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厳しい長距離GⅠでの経験を糧として生かせる馬を見極めろ

Rensai22

3000m以上の長距離G1レースを使うことには、メリットとデメリットが同居する。メリットは、レースに行って騎手の指示に忠実に従い我慢強く走ることができるようになること。一方のデメリットは、肉体的にも精神的にもダメージを負ってしまうことである。メリットとデメリットのどちらが大きいかはそれぞれの馬の状況によって異なるが、特に若駒の馬体ができていない時期にはデメリットの方が大きい。たとえば、3歳時に菊花賞のような激しいレースで勝つもしくは好走することは、大きな代償を伴うのだ。

ドリームジャーニーという馬が菊花賞を走った後にスランプに陥ったことがあった。ドリームジャーニーはご存じオルフェ―ヴルの全兄であり、血統的には長距離を走れなくはないはずだが、2歳時に強烈な末脚で朝日杯フューチュリティSを勝ったように、本質的にはマイルから中距離を得意とする馬であった。馬体も気性も、決して長距離向きのタイプではなかった。そのドリームジャーニーが菊花賞に出走し、負けはしたものの、あらん限りの力を振り絞って激走したことで、その後、凡走を繰り返すことになったのだ。

ようやくドリームジャーニー本来の姿に戻り始めたのは、菊花賞から半年以上が経った翌年の夏の小倉記念であった。それまでのチグハグなレースが嘘のように、ドリームジャーニーらしい鋭い差し脚が見られるようになり、少しずつ歯車がかみ合ってきた。菊花賞のダメージから回復した2009年には、宝塚記念を制しておよそ3年ぶりのG1レース勝利を収め、さらに暮れの有馬記念でも勝利を飾るほどに成長を遂げたのである。

ドリームジャーニーの競走成績を振り返ってみて、私が教えてもらったのは、距離適性のない若駒が長距離G1レースに出走し、勝つもしくは好走することで大きなダメージを負い、完全に回復するには比較的長い期間が必要であること。そして、ひとたび本来の姿を取り戻すと、肉体的にも精神的にも苦しいレースをした経験が生きて、道中では我慢強く走ることができるようになり、多少の厳しいレースを強いられてもへこたれなくなる。つまり、馬が大きく成長するということである。

(続きは週刊Gallopにて)

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