進んでいない気もする。彼に会わせる顔がないし、合わせようと思っても彼はもういないのだ。


関連エントリ
「ガラスの競馬場」:こんな男に私はなりたい
「ガラスの競馬場」:目に見えないものを信じなければ

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (3)

特異なラップを刻む“千直”は先行力、牝馬、そしてダート血統

Rensai019

日本国内で唯一、直線コースのみで行われる重賞競走であるアイビスサマーダッシュ。レースの設定だけではなく、その内容においても他のレースとは異なる特徴がある。牝馬の活躍が目立つこと、外枠から発走して埒を頼って走る馬が好走すること、ダート競馬を得意とする血統の馬が力を発揮しやすいことなど枚挙に暇がないが、その中のひとつとして、ラップバランスが他のレースとは全く異なるという特徴がある。

まずは過去5年間のアイビスサマーダッシュのラップを見てもらいたい。

2014年 11.6-10.1-10.5-10.5-11.6
2013年 11.9-10.4-10.6-10.3-11.0
2012年 11.6- 9.9-10.6-10.2-11.9
2011年 11.8-10.0-10.5-10.0-11.5
2010年 11.6- 9.9-10.3-10.1-12.0

ラップを見慣れている方ならばすぐに気づくだろうが、直線芝1000m戦のラップに特徴的なのは、ラスト2ハロンと1ハロンのギャップである。ラスト2ハロン目は10秒台とかなり速いにもかかわらず、ラスト1ハロンは11秒台~12秒台と大きく失速しており、大きな落差があるのだ。2013年は珍しく0.7秒しか差がなかったが、1秒以上の落差があるのは普通で、極端な年だと2秒近くの落差がある。

つまり、最後の1ハロンは、前に行った馬も後ろから来た馬も脚が上がってしまい、そこからは我慢比べになるということだ。一般的に、このようなラップバランスのレースでは、前に行った馬がそのまま残るという結果になりやすい。差そうと思っても、後ろから追走した馬にもすでに脚が残っていないからである。

次に、芝1200m戦のラップバランスを見てもらいたい。秋に行われるスプリンターズSの過去5年間を切り取ってみよう。

(続きは週刊Gallopにて)

| | Comments (1)

アイビスサマーダッシュを当てるために知っておくべき3つのこと

Aibisu

■1■牝馬の活躍が目立つ
牡馬・せん馬  【3・6・5・84】 連対率9%
牝馬       【7・4・5・50】 連対率17%

過去10回行われたレース中、牡馬が勝ったのはわずかに3回。G1レースで勝ち負けできるぐらいの牡馬でないと、このレースで牝馬に勝つのは難しい。連対率を見ても圧倒的な差が生じている。

理由としては、以下の3つが考えられる。
①平坦コースで牝馬特有の切れ味を生かせる
②揉まれない
③牝馬は気を抜かずにガムシャラに走る

■2■ダート短距離血統の馬に注目
過去の連対馬を見ると、カリスタグローリー、サクラバクシンオー、Capote、スターオブコジーン、ウォーニング、フジキセキなど、ダートの短距離に強い血統の馬が並んでいる。このことからも、一気にアクセルを全開にしてトップギアに入ることのできる、後輪駆動のパワータイプが強いことが分かる。芝のスピードよりも、ダッシュするためのパワーが必要ということである。

■3■外枠有利というよりも
新潟直線1000mは外枠有利と言われるが、本当にそうだろうか。開催が進んで馬場の内側が傷んでくれば、外が走りやすいトラックバイアスが生まれることは確かだが、開幕週であれば馬場の内外は気にすることはない。それよりも、馬は埒(らち)を頼った方が走りやすいということである。直線だけの競馬は馬群が大きくバラけることが多く、他馬との間隔が開きすぎると、馬はフラフラして走りにくい。だからこそ、早めに埒(らち)を味方につけて突っ走った馬が有利ということになる。そういった意味では、手応えの良い馬が集まってくる外枠の方がレースはしやすい。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (0)

柔軟性のある馬体のブランボヌール:5つ☆

★函館2歳S
アルマククナ →馬体を見る
小柄な牝馬らしくコンパクトにまとまった馬体だが、スピードはありそう。
やや腰高に映るが、トモにも実が入って、完成度は高く、好走が期待できる。
Pad3star

オデュッセウス →馬体を見る
胴部には長さがあって、このあたりは母父スペシャルウィークの血が出ているか。
前後躯のバランスも良く、スタミナもあるため、簡単にはバテそうにない。
Pad45star

シャドウアプローチ →馬体を見る
馬体重の割には全体的に線が細く映るように、実が付き切っていないのが現状。
全体的に筋肉のメリハリがもう少し増してくれば、素晴らしい馬体になりそう。
Pad3star

ブランボヌール →馬体を見る
筋肉の柔らかさが伝わってくるように、柔軟性があって、体調も万全で臨んでくる。
胴部には長さがないため、ディープインパクト産駒ではあっても短距離が合っている。
Pad5star

メジャータイフーン →馬体を見る
手脚や胴部に長さがあるように、枝葉が長い馬体だが、全体的には力がついていない。
前駆は力強いが、後躯の肉付きが物足りなく、最後の詰めが甘くなるのでは。
Pad3star

ラッキーボックス →馬体を見る
全体的にメリハリに欠ける馬体で、いかにも若駒らしい幼さを残している。
手脚が長く、馬体が成長していけば、距離はもっと長い方が合っているのではないか。
Pad3star

★中京記念
オリービン →馬体を見る
いかにも短距離馬らしく、前後にがっちりと筋肉がついて、パワーとスピードがありそう。
その分、腹回りにも余裕があり、スタミナを要求されるような展開になれば苦しいか。
Pad4star

スマートオリオン →馬体を見る
この馬も手脚が短く、筋肉がしっかりとついていて、距離はマイルよりも短い方がいい。
馬体全体に余裕を残している仕上げであり、体調としてはあと一歩という出来だろう。
Pad3star

ダローネガ →馬体を見る
古馬になるとダイワメジャー産駒は、さらにガッチリとして、胴部が詰まって見える。
この馬も腹回りに余裕があって、距離の壁がありそうだが、乗り方次第で克服できる。
Pad3star

トーセンレーヴ →馬体を見る
他のメンバーと比べると、胴部に伸びがあって、さすがビワハイジの仔だけある。
筋肉がしっかりとついて、メリハリもあるだけに、マイル戦がこの馬にはベストだろう。
Pad4star

レッドアリオン →馬体を見る
一息入れて、馬体全体にはまだ余裕がある仕上がりであり、完調とは言い難い。
とはいえ、パワー全開の馬体に磨きがかかっているだけに、先行力はあなどれない。
Pad3star

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (0)

けもの道を行こう

Joefujii

7月1日~9月31日の期間限定ではあるが、藤井勘一郎騎手がホッカイドウ競馬にて騎乗することになった。藤井勘一郎騎手が日本の競馬場で騎乗するのは初めてとなる。これまで南関東や中央競馬の騎手免許を取ろうと挑戦しては、立ちはだかるシステムや壁に阻まれてきたが、短期免許という形にせよ、ようやく彼が日本で馬に乗る日がやってきたのだ。かつて安藤勝已騎手がそうしたように、外国の騎手免許を持つ日本人ジョッキーたちのために風穴を開ける、ひとつの足掛かりとなることを願う。今回の藤井勘一郎騎手の騎乗を生で見られる人はぜひ観ておいたほうがいい。

藤井勘一郎騎手のように、日本の騎手学校に入ることができず、それでも諦めることなく海外に渡ってジョッキーになった日本人は多い。王道というべきか分からないが、日本においては騎手になるためのレールというのが確かにあって、そこから外れた人々である。レールに乗ってしまえば比較的順当に騎手という職に就くことができる一方で、一旦、一本のレールから外れてしまうと(藤井勘一郎騎手はたった1kg体重が重かったことでJRAの騎手課程を受験できなかった)、そこにはけもの道が待っている。

徹底的に結果重視の実力主義の世界である。外国人としてのコミュニケーション等のハンデを考えると、他のジョッキーよりも明らかに力が上でなければ乗せてもらえないだろう。それでも海外で戦わざるを得なかった者たちは、たえず争い、腕を磨いてきた。その進化のスピードたるや、王道を行く騎手たちの比ではない。藤井勘一郎騎手について言えば、「ROUNDERS」vol.2でインタビューさせてもらったときから4年の歳月が流れ、韓国におけるさらなる実績と経験を積み重ね、日本に戻って騎乗するという夢の第一歩を踏み出そうとしている。王道とけもの道がどこかで交わることがあれば、そのときには自分の足で歩いてきた者が果たしてどちらなのか分かるものだ。

藤井勘一郎騎手のインタビューの中で、いまでもはっきりと覚えている会話があり、それは彼が初めて競馬のレースに乗ったときのことだ。

実戦のレースに乗る前に、地方競馬でいう能力検定試験のようなレースに40回くらい乗っていました。それでも、違いやプレッシャーは感じましたね。たとえば、実戦で使う騎手の鞍は、調教で使うそれと比べるとすごく小さいです。それから、田舎競馬で全くお客さんがいないような競馬場だったのですが、ジョッキーとして初めて勝負パンツをはいて、パドックを回って、返し馬をして、ゲートの裏で待機して、というジョッキーからの視線を味わいました。今までは観客や厩務員として競馬を見ていたわけです。それが最も印象的でしたね。そういう意味では、結構、冷静だったのかもしれません。

いざレースで走ってみると、誰もが勝ち来ているわけですから、もうシビアですよね。能力検定試験は勝つためではなく馬のためにやっているので、馬と馬の間隔は空いていますし、ペースもそこまで速くなく、緊張感もほとんどありません。しかし、実戦のレースでは、どんどんフェンス沿い走って、内を突いてきますし、前の馬との間隔も思っていたよりもギリギリでした。レースが一旦始まると、ジョッキールームでそれまで優しくしてくれた先輩も別人だと思いました(笑)。
(「ROUNDERS」vol.2より)


藤井勘一郎騎手はもともと競馬が好きで騎手を志したこともあって、それまでいち競馬ファンとして外から競馬を観てきたが、初めてジョッキーからの視線を味わったという彼の感覚がありありと分かる気がしたのだ。その話を聞いているとき、まるで私も藤井勘一郎騎手になって、ジョッキーとして競馬を味わったのだ。それはジョッキーだけにしか味わえない僥倖であった。そんな彼が韓国でG1レースまで勝ったのだから、これもまた不思議な感覚である。そしてこの先、藤井勘一郎騎手が日本の競馬場で乗り、重賞もしかするとG1レースを勝つようなことがあれば、私はどんな感覚になるのだろう。ぜひ味わってみたい。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (2)

中京記念を当てるために知っておくべき3つのこと

Tyukyokinen

■1■関西馬有利
過去10年間の中京記念における、関東馬、関西馬別の成績は以下のとおり。
*小倉競馬場で行われた2011年は除く
関東馬【1・1・3・29】 連対率6%
関西馬【8・8・7・90】連対率14%

関西馬が8勝を挙げており、勝ち馬はほぼ関西馬、そして連対率も関西馬が関東馬を圧倒している。これには長距離輸送の理由があるはず。栗東トレーニングセンターから、各競馬場までの所要時間は以下のとおり。東京競馬場は約6.5時間、新潟競馬場は約7時間、小倉競馬場は約8.5時間かかるのに対し、中京競馬場は約2時間である。京都競馬場までの約1時間、阪神競馬場までの約1.5時間と近く、長距離輸送によってサラブレッドが消耗することなくレースに臨めていることが好成績を生んでいるのである。

■2■ハンデ=実力と考える
中京記念はハンデ戦であり、過去10年間の連対馬のハンデを見ると、57kg以上が10頭連対している。53~54kgの中程度のハンデ馬からは5頭連対しているが、52kg以下になってくると全馬が4着以下に惨敗している。ハンデが重いほど好走の傾向があるが、これはハンデが重いから走るのではなく、重いハンデを課せられていることは実力を認められていることを意味する。実力のある馬が、そのまま力を発揮しやすい舞台であり、ハンデ=実力と考えて狙って見ても面白い。

■3■差し、追い込み馬が有利
2012年からマイル戦で行われるようになり、より差し、追い込みが決まりやすくなった。中京1600m戦のデータは以下のとおり。

逃げ【2・1・0・8】   連対率27%
先行【2・2・3・40】  連対率9%
差し【3・4・4・42】  連対率13%
追い込み【4・4・4・41】 連対率15%

逃げ馬の連対率が高いのは当然として、先行馬よりも差し馬、差し馬よりも追い込み馬の方の勝ち星が多く、連対率も高いという珍しい傾向がある。これは中京競馬場のマイル戦は差し・追い込みが利きやすいからであろう。これまでは差して届かなかった馬たちのゴール前での大逆転が見られるレースと考えても良いかもしれない。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (0)

2歳の短距離戦における牝馬の持ち時計は信頼できる

Rensai018

掲示板にレコードの赤い文字が灯ると、必ずと言ってよいほど、「オオー!」というため息にも似た驚きの声が上がる。競馬がコンマ1秒を争うレースである以上、これまでの誰よりも速くゴールを駆け抜けた馬を賞賛し、そのレースを高く評価するのは当然といえば当然のことである。そこに私たちの速さに対する幻想も加わって、レコードタイムに対する価値は否が応でも上がる。

この時点では、レコードタイムで勝った馬が次のレースで負ける姿を想像しがたいだろう。しかし、これだけレコードタイムが連発される今の競馬において、私たちはレコードタイムを本当に信じてよいのだろうか。レコードタイムで走ったという事実は、果たしてどのような意味を持つのだろうか。

結論から述べると、レコードタイムには信じてよいものと疑ってかかった方がよいものがある。両者を隔てる基準は、「2着以下の馬との差」と「自分で作ったものかどうか」である。

ひとつめの「2着以下の馬との差」について述べると、2着以下の馬との差が大きければ、そのレコードタイムには価値がある。つまり、その馬は強いレースをしたと考えてよい。反対に、2着以下との差が僅差であれば、そのレコードタイムの価値は疑問である。なぜかというと、2着以下の馬も同じような速いタイムで走ったということは、もしかすると速い時計の出やすい条件であった可能性が高いからだ。G1レースのような上級の競走でない限り、2着以下の他の馬たちもレコードに近いタイムで走られる強い馬であったとは考えにくい。

2つめの「自分で作ったものかどうか」については、そのレコードタイムをどこまで自分自身の能力で作ったかということである。昔から、逃げ馬が作ったレコードタイムは価値が高いと言われる。つまり、誰かに引っ張ってもらったのではなく、自らの力で刻んで作ったレコードタイムでないと、本当の意味において能力の証明にはならないということである。

(続きは週刊Gallopにて)

| | Comments (0)

函館2歳Sを当てるために知っておくべき3つのこと

Hakodate2s

■1■ますます牝馬が有利に
牡馬・せん馬 【4・3・6・54】連対率10%
牝馬      【5・6・3・44】連対率19%

パワーとスタミナを要求される洋芝100%の函館競馬場は、開催が進み、馬場が傷むことによって、ますますその傾向は強くなっていく。しかし、2011年までは8月上旬に開催されていたが、2012年から3週間繰り上がって7月となった。函館戦が開幕して8週目であったのが5週目となり、馬場の痛みが少ない状態で行なわれるようになるため、これまで以上にスピードと完成度に優る牝馬が活躍する舞台となるだろう。

■2■1番人気は危険!?
1番人気は過去10年で【1・2・1・5】と、2着こそあれ、さほど勝ち切れていない。函館開催当初に、新馬戦を好タイムで圧勝したスピード馬が1番人気になるからである。上にも書いたように、開催が進むにつれ、素軽いスピードだけではなく、パワーとスタミナも問われる馬場へと変貌する。これによって、スピードを武器に圧勝して1番人気に祭り上げられた馬は苦戦するのだ。ただ、開催が早まったことにより、スピードと完成度の高い馬が勝利する可能性は高まったのも事実。

また、ラベンダー賞を勝った馬も人気に祭り上げられることがあるが、よほど早熟でない限り、この時点で2戦、しかも2勝しているということは、ローテーション的に余力が残っていない可能性が十分に考えられる。ラベンダー賞と函館2歳Sを連勝した馬が地方馬に偏っているのは、身体に負担の掛かりにくいダートを走ってきたからであろう。中央で芝のレースを2戦使ってきた馬は疑ってかかるべき。

■3■外枠有利
函館1200mはスタートから第1コーナーである3コーナーまでの距離が長いため、内枠と外枠での有利不利はほとんどない。あえて挙げるとすれば、開催が進むにつれ、内の方の馬場が悪くなってきているケースが多いので、馬場の良いところを走ることが出来る外枠を引いた馬が有利か。

また、キャリアわずか1、2戦の馬たちによる争いとなるため、馬群の中で揉まれてしまうよりは、多少のコースロスがあろうとも、馬群の外をゆったりと走られる方が力を出し切ることが出来るだろう。そういった意味においても、外枠からスムーズにレースを進められた馬が有利となる。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (0)

柔らかい筋肉がついたダービーフィズ:5つ☆

★函館記念
デウスウルト →馬体を見る
前駆は盛り上がり、力強さに溢れているが、その分、後躯が物足りなく映る。
毛艶は良く、体調自体は悪くなさそうだが、馬体的には一抹の寂しさがある。
Pad3star

ラブイズブーシェ →馬体を見る
血統的にはステイヤーだが、重心の低い馬体を見ると、中距離がベストか。
表情からは素直さが伝わってきて、昨年と同じく力は出し切れるはず。
Pad3star

マイネルミラノ →馬体を見る
前後のバランスが良く、アバラ骨も浮いているように、仕上がりは良い。
表情からもステイゴールド産駒特有の気難しさはなさそうで、安定して走る。
Pad4star

エアソミュール →馬体を見る
ふっくらと馬体を回復させて臨んでくるが、さすがに腹回りには余裕がある。
トモの筋肉量が素晴らしく、ひと叩きされて筋肉のメリハリが出てくれば。
Pad4star

レッドレイヴン →馬体を見る
馬体には薄さを残しているように、距離は延びてこそ良さが出るはず。
パワーを感じさせない馬体からは、洋芝が合うかどうか疑問が浮かぶ。
Pad3star

ダービーフィズ →馬体を見る
実に柔らかい筋肉が十分について、馬体を見る限り体調は良好であろう。
気持ちが勝っている面はあるが、胴部には長さがあって距離は延びて良いタイプ。
Pad5star

ヤマカツエース →馬体を見る
胴部にはある程度の長さがあるので、マイル以上の距離もこなせないことはない。
前駆には力強さがあるが、筋肉が硬い分、2000mの距離はギリギリか。
Pad3star

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (12)

乗り越えて出てくると思いたい

Lisaallpress_2週刊Gallopの今週号に、リサ・オールプレス騎手のロングインタビューが掲載されている。来日して騎乗するのは今回で2度目となる女性ジョッキーであり、通算1000勝という実績を引っさげてやってきた。女性というだけではなく、私と同じ40歳の年齢にして、第一線で騎乗している事実だけで尊敬できるし、そのインタビューの内容を読んでもアスリートとしての矜持に満ちていて素晴らしい。ジョッキーの仕事において、男女間の性別による優劣があるかどうかは意見が分かれるところだが、リサ・オールプレス騎手の放つ言葉の前ではほとんど意味を成さないだろう。

リサ・オールプレス騎手は8歳の頃から乗馬を始め、20歳の時に見習い騎手として修行を始めた。ハードな見習い時代を経て、2000/01年のシーズンにはニュージーランドのリーディングで3位に入る活躍を見せ始める。見習い騎手としての修業時代を振り返った彼女の言葉は重い。

「お酒はもちろん、車の運転も控えるように厳しく指導されました。毎日、朝から晩まで仕事尽くし。馬に乗るだけではなく、馬房の掃除や餌やりや馬体のチェックなど厩舎作業の全般をこなしました。見習いの4年間は午後の休みが週に1回だけ、本当にハードな毎日だったけど、こなさなければ生き残っていけない。そういう世界ですよね。若い頃は体力をつけるために体も鍛えなければならない。厩舎作業は重たい物を持ったり、本当に大変な毎日でした。母が心配して何度も様子を見に来てくれたりしたけど、そのたびにボス(調教師)に説得されたんですよ」

見習い期間の4年間は、週末や土日も関係なく、休みは1週間に1日の午後のみ。ブラック企業も真っ青なハードワークだが、この時代があるからこそ今があるとリサ・オールプレス騎手は語る。現役の騎手たちだけではなく、世の多くの女性や男性にとっても耳が痛くなるような話である。健康管理や安全管理を徹底せよ。遊んでいては生き残っていけない、何かを捨てなければ何も成し遂げることはできない。彼女がこの4年間で学んだことは、もちろん厩舎の仕事や競走馬にたずさわる知識など多岐にわたるはずだが、何よりも自分の仕事や人生への向き合い方ではなかったのか。自分を信じ、自分の仕事に打ち込むことだ。

現在、JRAには現役の女性騎手がいない理由について、日本の男性社会の強さをリサ・オールプレス騎手は挙げているが、彼女の本音はそこにはないだろう。なぜなら、これまで世界の競馬で活躍してきた女性騎手は、恐ろしいまでの男性社会や差別や偏見を突き破ってきたからである。「ROUNDERS」vol.2でハイランド真理子さん(リサ・オールプレス騎手を日本に連れてきた人物)が書いた女性騎手ジュリー・クローンの逸話が興味深い。

「She could coax horses to win instead of pushing them.(彼女は馬を無理やり前に出すのではなく、馬を励ますことで勝たせるのである)」――ジュリーの技術はしばしば調教師たちにこう評された。彼女の忍耐力と手綱を持つ手が、馬を励まし優勝に導いたということだ。馬を操るには剛腕でなければならないという説がこれでくつがえせるだろう。しかし、だからといって、ジュリーが剛腕でなかったというわけではない。彼女の剛腕はむしろトラック外で発揮された。レース中に彼女の馬を鞭で殴ったり、彼女を叩いたり、プールに押し倒したり、彼女に対してさまざまな暴力的な行為を働いた男性騎手たちのほぼ全員が、彼女に「反省を促され」ている。つまり、ジュリーから殴り返されたらしい。なかには歯を失った騎手もいた。彼女の反撃行為に対して罰金を科せられたときもむしろ、周囲からは「やるじゃないか」と賞賛を得たらしい。

競馬界だけではなく、日本の社会では(特に若い)女性というだけですぐに下駄を履かせてもらえる。過保護に育てられ、守られる。たとえば、競馬学校時代に妊娠が発覚したとしても、厳重注意のみで退学にはならない。男社会であるがゆえの希少価値が高いからという気持ちは分からなくはないが、そうしている間は本当の一流は絶対に現れない。誰もが生き残るのに必死の世界においては、女性というだけで優遇されることはない。競馬にたずさわる女性が増え、その中から騎手を目指す者が出始め、いつの日か私たちの目の前に本物が登場することが理想的なシステムではあるが、それには時間がかかるし、日本の馬文化を考えると現実味に欠ける。そうなると唯一の期待は、システムや壁を乗り越えて突然変異的に出てくる1人の女性なのである。最後に、ハイランド真理子さんからの女性騎手に対するメッセージを添えて終わりたい。

日本の中央競馬には、ジュリー・クローンはもちろん、ヘイリー・ターナーもいないし、クレア・リンドップもいない。しかし、ジュリー・クローンと彼女の母親が、タンパベイ競馬場に着いた時のことを思い出して欲しい。二人は競馬場のガードマンに入門を拒否された時、諦めて帰るのではなく、競馬場の裏手に回ってフェンスをよじ登って中に入った。そして、「君は騎手になりたいんだって?」と聞かれ、「なりたいんじゃないわ。騎手になるのよ」とジュリーは答えた。「フェンス(障害)は乗り越えるためにある」とジュリーは語った。障害(フェンス)を越える勇気、夢を実現する断固とした精神力と、そのための努力を惜しまない女性が日本にも出てくれば、もしかして日本にもジュリー・クローンや、ヘイリー・ターナー、クレア・リンドップが出てくるかもしれない。いや、出てくると思いたい。 (『ROUNDERS」vol.2「世界で最も成功した女性騎手」より)
Roundersvol2cover300

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (34)

洋芝では欧州の名馬の遺伝子を受け継ぐ馬を狙え

Rensai017

芝コースの種類は大きく3つに分けられる。野芝100%の芝コースと洋芝100%の芝コース、そして野芝に洋芝をオーバーシードした芝コースだ。野芝100%のコースは新潟競馬場の全開催と小倉、中山、阪神競馬場の一部開催、洋芝100%の芝コースは札幌と函館競馬場、そしてオーバーシードした芝コースは東京、中山、阪神、京都、中京、福島、小倉競馬場がそれにあたる。

野芝は暖地性の芝草であって、気候が暖かくなる6月から成長を開始し、8月の一番暑い時期に最盛期を迎える。野芝は非常に強靭で、耐久性が高い。地面に地下茎を張り巡らせて横にネットワークを作るため、馬の蹄が当たって多少の衝撃があろうともビクともしない。野芝が生え揃った状態の馬場には、押すと弾き返すといったクッションが感じられ、蹄の掛かりが良く、スピードが出る。

野芝の弱点は、寒さに弱く冬枯れしてしまうということである。野芝しか使っていなかった昔の中山競馬場の馬場は、暮れになると芝がまるで土のような色になり、見映えは決して褒められたものではなかったことを思い出す。当時、ジャパンカップに来た外国人関係者が、「芝のコースはどこにあるのですか?」と尋ねたという笑い話は有名である。

洋芝は寒地性の芝草である。洋芝の葉の密度は野芝よりもずっと濃いため、馬の蹄が芝の上に着地してから、芝が倒れて足の裏が地面に着くまでに時間差があるように感じる。野芝が押すと弾き返すクッションであれば、それとは対照的に、洋芝は押すと凹んで力を吸収するスポンジである。それゆえ、洋芝の芝コースは重くて、パワーとスタミナが必要とされる。

しかし、強度と耐久性という点では野芝に劣る。馬の蹄が強く当たると、根こそぎ芝が剥がれてしまうこともあり、ポカっと穴があいてしまい危険である。また、高温の夏には夏枯れしてしまうことがあり、さらに雨が降ってしまうと途端に馬場が悪化することもある。だからこそ、洋芝100%の芝コースは札幌と函館競馬場のみでしか成立しない。

(続きは週刊Gallopにて)

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (19)

函館記念を当てるために知っておくべき3つのこと

Hakodatekinen

■1■上がり馬が狙い目
G1       【0・1・1・13】 連対率7%
G2       【2・0・2・12】 連対率13%
G3       【2・1・2・16】 連対率14%
オープン特別 【5・7・2・53】 連対率18%
条件戦    【0・0・2・10】 連対率0%

過去9年で前走がG2レースから2頭、G3レースから2頭、オープン特別から5頭の勝ち馬が出ているように、これまでに実績のある馬ではなく、この夏に力を付けてきた(調子を上げてきた)馬が狙い目である。また、前走がオープン特別であった連対馬12頭中、9頭が巴賞出走馬である。函館記念1本に狙いを定めてきた上がり馬に注目すべき。

■2■2000m以上のスタミナが必要
トニービン、ニジンスキー、ノーザンダンサーなどの血を引く馬たちが活躍しているように、函館競馬場独特の洋芝によって、パワーはもちろんのこと、字ヅラ以上のスタミナが必要とされる。また、速い上がりが求められるレースになることはほとんどないので、瞬発力勝負では分が悪かった馬の巻き返しにも期待したい。

■3■内を通って差を詰めることの出来る差し馬
12.8-11.2-11.8-12.4-12.5-12.2-12.1-11.9-11.8-12.0(60.7-60.0)M
12.6-11.3-11.6-12.4-12.6-12.8-12.4-13.0-13.0-13.4(60.5-64.6)H
12.6-11.8-12.7-13.0-12.9-11.9-12.0-11.9-11.7-12.3(63.0-59.8)S
12.2-11.2-11.4-12.1-12.1-12.4-12.0-12.1-12.1-12.7(59.0-61.3)H
12.4-11.6-12.1-12.4-12.3-12.3-12.0-11.7-11.5-12.3(60.8-59.8)S 札幌競馬場
12.3-11.0-11.2-11.5-11.8-12.1-12.6-12.4-11.4-12.2(57.8-60.7)H
12.2-11.0-11.5-12.2-12.8-12.4-12.3-12.0-11.8-12.1(59.7-60.6)M
12.5-10.8-11.6-12.0-12.2-12.4-12.4-12.3-11.8-12.4(59.1-61.3)H
12.2-11.0-11.7-11.8-12.1-12.1-12.0-12.0-11.6-12.1(58.8-59.8)H
12.3-11.3-12.2-12.0-11.8-11.7-12.0-11.8-12.3-12.7(59.6-60.5)M

過去10年間のラップ構成を見ると、札幌競馬場で行われた年以外は、ミドルペースからハイペースとなり、案外スローにはならないことが分かる。毎年異なった展開で流れていることが分かる。ジョッキーが262mと短い直線を意識するため、向こう正面から既に動き出すからである。そのため、ペースや競馬場のコース形態のわりには逃げ馬が残りにくく、先行馬、そしてさらに、内を通って差を詰めることの出来る差し馬にとって有利なレースになる。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (65)

バランスが良くなってきたレッドアルヴィス:5つ☆

★プロキオンS
レッドアルヴィス →馬体を見る
安田厩舎の管理馬らしいというか、古馬になり全体的にバランスが良くなってきた。
前後躯にきっちりと実が入り、筋肉のメリハリも素晴らしく、安定して力を出せる。
Pad5star

グレープブランデー →馬体を見る
全盛期の黒光りする馬体には劣るが、ここ最近では最も調子の良さが伝わってくる。
表情からは闘争心が伝わってこないが、馬体からは衰えは感じられない。
Pad3star

エアハリファ →馬体を見る
休み明けとは思えないメリハリの利いた馬体で、根岸Sの時と同じく力を出せる。
胴部の短さからは、マイル戦よりもこれぐらいの短い距離の方が合っている。
Pad3star

コーンベリー →馬体を見る
他のダートの鬼たちと比べると馬体が薄く映るが、かえってバランスが取れていて好感。
闘争心を持ちながらも素直さもある顔つきで、レースに行って操作性が高そう。
Pad45star

ワイドバッハ →馬体を見る
コロンと映る体型はこの馬の特徴であり、その分、距離は短い方が切れ味が増す。
腰が高く映るように、スピードタイプであり、使える脚が短く、仕掛けが難しい。
Pad3star

ベストウォーリア →馬体を見る
最高に仕上がっていたフェブラリーS時と比べると、筋肉のメリハリが物足りない。
顔つきからも連戦の疲れが伝わってくるように、決して万全の体調ではない。
Pad3star

★七夕賞
ステラウインド →馬体を見る
首がスラリと長く映るように、距離が延びて良さが出そうな伸びのある馬体を誇る。
腹回りに余裕があるからか、やや胴部が詰まっているように映り、もうひと絞りほしい。
Pad3star

アルフレード →馬体を見る
2歳時に比べると別馬のような馬体に変化していて、父系の力強さが前面に出ている。
毛艶も良く、全体のバランスも良くなっているので、安定して力を出せるはず。
Pad4star

マイネルディーン →馬体を見る
胴部に実が詰まって力強さがあるが、その割に首が細くて、全体的にアンバランス。
血統的にもステイヤーであり、2000mの距離はこの馬にとっては短いかも。
Pad3star

グランデッツア →馬体を見る
胴部だけではなく手脚にも長さがあって、マイル以上の距離でも力は出せる。
若駒の頃に比べて、馬体のバランスの良さは変わらずだが、柔らみが失われた。
Pad3star

レコンダイト →馬体を見る
トモの薄さからはステイヤーの馬体だが、それにしては腹回りに余裕がある。
斑点が浮いているように毛艶は良いのだが、あとはもうひと絞りできれば。
Pad3star

トウケイへイロ― →馬体を見る
コロンとした体型はこの馬の特徴であり、2000mの距離までならば心配ない。
長期休養明けをひと叩きされて、この馬としては走れる仕上がりにある。
Pad4star

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (10)

プロキオンSを当てるために知っておくべき3つのこと

Prokions

■1■1番人気が圧倒的に強い
過去10年間で1番人気は【3・3・4・0】と連対率60%、複勝率100%という圧倒的強さを誇る。これはが実績馬に有利な別定戦であることが最大の理由である。だからといって1番人気を買えばよいというのは早計で、実績馬がそれほど重い斤量を背負わされないため、力のある馬が順当に勝つというのが本当の意味である。

■2■結局のところ前に行った馬にとって有利なレース
12.3-10.5-11.5-12.0-11.8-11.6-12.6(34.3-36.0)H
12.2-10.6-11.1-11.7-11.9-12.1-12.3(33.9-36.3)H
12.0-11.0-11.5-11.7-11.6-12.0-12.2(34.5-35.8)H
12.3-10.1-11.0-11.9-12.1-12.4-12.9(33.4-37.4)H
12.0-11.0-11.6-11.8-11.6-11.7-12.3(34.6-35.6)H
12.3-10.8-11.5-11.8-12.1-11.8-12.4(34.6-36.3)H
12.1-10.9-11.4-12.1-12.0-11.4-11.9(34.4-35.3)M
12.0-10.7-11.3-11.6-11.5-11.9-13.6(34.0-37.0)H
12.1-11.0-11.0-11.5-12.0-11.8-12.5(34.1-36.3)H
12.2-11.0-11.5-11.8-12.0-11.8-12.3(34.7-36.1)H

過去10年のうち、阪神ダート1400mで行なわれた6レースは、ほぼ例外なくハイペースに流れていて、前に行く馬にとってはかなり厳しいレースとなっていた。なぜなら、阪神1400mダートコース(内回り)の最後の直線は352mと短く、前に行った馬にとって有利という意識がジョッキーに共通に働くため、どの馬もとにかく前に行きたがるからである。それでも先行馬が活躍していたのは、最後の直線が短いから。後ろから行く馬向きの展開になるにもかかわらず、意外と直線が短くて差し切れないという現象が起こっていた。この傾向は2012年から行なわれている中京ダート1400mコースでも変わらず、ハイペースにはなっても、結局のところある程度前に行った馬にとって有利なレースになるはず。

■3■外枠がやや有利
中京ダート1400mコースはスタート地点が芝となっていて、外枠から走る馬の方が芝を走る距離が長い。そのため、外枠に入った馬(特に先行馬)は、内枠に入った馬に比べ、スピードに乗りやすいという利点が生じる。先行・差し馬向きのレースと前述したが、特に外枠に入った先行馬には要注意である。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (56)

浅き川も深く渡れ

Asakikawamo

先日、ユートピアが繫養先のトルコで亡くなった知らせを受け、2006年のゴドルフィンマイルが鮮明に蘇った。まだ明るさの残る中、道中はテレビ中継車を気にする素振りを見せつつ、最後は突き放してあっさりと逃げ切ったレースを見て、その後に向けて良い予感がしたものだ。この年の秋にはディープインパクトの凱旋門賞挑戦も予定されていて、その切り込み隊長としてのユートピアの勝利に日本の競馬ファンの心は躍った。そして、ハーツクライがドバイシーマクラシックを圧勝した姿を見て、日本の競馬がようやく世界に追いついたと確信した関係者も多かったはずである。そういった意味において、ユートピアも歴史をつくった日本馬の1頭であった。

その夜、大井競馬場で行われたジャパンダートダービーをノンコノユメが制した。前走のユニコーンSに続き、桁違いの末脚で他馬を差し切った。C・ルメール騎手がユニコーンSのレース後、「簡単だった。もっと上のクラスでも十分に通用する」と語っていたとおり、現時点では3歳ダート馬たちの中では力が抜けている。いかにもダート馬という馬体からは程遠い、牝馬のような繊細なシルエットからは、どこにこれだけの爆発力を秘めているのか知り得ない。ノンコノユメの父トワイニングはユートピアの父でもあるフォーティーナイナーの直仔であり、初めて大物と言える産駒を誕生させたことになる。そういえば、ユートピアはジャパンダートダービーでは惜しくも2着であった。

つながっているような、つながっていないようなユートピアの死とノンコノユメの登場を見ると、競馬の世界のサイクルの速さを思う。ユートピアが世界の扉を開き、ゴドルフィンに華々しくトレードされたことをつい最近のように思っていると、いつの間にか種牡馬としてアメリカからトルコに活躍の地を移し、最期は残念なことに心臓発作で命を落としてしまった。彼に聞いてみなければ分からないが、波瀾万丈な馬生だったのではないだろうか。サラブレッドとして生を受け、幼いうちに母親から引き離され、背中に鞍を載せ、厳しい馴致を施され、苦しい調教で鍛えられたのちに競走馬としてデビューする。わずか数戦、多くても数十戦を走り抜くと、その後はそれぞれの余生が待っている。サラブレッドの世界では光と影、誕生と死は常に隣り合わせであり、手を伸ばせば届くようなすぐ傍にある。

「浅き川も深く渡れ」とは、私の大好きな写真家であり冒険家でもある星野道夫さんが、小学校の卒業文集にしたためたことわざである。文字通りの、安全に見える浅い川でも深い川を渡るつもりで注意して渡れという意味ではなく、小学生の星野道夫さんがどこかで感じていたのは人生の短さ、または命のはかなさではないだろうか。サラブレッドの馬生はそうだが、人の一生も実は短いのだろう。私は競馬という体内時計を持っていて、毎週土日の競馬開催から始まり、G1レースが行われる季節や応援している馬の年齢まで、私の人生を正確に刻んでくれる。ときにはこうして、ユートピアのように、過去のレースを思い出させてくれて、一生の短さを教えてくれるのだ。それではどうすれば浅き川を深く渡ることができるのか、と問われると、私には答えはない。

あらゆる生命が、ゆっくりと生まれ変わりながら、終わりのない旅をしている。

ひとりの人間の一生の記憶の中で、光を放ち続ける風景とは、一体何なのだろう。
忘れ難い思い出がうそのように遠く去り、何でもない一瞬がいつまでも記憶の中で生き続けることが、きっとある。

あらゆるものが目まぐるしいスピードで消え、伝説となってゆく。
が、ふと考えてみると、アラスカ北極圏の原野を、幾千年前と変わることなくカリブーの大群が今も旅を続けている。

ほおをなでてゆく風が、移ろいゆく人の一生の不確かさを告げていた。
思いわずらうな、心のままに進めと…。

(「カリブー 極北の旅人」星野道夫)

Photo by 三浦晃一

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (17)

絶対的な逃げ馬は目をつぶって狙い続けるべき

Rensai016

「ミホノブルボンは逃げ馬ではない」と故戸山為夫調教師は語ったことがある。1ハロン12秒という自分のペースを守って走ったら、たまたま逃げる形になったという意味である。それだけミホノブルボンのスピードが突出していたということであり、スピードのある強い馬は自然と逃げ馬になってしまう、というのが戸山調教師の思想であったと思う。タニノハローモアやレガシーワールドなど、戸山調教師が育てた名馬には逃げ馬が多い。

実際に、レースに行っても、逃げ馬は有利である。大きな不利を受けたりすることが少なく、アクシデントに巻き込まれにくい。馬場の良いところを選んで走ることができるし、相手の出方次第ではなく自らペースをつくり、動き始めることができる。逃げ馬はレースの主導権を握ることができるのである。また、馬場が逃げ馬に有利に働くケースも多い。上がりが極端に速かったり遅かったりする馬場は逃げ馬に有利になる。それ以外にも、逃げ馬のメリットは枚挙に暇がないだろう。

馬券的な観点からも、4コーナーを先頭で走った馬の単勝回収率は214%になるという2010年度のデータがある(芝のレースに限定すると193%、ダートでは236%)。この数字は2010年に限ったことではなく、どの年でもほぼ同じで、つまり4コーナーを先頭で走る馬の単勝を買い続けると儲かるということだ。どんな予想家でも予想理論でも継続的には達成できない回収率であり、まさに最強の必勝法と言っても過言ではなく、私もこの必勝法に異を唱えるつもりはない。

逃げ馬は最強であるという結論は当然の帰結であろう。

それでは、なぜ全ての馬が逃げ馬を目指そうとしないのか。肉体的な資質や気性の問題はとりあえず横に置いておいて、これだけ逃げ馬に有利な条件が揃っているというのに、なぜ調教師も騎手も抑える競馬を馬に教えようとするのだろうか。

(続きは週刊Gallopにて)

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (8)

七夕賞を当てるために知っておくべき3つのこと

Tanabata

■1■上がり時計不問
12.5-11.2-11.6-11.4-11.9-12.0-12.5-12.5-12.3-12.5(58.6-61.8)H 
上がり3ハロン37秒3
12.4-11.5-11.8-11.6-11.7-11.7-11.8-12.0-12.1-12.7(59.0-60.3)H 
上がり3ハロン36秒8
12.3-11.1-12.1-12.2-12.1-11.9-12.0-12.0-12.1-12.5(59.8-60.5)M 
上がり3ハロン36秒6
12.5-11.3-11.9-12.1-12.5-12.0-11.7-11.9-11.7-12.2(60.3-59.5)M 
上がり3ハロン35秒8
12.5-11.5-12.2-12.3-12.6-12.0-11.8-11.7-11.3-12.3(61.1-59.1)S 
上がり3ハロン35秒3
12.5-11.4-12.1-12.2-12.8-12.0-11.7-11.8-12.0-11.9(61.0-59.4)S
上がり3ハロン35秒7
12.3-11.1-12.4-12.4-13.2-12.0-11.7-11.5-11.7-12.2(61.4-59.1)S
上がり3ハロン35秒4
12.3-11.2-12.0-12.3-12.5-12.4-11.8-12.0-12.2-12.4(60.3-60.8)M
上がり3ハロン36秒6
12.1-10.7-10.9-12.3-12.6-12.3-12.1-12.1-11.7-12.1(58.6-60.3)H
上がり3ハロン35秒9
12.2-11.4-11.2-12.0-12.1-11.9-11.9-11.6-11.8-12.6(58.9-59.8)M
上がり3ハロン36秒0

最近はスローに流れる競馬が多く、上がりが速くなる傾向が出てきているが、それ以前は上がりが35秒を切るレースの方が圧倒的に少なかった。馬場の劣化と、息の入らないペースによって、上がり時計が不問になりやすい。軽い瞬発力ではなく、その対極にある、パワーとスピードの持続力が求められるレースである。当然のことながら、こういう上がり時計不問のレースでは前に行った馬が有利になる。

■2■マイラーでもステイヤーでも厳しい
直線の短い小回りコースということもあって、スタート直後からガンガン飛ばしていく速い流れになりやすく、最後は底力の勝負になり、豊富なスタミナが要求される。そのため、純粋なマイラーにとっては厳しいレースとなる。かといって、ステイヤーに向くかというとそうでもなく、ステイヤーは道中の速く厳しい流れに戸惑ってしまうことになる。どちらかに偏っていない、中距離馬を狙い打つべきである。

■3■ハンデがハンデにならない!?
斤量         成績       連対率
51kg以下     【0・0・0・12】   0%
52kg        【2・0・0・10】  17%
53kg        【1・2・1・13】  18%
54kg        【0・1・1・21】   4%
55kg        【1・2・5・18】   12%
56kg        【1・2・2・22】   11%
57kg        【4・1・1・13】   26%
57.5kg以上   【1・2・1・8】   25%

ハンデ戦にもかかわらず、ハンデが重くなるにしたがって連対率が上がる傾向がある。そして、勝ち馬は55kg~57kgのゾーンに集中している。ハンデキャパ―に評価された実力馬が、そのまま素直に力を発揮して結果を出す舞台と考えてよい。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (12)

今回はどちらのレースも5つ☆はなし

★CBC賞
ウリウリ →馬体を見る
牝馬らしいシルエットの中にも力強さが伴い、筋肉のメリハリも素晴らしい。
重心がやや低い馬体なので、距離は短い方がよりこの馬の良さが出るはず。
Pad45star

サドンストーム →馬体を見る
いかにも短距離馬といった胴が詰まった馬体で、力強さにも溢れている。
目の周りが黒く、もしかすると夏負けしているかもしれないが、毛艶は良好。
Pad3star

トーホウアマポーラ →馬体を見る
馬体だけを見ると、特に腹回りに余裕があり、もうひと絞りほしいところ。
馬体全体には力感があって、さすがG1ホースの姉といった貫禄がある。
Pad3star

フレイムへイロ― →馬体を見る
前後躯にしっかりと実が入って、筋肉のメリハリがあり、パワー勝負を得意とする。
顔つきからは気性の激しさがうかがえ、それが上手くスピードに変わるかどうか。
Pad3star

ベルルミエール →馬体を見る
胴部には十分な長さがあり、手脚もスラリと伸びて、一介の短距離馬の馬体ではない。
欲を言えば、もう少し馬体全体にメリハリがあれば良いが、及第点の仕上がり。
Pad3star

レッドオーヴァル →馬体を見る
短距離馬としてはほぼ完成された馬体で、馬場が良ければ安定して力を出せるはず。
ただ、今回は表情から気持ちの難しさが伝わってきて、精神面でやや不安あり。
Pad3star

★ラジオNIKKEI賞
アッシュゴールド →馬体を見る
ゴムまりのような柔らかい筋肉は素晴らしいが、胴部に伸びが足りないのが不満。
精神的に不安材料があるからか、気持ちの難しさが顔つきにも現れている。
Pad3star

アンビシャス →馬体を見る
成長段階にある馬体であり、まだ馬体に薄さが目立つように、線が細くパワー不足。
それでも立ち姿は凛としていて、シルエットも素晴らしく、この先の成長に期待したい。
Pad3star

キャンベルジュニア →馬体を見る
胴部に十分な伸びがあるように、距離が延びてこそ良さを発揮できるタイプの馬体。
まだ腹回りに余裕が残っていて、完璧に仕上げてはいない8分の出来にある。
Pad3star

ナヴィオン →馬体を見る
血統的には距離が延びてこそのステイヤーかと見えるが、馬体には伸びを欠く。
前駆の力強さに比べると、どうしてもトモに肉付きの物足りなさが残る。
Pad3star

マイネルシュバリエ →馬体を見る
この時期だとしても毛艶がとても素晴らしく、体全体から調子の良さが漲っている。
筋肉のメリハリが物足りなく、完成には至らない馬体ではあるが、将来性は高い。
Pad4star

レアリスタ →馬体を見る
3歳馬らしい幼さを残しているが、筋肉も柔らかく、手脚もスッと伸びて素晴らしい。
胴部が詰まったように映るが、この先、馬体が成長して伸びが出て来ると面白い。
Pad45star

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (18)

ゴールドシップはなぜ立ち上がったのか?

Goldship01

先週の宝塚記念は、勝ったラブリイデイよりも大敗したゴールドシップが主役のようなレースであった。ゲート内で立ち上がり、タイミング悪くスタートが切られ、10馬身以上出遅れてしまったゴールドシップの姿ばかりが印象に残っている。さらに輪をかけて、レース後にはあらゆる意見や批難がメディアでも飛び交い、私たち競馬ファンはゴールドシップという久しぶりに現れた異物に心を奪われてしまったように見える。競馬とは何なのか、馬券を買うとはどういうことなのか、サラブレッドとはどういう生き物なのか、そういった問いを私たちに突き付けてくる、稀有な馬であると私は思う。ゴールドシップについて、私たちは考えざるを得ないのである。

まず今回の宝塚記念のゲートのタイミングは、結果的には悪かった。隣にラブリイデイが入った途端にゴールドシップが大きく立ち上がり、ゆっくりと着地した次の瞬間にゲートが開かれた。そのタイミングと2度目に立ち上がったそれがほぼ一致したため、ゴールドシップは大きく出遅れることになった。私も最初に見たときは、ずいぶんと間の悪い、いやそれどころか最悪のタイミングでボタンを押したなと感じた。発走を焦ってしまったのかとも思った。たしかにそういう面もあったかもしれないが、その後、自分が発走委員であったらと考えれば考えるほど、どのタイミングでゲートを開くかは判断が極めて難しいことが分かる。

最高のタイミングと最悪のタイミングは紙一重である。あのタイミングでゲートを開かなかったとして、もう少し未来を想像してみると、私の目にはゲート内でゴールドシップがさらに大暴れしている姿が映る。とにかくゴールドシップは走りたくないのだから、何とかしてゲート内から逃げ出そうとするはずで、2、3度立ち上がって落ち着くなんてことはないだろう。それは気性の激しいサラブレッドを扱っている者ならば分かる。ゴールドシップは横山典弘騎手を振り落し、ゲートを突き破って脱出するまで暴れ続けるだろう。上手く外に出られれば良いが、変な体勢になったり、脚が絡まったりして、人馬ともに命に関わる大怪我を負った可能性も十分にある。

だとすれば、なるべく早いタイミングで危険を回避させることを考えれば、ゲートを開くチャンスはたった1度だけ。そう、ゴールドシップが立ち上がって着地したその瞬間である。その瞬間にゲートを開けば、ゴールドシップが真っ先に飛び出した可能性もあった。もしそうなっていれば、日本競馬界の裏歴史に残る最高のタイミングでスタートを切ったと称賛されただろう(一般の競馬ファンは当然と思うだろうが)。一か八かではあるが、発送委員は最高のタイミングを狙ってボタンを押したのだと思う。ゴールドシップに懲罰を課そうという邪悪な想いなど露ほどもない。運が悪かったのは、ボタンを押してゲートが開くまでに僅かな時間差が生じたことと、それによってゴールドシップが着地して、ゲートが開くことを認識する前にすぐにまた立ち上がってしまったことだ。

今回の事件で何が悲しいかというと、結果論として起こった事態に関して、主催者のJRA側を責め、その元々の原因には目をつぶるというマスメディアや競馬評論家(ライター)の姿勢ではないか。たしかに今回のJRAの説明報道には首をかしげる部分もあるし、ゲートボーイなどの導入はかなり昔から検討されているにもかかわらず着手されていない問題だ。そういう改善を求める意見は強く挙げていくべきである。しかし、ゴールドシップの問題になると、「あの馬らしいね」という論調で取り上げ、それでも愛されると終始する。なぜゴールドシップがあれほどまでにゲート入りを拒むのかについて、その本質に誰も言及しようとしない。自分の仕事を守りつつ、叩きやすいところだけを叩く大御所たちによるマスメディアは本当につまらない。

ゴールドシップは最も人間的な馬だと私は思う。決して気性が悪いわけではなく、むしろ賢くて繊細で、人間のために走る馬。ラブリイデイが最後にゲートに入ったとき、彼は隣に馬がいることを嫌がったのではなく、出走全馬がゲートに入るとスタートが切られることを知っているから立ち上がって抵抗しようとしたのではないだろうか。そこまで分かっている馬がいるのだろうかと不思議に思うが、ゴールドシップは私たちが考える以上に競馬について理解しているのかもしれない。ということはもちろん、彼は自分が走って勝つと人間が喜ぶことも知っている。だからこそ、肉体の限界を超える苦しさの中でも、耳を絞って反抗しながらも、あらん限りの力を振り絞って走る。阪神大賞典も天皇賞春も驚くべき心臓の強さで走り抜いた。そして、次のレースではもう走る気力も体力も残っていなくて、(彼はそれを恥じるだろうが)とてつもない凡走をしてしまうのである。

Photo by 三浦晃一

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (23)

ラジオNIKKEI賞を当てるために知っておくべき3つのこと

Radionikkei

■1■G1帰りの馬は消し
かつては「残念ダービー」と言われていたほど、ダービーに出走できなかった馬や、出走しても好走できなかった馬が好走したレースだが、過去10年では、前走がG1レース(ダービー、NHKマイルC、オークスなど)であった馬の成績は【1・1・1・18】と奮わない。前走が500万下であった馬の成績【4・4・2・32】と比べると、その差は明らかである。

それもそのはずで、前走がG1レースであった馬は、そのレースに向けて100%の仕上げで臨んでいるからである。目に見える見えないにかかわらず、ほとんどの馬の体調は、良くて前走から平行線、悪ければ下降線を辿って出走してくる。たとえG1レースに出走したような力のある馬でも、走られる状態になければ好走は望めない。

■2■1800m以上のスタミナ
この時期の福島競馬場は、芝が傷んで力を要する馬場になっている。野芝が成長を始めるものの、1回開催から期間が短いため、馬場の傷みは回復することなく進行していくからである。特に3~4コーナーにかけて内側の芝はかなり傷んでおり、各馬が馬場の良い外々を回すため、必然的に1800m以上の距離を走ることになる。

過去10年間のラップ
12.3-10.9-11.3-12.0-12.0-11.7-12.0-12.4-12.6(46.5-48.7)H
12.5-11.2-11.8-12.6-12.4-12.1-12.5-12.1-13.3(48.1-50.0)H
12.6-11.5-11.3-12.2-12.4-12.3-11.6-11.6-12.2(47.6-47.7)M
12.6-10.8-11.7-12.6-12.2-11.7-11.6-11.4-12.2(47.7-46.9)M
12.4-11.3-12.0-12.3-12.1-11.9-11.9-12.0-12.4(48.0-48.2)M
12.6-11.5-11.4-12.6-12.3-11.5-11.6-11.7-12.1(48.1-46.9)S
12.3-11.8-11.5-12.2-11.9-12.1-12.0-11.4-11.7(47.8-47.2)M
12.4-11.2-11.9-12.6-12.4-12.2-11.7-11.5-12.0(48.1-47.4)M
12.5-10.9-12.4-12.5-12.2-12.2-11.5-11.5-12.2(48.3-47.4)M
12.2-10.4-11.6-11.9-12.1-12.3-12.0-11.7-11.7(46.1-47.7)H

また、過去10年間のレースラップ(上記)を見てみると、ヴィータローザが勝った2003年のレースと一昨年以外は、ほとんどのレースが前傾ラップとなっている。各ジョッキーが直線の短さを意識し、好位を確保するために、前半からかなり厳しいペースでレースが流れていることが分かる。

つまり、以上の2点から、小回りの1800mというコース設定ではあるが、実は字ヅラ(1800m)以上のスタミナが必要とされるのである。

■3■長くいい脚を使える馬
福島競馬場の最後の直線は297mと短い。そのため、直線に向いてからの追い出すのでは遅く、各馬のスパートは3~4コーナーにかけて既に始まっている。コーナーを回りながらの仕掛けとなるため、一瞬の切れ味は生かしにくく、どちらかというとジワジワと伸びるタイプの馬にとって有利となる。もちろん、福島競馬場で実績のある馬は求められている適性に近いということだろう。

また、菊花賞を勝ったダンスインザダークの産駒や、将来の菊花賞2、3着馬が活躍していることからも、ラジオNIKKEI賞と菊花賞の間には深い連動性があることが分かる。求められている適性(長くいい脚を使える)が似ているということである。つまり、ラジオNIKKEI賞で好走した馬は菊花賞でも好走の確率は高く、逆に菊花賞で好走しそうな(血統の)馬がいれば、ラジオNIKKEI賞でも狙ってみても面白いということだ。

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (18)

ハイレベルなレースは負け組の中にも逸材が潜む

Rensai015

拙ブログの読者(以下Aさん)から、今年の春先、共同通信杯のレースレベルに関する質問をいただいた。Aさんは最近、ラップの研究を始められたそうで、今年の共同通信杯もラップ分析をしようと調べているうちに、2013年共同通信杯のレースレベルに疑問を感じたとのこと。

2013年共同通信杯
13.0 - 11.2 - 11.8 - 12.1 - 12.1 - 11.8 - 11.3 - 11.2 - 11.5 1:46.0

過去5年の同レースのラップと比べてみると、2013年は前半600mが36秒0、中盤600mも36秒0、そして後半600mが34秒0と一貫して速く、中でも中盤の36秒0は過去の共同通信杯のレースと比べても極端に速く、また後半800mも11秒8、11秒3、11秒2、11秒5と11秒台を連発している。

「ラップ分析が未熟な私がみると、これだけでレベルの高いレースだと思いました。しかし、その後のメイケイペガスターは大きなレースを勝つことはなく、他の好走馬も活躍していないことからも、2013年共同通信杯のレベルは高くないことが分かります。なぜこのようなことが起こっているのでしょうか?」

それに対して、私は以下のように返答した。

「メイケイペガスターが勝った2013年度は馬場が速かったのだと思います。同日の他のレースタイムを見るとそれほど感じませんが、過去の共同通信杯と比べてみると明白です。これぐらいタイム差(馬場差)があると、ラップの単純比較が困難になりますね。前半・中盤・後半の比較で分かりにくいときは、前半・後半に分けることをお勧めします」

(続きは週刊Gallopにて)

現在のランキング順位はこちら

| | Comments (12)

« June 2015 | Main | August 2015 »